以下、添付図面に基づいて、本発明を実施するための形態について、説明する。
図1は、本発明の実施形態である電子内視鏡システムの構成図である。本実施形態の電子内視鏡システムは、電子内視鏡10,本体装置20,及び、表示装置30を、備えている。
電子内視鏡10は、光の届かない体腔内を観察するための器具である。電子内視鏡10は、挿入部10a,操作部10b,ケーブル部10c,及び、接続部10dに、区分される。
挿入部10aは、体腔内に挿入される部分であり、樹脂製の被覆管とこの被覆管に覆われた管状の骨格構造とを備えている。その骨格構造は、与えられた外力に応じて柔軟に屈曲するとともに、体腔壁を傷つけない程度に屈曲の状態を維持できる剛性を保有する。また、挿入部10aは、図示していないが、その先端部内に、配光光学系、対物光学系及び撮像素子を備えている。対物光学系は、挿入部10aの先端に対向した被写体の像を形成し、撮像素子は、対物光学系によって形成された像を撮像して画像データに変換する。更に、挿入部10aの先端部は、その先端から基端に向かって所定の長さの部分に組み込まれた図示せぬ湾曲機構により湾曲可能である(図1では、挿入部10aの先端部を湾曲した状態を実線で、延ばした状態を破線で示している。)。
操作部10bは、各種スイッチ111,アングルノブ112,鉗子口113,図示せぬホース継手などを備えた部分であり、挿入部10aの基端に接続されている。なお、アングルノブ112は、前述の湾曲機構に対する図示せぬワイヤ牽引機構により、挿入部10aの先端部の湾曲状態を変化させるための把手である。鉗子口113は、挿入部10aの内部に鉗子チャンネルとして引き通された細管へ、鉗子や剪刀や凝固電極などの処置具を挿入するための開口である。但し、図1では、鉗子口113には蓋がされている。図示せぬホース継手は、挿入部10aの内部に送気送水チャンネルとして引き通された細管と図示せぬ送気送水装置から延びるホースとを接続するための口金であり、操作部10bにおいてアングルノブ112がある側とは反対側に備えられている。
ケーブル部10cは、各種の信号線とその信号線を覆う樹脂製の管とを備えた電纜であり、その先端は、操作部10bの側面に接続されている。なお、ケーブル部10c内の信号線は、図示していないが、操作部10b及び挿入部10aに引き通されて挿入部10a内の撮像素子に接続された信号線,及び、操作部10bの各種スイッチ111に接続された信号線を、含んでいる。
接続部10dは、ケーブル部10cの基端を本体装置20に着脱自在に装着するためのいわゆるコネクタである。接続部10dは、本体装置20に装着された際に本体装置20に当接する装着面に、ケーブル部10c内に引き通された信号線の端部が接続された端子114を、備えている。
これら各部10a〜10dに区分される電子内視鏡10は、図示していないが、更に、束ねられた多数の光ファイバからなるライトガイド及び配光光学系を備えている。ライトガイドは、挿入部10a,操作部10b,ケーブル部10c,及び、接続部10d内に順に引き通されており、ライトガイドの先端は、挿入部10aの先端に設けられた配光光学系の近傍に固定され、ライトガイドの基端は、接続部10dにおける上記の装着面から突出する金属管115内に固定されている。配光光学系は、ライトガイドの先端から出射された光を挿入部10aの先端面に対向した体腔壁等に向けて照射する。
本体装置20は、電子内視鏡10を制御するためのプロセッサである。本体装置20は、制御部20a,光源部20b,及び、画像処理部20cに、区分される。
制御部20aは、本体装置20全体を制御するための機器であり、図示していないが、各種の基準信号を生成してその信号の出力を制御するタイミングジェネレータを、備えている。光源部20b及び画像処理部20cは、この制御部20aに接続されており、光源部20b及び画像処理部20cにおける各種の処理は、上記の基準信号に従って時系列的に進行する。
また、制御部20aは、図示していないが、電子内視鏡10の接続部10dが本体装置20に装着されると、接続部10dの端子114,及び、各部10a〜10d内の図示せぬ信号線を介して、挿入部10a内の図示せぬ撮像素子,及び、操作部10bの各種スイッチ111に電気的に接続される。制御部20aは、図示せぬ撮像素子に接続されている状態では、その撮像素子における蓄積電荷の掃き出しタイミングや受光感度を制御する。また、制御部20aは、操作部10bの各種スイッチ111のうちの一つが操作されると、観察モードを、通常観察モード及び特殊観察モードの何れか一方に切り替えると共に、光源部20b及び画像処理部20cの動作状態を、切替後の観察モードに対応した動作状態へ変化させる。
光源部20bは、電子内視鏡10の図示せぬライトガイドの基端面に光を供給するための機器である。なお、図示していないが、電子内視鏡10の接続部10dが本体装置20に装着されると、接続部10dの金属管115が、光源部20b内に挿入され、図示せぬライトガイドの基端が、光源部20b内に固定される。
図2は、光源部20bの構成図である。光源部20bは、光学構成として、白色光光源211,光束径縮小光学系212,回転遮蔽板213,励起光光源214,コリメートレンズ215,ダイクロイックミラー216,及び、集光レンズ217を、備えている。
白色光光源211は、白色光を平行光として射出する装置であり、焦点から放射される光を平行光として反射する放物面鏡,及び、放物面鏡の焦点に発光点が配置されたキセノンランプを、備えている。光束径縮小光学系212は、一対の凸レンズ212a,212bからなるケプラー型のアフォーカル光学系であり、白色光光源211から平行光として射出される白色光の光束径を縮小する。
回転遮蔽板213は、図示せぬ略半円形の開口が一つだけ穿たれた円板である。その開口の円弧の中心は、回転遮蔽板213の外周円の中心に一致しており、回転遮蔽板213の中心は、回転遮蔽板用モーター221の駆動軸の先端に固定されている。また、回転遮蔽板213は、光束径縮小光学系212の光軸に対して直交しており、白色光は、回転遮蔽板213の偏心位置に入射する。このため、回転遮蔽板213は、回転遮蔽板用モーター221によって駆動されると、その駆動軸を回転中心として回転し、光束径縮小光学系212から平行光として射出される白色光の光路に図示せぬ開口を繰り返し挿入し、白色光を周期的に遮蔽する。
励起光光源214は、蛍光の放射という現象を生体組織において引き起こさせるための励起光を射出するレーザー発光ダイオードである。コリメートレンズ215は、励起光光源214から射出される励起光を平行光に変換する。コリメートレンズ215から平行光として射出される励起光の光路は、光束径縮小光学系212から平行光として射出される白色光の光路と直交している。
ダイクロイックミラー216は、白色光を透過させるとともに励起光を反射する光学素子である。ダイクロイックミラー216は、白色光の光路と励起光の光路とが交差する位置に配置されており、光束径縮小光学系212の光軸方向に対して45°傾いているとともに、コリメートレンズ215の光軸方向に対しても45°傾いている。光束径縮小光学系212から平行光として射出された白色光は、ダイクロイックミラー216を透過するとともに、コリメートレンズ215から平行光として射出された励起光は、ダイクロイックミラー216によって直角に反射されることにより、白色光と同一の光路上をこの白色光の進行方向と同じ方向へ進む。従って、ダイクロイックミラー216は、光路合成素子として機能する。
集光レンズ217は、平行光を収斂させるためのコンデンサレンズである。集光レンズ217は、ダイクロイックミラー216を透過した白色光の光路(すなわち当該ミラー216にて反射された励起光の光路)上に配置されており、電子内視鏡10の金属管115内に固定されている図示せぬライトガイドの基端面に向けて、これら光を収斂させる。従って、ライトガイドの基端面は、入射端面として機能し、挿入部の先端に配置されるライトガイドの先端面は、射出端面として機能する。
光源部20bは、以上に説明した光学構成を制御するために、更に、図示せぬ二個の光源用電源回路,図示せぬ回転遮蔽板用モータードライブ回路,ステージ222,ステージ用駆動装置223,及び、光源部コントローラ224を、備えている。
図示せぬ二個の光源用電源回路は、何れも、光源に電力を供給する回路であり、光源部コントローラ224に制御されることによって光源に供給する電力量を調整する。一方の光源用電源回路は、白色光光源211を制御するためのものであり、他方の光源用電源回路は、励起光光源214を制御するためのものである。図示せぬ回転遮蔽板用モータードライブ回路は、回転遮蔽板213を駆動軸に固定している回転遮蔽板用モーター221の駆動を制御するための回路である。
ステージ222は、物体を一方向に沿って平行移動させるための機構であり、このステージ222上には、回転遮蔽板用モーター221,及び、ダイクロイックミラー216が、設置されている。ステージ222上の回転遮蔽板用モーター221に固定されている回転遮蔽板213は、ステージ222の移動に伴って、光束径縮小光学系212から平行光として射出される白色光の光路から引き抜かれ、或いは、その白色光の光路に挿し戻される。また、ステージ222上のダイクロイックミラー216は、ステージ222の移動に伴って、白色光の光路及び励起光の光路から引き抜かれ、或いは、白色光の光路と励起光の光路とが交差する位置に戻される。
ステージ用駆動装置223は、ステージ222を駆動するための装置であり、図示していないが、ステージ用モーターとギア機構とステージ用モータードライブ回路とを備えている。ギア機構は、図示せぬステージ用モーターの回転力をステージ222の駆動力に変換するための機構であり、例えばラックギア及びピニオンギアにて構成されている。ステージ用モータードライブ回路は、図示せぬステージ用モーターを駆動するための回路であり、回転遮蔽板用モーター221及びダイクロイックミラー216の移動方向及び移動量を光源部コントローラ224から受信すると、その移動方向へその移動量だけ回転遮蔽板用モーター221及びダイクロイックミラー216が移動するように、ステージ222を駆動させる。
光源部コントローラ224は、光源部20b全体を制御するためのコントローラであり、図示していないが、上記の二個の光源用電源回路,上記の各種ドライブ回路,及び、ステージ用駆動装置223に接続されている。また、光源部コントローラ224は、制御部20aにも接続されており、制御部20aから上記の基準信号や観察モードを示す信号を受信する。
なお、光源部コントローラ224は、通常観察モードを示す信号を制御部20aから受信すると、ステージ用駆動装置223を制御してステージ222を移動させることにより、白色光の光路から回転遮蔽板213を引き抜くとともに、白色光の光路及び励起光の光路からダイクロイックミラー216を引き抜く。また、光源部コントローラ224は、図示せぬ光源用電源回路の一方を制御することによって、白色光光源211に対して白色光の射出を開始させる。これにより、白色光のみが集光レンズ217に入射するようになるので、電子内視鏡10の金属管115内の図示せぬライトガイドの入射端面には、白色光が連続して入射し、電子内視鏡10の挿入部10aの先端からは、白色光が連続して射出される。
他方、光源部コントローラ224は、特殊観察モードを示す信号を制御部20aから受信すると、ステージ用駆動装置223を制御してステージ222を移動させることにより、白色光の光路に回転遮蔽板213を挿し入れるとともに、白色光の光路と励起光の光路とが交差する位置にダイクロイックミラー216を配置させる。また、光源部コントローラ224は、図示せぬ光源用電源回路の双方を制御することによって、白色光光源211に対して白色光の射出を開始させるとともに、励起光光源214に対して励起光の周期的な射出を開始させる。さらに、システムコントローラ224は、図示せぬドライブ回路を制御して回転遮蔽板用モーター221を駆動することによって、回転遮蔽板213を回転させる。このとき、光源部コントローラ224は、制御部20aから入力される後述の垂直帰線消去信号のパルスが示すタイミングに同期させながら、回転遮蔽板213の回転位相と励起光の射出間隔とを制御することにより、集光レンズ217に対して白色光と励起光とを交互に入射させる。これにより、電子内視鏡10の金属管115内の図示せぬライトガイドの入射端面には、白色光と励起光とが交互に入射するようになるので、電子内視鏡10の挿入部10aの先端からは、白色光と励起光とが交互に射出される。図3は、電子内視鏡10の挿入部10aの先端から白色光と励起光とが射出されるタイミングを示すチャートである。
画像処理部20cは、電子内視鏡10の挿入部10a内の図示せぬ撮像素子が生成する画像信号に所定の処理を施してビデオ信号に変換するためのものである。なお、電子内視鏡10の接続部10dが本体装置20に装着されると、画像処理部20cは、接続部10dの端子114,及び、各部10a〜10d内の図示せぬ信号線を介して、挿入部10aの先端内の図示せぬ撮像素子に接続される。
図4は、画像処理部20cの構成図である。画像処理部20cは、前段処理回路231,Rメモリ232r,Gメモリ232g,Bメモリ232b,逆マトリックス変換回路233,Cメモリ234c,Fメモリ234f,メモリコントロール回路235,画像処理部コントローラ236,DRAM237,Dメモリ238,加算回路241,D/A変換回路242,及び、エンコード回路243を、備えている。
前段処理回路231は、電子内視鏡10の挿入部10a内の撮像素子116がアナログ信号の電送形態で出力した画像信号のデータ形式を以後の処理に適切な形式に変換するための回路である。具体的には、前段処理回路231は、デコード回路231a,A/D変換回路231b,及び、マトリックス変換回路231cを、備えている。
デコード回路231aは、撮像素子116から出力されるアナログ信号を、輝度成分(Y)を示すアナログ信号と二つの色差成分(Cr,Cb)を示す二つのアナログ信号とに分解するための回路である。A/D変換回路231bは、デコード回路231aにおいて生成される三つのアナログ信号をそれぞれデジタル信号へ変換するための回路である。マトリックス変換回路231cは、A/D変換回路231bによってデジタル化されたYCC成分の画像データをRGBの色成分の画像データに変換するための回路である。
Rメモリ232r,Gメモリ232g,及び、Bメモリ232bは、何れも、画像データを一時的に記録しておくための記憶装置である。前段処理回路231のマトリックス変換回路がRGBの各色成分の画像データを生成すると、それら各色成分の画像データは、その色成分に対応するメモリ232r,232g,232bにそれぞれ入力される。
逆マトリックス変換回路233は、RGB系の色成分の画像データから輝度成分(Y成分)の画像データを生成するための回路である。Cメモリ234c及びFメモリ234fは、何れも、画像データを一時的に記録しておくためのデュアルポートメモリである。Cメモリ234c及びFメモリ234fのデータポートには、逆マトリックス変換回路233が生成したY成分の画像データが入力されるが、その画像データは、記録の指示を示すパルス信号が後述のメモリコントロール回路235からCメモリ234c及びFメモリ234fの制御ポートに入力されたときに、Cメモリ234c及びFメモリ234fに記録される。
メモリコントロール回路235は、逆マトリックス変換回路233から出力されたY成分の画像データをCメモリ234cとFメモリ234fの何れに記録させるかを制御するための回路である。メモリコントロール回路235は、一対のNAND回路235a,235bを備えている。一方の第1NAND回路235aには、制御部20aから出力される垂直帰線消去信号VBSと、画像処理部コントローラ236から出力される後述の第1チェックシステム信号CS1とが、入力される。他方の第2NAND回路235bには、制御部20aから出力される垂直帰線消去信号VBSと、画像処理部コントローラ236から出力される後述の第2チェックシステム信号CS2とが、入力される。
ここで、画像処理部20c内の各回路の説明の途中であるが、先に、垂直帰線消去信号VBSと第1及び第2チェックシステム信号CS1,CS2とについて説明する。図5は、垂直帰線消去信号VBSの変化,第1及び第2チェックシステム信号CS1,CS2の変化,並びに、第1及び第2NAND回路235a,235bの出力信号の変化のタイミングを示すチャートである。
垂直帰線消去信号VBSは、ビデオ信号における画像再現に不要な垂直帰線消去期間の波形を一定なペデスタルレベルとするためにビデオ信号に重畳される信号である。ここで、2フィールド:1フレームの飛越走査方式を採る例えばNTSC信号においては、1フィールドを再現するための262.5本の走査線のデータ領域(262.5H)のうち、先頭から21本分の走査線のデータ量に相当するデータ領域(21H)の部分が、垂直帰線消去期間となる。そして、NTSC信号による画像データ伝送時間は、1フレーム当たり29.97ミリ秒であり、1フィールド当たりにすると14.985ミリ秒であるから、垂直帰線消去信号は、図5に示されるように、14.985ミリ秒間のうちの1.1988ミリ秒間だけハイの状態になり残りがロウの状態となるような周期的な信号(一フィールドにつき一回パルスが立ち上がる信号)となっている。
また、第1及び第2チェックシステム信号CS1,CS2は、制御部20aから出力される垂直帰線消去信号VBSに基づいてシステムコントローラ236が生成する信号である。
なお、図5において破線にて示しているように、通常観察モードでは、第1チェックシステム信号CS1も第2チェックシステム信号CS2も、常時L(ロウ)の状態を維持する信号として生成される。従って、通常観察モードでは、図5に示していないが、第1NAND回路235aから出力される信号も、第2NAND回路235bから出力される信号も、常時H(ハイ)の状態を維持する信号となっている。Cメモリ234c及びFメモリ234fは、常時Hの状態を維持する信号が制御ポートに入力されても、画像データを記憶しない。つまり、通常観察モードでは、Cメモリ234c及びFメモリ234fは機能しない。
一方、図5において実線にて示しているように、特殊観察モードでは、第1チェックシステム信号CS1も、第2チェックシステム信号CS2も、14.985ミリ秒毎にHとLを繰り返し、且つ、上記の垂直帰線消去信号VBSと同期した信号として生成される。但し、第2チェックシステム信号CS2の位相は、第1チェックシステム信号CS1の位相に対し、180°ずれている。より具体的には、垂直基線消去信号VBSの各パルスが第1フィールドの開始タイミング及び第2フィールドの開始タイミングを交互に規定している場合において、第1フィールドの開始タイミングでは第1チェックシステム信号CS1のパルスが立ち上がり、第2フィールドの開始タイミングにおいては第2チェックシステム信号CS2のパルスが立ち上がる。
従って、特殊観察モードでは、図5に示すように、第1NAND回路235aから出力される信号は、29.97ミリ秒間のうちの1.1988ミリ秒間だけLの状態になり残りがHの状態となるような周期的な信号(第1フィールドの開始タイミングにおいてのみパルスが落ち込む信号)となり、第2NAND回路235bから出力される信号は、第1NAND回路235aから出力される信号に対して位相が180°ずれた信号(第2フィールドの開始タイミングにおいてのみパルスが落ち込む信号)となっている。Cメモリ234c及びFメモリ234fは、制御ポートにLのパルスが入力された後にデータポートに入力された画像データを記憶するので、特殊観察モードでは、第1フィールドの画像データがFメモリ234fに記録されずにCメモリ234cに記録され、第2フィールドの画像データがCメモリ234cに記録されずにFメモリ234fに記録される。
本実施形態では、特殊観察モードにおいては、電子内視鏡10の挿入部10a内の撮像素子116が第1フィールドの画像信号を生成する期間では、その挿入部10aの先端から白色光が射出され、撮像素子116が第2フィールドの画像信号を生成する期間では、その挿入部10aの先端から励起光が射出される。このため、撮像素子116は、白色光が照射された体腔壁の表面からの反射光によって形成されるその体腔壁の画像信号(以下、参照画像信号と表記する)を、第1フィールドの画像信号として生成し、励起光が照射された体腔壁下の生体組織から放射される蛍光によって形成されるその体腔壁の画像信号(以下、蛍光画像信号と表記する)を、第2フィールドの画像信号として生成する。その結果、特殊観察モードでは、Cメモリ234cには、参照画像信号に基づいて逆マトリックス変換回路233によって生成された参照画像データのY成分が記録され、Fメモリ234fには、蛍光画像信号に基づいて逆マトリックス変換回路233によって生成された蛍光画像データのY成分が記録される。
図4を用いた画像処理部20c内の各回路の説明に戻る。画像処理部コントローラ236は、画像処理部20c全体を制御するためのコントローラであり、図示していないが、画像処理部20c内の各回路に接続されている。また、画像処理部コントローラ236は、制御部20aに接続されており、制御部20aから上記の各種の基準信号や観察モードを示す信号や垂直基線消去信号VBSを受信する。
なお、画像処理部コントローラ236は、通常観察モードを示す信号を制御部20aから受信すると、前段処理回路231から一フィールド毎に出力されるRGBの色成分の画像データが、毎回、RGBの各メモリ232r,232g,232bに記録されて加算回路241へ出力されるように、各メモリ232r,232g,232bの制御ポートに信号を送出する。
他方、画像処理部コントローラ236は、特殊観察モードを示す信号を制御部20aから受信すると、前段処理回路231から交互に出力される参照画像データ及び蛍光画像データのうちの参照画像データだけがRGBの各メモリ232r,232g,232bに記録されて加算回路241へ出力されるように、各メモリ232r,232g,232bの制御ポートに信号を送出する。これにより、各メモリ232r,232g,232bは、特殊観察モードでは、第1フィールドのタイミングにおいては参照画像データのRGBの色成分を記憶して加算回路241へ出力し、第2フィールドのタイミングにおいては蛍光画像データを記憶せず、第1フィールドのタイミングにおいて記憶しておいた参照画像データを加算回路241へ出力することとなる。
特殊観察モードにおいては、画像処理部コントローラ236は、更に、第1フィールドのタイミングでCメモリ234cに記録された参照画像データのY成分と、第2フィールドのタイミングでFメモリ234fに記録された蛍光画像データのY成分とに基づいて、患部画像データを生成する。なお、この患部画像データの生成手順については、図10を参照しながら後述する。
DRAM237は、画像処理部コントローラ236が患部画像データを生成するに際して作業領域が展開される記憶装置である。Dメモリ238は、画像データを一時的に記録しておくためのデュアルポートメモリである。画像処理部コントローラ236が患部画像データを生成した際に、その患部画像データがDメモリ238に記録される。
加算回路241は、画像データ同士を加算するための回路であり、RGBの各メモリ232r,232g,232bとDメモリ238とに接続されている。加算回路241は、通常観察モードでは、Dメモリ238から患部画像データが送られてこないため、RGBの各メモリ232r,232g,232b内の各色成分の画像データをそのままD/A変換回路242へ出力する。一方、特殊観察モードでは、Dメモリ238から患部画像データが送られてくるため、加算回路241は、RGBの各メモリ232r,232g,232b内の各色成分の画像データのそれぞれに、患部画像データの対応する色成分を加算して、D/A変換回路242へ出力する。
D/A変換回路242は、デジタル信号をアナログ信号に変換するための回路である。具体的には、D/A変換回路242は、加算回路241から出力されるRGBの各色成分の画像データを示すデジタル信号を、それぞれ、アナログ信号に変換する。エンコード回路243は、D/A変換回路242から出力されたアナログ信号に基づいて、NTSC等のアナログのビデオ信号を生成する回路である。
表示装置30は、画像データに基づいて画像を表示する装置である。表示装置30には、画像処理部20cからビデオ信号の電送形態で出力された画像データが入力される。
以上のように構成される電子内視鏡システムは、従来の電子内視鏡システムと同様に、ホワイトバランスの調節機能を備えている。ホワイトバランスは、白い被写体を白として表示装置30の画面上に再現出来るように画像データに施す処理のことを言い、図4には示されていないが、画像処理部20cの前段処理回路231において画像データに施される。ホワイトバランスの調節機能は、この画像データに施される補正値を更新するための機能である。
ホワイトバランス調節機能を動作させるには、まず、電子内視鏡システムを使用して被検者に対して施術を行う術者が、図6の平面断面図及び図7の側面断面図に示すような有底角筒状のキャップ40の中に、電子内視鏡10の挿入部10aの先端を挿入する必要がある。このキャップ40の内側の底面には、ホワイトシート等の標準被写体が備えられている。術者は、キャップ40に挿入部10aの先端を挿入した後、電子内視鏡10の操作部10bの各種スイッチ111のうちの一つであるホワイトバランス調節スイッチを操作する。本体装置20の制御部20aが、ホワイトバランス調節スイッチが操作されたことを検出すると、その旨を画像処理部20cに通知する。この通知をトリガーとして、画像処理部20cのシステムコントローラ236内の図示せぬCPUが、やはり図示せぬROM内から画質補正用プログラムを読み出して実行する。すると、画像処理部20cでは、画質補正用処理が開始される。この画質補正用処理は、従来のホワイトバランス処理と共に、本発明に係る処理の内容を、含んでいる。
図8は、画質補正用処理の内容を示すフローチャートである。図8に示されるように、画質補正用処理は、ステップS1001〜S1007及び処理ループL1からなる。
ステップS1001では、画像処理部コントローラ236は、挿入部10aの先端からの白色光の射出を開始するように、制御部20aを介して光源部20bの光源部コントローラ224に指示する。なお、挿入部10aの先端から白色光が射出されると、キャップ40の内側底面の標準被写体で反射された光により形成される当該標準被写体の画像の画像データが、キャップ40の底面での白色光の二次元的な照度分布を示す白色配光データとして、挿入部10a内の撮像素子116によって生成される。生成された白色配光データには、前段処理回路231において前述した処理が施され、白色配光データの各色成分がRGBの各メモリ232r,232g,232bに記録される。また、白色配光データの各色成分は、逆マトリックス変換回路233に入力され、前述した処理が施されることによって、白色配光データのY成分がCメモリ234cに記録される。
次のステップS1002では、画像処理部コントローラ236は、Cメモリ234cに記録された白色配光データのY成分をDRAM237に取り込む。
次のステップS1003では、画像処理部コントローラ236は、挿入部10aの先端からの白色光の射出を停止するように、制御部20aを介して光源部20bの光源部コントローラ224に指示する。
次のステップS1004では、画像処理部コントローラ236は、ホワイトバランス設定処理を開始する。なお、ホワイトバランス設定処理は、一般的な技術であるので、ここでは説明しない。簡単に説明すると、ステップS1002においてRGBの各メモリ232r,232g,232bに記録された白色配光データの各色成分に基づいて、画像データの各色成分の出力特性を変更するための補正値を、決定する。
次のステップS1005では、画像処理部コントローラ236は、挿入部10aの先端からの励起光の射出を開始するように、制御部20aを介して光源部20bの光源部コントローラ224に指示する。なお、挿入部10aの先端から励起光が射出されると、キャップ40の内側底面の標準被写体で反射された光により形成される当該標準被写体の画像の画像データが、キャップ40の底面での励起光の二次元的な照度分布を示す励起配光データとして、挿入部10a内の撮像素子116によって生成される。生成された励起配光データは、前段処理回路231及び逆マトリックス変換回路233に入力され、前述した処理が施されることによって、励起配光データのY成分がFメモリ234fに記録される。
次のステップS1006では、画像処理部コントローラ236は、Fメモリ234fに記録された励起配光データのY成分をDRAM237に取り込む。
次のステップS1007では、画像処理部コントローラ236は、挿入部10aの先端からの励起光の射出を停止するように、制御部20aを介して光源部20bの光源部コントローラ224に指示する。その後、画像処理部コントローラ236は、処理ループL1を実行する。
処理ループL1では、画像処理部コントローラ236は、ステップS1006においてDRAM237に取り込んだ励起配光データにおける走査線(画像上にxy直交座標が定義されている場合において同一のy座標値を持つ一群)毎に区分されるデータ(以下、走査線データと表記する)を一つずつ処理対象として特定することにより、ステップS1011乃至S1013を全ての走査線データについて順次実行する。
ステップS1011では、画像処理部コントローラ236は、ステップS1002においてDRAM237に取り込んだ白色配光データにおける各走査線データのうち、処理対象走査線データと同じy座標にある走査線の走査線データを特定する。続いて、画像処理部コントローラ236は、特定した走査線データと処理対象走査線データとが互いに同じ階調幅となるように規格化する。なお、図9は、白色配光データの規格化後の走査線データと励起配光データの規格化後の走査線データとを同一座標上に描いたグラフを示している。規格化後、画像処理部コントローラ236は、特定した走査線データから処理対象走査線データを差し引くことにより(同一の座標にある画素(輝度値)同士の差分を取ることにより)、同一のy座標値を持つ走査線同士の差分データを算出する。
次のステップS1012では、画像処理部コントローラ236は、ステップS1011において算出した差分データ(x座標値と差分値とからなるヒストグラム)を近似する曲線を表現する一次元高次多項式Ic=axj+bxj−1+…+gx+hを、補正式として算出する。この補正式Icにおいて、xは、走査線上での画素の位置を示すx座標値が代入される変数であり、jは、事前に設定された次数であり、a〜hは、その差分値データに特有の定数である。
次のステップS1013では、画像処理部コントローラ236は、ステップS1012において算出された補正式Icの各係数a〜hを、処理対象走査線データの走査線のy座標値と対応付けて、DRAM237に記録する。記録後、画像処理部コントローラ236は、この処理対象走査線データに対する処理ループL1の実行を終了する。
画像処理部コントローラ236は、ステップS1006においてDRAM237に取り込んだ励起配光データ内の全走査線のデータに対し、以上に説明した処理ループL1を実行し終えると、図8の画質補正用処理を終了する。
以上に説明した画質補正用処理が実行されることによって各y座標値について算出される補正式Icの各係数a〜hは、特殊観察モードにおいて患部画像データが生成される際に利用される。本体装置20の画像処理部20cでは、特殊観察モードを示す信号が制御部20aから入力されると、この入力をトリガーとして、画像処理部20cの画像処理部コントローラ236内の図示せぬCPUが、やはり図示せぬROM内から患部画像データ生成用プログラムを読み出して実行する。すると、画像処理部20cでは、患部画像データ生成処理が開始される。
図10は、患部画像データ生成処理の内容を示すフローチャートである。図10に示されるように、患部画像データ生成処理は、ステップS2001〜S2010からなる。
ステップS2001では、画像処理部コントローラ236は、垂直基線消去信号における第1フィールドの開始タイミングを規定するパルス(図5参照)を受信するまで、待機する(S2001;NO)。そして、第1フィールドの開始タイミングを規定するパルスを受信すると(S2001;YES)、画像処理部コントローラ236は、ステップS2002へ処理を進める。
ステップS2002では、画像処理部コントローラ236は、Cメモリ234cから参照画像データのY成分を読み出し、そのY成分内の各輝度値を配列変数Wn(=x座標値、y座標値)に対応付けて、DRAM237に記録する。
次のステップS2003では、画像処理部コントローラ236は、垂直基線消去信号における第2フィールドの開始タイミングを規定するパルス(図5参照)を受信するまで、待機する(S2003;NO)。そして、第2フィールドの開始タイミングを規定するパルスを受信すると(S2003;YES)、画像処理部コントローラ236は、ステップS2004へ処理を進める。
ステップS2004では、画像処理部コントローラ236は、Cメモリ234cから参照画像データのY成分を読み出し、続いて、そのY成分における最大輝度値から最小輝度値までの階調値が、ステップS2002において読み出した参照画像データのそれと等しくなるように規格化し、規格化したY成分内の各輝度値を配列変数Fn(=x座標値、y座標値)に対応付けて、DRAM237に記録する。
次のステップS2005では、画像処理部コントローラ236は、DRAM237に各係数a〜hが記録されている補正式Ic=axj+bxj−1+…+gx+hを用いて、配列変数Fnに対応付けられている各輝度値を補正する。具体的には、画像処理部コントローラ236は、一つのy座標値に対応する補正式Icを特定した後、配列変数Fnに対応する輝度値のうちのそのy座標値を持つ全ての輝度値のそれぞれに対し、その輝度値のx座標値を当該補正式Icの変数xに代入して得られる値を加算する。画像処理部コントローラ236は、全ての補正式についてこのような処理を行うことによって、配列変数Fnに対応する全ての輝度値を補正した後、補正後の各輝度値を配列変数Ynに対応付けてDRAM237に記録する。
次のステップS2006では、画像処理部コントローラ236は、配列変数Ynから配列変数Wnを減算することによって、補正後の蛍光画像データの各輝度値と参照画像データの各輝度値との差分を算出し(同一の座標における輝度値の差分を全座標のそれぞれについて算出し)、各差分値を配列変数Snに対応付けてDRAM237に記録する。
次のステップS2007では、画像処理部コントローラ236は、配列変数Snに対応付けられている各差分値を各画素の輝度値とする白黒の画像を表示するためのカラーの画像データ(RGBの色成分の画像データ)を生成する。
次のステップS2008では、画像処理部コントローラ236は、ステップS2007において生成された画像データの各画素のうち、配列変数Snに対応付けられている差分値が所定の閾値を上回っている画素については、赤色成分を最大階調値(例えば255)へ変更し、配列変数Snに対応付けられている差分値が上記の閾値を下回っている画素については、青色成分を最大階調値(例えば255)へ変更する。つまり、差分値が最小値から上記の閾値までの間にある場合には、この画像データの画素は、黒色乃至青色の何れかの色を示し、差分値が上記の閾値から最大値までの間にある場合には、この画像データの画素は、赤色乃至白色の何れかの色を示す。
次のステップS2009では、画像処理部コントローラ236は、ステップS2008において各画素の色合いが変更された画像データを、患部画像データとしてDメモリ238に記録する。
次のステップS2010では、画像処理部コントローラ236は、通常観察モードを示す信号を制御部20aから受信しているか否かを、判別する。そして、画像処理部コントローラ236は、通常観察モードを示す信号を制御部20aから受信していないと判断した場合(S2010;NO)、ステップS2001へ処理を戻し、通常観察モードを示す信号を制御部20aから受信していると判断した場合(S2010;YES)、患部画像データ生成処理を終了する。
以上に説明した処理が行われるため、本実施形態の電子内視鏡システムは、以下に記述するように、作用する。
電子内視鏡システムを使用して被検者に対して施術を行う術者は、表示装置30と本体装置20の主電源を投入した後、電子内視鏡10の接続部10dを本体装置20に接続する。そして、術者は、電子内視鏡10の挿入部10aの先端をキャップ40に挿入して、前述した操作部10bのホワイトバランス調節スイッチを操作し、ホワイトバランスを調節するとともに(S1001〜S1004)、特殊観察モードにおいて蛍光画像データを補正するための補正式を決定する処理(S1005〜S1007,L1)を実行させる。
このようにして、電子内視鏡10を使用した観察を行う前にすべき操作を行った後、術者が、電子内視鏡10の操作部10bのスイッチを操作することによって通常観察モードに切り替えると、前述したように、電子内視鏡10の挿入部10aの先端からは、白色光が連続的に射出されるようになる。術者が、白色光を射出している挿入部10aの先端を被検者の体腔内に挿入すると、白色光が体腔内に照射されるようになり、体腔壁の表面に入射した白色光のうちその表面で反射された光により形成されるその体腔壁の画像が、カラーの通常観察画像として表示装置30に映し出される。術者は、この通常観察画像を見ることにより、体腔壁の状態を観察することができる。
次に、術者は、カラーの通常観察画像の観察を通じて選択した部位に対して、励起光を利用する特殊観察を行う場合、電子内視鏡10の操作部10bのスイッチを操作することによって特殊観察モードに切り替える。すると、電子内視鏡10の挿入部10aの先端からは、前述したように、白色光と励起光とが交互に射出され、画像処理部20cの画像処理部コントローラ236が、患部画像データの生成を開始する(S2001〜S2010)。そして、加算回路241では、患部画像データのRGB成分が参照画像データのRGB成分にそれぞれ加算され、参照画像に患部画像がスーパーインポーズされてなる特殊観察画像の画像データが生成され、ビデオ信号の形態で表示装置30へ出力される。これにより、表示装置30には、特殊観察画像が表示される。ここで、前述したように、患部画像データに基づく患部画像の各画素は、黒色乃至青色,及び、赤色乃至白色の何れかの色を示すものとなっており、特殊観察画像は、青黒の中間色,青色,赤色,赤白の中間色,又は、白色の斑点や塊が、体腔壁の輪郭や凹凸を現す参照画像の上に示された画像となっている。この斑点や塊は、参照画像内における相対的に弱い蛍光を発する生体組織の集合体の存在位置を示しており、特に、赤色乃至白色にて示される斑点や塊は、上記の閾値以上の差分値が得られる程度に蛍光の強度が落ち込んでいる生体組織の集合体の存在位置を示している。従って、この閾値が適切に設定されていれば、術者は、この特殊観察画像の赤色乃至白色で示されている斑点や塊の部分を通じて、腫瘍や癌などの病変が生じている可能性の高い部位を、高い精度で認識することができる。
以上に説明したように、本実施形態の電子内視鏡システムは、励起光の強度分布を示す励起配光データの各輝度値を、白色光の強度分布を示す白色配光データの各輝度値に一致させる補正値を算出しておき、特殊観察モードにおいて蛍光画像データと参照画像データとの差分データを算出する前に、蛍光画像データの各輝度値を上記の各補正値にて補正するようにしているので、電子内視鏡の挿入部の先端から射出される白色光と励起光の強度分布が一致しない場合であっても、参照画像データと蛍光画像データの差分を取った際に、体腔内の陰影を正確に排除することができ、患部画像内において病変部でない部分が病変部として示されてしまうことがなくなる。
また、本実施形態の電子内視鏡システムは、白色光の波長と蛍光の波長との相違による撮像素子の感度の差が参照画像データと蛍光画像データとに影響している場合であっても、その波長の相違による影響を、上記の補正値にて蛍光画像データの各輝度値を補正することより、解消している。
さらに、本実施形態の電子内視鏡システムでは、白色配光データと励起配光データとの各差分値を補正値として図示せぬEEPROM等に記憶しておいても良いが、各差分値を各座標値から算出できる近似式(一元高次多項式)を補正式として記憶しておけば、多くの記憶容量を必要とせず、また、走査線のデータ量を一単位としてこの単位毎に蛍光画像データを端から順に補正していくことができる。