JP2005345282A - 磁性体内部構造測定方法及び装置 - Google Patents

磁性体内部構造測定方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁性体の複数位置における局所的な磁束の時間変化を測定して磁性体の内部構造を測定する方法において、測定信号のS/N比を改善する。
【解決手段】 励磁コイル4により磁性体2の非測定部に印加された静磁場を遮断し、静磁場の遮断後の被測定部全体に生起する磁束の変化I1と被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化I3 iを測定し、被測定部全体に生起する磁束の変化の測定値を回帰し、次いで複数の局所的な磁束の変化を回帰して、複数の局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求め、その係数と減衰定数により磁性体の内部構造を予測する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、磁性体を測定する方法及び装置に関し、具体的には、鉄鋼板等の磁性体の溶接状態、内部欠陥、又はひずみや応力の分布等の内部構造を非破壊で測定する方法および装置に関する。
従来から、磁性体鋼板の内部状態を非破壊で測定・検査することが行なわれている。その一例として、鋼板の溶接部の検査がある。自動車産業はじめ各種薄板金属製品の組立には、スポット溶接が一般的に用いられている。スポット溶接は、重ね合わせた金属の母材を、先端を適当に成形した電極の先端ではさみ、比較的小さい部分に電流を集中して局部的に加熱し、同時に電極で加圧して行う抵抗溶接である。
通常スポット溶接部は図13に示す断面構造となる。溶接部の表面は、加圧によって溶接部外に比べ凹んでおり(インデテーション部)、凹みの寸法をインデテーション径という。溶接部の内部は、溶接部の中心であるナゲット部(溶着部)とその周辺の圧着部とで形成される。ナゲット部は、金属が一旦溶融して固化した部分である。一方、圧着部は、金属の表面同士で圧着された部分である。ナゲット部の寸法をナゲット径といい、ナゲット部と圧着部との和(実際に接合している部分)の寸法を接合径という。スポット溶接では、重ね合わせた金属の母材を点で溶接するが、不要な溶接点数を増やさないため溶接強度が十分であるか否かを検査する場合が多い。
溶接強度の測定を非破壊的に行なう方法として、従来から、高周波電流を流したコイルにより発生した交流磁界を、スポット溶接部に印加し、その結果発生したコイルのインダクタンスの変化からスポット溶接部の良否を判定する方法が知られている。この従来の方法は、ナゲット部とナゲット部外とではそれらの透磁率が変化する性質を利用して、透磁率の変化をインダクタンスの変化として検出し、スポット溶接部の良否を判定するものである(特許文献1参照)。
最近、静磁場を利用して、ナゲット径のみならずインデテーション部を含む磁性体の種々の内部構造を非破壊で測定する方法が提案された(特許文献2参照)。この方法は、被測定物に静磁場を印加して被測定物を磁化させ、静磁場を遮断した後に、被測定物の近傍の複数位置における局所的な磁束の時間変化を測定するものであり、交流磁界を用いる方法に伴う周波数の変動に起因する測定値のばらつきの問題等が起こらないものである。
静磁場を印加したときに生成される磁束の大きさ、および静磁場が遮断された時に磁束が時間的に減衰していく時定数は、磁束の通過する磁性体内部の磁気抵抗(あるいはインダクタンス)や磁束の戻り難さ(ヒステリシス)、磁性体の電気抵抗に影響されて変化する。更に、磁束の時間変化が、磁束の時間変化を測定する手段に対して、どの程度の信号を誘起するかは、被測定物である磁性体と測定手段の空間的配置により決まる。このため、静磁場が印加されたときに生じる局所的な磁束の強さや、局所的な時間的に減衰していく磁束が測定手段に対してどのような信号を誘起するのかは、磁性体の内部構造を反映した分布を有する。
この方法によれば、磁束の変化を、静磁場によって生起された第1の磁束の減衰に対応する変化と、第1の磁束の減衰により誘導される渦電流によって生起される第2の磁束の減衰に対応する第2の磁束の変化との合成と考え、これら2つの減衰の時定数を用いて内部構造を予測することができる。
特開平5−149923号公報
特許第3098193号公報
特許文献1に開示された方法によって、磁性体の種々の内部構造が予測できるようになったが、さらにS/N比を上げ、より正確な測定を可能とすることが課題となっている。本発明は、このような課題に鑑み、磁性体である被測定物の近傍の複数位置における局所的な磁束の時間変化を測定することにより磁性体の内部構造を測定する方法及び装置において、磁束の時間変化の発生機構を詳細に見直して、さらに正確に磁性体の内部構造を測定する方法および装置を提供する。なお、本発明で用いる「内部構造」は、機械的な構造のみではなく、磁気的性質や化学組成などを含む広い意味を含む。
本発明の磁性体内部構造測定方法は、磁性体の非測定部に静磁場を印加する工程と、前記静磁場を遮断する工程と、前記静磁場の遮断後の前記被測定部全体に生起する磁束の変化を測定する工程と、前記静磁場の遮断後の前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を測定する工程と、前記被測定部全体に生起する磁束の変化の測定値を回帰し、次いで前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を回帰して、前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める工程と、前記回帰関数の係数と減衰定数の少なくとも1つに基づいて磁性体の内部構造に関する特性値を求める工程とを備える。
前記被測定部全体に生起する磁束の変化の測定値を回帰する工程は、前記被測定部全体に生起する磁束の変化を、励磁電流とこれに対応する被測定部全体の渦電流に起因するとして回帰する工程を含むようにしてもよい。
また、前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める工程は、前記静磁場の遮断により誘導された局所的な磁束の変化と、前記静磁場の遮断により被測定部全体に誘導される渦電流により生起される磁束の変化と、前記静磁場の遮断により測定位置に誘導される局所的な渦電流により生起される磁束の変化と、前記局所的な磁束の変化を測定する手段の過渡応答と、を合成して前記回帰関数を求める工程を含むようにしてもよい。
さらに、前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める工程は、前記静磁場の遮断により誘導された局所的な磁束の前記静磁場遮断時の大きさと遮断後の減衰定数と、前記局所的な渦電流により生起される磁束の前記静磁場遮断時の大きさと遮断後の変化の時定数と、前記局所的な磁束の変化を測定する手段の過渡応答の前記静磁場遮断時の大きさと遮断後の減衰定数との少なくとも一つを求める工程を含むようにしてもよい。
さらに、前記静磁場を生成する励磁電流の変化を測定する工程は、前記静磁場を励磁コイルにより生成し、前記静磁場遮断後の励磁コイル電流を直接測定する工程を含むようにしてもよい。
本発明の磁性体内部構造測定装置は、磁性体の非測定部に静磁場を印加する手段と、前記被測定部全体に生起する磁束の変化を測定する手段と、前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を測定する手段とを備え、前記静磁場の遮断後の前記被測定部全体に生起する磁束の測定値と前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の測定値に基づいて、前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める手段と、前記回帰関数に基づいて磁性体の内部構造に関する特性値を求める手段とを備える。
ここで、静磁場は励磁コイルにより印加するようにしてもよい。また、励磁コイル電流を測定して、被測定部全体に生起する磁束の変化を測定するようにしてもよい。さらに、複数位置に生起する局所的な磁束の変化を測定するために、直列にインダクタを接続したコイルを用いて測定するようにもできる。
このように、非測定部全体に印加されている磁束の時間変化を求めた上で、これを反映して複数の微小部分のピックアップコイル信号の変化を求めるようにしたので、従来のものより正確なモデルが構築でき、S/N比が大きな測定信号を得ることが可能となった。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施形態の測定装置の概略構成とその動作とを示す概略図である。この測定装置は、フェライトからなる鉄心1を備える巻数nの励磁コイル4と、試料である鋼板2近傍の磁束密度変化を検出するアレーセンサ3とを備えている。アレーセンサ3は、複数の磁気センサを一列にならべてなるもので、磁束の変化を検出できるように所定の間隔で保持されている。磁気センサは、ホール素子など各種センサが使用可能であるが、本実施形態では、ピックアップコイルを使用する。図には、i番目の磁気センサに対応する抵抗r3 iを示す。励磁コイル4を駆動する励磁コイル駆動回路5は、電圧源VとスイッチSWと抵抗Rからなる。静磁場を印加する場合は、スイッチSWをオンにし、静磁場を遮断するにはスイッチSWをオフにする。静磁場遮断による被測定物近傍の磁場の変化により誘起される磁気センサの電流は、抵抗r3 iで電圧に変換して出力する。アレーセンサ3を構成する各磁気センサ出力は、図示しない切換選択回路により一出力のみが選択されて順次出力される。ピックアップコイルの負荷抵抗r3 iとして、各コイルに共通のもの1つr3を用いることもできる。
本実施形態では、この装置により、鋼板2の溶接部に静磁場を印加し、その後、静磁場の遮断を行って、遮断後の磁束密度の変化をアレーセンサ3によって測定し、鋼板2の溶接部を判定するものである。本発明では、静磁場の遮断後の磁束変化を与えるモデルとして、以下に説明するモデルを仮定する。
図2は、スイッチSWをオンにして、静磁場を鋼板2に印加した状態を示す。スイッチSWをオンにすることにより電圧源Vによる電圧が励磁コイル4に印加される。励磁コイル4に流れる励磁電流I1によって生成された磁束φは、鋼板2の透磁率が高いことからそのほとんどが鋼板2内を通過し、励磁コイル4を貫流する。図には、アレーセンサ3を構成するi番目のピックアップコイル3iを示した。静磁場が遮断されると、静磁場の減衰に応答してピックアップコイル3iに電流が流れ、負荷抵抗r3 iにより電圧に変換して、ピックアップコイル3iを貫流する磁束の変化を検知することになる。
この時、図3に示すような、その中では磁束密度が概略一様とみなせる微小領域を考える。ここでは、ピックアップコイルに囲まれた微小面積を有する磁気回路で磁束密度がほぼ一様であるとする。図には、i番目のピックアップコイル3iに囲まれた磁気回路6iを示した。図示のように、この領域で鋼板に入る磁束は途切れることなく貫流する。磁気回路6iに働く起磁力は、巻数nの励磁コイルに流れる電流I1によるものだけであるから、nI1となる。一方、この微小面積の磁気回路の磁気抵抗は、鉄心と試料(鋼板)とエアギャップの各々の磁気抵抗の和Riとして求められる。したがって、この局所的な磁気回路6iを貫流する磁束Niは、起磁力nI1を磁気抵抗Riでわって、すなわちnI1/Riとして求められる。スイッチSWがオンされることにより生成される静磁場の磁束Niは、鋼板の局所的な透磁率μ2、鋼板表面の凹みなどによって増減する局所的なエアギャップの大きさなどを反映したものになる。なお、励磁コイル全体を貫流する磁束による磁気回路は、局所的な磁気回路を並列に合成した回路とみなせるから、その磁気抵抗は、局所的な磁気回路の磁気抵抗Riの並列抵抗として求められる。
図4は、スイッチSWをオフにして静磁場を遮断した状態である。励磁コイル電流I1は負荷抵抗r1によって消費されて減少してゆく。この時、起磁力も小さくなっていくので、磁路6iを貫流している磁束も小さくなり始める。すると、導電性物質である鋼板2内部には、この磁束の減少に抗して渦電流I2 iが流れる。この渦電流は鋼板2の電気抵抗r2 iで消費されて減少する。一方、ピックアップコイル3iについても、コイルに囲まれた磁束が減少し始めるので、過渡的に応答し、起電力が生じる。この起電力により抵抗r3 iで規定された電流I3 iが流れ、I3 i×r3 iを電圧として計測できる。
このように、静磁場を遮断したときは、静磁場を定常的に印加している状態とは異なって、磁気回路6iに関する起磁力として、励磁コイルを流れる励磁電流I1のほかに、渦電流I2 iとピックアップコイルに流れる電流I3 iとが存在することになる。
以下、静磁場を遮断したときの磁束の変化の状態を正確に記述する式を立てる。まず、励磁コイル4を流れる電流I1による励磁回路を考えると、励磁コイル4にはほとんどすべての磁束が貫流し、全磁束Ntotの時間微分に巻数nを乗じた起電力が発生する。また、キルヒホッフの法則により閉回路の起電力の代数和は、閉回路における電圧降下の代数和に等しいから、
Figure 2005345282
となる。ここで、ピックアップコイルを流れる電流については、j番目のピックアップコイルのみが閉の状態で電流I3 jのみが流れ、他のコイルは開で流れないとしている。
渦電流I2 iが流れる試料の等価回路では、i番目の磁気回路を考えればよく、発生する渦電流は抵抗r2 iで消費され、
Figure 2005345282
となる。
ピックアップコイルに流れる電流I3 iによるピックアップ回路では、本例ではピックアップは1ターンで形成され、電流I3 iはピックアップコイルの負荷抵抗r3で消費されるので、
Figure 2005345282
となる。
式(1)、(3)及び(5)を、自己誘導係数L及び相互誘導係数Mを導入して変形すると、励磁回路、試料等価回路、ピックアップ回路について、以下の式(6)〜(8)が導かれる。
Figure 2005345282
ここで、励磁回路の式(6)では、全体の電流を考えているので、渦電流(試料等価回路)との相互インダクタンスM12についても磁気回路の総和Σを考慮している。なお、ピックアップコイルを流れる電流については、先に説明したように、閉状態のi番目のピックアップコイルのみに電流I3 iが流れているとしている。
以上のように、本発明のモデルでは、磁束の変化に影響を与える電流として、励磁コイルを流れる電流I1、渦電流I2 i及びピックアップコイルに流れる電流I3 iに着目した。渦電流I2 iは測定できないので、励磁コイルを流れる電流I1とピックアップコイルに流れる電流I3 iを測定する必要がある。
図5は、本発明の一実施形態の測定回路の概念図を示す。磁気シールドSHを備えた励磁コイル4により、試料に静磁場を与える。励磁コイル4を励磁するための励磁電流を供給する励磁コイル駆動回路5が、電圧源Vと抵抗r1と半導体スイッチSWとから形成されている。半導体スイッチSWがオンのときには、電圧源V、励磁コイル4及び半導体スイッチSWの回路により励磁コイル電流が流れ、コイル4により静磁場が形成されている。半導体スイッチSWがオフになると、励磁コイル4に生起する起電力によって抵抗riに電流が流れる。そのときの磁束の変化をアレーセンサ3を構成するピックアップコイルが検出し、検出信号を出力する。図には、i番目(例えば、1≦i≦15)のピックアップコイル3iからの信号がi番目の入力切換えスイッチSiから入力されることを示す。さらに、本実施形態では、励磁コイル電流の変化も入力切換えスイッチS0から入力される。入力された信号は増幅部Ampで増幅され、信号処理回路に出力される。
このような回路を用いると、励磁コイルを流れる電流I1とピックアップコイルに流れる電流I3 iが検出され、切替えスイッチS0,Siにより信号として出力される。特に、静磁場全体の変化を励磁コイル電流の変化により直接信号処理回路に入力できるので、本発明を実施するのに好適である。
連立方程式(6)〜(8)によって、i番目のピックアップコイルに流れる電流I3 iをほぼ完全に記述されると考えられる。したがって、連立方程式(6)〜(8)を解けば、静磁場遮断の後の磁束密度の変化が完全にわかることになる。しかしながら、これを解くためには、全磁路にわたって磁束密度が一様な微細領域ごと、例えば20〜30の領域ごとに連立させる必要がある。したがって、連立方程式(6)〜(8)のままでは数値計算以外にI3 iを求めることはできない。
そこで、本発明では、ピックアップコイル電流I3 iを実質的に記述するような近似を採用し、必要なら補正項を挿入して解を得るようにする。以下に詳細に説明するように、式(6)、(7)から全体としての磁束の変化すなわち減衰する励磁コイル電流I1及びこれに対応する渦電流総体を適切な近似により求め、次いで求められた励磁コイル電流I1及び渦電流に基づいて、式(7)(8)から局所的な磁束の変化すなわちピックアップコイル電流I3 iを近似的に求める。
まず、励磁コイル電流(励磁回路)を記述する方程式(6)においては、励磁コイル電流を測定する場合は、ピックアップコイルの回路はオフとなっており、ピックアップコイルI3 iは無視できる。また、渦電流I2 iは総体として、励磁コイル電流と結合していると考えることができ、合成電流I2 effとしてとりあつかうことができる。
一方、渦電流(試料等価回路)を記述する方程式(7)についても、微小磁気回路についての総和すなわち合成電流I2 effをとりあつかう。やはり、ピックアップコイルに流れる電流は無視でき、励磁コイル電流I1と全体としての渦電流I2 effは、以下の2つの連立方程式(9)(10)として表現される。
Figure 2005345282
この連立方程式(9)(10)は簡単に解けて、初期条件I1=0、I2 eff=0および、L1dI1/dt+M12 effdI2 eff/dt=0、L2 effdI2 eff/dt+M12 effdI1/dt=0とすると、以下のようになる。
Figure 2005345282
このように励磁コイル電流I1は、2つの指数関数の和として記述される。ここで、I2 effは、試料に発生する渦電流で直接計測できない。計測対象は、励磁電流I1のみが計測対象である。
ここで、この励磁電流I1を評価するために、試料がフェライトのような磁性体で電気伝導度が極めて低い場合を考える。この場合は渦電流は流れない(I2 eff=0)ので、式(9)は減衰定数α1=r1/L1による単純な減衰を表す式となり、その解は次のように、単一の指数関数で表せる。
Figure 2005345282
図6は、試料として、励磁コイルの鉄心と同じフェライトを用いた場合の、励磁コイル電流の減衰の様子を示す図である。図には、測定値100を式(13)の指数関数を用いて経過時間15〜52の範囲でフィッティングした結果200を示している。回帰残差300を図の下部に示す。図からわかるように、長時間に亘ってフィットしようとすると、経過時間の小さいところでフィッティングのずれが大きくなっている。これは、励磁コイルの自己インダクタンスL1と負荷抵抗r1で決まる減衰定数λAが、比較的長時間で励磁コイル電流が減衰してゆく場合、自己インダクタンスL1が時間に依存しないで一定と考えることができないことを示している。すなわち、励磁電流が減少し磁界が減少するとともに、自己インダクタンスL1を規定する透磁率μが変化することを取り込む必要がある。このように自己インダクタンスの時間微分を考慮すると、式9は次のようになる。
Figure 2005345282
この式は、変数分離により積分することができるが、その解は励磁コイル電流I1を陽に表さないので、近似関数として、時間tの2乗に比例する成分を考慮した
Figure 2005345282
を考えると、励磁コイル電流I1の減少する様子をよく表現することがわかった。図7は、先ほどのフェライトの例を式15により経過時間20〜52でフィットした図である。図7においても、測定値100、回帰関数200、残差300として示してある。先の例と比較すると、非常によく合っていることがわかる。
このようにして、励磁コイル電流と試料全体の渦電流を表現する関数として、以下のものを用いるとよいことがわかった。
Figure 2005345282
先の式と比較すると、先の式ではλA(t)はλA・tであったのが、この式では、λA・t+λA2・t2とt2に比例する補正項が付加されている。なお、渦電流は急速に減少するので、渦電流による項については時間に比例するλB・tのみの項で表現される。
ここで、実際の鋼板の溶接部について測定した1例を、図8に示す。これは、スポット溶接部を計測して式16により励磁コイル電流の減衰の様子をフィットした結果である。回帰関数200に、定常項である電流減衰項400のほかに、過渡項として渦電流項500が現れている。この項は、測定中磁束の流れる全領域が磁束の変化に対し渦電流を発生させて応答し、これが励磁回路と結合した結果現れたものと解釈できる。
次に、連立方程式(7)(8)の解として与えられるピックアップコイル電流I3 iを記述する式を求める。ピックアップコイル電流は、試料全体の渦電流と結合した励磁コイル電流によって駆動され、同時にピックアップコイル直下(同じ微小な磁気回路上にある)の渦電流とのみ結合していると解釈される。従って、ピックアップコイル電流I3 iは、インダクタンスの時間依存性は無視して、以下の連立方程式により記述される。
Figure 2005345282
以下、式の導出過程は省略して概略を説明する。まず、上式を満足するピックアップコイル電流I3 iは、I1が無い場合の一般解である過度応答項と、特解であるIi(t)の2つの指数関数入力に独立に応答する項の和で表現される。すなわち減衰定数λciのピックアップコイル自体の電流に起因する項、減衰定数λA(t)の励磁コイル電流に起因する項及び減衰定数λBの渦電流全体に起因する項の線形和として表されるとし、次式により与えられるものと仮定する。
Figure 2005345282
そして、一般解と特解とを求め、減衰係数λ及び各係数A〜Cを決定する。ここで、係数A3 iについては、時間tに依存することを考慮して微分を行うことに注意する。さらに初期条件をI2 i=I3 i=0および、L2 idI2 i/dt+M23 idI3 i/dt+M12 idI1/dt=0、L3 idI3 i/dt+M23 idI2 i/dt+M13 idI1/dt=0として、計算すると、ピックアップコイル電流I3 iは、以下のように表される。
Figure 2005345282
ここで、各係数は、
Figure 2005345282
であり、各減衰定数は、
Figure 2005345282
となる。
以上のとおり、添え字iの付いた諸量は、ピックアップコイルを貫通する局所的な磁気抵抗を反映するので、添え字iの付いた減衰定数λc及び係数A〜Cなどが非破壊検査に用いることができる。たとえば、溶接部の非破壊検査では、従来の特許第3098193号公報と記載と同様に、λc1 iの分布の急変化点を求めることにより、ナゲット部の形状・寸法を求めることができ、λc2 iの分布の急変化点を求めることにより、接合部の形状・寸法を求めることができる。
本実施形態では、励磁コイル電流I1の減衰を得て、次にピックアップコイル信号I3 iを得るようにしたので、ピックアップコイル信号I3 iをさらに正確に求めることができる。さらに、励磁コイル電流I1を直接計測すれば、ピックアップコイル信号I3 iを処理する上で便利である。すなわち、励磁コイル電流I1の回帰により、減衰定数λA、λBを決めることができるからである。また、減衰定数λA、λBは、試料と励磁コイルで囲まれた全体の磁気抵抗を反映するので。センサが試料に正しく接しているか否かの判断に使うこともできる。
また、例えば溶接部と母材とでは、B−Hカーブの立ち上がりが異なる、すなわち溶接部では凹みができ、溶接部の溶融とあいまって磁気抵抗が高くなる。したがって、溶接部と母材とでは、励磁条件を変えて測定を行なうと、その変化分が相違することになる。したがって、励磁条件を変えて2回測定を行ない、係数又は減衰定数の差をみることによって溶接部と母材部を区別することができる。このように励磁条件を変えて複数回測定を行い、得られる係数又は減衰定数又はその両方を比較することによっても、試料の内部構造を推定することができる。
さらに、ピックアップコイルに直列にインダクタを挿入し、ピックアップコイル電流自体の減衰定数を、励磁コイルの減衰定数の10倍程度に固定するようにすると、これにより、減衰定数λc1、λc2の1つを強制的に固定できる。このようにすると、回帰式を決める過程が容易になる。
最後に、本実施形態の測定方法は、次のようにまとめることができる。
(1)励磁コイル電流を測定する。
(2)励磁コイル電流I1A(t)の減衰を、次式を回帰関数としてフィットする。
Figure 2005345282
(3)渦電流成分I1B(t)を、励磁コイル電流の減衰の残差より、次式を回帰関数として、フィットする。
Figure 2005345282
(4)i番目のピックアップ信号I3 i(t)中の、励磁コイル電流(及び渦電流成分)の変化に起因する部分I1 i(t)として、次式を回帰関数としてフィットし、係数A3 i、B3 iを決定する。
Figure 2005345282
(5)i番目のピックアップ信号I3 i(t)を、次式を回帰関数としてフィットする。
Figure 2005345282
(6)以上のように決定されたピックアップ信号I3 i(t)の係数と減衰定数により、内部構造を推定する。
ここで、本実施形態は、本発明を実施する一例であり、回帰関数の形態や係数及び減衰定数の時間依存性は適宜選択されるものである。例えば、本実施形態では、励磁コイル電流をフィットするために、時間tの2乗の項を挿入したが、空芯コイルを使用する場合など必要性を考慮して、この項を除いた通常の指数関数を用いてもよい。また、係数Aiについても、時間tに依存させない場合も考えられる。更に、便宜的には、減衰定数の近いC31 ixp(−λc1t)とB3 iexp(−λBt)を一つの関数としてフィットすることも有効である。
(実施例1)
軟鋼(板厚1.2mm、TS270MPa級)板のスポット重ね溶接において、ナゲット直径が十分大きい溶接(4√t、t:板厚mm)継ぎ手と、ほとんど溶融していない圧接状態の継ぎ手とを製作し、本発明を適用して非破壊検査を試みた。
励磁コイル電流に約0.33Aを流し、遮断した後の励磁コイル抵抗r1(図1)の電圧を計測し、また、ピックアップコイル個々について、負荷抵抗r3 iの電圧を計測し、ピックアップコイルの信号を得た。図9に、ピックアップコイル信号を計測した結果の一例を示す。
励磁コイル電流による信号は、式(16)に従って回帰を行い、各ピックアップコイル(この場合、コイルNo.0〜15)についてのピイクアップコイル信号は、式(23)に従って回帰を行った。
図10(a)、(b)は、それぞれ圧接状態の継ぎ手と溶接されたナゲット直径4√tの継ぎ手とで、係数A3 iを求め、両端の値(コイルNo.0と15)の相対値として図示したものである。図の横軸は、コイル番号で、縦軸がA3 iの相対値である。図10(a)に示す、圧接状態の係数A3 iが示す凹みに比較し、図10(b)に示す、ナゲット直径4√tの溶接部の係数A3 iの示す凹みが深くなっている。これにより、圧接状態と溶融状態の区別ができることがわかる。この図をもとに、たとえば、図の凹みの深さあるいは面積を求めてパラメータにして、溶融状態の尺度とすることが可能である。
なお、この場合、式(23)に従って4つの関数の全てをフィットする必要はなく、励磁コイル電流計測値の回帰からλA(t)を決めてしまえば、計測の後半データ、図9の場合では、時刻25以降の計測値とexp(−λA(t))の比から、係数A3 iを決めることができる。更に、こうした測定を異なった励磁条件で複数回行い、それらの相互の値(凹みの深さや面積など)から溶融状態を決めることもできる。
(実施例2)
係数A3 iの他に、他の回帰結果を計測に用いることもできる。ここでは、係数C31 iおよび指数λc1 iを用いた方法を説明する。図11に、実施例1のピックアップコイル信号の1つに対して、係数A3 iを用い、また簡単のために単純な指数関数A3 iexp(−λAt)用いて、回帰した結果を示す。ここで、図中の斜線部の面積は、渦電流成分に対応し、係数C31 iの値を反映している。
図12(a)、(b)は、それぞれ圧接状態と溶接状態における個々のピックアップコイルについて、図11の斜線部の面積を測定し、両端(コイルNo.0と15)の測定値との相対値として図示したものである。図の横軸は、コイル番号で、縦軸は、渦電流成分に対応する図11の斜線部の面積相対値である。この場合の励磁電流は、約0.48Aである。図12(a)に示す圧接状態の図に比較し、図12(b)に示すナゲット直径4√tの溶接部の図では、大きく上に凸になっており、圧接状態と溶融状態の区別ができることがわかる。この凸部の面積は、励磁条件に対する挙動がA3 iとは異なり、A3 iの補助パラメータとして用いることができる。
本発明の測定装置の概略を示す図である。 本発明の測定装置の磁気回路を説明する図である。 本発明の測定装置のピックアップコイルに囲まれた磁気回路を説明する図である。 本発明の測定装置の励磁電流を遮断後の磁束の変化を説明する図である。 本発明の測定回路の一例を示す図である。 フェライト試料に静磁場を印加した励磁コイル電流を本発明に従って回帰した一例を示す図である。 フェライト試料に静磁場を印加した励磁コイル電流を本発明に従って回帰した他の例を示す図である。 鋼板の溶接部に静磁場を印加した励磁コイル電流を本発明に従って回帰した一例を示す図である。 ピックアップコイル信号の一例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ、圧接状態と溶接状態の係数A3 iの相対値を示す図である。 ピックアップコイル電流の回帰結果の一例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ、圧接状態と溶接状態との図11の斜線部の面積の相対値を示す図である。 一般的なスポット溶接部の断面構造を示す図である。
符号の説明
1…鉄心
2…試料(鋼板)
3…アレーセンサ
4…励磁コイル
5…励磁コイル駆動回路
1…励磁コイルの負荷抵抗
2 i…試料(鋼板)の抵抗
3 i…ピックアップコイルの抵抗

Claims (17)

  1. 磁性体の非測定部に静磁場を印加する工程と、
    前記静磁場を遮断する工程と、
    前記静磁場の遮断後の前記被測定部全体に生起する磁束の変化を測定する工程と、
    前記静磁場の遮断後の前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を測定する工程と、
    前記被測定部全体に生起する磁束の変化の測定値を回帰し、次いで前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を回帰して、前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める工程と、
    前記回帰関数の係数と減衰定数の少なくとも1つに基づいて磁性体の内部構造に関する特性値を求める工程と
    を備える磁性体内部構造測定方法。
  2. 前記静磁場遮断後の前記被測定部全体に生起する磁束の変化を測定する工程は、前記静磁場を生成する励磁電流の大きさとその変化を測定する工程を含む請求項1に記載の磁性体内部構造測定方法。
  3. 前記前記被測定部全体に生起する磁束の変化の測定値を回帰する工程は、前記被測定部全体に生起する磁束の変化を、励磁電流とこれに対応する被測定部全体の渦電流に起因するとして回帰する工程を含む請求項1に記載の磁性体内部構造測定方法。
  4. 前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める工程は、
    前記静磁場の遮断により誘導された局所的な磁束の変化と、
    前記静磁場の遮断により被測定部全体に誘導される渦電流により生起される磁束の変化と、
    前記静磁場の遮断により測定位置に誘導される局所的な渦電流により生起される磁束の変化と、
    前記局所的な磁束の変化を測定する手段の過渡応答と、
    を合成して前記回帰関数を求める工程を含む請求項1又は2に記載の磁性体内部構造測定方法。
  5. 前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める工程はさらに、
    前記静磁場の遮断により誘導された局所的な磁束の前記静磁場遮断時の大きさと遮断後の減衰定数と、前記局所的な渦電流により生起される磁束の前記静磁場遮断時の大きさと遮断後の変化の時定数と、前記局所的な磁束の変化を測定する手段の過渡応答の前記静磁場遮断時の大きさと遮断後の減衰定数との少なくとも一つを求める工程を含む請求項4に記載の磁性体内部構造測定方法。
  6. 前記静磁場を生成する励磁電流の変化を測定する工程は、前記静磁場を励磁コイルにより生成し、前記静磁場遮断後の励磁コイル電流を直接測定する工程を含む請求項2に記載の磁性体内部構造測定方法。
  7. 前記静磁場を生成する励磁電流の変化を測定する工程は、前記静磁場遮断後の励磁コイル電流の変化を、励磁コイル電流の定常応答と被測定部全体に誘導される渦電流により生起される励磁コイル電流の過渡応答の合成とみなして2つの指数関数で回帰してそれぞれの減衰定数を求め、前記被測定部近傍の複数位置における局所的な磁束の変化より、前記2つの指数関数の係数を求める工程を含む請求項6に記載の磁性体内部構造測定方法。
  8. 前記静磁場の遮断後の前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を測定する工程は、前記局所的な磁束を測定する手段として直列にインダクタを接続したコイルを用い、前記コイル自身の過渡応答の減衰定数を強制的に決定して測定する工程を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁性体内部構造測定方法。
  9. 前記静磁場の条件を変えて2回測定を行い、各回の測定値の差を求める工程さらに備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁性体内部構造測定方法。
  10. 磁性体の非測定部に静磁場を印加する手段と、
    前記被測定部全体に生起する磁束の変化を測定する手段と、
    前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を測定する手段とを備え、
    前記静磁場の遮断後の前記被測定部全体に生起する磁束の測定値と前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の測定値に基づいて、前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める手段と、
    前記回帰関数に基づいて磁性体の内部構造に関する特性値を求める手段と
    を備える磁性体内部構造測定装置。
  11. 静磁場を印加する手段は、励磁コイルである請求項10に記載の磁性体内部構造測定装置。
  12. 前記被測定部全体に生起する磁束の変化を測定する手段は、励磁コイル電流を測定する手段を含む請求項11に記載の磁性体内部構造測定装置。
  13. 前記静磁場の遮断後の前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を測定する手段は、直列にインダクタを接続したコイルであり、前記コイル自身の過渡応答の減衰定数を強制的に決定して測定することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の磁性体内部構造測定装置。
  14. 前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める手段は、前記静磁場の遮断直後の前記複数位置における局所的な磁束の大きさと遮断後の前記複数位置における局所的な磁束の減衰定数を求めることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の磁性体内部構造測定装置。
  15. 前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める手段は、
    前記静磁場の遮断により誘導された局所的な磁束の変化と、
    前記静磁場の遮断により被測定部全体に誘導される渦電流により生起される磁束の変化と、
    前記静磁場の遮断により測定位置に誘導される局所的な渦電流により生起される磁束の変化と、
    前記局所的な磁束の変化を測定する手段の過渡応答と、
    を合成して前記回帰関数を求めることを特徴とする請求項14に記載の磁性体内部構造測定装置。
  16. 前記被測定部近傍の複数位置に生起する局所的な磁束の変化を表す回帰関数を求める手段はさらに、
    前記静磁場の遮断により誘導された局所的な磁束の前記静磁場遮断時の大きさと遮断後の減衰定数と、前記局所的な渦電流により生起される磁束の前記静磁場遮断時の大きさと遮断後の変化の時定数と、前記局所的な磁束の変化を測定する手段の過渡応答の前記静磁場遮断時の大きさと遮断後の減衰定数との少なくとも一つを求めることを特徴とする請求項15に記載の磁性体内部構造測定装置。
  17. 前記静磁場を生成する励磁電流の変化を測定する手段は、前記静磁場遮断後の励磁コイル電流の変化を、励磁コイル電流の定常応答と被測定部全体に誘導される渦電流により生起される励磁コイル電流の過渡応答の合成とみなして2つの指数関数で回帰してそれぞれの減衰定数を求め、前記被測定部近傍の複数位置における局所的な磁束の変化より、前記2つの指数関数の係数を求めることを特徴とする請求項16に記載の磁性体内部構造測定装置。
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