JP2005351655A - 材料試験機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ねじ棹式の材料試験機において試験中にクロスヘッドが捩じれることがなく、試験中に試験片が捩じれることに起因して試験結果に含まれる誤差の発生を防止する。
【解決手段】 クロスヘッド5の両端部に固定したナット6a,6bにそれぞれねじ棹2a,2bをねじ込み、これらのねじ棹2a,2bに回転を与えることによりクロスヘッド5を移動させ、試験片Wに負荷を加える材料試験機において、ねじ棹2a,2bのうち一方2aを右ねじとし、他方2bを左ねじとして互いに逆向きに回転させることでクロスヘッド5を移動させるように構成することにより、ねじ棹2a,2bの回転時にクロスヘッド5の両端部に作用するモーメントを逆向きとし、クロスヘッド5を捩じる力が発生しないようにする。
【選択図】図1
【解決手段】 クロスヘッド5の両端部に固定したナット6a,6bにそれぞれねじ棹2a,2bをねじ込み、これらのねじ棹2a,2bに回転を与えることによりクロスヘッド5を移動させ、試験片Wに負荷を加える材料試験機において、ねじ棹2a,2bのうち一方2aを右ねじとし、他方2bを左ねじとして互いに逆向きに回転させることでクロスヘッド5を移動させるように構成することにより、ねじ棹2a,2bの回転時にクロスヘッド5の両端部に作用するモーメントを逆向きとし、クロスヘッド5を捩じる力が発生しないようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は材料試験機に関し、更に詳しくは、2本のねじ棹の回転によりクロスヘッドを移動させることによって試験片に負荷を加える方式の材料試験機に関する。
材料試験機においては、一般に、負荷機構を駆動して試験片に負荷を与えつつ、試験片に加わる刻々の試験力や伸びなどを計測するが、負荷機構としては、テーブルに対して上下動することによって試験片に負荷を加えるクロスヘッドを、その両端部に固定したナットにそれぞれ螺合する2本のねじ棹の回転により移動させる機構を採用したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
このようなねじ棹によりクロスヘッドを移動させるタイプの材料試験機の例を図3に部分断面図で示す。テーブル31に鉛直の2本のねじ棹32a,32bが回動自在に支持されている。これらの各ねじ棹32a,32bには、モータ33の回転がウォーム減速機34a,34bなどからなる伝達機構34を通じて伝達され、互いに同方向への回転が与えられる。
そして、これらのねじ棹32a,32bは、クロスヘッド35の両端部に固定されたナット36a,36bにねじ込まれており、従ってモータ33を駆動して各ねじ棹32a,32bに回転を与えることによって、クロスヘッド35がテーブル31に対して上下動する。引張試験を行う場合には、テーブル31およびクロスヘッド35に互いに対向するように一対の掴み具37a,37bが装着され、これらの掴み具37a,37bに試験片Wの両端部を把持した状態でクロスヘッド35を上昇させることによって、試験片Wに引張荷重が加えられる。
なお、ねじ棹としては、台形ねじやボールねじが用いられ、ボールねじを用いる場合にはボールナットがクロスヘッドの両端部に固定される。
特開2002─250682号公報
ところで、以上のような2本のねじ棹の回転によりクロスヘッドを移動させる従来の材料試験機においては、図4に図3のA−A断面図で示すように、各ねじ棹32a,32bの回転により、クロスヘッド35にはナット36a,36bを通じて各ねじ棹32a,32bの回りに同じ向きの捩じりモーメントが作用する結果、クロスヘッド35には全体として図中矢印Tで示すような捩じり力が作用する。図3の構造においてこの捩じり力Tに対抗する構体は2本のねじ棹32a,32bのみであるため、捩じり剛性を高くすることは困難である。
そのため、テーブル31に対してクロスヘッド35が鉛直軸の回りに捩じれ、しかもその捩じれ量はクロスヘッド35の上下方向位置に応じて変化するという問題があった。このクロスヘッド35の捩じれにより、試験片Wが試験中に捩じれ、特に精密な試験を行う場合には、試験結果に誤差が生じる場合があるという問題があった。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、ねじ棹式の材料試験機において試験中にクロスヘッドが捩じれることがなく、もって精密な試験を常に誤差を生じることなく行うことのできる材料試験機の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明の材料試験機は、クロスヘッドの移動により試験片に負荷を加えるとともに、そのクロスヘッドの移動を、当該クロスヘッドの両端部に固定されたナットに螺合する2本のねじ棹の回転により行うように構成された材料試験機において、上記2本のねじ棹のうち一方が右ねじであり、他方が左ねじであることによって特徴づけられる。
本発明は、ねじ棹の回転によりクロスヘッドの両端部に作用するモーメントを互いに逆向きとすることによって、所期の目的を達成しようとするものである。
すなわち、本発明においては、クロスヘッドの両端のナットにねじ込まれる2本のねじ棹のうち、一方を右ねじ、他方を左ねじとし、クロスヘッドの移動に際しては2本のねじ棹を互いに逆向きに回転させる。これにより、ねじ棹の回転によりクロスヘッドの両端部に作用するモーメントは逆向きとなり、クロスヘッドがテーブルに対して捩じれる力が発生しない。
ここで、クロスヘッドの両端部に逆向きのモーメントが作用すると、クロスヘッドを曲げる力が発生することになるが、クロスヘッドの曲げ剛性は容易に高くすることが可能であり、特に問題は生じることはない。
本発明によれば、2本のねじ棹を右ねじと左ねじとして、これらを互いに逆向きに回転駆動することによりクロスヘッドを移動させるので、クロスヘッドの両端には互いに逆向きのモーメントが作用することになり、クロスヘッドを捩じる力が発生せず、従って、試験中の試験片に捩じれが生じるといった不具合が生じず、精密な試験であっても常に誤差のない正確な試験結果を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成を示す部分断面図である。
図1は本発明の実施の形態の構成を示す部分断面図である。
テーブル1に2本のねじ棹2a,2bが回動自在に支持されており、これらの各ねじ棹2a,2bは、モータ3とその回転を伝達する伝達機構4とからなる回転駆動機構により回転が与えられる。
各ねじ棹2a,2bのうち、一方のねじ棹2aは従来と同様の右ねじであるが、他方のねじ棹2bは左ねじであって、これらの各ねじ棹2a,2bに は互いに逆向きの回転が与えられる。すなわち、伝達機構4は、ウォーム減速機4a,4bを含む従来のものと同等の機構を採用しており、モータ3の回転を、2つのタイミングプーリ4c,4dとタイミングベルト4eにより水平軸4fに伝達し、この水平軸4fの回転を、その両端に設けられたウォーム減速機4a,4bにより鉛直のねじ棹2a,2bに伝達するのであるが、各ウォーム減速機4のうち、ねじ棹2bに対応するウォーム減速機4bについては、左ねじのウォームを用いている。これにより、モータ3の回転が、ねじ棹2aと2bに対して逆向きの回転として伝達される。
各ねじ棹2aおよび2bは、それぞれクロスヘッド4の両端部に固定された右ねじのナット6aおよび左ねじのナット6bにねじ込まれており、これにより、モータ3を駆動して各ねじ棹2a,2bを互いに逆向きに回転させることによって、クロスヘッド5がテーブル1に対して上下動する。なお、引張試験を行う場合には、従来と同様にテーブル1およびクロスヘッド5に互いに対向するように一対の掴み具7a,7bが装着され、これらの掴み具7a,7bに試験片Wの両端部を把持した状態でクロスヘッド5を上昇させる。
以上の本発明の実施の形態によると、図2に図1のA−A断面図を示すように、モータ3の駆動により各ねじ棹2a,2bが逆向きに回転するため、クロスヘッド5の両端部には各ねじ棹2a,2bの回りに逆向きのモーメントが作用する結果、従来のような捩じり力が作用することはなく、クロスヘッド5には同図に矢印Bで示すような曲げ力が働く。クロスヘッド5の曲げ剛性は、その厚みや幅を適宜に選択する等によって簡単に高くすることができ、曲げ力Bによるクロスヘッド5の歪みを0もしくは無視し得る程度とすることができる。
従って、本発明の実施の形態によると、試験中に試験片Wが捩じれることがなく、精密な試験においてもその試験結果に試験片の捩じれに起因する誤差が含まれることがない。
なお、ねじ棹2a,2bのねじは台形ねじであってもよいしボールねじであってもよく、また、ねじ棹2a,2bの頂部をクロスヨークで連結したもの、更には、ねじ棹2a,2bに隣接してガイド棒を配置したものにも本発明を適用し得ることは勿論である。
1 テーブル
2a ねじ棹(右ねじ)
2b ねじ棹(左ねじ)
3 モータ
4 伝達機構
4a,4b ウォーム減速機
4c,4d タイミングプーリ
4e タイミングベルト
4f 水平軸
5 クロスヘッド
6a,6b ナット
7a,7b 掴み具
W 試験片
2a ねじ棹(右ねじ)
2b ねじ棹(左ねじ)
3 モータ
4 伝達機構
4a,4b ウォーム減速機
4c,4d タイミングプーリ
4e タイミングベルト
4f 水平軸
5 クロスヘッド
6a,6b ナット
7a,7b 掴み具
W 試験片
Claims (1)
- クロスヘッドの移動により試験片に負荷を加えるとともに、そのクロスヘッドの移動を、当該クロスヘッドの両端部に固定されたナットに螺合する2本のねじ棹の回転により行うように構成された材料試験機において、
上記2本のねじ棹のうち一方が右ねじであり、他方が左ねじであることを特徴とする材料試験機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004169990A JP2005351655A (ja) | 2004-06-08 | 2004-06-08 | 材料試験機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004169990A JP2005351655A (ja) | 2004-06-08 | 2004-06-08 | 材料試験機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005351655A true JP2005351655A (ja) | 2005-12-22 |
Family
ID=35586275
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004169990A Pending JP2005351655A (ja) | 2004-06-08 | 2004-06-08 | 材料試験機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005351655A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102954911A (zh) * | 2011-08-30 | 2013-03-06 | 昆山市创新科技检测仪器有限公司 | 一种反向架控制装置 |
CN108709805A (zh) * | 2018-08-03 | 2018-10-26 | 奇瑞万达贵州客车股份有限公司 | 一种材料试验机 |
JP7172417B2 (ja) | 2018-10-15 | 2022-11-16 | 株式会社島津製作所 | 材料試験機 |
-
2004
- 2004-06-08 JP JP2004169990A patent/JP2005351655A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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