JP2005350173A - 油圧式エレベータの油圧シリンダ及びそれを用いた油圧回路 - Google Patents

油圧式エレベータの油圧シリンダ及びそれを用いた油圧回路 Download PDF

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喜作 長谷川
Fuminori Hasegawa
文典 長谷川
Takao Nukada
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Abstract

【課題】設置面積が狭い場所でも、点検、整備が容易にでき、かつ加工、組立が容易な油圧式エレベータの油圧シリンダを提供する。
【解決手段】油圧シリンダは、一端部にボトムカバーを、他端部に中空孔があけられたロッドカバーを有するシリンダチューブと、大径と小径の外径部および有底の中空穴の内径部を有し、ボトムカバー側の大径部がシリンダチューブの内径に、ロッドカバー側の小径部がロッドカバーの中空孔に摺動自在に支持されるピストンロッドと、シリンダチューブのボトムカバーから立設されるとともに軸芯に配設されるチューブと、ピストンロッドの中空穴に枢密に収容されると共にチューブの先端に取着されたチューブピストンとからなり、チューブピストンの上面とピストンロッドの中空穴からなる第1空間部に圧油を受けて伸長する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、油圧式エレベータの油圧シリンダ及びそれを用いた油圧回路に係り、特に、省エネルギー型の油圧式エレベータの油圧回路の中の狭い場所においても設置できる油圧シリンダに関する。
従来、油圧式エレベータはシリンダチューブよりラムを突出させ、ケージを昇降する油圧ジャッキが用いられている。この油圧ジャッキは、所定の昇降速度を得るために大きな吐出量の油圧ポンプが必要になるとともに、戻り油を絞りながら速度を制御して下降するためエネルギーの損失が生じていた。
本出願人は、省エネルギー型油圧昇降装置として、特許文献1を提案している。同文献によれば、図6に示すように、油圧昇降装置120は、ピストンロッド121上端の上端ブロック122に第1プーリ123と、左右ほぼ同一荷重としたバランスウエート124、124を取付けたシーブ125とが油圧シリンダ126に固定されている。そして油圧昇降装置120は、一端を構造物127に固定したロープ128を第1プーリ123、及び構造物127に固定された第2プーリ129と第3プーリ130に係合させて他端に積載用かご131を取付けている。
この油圧昇降装置120は、バランスウエート124により、かごの上昇時に積載用かご131とこれを載せる積載物の合計重量がある程度相殺されるため、電動機132の省エネルギー効果が得られる。
上記の油圧シリンダ126は可逆回転油圧ポンプモータ133が一方のシリンダチューブ134の上部給排油ポート135から作動油をシリンダ上部室136に供給したときには、ピストン137、即ちピストンロッド121が下方に移動してピストンロッド121内の作動油は中空パイプ138下端の下部給排油ポート139から排出される。可逆回転油圧ポンプモータ133が他方の下部給排油ポート139から作動油を供給したときには、ピストンロッド121が上方に押し上げられてシリンダチューブ134の内径面とピストンロッド121の外径面との間の作動油は上部給排油ポート135から排出されることになり、ピストンロッド121の上下往復運動が行われる。
この油圧シリンダ126は、図7に示すように、シリンダチューブ134の下端部にリング部材141の内径部を嵌合させてこれらを溶接にて固着する。そして、シリンダチューブ134の下端面に密接し、且つシリンダチューブ134の内径面に嵌合する形状であって、さらに中央に中空パイプ138を貫入させる開口を有するボトムカバー142をボルト143により固定した。なお、ボトムカバー142とシリンダチューブ134の内径面との嵌合部には液密性を確保するためにOリング144を装着した。
また、中空パイプ138を貫入したボトムカバー142の開口には、中空パイプ138の内径面に嵌合し、且つボトムカバー142の下面に密接する形状であって、さらに中央に下部給排油ポート139を形成したフランジ145をボルト146で固定した。なお、中空パイプ138内径面の嵌合部及びボトムカバー142下面の密接部には、いずれもOリング147、148を装着した。
このようなボトムカバー142を用いれば、ボルト143を外すことでボトムカバー142及び中空パイプ138は取り外し可能であるため、ピストン137をシリンダチューブ134の外部に容易に引出すことができるので、ピストン137のパッキン150、151及び軸受メタル152、153の交換が容易となることを提案している。
特開2003−26378号公報
しかしながら、特許文献1においては、ピストン137のパッキン150、151及び軸受メタル152の点検は容易であるが、ピストン137のパッキン150、151及び軸受メタル152を交換する場合には、ボトムカバー142の下端部が構造物の基礎127aに取着されているため、油圧シリンダを分解してパッキン、シールリング及び軸受メタルの交換を行わなければならない。このため、従来と同様に、油圧シリンダ及びバランスウエートを取り外した後、昇降路外に取り出すための作業が必要になり、交換等の整備に多大な工数がかかり、広い場所が必要になるという問題がある。
また、ピストン137のパッキン150、151からの油漏れはボルト143を外してボトムカバー142及び中空パイプ138を上方に持ち上げる等の分解が必要になり、点検時には多大な工数がかかり、日常の点検が困難であるという問題がある。
また、油圧エレベータの油圧シリンダは、一般的に最縮小長さが少なくとも約2メートルから5メートルのものが多く使用されており、補修時に搬出工数が多くかかるため点検性、整備性の良いものが強く望まれている。また、油圧エレベータは油の劣化を防止するため定期的に油を交換する必要があり、油量が少なく、かつその交換が容易なことが望まれている。
これに反して、特許文献1の油圧ジャッキは、ピストン137がピストンロッド121の下方に取着されているため、その上方に収容される油量が多く必要となっている。また、油圧エレベータに使用する油圧ジャッキは、その長さが益々長くなり、機械加工性が良好であるとともに、現場で組み立てることが多くなっているため、現場での組立性が良いものが望まれている。
また、図6に示す特許文献1の油圧エレベータの油圧回路では、可逆回転形の油圧ポンプモータ133が用いられているため、特別に製作した油圧ポンプモータ133が必要となり、設備費が高価になるとともに、故障時の製作に多大な納期が必要になりメンテナンス性が悪いという問題がある。
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、第1の目的は設置面積が狭い場所でも上方よりその場所でパッキン、シールリング等のシールの点検、整備が容易にでき、かつ加工および組立が容易な油圧式エレベータの油圧シリンダを提供する。第2の目的は、省エネルギーを図るとともに、良好なメンテナンス性、整備が容易の油圧式エレベータの油圧シリンダを用いた油圧回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、油圧式エレベータの油圧シリンダの第1発明は、人および/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたピストンロッドを伸縮する油圧式エレベータの油圧シリンダであって、一端部にボトムカバーを、他端部に中空孔があけられたロッドカバーを有するシリンダチューブと、大径と小径の外径部および有底の中空穴の内径部を有し、ボトムカバー側の大径部がシリンダチューブの内径に、ロッドカバー側の小径部がロッドカバーの中空孔に摺動自在に支持されるピストンロッドと、シリンダチューブのボトムカバーから立設されるとともに軸芯に配設されるチューブと、ピストンロッドの中空穴に枢密に収容されるとともにチューブの先端に取着されたチューブピストンとからなり、チューブピストンの上面とピストンロッドの中空穴からなる第1空間部に圧油を受けて伸長し、かつ、ピストンロッドの大径部の上面と外径およびシリンダチューブの内径とロッドカバーの下面からなる第2空間部に圧油を受けて縮小することを特徴としている。
この場合において、第2発明は、外径部がシリンダチューブに摺動自在で、その内径部がチューブに挿入され、かつ、チューブをボトムカバーに案内しながら挿入する案内板をボトムカバーとピストンロッドとの間に有することを特徴としている。
また、第3発明は、ピストンロッドの外径部に当接するロッドシールおよびダストシールとを有する蓋と、ピストンロッドの内径部に当接するピストンシールを取着するチューブピストンに対向して配設されるピストンロッド蓋とを有し、両蓋を油圧シリンダのロッドカバー側に取り外すことによりロッドシール、ダストシールおよびピストンシールのそれぞれを交換可能にしてなることを特徴としている。
また、第4発明では、チューブピストンに取着されたピストンシールを有し、該ピストンシール交換時にチューブピストンがピストンロッドの上面より突出してなることを特徴としている。
第5発明では、ロッドピストンのピストンシールの油漏れを検出するロッドピストン用油漏れ検知部、および/あるいは、チューブピストンのピストンシールの油漏れ検出するチューブピストン用油漏れ検知部を有することを特徴としている。
第6発明は、人および/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたピストンロッドを伸縮する油圧シリンダと、油圧シリンダに連結されピストンロッドの伸縮により昇降するケージと、油圧シリンダに連結され、油圧シリンダに作用するケージおよびピストンロッドの重量にほぼ等しい重量を有するバランスウエートとからなる油圧式エレベータの油圧回路であって、油圧シリンダを伸長する伸長用油圧ポンプと、油圧シリンダを縮小する縮小用油圧ポンプと、両油圧ポンプを駆動する両方向回転形電動モータと、伸長用油圧ポンプと油圧シリンダとの間、および、縮小用油圧ポンプと油圧シリンダとの間にそれぞれ配設され、ポンプの圧油を油圧シリンダに向けて流す逆止弁と、それぞれの逆止弁と油圧シリンダの間から分岐された配管に配設され、油圧シリンダとタンクとの間を断続するそれぞれの電磁式制御弁と、伸長用油圧ポンプと逆止弁との間および縮小用油圧ポンプと逆止弁との間からそれぞれ分岐された配管に配設され、タンクの油を油圧ポンプに向けて流す吸込み弁とからなることを特徴としている。
また、第7発明は、人および/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたピストンロッドを伸縮する油圧シリンダと、油圧シリンダに連結されピストンロッドの伸縮により昇降するケージと、油圧シリンダに連結され、油圧シリンダに作用するケージおよびピストンロッドの重量にほぼ等しい重量を有するバランスウエートとからなる油圧式エレベータの油圧回路であって、油圧シリンダを伸縮する油圧ポンプと、油圧ポンプを駆動する一方向回転形電動モータと、油圧ポンプに接続され、油圧シリンダを伸長する圧油として供給する伸長位置、および、油圧シリンダを縮小する圧油として供給する縮小位置とを少なくとも有する電磁式方向制御弁と、電磁式方向制御弁の伸長位置と油圧シリンダとの間、および、縮小位置と油圧シリンダとの間にそれぞれ配設され、ポンプの圧油を油圧シリンダに向けて流す逆止弁と、それぞれの逆止弁と油圧シリンダの間から分岐された配管に配設され、油圧シリンダとタンクとの間を断続するそれぞれの電磁式制御弁とからなることを特徴としている。
また、第8発明は、人および/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたピストンロッドを伸縮する油圧シリンダと、油圧シリンダに連結されピストンロッドの伸縮により昇降するケージと、油圧シリンダに連結され、油圧シリンダに作用するケージおよびピストンロッドの重量にほぼ等しい重量を有するバランスウエートとからなる油圧式エレベータの油圧回路であって、油圧シリンダを伸縮する油圧ポンプと、油圧ポンプを駆動する一方向回転形電動モータと、油圧ポンプに接続され、油圧シリンダを伸長する圧油として供給する伸長位置、および、油圧シリンダを縮小する圧油として供給する縮小位置とを少なくとも有する電磁式方向制御弁と、電磁式方向制御弁の伸長位置と油圧シリンダとの間、および、縮小位置と油圧シリンダとの間にそれぞれ配設され、ポンプの圧油を油圧シリンダに向けて流す逆止弁と、それぞれの逆止弁と油圧シリンダの間から分岐された配管に配設される戻り油用電磁式方向制御弁と、戻り油用電磁式方向制御弁とタンクとの間に配設され、油圧シリンダとタンクとの間を断続するそれぞれの電磁式制御弁とからなることを特徴としている。
この場合において、第9発明は、ケージ停止時に積載重量およびバランスウエートにより油圧シリンダに生ずる真空の発生をなくす圧油を油圧シリンダに供給する真空防止部を設けたことを特徴としている。
また、第10発明は、前記発明の油圧回路では、油圧シリンダは前記の第1発明から第4発明の油圧シリンダを用いることを特徴としている。
第1発明によると、チューブピストンをピストンロッド内の上方に配設しているため油圧シリンダに収容される油を少なくでき、設置時および整備時の油の費用を安価にできるとともに、ピストンロッド内の油を容易に排出することができ、整備性が向上している。
また、油圧シリンダは、チューブピストンがピストンロッドの先端に取着されているため、チューブピストンがピストンロッドの内径に対して小さい角度の傾動で当接することが可能となっている。これにより、ボトムカバーとチューブとの隙間を適宜に選定することにより、チューブピストンはピストンロッドの内径に大きい範囲で容易に当接することができるとともに、シリンダチューブとピストンロッドとの同軸度を精度良く仕上る必要がなくなり、加工および組立が容易になっている。
第2発明によると、横置きで長い油圧シリンダを組み立てるとき、チューブを挿入した案内板がシリンダチューブ内を摺動しながら奥に入って行き、保持しているチューブの先端を自動的にボトムカバーに挿入する。これにより、油圧シリンダが長くても、設置現場にて横置きで容易に組み立てることができ、組立性が向上している。
第3発明によると、油圧シリンダに用いられているシールは、ロッドシールとダストシールがシリンダチューブに取着されている蓋と、ピストンシールがピストンロッド蓋を油圧シリンダの一端のヘッド側に取り外すことにより点検、交換を容易に行うことができ、油圧式エレベータが設置された狭い場所でもシールの点検、交換を容易に行うことができ、整備性が向上している。
第4発明によると、チューブピストンがピストンロッドの上面より突出しているため、ピストンシールが容易に交換できる。
第5発明によると、ピストンロッドおよび/あるいはチューブピストンのピストンシールの油漏れが油圧シリンダを分解せずに容易に点検を行うことが可能になっているため、日常の点検が実施でき、ピストンシールの交換等の対応が迅速にできる。
第6発明によると、油圧エレベータの油圧回路では、油圧シリンダの伸長用及び縮小用にそれぞれの油圧ポンプを用いているため、油圧エレベータの上昇速度および下降速度の設定が容易になる。また、油圧シリンダの伸長時及び縮小時の受圧面積の設定が容易になるとともに、それに対する油圧ポンプの押除け容積を容易に選択できる。
また、特許文献1に対しては、市販製の油圧ポンプを用いることが可能になっているため、特別に製作する必要が無くなり、設備費が安価になるとともに、故障時にも容易に対応できてメンテナンス性を向上できる。
第7発明によると、油圧エレベータの油圧回路では、油圧シリンダの伸長用及び縮小用に一つの油圧ポンプを用いており、そのポンプを一方向回転電動モータで駆動するため、制御が容易になるとともに、安価にできる。また、切換時に電磁式方向制御弁を緩慢に作動させることにより、昇降開始時の衝撃を小さくできる。また、前記と同様にメンテナンス性を向上できる。
第8発明によると、戻り油側にも電磁式方向制御弁を用いることにより、正確な流量制御を行う電磁式制御弁を一個にでき安価にできる。また、第6発明と同様な効果が得られる。
第9発明によると、油圧シリンダは、積載重量およびバランスウエートにより生ずる真空をなくすために、ケージが停止中に真空防止部を作動させて低圧油を油圧シリンダに供給する。これにより、ケージの上昇と下降、および/あるいは、ケージの無負荷と積載の切換え時にケージが一瞬において下降、あるいは、上昇するなどの動作、衝撃が無くなり搭乗性が向上する。
第10発明によると、油圧エレベータの油圧回路では、更に前記第1発明から第4発明と同様の効果が得られる。
以下、本発明に係る油圧式エレベータの油圧シリンダおよびそれを用いた油圧回路の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は第1実施例である油圧式エレベータの第1の油圧シリンダの側面断面図、図2は第2実施例である油圧式エレベータの第2の油圧シリンダの側面断面図、図3は本発明の第1の油圧シリンダを用いた第1実施例の油圧式エレベータの第1の油圧回路図である。
図1において、油圧式エレベータの第1の油圧シリンダ1は、シリンダを縮小する縮小油圧室3(以下、第1空間室3という)、シリンダを伸長する伸長油圧室4(以下、第2空間室4という)、シリンダの伸縮に伴って可変容積となる可変容積室5(以下、第3空間室5とい)を有して形成されている。この油圧シリンダ1は、シリンダチューブ部7、ピストンロッド部8およびチューブピストン部9より形成されている。第1空間室3および第2空間室4は、シリンダの軸芯に直行する断面積がほぼ同一面積により形成されている。
シリンダチューブ部7は、シリンダチューブ10の一端のロッドカバー側(図示上側)に中空の円板11が、他端のボトムカバー側(図示下側)にボトムカバー12(以下、基端ブロック12という)が固設されており、シリンダチューブ10のロッドカバー側には、ロッドシール13とブッシュ14とが取着されている第1蓋15と、ブッシュ14とダストシール17が取着されている第2蓋18とが配設されて構成されている。第1蓋15と第2蓋18とによりロッドカバー19が形成されている。
第1蓋15は、円板11の中空孔11aに枢密に挿入され、かつ着脱自在に取着されている。第1蓋15には、円板11の中空孔11aとの間に第1のOリング21が、また第2蓋18との間に第2のOリング22が取着され、第1空間室3の圧油を密封している。第1蓋15の内径部にはロッドシール13とブッシュ14とが配設され、ロッドシール13はピストンロッド部8の外径部に当接して第1空間室3の圧油を密封し、またブッシュ14はピストンロッド部8を上下方向に摺動自在に支持している。
第2蓋18は、第1蓋15の蓋孔15aに枢密に挿入されて取着されている。第2蓋18は、第1蓋15を挟んでシリンダチューブ部7の円板11に蓋用ボルト24で着脱自在に取着されている。第2蓋18の内径部にはダストシール17が配設され、ダストシール17はピストンロッド31の外径部に当接してロッドカバー側から第1空間室3にダストが入り込むのを防止している。
上記構成において、ロッドシール13とダストシール17は、蓋用ボルト24を円板11から抜いた後に油圧シリンダ1のロッドカバー側の一方向に第2蓋18のみを取り外す(図示の上方)ことで容易に交換することができる。このとき、ピストンロッド部8は第1蓋15に取着されたブッシュ14で安定して保持されているため、シールは容易に交換することができる。
また、第1蓋15の内径部に配設されているロッドシール13とブッシュ14とを第1蓋15とともに取り外しても、ピストンロッド部8がシリンダチューブ10で安定して保持されているため、シールは容易に交換することができる。したがって、油圧シリンダ1はエレベータ格納室から搬出することなく、据え付けられたままで交換可能となっている。
シリンダチューブ10の基端ブロック12には、第2空間室4に接続する第1穴12a、第3空間室5に接続する第2穴12b、および、チューブピストン部9を取着する第3穴12cがあけられている。第1穴12aには第3穴12cに挿入されたチューブピストン部9を着脱自在に係止する中空ピン25が挿入されている。
ピストンロッド部8は、主に、ピストンロッド31、ロッドピストン32、および、ピストンロッド用蓋33により形成される。ピストンロッド31はシリンダ用鋼管により形成され、下方端のボトムカバー側にはロッドピストン32が、また、上方端のロッドカバー側にはピストンロッド蓋33が螺合により着脱自在に取着されている。
ピストンロッド蓋33は第2空間室4を構成しており、その下面のロッドカバー側受圧面積(チューブピストン42の直径に相当)が圧油を受けて油圧シリンダ1を伸長している。
ピストンロッド31とピストンロッド蓋33との間には第3のOリング35が配設されており、ピストンロッド部8の第2空間室4から圧油が漏れるのを防止している。ピストンロッド蓋33には、第2空間室4の空気を大気に排出する空気抜き弁33aが付設されており、また、ピストンロッド蓋33をピストンロッド31に着脱するねじ穴33bがあけられている。
ロッドピストン32とシリンダチューブ10との間にはピストンシール37が配設されており、第1空間室3と第3空間室5との間で圧油が漏れるのを遮断している。ロッドピストン32にはウエアリング39が配設されており、ウエアリング39はシリンダチューブ10の内径10aとロッドピストン32とを摺動自在にしている。
ピストンロッド31の外径部31aが第1蓋15および第2蓋18の内径部(中空孔)に挿入されている。ピストンロッド31の外径部31aはダストシール17、ロッドシール13およびブッシュ14に当接しており、ブッシュ14によりピストンロッド部8が上下方向に摺動自在に支持されている。
ピストンロッド部8は、第1空間室3に供給された圧油をロッドピストン32の上面32aで受けてシリンダチューブ10内を摺動し縮小するとともに、ロッドシール13により圧油を密封し、ダストシール17によりダストの侵入を防止している。また、ピストンロッド部8は、ピストンロッド31とロッドピストン32との間には第4のOリング32bが配設されており、第1空間室3と第3空間室5との間で圧油が漏れるのを遮断している。
チューブピストン部9は、主に、チューブ41、チューブピストン42、ピストンシール43により形成されている。チューブ41は大径の第1チューブ41Aと、小径の第2チューブ41Bとにより構成されており、基端ブロック12の近傍で段差を有して溶着により一体に形成されている。
第1チューブ41Aはピストンロッド31の内方に配設されており、そのロッドカバー側の端部にチューブピストン42が螺合にて着脱自在に取着され、また、ボトムカバー側の端部が第2チューブ41Bに接合されている。第2チューブ41Bは、ボトムカバー側の端部が基端ブロック12の第3穴12cに小さい隙間を有して挿入されて取着されている。
チューブピストン42とピストンロッド31との間にはピストンシール43が、また、チューブピストン42と第1チューブ41Aとの間には第5のOリング44が配設されており、第2空間室4と第3空間室5との間で圧油が漏れるのを遮断している。チューブピストン42にはウエアリング45が配設されており、ウエアリング45はチューブピストン42とピストンロッド部8のピストンロッド31の内径31bとを摺動自在にしている。
第2チューブ41Bの下端部の孔41aには中空ピン25が挿入されており、中空ピン25は第2チューブ41B、即ち、チューブ41を着脱自在に基端ブロック12に取着している。中空ピン25には圧油を第2空間室4に給排する孔25aがあけられている。第2チューブ41Bは基端ブロック12の第3穴12cに小さい隙間を有して挿入されているため、チューブ41は傾動することが可能となり、チューブピストン42がピストンロッド31の内径31bに大きい範囲で容易に当接することができる。
これにより、シリンダチューブ10とピストンロッド31との同軸度を精度良く仕上る必要がなくなり、加工および組立が容易になっている。第2チューブ41Bと基端ブロック12の間には第6のOリング46が配設され、第2空間室4と第3空間室5との間で圧油が漏れるのを遮断している。
第2チューブ41Bには、その外径に挿入された案内板47が摺動自在に枢密に取着されている。案内板47には、その外径にウエアリング47aが取着されており、案内板47をシリンダチューブ10内で摺動自在にしている。
案内板47は、第2チューブ41Bを基端ブロック12の第3穴12cに挿入するときに、シリンダチューブ10内で摺動しながらチューブ41を案内する。このとき、案内板47は、第2チューブ41Bよりも大きい径を有する第1チューブ41Aに当接して押されて奥に確実に進む。これにより、第2チューブ41Bは、第1チューブ41Aを推し進めることにより、案内板47により第3穴12cに自動的に挿入される。
油圧シリンダ1は、第1空間室3が、シリンダチューブ10の内径10aとピストンロッド31の外径部31aとロッドピストン32の上面32aと第1蓋15の下面との空間で形成されており、シリンダチューブ10にあけられた孔10bを経て、後述する油圧回路50に繋がっている。第1空間室3の内部のピストンロッド部8はロッドピストン32の上面32aの受圧面積が圧油を受けて図示下方に移動し、油圧シリンダ1が縮小している。
第2空間室4は、チューブピストン42の上方とピストンロッド31の内径31bとピストンロッド蓋33の下面(ロッドカバー側受圧面)との空間により形成されている。この第2空間室4は、チューブ41、中空ピン25の孔25aおよび基端ブロック12にあけられた第1穴12aを経て、後述する油圧回路50に繋がっている。ピストンロッド蓋33は、ピストンロッド31の内径(チューブピストン42の直径)に相当するロッドカバー側受圧面積が圧油を受けてピストンロッド部8を図示上方に移動し、油圧シリンダ1が伸長している。
上記のごとく構成された第1の油圧シリンダ1は設置現場等にて、次のように組み立てられる。長いシリンダチューブ10が受け台等に横向きにされて載置される。次に、案内板47を第2チューブ41Bに挿入して取着し、案内板47をシリンダチューブ10のロッドカバー側に挿入する。あるいは、案内板47をシリンダチューブ10のロッドカバー側に挿入し、案内板47に第2チューブ41Bを挿入する。
第1チューブ41Aの先端を押圧し、チューブ41を保持した案内板47を摺動させながらチューブ41とともに推し進めていく。案内板47は第2チューブ41Bの先端部と第3穴12cとの軸芯を一致させているため、案内板47がブロック12に接近すると、第2チューブ41Bの先端部が第3穴12cに自動的に挿入される。次に、中空ピン25が基端ブロック12および第2チューブ41Bの下端部の孔41aに挿入され、中空ピン25は基端ブロック12に対してチューブ41の回転および抜け出るのを規制している。
次に、ロッドピストン32が螺合されたピストンロッド31をシリンダチューブ10のロッドカバー側に挿入し、シリンダチューブ10内でロッドピストン32を摺動させて押し込む。チューブピストン42をピストンロッド31内に挿入し、チューブピストン42を推し進めるとともに回転させて第1チューブ41Aに螺合する。
ロッドシール13等が取着された第1蓋15、および、ダストシール17等が取着された第2蓋18をロッドヘッド側からピストンロッド31に挿入した後、第1蓋15を円板11に、また、第2蓋18を第1蓋15に一部を挿入し、蓋用ボルト24により固定する。
ピストンロッド用蓋33をピストンロッド31に螺合して組立を終了する。
上記構成において、チューブ41は第1チューブ41Aと第2チューブ41Bと溶着にて一体化したが、一本のチューブ鋼管を使用して第2チューブ41Bに相当する外径を切削して形成しても良い。また、第2空間室4は、チューブピストン42に対向するピストンロッド蓋33を上方から取り外した後、チューブピストン42を回転させてチューブ41からチューブピストン42を取り外してピストンロッド部8の上方に取り出しても良く、あるいはチューブ41から中空ピン25を抜いてチューブピストン42をピストンロッド部8の上方に突出させても良い。
いずれにしても、ピストンロッド蓋33を上方から取り外すことにより、ピストンシール43は油圧シリンダ1の一方向から容易に交換、点検することができる。したがって、油圧シリンダ1はエレベータ格納室から搬出することなく、据え付けられたままで交換可能となり、油圧シリンダ1が狭い場所に設置される油圧式エレベータでは、上方から整備を行えるため、点検、交換が容易になる。
次に、図2を用いて本発明に係る第2実施例の油圧式エレベータの第2の油圧シリンダについて説明する。なお、第1実施例の油圧式エレベータの油圧シリンダ1と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。
この第2の油圧シリンダ1Aは、第1シリンダチューブ部7A、第1ピストンロッド部8Aおよび第1チューブピストン部9Aより形成されている。第1シリンダチューブ部7Aは、シリンダチューブ10の他端のボトムカバー側(図示下側)に第1ボトムカバー12A(以下、第1基端ブロック12Aという)が固設されている。
第1基端ブロック12Aには、後述する第1ロッドピストン32Aのピストンシール37の油漏れを検出するピストンロッド用油漏れ検知部48(以下、ロッド用漏れ検知部48という)が設けられている。ロッド用漏れ検知部48は、ピストンシール37から漏れた油を受ける溝48aと、漏れた油を外部に導く孔48bと、漏れた油を溜めるとともに油量の計測を可能とするケース48cにより形成されている。
ロッド用漏れ検知部48は、第1空間室3の圧油がピストンシール37から漏れ、シリンダチューブ10の内径10aに沿って流れた油を溝48aで受け、その油を孔48bで外部に取り出してケース48cに溜めて計測可能としている。
また、第1基端ブロック12Aには、後述する第1チューブピストン42Aのピストンシール43の油漏れを検出するチューブピストン用油漏れ検知部49(以下、チューブ用漏れ検知部49という)が設けられている。チューブ用漏れ検知部49は、ピストンシール43から漏れた油を受ける溝49aと、漏れた油を外部に導く孔49bと、漏れた油を溜めるとともに油量の計測を可能とするケース49cにより形成されている。
チューブ用漏れ検知部49は、第2空間室4の圧油がピストンシール43から漏れ、ピストンロッド31の内径31bに沿って流れ、滴る油を溝49aで受け、その油を孔49bで外部に取り出してケース49cに溜めて計測可能としている。
これにより、第1ロッドピストン32Aのピストンシール37および第1チューブピストン42Aのピストンシール43の油漏れは、分解せずに日常的に点検できる。なお、上記において、第3空間室5は第1油圧シリンダの伸縮に伴って拡張あるいは収縮するときに大気を給排しており、ロッド用漏れ検知部48およびチューブ用漏れ検知部49は、フィルタを所有し大気を吸引するときにゴミ等を除去し、空気を排出するときに油を除去して大気中に排出するようにしている。
第1ピストンロッド部8Aは、主に、第1ピストンロッド31A、第1ロッドピストン32A、および、第1ピストンロッド用蓋33Aにより形成される。第1ピストンロッド31Aは、下方端のボトムカバー側に第1ロッドピストン32Aが溶着されており、上方端のロッドカバー側には第1ピストンロッド蓋33Aが螺合により着脱自在に取着されている。
第1ピストンロッド31Aと第1ピストンロッド蓋33Aとの間にはゴム等のシール部材49qが配設されており、第1ピストンロッド部8Aの第2空間室4から圧油が漏れるのを防止している。
第1ロッドピストン32Aとシリンダチューブ10との間にはピストンシール37が配設されており、第1空間室3と第3空間室5との間で圧油が漏れるのを遮断している。第1ロッドピストン32Aにはウエアリング39が配設されており、ウエアリング39は第1ピストンロッド部8Aとシリンダチューブ10の内径10aとを摺動自在にしている。第1ピストンロッド31Aの外径部31aが第1蓋15および第2蓋18の内径部(中空孔)に挿入されている。
第1ピストンロッド部8Aは、第1空間室3に供給された圧油を第1ロッドピストン32Aの上面32aで受けてシリンダチューブ10内を摺動し縮小するとともに、ロッドシール13により圧油を密封し、ダストシール17によりダストの侵入を防止している。
第1チューブピストン部9Aは、主に、第3チューブ41D、第1チューブピストン42A、ピストンシール43により形成されている。第3チューブ41Dは、第1ピストンロッド31Aの内方に配設され、他端のロッドカバー側には第1チューブピストン42Aが第3チューブ41Dの先端に溶着されている。
第1チューブピストン42Aと第1ピストンロッド31Aとの間にはピストンシール43が配設されており、第2空間室4と第3空間室5との間で圧油が漏れるのを遮断している。第1チューブピストン42Aにはウエアリング45が配設されており、ウエアリング45は第1チューブピストン42Aと第1ピストンロッド31Aの内径31bとを摺動自在にしている。
第1ピストンロッド部8Aは、第1ピストンロッド用蓋33Aを取り外して下方に押圧することにより距離Laだけ下方に移動でき、第1ロッドピストン32Aの下面を第1基端ブロック12Aの上面に当接することができる。
このとき、第1ピストンロッド部8Aの移動距離Laは、第1ピストンロッド31Aの上端と第1チューブピストン42Aの下端面距離Lbよりも大きくしている。このため、第1ピストンロッド31Aの上端は、第1チューブピストン42Aの下端面よりも低い位置にあるとともに、ロッドカバー19の上面より高い位置にある。
これにより、ピストンシール43の交換時には、第1チューブピストン42Aが第1ピストンロッド31Aの上端よりも突出しているため容易に交換することができる。交換後に、第1ピストンロッド31Aの突出部のねじ部を把持して上方に引上げることにより、第1ピストンロッド用蓋33Aを組み付けることができて、ピストンシール43は第1油圧シリンダ1Aを移動することなく、その位置で交換できる。
なお、図2においては、油圧シリンダ1の案内板47を省略しているが、第1基端ブロック12A側の第3チューブ41Dの外径に段差を設け、そこに案内板47を設けてもよい。また、案内板47には、ロッド用漏れ検知部48およびチューブ用漏れ検知部49の溝、孔等を設け、この溝、孔等を介して漏れ油を第1基端ブロック12Aの溝48a、49aに落とした後、外部に取り出しピストンシール37、43の漏れを検出できるようにしても良い。
次に、本発明の図1の油圧シリンダを用いた第1実施例の油圧式エレベータの油圧回路を、図3を用いて説明する。
前記の第1の油圧シリンダ1は、ケージ用ワイヤSと滑車Kを介してエレベータのケージCAに連結されている。例えば、油圧シリンダ1には滑車Kが連結されるとともに、ケージCAは滑車Kに巻き掛けられたケージ用ワイヤSにより吊り下げられており、第1の油圧シリンダ1の伸縮に合わせて滑車Kおよびケージ用ワイヤSを介してケージCAを昇降する。あるいは、ケージCAは油圧シリンダ1のピストンロッド蓋33の一面に搭載されているように構成されていても良い。
滑車Kは、バランス用ワイヤSr、固定滑車Krを介してバランスウエートWbに接続されている。
ケージCAの重量Waは、ケージCAの自重WsおよびケージCA内に搭乗する人間と荷物の積載重量Wtにより、全体の重量Wa(Wa=Ws+Wt)が設定されている。バランスウエートWbは、例えば、油圧シリンダ1に作用するケージCAの自重Wsおよび滑車Kとピストンロッド31と両ワイヤS、Sr等それぞれの自重の加算された重量Wdにほぼ等しく設定されており、積載物が無いときにバランスウエートWbにより油圧シリンダ1の圧力がほぼ零になるようにしている。
油圧シリンダ1への圧油は、積載物が無いときには油圧シリンダ1と滑車K等の摺動抵抗力よりも大きい圧力を供給し、積載物があるときには最大積載重量Wtmの1/2および油圧シリンダ1と滑車K等の摺動抵抗力よりも大きい圧力を供給するようにしている。これにより、後述する両方向回転形電動モータ57の出力が小さく出来る。
また、他の例として、バランスウエートWbは、例えば、油圧シリンダ1に作用するケージCAの自重Wsおよび最大積載重量Wtmに等しい重量として、油圧シリンダ1に伸長方向の力が作用するようにしても良い。このときには、油圧シリンダ1には、上昇時により小さい圧力を供給し、下降時に若干大きい圧力を供給するようにしても良い。
いずれの方法にしても、詳細は後述するように、油圧シリンダ1の速度制御はメータアウト制御を行い所定の速度を得ている。
油圧回路50は、ロッドカバー19とピストンロッド蓋33が上側になるように図示しないエレベータ格納室に油圧シリンダ1を設置する。この油圧シリンダ1は、第1空間室3がシリンダチューブ10の孔10bより下降用配管51を介して下降用油圧ポンプ52(以下、下降用ポンプ52という)に、また、第2空間室4が基端ブロック12より上昇用配管54を介して上昇用油圧ポンプ55(以下、上昇用ポンプ55という)に接続されている。
下降用ポンプ52および上昇用ポンプ55は、両方向回転形電動モータ57(以下、電動モータ57という)に連結されて駆動されており、例えば、下降用ポンプ52は右回転で、上昇用ポンプ55は左回転で圧油を発生するとともに、それぞれのポンプ52、55は反対回転(逆転という)で後述するようにタンク58の油を循環させている。第3空間室5はタンク58に接続され、油圧シリンダ1の伸縮に伴ってタンク58の油を給排している。または、第3空間室5は大気に連通しており、空気を給排している。
下降用配管51には下降用ポンプ52から順次、下降用逆止弁60、上昇用流量計61が配設されている。また、下降用ポンプ52と下降用逆止弁60との間から分岐された第1配管51aには上昇用吸込弁62および下降用リリーフ弁63が、下降用逆止弁60と上昇用流量計61との間から分岐された第2配管51bには上昇用制御弁64が、更に、上昇用流量計61と油圧シリンダ1の孔10bとの間から分岐された第3配管51cに非常用下降装置65が配設されている。
上昇用流量計61には、上昇用圧力・油温センサ67が付設されており、検出した圧力および油温をコントローラ等の制御部69に送信している。
上昇用吸込弁62は下降用ポンプ52が逆転しているときタンク58の油を通過させ、下降用ポンプ52に吸引させてそのまま低圧にてタンク58に吐出させている。
上昇用制御弁64は、チェック付のサーボ弁等により形成されており、油圧シリンダ1が伸長してケージCAを上昇させるときに制御部69からの指令により作動し、第1空間室3の戻り油を位置(a)でメータアウト制御して油圧シリンダ1を所定の速度で伸長させている。また、上昇用制御弁64は、第1の油圧シリンダ1が縮小しケージCAを下降させるときに位置(b)でチェック弁を介してタンク58の油を通過させ、第1空間室3に供給して真空になることを防止している。
上昇用流量計61には上昇用圧力・油温センサ67が接続されており、流量計61は内部を流れる作動油の流量を測定するとともに、油圧シリンダ1の第1空間室3に作用する圧力および/あるいは油温を上昇用圧力・油温センサ67により測定して制御部69に送信している。
制御部69は、上昇用流量計61、上昇用圧力・油温センサ67からの流量信号、圧力信号および/あるいは油温信号を受けて油圧エレベータの上昇速度が所定範囲に入るように、上昇用制御弁64に指令信号を出力している。また、制御部69は図示しない上昇スイッチおよび下降スイッチに接続されており、その信号を受けて上昇用制御弁64に指令信号を出力している。上昇用制御弁64は油圧および/あるいは油温が高いときに絞りを強めて流量が一定になるように制御している。
非常用下降装置65は、非常用油圧ポンプ65a、チャージ用電動モータ65b、逆止弁65c、第2リリーフ弁65d、タンク58により形成され、非常時に非常用油圧ポンプ65aが作動してタンク58の油を吸引し、第1空間室3に圧油を供給してケージCAを下降している。
上昇用配管54には上昇用ポンプ55から順次、上昇用逆止弁70、下降用流量計71が配設されている。また、上昇用ポンプ55と上昇用逆止弁70との間から分岐された第4配管54aには下降用吸込弁72および上昇用リリーフ弁73が、上昇用逆止弁70と下降用流量計71との間から分岐された第5配管54bには下降用制御弁74および非常用手動下降弁75が配設されている。
上昇用流量計61には、上昇用圧力・油温センサ67が付設されており、検出した圧力および/あるいは油温をコントローラ等の制御部69に送信している。
下降用吸込弁72は上昇用ポンプ55が逆転しているときタンク58の油を通過させ、上昇用ポンプ55に吸引させてそのまま低圧にてタンク58に吐出させている。
下降用制御弁74は、チェック付のサーボ弁等により形成されており、油圧シリンダ1が縮小してケージCAを下降させるときに制御部69からの指令により作動し、第2空間室4の戻り油を位置(d)でメータアウト制御して油圧シリンダ1を所定の速度で縮小させている。下降用制御弁74は、油圧シリンダ1が伸長しケージCAを上昇させるときに位置(e)でチェック弁を介してタンク58の油を通過させ、第2空間室4に供給して真空になることを防止している。
下降用流量計71には下降用圧力・油温センサ77が接続されており、流量計71は内部を流れる作動油の流量を測定するとともに、油圧シリンダ1の第2空間室4に作用する圧力および/あるいは油温を下降用圧力・油温センサ77により測定して制御部69に送信している。
制御部69は、下降用流量計71、下降用圧力・油温センサ77からの流量信号、圧力信号および/あるいは油温信号を受けて油圧エレベータの下降速度が所定範囲に入るように、下降用制御弁74に指令信号を出力している。また、制御部69は図示しない上昇スイッチ及び下降スイッチに接続されており、その信号を受けて下降用制御弁74に指令信号を出力している。下降用制御弁74は油圧および/あるいは油温が高いときに絞りを強めて流量が一定になるように制御している。
非常用手動下降弁75は、2位置の切換弁により形成されており、非常時に手動操作によって位置(f)に切換えられて第2空間室4の油をタンク58に戻して油圧シリンダ1を縮小し、ケージCAを所定位置に降下している。または、油圧回路50は、非常用手動式ポンプを付設し、手動式切換弁を介して油圧シリンダ1に圧油を供給してケージCAを上昇あるいは下降しても良い。
また、油圧回路50は真空防止部78を有している。真空防止部78は、真空防止用油圧ポンプ78a、真空防止用電動モータ78b、一対の真空防止用逆止弁78c、78d、真空防止用リリーフ弁78e、タンク58、および、制御部69により形成されている。真空防止用油圧ポンプ78aは、真空防止用逆止弁78c、第6配管51dを介して下降用配管51に、また、真空防止用逆止弁78d、第7配管54cを介して上昇用配管54に、流量計61、71と逆止弁60、70との間で、それぞれに接続されている。
真空防止用リリーフ弁78eは、例えば、真空を防止する程度の低圧力(0.3MPa)にセット圧が調整されている。真空防止防止部78は、ケージCAの停止時に積載重量WtおよびバランスウエートWbにより生ずる第2空間室4あるいは第1空間室3の保持圧に対し、反対側の第1空間室3あるいは第2空間室4が真空にならないように真空防止用油圧ポンプ78aから低圧油を油圧シリンダ1に供給する。
例えば、図3のように積載物が最大積載重量Wtmの1/2のときにバランスウエートWbにより油圧シリンダ1の圧力がほぼ零になる油圧エレベータにおいて、ケージCAが無負荷でバランスウエートWbの方の重量が大きい場合にはバランスウエートWbによりピストンロッド31を上方に引上げている。このとき、第1空間室3はバランスウエートWbの重量を受けて保持圧が生じ、反対側の第2空間室4は低圧になっており、第1空間室3の容積が保持圧による漏れ等により縮小すると第2空間室4に真空が生じる。
この状態でケージCAに最大積載重量Wtmの1/2以上の積載物が搭載されると、ケージCAの積載物の重量WtがバランスウエートWbの重量よりも大きくなりピストンロッド31を下方に押下げる力が発生するが、第2空間室4が真空のため保持できず瞬間的にピストンロッド31が落下、下降するなどの作動が生ずる。
同様に、ケージCAの積載物が最大積載重量Wtmの1/2以上の積載重量WtでバランスウエートWbの方の重量が小さい場合には、積載重量Wtによりピストンロッド31を下方に押下げている。このとき、第2空間室4は積載重量Wtを受けて保持圧が生じ、反対側の第1空間室3は低圧になっており、第2空間室4の容積が漏れ等により縮小すると第1空間室3に真空が生じる。
この状態で積載物がケージCAから降ろされると、バランスウエートWbの重量が積載重量Wtよりも大きくなりピストンロッド31を上方に持ち上げる力が発生するが、第1空間室3が真空のため保持できず瞬間的にピストンロッド31が上昇する作動が生じて搭乗性が悪くなる。
これを防止するため、第1の実施形態では、ケージCAが昇降を停止しているときには、制御部69が所定時間毎に真空防止用電動モータ78bを起動して真空防止用油圧ポンプ78aを作動させ、真空用逆止弁78cを介して低圧油を油圧シリンダ1の第1空間室3あるいは第2空間室4に供給して真空にならないようにしている。このとき、制御部69はコントローラ、CPU、あるいはタイマ等により形成されている。
また、第2の実施形態では、第1の実施形態に対して更に、制御部69は、図示しない昇降用スイッチの上昇あるいは下降の信号を受け、最初に真空用油圧ポンプ78aを回転し、真空用リリーフ弁78eで調圧された圧油を真空用逆止弁78c、78dを経て油圧シリンダ1に供給し、エレベータの図示しないドアが開く前に油圧シリンダ1の真空を防止している。このとき、制御部69はコントローラ、CPU等により形成されている。
また、第3の実施形態としては、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせて、所定時間毎に真空防止用電動モータ78bを作動させる間隔を長くするとともに、図示しないドアが開く前に油圧シリンダ1の真空を確実に防止しても良い。
また、第4の実施形態としては、第1実施例に対して、真空防止用油圧ポンプ78aと真空防止用逆止弁78c、78dとの間に図示しないアキュムレータを追加し、ケージCAの停止時に低圧油を絶えず油圧シリンダ1に供給するようにして真空の発生を防止しても良い。このアキュムレータへの圧油の供給は所定圧以下で供給し、所定圧以上になったときに停止するようにしている。
上記のごとく、本実施例では、真空防止部78がケージ停止時に積載重量WtおよびバランスウエートWbにより油圧シリンダ1に生ずる真空の発生をなくす低圧油を第1の油圧シリンダ1に供給する。これに伴って、油圧シリンダ1は絶えず低圧油を蓄えているため、油圧エレベータは、ケージCAへの積載物が変化したときにも瞬間的に下降あるいは上昇することがなくなる。
電動モータ57は、図示しない昇降用スイッチの上昇あるいは下降の信号を受けて回転方向を決定し、例えば、電動モータ57は右回転で下降用ポンプ52から圧油を第1空間室3に送って油圧シリンダ1を縮小させるとともに、上昇用ポンプ55を逆転させてタンク58の油を点線Yのごとく下降用吸込弁72から吸引して低い圧力で循環させている。
反対に、左回転で上昇用ポンプ55から圧油を第2空間室4に送って油圧シリンダ1を伸長させるとともに、下降用ポンプ52を逆転させてタンク58の油を点線Vのごとく上昇用吸込弁62から吸引して低い圧力で循環させている。このとき、下降用ポンプ52および上昇用ポンプ55は、定容量形油圧ポンプを用いている。
次に、油圧式エレベータの第1の油圧回路50の作動について説明する。油圧式エレベータが上昇するときには図示しない上昇スイッチが押圧される。この上昇信号を電動モータ57が受けて左回転し、上昇用ポンプ55に圧油を発生させている。この圧油は、上昇用逆止弁70、下降用流量計71を経て基端ブロック12の第1穴12aから第2空間室4に送られ、第1の油圧シリンダ1のピストンロッド部8は伸長する。
ピストンロッド部8の伸長に伴って、第1空間室3が縮小されて内部の油が下降用配管51から排出される。このとき、上昇信号は制御部69にも送られており、制御部69は上昇用制御弁64を作動させている。
第1空間室3からの戻り油は、下降用配管51から上昇用流量計61、および、分岐された第2配管51bを経て上昇用制御弁64に至り、上昇用制御弁64で流量をメータアウト制御されてタンク58に戻る。この戻り油は、上昇用流量計61で流量を計測されるとともに、上昇用圧力・油温センサ67で圧力及び油温を計測されて制御部69に送信される。制御部69は、圧力および/または油温に応じた指令値を上昇用制御弁64に出力して、油圧エレベータの上昇速度が所定範囲に入るように上昇用制御弁64により流量をメータアウト制御している。
油圧式エレベータが下降するときには図示しない下降スイッチが押圧される。この下降信号を受けて、電動モータ57が右回転し、下降用ポンプ52に圧油を発生させている。この圧油は、下降用逆止弁60、上昇用流量計61を経て第1空間室3に送られ、油圧シリンダ1のピストンロッド部8は縮小する。
ピストンロッド部8の縮小に伴って、第2空間室4が縮小されて内部の油が上昇用配管54から排出されるとともに、下降信号は制御部69にも送られており、制御部69は下降用制御弁74を作動させている。
第2空間室4からの戻り油は、上昇用配管54から下降用流量計71を経て下降用制御弁74に至り、下降用制御弁74で流量をメータアウト制御されてタンク58に戻る。この戻り油は、下降用流量計71で流量を計測されるとともに、下降用圧力・油温センサ77で圧力及び油温を計測されて制御部69に送信される。制御部69は、圧力および/または油温に応じた指令値を下降用制御弁74に出力して、油圧エレベータの上昇速度が所定範囲に入るように下降用制御弁74により流量をメータアウト制御している。
このとき、油圧シリンダ1には、ケージCAの自重Wtおよび積載荷重WcはバランスウエートWbにより軽減され、積載荷重Wcのみの重量となって作用しているため、油圧シリンダ1を小さい圧力で伸縮することが可能になっている。また、油圧シリンダ1は第1空間室3および第2空間室4の小さい容積の圧油を給排することにより、下降用ポンプ52および上昇用ポンプ55は吐出量が少なくて済み、小さい駆動力で駆動されるので省エネルギー化を図ることができる。
例えば、積載荷重が750Kgで、速度が45m/minの場合には、従来に比べて、約1/3の電力でケージCAを昇降できる。
図4は、本発明の第1の油圧シリンダ1を用いた第2実施例の油圧式エレベータの第2の油圧回路図50Aである。なお、第1実施例と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。
図4の第2の油圧回路図50Aでは、図3の第1実施例で図示している真空防止部78は省略している。昇降用油圧ポンプ81(以下、昇降用ポンプ81という)が一方向形電動モータ83により駆動されて、その圧油を4ポート3位置の電磁式方向制御弁85(以下、方向制御弁85という)に送給する。方向制御弁85は、図示しない下降スイッチあるいは上昇スイッチからの信号を受けて、中立位置(h)から下げ位置(n)あるいは上げ位置(u)に切り換わる。
方向制御弁85は、中立位置(h)で昇降用ポンプ81の吐出油をタンク58に戻している。また、方向制御弁85は、下げ位置に(n)で昇降用ポンプ81の圧油を下降用逆止弁60、上昇用流量計61を経て第1空間室3に送られ、油圧シリンダ1のピストンロッド部8は縮小する。更に、方向制御弁85は、上げ位置に(u)で昇降用ポンプ81の圧油を上昇用逆止弁70、下降用流量計71を経て第2空間室4に送られ、油圧シリンダ1のピストンロッド部8は伸長する。
次に、油圧式エレベータの第2の油圧回路50Aの作動について説明するが、第1実施例と同様に油圧シリンダ1の速度制御を上昇用制御弁64あるいは下降用制御弁74によりメータアウト制御を行うため詳細な説明は省略する。
なお、第2実施例では、一方向形電動モータ83が図示しない下降スイッチあるいは上昇スイッチからの信号を受けて回転を始めた後に、方向制御弁85を中立位置(h)から下げ位置(n)あるいは上げ位置(u)に切換える。
また、ケージCAが所定位置に来たときに、方向制御弁85を下げ位置(n)あるいは上げ位置(u)から中立位置(h)に切換えるとともに、一方向形電動モータ83の回転を停止する。これにより、方向制御弁85は、昇降開始時に、油圧シリンダ1に供給される昇降用ポンプ81の吐出圧力を徐々に上昇し、油圧シリンダ1を衝撃が無く、ゆっくり起動させる。
図5は、本発明の第2の油圧シリンダ1Aを用いた第3実施例の油圧式エレベータの第3の油圧回路図50Bである。なお、第1実施例、第2実施例と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。
図5の第3の油圧回路図50Bでは、第1実施例で図示している真空防止部78は省略している。また、第1実施例の下降用リリーフ弁63および上昇用リリーフ弁73は1個のリリーフ弁86として形成している。上昇用吸込弁62は下降用配管51を介して第1空間室3に、また、下降用吸込弁72が上昇用配管54を介して第2空間室4に接続され、ケージCAの昇降時にタンク58の油を吸引して第1空間室3あるいは第2空間室4に送給して真空になるのを防止している。また、上昇用吸込弁62及び下降用吸込弁72は、真空防止部78とともに作動して第1油圧シリンダ1Aに真空が生じないようにしている。
下降用配管51は下降用逆止弁60と上昇用流量計61との間から第8配管51eが、また、上昇用配管54は上昇用逆止弁70と下降用流量計71との間から第9配管54dが分岐されている。第8配管51eおよび第9配管54dは、戻り油用電磁式方向制御弁90に接続されている。戻り油用電磁式方向制御弁90は、3位置3ポートにて構成されており、中立位置(m)で第10配管91により電磁式制御弁93に接続され、戻り油が電磁式制御弁93を経てタンク58に戻されている。
また、戻り油用電磁式方向制御弁90は、下げ位置(p)で第2空間室4の戻り油を電磁式制御弁93に送り、戻り油を位置(s)でメータアウト制御して第2油圧シリンダ1Aを所定の速度で縮小させている。また、戻り油用電磁式方向制御弁90は、上げ位置(r)で第1空間室3の戻り油を電磁式制御弁93に送り、戻り油を位置(s)でメータアウト制御して第2の油圧シリンダ1Aを所定の速度で伸長させている。
電磁式制御弁93は、前記の上昇用制御弁64および下降用制御弁74と同様に制御部69に接続され、下降時には下降用圧力・油温センサ77で、また、上昇時には上昇用圧力・油温センサ67で受けた圧力及び油温に応じた信号を受けて油圧エレベータの上昇速度あるいは下降速度が所定範囲に入るように電磁式制御弁93により流量をメータアウト制御している。
次に、第3実施例の油圧式エレベータの第3の油圧回路50Bの作動について説明するが、第1実施例、第2実施例と同様に第2の油圧シリンダ1Aの速度制御を電磁式制御弁93によりメータアウト制御を行うため詳細な説明は省略する。
なお、第3実施例では、一方向形電動モータ83が図示しない下降スイッチあるいは上昇スイッチからの信号を受けて回転を始めた後に、方向制御弁85、戻り油用電磁式方向制御弁90および電磁式制御弁93を中立位置から下げ位置あるいは上げ位置に切換える。また、ケージCAが所定位置に来たときに、方向制御弁85、戻り油用電磁式方向制御弁90および電磁式制御弁93を下げ位置あるいは上げ位置から中立位置に切換えるとともに、一方向形電動モータ83の回転を停止する。これにより、第2実施例の油圧回路と同様に、第2の油圧シリンダ1Aに供給される昇降用ポンプ81の吐出圧力を徐々に上昇し、第2の油圧シリンダ1Aを衝撃が無く、ゆっくり起動させる。
上記本発明に係る第1実施例の油圧式エレベータの第1の油圧シリンダ1、および上記本発明に係る第2実施例の油圧式エレベータの第2の油圧シリンダ1Aは構成部品を適宜組み合わせて構成することができる。また、第1実施例から第3実施例の第1の油圧回路50も同様に適宜組み合わせて使用できる。
さらにまた、第2実施例の第2の油圧回路50Aおよび第3実施例の第3の油圧回路50Bの油圧ポンプは、固定容量形を用いているが可変容量形を使用しても良く、あるいは、電動モータには可変回転形電動モータ使用しても良い。また、第2実施例の第2の油圧回路50Aの電磁式方向制御弁85および第3実施例の第3の油圧回路50Bの戻り油用電磁式方向制御弁90は電磁式を用いて切換えているが、アキュムレータ等の油圧源からのパイロット圧を電磁式方向弁により切換えて、パイロット方式方向制御弁に供給して切換えても良い。
本発明の油圧シリンダ1を油圧式エレベータに用いて説明したが、これ以外の油圧式荷役機械に用いることができることは言うまでもない。
本発明に係る第1実施例の油圧式エレベータの第1の油圧シリンダの側面断面図である。 本発明に係る第2実施例の油圧式エレベータの第2の油圧シリンダの側面断面図である。 本発明の油圧シリンダを用いた第1実施例の油圧式エレベータの油圧回路図である。 本発明の油圧シリンダを用いた第2実施例の油圧式エレベータの油圧回路図である。 本発明の油圧シリンダを用いた第3実施例の油圧式エレベータの油圧回路図である。 従来の油圧シリンダを用いた油圧式エレベータの油圧回路図である。 従来の油圧シリンダの一部を示す側面断面図である。
符号の説明
1、1A・・・・・油圧シリンダ
3・・・・・・・・縮小油圧室(第1空間室)
4・・・・・・・・伸長油圧室(第2空間室)
5・・・・・・・・可変容積室(第3空間室)
7、7A・・・・・シリンダチューブ部
8、8A・・・・・ピストンロッド部
9、9A・・・・・チューブピストン部
10・・・・・・・シリンダチューブ
11・・・・・・・円板
12、12A・・・ボトムカバー(基端ブロック)
13・・・・・・・ロッドシール
17・・・・・・・ダストシール
19・・・・・・・ロッドカバー
31、31A・・・ピストンロッド
32、32A・・・ロッドピストン
33、33A・・・ピストンロッド用蓋
41、41D・・・チューブ
42、42A・・・チューブピストン
43・・・・・・・ピストンシール
52・・・・・・・下降用油圧ポンプ
55・・・・・・・上昇用油圧ポンプ
57・・・・・・・両方向回転形電動モータ
58・・・・・・・タンク
60・・・・・・・下降用逆止弁
62・・・・・・・下降用吸込弁
64・・・・・・・上昇用制御弁
69・・・・・・・制御部
70・・・・・・・上昇用逆止弁
72・・・・・・・上昇用吸込弁
74・・・・・・・下降用制御弁
78・・・・・・・真空防止部78
81・・・・・・・昇降用油圧ポンプ
83・・・・・・・一方向形電動モータ
85・・・・・・・電磁式方向制御弁
90・・・・・・・戻り油用電磁式方向制御弁
93・・・・・・・電磁式制御弁
CA・・・・・・・ケージ

Claims (10)

  1. 人および/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたピストンロッドを伸縮する油圧式エレベータの油圧シリンダであって、
    一端部にボトムカバーを、他端部に中空孔があけられたロッドカバーを有するシリンダチューブと、大径と小径の外径部および有底の中空穴の内径部を有し、ボトムカバー側の大径部がシリンダチューブの内径に、ロッドカバー側の小径部がロッドカバーの中空孔に摺動自在に支持されるピストンロッドと、シリンダチューブのボトムカバーから立設されるとともに軸芯に配設されるチューブと、ピストンロッドの中空穴に枢密に収容されるとともにチューブの先端に取着されたチューブピストンとからなり、
    チューブピストンの上面とピストンロッドの中空穴からなる第1空間部に圧油を受けて伸長し、かつ、ピストンロッドの大径部の上面と外径およびシリンダチューブの内径とロッドカバーの下面からなる第2空間部に圧油を受けて縮小することを特徴とする油圧式エレベータの油圧シリンダ。
  2. 外径部がシリンダチューブに摺動自在で、その内径部がチューブに挿入され、かつ、チューブをボトムカバーに案内しながら挿入する案内板をボトムカバーとピストンロッドとの間に有することを特徴とする請求項1記載の油圧式エレベータの油圧シリンダ。
  3. ピストンロッドの外径部に当接するロッドシールおよびダストシールとを有する蓋と、ピストンロッドの内径部に当接するピストンシールを取着するチューブピストンに対向して配設されるピストンロッド蓋とを有し、両蓋を油圧シリンダのロッドカバー側に取り外すことによりロッドシール、ダストシールおよびピストンシールのそれぞれを交換可能にしてなることを特徴とする請求項1、又は請求項2記載の油圧式エレベータの油圧シリンダ。
  4. チューブピストンに取着されたピストンシールを有し、該ピストンシール交換時にチューブピストンがピストンロッドの上面より突出してなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つの請求項記載の油圧式エレベータの油圧シリンダ。
  5. ロッドピストンのピストンシールの油漏れを検出するロッドピストン用油漏れ検知部、および/あるいは、チューブピストンのピストンシールの油漏れ検出するチューブピストン用油漏れ検知部を有することを特徴とする請求項1から請求項4記載のいずれか1つの請求項記載の油圧式エレベータの油圧シリンダ。
  6. 人および/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたピストンロッドを伸縮する油圧シリンダと、油圧シリンダに連結されピストンロッドの伸縮により昇降するケージと、油圧シリンダに連結され、油圧シリンダに作用するケージおよびピストンロッドの重量にほぼ等しい重量を有するバランスウエートとからなる油圧式エレベータの油圧回路であって、
    油圧シリンダを伸長する伸長用油圧ポンプと、油圧シリンダを縮小する縮小用油圧ポンプと、両油圧ポンプを駆動する両方向回転形電動モータと、伸長用油圧ポンプと油圧シリンダとの間、および、縮小用油圧ポンプと油圧シリンダとの間にそれぞれ配設され、ポンプの圧油を油圧シリンダに向けて流す逆止弁と、それぞれの逆止弁と油圧シリンダの間から分岐された配管に配設され、油圧シリンダとタンクとの間を断続するそれぞれの電磁式制御弁と、伸長用油圧ポンプと逆止弁との間および縮小用油圧ポンプと逆止弁との間からそれぞれ分岐された配管に配設され、タンクの油を油圧ポンプに向けて流す吸込み弁とからなることを特徴とする油圧式エレベータの油圧シリンダを用いた油圧回路。
  7. 人および/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたピストンロッドを伸縮する油圧シリンダと、油圧シリンダに連結されピストンロッドの伸縮により昇降するケージと、油圧シリンダに連結され、油圧シリンダに作用するケージおよびピストンロッドの重量にほぼ等しい重量を有するバランスウエートとからなる油圧式エレベータの油圧回路であって、
    油圧シリンダを伸縮する油圧ポンプと、油圧ポンプを駆動する一方向回転形電動モータと、油圧ポンプに接続され、油圧シリンダを伸長する圧油として供給する伸長位置、および、油圧シリンダを縮小する圧油として供給する縮小位置とを少なくとも有する電磁式方向制御弁と、電磁式方向制御弁の伸長位置と油圧シリンダとの間、および、縮小位置と油圧シリンダとの間にそれぞれ配設され、ポンプの圧油を油圧シリンダに向けて流す逆止弁と、それぞれの逆止弁と油圧シリンダの間から分岐された配管に配設され、油圧シリンダとタンクとの間を断続するそれぞれの電磁式制御弁とからなることを特徴とする油圧式エレベータの油圧シリンダを用いた油圧回路。
  8. 人および/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたピストンロッドを伸縮する油圧シリンダと、油圧シリンダに連結されピストンロッドの伸縮により昇降するケージと、油圧シリンダに連結され、油圧シリンダに作用するケージおよびピストンロッドの重量にほぼ等しい重量を有するバランスウエートとからなる油圧式エレベータの油圧回路であって、
    油圧シリンダを伸縮する油圧ポンプと、油圧ポンプを駆動する一方向回転形電動モータと、油圧ポンプに接続され、油圧シリンダを伸長する圧油として供給する伸長位置、および、油圧シリンダを縮小する圧油として供給する縮小位置とを少なくとも有する電磁式方向制御弁と、電磁式方向制御弁の伸長位置と油圧シリンダとの間、および、縮小位置と油圧シリンダとの間にそれぞれ配設され、ポンプの圧油を油圧シリンダに向けて流す逆止弁と、それぞれの逆止弁と油圧シリンダの間から分岐された配管に配設される戻り油用電磁式方向制御弁と、戻り油用電磁式方向制御弁とタンクとの間に配設され、油圧シリンダとタンクとの間を断続するそれぞれの電磁式制御弁とからなることを特徴とする油圧式エレベータの油圧シリンダを用いた油圧回路。
  9. ケージ停止時に積載重量およびバランスウエートにより油圧シリンダに生ずる真空の発生をなくす圧油を油圧シリンダに供給する真空防止部を設けたことをことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1つの請求項記載の油圧式エレベータの油圧シリンダを用いた油圧回路。
  10. 油圧シリンダが請求項1から請求項5のいずれか1つの請求項記載の油圧式エレベータの油圧シリンダであることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1つの請求項記載の油圧式エレベータの油圧シリンダ。
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