JP2005349463A - 筋状凹凸成形方法および同筋状凹凸成形方法によって製造される燃料電池用のメタルセパレータ - Google Patents

筋状凹凸成形方法および同筋状凹凸成形方法によって製造される燃料電池用のメタルセパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】 多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材に複数の筋状凹部および筋状凸部を良好に成形する筋状凹凸成形方法を提供すること。
【解決手段】 筋状凹凸成形方法は予備成形工程と最終成形工程から構成される。予備成形工程は多数の貫通孔が形成されたランスカットメタル11に最終成形寸法よりも大きな予備成形寸法の波形形状を成形する。最終成形工程は予備成形されたランスカットメタル11に対して複数の筋状凹部12および筋状凸部13を成形する。この最終成形工程においては、予備成形されたランスカットメタル11を最終成形寸法まで圧縮しながら成形する。これにより、加工硬化の大きいランスカットメタル11において、その曲げ部分における伸びを抑制することができて割れや破断を防止できる。したがって、ランスカットメタル11に良好に筋状凹部12と筋状凸部13を成形することができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、薄肉の素材、特に、多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材に対して複数の筋状凹部および筋状凸部を成形する筋状凹凸成形方法、および、同成形方法によって製造される燃料電池のメタルセパレータに関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に示すような燃料電池の構造は知られている。この燃料電池の構造におけるメタルセパレータは、アノード電極またはカソード電極を支持する集電部と、燃料ガスまたは酸化剤ガスを各電極に供給するための流路を形成する集電部サポートとを備える構造となっている。また、メタルセパレータの集電部と電極との間には、多数の貫通孔が形成されるとともにその表面に多数の凹凸形状を有するエキスパンドメタルが設けられている。そして、このエキスパンドメタルの厚み(凹凸寸法)を適宜調整することにより、燃料電池のアノード電極またはカソード電極とエキスパンドメタルとの接触を良好に確保することができ、発電された電気の損失を低減するようになっている。
また、従来から、例えば、下記特許文献2に示すような溝付き板材をメタルセパレータとして採用した燃料電池も知られている。この溝付き板材は、薄層が表面に形成された平板状のクラッド材に対して波型形状を予備成形し、その後所望の溝形状を本成形することによって製造される。そして、この製造された溝付き板材をメタルセパレータとして採用することにより、成形された溝が燃料ガスまたは空気を好適に分離し、同分離された燃料ガスまたは空気を燃料電池のアノード電極またはカソード電極に導通するようになっている。
さらに、従来から、例えば、下記特許文献3に示すような燃料電池のセパレータは知られている。この燃料電池のセパレータは、平板状の第1部材(カーボン)と、この第1部材に積層され、燃料電池の電極層に弾性的に接触させられるとともにガス流路を形成する複数の突片を有する第2部材(金属板)とから構成されている。そして、第2部材の複数の突片によって形成されたガス流路は、突片の周囲や内側に存在する空間とされていて、流入したガスがあらゆる方向に立体的に連通するようになっている。このため、ガス流路を流れるガスの反応効率が高まるとともに電極層に対するガス拡散性がより均一化して、燃料電池の発電効率を向上するようになっている。
特開平8−138701号公報 特開2003−249238号公報 特開2002−184422号公報
一般的に、燃料電池の発電効率を向上させるためには、電極反応および集電効率を向上させることが重要である。このため、燃料電池に採用されるメタルセパレータには、燃料電池に導入される燃料ガスと酸化剤ガスとを電極層に効率よく供給する機能と、電極反応で発電された電気を効率よく集電する機能が要求される。
ところで、上記特許文献1に示された従来の燃料電池の構造においては、エキスパンドメタルと電極との接触が良好に確保されるため、発電された電気を効率よく集電する機能は満足する。しかし、気体不透過性の集電部サポートによって燃料ガスまたは酸化剤ガスが電極に供給される。このため、各電極に対して十分な燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給できず、言い換えると、ガス拡散性が不均一となり、ガスを効率よく供給する機能を満足しない場合がある。
また、上記特許文献2に示された従来の燃料電池においては、クラッド材に溝を正確に成形することができ、各電極との接触が十分に確保される。このため、発電された電気を効率よく集電する機能は満足する。しかし、上記特許文献1の燃料電池と同様に、気体不透過のクラッド材に形成した溝によって燃料ガスまたは酸化剤ガスを電極に供給する。このため、各電極に対するガス拡散性が不均一となり、ガスを効率よく供給する機能を満足しない場合がある。
さらに、上記特許文献3に示された従来の燃料電池のセパレータにおいては、ガス拡散性を良好に確保することによってガスを供給する機能については満足するものの、電極層と接触する部位が突片の頂面付近となることから電気の集電抵抗が増大して集電効率が低下する場合がある。また、薄板の金属板に突片を成形する際には、成形上の制約、例えば、成形可能な突片の高さ制約などによって、燃料電池に要求される発電効率を確保できない場合がある。
このような燃料電池に対する要求を満たすために、例えば、エキスパンドメタルに多数の溝を成形すれば、各電極との接触を良好に確保しつつ、エキスパンドメタルの貫通孔をガスが通過することにより電極層に対するガス拡散性を良好に確保することができる。したがって、燃料電池に要求される機能すなわちガスを効率よく供給する機能および発電された電気を効率よく集電する機能を両立できると考えられる。しかしながら、エキスパンドメタルなど多数の貫通孔が形成された金属薄板においては、この貫通孔形成時に加工硬化(すなわち残留応力の集中)が生じ、曲げ加工すると極めて容易に割れや破断が生じる可能性がある。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材に対して複数の筋状凹部および筋状凸部を成形する筋状凹凸成形方法を提供するとともに、同筋状凹凸成形方法によって製造された燃料電池用セパレータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材に対して複数の筋状凹部および筋状凸部を成形する筋状凹凸成形方法であって、前記薄肉の素材に対して複数の凹部と凸部からなる波形形状を、前記複数の筋状凹部および筋状凸部の最終成形寸法よりも大きな予備成形寸法で予備成形し、前記予備成形した波形形状の凹部と凸部の予備成形寸法が前記最終成形寸法となるまで圧縮しながら変形させて前記複数の筋状凹部または筋状凸部を最終成形することにある。この場合、前記薄肉の素材は、例えば、平板状の金属薄板に対してせん断曲げ加工により多数の貫通孔を網目状に形成したランスカットメタルであるとよい。
これらによれば、ランスカットメタルなどの多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材に対して、まず、予備成形によって緩やかな凹凸形状である波形形状を予備成形寸法となるように成形し、その後、最終成形寸法となるまで圧縮しながら変形させて最終的な筋状凹部と筋状凸部を成形することができる。これにより、貫通孔形成時の加工硬化の影響により割れや破断が発生しやすい薄肉の素材であっても、筋状凹部と筋状凸部を最終成形する際には、薄肉の素材を圧縮しながら、言い換えれば、予備成形寸法で成形された波型形状の凹部と凸部の寸法を縮めながら成形することができる。したがって、薄肉の素材の曲げ加工に対する局所的な伸びを低減することができて、割れや破断の発生を低減することができる。ここで、ランスカットメタルは、平板状の薄肉金属板に対して、順次千鳥配置の切れ目を加工するとともに加工した切れ目を押し曲げることによって、網目状の小径の貫通孔が形成されたものである。
また、本発明の他の特徴は、前記薄肉の素材は、多数の貫通孔が網目状に形成された後、さらに、圧延加工された薄肉の素材であり、この薄肉の素材に対して前記圧延加工された方向とは異なる方向に前記波形形状を予備成形することにもある。この場合、前記薄肉の素材は、例えば、平板状の金属薄板に対してせん断曲げ加工により多数の貫通孔を網目状に形成した後、圧延加工によって略平板状に形成したエキスパンドメタルであるとよい。
これらによれば、エキスパンドメタルなどの多数の貫通孔が網目状に形成された後に圧延された薄肉の素材に対しては、予備成形を圧延された方向と異なる方向に波形形状を成形し、その後、最終成形寸法まで圧縮しながら変形させて最終的な筋状凹部と筋状凸部を最終成形することにより、割れや破断の発生を低減することができる。具体的に説明すると、貫通孔の形成によって加工硬化が生じた薄肉の素材に対して圧延加工すると、同薄肉の素材には圧延方向にさらに加工硬化が生じ、圧延方向にてこの薄肉の素材を曲げると伸びが極端に不足して割れや破断が生じやすくなる。このため、予備成形および最終成形において、圧延方向と異なる方向に波形形状、筋状凹部および筋状凸部を成形することにより、曲げ加工に必要な伸びを確保することができて、割れや破断の発生を低減することができる。ここで、エキスパンドメタルは、平板状の薄肉金属板に対して、順次千鳥配置の切れ目を加工するとともに加工した切れ目を押し曲げることによって網目状の小径の貫通孔が形成し、さらに、圧延加工されて略平板状とされたものである。このように、エキスパンドメタルを略平板状とすることにより、例えば、最終成形後の製品において不必要な曲がりや凹凸などを除去するための工程を設ける必要がなく、製造コストを低減することができる。
また、これらの場合、前記予備成形の予備成形寸法と前記最終成形の最終成形寸法は、前記複数の筋状凹部または筋状凸部の凹凸成形方向の寸法であるとよい。これによれば、予備成形寸法と最終成形寸法を、例えば、筋状凹部の深さ方向の寸法や筋状凸部の高さ方向の寸法とすることができる。ここで、多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材や、さらに圧延加工された薄肉の素材に筋状凹部と筋状凸部を成形する場合には、これら筋状凹部や筋状凸部の角部にて曲げ加工に対する伸びが必要となる。このため、予備成形寸法と最終成形寸法を筋状凹部の深さ方向の寸法や筋状凸部の高さ方法の寸法とすることによって、最終成形時の圧縮変形において、薄肉の素材の余肉を前記角部に向けて流動させることができる。したがって、前記角部の曲げ加工に対する伸びを小さくすることができて、割れや破断の発生を低減することができる。
また、これらの場合、前記予備成形は、前記薄肉の素材に対して連続的に前記波形形状を成形し、前記最終成形は、前記予備成形によって連続的に成形された波形形状を連続的に圧縮しながら変形させて前記筋状凹部および筋状凸部を成形するとよい。これによれば、連続的に、薄肉の素材に対して筋状凹部および筋状凸部を成形することができるため、生産性を大幅に向上させることができる。
さらに、本発明の他の特徴は、燃料電池の電極構造体を構成する電極層に対して、燃料ガスと酸化剤ガスとをそれぞれ供給するガス流路を形成する燃料電池用のメタルセパレータにおいて、メタルセパレータのガス流路は、多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材に対して成形された複数の筋状凹部および筋状凸部から構成されるものであって、前記複数の筋状凹部および筋状凸部は、前記薄肉の素材に対して複数の凹部と凸部からなる波形形状を、前記複数の筋状凹部および筋状凸部の最終成形寸法よりも大きな予備成形寸法で予備成形し、前記予備成形した波形形状の凹部と凸部の予備成形寸法が前記最終成形寸法となるまで圧縮しながら変形させて成形されることにもある。
これによれば、上述した筋状凹凸成形方法によって多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材(ランスカットメタルやエキスパンドメタル)に対して成形された複数の筋状凹部および筋状凸部を成形し、燃料電池用のメタルセパレータを製造することができる。この製造された燃料電池用のメタルセパレータによれば、アノード電極またはカソード電極との接触を良好に確保しつつ、薄肉の素材に多数形成された貫通孔を燃料ガスまたは酸化剤ガスが通過することにより電極層に対するガス拡散性を良好に確保することができる。これにより、燃料電池に要求される機能すなわちガスを効率よく供給する機能および発電された電気を効率よく集電する機能を両立できる。したがって、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、燃料電池に利用されて、同燃料電池のメタルセパレータを構成するガス流路形成部材10を示している。このガス流路形成部材10は、燃料電池を構成する電極(アノード電極およびカソード電極)に外部から供給される燃料ガスおよび酸化剤ガス(以下、まとめて単にガスという)を供給するとともに、これら電極の電極反応によって発電された電気を集電するものである。このため、ガス流路形成部材10の形状としては、外部から供給されたガスを各電極に効率よく供給することに加え、発電された電気を効率よく集電する形状が要求される。すなわち、外部から供給されたガスを各電極に効率よく供給するためには、導通するガスの圧力損失を低減する形状であることが要求される。一方、発電された電気を効率よく集電するためには、各電極との接触面積を大きくし集電抵抗を低減する形状であることが要求される。
したがって、ガス流路形成部材10は、図1に示すように、導通ガスの圧力損失を低減するために多数の網目状の貫通孔が形成されたランスカットメタル11に対して多数の筋状凹部12および筋状凸部13が成形されている。また、集電抵抗を低減するために筋状凹部12の成形幅に比して筋状凸部13の成形幅が大きくなるように成形されている。以下、このガス流路形成部材10の製造について詳細に説明する。
薄肉の素材としてのランスカットメタル11は、板厚が0.1mm〜0.2mm程度のステンレス板(例えば、フェライト系ステンレスなど)から形成されるものである。そして、ランスカットメタル11は、図2(a)に示すように、孔径が0.1mm〜1mm程度とされた多数の小径の貫通孔が網目状に形成されている。また、ランスカットメタル11は、図2(b)にて図2(a)のX−X断面を示すように、網目状の貫通孔を形成している部分(以下、この部分をストランドという)が順次重なるように連結されて(以下、この連結部分をボンド部11aという)、その断面形状が段形状とされている。このランスカットメタル11は、以下に説明するランスカットメタル成形工程を経て製造される。
ランスカットメタル成形工程は、図3(a)に概略的に示すランスカットメタル加工装置Rを用いて、ステンレス板Sに多数の網目状の貫通孔を成形する。ランスカットメタル加工装置Rは、ステンレス板Sを供給するための送りローラORと、ステンレス板Sを順次せん断加工して網目状の貫通孔を成形する刃型Hとを備えている。なお、ステンレス板Sは、所定の長さに予め切断された板材であってもよいし、コイル状に巻き取られたコイル材であってもよい。刃型Hは、図3(b)に示すように、上下動可能な上刃UHと固設された下刃SHとから構成される。そして、上刃UHおよび下刃SHは、ステンレス板Sに対してせん断加工により千鳥配置に切れ目を形成するために、複数の山谷形状とされた刃を備えている。
このように構成されたランスカットメタル加工装置Rを用いたランスカットメタル成形工程においては、まず、送りローラORがステンレス板Sを所定の加工長さ(加工ピッチ)だけ刃型Hに送る。刃型Hの上刃UHは、送りローラORによってステンレス板Sが供給されると、下刃SH方向へ降下し、下刃SHとともにその山形状の部分によってステンレス板Sの一部をせん断して千鳥配置の切れ目を加工する。さらに続けて、上刃UHは最下点位置まで降下し、同上刃UHの刃と接触しているステンレス板Sを下方に曲げ伸ばし、その後、上方の原位置まで復帰する。続いて、送りローラORが再び加工ピッチだけステンレス板Sを刃型Hに送り、再び上刃UHが降下することによって切れ目加工および曲げ伸ばし加工が施される。
そして、これらの動作を繰り返すことにより、多数の網目状の貫通孔が形成されたランスカットメタル11が成形される。ここで、上刃UHと下刃SHに谷部分を設けることにより、上刃UHの降下に伴ってステンレス板Sに切れ目が加工されない部分を設けることができる。この切れ目が加工されない部分がランスカットメタル11のボンド部11aとなり、ランスカットメタル11はその断面形状が図2(b)に示すような段形状として成形される。これにより、ストランドが順次重なるように連結されて、ランスカットメタル11が製造される。
次に、上述したように製造されたランスカットメタル11に対して、多数の筋状凹部12および筋状凸部13を成形して、ガス流路形成部材10を最終的に製造する筋状凹凸成形工程について詳細に説明する。この筋状凹凸成形工程は、ランスカットメタル11に対して緩やかな凹凸形状(以下、この凹凸形状を波形形状という)を予備成形する予備成形工程と、波形形状が予備成形されたランスカットメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13を成形する最終成形工程とから構成される。
予備成形工程は、図4に示すようなコルゲート成形機Kを用いて、ランスカットメタル11に波形形状を成形する。このコルゲート成形機Kは、ピニオンギア形状のピニオンツールPTとラック形状のラックツールRTとを備えている。ピニオンツールPTは、供給されるランスカットメタル11の幅寸法に比して大きな軸線方向寸法を有していて、図示しない駆動装置に連結されたシャフトJに対して同軸的かつ相対回転不能に組み付けられている。ラックツールRTは、平板状に形成されており、ピニオンツールPTと対向する面には、ピニオンツールPTのピニオンギア形状と歯合するラック形状が形成されている。そして、ラックツールRTは、図示しない送り装置によって、ピニオンツールPTの回動に合わせてその軸線方向(図4において左右方向)に正確に変位するようになっている。また、ピニオンツールPTに形成されたピニオンギア形状とラックツールRTに形成されたラック形状の歯の高さは、予備成形工程にて成形される波形形状の凹凸の成形寸法(以下、予備成形寸法という)が後述する最終成形工程にて成形される筋状凹部12および筋状凸部13の最終成形寸法Lよりも所定寸法ΔLだけ大きくなるように設定されている。
このように構成されたコルゲート成形機Kを用いた予備成形工程においては、上述のように製造されたランスカットメタル11がピニオンツールPTとラックツールRTとの歯合部分に連続的に供給される。このように、ランスカットメタル11が供給されると、ピニオンツールPTは、駆動装置からシャフトJを介して伝達された駆動力によって回動を開始する。また、ラックツールRTは、送り装置により、ピニオンツールPTの回動に合わせて軸線方向への変位を開始する。これにより、ランスカットメタル11は、図5(a)に示すように、ピニオンツールPTとラックツールRTの噛み合わせ部分(詳しくは、ピニオンギア形状とラック形状の歯の噛み合わせ部分)にて連続的に波形形状が成形される。そして、予備成形工程によってランスカットメタル11に成形される波形形状の高さ方向における予備成形寸法は、図5(b)に示すように、最終成形寸法LよりもΔLだけ大きく成形される。言い換えれば、ガス流路形成部材10の筋状凹部12および筋状凸部13の形成方向における断面の断面長に比して、予備成形されたランスカットメタル11の波形形状の形成方向における断面の断面長が大きく(長く)なるように成形される。
このように、予備成形工程によって連続的に波形形状が成形されたランスカットメタル11は、ガス流路形成部材10の製品寸法と等しくなるように切断されて、最終成形工程に供給される。最終成形工程は、波形形状が予備成形されたランスカットメタル11に対し、最終形状としての筋状凹部12および筋状凸部13を成形して最終的にガス流路形成部材10を製造する工程である。この最終成形工程は、図6(a)に概略的に示すように、プレス成形機Oを用いて筋状凹部12と筋状凸部13をプレス成形する。プレス成形機Oは、床面に固設された下型SOと、同下型SOの上方に配置されて上下動可能な上型UOとを備えている。そして、これら下型SOと上型UOの対向する面は、筋状凹部12および筋状凸部13を成形するための凹凸形状が形成されている。ここで、下型SOと上型UOに形成される凹形状と凸形状の形成幅については、凹形状の形成幅が凸形状の形成幅よりも大きくなるように設定されている。また、凹形状の形成深さと凸形状の形成高さについては、最終成形寸法Lと略等しくなるように設定されている。
このように構成されたプレス成形機Oを用いた最終成形工程においては、まず、予備成形されたランスカットメタル11が下型SOの凹凸形状が形成された上面に載置される。この載置においては、図6(a)に示すように、ランスカットメタル11に成形された波形形状の凹凸が下型SOに形成された凹凸形状と一致するように載置される。この状態にて、上型UOが下型SOの方向へ降下すると、下型SOおよび上型UOに形成された凹凸形状によって、図6(b)に示すように、ランスカットメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13が形成される。ここで、最終成形されたランスカットメタル11の筋状凹部12と筋状凸部13は、下型SOと上型UO間で挟持されることによって、ボンド部11aが圧縮されて略平面状に形成される。
ここで、上述したように、予備成形工程によって成形された波形形状の予備成形寸法はL+ΔLであり、最終成形工程によって成形された筋状凹部12および筋状凸部13の最終成形寸法はLとなっている。このため、最終成形工程においては、ランスカットメタル11を圧縮しながら、言い換えれば、波形形状の成形方向における断面の断面長を縮めながら筋状凹部12および筋状凸部13を成形する。これにより、特に、略直角に曲げ加工される筋状凹部12および筋状凸部13の角部分が過度に延ばされる(引っ張られる)ことを効果的に防止することができる。このため、ランスカットメタル11のように、加工硬化の生じた薄肉の素材であっても、割れや破断の発生を防止して容易に曲げ加工を施すことができる。
すなわち、ランスカットメタル11は、その製造時において、網目状の貫通孔を成形するためのせん断加工や曲げ伸ばし加工によって、ボンド部11aの周辺に加工硬化が生じている。このため、上述した予備成形を行わずに筋状凹部12および筋状凸部13を成形した場合には、例えば、ボンド部11aが筋状凹部12や筋状凸部13の角部分に存在していると、曲げ加工に伴う伸びが不足してボンド部11aにて割れや破断が発生する。これに対して、ランスカットメタル11に波形形状を予備成形しておき、圧縮しながら筋状凹部12および筋状凸部13を成形すれば、ランスカットメタル11の余肉(詳しくは、ストランド)を角部分に向けて流動させることができる。したがって、曲げ加工に伴ってボンド部11aが過度に延ばされないため、好適に曲げ加工を施すことができる。
このように製造されたガス流路形成部材10は、固体高分子型燃料電池を構成するメタルセパレータとして用いられる。なお、固体高分子型燃料電池の構成については、本発明に直接関係しないため、その詳細な説明を省略するが、以下に簡単に説明しておく。
固体高分子型燃料電池は、図7にその構成を示す単セルが多数積層されて構成される。単セルは、上述したガス流路形成部材10および金属薄板20から構成されるメタルセパレータを上下に配し、同メタルセパレータ間に2枚の樹脂フレーム30およびMEA40(Membrane−Electrode Assembly:膜−電極アッセンブリ)を備えて構成される。そして、各単セルに対して、例えば水素ガスなどの燃料ガスと、例えば空気などの酸化剤ガスとが燃料電池スタック外部から導入されることにより、MEA40での電極反応によって電気が発電される。
金属薄板20は、単セルが多数積層されたとき、外部から導入されたガスの混流を防止するとともに、各単セル内にガスを導入するものである。このため、金属薄板20には、燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ導入するためのガス導入口21と、MEA40にて未反応の燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ排出するためのガス導出口22が形成されている。
樹脂フレーム30は、その周縁部分にて、単セルを形成した状態で金属薄板20に形成されたガス導入口21およびガス導出口22の各貫通孔に対応する位置に同各貫通孔の形状と略同一の形状の貫通孔31,32が形成されている。また、樹脂フレーム30には、その略中央部分にて、ガス流路形成部材10を収容する収容孔33が形成されている。この収容孔33は、固着される金属薄板20に形成された一対のガス導入口21およびガス導出口22と、積層される他方の樹脂フレーム30に形成された貫通孔31,32とをも収容するように形成されている。
このように、収容孔33を形成することにより、固着される金属薄板20の下面(または上面)、収容孔33の内周面およびMEA40の上面(または下面)により空間(以下、この空間をガス導通空間という)が形成される。そして、ガス導通空間内に対して、例えば、燃料ガスを金属薄板20の一方のガス導入口21から、また、酸化剤ガスを他方のガス導入口21および樹脂フレーム30の貫通孔31から導入することができる。また、ガス導通空間を通過した未反応のガスは、金属薄板20の一方のガス導出口22を介して、また、他方のガス導出口22および樹脂フレーム30の貫通孔32を介して外部に導出することができる。
電極構造体としてのMEA40は、電解質膜EFを備えている。そして、電解質膜EF表面上にて、燃料ガスが導入されるガス導通空間側に配置されるアノード電極と、酸化剤ガスが導入されるガス導通空間側に配置されるカソード電極とが、所定の触媒を層状に積層することにより形成されている。
このように構成された単セルを多数積層した固体高分子型燃料電池においては、上述した各工程を経て製造されたガス流路形成部材10によって、MEA40のアノード電極およびカソード電極に燃料ガスおよび酸化剤ガスを効率よく供給することができる。具体的に説明すると、ガス流路形成部材10は、薄肉のランスカットメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13を成形されて構成されている。このため、外部からガス導入口21を介してガス導通空間内に導入されたガスは、筋状凹部12または筋状凸部13を導通することにより、圧力損失を大幅に低減することができる。また、ランスカットメタル11は多数の網目状の貫通孔が形成されているため、ガス導通空間内に導入されたガスは前記貫通孔を介して筋状凹部12と筋状凸部13間を極めて容易に透過することができる。これによっても、ガスの圧力損失を低減することができ、ガス導通空間内のガスの導通がスムーズとなる。したがって、ガスを各電極に対して効率よく供給することができ、固体高分子型燃料電池の発電効率を向上させることができる。
また、ガス流路形成部材10の筋状凹部12と筋状凸部13の成形幅は、筋状凸部13の成形幅が大きくなるように成形されている。このため、ガス流路形成部材10を、図7に示すように、MEA40に形成されたアノード電極およびカソード電極に対して筋状凸部13が接触するように配置することにより、アノード電極およびカソード電極との接触面積を大きくすることができる。また、ランスカットメタル11に多数の貫通孔が形成されていることによっても、アノード電極およびカソード電極との接触面積を大きくすることができる。したがって、MEA40にて発電された電気を集電する際の集電抵抗を極めて小さくすることができ、発電された電気を効率よく集電することができる。
上記実施形態においては、ランスカットメタル11の製造時に生じるボンド部11aの加工硬化によって筋状凹部12および筋状凸部13を成形したときの割れや破断を防止すべく、筋状凹凸成形工程を予備成形と最終成形工程とから構成して実施した。しかしながら、上述した筋状凹凸成形工程によれば、より加工硬化が進んだ薄肉の素材すなわち成形性のより劣る薄肉の素材に対しても、筋状凹部および筋状凸部を好適に成形してガス流路形成部材10を製造することが可能である。以下、上記実施形態の第1変形例について詳細に説明する。
ランスカットメタル11よりも加工硬化が進んだ薄肉の素材としては、例えば、上述のように製造されたランスカットメタル11に対してさらに圧延加工を施して製造されるエキスパンドメタル14を挙げることができる。このエキスパンドメタル14も、上述のランスカットメタル11と同様に、板厚が0.1mm〜0.2mm程度のステンレス板(例えば、フェライト系ステンレスなど)から形成されるものである。そして、エキスパンドメタル14にも、図8(a)に示すように、孔径が0.1mm〜1mm程度とされた多数の小径の貫通孔が網目状に形成されている。そして、エキスパンドメタル14は、図8(b)にて図8(a)のY−Y断面を示すように、圧延加工によってランスカットメタル11のボンド部11aに比して引き伸ばされたボンド部14aを有していて、略平板状に形成されている。このエキスパンドメタル14は、以下に説明するエキスパンドメタル成形工程を経て製造される。なお、以下に、同成形工程を説明するが、エキスパンドメタル14は、上述したランスカットメタル製造工程に圧延加工が付加されて製造されるため、ランスカットメタル11を圧延する圧延工程について詳細に説明する。
この付加された圧延工程は、図9に概略的に示す圧延成形機Aを用いて、上述したように製造されるランスカットメタル11を圧延する。圧延成形機Aは、上下一対の圧延ローラARを備えていて、供給されたランスカットメタル11を圧延する。これにより、ランスカットメタル11のボンド部11aが圧延ローラARによって圧延されて(引き伸ばされて)、エキスパンドメタル14が製造される。
このように製造されたエキスパンドメタル14は、ランスカットメタル11と異なり、略平板状とされている。このため、エキスパンドメタル14のボンド部14aには、網目状の貫通孔の成形時の加工硬化と圧延加工時の加工硬化とが生じ、ランスカットメタル11に比してさらに加工硬化が進んだ状態となっている。この状態においては、筋状凹部12および筋状凸部13の成形に必要な伸びが十分に確保できず、例えば、波形形状を成形する予備成形であっても割れや破断が発生することが考えられる。そこで、この第1変形例においては、加工硬化が進んだエキスパンドメタル14に予備成形や最終成形を施す場合には、図8(a)に示すように、圧延方向に対して略直交する方向に波形形状や筋状凹部12および筋状凸部13を成形する。これにより、エキスパンドメタル14のボンド部14aが圧延方向への曲げによってさらに引き伸ばされることを防止することができる。
具体的に説明すると、上述したように製造されたエキスパンドメタル14に予備成形する場合には、エキスパンドメタル14は、その供給方向が圧延方向と略直交する向きに調整されて、コルゲート成形機Kに供給される。そして、コルゲート成形機Kは、上記実施形態と同様に、供給されたエキスパンドメタル14に対して波形形状を予備成形する。ここで、波形形状が成形されたエキスパンドメタル14においては、例えば、ボンド部14aが曲げられた場合であっても、曲げ方向が圧延方向と直交しているために曲げに伴う伸びが確保されて、圧延方向に曲げるよりも割れや破断の発生頻度を低減することができる。
また、圧延方向と略直交する向きで波形形状を成形することによって、成形された波形形状部分におけるストランドの占める割合が大きくなる。このため、波形形状の成形において、加工硬化の小さいストランドが大きく変形することによって、加工硬化の大きなボンド部14aの伸びが抑制され、ボンド部14aの割れや破断を防止することもできる。これにより、全体として良好に波形形状を成形することができる。ここで、この予備成形においても、上記実施形態と同様に、ガス流路形成部材10の筋状凹部12および筋状凸部13の成形方向における断面の断面長に比して、予備成形されたエキスパンドメタル14の波形形状成形方向における断面の断面長が大きく(長く)なるように成形される。
そして、予備成形されたエキスパンドメタル14は、上記実施形態と同様に、最終成形工程にて、プレス成形機Oによって筋状凹部12と筋状凸部13が成形される。この最終成形工程においても、エキスパンドメタル14を圧縮しながら、言い換えれば、波形形状の成形方向における断面の断面長を縮めながら筋状凹部12および筋状凸部13を成形する。これにより、エキスパンドメタル14のように、加工硬化が大きく成形性に劣る薄肉の素材であっても、割れや破断の発生を防止して良好に曲げ加工を施すことができる。そして、このようにエキスパンドメタル14に筋状凹部12および筋状凸部13を成形することによって製造されたガス流路形成部材10も、上記実施形態と同様に、固体高分子型燃料電池に採用することができる。
以上の説明からも理解できるように、この第1変形例によれば、加工硬化が大きく成形性に劣る薄肉の素材すなわちエキスパンドメタル14であっても、筋状凹凸成形加工における割れや破断を防止することができる。また、その他の効果については、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
上記実施形態においては、予備成形されたランスカットメタル11をガス流路形成部材10の製品幅と等しくなるように切断し、プレス成形機Oによって最終形状としての筋状凹部12および筋状凸部13を成形するように実施した。これに対し、生産性を向上するために、連続的に予備成形されたランスカットメタル11に切断することなく、連続的に筋状凹部12および筋状凸部13を成形することも可能である。以下、この第2変形例について詳細に説明する。
この第2変形例においては、上記実施形態の最終成形工程で用いられるプレス成形機Oに代えて、図10に概略的に示す順送型プレス成形機Tが用いられる。この順送型プレス成形機Tは、ランスカットメタル11の幅方向(図10において紙面垂直方向)全体に対して、筋状凹部12を成形するための凹部および筋状凸部13を成形するための凸部が形成された下型SGと、上下動可能とされて下型SGに形成された凹部に進入してランスカットメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13を成形するパンチPと、同パンチPの成形中においてランスカットメタル11を固定する先行パッドSPとを備えている。
この順送型プレス成形機Tを利用した最終成形工程においては、まず、図10(a)に示すように、前回の成形サイクルにより成形された筋状凹部12および筋状凸部13を一段送り、下型SG上に載置する。続いて、図10(b)に示すように、先行パッドSPを、前回の成形サイクルにより成形した筋状凹部12方向に下降させて、ランスカットメタル11を下型SGとともに挟持して固定する。このように、ランスカットメタル11を固定した状態で、図10(c)に示すように、パンチPを、下型SGに形成された凹部方向にランスカットメタル11とともに下降させることによって、ランスカットメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13が成形される。
このように、図10(a)〜(c)にて概略的に示した成形サイクルを繰り返すことにより、ランスカットメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13を連続的に成形することができる。そして、この順送型プレス成形機Tによる最終成形工程においても、下型SGとパンチPとによって、ランスカットメタル11を圧縮しながら、筋状凹部12および筋状凸部13が成形される。これにより、略直角に曲げ加工される筋状凹部12および筋状凸部13の角部分が過度に延ばされる(引っ張られる)ことを効果的に防止することができる。したがって、この第2変形例においても、上記実施形態と同様に、加工硬化の生じた薄肉の素材すなわちランスカットメタル11であっても、割れや破断の発生を防止して良好に曲げ加工を施すことができる。また、最終成形工程において順送型プレス成形機Tを用いた場合には、図10(c)にて矢印で示す方向にランスカットメタル11を送ることによっても、筋状凹部12および筋状凸部13の成形における角部分の伸びを抑制して割れや破断を防止することができる。
さらに、上記第2変形例においては、順送型プレス成形機Tを用いて、ランスカットメタル11に筋状凹部12および筋状凸部13を最終成形したが、エキスパンドメタル14に対しても筋状凹部12および筋状凸部13を最終成形することが可能である。この場合においては、上記第1変形例で説明したように、エキスパンドメタル14には、圧延方向と略直交する方向にて予備成形がされている。そして、予備成形されたエキスパンドメタル14を連続的に順送型プレス成形機Tに供給することにより、上述したように、エキスパンドメタル14に連続的に筋状凹部12および筋状凸部13が成形される。したがって、エキスパンドメタル14に対しても、割れや破断を生じることなく、良好に筋状凹部12および筋状凸部13を成形することができる。
また、本発明は、上記実施形態および各変形例に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態および各変形例においては、ランスカットメタル11やエキスパンドメタル14の幅方向全体に筋状凹部12および筋状凸部13を成形したが、所定の大きさに切り出したランスカットメタル11やエキスパンドメタル14の略中央部分にのみ筋状凹部12や筋状凸部13を成形することも可能である。この場合においても、予備成形工程にて予備成形寸法の波形形状を成形し、その後、最終成形工程にて圧縮しながら筋状凹部12および筋状凸部13を成形することができる。このとき、ランスカットメタル11またはエキスパンドメタル14において、波形形状や筋状凹部12と筋状凸部13が成形される略中央部分と、平板状の形状が維持される周縁部分との境界部分は、予備成形により緩やかに変形された後に圧縮しながら最終成形が施されるため、同境界部分でも曲げ加工による伸びが抑制される。したがって、ランスカットメタル11やエキスパンドメタル14の一部分に筋状凹部12や筋状凸部13を成形する場合であっても、本発明に係る筋状凹凸成形方法によれば、割れや破断の発生を防止して良好に成形することができる。
さらに、例えば、上述したランスカットメタル11およびエキスパンドメタル14の製造に関しては、上述した製造工程以外の工程によって製造することが可能である。また、上述した予備成形工程および最終成形工程においてコルゲート成形機Kおよびプレス成形機Oを利用して実施したが、予備成形寸法が最終成形寸法よりも大きくなるように予備成形可能であり、圧縮しながら最終成形寸法とする最終成形が可能であれば、その他の装置を利用して成形することも可能である。この場合にも、上述した実施形態および各変形例と同様の効果を期待することができる。
本発明の実施形態に係る筋状凹凸成形方法により製造される燃料電池用のセパレータの流路形成部材を示す概略図である。 (a),(b)は、図1の流路形成部材を形成するランスカットメタルを説明するための図である。 (a),(b)は、図2のランスカットメタルを製造するランスカット製造工程を説明するための図である。 図2のランスカットメタルに波形形状を成形する予備成形を説明するための図である。 (a),(b)は、予備成形によって成形される波形形状を説明するための図である。 (a)は、最終成形工程を説明するための概略図であり、(b)は、最終成形によって成形される筋状凹部および筋状凸部を説明するための図である。 図1の流路形成部材が採用された燃料電池の構成を説明するための概略的な分解斜視図である。 (a),(b)は、本発明の第1変形例に係るエキスパンドメタルを説明するための図である。 図8のエキスパンドメタルを製造する圧延工程を説明するための図である。 (a)〜(c)は、本発明の第2実施形態に係り、連続的に筋状凹部および筋状凸部を最終成形する最終成形工程を説明するための図である。
符号の説明
10…流路形成部材、11…ランスカットメタル、11a…ボンド部、12…筋状凹部、13…筋状凸部、14…エキスパンドメタル、14a…ボンド部、20…金属薄板、30…樹脂フレーム、40…MEA、R…ランスカットメタル加工装置、K…コルゲート成形機、O…プレス成形機、A…圧延成形機、T…順送型プレス成形機

Claims (11)

  1. 多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材に対して複数の筋状凹部および筋状凸部を成形する筋状凹凸成形方法であって、
    前記薄肉の素材に対して複数の凹部と凸部からなる波形形状を、前記複数の筋状凹部および筋状凸部の最終成形寸法よりも大きな予備成形寸法で予備成形し、
    前記予備成形した波形形状の凹部と凸部の予備成形寸法が前記最終成形寸法となるまで圧縮しながら変形させて前記複数の筋状凹部または筋状凸部を最終成形することを特徴とする筋状凹凸成形方法。
  2. 前記薄肉の素材は、平板状の金属薄板に対してせん断曲げ加工により多数の貫通孔を網目状に形成したランスカットメタルである請求項1に記載した筋状凹凸成形方法。
  3. 前記薄肉の素材は、多数の貫通孔が網目状に形成された後、さらに、圧延加工された薄肉の素材であり、
    この薄肉の素材に対して前記圧延加工された方向とは異なる方向に前記波形形状を予備成形する請求項1に記載した筋状凹凸成形方法。
  4. 前記薄肉の素材は、平板状の金属薄板に対してせん断曲げ加工により多数の貫通孔を網目状に形成した後、圧延加工によって略平板状に形成したエキスパンドメタルである請求項3に記載した筋状凹凸成形方法。
  5. 前記予備成形寸法と前記最終成形の最終成形寸法は、
    前記複数の筋状凹部または筋状凸部の凹凸成形方向の寸法である請求項1に記載した筋状凹凸成形方法。
  6. 前記予備成形は、前記薄肉の素材に対して連続的に前記波形形状を成形し、
    前記最終成形は、前記予備成形によって連続的に成形された波形形状を連続的に圧縮しながら変形させて前記筋状凹部および筋状凸部を成形する請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載した筋状凹凸成形方法。
  7. 燃料電池の電極構造体を構成する電極層に対して、燃料ガスと酸化剤ガスとをそれぞれ供給するガス流路を形成する燃料電池用のメタルセパレータにおいて、
    メタルセパレータのガス流路は、多数の貫通孔が網目状に形成された薄肉の素材に対して成形された複数の筋状凹部および筋状凸部から構成されるものであって、
    前記複数の筋状凹部および筋状凸部は、
    前記薄肉の素材に対して複数の凹部と凸部からなる波形形状を、前記複数の筋状凹部および筋状凸部の最終成形寸法よりも大きな予備成形寸法で予備成形し、
    前記予備成形した波形形状の凹部と凸部の予備成形寸法が前記最終成形寸法となるまで圧縮しながら変形させて成形されることを特徴とする燃料電池用のメタルセパレータ。
  8. 前記薄肉の素材は、平板状の金属薄板に対してせん断曲げ加工により多数の貫通孔を網目状に形成したランスカットメタルである請求項7に記載した燃料電池用のメタルセパレータ。
  9. 前記薄肉の素材は、多数の貫通孔が網目状に形成された後、さらに、圧延加工された薄肉の素材であり、
    この薄肉の素材に対して前記圧延加工された方向とは異なる方向に前記波形形状を予備成形する請求項7に記載した燃料電池用のメタルセパレータ。
  10. 前記薄肉の素材は、平板状の金属薄板に対してせん断曲げ加工により多数の貫通孔を網目状に形成した後、圧延加工によって略平板状に形成したエキスパンドメタルである請求項9に記載した燃料電池用のメタルセパレータ。
  11. 前記予備成形の成形寸法と前記最終成形の最終成形寸法は、
    前記複数の筋状凹部または筋状凸部の凹凸成形方向の寸法である請求項7に記載した燃料電池用のメタルセパレータ。
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