JP2005344180A - プラズマアシスト蒸着装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蒸着物質の1層目を成膜する前のコントロールガスのガス流量X1と、発光強度l1、電流値a1、インピーダンスr1を測定するステップS01を有する。また、第1の蒸着膜を成膜する直前の発光強度l2、電流値a2、インピーダンスr2を測定し、それらの値を用いてガス流量X2〜X4を求め、それらの値から第2の蒸着膜を成膜する際のコントロールガスのガス流量X5を算出するステップS06を有する。また、求めたガス流量X5に基づいて、コントロールガスのガス供給口を制御してガス流量を制御し、蒸着物質の成膜を行うステップS07を有する。
【選択図】図1
Description
プラズマアシスト蒸着装置の内壁に蒸着物質が付着すると、装置内の電磁場の状態が変化してしまう。プラズマの分布は、周囲の電磁場等の状態によって大きく影響されるため、成膜が進むにつれてプラズマの状態が変化すると、成膜している蒸着膜の性質(屈折率など)にも影響を与え、所望の膜質が得られないという問題があった。
プラズマアシスト蒸着装置1は、プラズマガン2、ルツボ3a及び3b、回転機構部4、基板ドーム5、防着板7、ビューポート8、発光モニタ9、抵抗10により構成される。
本実施形態では、SiO2とTiO2の2つの蒸着膜を交互に基板6上に成膜する場合について説明する。
プラズマアシスト蒸着装置1の下部には、プラズマガン2が設置される。プラズマアシスト蒸着装置1外のプラズマガン2内部では、Ar(アルゴン)ガスのプラズマが生成される。生成されたArプラズマは、プラズマアシスト蒸着装置1外のプラズマガン2内部のコイル、及び、プラズマアシスト蒸着装置1内のプラズマガン2内部のコイル2aを用いて磁場を制御することにより、アノード2bを介してプラズマアシスト蒸着装置1内に導かれる。
ルツボ(3a、3b)内の蒸着材料は、EB(Electron-Beam)ガン(図示省略)から発せられる電子により熱せられ、プラズマアシスト蒸着装置1内に蒸発して拡散していく。なお、ルツボ3a、3bの上部には、それぞれシャッタ3c、3dが設けられている。シャッタ3c、3dを開閉することによりルツボ3a、3b内の蒸着物質をプラズマアシスト蒸着装置1内に拡散させるかどうかを制御することができるようになっている。
なお、プラズマアシスト蒸着装置1の側面は、金属で形成されるが、蒸着膜を形成する際に蒸着物質がプラズマアシスト蒸着装置1の側壁に付着するという問題がある。この問題を解決するために、プラズマアシスト蒸着装置1の側壁には防着板7が取り付けられている。
また、プラズマアシスト蒸着装置1の側面であって、プラズマガン2のアノード2bの高さに相当する部分には、プラズマアシスト蒸着装置1内部におけるプラズマガン2のアノード2b付近の発光状態を観察するためのビューポート8が形成される。
なお、本実施形態では、ガス供給口からプラズマアシスト蒸着装置1に供給するコントロールガスとしてO2(酸素)を使用する場合について説明する。
プラズマアシスト蒸着装置1のビューポート8の外側には、プラズマガン2のアノード2b付近の発光における特定波長の光を観測するための発光モニタ9が設置される。発光モニタ9では、発光モニタ9に入射する777nmの波長の光の発光強度を測定できるようになっている。
フローティング電極となる基板ドーム5、防着板7、アノード電極であるアノード2bそれぞれに対する蒸着膜の着膜による絶縁化が進むに従って、インピーダンスは変化する。着膜による絶縁化が進むと電子が流れ込みにくくなり、電流が流れにくくなるため、電子の行き場がなくなる。その結果、プラズマアシスト蒸着装置1内の電子密度が上昇する。
なお、プラズマガン2のアノード2b付近の発光強度は、プラズマアシスト蒸着装置1の他の部分の領域の発光強度に比べて大きいため、アノード2b付近の発光強度を観測することにより、プラズマアシスト蒸着装置1内の状態を容易に把握することができる。
SiO2成膜時においては、SiO2の1層目を成膜する直前の発光強度と酸素流量を測定しておき、2〜4層目のSiO2を成膜する際に、1層目のSiO2成膜直前の発光強度と酸素流量のデータを参照して、式(2)を用いてそれぞれ酸素流量X2を算出し、制御を行う。
このように、SiO2膜とTiO2膜の成膜する際の酸素流量X2を、それぞれの膜の1層目成膜直前における条件を基準として算出することにより、1層目と同じ膜質の蒸着膜を形成することができ、各層で膜質にばらつきのない均質な膜を基板6上に成膜することが可能となる。
本実施形態によるプラズマアシスト蒸着装置1の防着板7には、抵抗10が取り付けられる。抵抗10の一方の端子は防着板7に接続されるとともに、抵抗10の他方の端子はアースに接続される。防着板7を抵抗10を介してアースに接続することにより、抵抗10を介さないで防着板7を直接アースに接続する場合に比べて、プラズマアシスト蒸着装置1内に生成するプラズマの状態が不安定となることを防止することができる。
なお、基板ドーム5はフローティング電位に保たれるとともに、プラズマアシスト蒸着装置1の内壁、プラズマガン2のアノード2bはアース電位に保たれる。
抵抗10に流れる電流の電流値は、電流計など(図示省略)を用いて測定することができる。抵抗10に流れる電流の電流値を測定し、その電流値に基づいてプラズマアシスト蒸着装置1内に供給するコントロールガスの流量を制御することにより、基板ドーム5付近の電子密度を把握することができる。
なお、図6(A)、(B)の表に記載されているシャント電圧とは、プラズマアシスト蒸着装置1を用いて成膜する際に、抵抗10を流れる電流を電圧値として測定した値を意味する。
SiO2成膜時においては、SiO2の1層目を成膜する直前の抵抗10を流れる電流の電圧変換値であるシャント電圧a1と酸素流量X1を測定しておき、2〜4層目のSiO2を成膜する際に、抵抗10を流れる電流の電圧変換値であるシャント電圧a2を測定して、式(3)を用いてそれぞれ酸素流量X3を算出し、制御を行う。
このように、SiO2膜とTiO2膜の成膜する際の酸素流量を、それぞれの膜の1層目成膜直前における条件を基準として算出することにより、1層目と同じ膜質の蒸着膜を形成することができ、各層で膜質にばらつきのない均質な膜を基板6上に成膜することが可能となる。
前述したように、インピーダンスが上昇するとプラズマアシスト蒸着装置1内の電子密度も上昇するため、プラズマアシスト蒸着装置1内の電子密度を一定に制御するためには、酸素流量を減少させればよい。すなわち、第1層目と第n層目の膜質を均一にするためには、第n層目における酸素流量を以下の式(5)により求めればよい。
図7は、基板6上にSiO2膜の各層を成膜する場合(図7(A))と、TiO2膜の各層をそれぞれ成膜する場合(図7(B))のそれぞれの場合について、放電電圧0〜300Vを0〜5Vに変換した値として測定した放電電圧信号と、放電電流0〜300Aを0〜6Vに変換した値として測定した放電電流信号を示している。
なお、図7(A)、(B)の表におけるインピーダンスの値は、放電電圧信号と放電電流信号の値から式(4)を用いて算出した値である。また、1層目以降の酸素流量の値X4は、インピーダンスの値と、1層目の酸素流量の値から式(5)を用いて算出した値である。
SiO2成膜時においては、SiO2の1層目を成膜する直前のインピーダンスの値r1を測定するとともに、酸素流量X1を測定しておく。そして、2〜4層目のSiO2を成膜する際に、インピーダンスの値r2を測定して、式(5)を用いてそれぞれ酸素流量X4を算出する。
このように、SiO2膜とTiO2膜の成膜する際の酸素流量X4を、それぞれの膜の1層目成膜直前における条件を基準として算出することにより、1層目と同じ膜質の蒸着膜を形成することができ、各層で膜質にばらつきのない均質な膜を基板6上に成膜することが可能となる。
なお、本実施形態では、酸素流量X5を決定するにあたり、酸素流量X2〜X4の平均を取ったが、これに限定されるものではなく、酸素流量X2〜X4を考慮する割合いを変化させるて酸素流量X5を決定するようにしても構わない。
1層目をSiO2とする場合には、始めに、SiO2膜を成膜する直前の酸素供給口から供給される酸素流量X1a、及び、発光強度l1a、シャント電圧として測定した電流値a1a、インピーダンスr1aのそれぞれの値を記録しておく(ステップS01)。
そして、図示していないEBガンによりルツボ3a内のSiO2成膜用の蒸着材料を蒸気化した後で、ルツボ3aのシャッタ3cを開くことにより、基板6上にSiO2膜の成膜を開始する(ステップS02)。
第1層目のSiO2膜を所定の膜厚に成膜した後で、SiO2成膜用の蒸着材料のルツボ3aのシャッタ3cを閉じる。
そして、EBガンによりルツボ3b内のTiO2成膜用の蒸着材料を蒸気化した後で、ルツボ3bのシャッタ3dを開くことにより、基板6上にTiO2膜の成膜を開始する(ステップS04)。
次に、成膜を終了するかの判断を行う(ステップS05)。成膜を終了する場合には、ステップS05において「YES」と判断され、プラズマアシスト蒸着装置1の運転を止め、成膜処理を終了する。一方、SiO2膜を複数積層する場合には、ステップS05において「NO」と判断され、ステップS06に進む。
ステップS06で決定した酸素流量X5aをプラズマアシスト蒸着装置1内に流して、プラズマアシスト蒸着装置1内の電子密度を一定に保つことにより、1層目のSiO2膜と同質な膜質のSiO2膜を成膜する(ステップS07)。
成膜を続ける場合には、SiO2成膜用の蒸着材料が入っているルツボ3aのシャッタ3cを閉じ、再度EBガンによりルツボ3b内のTiO2成膜用の蒸着材料を蒸気化した後で、TiO2成膜用の蒸着材料が入っているルツボ3bのシャッタ3dを開き、基板6上にTiO2膜の成膜を開始する。この時、発光強度l2b、シャント電圧として測定した電流値a2b、インピーダンスr2bを測定するとともに、ステップS03で記録しておいた、1層目のTiO2膜を生成する直前の酸素流量X1bと、発光強度l1b、シャント電圧として測定した電流値a1b、インピーダンスr1bのデータとを用いて、式(2)、(3)、(5)、(6)から酸素流量X2b〜X4bを決定する。その後、式(6)と酸素流量X2b〜X4bの値を用いて、2層目のTiO2膜を形成する際の酸素流量X5bを算出する(ステップS06)。
以後、SiO2膜を成膜する工程(ステップS06、S07)と、TiO2膜を成膜する工程(ステップS09、S10)を繰り返す。基板6上に所望の多層膜が形成されたところで、ステップS05又はS08で「YES」と判定し、プラズマアシスト蒸着装置1による成膜処理を終了する。
また、コントロールガスの他に不活性ガスであるAr(アルゴン)、He(ヘリウム)、Kr(クリプトン)などをプラズマアシスト蒸着装置1内に供給することにより、コントロールガスの分圧を制御することもできる。
コントロールガスに酸素以外のガスを使用する場合には、ガス供給口から供給するガスに特有の発光波長を発光モニタ9で観測してプラズマアシスト蒸着装置1内のガス流量を決定することにより、上述の実施形態で説明したのと同様に基板6上に質の高い蒸着膜を成膜することが可能である。
しかし、このような構成に限定されるものではない。例えば、以前に成膜した基板6の任意の層における蒸着膜を成膜する際の成膜条件(酸素流量、発光強度、電流値、インピーダンス)を記録しておき、その蒸着膜の成膜以降に基板ドーム5に取り付ける基板6に成膜する際に、その成膜条件を参照することもできる。
このような構成にすれば、プラズマアシスト蒸着装置1の基板ドーム5に基板6を取り付けて成膜を行った後、別の基板6を基板ドーム5に取り付けて成膜を行う場合であっても、基板6に成膜する蒸着膜の膜質を、前回基板6に成膜した蒸着膜の膜質と均一にすることが可能となる。
しかし、上記のように任意の成膜工程における成膜条件(酸素流量、発光強度、電流値、インピーダンス)を参照可能とすることにより、前回、前々回、あるいは更にそれ以前に基板6上に成膜する際の成膜条件を参照して他の基板6に蒸着膜を成膜することができるため、何度でも均一の膜質を有する蒸着膜を基板6上に成膜することができる。よって、以前のように、基板6上に均一な膜質の蒸着膜を成膜するために、頻繁にプラズマアシスト蒸着装置1内の防着板7等のクリーニングを行う必要がなくなる。
2・・・プラズマガン
2a・・・コイル
2b・・・アノード
3a、3b・・・ルツボ
3c、3d・・・シャッタ
4・・・回転機構部
5・・・基板ドーム
6・・・基板
7・・・防着板
8・・・ビューポート
9・・・発光モニタ
10・・・抵抗
Claims (9)
- プラズマガンのアノード付近における発光の発光強度を測定する発光モニタと、蒸着物質が基板以外に蒸着するのを防止するために設置される防着板に接続される抵抗に流れる電流の電流値を測定する電流値測定手段と、プラズマガンからプラズマを放電する際の放電電圧の値と放電電流の値に基づいてインピーダンスの値を測定するインピーダンス測定手段とを有するプラズマアシスト蒸着装置の制御方法であって、
前記基板上に第1の蒸着膜を成膜する前のコントロールガスのガス流量X1を測定するステップと、
前記発光モニタにより前記第1の蒸着膜を成膜する前の発光強度l1を測定するステップと、
前記電流値測定手段により前記第1の蒸着膜を成膜する前の前記抵抗に流れる電流の電流値a1を測定するステップと、
前記インピーダンス測定手段により前記第1の蒸着膜を成膜する前のインピーダンスr1を測定するステップと、
前記第1の蒸着膜の成膜以降に成膜される第2の蒸着膜を成膜する前の発光強度l2を前記発光モニタにより測定し、前記発光強度l1及びl2、ガス流量X1の値からガス流量X2を算出するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する前の前記抵抗に流れる電流の電流値a2を前記電流値測定手段により測定し、前記電流値a1及びa2、ガス流量X1の値からガス流量X3を算出するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する前のインピーダンスr2を前記インピーダンス測定手段により測定し、前記インピーダンスr1及びr2、ガス流量X1の値からガス流量X4を算出するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する際のコントロールガスのガス流量X5を、前記ガス流量X2、X3、X4の値を用いて算出するステップと、
算出したガス流量X5に基づいて、コントロールガス供給口を制御してガス流量を制御するステップと、
を有するプラズマアシスト蒸着装置の制御方法。 - プラズマガンのアノード付近における発光の発光強度を測定する発光モニタと、蒸着物質が基板以外に蒸着するのを防止するために設置される防着板に接続される抵抗に流れる電流の電流値を測定する電流値測定手段とを有するプラズマアシスト蒸着装置の制御方法であって、
前記基板上に第1の蒸着膜を成膜する前のコントロールガスのガス流量X1を測定するステップと、
前記発光モニタにより前記第1の蒸着膜を成膜する前の発光強度l1を測定するステップと、
前記電流値測定手段により前記第1の蒸着膜を成膜する前の前記抵抗に流れる電流の電流値a1を測定するステップと、
前記第1の蒸着膜の成膜以降に成膜される第2の蒸着膜を成膜する前の発光強度l2を前記発光モニタにより測定し、前記発光強度l1及びl2、ガス流量X1の値からガス流量X2を算出するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する前の前記抵抗に流れる電流の電流値a2を前記電流値測定手段により測定し、前記電流値a1及びa2、ガス流量X1の値からガス流量X3を算出するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する際のコントロールガスのガス流量X5を、前記ガス流量X2、X3の値を用いて算出するステップと、
算出したガス流量X5に基づいて、コントロールガス供給口を制御してガス流量を制御するステップと、
を有するプラズマアシスト蒸着装置の制御方法。 - 蒸着物質が基板以外に蒸着するのを防止するために設置される防着板に接続される抵抗に流れる電流の電流値を測定する電流値測定手段と、プラズマガンからプラズマを放電する際の放電電圧の値と放電電流の値に基づいてインピーダンスの値を測定するインピーダンス測定手段とを有するプラズマアシスト蒸着装置の制御方法であって、
前記基板上に第1の蒸着膜を成膜する前のコントロールガスのガス流量X1を測定するステップと、
前記電流値測定手段により前記第1の蒸着膜を成膜する前の前記抵抗に流れる電流の電流値a1を測定するステップと、
前記インピーダンス測定手段により前記第1の蒸着膜を成膜する前のインピーダンスr1を測定するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する前の前記抵抗に流れる電流の電流値a2を前記電流値測定手段により測定し、前記電流値a1及びa2、ガス流量X1の値からガス流量X3を算出するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する前のインピーダンスr2を前記インピーダンス測定手段により測定し、前記インピーダンスr1及びr2、ガス流量X1の値からガス流量X4を算出するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する際のコントロールガスのガス流量X5を、前記ガス流量X3、X4の値を用いて算出するステップと、
算出したガス流量X5に基づいて、コントロールガス供給口を制御してガス流量を制御するステップと、
を有するプラズマアシスト蒸着装置の制御方法。 - プラズマガンのアノード付近における発光の発光強度を測定する発光モニタと、プラズマガンからプラズマを放電する際の放電電圧の値と放電電流の値に基づいてインピーダンスの値を測定するインピーダンス測定手段とを有するプラズマアシスト蒸着装置の制御方法であって、
前記基板上に第1の蒸着膜を成膜する前のコントロールガスのガス流量X1を測定するステップと、
前記発光モニタにより前記第1の蒸着膜を成膜する前の発光強度l1を測定するステップと、
前記インピーダンス測定手段により前記第1の蒸着膜を成膜する前のインピーダンスr1を測定するステップと、
前記第1の蒸着膜の成膜以降に成膜される第2の蒸着膜を成膜する前の発光強度l2を前記発光モニタにより測定し、前記発光強度l1及びl2、ガス流量X1の値からガス流量X2を算出するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する前のインピーダンスr2を前記インピーダンス測定手段により測定し、前記インピーダンスr1及びr2、ガス流量X1の値からガス流量X4を算出するステップと、
前記第2の蒸着膜を成膜する際のコントロールガスのガス流量X5を、前記ガス流量X2、X4の値を用いて算出するステップと、
算出したガス流量X5に基づいて、コントロールガス供給口を制御してガス流量を制御するステップと、
を有するプラズマアシスト蒸着装置の制御方法。 - 前記ガス流量X2を、X2=(l2/l1)X1の式により、
前記ガス流量X3を、X3=(a2/a1)X1の式により、
前記ガス流量X4を、X4=(r1/r2)X1の式により、
求めることを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載のプラズマアシスト蒸着装置の制御方法。 - 前記ガス流量X5を、酸素流量X2、X3、X4の平均を取ることにより求めることを特徴とする請求項1から5のいずれかの項に記載のプラズマアシスト蒸着装置の制御方法。
- 前記第1の蒸着膜が、前記基板上に成膜される1層目の蒸着膜であることを特徴とする請求項1から6のいずれかの項に記載のプラズマアシスト蒸着装置の制御方法。
- 前記コントロールガスとして酸素を使用することを特徴とする請求項1から7のいずれかの項に記載のプラズマアシスト蒸着装置の制御方法。
- プラズマガンを用いて基板上に蒸着物質を蒸着するプラズマアシスト蒸着装置において、
前記基板上に形成される第1の蒸着膜を成膜する前のコントロールガスのガス流量X1を測定するガス流量測定手段と、
前記第1の蒸着膜を成膜する前の発光強度l1、及び、前記第1の蒸着膜の成膜以降に形成される第2の蒸着膜を成膜する前の発光強度l2を測定する発光モニタと、
前記蒸着物質が前記基板以外に蒸着するのを防止するために設置される防着板と、
一方の端子が前記防着板に接続され他方の端子がアースに接続される抵抗と、
前記第1の蒸着膜を成膜する前の前記抵抗に流れる電流の電流値a1、及び、前記第2の蒸着膜を成膜する前の前記抵抗に流れる電流の電流値a2を測定する電流値測定手段と、
プラズマ放電時の放電電流及び放電電圧から、前記第1の蒸着膜を成膜する前のインピーダンスr1、及び、前記第2の蒸着膜を成膜する前のインピーダンスr2を測定するインピーダンス測定手段と、
前記発光強度l1及びl2と前記ガス流量X1の値を用いてコントロールガスのガス流量X2を算出する第1のガス流量演算手段と、
前記電流値a1及びa2と前記ガス流量X1の値を用いてコントロールガスのガス流量X3を算出する第2のガス流量演算手段と、
前記インピーダンスr1及びr2と前記ガス流量X1の値を用いてコントロールガスのガス流量X4を算出する第3のガス流量演算手段と、
前記第1〜第3のガス流量演算手段が算出したガス流量X2〜X4の値を用いて、前記第2の蒸着膜を成膜する際のコントロールガスのガス流量X5を求める第4のガス流量演算手段と、
前記第4のガス流量演算手段が求めたガス流量X5の値に基づいて、コントロールガス供給口を制御してガス流量を制御するガス流量制御手段と、
前記ガス流量制御手段が制御するガス流量X5により、基板上に前記第2の蒸着膜の成膜を行う成膜手段と、
を有するプラズマアシスト蒸着装置。
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