JP2005351736A - X線画像鮮鋭化処理方法、及びx線画像撮像装置 - Google Patents

X線画像鮮鋭化処理方法、及びx線画像撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 X線の照射による撮像対象物の画像を撮像するX線画像撮像において、上記撮像された画像に生じるエッジぼけを除去して明瞭なエッジとすることで、当該画像の鮮鋭化を行う。
【解決手段】 X線画像に対して、X線源、撮像部、及び撮像対象物の配置関係により幾何学的に算出されるエッジぼけ幅に基づいて画像濃度差検出間隔を設定し、この上記画像濃度差検出間隔をそれぞれの画像処理領域において異なる位置に順次配置して、最大の画像濃度差が検出される位置をエッジ位置として検出する。さらに、この上記エッジ位置の前後に配置されるそれぞれの隣接画像処理領域の画像濃度を、上記撮像対象物の材質情報及び厚み情報に基づいて算出される濃度プロファイルに従って設定される設定画像濃度に変換することにより、上記エッジを境界とした鮮鋭な画像を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線の照射による撮像対象物の画像を撮像するX線画像撮像方法及び撮像装置に関するものであり、特に、撮像された画像を鮮鋭化することで画像改善を行うX線画像鮮鋭化処理方法及びX線画像撮像装置に関する。
従来、このようなX線画像撮像方法及び装置としては様々なものが知られており、例えば、X線の照射源であるX線源と、これに対向して配置されたX線撮像器とを用い、その間に撮像対象物を配置させることにより、上記撮像対象物の透視画像を得るような方法及び装置がある。
近年、製品が微細化、複雑化する中で、製造過程若しくは製造後の過程における当該製品の内部状況がその製品品質に影響を及ぼすことがあるため、当該製品を分解することなく、その内部状態を視覚的に確認することが求められている。
このような製品の内部状態の視覚的な確認手段として、上記X線画像撮像方法及び装置が用いられている。すなわち、当該製造過程若しくは製造後の過程において、上記撮像対象物として当該製品の透過画像をX線の照射により撮像することで、当該画像に基づいて、上記製品の内部状態を確認することが行われている。
また、このような従来のX線画像撮像においては、高倍率画像を得るために、一般的にマイクロフォーカス型と呼ばれる放射点の微少なX線源が用いられることが多い。上記放射点のサイズが大きいと、その放射点(およそ数μmというオーダーの径を有する)の領域内で複数の位置から撮像対象物における同一対象点を照射することとなるため、撮像された画像において上記対象点を拡大すると、画像上にぼけとなって現れ、このようなぼけが生じることを抑制するためである。
特開2001−203910号公報
近年、上記撮像対象物である製品の微細化・複雑化がさらに進行し、X線を用いてより高精度な画像を取得できることが強く望まれている。
しかしながら、現実的にマイクロフォーカス型のX線源を用いても、その放射点のサイズをゼロすることはできず、必ず有限の大きさを有することとなるため、撮像された画像において上記対象点を拡大するような場合にあっては、当該画像を処理することで上記撮像対象物の形状等の検査を行うのに無視することができないようなぼけが生じることがあり、このようなぼけが当該画像中に存在することにより、明確な画像を得ることができず、上記検査処理を行うことができないという問題がある。
このような問題に対処するために、上記放射点をさらに極小に絞り込むという方法も考えられるが、確実な上記検査処理の実現に必要な程度に明瞭な画像を得るためには、一定量の放射線が必要であり、上記放射点を極小とするとエネルギ密度が高まるため、X線源(放射点ターゲット材)の寿命が短くなるという問題がある。
また、従来において上記特許文献1のように、画像内の対象を2次元的な方向性情報を元に当該画像の鮮鋭化を行う方法が提案されているが、X線透視画像のように3次元空間情報が投影された画像に対して、2次元情報から本来の鮮鋭化画像を推察することには無理があり、従来の発明は必ずしも効率よく明瞭な画像を得るというものではなく、上記問題を改善することはできるものではない。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、X線の照射による撮像対象物の画像を撮像するX線画像撮像において、上記撮像された画像に生じるエッジぼけを除去して明瞭なエッジとすることで、当該画像の鮮鋭化を行うことができるX線画像鮮鋭化方法及びX線画像撮像装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、X線源より照射されたX線を撮像対象物に照射し、その透過照射線を撮像部において感受して取得された当該撮像対象物の画像を、略帯状の領域である複数の画像処理領域に区分し、
上記各々の画像処理領域において、
エッジぼけが生じる画像領域の上記略帯状の長手方向の長さ寸法であるエッジぼけ幅を、上記X線源、上記撮像部、及び上記撮像対象物のそれぞれの配置関係より幾何学的に算出して、当該算出されたエッジぼけ幅に基づいて設定された画像濃度差検出間隔を、上記各々の画像処理領域上における上記略帯状の長手方向沿いの互いに異なる複数の位置に順次配置して、当該それぞれ配置された画像濃度差検出間隔における両端位置の画像濃度差を検出して、当該画像濃度差が最大となる配置における上記画像濃度差検出間隔の中点位置を上記エッジとして検出し、
当該エッジを境界とするそれぞれの隣接画像処理領域の画像濃度を、上記撮像対象物のX線減衰量に基づいて設定される上記それぞれの隣接画像処理領域の設定画像濃度に変換することで上記各々の画像処理領域の鮮鋭化を行い、上記画像全体の鮮鋭化を行うことを特徴とするX線画像鮮鋭化処理方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記各々の画像処理領域において、上記エッジぼけ幅を算出して、当該算出されたエッジぼけ幅に基づいて上記画像濃度差検出間隔を設定し、
その後、上記各々の画像処理領域において、当該画像濃度差検出間隔の順次配置を行う第2態様に記載のX線画像鮮鋭化処理方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記画像濃度差検出間隔は、上記エッジぼけ幅よりも小さくならないように設定される第1態様又は第2態様に記載のX線画像鮮鋭化処理方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記画像濃度差検出間隔は、上記エッジぼけ幅に、上記画像に生じる画像ノイズ幅が加算された間隔寸法として設定される第1態様又は第2態様に記載のX線画像鮮鋭化処理方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記エッジぼけ幅は、上記X線源、上記撮像部、及び上記撮像対象物のそれぞれの配置関係に加えて、当該X線源の線源焦点径及び上記撮像対象物の厚み寸法を用いて、幾何学的に算出される第1態様から第4態様のいずれか1つに記載のX線画像鮮鋭化処理方法を提供する。
本発明の第6態様によれば、上記撮像対象物の材質情報と厚み情報に基づいて、当該撮像対象物におけるX線減衰量を算出し、当該算出されたX線減衰量に基づいて、上記それぞれの画像処理領域における上記帯状の長手方向の位置と画像濃度との関係を示す画像濃度プロファイルを算出し、当該画像濃度プロファイルに基づいて、上記それぞれの隣接画像処理領域における設定画像濃度の算出を行う第1態様から第5態様のいずれか1つに記載のX線画像鮮鋭化処理方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記撮像対象物は、上記X線の照射方向に略沿った方向の寸法である厚み寸法の相違により形成される段部を有する大略板体であって、上記撮像対象物の画像において当該段部が上記エッジとして検出される第1態様から第6態様のいずれか1つに記載のX線画像鮮鋭化処理方法を提供する。
本発明の第8態様によれば、上記各々の画像処理領域における上記画像濃度差検出間隔の順次配置は、上記撮像対象物の画像において、当該撮像対象物の形状情報に基づき上記段部が配置されていると判断される位置及びその近傍の画像領域にて行われる第7態様に記載のX線画像鮮鋭化処理方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、上記X線源と上記撮像部との間の距離の相違に起因する上記撮像された画像における画像濃度の不均一性を、当該画像に対してシェーディング補正処理を施すことで低減し、その後、上記エッジ検出を行う第1態様から第8態様のいずれか1つに記載のX線画像鮮鋭化処理方法を提供する。
本発明の第10態様によれば、X線を照射可能なX線源と、
撮像対象物に向けて上記X線源より照射された上記X線の透過照射線を感受して、上記撮像対象物の画像を取得する撮像部と、
上記撮像部にて取得された画像を保持するとともに、当該画像を略帯状の領域である複数の画像処理領域に区分して、上記各々の画像処理領域毎に鮮鋭化処理を行うことで当該画像全体の鮮鋭化処理を行う画像鮮鋭化処理装置とを備え、
上記画像鮮鋭化処理装置は、
当該各画像処理領域において、エッジぼけが生じる画像領域の上記略帯状の長手方向の長さ寸法であるエッジぼけ幅を、上記X線源、上記撮像部、及び上記撮像対象物のそれぞれの配置関係より幾何学的に算出し、当該算出されたエッジぼけ幅に基づいて設定された画像濃度差検出間隔を、上記各画像処理領域における上記帯状の長手方向沿いの互いに異なる複数の位置に順次配置して、当該それぞれ配置される画像濃度差検出間隔における両端の画像濃度の差を検出することで、当該画像濃度差が最大となる配置における上記画像濃度差検出間隔の中点位置を上記エッジとして検出するエッジ検出手段と、
上記エッジ検出手段により検出された上記エッジを境界とするそれぞれの隣接画像処理領域の画像濃度を、上記撮像対象物のX線減衰量に基づいて設定される上記それぞれの隣接画像処理領域の設定画像濃度に変換することで、上記各画像処理領域の鮮鋭化処理を行う画像濃度変換手段とを備えることを特徴とするX線画像撮像装置を提供する。
本発明の第11態様によれば、上記画像鮮鋭化処理装置は、当該各画像処理領域において、上記エッジぼけ幅の幾何学的な算出と、当該算出されたエッジぼけ幅に基づく上記画像濃度差検出間隔の設定を行う画像濃度差検出間隔設定手段をさらに備え、
上記エッジ検出手段は、上記画像濃度差検出間隔設定手段により設定された上記画像濃度差検出間隔を用いて、上記エッジ検出を行う第10態様に記載のX線画像撮像装置を提供する。
本発明の上記態様によれば、上記撮像対象物にX線が照射されることにより取得された3次元的な画像であるX線画像に対して、上記X線源、撮像部、及び撮像対象物の配置関係により幾何学的に算出されるエッジぼけ幅に基づいて画像濃度差検出間隔を設定し、この上記画像濃度差検出間隔をそれぞれの画像処理領域において異なる位置に順次配置して、最大の画像濃度差が検出される位置をエッジ位置として検出することができる。このように上記画像濃度差検出間隔を上記エッジぼけ幅を用いて設定していることにより、3次元的な画像において生じるエッジぼけの存在にもかかわらずに、上記エッジ位置を確実に検出することができる。さらに、このようにエッジ位置が検出された後、この上記エッジの前後に配置されるそれぞれの隣接画像処理領域の画像濃度を、上記撮像対象物の材質情報及び厚み情報に基づいて算出される濃度プロファイルに従って設定される設定画像濃度に変換することにより、上記エッジを境界とした鮮鋭な画像を得ることができる。
従って、例えば、製造過程あるいは製造後の製品の内部構造の検査の際に、X線画像を用いて鮮鋭化された画像を取得することができ、高精度かつ確実な検査を実現することができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の一の実施形態にかかるX線画像撮像装置101の模式的な構成を示す模式図を図1に示す。なお、このX線画像撮像装置101は、本発明のX線画像改善方法を実現する装置の一例でもある。
図1に示すように、X線画像撮像装置101は、X線Wを照射可能なX線源11と、このX線源11から照射されたX線Wを感受可能なX線撮像部13とを備えている。また、X線画像撮像装置101においては、X線源11とX線撮像部13との間に、撮像対象物12を配置し、その配置位置を解除可能に保持することが可能となっている。
このようにX線源11とX線撮像部13との間に撮像対象物12を配置させた状態にて、X線源より撮像対象物12に向けてX線Wを照射して、撮像対象物12よりの透過照射線をX線撮像部13にて感受することで、撮像対象物12のX線画像を取得することが可能となっている。
また、図1に示すように撮像対象物12は、例えば、互いに異なる材質により形成された板体である第1板体12aと第2板体12bとが重ね合わせられて形成されており、撮像対象物12において、図示左側の部分は、第1板体12aと第2板体12bとが重ね合わせられ、図示右側の部分は、第2板体12bのみにて構成されるように、図示略中央付近に段部12cが形成されている。すなわち、撮像対象物12は、段部12cを境界として、その両側に厚さ寸法が異なるように形成されている。
また、このような構成を有する撮像対象物12に対して、X線源11より照射されたX線Wは略放射状に直進し、撮像対象物12においてその一部が吸収されるとともに、その他部が透過されて、透過照射線としてX線撮像部13にて感受される。また、X線Wは、撮像対象物12の原子量や厚みが大きいほど、より吸収されることとなるため、例えば重金属等が撮像対象物12内に存在するような場合にあっては、照射されたX線Wがより多く吸収されることとなり、例えば、X線撮像部13において黒い画像として撮像される。
また、X線撮像装置101は、撮像に関する制御を行う撮像制御装置20を備えている。ここで、この撮像制御装置20の構成を模式的に示す制御ブロック図を図2に示す。
図2に示すように、撮像制御装置20は、X線源11よりのX線の照射開始/停止動作の制御、及びX線の照射量の制御を行うX線コントローラ21と、X線撮像部13にて取得された画像が入力される画像入力インターフェース(以降、画像入力I/Fとする)22と、この画像入力I/F22に入力された画像データを、読み出し可能に記憶するフレームメモリ23と、フレームメモリ23に記憶された画像データを読み出して、当該画像データに対して、後述する画像改善処理として画像鮮鋭化処理を行う演算部の一例であるCPU24と、このCPU24にて画像鮮鋭化処理が施された画像データを、撮像制御装置20の外部に読み取り可能に出力する外部インターフェース(以降、外部I/Fとする)25とを備えている。なお、本実施形態においては、撮像制御装置20が、画像鮮鋭化処理装置の一例となっている。
次に、撮像対象物12の材質と厚み及び撮像された画像における画像濃度(画像の明るさ)の関係を図3に示す。なお、図3においては、撮像対象物12の厚さ寸法を横軸に示し、画像濃度を縦軸に示し、当該縦軸においては、図示上方へ行くほど明るい画像であることを示している。また、図3においては、撮像対象物12において、第1板体12aを構成する材質aの画像濃度減衰曲線を34aにて示し、第2板体12bを構成する材質bの画像濃度減衰曲線を34bにて示す。
また、図3において、tは第1板体12aの厚さ寸法、tは第2板体12bの厚さ寸法、Iは第1板体12aの画像濃度、Iは第2板体12bの画像濃度、Iは厚さ寸法がゼロのときの画像濃度である。
図3に示すように、材質aよりも材質bの方が厚さ寸法の増加量に対する画像濃度の減衰量が大きく、材質bの方が材質aに比してその原子量が大きいものと考えられる。また、それぞれの濃度減衰曲線34a、34bより、厚さ寸法tを有する第1板体12aの画像濃度がIであり、厚さ寸法tを有する第2板体12bの画像濃度がIであることが判る。
ここで、濃度減衰曲線34aにおける画像濃度の減衰係数をμとし、濃度減衰曲線34bにおける画像濃度の減衰係数をμとすると、それぞれの画像濃度I、Iと、厚さ寸法t、tとの関係は、数1及び数2のように表される。
=I・exp(−μ・t) ・・・(数1)
=I・exp(−μ・t) ・・・(数2)
さらに、数1及び数2より、撮像対象物12における第1板体12aと第2板体12bとが重ね合わされている部分における画像濃度をIabとすると、画像濃度Iabは数3のように求めることができる。
ab=I・exp(−μ・t−μ・t) ・・・(数3)
数1から数3に基づくと、計算上は、図1のX線画像撮像装置101において、撮像された撮像対象物12の画像は、段部12cを境界として、図示左側の部分が画像濃度Iabにて撮像され、図示右側の部分が画像濃度Ibにて撮像されることとなる。
ここで、X線画像撮像装置101を用いて撮像される画像の計算上における画像イメージPを図4に示す。図4に示すように、画像イメージPは、図示左側に配置されている画像領域31と、図示右側に配置されている画像領域32とに、境界Bにおいて分けられた画像となっている。画像領域31は、図1の撮像対象物12における段部12cの図示左側の部分に相当する画像であり、その画像濃度はIabとなる。一方、画像領域32は、図1の撮像対象物12における段部12cの図示右側の部分に相当する画像であり、その画像濃度はIとなる。
ここで、図4の画像イメージPにおいて、それぞれの画像領域31、32に渡って配置された略帯状の画像領域(後述する画像処理領域)33における画像濃度の変化状態を示す画像濃度プロファイルを図5に示す。なお、図5においては、縦軸に画像濃度として画像の明るさ(図示上方へ行くほど、明るい画像であることを示す)を示し、横軸に画像領域33におけるその略帯状の長手方向沿いの位置を示す。
図5に示すように、理想の画像濃度プロファイル44(図中点線にて示す)は、図示左側部分において画像濃度Iabとなり、図示右側部分において画像濃度Iとなり、その境界が明確なものとされている。すなわち、図4における画像領域31と画像領域32とのそれぞれの画像濃度が、境界Bを境として明確に変化されている状態を示している。
しかしながら、図5に示すように、実際に撮像された画像における画像濃度プロファイル43(図中実線にて示す)においては、理想の画像濃度プロファイル44のように、境界Bにおいて急激にその画像濃度が変化されるのではなく、緩やかに変化している。これは、X線源11の焦点サイズの影響等により生じるエッジぼけ(エッジなまり)が実際の画像中に存在することによるものである。
このように撮像された画像において存在するエッジなまりを解消して、実際の画像濃度プロファイル43を理想の画像濃度プロファイル44に近づけることで、当該画像の鮮鋭化処理を行う画像処理方法について、以下に具体的に説明する。
まず、このような画像鮮鋭化処理を行うにあたって、X線源11、X線撮像部13、及び撮像対象物12のそれぞれの配置関係等により幾何学的に生じるものと考えられるエッジぼけ幅の算出方法について説明する。また、この説明にあたって、上記それぞれの配置関係を幾何学的に示す模式説明図を図6に示す。なお、図6においては、X線源11から撮像対象物12までの距離をL1、X線源11からX線撮像部13までの距離をL2、撮像対象物12の厚さ寸法をT、X線源11の焦点径を2R、X線源11の照射中心から撮像対象物12におけるX線Rの照射位置までの距離である対象物ズレ量をMとしている。
図6に示すような幾何学的関係、すなわち、X線源11、X線撮像部13、及び撮像対象物12のそれぞれの配置関係と、X線源11の焦点径2R及び撮像対象物12の厚さ寸法Tとにより、X線源11の焦点径に起因するエッジぼけ量X1を数4のように算出することができる。また、撮像対象物12の厚さ寸法Tに起因するエッジぼけ量X2を数5のように算出することができる。
X1=2R・(L2/L1−1) ・・・(数4)
X2=L2・T・(D+R)/(L1・(L1+T)) ・・・(数5)
実際の画像においては、X線源11の焦点径に起因するエッジぼけ量X1と、撮像対象物12の厚さ寸法Tに起因するエッジぼけ量X2とが複合されたエッジぼけ量Xが生じることとなるが、本例の場合では、エッジぼけ量X1にはエッジぼけ量X2が包含されていると考えることができるため、複合されたエッジぼけ量X=X1とみなすことができる。なお、本例においては、撮像対象物12の厚み方向の2点である点Aと点Bとの間が直線であるような場合について説明したが、このような場合にあっては、厚みに起因するエッジぼけは、その画像階調の変化率が略一様でなだらかなぼけとして生じることとなる。一方、点Aと点Bとの間が曲線であるような場合にあっては、同様にエッジぼけが生じることとなるが、その画像階調の変化率は一様ではなくなる。
次に、本実施形態にかかる画像処理方法について、その手順を具体的に示すフローチャートを図7に示し、図7に基づいて以下に説明する。なお、図7に示すそれぞれの手順に関する制御は、X線画像撮像装置101が備える撮像制御装置20により行われる。
まず、図7のフローチャートのステップS1において、撮像対象物12の材質情報及び厚み寸法情報に基づいて、撮像される画像における画像階調を推定する。この推定にあたっては、図3において説明した撮像対象物12の画像濃度減衰曲線が用いられる。次に、ステップS2において、上記推定された画像階調、すなわち、図3に示すそれぞれの画像濃度減衰曲線と、数1から数3までのそれぞれの数式を用いて、エッジ部の前後のそれぞれの隣接画像領域の画像濃度階調しきい値を設定する。すなわち、図4に示す画像Pにおいて、境界Bがエッジ部に相当し、この境界Bの前後の画像領域31、32を隣接画像領域として、それぞれの隣接画像領域31、32の計算上における設定画像濃度を設定する。隣接画像領域31は、第1板体12aと第2板体12bとが重ね合わされている部分の画像であるから、その設定画像濃度は、数3により算出される画像濃度Iabとなる。一方、隣接画像領域32は、第2板体12bのみの画像であるから、その設定画像濃度は、数2により算出される画像濃度Iとなる。
また、ステップS1及びS2とは独立して、ステップS3において、幾何学的にエッジぼけ幅、すなわちエッジぼけ量Xの算出を行う。なお、この算出にあたっては、上述した図6の模式説明図を用いて数4及び数5に基づき、行われる。
次に、ステップS4において、上記算出されたエッジぼけ幅Xに基づいて、画像濃度差検出間隔の設定を行う。ここでこの画像濃度差検出間隔とは、撮像された画像において、任意の2点(すなわち2画素)の画像濃度差を検出するために設けられる当該2点間の間隔寸法のことである。この画像濃度差検出間隔を用いて、撮像された画像における画像濃度の変化が際立っている位置の検出が行われる。
また、この画像濃度差検出間隔は、エッジぼけ幅Xよりも小さくならないように設定され、好ましくは、画像に存在するノイズ成分の幅、例えば1〜2画素程度だけ、それぞれの端部においてエッジぼけ幅Xよりも大きくなるように設定される。すなわち、撮像された画像において、その画像濃度差が最大となる位置は、エッジ部の位置であるものの、上述したようにエッジ部にはエッジぼけ幅Xが存在しているため、画像濃度差が最大となる2点間の間隔はエッジぼけ幅X以上の間隔となる。しかしながら、撮像された画像上には様々な要因によりノイズ成分が含まれており、このようなノイズ成分が存在する幅分だけ、エッジぼけ幅Xよりも大きく設定する必要がある。また、上記2点間の間隔が、エッジぼけ幅Xよりも大きくなりすぎるような場合にあっては、画像上においてどの2点間を採っても画像濃度差が常に最大となるような現象が生じてしまう。従って、画像濃度差検出間隔は、上述のようにエッジぼけ幅Xよりもやや大きくなる程度に設定することが好ましい。なお、本実施形態においては、CPU24がステップS3及びS4において実施される画像濃度差検出間隔の設定処理を行う画像濃度差検出間隔設定手段としての機能を有している。
なお、撮像対象物12の形状等により、撮像された画像におけるエッジ部の位置によって、エッジぼけ幅Xが異なるような場合にあっては、それぞれの位置毎にエッジぼけ幅Xを算出し、さらに、それぞれのエッジぼけ幅Xに応じて個別に画像濃度差検出間隔が設定される。この設定されたそれぞれの画像濃度差検出間隔は、画像における位置情報、あるいは撮像対象物12の位置情報と関連付けられて取り出し可能に記憶される。
また、それぞれのステップS1からS4は、撮像制御装置20におけるCPU24において行われ、その結果はフレームメモリ23に取り出し可能に記憶される。なお、本実施形態の画像鮮鋭化処理は、このようにステップS1からS4が撮像制御装置20のCPU24において行われるような場合に限定されるものではなく、このような場合に代えて、例えば、ステップS1からS4までの処理が、撮像制御装置20の外部のコンピュータ等により行われ、その結果データ、すなわち、画像濃度階調しきい値(設定画像濃度)及び画像濃度差検出間隔が、外部I/F25を通して入力されて、フレームメモリ23に記憶されるような場合であってもよい。もちろん、ステップS1からS4の一部の処理だけが、撮像制御装置20の外部にて行われるような場合であってもよい。このようなステップS1からS4までのそれぞれの処理は、後述する画像鮮鋭化処理を行うための準備作業的な処理として位置づけることができるからである。
次に、図1のX線画像撮像装置101において、撮像対象物12のX線による画像が取得される。この取得された画像データは、X線撮像部13から画像入力I/Fを通じて入力され、フレームメモリ23に取り出し可能に記憶される(ステップS5)。
その後、記憶された画像が取り出されて、この画像全体に対してシェーディング補正処理を施す(ステップS6)。ここで、シェーディング補正処理とは、画像濃度正規化処理のことであり、X線源11における放射点からX線撮像部13までの距離が、X線撮像部13における位置によって異なることに起因して生じる画像濃度の不均一を均一化する処理のことである。すなわち、撮像された画像における中央付近では上記放射点からの距離が近く、周辺付近においては上記放射点からの距離が遠くなることにより生じる画像濃度の不均一を均一化するものである。
このようなシェーディング補正処理としては、撮像対象物のない状態においてこの不均一性を記録しておき、基準点に対する各画素の濃度比を求めておく。次に、撮像対象物12を撮像した画像に対して、上記濃度比の逆比を乗じることにより、不均一性を除去する方法などを一般的に用いることができる。
次に、ステップS7において、上記シェーディング補正処理が施された画像を、複数の画像処理領域に区分する。具体的には、図4に示す画像において、境界B、すなわちエッジ部Bとまたぎ、隣接画像領域31と32とを含むように、略帯状の画像領域とされた複数の画像処理領域33に区分する。この画像処理涼気33の帯状の幅寸法は、例えば、画画素単位にて設定することができ、CPU24の処理能力や画像鮮鋭化レベルに応じて決定することができる。
次に、これらの区分された画像処理領域33の中から、一の画像処理領域33を選択する(ステップS8)。フレームメモリ23に記憶保持されている画像濃度差検出間隔のデータを取り出し、この選択された画像処理領域33の上記略帯状の長手方向における複数の位置に上記画像濃度差検出間隔を順次配置し、それぞれの配置における2点間の画像濃度差の検出を行う(ステップS9)。なお、このような画像濃度差検出間隔の順次配置は、画像処理領域33の略全体に渡って、例えば、1画素ずつその配置をずらしながら配置させて行くこともできるが、撮像対象物12の形状が予めNCデータ等により把握可能であるような場合にあっては、データ上、エッジ部Bが存在しているとされる位置の近傍における領域についてのみ、例えば1画素ずつその配置をずらしながら配置させていくことができる。このようにすることで、画像濃度差検出間隔を配置させる位置を必要最小限とすることができ、効率的な処理を実現することができる。
このようにそれぞれの配置に画像濃度差検出間隔を順次配置して、2点間の画像濃度差の検出が行われると、この検出された画像濃度差のデータの中に、予め設定された画像濃度差の規定条件(規定値)に達するようなデータが存在するかどうかの判断が行われる(ステップS10)。この規定条件は、例えば、画像処理領域33内にエッジ部Bが存在しるような場合に生じる画像濃度差よりもやや小さい値を設定することができる。このように規定条件に達しているかどうかを判断することで、エッジ部Bが含まれていない画像処理領域33に対して、不必要な画像の鮮鋭化を行う必要を無くすことができる。すなわち、上記規定条件を満たさないと判断された場合には、ステップS14において、当該画像処理領域33に対して画像鮮鋭化処理を実施しないという処置が採られることとなる。
一方、ステップS10において、検出されたいずれかの画像濃度差が規定条件を満たすと判断された場合には、ステップS11において、画像濃度差が最大となる配置における画像濃度差検出間隔の中点位置をエッジ位置として検出する。
具体的に図5において説明すると、図5に示すように、撮像された画像、すなわち画像処理領域33における上記略帯状の長手方向沿いにおける実際の画像濃度プロファイル43は上記方向沿いにおける略中間位置付近において、その画像濃度が緩やかに大きく変化している。この緩やかに変化している部分における幅、すなわち図示横軸方向の長さ寸法がエッジぼけ幅Xとなる。しかし、実際にこの緩やかに変化している幅には、上述したようにノイズ成分が含まれるため、エッジぼけ幅Xよりもやや大きな幅寸法となる。そのため、エッジぼけ幅Xよりもやや大きく設定された画像濃度差検出間隔Zが用いられて、実際の画像濃度プロファイル43上に配置された画像濃度差検出間隔Zにおける2点間の画像濃度差Dの検出を行う。設計上、エッジ部が配置されているべき領域近傍において、この画像濃度差検出間隔Zを順次配置していき、その画像濃度差Dを順次検出する。これらの検出された画像濃度差Dの中から、最大値となる画像濃度差Dが検出された画像濃度差検出間隔Zの配置におけるその中点位置をエッジ部が実際に存在する位置として検出する。すなわち、図5においては、画像処理領域33の上記略帯状の長手方向における位置Qにエッジ部Bが実際に位置されていると判断する。なお、本実施形態においては、CPU24が、ステップS9及びS11にて実施されるエッジ検出処理を行うエッジ検出手段の機能を有している。
その後、この画像処理領域33において、上記検出されたエッジ位置の前後の隣接画像領域31と32に相当する領域、例えば、隣接画像処理領域31a、32aの画像濃度として、ステップS2において求めた画像濃度階調しきい値を適用し、画像処理領域33の鮮鋭化を図る(ステップS12)。すなわち、隣接画像処理領域31aの画像濃度として画像濃度Iabを適用し、隣接画像処理領域32aの画像濃度として画像濃度Iを適用する。このようにそれぞれの画像濃度を適用することで、図5の理想の画像濃度プロファイル44に示すように、位置Qを境界として、その図示左右方向の画像濃度を明確にすることができ、画像処理領域33における画像鮮鋭化を行うことができる。なお、本実施形態においては、CPU24が、ステップS12にて実施される画像濃度の変換処理を行う画像濃度変換手段としての機能を有している。
次に、ステップS13において、次に処理すべき画像処理領域33の有無が判断されて、有りと判断された場合には、ステップS8において、別の一の画像処理領域が選択され、当該選択された画像処理領域に対する上述したそれぞれの処理手順が施される。一方、次に処理すべき画像処理領域がないと判断された場合には、画像鮮鋭化処理が完了する。
なお、上述においては詳細には説明しなかったが、撮像された画像において複数に区分された画像処理領域33に対する鮮鋭化処理がそれぞれの行われた後、それぞれの区分された画像処理領域(非処理済み画像領域)が一体的な状態とされて、画像全体の鮮鋭化処理が施された状態とされる。このように処理が施された画像データは、外部I/Fを通じて、撮像制御装置20より出力される。
さらに、このように出力された画像データを用いて、撮像対象物12の設計データ等と比較することで、例えば撮像対象物12における段部12cの形成位置の検査を行うことができる。
このような形成位置の検査は、上述のような段部12cのような場合について限定されるものではなく、撮像対象物12においてX線の照射により画像濃度差が生じるような形状あるいは材質に対して適用することができ、様々なものに適用することができる。また、段部12cが略直線状に形成されている場合についてのみ限定されるものではなく、曲線状に形成されているような場合についても適用することができる。このように曲線状に形成されるような場合であっても、画像処理領域33のように微細な幅の画像領域にて鮮鋭化処理を行う場合にあっては、個々の画像処理領域33においては略直線状の場合と同様な状態と考えることができるからである。
また、上述においては、撮像対象物12が第1板体12aと第2板体12bとが重ね合わせて形成されているような場合について説明したが、上記それぞれの板体が略平板状に形成されているような場合についてのみ限定されるものではなく、曲板状に形成されているような場合であっても適用することができる。上述したように、微細な画像処理領域においては、曲板を平板に近似して見なすこともでき、あるいはこのように見なさず、幾何学的にエッジぼけ幅を算出することもできるからである。なお、このような曲板状の撮像対象物12の具体例としては、例えば、図8の模式図に示すような捲回極板を撮像対象物12として内蔵する乾電池90等が挙げられる。このような乾電池90においては、製造過程において内蔵された曲板状の捲回極板12の形成状態(形成位置や形状等)の検査をX線による画像撮像により行い、本発明の処理方法を適用することで、高精度かつ確実な検査を実現することができる。
従って、このようなX線画像撮像装置101において、X線画像の鮮鋭化処理を行うことにより、3次元的な画像において、エッジぼけの存在にかかわらず確実にエッジ位置の検出を行うことができ、さらにこのように検出されたエッジを用いてその両側の画像における画像濃度を変換することで、画像の鮮鋭化を行うことができる。
このようにX線画像における鮮鋭化処理が実現可能となることにより、製造過程、あるいは製造後の製品に対する外観からは視認検査を行うことができないような内部構造の検査を高精度かつ確実に行うことができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明のX線画像改善方法及びX線画像撮像装置は、従来に比べて明瞭なX線画像を得ることができるため、インライン検査などを含む産業用途に求められる機能提供が実現でき、このような分野の進展及び生産性の向上に大きく寄与するものである。
本発明の一の実施形態にかかるX線画像撮像装置の構成を示す模式図である。 図1のX線画像撮像装置における撮像制御装置の構成を示す制御ブロック図である。 撮像対象物が有する第1板体と第2板体の形成材料における厚み寸法とX線による画像濃度との関係を示す画像濃度減衰曲線を示すグラフである。 図1のX線画像撮像装置により撮像された画像を示す模式説明図である。 画像における理想の画像濃度プロファイルと実際の画像濃度プロファイルとの関係を示すグラフ形式の模式説明図である。 X線画像において生じるエッジぼけ幅を幾何学的に算出するための模式説明図である。 X線画像鮮鋭化処理の手順を示すフローチャートである。 本発明のX線画像鮮鋭化処理を用いたX線検査が適用される乾電池の検査を示す模式説明図である。
符号の説明
11 X線源
12 撮像対象物
12a 第1板体
12b 第2板体
12c 段部
13 X線撮像部
20 撮像制御装置
21 X線コントローラ
22 画像入力I/F
23 フレームメモリ
24 CPU
25 外部I/F
31、32 画像領域(隣接画像領域)
31a、32a 隣接画像処理領域
33 画像処理領域
34a、34b 画像濃度減衰曲線
43 実際の画像濃度プロファイル
44 理想の画像濃度プロファイル
90 乾電池
101 X線画像撮像装置
B 境界(エッジ部)
X エッジぼけ幅
Z 画像濃度差検出間隔

Claims (11)

  1. X線源より照射されたX線を撮像対象物に照射し、その透過照射線を撮像部において感受して取得された当該撮像対象物の画像を、略帯状の領域である複数の画像処理領域に区分し、
    上記各々の画像処理領域において、
    エッジぼけが生じる画像領域の上記略帯状の長手方向の長さ寸法であるエッジぼけ幅を、上記X線源、上記撮像部、及び上記撮像対象物のそれぞれの配置関係より幾何学的に算出して、当該算出されたエッジぼけ幅に基づいて設定された画像濃度差検出間隔を、上記各々の画像処理領域上における上記略帯状の長手方向沿いの互いに異なる複数の位置に順次配置して、当該それぞれ配置された画像濃度差検出間隔における両端位置の画像濃度差を検出して、当該画像濃度差が最大となる配置における上記画像濃度差検出間隔の中点位置を上記エッジとして検出し、
    当該エッジを境界とするそれぞれの隣接画像処理領域の画像濃度を、上記撮像対象物のX線減衰量に基づいて設定される上記それぞれの隣接画像処理領域の設定画像濃度に変換することで上記各々の画像処理領域の鮮鋭化を行い、上記画像全体の鮮鋭化を行うことを特徴とするX線画像鮮鋭化処理方法。
  2. 上記各々の画像処理領域において、上記エッジぼけ幅を算出して、当該算出されたエッジぼけ幅に基づいて上記画像濃度差検出間隔を設定し、
    その後、上記各々の画像処理領域において、当該画像濃度差検出間隔の順次配置を行う請求項1に記載のX線画像鮮鋭化処理方法。
  3. 上記画像濃度差検出間隔は、上記エッジぼけ幅よりも小さくならないように設定される請求項1又は2に記載のX線画像鮮鋭化処理方法。
  4. 上記画像濃度差検出間隔は、上記エッジぼけ幅に、上記画像に生じる画像ノイズ幅が加算された間隔寸法として設定される請求項1又は2に記載のX線画像鮮鋭化処理方法。
  5. 上記エッジぼけ幅は、上記X線源、上記撮像部、及び上記撮像対象物のそれぞれの配置関係に加えて、当該X線源の線源焦点径及び上記撮像対象物の厚み寸法を用いて、幾何学的に算出される請求項1から4のいずれか1つに記載のX線画像鮮鋭化処理方法。
  6. 上記撮像対象物の材質情報と厚み情報に基づいて、当該撮像対象物におけるX線減衰量を算出し、当該算出されたX線減衰量に基づいて、上記それぞれの画像処理領域における上記帯状の長手方向の位置と画像濃度との関係を示す画像濃度プロファイルを算出し、当該画像濃度プロファイルに基づいて、上記それぞれの隣接画像処理領域における設定画像濃度の算出を行う請求項1から5のいずれか1つに記載のX線画像鮮鋭化処理方法。
  7. 上記撮像対象物は、上記X線の照射方向に略沿った方向の寸法である厚み寸法の相違により形成される段部を有する大略板体であって、上記撮像対象物の画像において当該段部が上記エッジとして検出される請求項1から6のいずれか1つに記載のX線画像鮮鋭化処理方法。
  8. 上記各々の画像処理領域における上記画像濃度差検出間隔の順次配置は、上記撮像対象物の画像において、当該撮像対象物の形状情報に基づき上記段部が配置されていると判断される位置及びその近傍の画像領域にて行われる請求項7に記載のX線画像鮮鋭化処理方法。
  9. 上記X線源と上記撮像部との間の距離の相違に起因する上記撮像された画像における画像濃度の不均一性を、当該画像に対してシェーディング補正処理を施すことで低減し、その後、上記エッジ検出を行う請求項1から8のいずれか1つに記載のX線画像鮮鋭化処理方法。
  10. X線を照射可能なX線源と、
    撮像対象物に向けて上記X線源より照射された上記X線の透過照射線を感受して、上記撮像対象物の画像を取得する撮像部と、
    上記撮像部にて取得された画像を保持するとともに、当該画像を略帯状の領域である複数の画像処理領域に区分して、上記各々の画像処理領域毎に鮮鋭化処理を行うことで当該画像全体の鮮鋭化処理を行う画像鮮鋭化処理装置とを備え、
    上記画像鮮鋭化処理装置は、
    当該各画像処理領域において、エッジぼけが生じる画像領域の上記略帯状の長手方向の長さ寸法であるエッジぼけ幅を、上記X線源、上記撮像部、及び上記撮像対象物のそれぞれの配置関係より幾何学的に算出し、当該算出されたエッジぼけ幅に基づいて設定された画像濃度差検出間隔を、上記各画像処理領域における上記帯状の長手方向沿いの互いに異なる複数の位置に順次配置して、当該それぞれ配置される画像濃度差検出間隔における両端の画像濃度の差を検出することで、当該画像濃度差が最大となる配置における上記画像濃度差検出間隔の中点位置を上記エッジとして検出するエッジ検出手段と、
    上記エッジ検出手段により検出された上記エッジを境界とするそれぞれの隣接画像処理領域の画像濃度を、上記撮像対象物のX線減衰量に基づいて設定される上記それぞれの隣接画像処理領域の設定画像濃度に変換することで、上記各画像処理領域の鮮鋭化処理を行う画像濃度変換手段とを備えることを特徴とするX線画像撮像装置。
  11. 上記画像鮮鋭化処理装置は、当該各画像処理領域において、上記エッジぼけ幅の幾何学的な算出と、当該算出されたエッジぼけ幅に基づく上記画像濃度差検出間隔の設定を行う画像濃度差検出間隔設定手段をさらに備え、
    上記エッジ検出手段は、上記画像濃度差検出間隔設定手段により設定された上記画像濃度差検出間隔を用いて、上記エッジ検出を行う請求項10に記載のX線画像撮像装置。
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