JP2005354473A - 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ - Google Patents

超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ Download PDF

Info

Publication number
JP2005354473A
JP2005354473A JP2004173947A JP2004173947A JP2005354473A JP 2005354473 A JP2005354473 A JP 2005354473A JP 2004173947 A JP2004173947 A JP 2004173947A JP 2004173947 A JP2004173947 A JP 2004173947A JP 2005354473 A JP2005354473 A JP 2005354473A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic transducer
pair
ultrasonic
reflector
fixed electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004173947A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005354473A5 (ja
Inventor
Kinya Matsuzawa
欣也 松澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004173947A priority Critical patent/JP2005354473A/ja
Publication of JP2005354473A publication Critical patent/JP2005354473A/ja
Publication of JP2005354473A5 publication Critical patent/JP2005354473A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

【課題】 広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分に高い音圧レベルの音響信号を発生することができ、かつ振動膜の膜振動エネルギーの有効活用を図る。
【解決手段】 一対の固定電極10A,10Bと、前記一対の固定電極に挟持され、導電層121を有し、該導電層に直流バイアス電圧が印加される振動膜12と、前記一対の固定電極と前記振動膜を保持する部材を有し、前記一対の固定電極は前記振動膜を介して対向する位置に複数の穴を有し、前記一対の固定電極間には交流信号が印加される超音波トランスデューサ55であって、該超音波トランスデューサの背面に音響反射板20が設置されている。この音響反射板は、前記超音波トランスデューサ背面の各開口部から放射された超音波が全て同じ長さの経路で前記超音波トランスデューサ前面に放射されるように配置されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、広周波数帯域に渡って一定の高音圧を発生する静電型の超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカに関する。
従来の超音波トランスデューサは圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。
ここで、従来の超音波トランスデューサの構成を図10に示す。従来の超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。図10に示す超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いて電気信号から超音波への変換と、超音波から電気信号への変換(超音波の送信と受信)の両方を行う。図10に示すバイモルフ型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電セラミック61および62と、コーン63と、ケース64と、リード65および66と、スクリーン67とから構成されている。
圧電セラミック61および62は、互いに貼り合わされていて、その貼り合わせ面と反対側の面にそれぞれリード65とリード66が接続されている。
共振型の超音波トランスデューサは、圧電セラミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数周辺の比較的狭い周波数帯域で良好となる。
上述した図10に示す共振型の超音波トランスデューサと異なり、従来より静電方式の超音波トランスデューサは高周波数帯域にわたって高い音圧を発生可能な広帯域発振型超音波トランスデューサとして知られている。この静電型の超音波トランスデューサは、振動膜が固定電極側に引き付けられる方向のみ働くことからPull型と呼ばれている。
図11に広帯域発振型超音波トランスデューサ(Pull型)の具体的構成を示す。
図11に示す静電型の超音波トランスデューサは、振動体として3〜10μm程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)等の誘電体131(絶縁体)を用いている。誘電体131に対しては、アルミ等の金属箔として形成される上電極132がその上面部に蒸着等の処理によって一体形成されるとともに、真鍮で形成された下電極133が誘電体131の下面部に接触するように設けられている。この下電極133は、リード152が接続されるとともに、ベークライト等からなるベース板135に固定されている。
また、上電極132は、リード153が接続されており、このリード153は直流バイアス電源150に接続されている。この直流バイアス電源150により上電極132には50〜150V程度の上電極吸着用の直流バイアス電圧が常時、印加され上電極132が下電極133側に吸着されるようになっている。151は信号源である。
誘電体131および上電極132ならびにベース板135は、メタルリング136、137、および138、ならびにメッシュ139とともに、ケース130によってかしめられてる。
下電極133の誘電体131側の面には不均一な形状を有する数十〜数百μm程度の微小な溝が複数形成されている。この微小な溝は、下電極133と誘電体131との間の空隙となるので、上電極132および下電極133間の静電容量の分布が微小に変化する。
このランダムな微小な溝は、下電極133の表面を手作業でヤスリにより荒らすことで形成されている。静電方式の超音波トランスデューサでは、このようにして空隙の大きさや深さの異なる無数のコンデンサを形成することによって、図7に示す超音波トランスデューサの周波数特性が図8において曲線Q1に示すように広帯域となっている。
上記構成の超音波トランスデューサでは、上電極132に直流バイアス電圧が印加された状態で上電極12と下電極133との間に矩形波信号(50〜150Vp-p)が印加されるようになっている。因みに、図8に曲線Q1で示すように共振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、中心周波数(圧電セラミックの共振周波数)が例えば、40kHzであり、最大音圧となる中心周波数に対して±5kHzの周波数において最大音圧に対して−30dBである。これに対して、上記構成の広帯域発振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、40kHzから100kHz付近まで平坦で、100kHzで最大音圧に比して±6dB程度である(特許文献1、2参照)。
特開2000−50387号公報 特開2000−50392号公報
上述したように、図10に示す共振型の超音波トランスデューサと違い、図11に示す静電方式の超音波トランスデューサは従来から広周波数帯に渡って比較的高い音圧を発生させることが可能な広帯域超音波トランスデューサ(Pull型)として知られている。
しかしながら、音圧の最大値は図12に示すように、共振型の超音波トランスデューサが130dB以上であるのに比べ、静電型の超音波トランスデューサでは120dB以下と音圧が低く、超音波スピーカとして利用するには若干音圧が不足していた。
ここで、超音波スピーカについて説明しておく。キャリア波と呼ばれる超音波周波数帯域の信号にオーディオ信号(可聴周波数帯の信号)でAM変調をかけ、この変調信号で超音波トランスデューサを駆動することにより、超音波を信号源のオーディオ信号で変調した状態の音波が空中に放射され、空気の非線形により、空中で元のオーディオ信号が自己再生される、というものである。
つまり、音波は空気を媒体として伝播する粗密波であるので、変調された超音波が伝播する過程で、空気の密な部分と疎な部分な顕著に表れ、密な部分は音速が速く、疎な部分は音速が遅くなるので変調波自身に歪が生じ、その結果キャリア波(超音波)と可聴波(元オーディオ信号)に波形分離され、我々人間は20kHz以下の可聴音(元オーディオ信号)のみを聴くことができるという原理であり、一般にはパラメトリックアレイ効果と呼ばれている。
上記のパラメトリック効果が十分現れるためには120dB以上の超音波音圧が必要であるが、静電型の超音波トランスデューサではこの数値を達成することが難しく、もっぱらPZTなどのセラミック圧電素子やPVDFなどの高分子圧電素子が超音波発信体として用いられてきた。
しかし、圧電素子はその材質を問わず鋭い共振点を有しており、その共振周波数で駆動して超音波スピーカとして実用化しているため、高い音圧を確保出来る周波数領域が極めて狭い。すなわち狭帯域であるといえる。
一般に、人間の最大可聴周波数帯域は20Hz〜20kHzと云われており約20kHzの帯域を持つ。すなわち超音波スピーカにおいては、超音波領域で20kHzの周波数帯域に渡って高い音圧を確保しないと、元のオーディオ信号を忠実に復調することは不可能となる。従来の圧電素子を用いた共振型の超音波スピーカでは到底この20kHzという広帯域を忠実に再生(復調)することは困難であることは容易に理解できるであろう。
実際、従来の共振型の超音波トランスデューサを用いた超音波スピーカでは、(1)帯域が狭く再生音質が悪い、(2)AM変調度をあまり大きくすると復調音が歪むため最大でも0.5程度までしか変調度を上げられない、(3)入力電圧を上げると(ボリュームを上げると)圧電素子の振動が不安定となり、音が割れる。さらに電圧を上げると圧電素子自身が破壊され易い、(4)アレイ化や大型化、小型化が困難であり、それが故にコストが高い、といった問題が有った。
これに対し,図11に示した静電型の超音波トランスデューサ(Pull型)を用いた超音波スピーカは、上記従来技術の抱える課題をほぼ解決できるが、帯域を広くカバーできる反面、復調音が十分な音量であるためには絶対的な音圧が不足しているという問題を抱えていた。
また、Pull型の超音波トランスデューサは、静電力は固定電極側へのみ引き付ける方向にしか働かず振動膜(図7における上電極132に相当する。)の振動の対称性が保たれないため、超音波スピーカに用いる場合、振動膜の振動が直接、可聴音を発生させるという問題が有った。
さらに、安定した膜振動を実現するためには、上電極の振動薄膜と下電極(固定電極)のバルク材料を吸着するために数百Vの直流バイアス電圧を、また薄膜を振動させる為の100Vを超える交流電圧を必要としていた。これらの電圧は高電圧であり、危険性もさることながら装置の大型化/高パワー化/高コスト化を招いていた。
また、振動薄膜と、固定電極間に印加する電圧を抑えると、膜振動が不安定になり、場所ごとに振幅や位相が不揃いの振動を引き起こしてしまうため、膜振動エネルギーを有効に空中に超音波エネルギーとして放出することができなかった
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分に高い音圧レベルの音響信号を発生することができ、かつ振動膜の膜振動エネルギー(音響エネルギー)の有効活用を図った超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の超音波トランスデューサは、複数の穴が形成された第1の固定電極と、前記第1の固定電極と対をなす複数の穴が形成された第2の固定電極と、前記一対の固定電極に挟持され、導電層を有し、該導電層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の固定電極と前記振動膜を保持する部材とを有し、前記第2の固定電極に形成された複数の穴は前記振動膜を介して前記第1の固定電極に形成された複数の穴と対向する位置に全て、または大多数が形成され、前記一対の固定電極間には交流信号が印加される超音波トランスデューサであって、該超音波トランスデューサの背面に音響反射板を設置したことを特徴とする。
上記構成からなる本発明の超音波トランスデューサでは、第1の固定電極と、第2の固定電極の対向する位置に複数の穴が形成され、振動膜の導電層に直流バイアス電圧が印加された状態で、第1、第2の固定電極からなる一対の固定電極に駆動信号である交流信号が印加されるために、一対の固定電極に挟持された振動膜は、交流信号の極性に応じた方向において、静電吸引力と静電斥力が同方向に同時に受けるために、振動膜の振動をパラメトリック効果を得るのに十分大きくすることができるだけでなく、振動の対称性が確保されるため、高い音圧を広周波数帯域にわたって発生させることができる。
また、振動膜の振動により第1、第2の固定電極に形成された複数の穴より超音波トランスデューサの前面側及び背面側に超音波周波数帯の音響信号(超音波)が出力される。超音波トランスデューサの背面側に出力される音響信号は上記音響反射板により位相が揃った状態で超音波トランスデューサの前方に放射されるので、超音波トランスデューサの前面側に放射される超音波のみならず、超音波トランスデューサの背面側に放射される超音波も利用でき、振動膜の膜振動エネルギーを最大限に有効活用することができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記音響反射板は、前記超音波トランスデューサ背面の各開口部から放射された超音波が全て同じ長さの経路で前記超音波トランスデューサ前面に放射されるように配置されていることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、音響反射板は、前記超音波トランスデューサ背面の各開口部から放射された超音波が全て同じ長さの経路で前記超音波トランスデューサ前面に放射されるように配置されているため、超音波トランスデューサの背面側に出力される音響信号は上記音響反射板により位相が揃った状態で超音波トランスデューサの前方に放射されるので、超音波トランスデューサの前面側に放射される超音波のみならず、超音波トランスデューサの背面側に放射される超音波も利用でき、振動膜の膜振動エネルギーを最大限に有効活用することができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記音響反射板は、前記超音波トランスデューサ背面の中心位置に一端が位置し、該中心位置を基準として前記超音波トランスデューサ背面の両側に対して45°の角度で配置され他端が前記超音波トランスデューサの端部と一致する長さの一対の第1の反射板と、前記一対の第1の反射板の前記端部と直角の角度をなして各々前記第1の反射板の外側方向に接続され前記第1の反射板長と同等の長さを有する一対の第2の反射板とを有することを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、超音波トランスデューサの背面に放射された超音波は、超音波トランスデューサ背面の中心位置に一端が位置し、該中心位置を基準として前記超音波トランスデューサ背面の両側に対して45°の角度で配置され他端が前記超音波トランスデューサの端部と一致する長さの一対の第1の反射板により水平方向に反射され、前記一対の第1の反射板の前記端部と直角の角度をなして各々前記第1の反射板の外側方向に接続され前記第1の反射板長と同等の長さを有する一対の第2の反射板で超音波トランスデューサの前面に向けて反射され、反射経路が同一の経路長となるように反射される。したがって、超音波トランスデューサの背面側に出力される音響信号は上記音響反射板により位相が揃った状態で超音波トランスデューサの前方に放射されるので、超音波トランスデューサの前面側に放射される超音波のみならず、超音波トランスデューサの背面側に放射される超音波も利用でき、振動膜の膜振動エネルギーを最大限に有効活用することができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記音響反射板は、前記超音波トランスデューサ背面のいずれか一方の端部に一端が位置し、該一方の端部から前記超音波トランスデューサ背面の他方の端部方向に45°の角度で配置され、その他端が前記超音波トランスデューサの他方の端部と一致する長さを有する第1の反射板と、前記第1の反射板の他端に直角の角度をなして前記第1の反射板の外側方向に接続され前記第1の反射板長と同等の長さを有する第2の反射板とを有することを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、超音波トランスデューサの背面に放射された超音波は、超音波トランスデューサ背面のいずれか一方の端部に一端が位置し、該一方の端部から前記超音波トランスデューサ背面の他方の端部方向に45°の角度で配置され、その他端が前記超音波トランスデューサの他方の端部と一致する長さを有する第1の反射板により、水平方向に反射され、この反射波は、前記第1の反射板の他端に直角の角度をなして前記第1の反射板の外側方向に接続され前記第1の反射板長と同等の長さを有する第2の反射板により反射されて超音波トランスデューサの前面に位相の揃った状態で放射される。したがって、超音波トランスデューサの前面側に放射される超音波のみならず、超音波トランスデューサの背面側に放射される超音波も利用でき、振動膜の膜振動エネルギーを最大限に有効活用することができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記音響反射板は、前記超音波トランスデューサ背面の中心位置を基準として前記超音波トランスデューサ背面の両側に対して45°の角度で配置され、その端部が前記超音波トランスデューサの端部と一致する長さの母線を有する円錐形状の第1の反射板と、前記第1の反射板の母線と直角の角度をなして前記第1の反射板の外側へ接続される前記第1の反射板長と同等の長さの母線を有する円錐台形状の第2の反射板とを有することを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、超音波トランスデューサの背面に放射された超音波は、超音波トランスデューサ背面の中心位置を基準として前記超音波トランスデューサ背面の両側に対して45°の角度で配置され、その端部が前記超音波トランスデューサの端部と一致する長さの母線を有する円錐形状の第1の反射板により水平方向に反射され、この反射波は、前記第1の反射板の母線と直角の角度をなして前記第1の反射板の外側へ接続される前記第1の反射板長と同等の長さの母線を有する円錐台形状の第2の反射板により反射されて超音波トランスデューサの前面に位相の揃った状態で放射される。したがって、超音波トランスデューサの前面側に放射される超音波のみならず、超音波トランスデューサの背面側に放射される超音波も利用でき、振動膜の膜振動エネルギーを最大限に有効活用することができる。
また、本発明の超音波トランスデューサ請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の超音波トランスデューサにおいて、前記音響反射板における反射面の凹凸形状のサイズは、前記超音波トランスデューサから放射される超音波の波長以下であることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、音響反射板における反射面の凹凸形状のサイズは、前記超音波トランスデューサから放射される超音波の波長以下であるため、超音波が吸収されずに、有効に反射させることができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極に形成された穴は、円柱状に形成された貫通穴であることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、振動膜の振動により発生する超音波が一対の固定電極に形成された円柱状の貫通穴を介して放射される。この円柱状に形成された貫通穴は、製造が最も簡単であるという長所を有するが、振動膜と対向する電極部分が固定電極側に存在しないために振動膜の導電層との間に作用する静電力が弱いという欠点を有している。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極に形成された穴は、直径および深さが各々異なる少なくとも二種類以上のサイズの同心円柱状の穴が連なって形成された貫通穴であることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、一対の固定電極に直径および深さが各々異なる少なくとも二種類以上のサイズの同心円柱状の穴が連なった貫通穴が形成される。したがって、一対の固定電極に形成された上記二種類以上のサイズの同心円柱状の各穴の縁部分に並行する固定電極部分が振動膜の導電層と対向するように構成されるため、平行コンデンサが形成される。したがって、振動膜の前記各穴の縁部分に対向する部分が、持ち上げられると同時に、引き下げられる力が働くため振動膜の振動を大きくすることができる
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極に形成された穴は断面がテーパー状に形成されていることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、一対の固定電極に断面がテーパー状の貫通穴が形成されているため、この固定電極のテーパ−部分が、振動膜の導電層と対向するように構成され、平行コンデンサが形成される。
したがって、前記固定電極のテーパ−部分に対向する振動膜の部分が、持ち上げられると同時に、引き下げられる力が働くため振動膜の振動を大きくすることができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極に形成された穴は、平面が矩形状の貫通穴であることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、振動膜の振動により発生する超音波が一対の固定電極に形成された平面が矩形状の貫通穴を介して放射される。この平面が矩形状に形成された貫通穴は、製造が最も簡単であるという長所を有するが、振動膜と対向する電極部分が固定電極側に存在しないために振動膜の導電層との間に作用する静電力が弱いという欠点を有している。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極に形成された穴は、同一中心線上に形成され長さが同一で幅および深さが各々異なる少なくとも二種類以上のサイズの矩形状の穴が連なって形成された貫通穴であることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、一対の固定電極に同一中心線上に形成され長さが同一で幅および深さが各々異なる少なくとも二種類以上のサイズの矩形状の穴が連なった貫通穴が形成される。したがって、一対の固定電極に形成された上記二種類以上のサイズの矩形状の各穴の縁部分に並行する固定電極部分が振動膜の導電層と対向するように構成されるため、平行コンデンサが形成される。したがって、振動膜の前記各穴の縁部分に対向する部分が、持ち上げられると同時に、引き下げられる力が働くため振動膜の振動を大きくすることができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極に形成された矩形状の貫通穴は断面がテーパー状に形成されていることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、一対の固定電極に平面が矩形状で、かつ断面がテーパー状の貫通穴が形成されているため、この固定電極のテーパ−部分が、振動膜の導電層と対向するように構成されるので、平行コンデンサが形成される。
したがって、前記固定電極のテーパ−部分に対向する振動膜の部分が、持ち上げられると同時に、引き下げられる力が働くため振動膜の振動を大きくすることができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記固定電極に形成された穴は、反振動膜側に対して振動膜側の方の穴径が大きく、且つ深さが浅いことを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、固定電極に形成された穴は、反振動膜側に対して振動膜側の方の穴径が大きく、且つ深さが浅いので、上記二種類以上のサイズの同心円柱状の各穴の縁部分に並行する固定電極部分が振動膜の導電層と対向するように構成されることにより平行コンデンサが形成されるので、振動膜の導電層に働く静電吸引力及び静電斥力を大きくすることができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記固定電極に形成された矩形穴は、反振動膜側に対して振動膜側の方の幅が大きく、且つ深さが浅いことを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、固定電極に形成された矩形穴は、反振動膜側に対して振動膜側の方の幅が大きく、且つ深さが浅いので、上記二種類以上のサイズの矩形状の各穴の縁部分に並行する固定電極部分、または固定電極のテーパ−部分が振動膜の導電層と対向するように構成されることにより平行コンデンサが形成されるので、振動膜の導電層に働く静電吸引力及び静電斥力を大きくすることができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記複数個の貫通穴は、各々同一サイズであることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、一対の固定電極に各々、同一サイズの貫通穴が形成される。したがって、穴加工が容易であり、製造コストの低減が図れる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記複数個の貫通穴は、各々対向する位置では同一サイズであり、複数の穴サイズを有することを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、一対の固定電極において各々、対向する位置では同一サイズであり、複数の穴サイズの貫通穴が形成される。したがって、穴加工が容易であり、製造コストの低減が図れる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極は、単一の導電性部材からなることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極は、単一の導電性部材、例えば、SUS、真鍮、鉄、ニッケル等の導電材料で形成することができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極は、複数の導電性部材からなることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極は、複数の導電性部材で形成することができる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記一対の固定電極は、導電性部材と絶縁部材からなることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、前記一対の固定電極は、導電性部材と絶縁部材から構成される。例えば、ガラスエポキシ基板や紙フェノール基板等の絶縁部材に所望の穴加工をした後、ニッケルや金、銀、銅等でメッキ処理をすることにより、固定電極を導電性部材と絶縁部材で形成することができる。これにより、超音波トランスデューサの軽量化が図れる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの両面に電極層が形成された薄膜であることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、振動膜は絶縁性高分子フィルムの両面に電極層が形成される。そしてこの場合に後述するように振動膜に対向する固定電極側には絶縁層が設けられる。したがって、振動膜の作製が容易になる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記振動膜は、電極層が2枚の絶縁性高分子フィルムで挟むように形成された薄膜であることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、電極層を絶縁層(絶縁高分子フィルム)で挟むように振動膜が形成される。したがって、固定電極側の絶縁処理が不要になり、超音波トランスデューサの製造が容易になる。また、振動膜に対する固定電極の配置の対称性の確保が容易になる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの片面に電極層が形成された薄膜を2枚使用し、各々電極層同士を密着させて構成されていることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、絶縁性高分子フィルムの片面に電極層が形成された薄膜を2枚使用し、各々電極層同士を密着させることにより振動膜が形成される。したがって、振動膜の作製が容易となる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記振動膜は、エレクトレットフィルムを用いていることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、前記振動膜は、エレクトレットフィルムが用いられる。この場合に固定電極側には絶縁層が形成される。したがって、振動膜の作製が容易となる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、絶縁性高分子フィルムの両面に電極層が形成された振動膜、またはエレクトレットフィルムを使用した振動膜を用いる場合は、前記一対の固定電極の各々の振動膜側に電気的絶縁処理を施すことを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、振動膜として絶縁層(絶縁フィルム)の両面に導電層(電極層)が形成された振動膜を使用する場合、あるいは振動膜としてエレクトレットフィルムを使用する場合には固定電極の振動膜側に電気的絶縁処理が施される。したがって、絶縁層(絶縁フィルム)の両面に導電層(電極層)が形成された両面電極蒸着膜や、エレクトレットフィルムを振動膜として使用することが可能となる。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記振動膜には、単一極性の直流バイアス電圧が印加されることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、前記振動膜には、単一極性の直流バイアス電圧が印加される。したがって、振動膜の電極層には常に同極性の電荷が蓄積されるので、前記一対の固定電極に印加される交流信号により変化する固定電極の電圧の極性に応じて、振動膜が静電吸引力及び静電斥力を受け、振動する。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記固定電極と振動膜を保持する部材は絶縁材料で構成することを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、前記固定電極と振動膜を保持する部材は絶縁材料で構成される。したがって、固定電極と振動膜との間の電気的絶縁が保持される。
また、本発明の超音波トランスデューサは、前記振動膜は膜平面上における直角四方向に張力をかけて固定されていることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波トランスデューサでは、前記振動膜は膜平面上における直角四方向に張力をかけて固定される。したがって、従来、振動膜を固定電極側に吸着させるために数百ボルトの直流バイアス電圧を振動膜に印加する必要があったが、振動膜の膜ユニット作製時に膜に張力をかけて固定することにより、従来、上記直流バイアス電圧が担っていた引張り張力と同様の作用をもたらすため、上記直流バイアス電圧を低減することができる。
また、本発明の超音波スピーカは、上記いずれかに記載の超音波トランスデューサと、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、前記キャリア波を前記信号源から出力される可聴周波数帯の信号波により変調する変調手段とを有し、前記超音波トランスデューサは、前記固定電極と前記振動膜の電極層との間に印加される前記変調手段から出力される変調信号により駆動されることを特徴とする。
このように構成した本発明の超音波スピーカでは、信号源により可聴周波数帯の信号波が生成され、キャリア波供給手段により超音波周波数帯のキャリア波が生成され、出力される。さらに、変調手段によりキャリア波が前記信号源から出力される可聴周波数帯の信号波により変調され、この変調手段から出力される変調信号が前記固定電極と前記振動膜の電極層との間に印加され、駆動される。また、超音波トランスデューサの背面に放射された超音波が超音波トランスデューサの背面に設置された音響反射板により反射され、位相が揃った状態で超音波トランスデューサ前面に放射される。
したがって、本発明の超音波スピーカでは、上記構成の超音波トランスデューサを用いて構成したので、広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分高い音圧レベルの音響信号を発生することができるとができるとともに、振動膜の膜振動エネルギーを最大限に有効活用することができるので、低パワー化が図れる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明が適用される超音波トランスデューサの構成を図1に示す。図1(A)は、超音波トランスデューサの構成を示し、同図(B)は、超音波トランスデューサの一部を破断した平面図を示している。
図1において、本発明が適用される超音波トランスデューサ1は、電極として機能する導電性材料で形成された導電部材を含む一対の固定電極10A、10Bと、一対の固定電極に挟持され、導電層121を有する振動膜12と、一対の固定電極10A、10Bと振動膜を保持する部材(図示せず)とを有している。
振動膜12は、絶縁体120で形成され、導電性材料で形成された電極層121を有しており、該電極層121には、直流バイアス電源16により単一極性(正極性でも負極性のいずれでもよい。)の直流バイアス電圧が印加されるようになっており、さらに、この直流バイアス電圧に重畳して信号源18から出力される交流信号が印加されるようになっている。
また、一対の固定電極10A、10Bは振動膜12を介して対向する位置に同数かつ複数の穴14を有しており、一対の固定電極10A、10Bの導電部材間には信号源18により交流信号が印加されるようになっている。
固定電極10Aと電極層121、固定電極10Bと電極層121は、それぞれコンデンサが形成されている。
上記構成において、超音波トランスデューサ1は、振動膜12の電極層に、直流バイアス電源16により単一極性の(本実施形態では正極性の)直流バイアス電圧に信号源18から出力される交流信号が重畳された状態で印加される。
一方、一対の固定電極10A、10Bには、信号源18より交流信号が印加される。
この結果、信号源18から出力される交流信号の正の半サイクルでは、固定電極10Aに正の電圧が印加されるために、振動膜12の固定電極で挟持されていない表面部分12Aには、静電反発力が作用し、表面部分部分12Aは、図1上、下方に引っ張られる。
また、このとき、対向する固定電極10Bには、負の電圧が印加されるために、振動膜12の前記表面部分12Aの裏面側である裏面部分12Bには、静電吸引力が作用し、裏面部分12Bは、図1上、さらに下方に引っ張られる。
したがって、振動膜12の一対の固定電極10A、10Bにより挟持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電斥力を受ける。これは、信号源18から出力される交流信号の負の半サイクルについても同様に、振動膜12の表面部分12Aには図1上、上方に静電吸引力が、また裏面部分12Bには、図1上、上方に静電反発力が作用し、振動膜12の一対の固定電極10A、10Bにより挟持されていない膜部分は、同方向に静電反発力と静電斥力を受ける。このようにして、交流信号の極性の変化に応じて振動膜12が同方向に静電反発力と静電斥力を受けながら、交互に静電力が働く方向が変化するので、大きな膜振動、すなわち、パラメトリックアレイ効果を得るのに十分な音圧レベルの音響信号を発生することができる。
このように本発明が適用される超音波トランスデューサ1は、振動膜12が一対の固定電極10A、10Bから力を受けて振動することからプッシュプル(Push―Pull)型と呼ばれている。
本発明が適用される超音波トランスデューサ1は、従来の、振動膜に静電吸引力のみしか作用しない静電型の超音波トランスデューサ(Pull型)に比して、広帯域性と高音圧を同時に満たす能力を持っている。
本発明が適用される超音波トランスデューサの周波数特性を図8に示す。同図において、曲線Q3が本発明が適用される超音波トランスデューサの周波数特性である。同図から明らかなように、従来の広帯域型の静電型超音波トランスデューサの周波数特性に比して、より広い周波数帯にわたって、高い音圧レベルが得られることが分かる。具体的には、20kHz〜120kHzの周波数帯域においてパラメトリック効果が得られる120dB以上の音圧レベルが得られることが分かる。
本発明が適用される超音波トランスデューサ1は一対の固定電極10A、10Bに挟持された薄膜の振動膜12が静電吸引力と静電斥力の両方を受けるため、大きな振動が発生するばかりでなく、振動の対称性が確保されるため、高い音圧を広帯域に渡って発生させることができるのである。
次に、本発明の第1実施形態に係る超音波トランスデューサの構成を図2に示す。本発明の第1実施形態に係る超音波トランスデューサ55の構成は、音響は反射を超音波トランスデューサの背面に設置したことを除き、図1に示した構成と同一である。すなわち、本発明の第1実施形態に係る超音波トランスデューサ55は、電極として機能する導電性材料で形成された導電部材を含む一対の固定電極10A,10Bと、前記一対の固定電極10A,10Bに挟持され、導電層121を有し、該導電層121に直流バイアス電圧が印加される振動膜12と、一対の固定電極10A,10Bと振動膜12を保持する部材(図示せず)とを有し、一対の固定電極10A,10Bは振動膜12を介して対向する位置に同数かつ複数の穴を有し、一対の固定電極10A,10Bの導電部材間には交流信号が印加される超音波トランスデューサであって、該超音波トランスデューサの背面に音響反射板20を設置したことを特徴としている。
また、この音響反射板20は、超音波トランスデューサ55背面の各開口部から放射された超音波が全て同じ長さの経路で超音波トランスデューサ55前面に放射されるように配置されている。
すなわち、音響反射板20は、超音波トランスデューサ55背面の中心位置Mに一端が位置し、該中心位置を基準として超音波トランスデューサ55背面の両側に対して45°の角度で配置され他端が超音波トランスデューサ55の端部X1、X2と一致する長さの一対の第1の反射板200、200と、一対の第1の反射板200、200の前記端部と直角の角度をなして各々前記第1の反射板の外側方向に接続され前記第1の反射板長と同等の長さを有する一対の第2の反射板とを有している。
上記構成において、超音波トランスデューサ55背面の中心Mの両側に対して45°の角度で第1の反射板200、200を配置し、その端が超音波トランスデューサ55の端と一致する点までの長さが必要となる。この第1の反射板200、200により超音波トランスデューサ55背面から放出された超音波は水平方向へ反射される。
次に第1の反射板200、200と直角の角度を持って接続された第2の反射板202、202を各々第1の反射板200、200の外側へ接続することで超音波は超音波トランスデューサ55横または上下から前面へ放出される。この第2の反射板長も第一の反射板長と同等であることが必要である。ここで重要なことは超音波トランスデューサ55背面から放射された超音波が全て同じ長さの経路を持つことである。経路長が同じであることは背面から放出される超音波の位相が全てそろっていることを意味しているからである。
また、2図のように音波を幾何学的に扱うことができるのは、放出する音波が超音波であるため、極めて強い指向性を持つからである。またもう一点言及しておく必要があるのは、超音波トランスデューサ55前面から放出された超音波と背面から反射されて前面へ放出された超音波の時間差である。
トランスデューサの中心からaの距離だけ離れた地点から放出された超音波は、トランスデューサを円形と仮定しその半径をrとすると、トランスデューサ前面まで到達する距離はおおよそ2r、すなわちトランスデューサの直径に等しい。勿論、距離aは次式を満たしていなければならない。
0≦a≦r …… (1)
今、トランスデューサの直径を約10cmとし、音速を340m/secとすると、前面から放出される超音波と背面から放出された超音波が反射して前面に到達するまでの時間差は約0.29msecであり、人間が知覚できない時間差であるので問題はない。すなわち、トランスデューサの前面および背面から放出される超音波を有効利用できる。
次に、本発明の第2実施形態に係る超音波トランスデューサの構成を図3に示す。第1実施形態と構成上、異なるのは、反射板の構成のみであり、他の構成は第1実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。
図3において、本実施形態に係る超音波トランスデューサでは、音響反射板30は、超音波トランスデューサ55背面のいずれか一方の端部(X1、またはX2:本実施形態ではX1)に一端Aが位置し、該一方の端部X1から超音波トランスデューサ55背面の他方の端部X2方向に45°の角度で配置され、その他端Bが超音波トランスデューサ55の他方の端部X2と一致する長さを有する第1の反射板(AB)300と、第1の反射板300の他端Bに直角の角度をなして第1の反射板300の外側方向に接続され第1の反射板長と同等の長さを有する第2の反射板(BC)302とを有している。
上記構成において、超音波トランスデューサ55背面から放射された超音波は、第1の反射板300で水平方向に反射され、されあに第の反射板302で反射されて超音波トランスデューサ55の前面に位相の揃った状態で放射されることとなる。
本実施形態においても第1の実施形態に係る超音波トランスデューサと同様の効果が得られる。
次に、本発明の第3実施形態に係る超音波トランスデューサの構成を図4に示す。本実施形態が第1、第2実施形態と構成上、異なるのは、反射板の構成が異なるのみであり、他の構成は第1、第2実施形態と同様であるので重複する説明は省略する。
図4において、第3実施形態に係る超音波トランスデューサ55においては、音響反射板40は、超音波トランスデューサ55背面の中心位置Mを基準として超音波トランスデューサ55背面の両側に対して45°の角度で配置され、その端部が前記超音波トランスデューサの端部と一致する長さの母線JK,JLを有する円錐形状の第1の反射板400と、第1の反射板400の母線と直角の角度をなして第1の反射板400の外側へ接続される第1の反射板長と同等の長さの母線を有する円錐台形状の第2の反射板402とを有している。
本実施形態においても第1,第2の実施形態に係る超音波トランスデューサと同様の効果が得られる。
図5は、第1実施形態、第2実施形態に係る超音波トランスデューサにおける音響反射板の外観構成を示す斜視図である。
次に、本実施形態に係る超音波トランスデューサの固定電極について説明する。図6は円柱状固定電極(一対の固定電極のうち片方の電極のみ)のいくつかの構成例(断面図)を示している。
図6(a)は貫通穴タイプであり、具体的には、一対の固定電極10A,10Bに形成された穴は、円柱状に形成された貫通穴である。この貫通穴が形成された固定電極は、製造は最も簡単であるが振動膜12と対向する電極に相当する部分がないため、静電力が弱いという欠点を有している。
図6(b)は2段貫通穴構造の固定電極の構造を示している。すなわち、一対の固定電極10A,10Bに形成された穴は、直径および深さが各々異なる少なくとも二種類以上(本実施形態では二種類)のサイズの同心円柱状の穴が連なって形成された貫通穴である。固定電極に形成された穴は、振動膜側の方の穴径が大きく、且つ深さが浅く形成されている。
この場合各穴の淵部分に並行する場所が振動膜12と対向しており、この部分が平行板コンデンサを構成している。
したがって振動膜12の淵部分が持ち上げられると同時に、引き下げられる力が働くため膜振動を大きくさせることができる。また図6(c)は断面がテーパー状の貫通穴を示している。この形状を固定電極として採用した場合の効果も図6(b)における構成により得られる効果と同様である。
図7は溝形状の貫通穴を有する固定電極のいくつかの構成例(一対の固定電極のうち片方の電極のみ)を示している。図7(a)は貫通溝穴タイプで、一対の固定電極10A,10Bに形成された穴は、平面が矩形状の貫通穴である。この貫通穴が形成された固定電極も製造は最も簡単であるが振動膜12と対向する電極に相当する部分がないため、静電力が弱いという欠点を有している。
図7(b)は2段貫通溝穴構造の固定電極の構成を示している。すなわち、一対の固定電極10A,10Bに形成された穴は、同一中心線上に形成され長さが同一で幅および深さが各々異なる少なくとも二種類以上(本実施形態では二種類)のサイズの平面が矩形状の穴が連なって形成された貫通穴である。
この場合、丸穴形状のときと同様に各溝穴の淵部分に並行する場所が振動膜12と対向しており、ここが平行板コンデンサを構成している。
したがって振動膜12の淵部分が持ち上げられると同時に、引き下げられる力が働くため振動膜12の膜振動を大きくさせることができる。
また、図7(c)はテーパー状の貫通溝穴を示している(後で気が付いたのですが、提案原稿には添付されていませんでした)。すなわち、一対の固定電極10A,10Bに形成された矩形状の貫通穴は断面がテーパー状に形成されている。この形状を固定電極として採用した場合の効果も図7(b)における構成の固定電極と同様の効果が得られる。
なお、図7(b)、(c)の構成例において、固定電極に形成された矩形穴は、振動膜側の方の幅が大きく、且つ深さが浅くなるように形成されている。
また、図6、図7に示した各構成例に示した、固定電極に形成された複数個の貫通穴は、各々同一サイズとしてもよい。
また、前記複数個の貫通穴は、各々対向する位置では同一サイズであり、複数の穴サイズを有するようにしてもよい。
本実施形態に係る超音波トランスデューサを構成する固定電極は、単一の導電性部材で構成してもよいし、複数の導電性部材で形成してもよい。
また、本実施形態に係る超音波トランスデューサを構成する固定電極は、導電性部材と絶縁部材から構成してもよい。
具体的には、本実施形態に係る超音波トランスデューサの固定電極の材質は導電性であればよく例えばSUSや真鍮、鉄、ニッケルの単体構成も可能である。
また、軽量化を図る必要があるため、回路基板などで一般的に用いられるガラスエポシキ基板や紙フェノール基板に所望の穴加工を施した後、ニッケルや金、銀、銅などでメッキ処理をすることなども可能である。また、この場合成型後のソリを防止するために基板へのメッキ加工は両面に施すなどの工夫も有効である。
ただし、振動膜12に、両面電極蒸着膜やエレクトレットフィルムを使う場合は、図1に示した超音波トランスデューサ1において、一対の固定電極10A,10Bの振動膜12側には何らかの絶縁処理が必要となる。例えば、アルミナ、珪素ポリマー系材料、アモルファス・カーボン膜、SiOなどで絶縁薄膜処理を施すなどの必要がある。
次に、振動膜12について説明する。振動膜12の機能は常に同極性の電荷を蓄積しておき(+の極性でも−の極性でもかまわない)、交流電圧で変化する固定電極10A,10B間で静電力により振動することである。本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサにおける振動膜12の具体的構成例を、図8を参照して説明する。
図8(a)は絶縁フィルム120の両面に電極蒸着処理を施し、電極層121を形成した振動膜12の断面構造を示している。中心の絶縁フィルム120は高分子材料、例えばポリ・エチレン・テレフタレート(PET)、ポリ・エステル、ポリ・エチレン・ナフタレート(PEN)、ポリ・フェニレン・サルファイド(PPS)などが伸縮性、電気耐圧的に好ましい。
電極層121を形成する電極蒸着材料はAlが最も一般的で、その他、Ni、Cu、SUS、Tiなどが上記高分子材料との相性、コストなどの面から望ましい。振動膜12を形成する絶縁フィルム120としての絶縁性高分子フィルムの厚みは駆動周波数や固定電極に設けた穴サイズなどにより最適値が異なるため一意には決めかねるが、一般には1μm以上100μm以下の範囲でおおよそ十分であると思われる。
電極層121としての電極蒸着層の厚みも40nm〜200nmの範囲が望ましい。電極厚みは薄すぎると電荷がほとんど蓄積できず、また厚すぎると膜が硬くなって振幅が小さくなるという問題につながってしまう。また、電極材料としては透明導電膜ITO/In,Sn,Zn酸化物などでも良い。
図8(b)は電極層121を絶縁フィルム120としての絶縁性高分子フィルムで挟み込んだ構造を示している。このときの電極層121の厚みも図8(a)の場合と同様に40nm〜200nmの範囲が望ましい。また、電極層121それを挟む絶縁フィルム120の材質、厚さも図8(a)の両面電極蒸着膜と同様にポリ・エチレン・テレフタレート(PET)、ポリ・エステル、ポリ・エチレン・ナフタレート(PEN)、ポリ・フェニレン・サルファイド(PPS)、1μm以上100μm以下が望ましい。
図8(c)は片面電極蒸着膜を電極面が接触するように2枚張り合わせたものである。このときの絶縁膜および電極部の条件は上述した他の振動膜と同様の条件が望ましい。
また、振動膜12には数百ボルトの直流バイアス電圧が必要となるが、膜ユニット作製時に振動膜12の膜表面上における直角四方向に張力をかけて固定することにより、前記バイアス電圧は低減できる。
これはあらかじめ膜に張力をかけておくことで、従来バイアス電圧が担っていた引っ張り張力と同様の作用をもたらすためであり、低電圧化のためには非常に有効な手段である。
この場合も膜電極材料としては、Alが最も一般的で、その他、Ni、Cu、SUS、Tiなどが上記高分子材料との相性、コストなどの面から望ましい。さらに透明導電膜ITO/In,Sn,Zn酸化物などでも良い。
次に、上記固定電極あるいは振動膜の固定材料であるが、アクリル、ベークライト、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)樹脂(POM)などのプラスチック系材料が、軽量、非導電性という観点から好ましい。
次に、本発明の実施形態に係る超音波スピーカの構成を図9に示す。本実施形態に係る超音波スピーカは、上述した本発明の各実施形態に係る、音響反射板を備えた超音波トランスデューサ(図2〜4)のいずれかを超音波トランスデューサ55として用いたものである。
図5において、本実施形態に係る超音波スピーカは、可聴波周波数帯の信号波を生成する可聴周波数波発振源(信号源)51と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波発振源(キャリア波供給手段)52と、変調器(変調手段)53と、パワーアンプ54と、超音波トランスデューサ55とを有している。この超音波トランスデューサ55には、本発明の実施形態に係る音響反射板(図示せず)が設置されている。
変調器53は、キャリア波発振源52から出力されるキャリア波を可聴周波数波発振源51から出力される可聴波周波数帯の信号波により変調し、パワーアンプ54を介して超音波トランスデューサ55に供給する。
上記構成において、可聴周波数波発振源51より出力される信号波によってキャリア波発振源52から出力される超音波周波数帯のキャリア波を変調器53により変調し、パワーアンプ54で増幅した変調信号により超音波トランスデューサ55を駆動する。この結果、上記変調信号が超音波トランスデューサ55により有限振幅レベルの音波に変換され、この音波は媒質中(空気中)に放射されて媒質(空気)の非線形効果によって元の可聴周波数帯の信号音が自己再生される。
すなわち、音波は空気を媒体として伝播する粗密波であるので、変調された超音波が伝播する過程で、空気の密な部分と疎な部分な顕著に表れ、密な部分は音速が速く、疎な部分は音速が遅くなるので変調波自身に歪が生じ、その結果キャリア波(超音波周波数帯)とに波形分離され、可聴波周波数帯の信号波(信号音)が再生される。
そして、超音波トランスデューサ55より音波が放射される際に、超音波トランスデューサ55の前面から放射された音波(超音波周波数帯)は、そのまま超音波トランスデューサ前方に放射されるが、超音波トランスデューサ55の背面から放射された音波(超音波周波数帯)は、図示してない音響反射板により反射され、このすべての反射波の経路は等しくなるので、位相が揃った状態で超音波トランスデューサ55の前方に放射される。
したがって、超音波トランスデューサ55における振動膜の膜振動エネルギーを最大限有効活用できるので、信号源の電圧を低くすることができ、低パワー化を図った超音波スピーカを実現できる。
また、以上のように高音圧の広帯域性が確保されると様々な用途にスピーカとして利用することが可能となる。超音波は空中では減衰が激しく、その周波数の二乗に比例して減衰する。したがって、キャリア周波数(超音波)が低いと減衰も少なくビーム状に遠くまで音の届くスピーカを提供することができる。
逆にキャリア周波数が高いと減衰が激しいのでパラメトリックアレイ効果が十分に起きず、音が広がるスピーカが提供することができる。これらは同じ超音波スピーカでも用途に応じて使い分けることが可能なため大変有効な機能である。
また、ペットとして人間と生活をともにすることの多い犬は40kHzまで、猫は100kHzまでの音を聴くことが可能であるため、それ以上のキャリア周波数を用いれば、ペットに及ぼす影響もなくなるという利点も有する。いずれにせよ色々な周波数で利用できるということは多くのメリットをもたらす。
本発明の実施形態に係る超音波スピーカによれば、広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分に高い音圧レベルの音響信号を発生することができる、本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサを用いて構成したので、広周波数帯域にわたって忠実度の高い信号音(可聴周波数帯域)を再生することができる。
本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサは、各種センサ、例えば、測距センサ等に利用可能であり、また、既述したように、指向性スピーカ用の音源や、理想的なインパルス信号発生源等に利用可能である。
本発明が適用される超音波トランスデューサの構成を示す図。 本発明の第1実施形態に係る超音波トランスデューサの構成を示す図。 本発明の第2実施形態に係る超音波トランスデューサの構成を示す図。 本発明の第3実施形態に係る超音波トランスデューサの構成を示す図。 音響反射板の外観構成を示す斜視図。 本発明の各実施形態に係る超音波トランスデューサにおける固定電極の形状の具体例を示す説明図。 本発明の各実施形態に係る超音波トランスデューサにおける固定電極の貫通溝構造の具体例を示す説明図。 本発明の各実施形態に係る超音波トランスデューサにおける振動膜の構造の具体例を示す説明図。 本発明の各実施形態に係る超音波スピーカの構成を示すブロック図。 従来の共振型の超音波トランスデューサの構成を示す図。 従来の静電型の広帯域発振型超音波トランスデューサの具体的構成を示す図。 本発明の各実施形態に係る超音波トランスデューサの周波数特性を従来の超音波トランスデューサの周波数特性と共に示した図。
符号の説明
1…超音波トランスデューサ、10A,10B…固定電極、12…振動膜、14…穴、16…直流バイアス電源、18…信号源、20、30,40…音響反射板51…可聴周波数波発振源、52…キャリア波発振源、53…変調器、54…パワーアンプ、55…超音波トランスデューサ、120…絶縁フィルム、121…電極層、

Claims (28)

  1. 複数の穴が形成された第1の固定電極と、
    前記第1の固定電極と対をなす複数の穴が形成された第2の固定電極と、
    前記一対の固定電極に挟持され、導電層を有し、該導電層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、
    前記一対の固定電極と前記振動膜を保持する部材とを有し、
    前記第2の固定電極に形成された複数の穴は前記振動膜を介して前記第1の固定電極に形成された複数の穴と対向する位置に全て,または大多数が形成され、前記一対の固定電極間には交流信号が印加される超音波トランスデューサであって、
    該超音波トランスデューサの背面に音響反射板を設置したことを特徴とする超音波トランスデューサ。
  2. 前記音響反射板は、前記超音波トランスデューサ背面の各開口部から放射された超音波が全て同じ長さの経路で前記超音波トランスデューサ前面に放射されるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
  3. 前記音響反射板は、
    前記超音波トランスデューサ背面の中心位置に一端が位置し、該中心位置を基準として前記超音波トランスデューサ背面の両側に対して45°の角度で配置され他端が前記超音波トランスデューサの端部と一致する長さの一対の第1の反射板と、
    前記一対の第1の反射板の前記端部と直角の角度をなして各々前記第1の反射板の外側方向に接続され前記第1の反射板長と同等の長さを有する一対の第2の反射板とを有することを特徴とする請求項2に記載の超音波トランスデューサ。
  4. 前記音響反射板は、
    前記超音波トランスデューサ背面のいずれか一方の端部に一端が位置し、該一方の端部から前記超音波トランスデューサ背面の他方の端部方向に45°の角度で配置され、その他端が前記超音波トランスデューサの他方の端部と一致する長さを有する第1の反射板と、
    前記第1の反射板の他端に直角の角度をなして前記第1の反射板の外側方向に接続され前記第1の反射板長と同等の長さを有する第2の反射板とを有することを特徴とする請求項2記載の超音波トランスデューサ。
  5. 前記音響反射板は、
    前記超音波トランスデューサ背面の中心位置を基準として前記超音波トランスデューサ背面の両側に対して45°の角度で配置され、その端部が前記超音波トランスデューサの端部と一致する長さの母線を有する円錐形状の第1の反射板と、
    前記第1の反射板の母線と直角の角度をなして前記第1の反射板の外側へ接続される前記第1の反射板長と同等の長さの母線を有する円錐台形状の第2の反射板と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の超音波トランスデューサ。
  6. 前記音響反射板における反射面の凹凸形状のサイズは、前記超音波トランスデューサから放射される超音波の波長以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  7. 前記一対の固定電極に形成された穴は、円柱状に形成された貫通穴であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  8. 前記一対の固定電極に形成された穴は、直径および深さが各々異なる少なくとも二種類以上のサイズの同心円柱状の穴が連なって形成された貫通穴であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  9. 前記一対の固定電極に形成された穴は断面がテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  10. 前記一対の固定電極に形成された穴は、平面が矩形状の貫通穴であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の超音波トランスデューサ。
  11. 前記一対の固定電極に形成された穴は、同一中心線上に形成され長さが同一で幅および深さが各々異なる少なくとも二種類以上のサイズの矩形状の穴が連なって形成された貫通穴であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  12. 前記一対の固定電極に形成された矩形状の貫通穴は断面がテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  13. 前記固定電極に形成された穴は、反振動膜側に対して振動膜側の方の穴径が大きく、且つ深さが浅いことを特徴とする請求項8に記載の超音波トランスデューサ。
  14. 前記固定電極に形成された矩形穴は、反振動膜側に対し振動膜側の方の幅が大きく、且つ深さが浅いことを特徴とする請求項11または12のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  15. 前記複数個の貫通穴は、各々同一サイズであることを特徴とする請求項7乃至14のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  16. 前記複数個の貫通穴は、各々対向する位置では同一サイズであり、複数の穴サイズを有することを特徴とする請求項7乃至14のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  17. 前記一対の固定電極は、単一の導電性部材からなることを特徴とする請求項7乃至16のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  18. 前記一対の固定電極は、複数の導電性部材からなることを特徴とする請求項7乃至16のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  19. 前記一対の固定電極は、導電性部材と絶縁部材からなることを特徴とする請求項7乃至16のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  20. 前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの両面に電極層が形成された薄膜であることを特徴とする請求項1乃19のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  21. 前記振動膜は、電極層が2枚の絶縁性高分子フィルムで挟むように形成された薄膜であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  22. 前記振動膜は、絶縁性高分子フィルムの片面に電極層が形成された薄膜を2枚使用し、各々電極層同士を密着させて構成されていることを特徴とする請求項16に記載の超音波トランスデューサ。
  23. 前記振動膜は、エレクトレットフィルムを用いていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  24. 請求項20または請求項23に記載の振動膜を用いる場合は、前記一対の固定電極の各々の振動膜側に電気的絶縁処理を施すことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  25. 前記振動膜には、単一極性の直流バイアス電圧が印加されることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  26. 前記固定電極と振動膜を保持する部材は絶縁材料で構成することを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  27. 前記振動膜は膜平面上における直角四方向に張力をかけて固定されていることを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  28. 請求項1乃至27のいずれかに記載の超音波トランスデューサと、
    可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、
    超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、
    前記キャリア波を前記信号源から出力される可聴周波数帯の信号波により変調する変調手段とを有し、
    前記超音波トランスデューサは、前記固定電極と前記振動膜の電極層との間に印加される前記変調手段から出力される変調信号により駆動されることを特徴とする超音波スピーカ。

JP2004173947A 2004-06-11 2004-06-11 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ Pending JP2005354473A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004173947A JP2005354473A (ja) 2004-06-11 2004-06-11 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004173947A JP2005354473A (ja) 2004-06-11 2004-06-11 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005354473A true JP2005354473A (ja) 2005-12-22
JP2005354473A5 JP2005354473A5 (ja) 2007-08-02

Family

ID=35588533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004173947A Pending JP2005354473A (ja) 2004-06-11 2004-06-11 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005354473A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009105933A (ja) * 2008-12-19 2009-05-14 Seiko Epson Corp 静電型超音波トランスデューサ
JP2009105934A (ja) * 2008-12-19 2009-05-14 Seiko Epson Corp 超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS467879Y1 (ja) * 1970-07-01 1971-03-19
JPS54102119A (en) * 1978-01-30 1979-08-11 Toshiba Corp Production of electrostatic type electro-acoustic transducer
JPS61123389A (ja) * 1984-11-20 1986-06-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd パラメトリツクスピ−カ
JPH0746697A (ja) * 1993-07-30 1995-02-14 Sony Corp 静電容量型スピーカー用振動板
JPH09284897A (ja) * 1996-04-17 1997-10-31 Yamaha Corp 電気音響変換器
JP2002501359A (ja) * 1998-01-07 2002-01-15 アメリカン・テクノロジー・コーポレーション 発泡材ステータを備える音響エミッタ
WO2003032678A2 (en) * 2001-10-09 2003-04-17 Frank Joseph Pompei Ultrasonic transducer for parametric array

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS467879Y1 (ja) * 1970-07-01 1971-03-19
JPS54102119A (en) * 1978-01-30 1979-08-11 Toshiba Corp Production of electrostatic type electro-acoustic transducer
JPS61123389A (ja) * 1984-11-20 1986-06-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd パラメトリツクスピ−カ
JPH0746697A (ja) * 1993-07-30 1995-02-14 Sony Corp 静電容量型スピーカー用振動板
JPH09284897A (ja) * 1996-04-17 1997-10-31 Yamaha Corp 電気音響変換器
JP2002501359A (ja) * 1998-01-07 2002-01-15 アメリカン・テクノロジー・コーポレーション 発泡材ステータを備える音響エミッタ
WO2003032678A2 (en) * 2001-10-09 2003-04-17 Frank Joseph Pompei Ultrasonic transducer for parametric array

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009105933A (ja) * 2008-12-19 2009-05-14 Seiko Epson Corp 静電型超音波トランスデューサ
JP2009105934A (ja) * 2008-12-19 2009-05-14 Seiko Epson Corp 超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4802998B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法、静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置
JP5103873B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法、静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置
JP4682927B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサ、超音波スピーカ、音声信号再生方法、超音波トランスデューサの電極の製造方法、超音波トランスデューサの製造方法、超指向性音響システム、および表示装置
US8045735B2 (en) Ultrasonic transducer and ultrasonic speaker using the same
US7881489B2 (en) Ultrasonic transducer and ultrasonic speaker using the same
US6775388B1 (en) Ultrasonic transducers
JP4285537B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサ
JP2007082052A (ja) 静電型超音波トランスデューサ及びその製造方法
JP4508040B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ
JP4508030B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ
JP2005354473A (ja) 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ
JP2008118247A (ja) 静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置
JP2005354473A5 (ja)
JP4352922B2 (ja) 超音波トランスデューサ
JP2007228472A (ja) 静電型超音波トランスデューサ、静電型超音波トランスデューサの構成方法、および超音波スピーカ
JP2007104521A (ja) 静電型超音波トランスデューサ及びその製造方法
JP2005341143A (ja) 超音波トランスデューサ及びこれを用いた超音波スピーカ
JP4803246B2 (ja) 超音波スピーカ、音声信号再生方法、超指向性音響システム
JP2005341143A5 (ja)
JP4706586B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサ、静電型超音波トランスデューサの製造方法及び超音波スピーカ
JP4803245B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサ
JP2009118094A (ja) 静電型トランスデューサ、および超音波スピーカ
JP2016082377A (ja) 固定極及び電気音響変換器

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070403

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070611

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070611

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090706

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100330