JP2005340175A - リチウム一次電池 - Google Patents

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茂 佐野
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Abstract

【課題】 保存寿命の長いリチウム一次電池を提供する。
【解決手段】 本発明のリチウム一次電池1Aは、セパレータ9と、該セパレータ9により互いに分離された負極活物質層5および正極活物質層6と、それら電極活物質層5,6をセパレータの主面上において個別に包囲する1対の枠状シート部材2,3と、枠状シート部材2,3の各々に固定されセパレータ9との間に電極活物質層2,3を保持する1対の集電体7,8とを備えている。負極活物質層5は、リチウム箔で構成されている。正極側の枠状シート部材3と正極活物質層6との間には枠状の壁部材10が配置され、電池厚さ方向の投影図において、正極活物質層6の外形線6pがリチウム箔5の外形線5pの内側に収まっている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、リチウム一次電池に関する。
リチウムを負極に用いたリチウム一次電池は、自己放電がきわめて小さく長期保存にも安定した特性を示すため、低負荷でのバックアップ用途を中心に需要がある。中でも、下記特許文献1,2に開示されているものは通称ペーパー電池と呼ばれ、表示機能付きICカードやアクティブ型RFID等への需要拡大が見込まれている。
特許第2935427号公報 特開平08−055627号公報
上記のごときリチウム一次電池には、長期の保存寿命が要求される。たとえば、今後のICカード用途では、出力電圧の低下防止がより強く求められている。そこで本発明は、保存寿命が長く、特に出力電圧の安定性に優れたリチウム一次電池を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明者らは、図13のリチウム一次電池50について、70℃室内湿度にて加速試験を行なった。その中で、図11のグラフのような結果を示すものがあった。グラフから分かるように、7、8ヶ月目あたりから電圧低下が始まっている。
図13の断面模式図に示すのが、その加速試験を行なったリチウム一次電池50である。符号52,53は樹脂製の枠状シート部材、符号57,58は金属製の集電体、符号59はセパレータ、符号55は負極活物質層を構成するリチウム箔、符号56は正極活物質層を示している。負極側ではリチウム箔55と枠状シート部材52との間に空隙が形成されているのに対し、正極側では枠状シート部材53の開口内を正極活物質層56がほぼ隙間無く充填している。正極活物質層56は、正極活物質、導電助剤および電解液等からなるペースト状の合材を印刷することによって形成しており、封止工程などの後工程での加圧により面内方向に拡がるからである。
一方、正極合材を混錬により作製した直後には、MnOなどの正極活物質は非常に活性であり、電解液を分解する。したがって、電池作製後は速やかに安定化放電を行なう。ただし、図13のごとき配置であると、面内方向においてリチウム箔55から食み出た正極活物質層56の端部には、活性な正極活物質が残存しやすい。
一般に、電池の正負極は電気化学的容量が等しいことが理想であるが、工業的には困難である。リチウム一次電池において、負極容量が正極容量よりも大きい場合には、完全放電したあとにもリチウムが残存して電解液分解を起こす。したがって、リチウム一次電池では正極容量を負極容量より大きくする。図13に示す従来のリチウム一次電池50は、リチウム箔55の全面がセパレータ59を介して正極活物質層56と向かい合う構造を採用することで正負極の容量差を確保しているが、安定化放電の万全を図り長期保存中の電池劣化を防ぐという観点での設計思想を持っていない。本発明者らは、こうした知見を見出し、以下の本発明を完成させるに至った。
すなわち、課題を解決する本発明は、セパレータと、該セパレータにより互いに分離された負極活物質層および正極活物質層と、それら電極活物質層をセパレータの主面上において包囲する枠状シート部材と、枠状シート部材に固定されセパレータとの間に電極活物質層を保持する集電体とを備え、負極活物質層がリチウム金属箔で構成された板状のリチウム一次電池であって、枠状シート部材と正極活物質層との間に枠状の壁部材を配置し、電池厚さ方向の投影図において、正極活物質層の外形線がリチウム金属箔の外形線に一致するか内側に収まるようにしたことを主要な特徴とする。リチウム金属は、リチウムまたはリチウム合金を意味する。
この本発明では、壁部材を設けることで正極活物質層の全体がセパレータを介してリチウム金属箔と向かい合うようにしている。そのため、正極活物質層の全体で均等に安定化放電がなされ、活性度の高い正極活物質が残存しなくなる。それゆえ、電解液の分解が抑制され、長期保存中の電池劣化が軽減される。また、安定化放電が正極全体に均等に行なわれるため、安定化放電を行なう場合の放電量を小さくすることができ、電池容量の実質的な向上を見込める。
上記した壁部材は、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリアミド系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂およびフッソ系樹脂のグループから選択される一種以上の樹脂にて構成されたものが好適である。これらの樹脂は、耐電解液性、耐酸化還元性に優れるので、本発明の壁部材の材料として特に推奨される。
また、壁部材は、電解液を保持可能な多孔質構造を持つことが好ましい。壁部材を設けると、その体積分はデッドスペースになり、体積エネルギー密度が低下する。しかし、壁部材が多孔質構造を持つ場合には、過剰電解液を壁部材に保持させることができ、体積エネルギー密度の低下を抑制できる。また、壁部材が電解液を保持することにより、予期せぬシール破壊が起きても漏液を最小限に食い止めることができる。さらには、当該電池の製造時に枠状シート部材同士をシールする工程を行なうが、壁部材が電解液を保持することにより、その工程の際に過剰電解液がシール部にはみ出してきて、シール不良を引き起こすという問題が生じ難くなる。つまり、壁部材は歩留まり向上にも寄与する。
また、壁部材は、正極側の集電体とセパレータとの少なくとも一方に接着されていることが好ましい。このようにすれば、多少の圧力が電池に加わったとしても、正極の合材が壁部材の外側に食み出ることを防止できる。壁部材は、接着剤または熱溶着により接着するとよい。
他の局面において、課題を解決するために本発明は、セパレータと、該セパレータにより互いに分離された負極活物質層および正極活物質層と、それら電極活物質層をセパレータの主面上において個別に包囲する1対の枠状シート部材と、枠状シート部材の各々に固定されセパレータとの間に電極活物質層を保持する1対の集電体とを備え、負極活物質層がリチウム金属箔で構成された板状のリチウム一次電池であって、正極側の枠状シート部材の開口を、負極側の枠状シート部材の開口よりも小とし、電池厚さ方向の投影図において、正極活物質層の外形線がリチウム金属箔の外形線に一致するか内側に収まるようにしたことを主要な特徴とする。
上記した本発明では、枠状シート部材の開口に大小を設けることで正極活物質層の全体がセパレータを介してリチウム金属箔と向かい合うようにしている。そのため、正極活物質層の全体で安定化放電がなされ、正極活物質が活性なまま残存しなくなる。それゆえ、電解液の分解が抑制され、長期保存中の電池劣化が軽減される。また、安定化放電が正極全体に均等に行なわれるため、安定化放電を行なう場合の放電量を小さくすることができ、電池容量の実質的な向上を見込める。
また、本発明者らが検討を重ねていくうちに、電池劣化の原因は、安定化放電が十分なされていないという事実以外にも存在することが判明した。
一般に、リチウム一次電池では、下記の反応により負極の自己放電が進むことが知られている。
2Li+2HO=2LiOH+H
図13に示す従来のリチウム一次電池50に関していえば、図14に示すように、長期の保管中または使用中に枠状シート部材52,53を通じて電池内部に水分が極少量ずつ浸入する。シール材としての枠状シート部材52,53は、ポリプロピレンなどの水蒸気遮断性が高い樹脂で構成されているが、水蒸気の透過を完全に防ぐことは困難だからである。ただし、上記した反応で水素が発生したとしても、水素は枠状シート部材52,53を通じて外部に放出するので、電池性能に大きな影響を及ぼすことがない。また、水酸化リチウムについても、特別な問題を引き起こす性質はない。
その一方で、図13のリチウム一次電池50は、正極活物質層56が枠状シート部材53に接する位置まで拡がった構造を持つため、水WAは正極活物質層56にも入り込む。正極活物質層56に入り込んだ水WAは、活物質粒子(たとえばMnO粒子)間の空隙で局部的に酸性状態を作り出す。その結果、次式の反応が起きる。
Li+HO=LiOH+H
MnO+4H=2HO+Mn4+
上記の反応が進行することにより、4価のマンガンが電解液中に溶出する。電解液中に溶出した4価のマンガンは非常に活性であり、電解液を直ちに分解する。電解液の分解により炭酸ガスが発生する。発生した炭酸ガスは電池内部に滞り、セパレータ59と活物質層55,56との接触あるいは活物質層55,56と集電体57,58との接触を損ねたり、正極活物質の細孔を塞いだり、正極活物質粒子または負極活物質粒子の表面に不動態膜を形成したりして、電池性能を大幅に劣化させる。こうした問題を改善するために、本発明者らは、次のようなリチウム一次電池を提案する。
すなわち、課題を解決するために本発明のリチウム一次電池は、正極活物質層と枠状シート部材との間に位置することにより両者を隔離し、枠状シート部材を通じて電池内部に浸入してきた水が正極活物質層に向かって移動することを妨げる水分防護壁を備えたことを主要な特徴とする。
上記本発明のリチウム一次電池は、枠状シート部材を通過してきた水の移動経路を水分防止壁により制限することに主眼を置いている。水分防止壁は、正極活物質層が枠状シート部材と直接接触することを阻止するのと同時に、枠状シート部材との間に電解液の膜を形成する。電解液は、水を負極側に向けて輸送する。つまり、水分防止壁は水を負極側に誘導する作用をもたらす。この結果、正極活物質層に入りこむ水の割合を大幅に低減することができる。正極活物質層に入りこむ水の割合を低減することにより、正極活物質が活性になることを防止できるので、電解質の分解による炭酸ガスの発生が抑制される。したがって、長期保管中または使用中の電池劣化が起こり難くなる。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1に示すのは、本発明のリチウム一次電池1Aの斜視図、図2は図1中のA−A断面図である。図1および図2に示すごとく、リチウム一次電池1Aは方形板状の形態を有し、セパレータ9と、該セパレータ9により互いに分離された負極活物質層5および正極活物質層6と、それら電極活物質層5,6をセパレータ9の主面上において個別に包囲する1対のウインドウフレーム2,3(枠状シート部材)と、ウインドウフレーム2,3の各々に固定されセパレータ9との間に電極活物質層5,6を挟む1対の集電体7,8と、集電体7,8の各々に一体成形された帯状のリード端子7t,8t(タブ)とを備えている。各リード端子7t,8tは、電力取出部として機能する。
正極側のウインドウフレーム3の開口3q内には、正極活物質層6を取り囲むように、該ウインドウフレーム3とは別部材として構成された枠状の壁部材10が配置されている。図4に示すのは、リチウム一次電池1Aの厚さ方向の投影図である。この投影図に示すように、ウインドウフレーム2,3の開口2q,3qと、壁部材10の開口10qとは互いに相似な方形とされている。各部品を方形とすれば、材料に無駄が少ないので低コストである。
集電体7,8は、当該リチウム一次電池1Aの外装材を兼ねた金属板である。ウインドウフレーム2,3同士、負極側のウインドウフレーム2と集電体7、正極側のウインドウフレーム3と集電体8が接着されることにより、電池内部の気密を保持するシール部11が形成されている。セパレータ9は、その周縁部が1対のウインドウフレーム2,3の間に挟持され、ウインドウフレーム2,3のいずれかに接着されている。1対のウインドウフレーム2,3は、内周側においてセパレータ9を挟持し、外周側で相互に接着されている。
ウインドウフレーム2,3は、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の水蒸気透過性の低い熱可塑性樹脂で構成された基材の両面に、エチレンビニルアセテート(EVA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、酸変性ポリエチレン(PE−a)、酸変性ポリプロピレン(PP−a)等のホットメルト型接着剤層が形成されたものである。本実施形態では、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)をエチレン・メタクリル酸共重合体で挟んだ3層構造の樹脂シートを、ウインドウフレーム2,3に使用している。ISO規格(ISO/IEC 7810)のICカードに本発明のリチウム一次電池1Aを使用する場合、ウインドウフレーム2,3の厚さは、たとえば90μm以上150μm以下に調整とするとよい。ウインドウフレーム2,3と集電体7,8との接着、ウインドウフレーム2,3とセパレータ9との接着は、上記接着剤層を介して行われる。
負極活物質層5は、リチウム箔またはリチウム合金箔を用いることができる。本実施形態では、リチウム箔5を用いている。このリチウム箔5の厚さは、ISO規格のICカードに使用するリチウム一次電池の場合、たとえば50μm以上150μm以下に調整する。また、正極活物質層6は、たとえば60質量%以上70質量%以下の正極活物質と、1質量%以上5質量%以下の導電助剤と、電解液25質量%以上35質量%以下とを含む正極合材で構成される。正極活物質層6とリチウム箔5の質量は、正極容量が負極容量よりも大となるように調整されている。これにより、完全放電後にリチウム箔5が残存しないようにしている。
正極活物質としては、MnOなどリチウムと複合酸化物を形成する遷移金属酸化物の粉末を使用できる。導電助剤には、アセチレンブラック等のカーボン材料を使用できる。電解液としては、ジメトキシエタン(DME)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などの有機溶媒に、リチウムパークロレート塩(LiClO)、リチウムトリフレート塩(LiCFSO)などのリチウム塩を溶解させたものを使用できる。
セパレータ9は、正極と負極を隔離し且つ電解液が充分浸透する薄い膜状の部材である。セパレータ9は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂からなる多孔質、多層構造を持つシート片である。本実施形態では、ポリエチレン多孔性シートでセパレータ9を作製している。また、セパレータ9の厚さは、ISO規格のICカード用途のリチウム一次電池の場合、たとえば10μm以上60μm以下とする。
集電体7,8とリード端子7t,8tの材質としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルおよびニッケル合金からなる良導性金属群から選択される1種を好適に使用することができる。とりわけ、ステンレス鋼は加工性、耐食性、経済性に優れるので好適である。リチウム一次電池1Aがバックアップ用途で使用される場合、集電体の構成材料が電池内部に溶出しないことが重視される。この点について、ステンレス鋼には分がある。具体的には、オーステナイト系ステンレス鋼として代表的なSUS301、SUS304、SUS316、SUS316Lや、析出硬化系ステンレス鋼として代表的なSUS631は、バネ性にも優れるのでその採用が推奨される。
図2の断面図に示すごとく、正極側において、正極活物質層6は壁部材10の開口10q内を隙間無く充填している。これにより、正極容量を最大限に高めている。また、正極活物質層6は、図4の投影図において、その外形線6pがリチウム箔5の外形線5pの内側に収まる大きさ、形状に調整されている。つまり、セパレータ9を介して向かい合う面は、正極活物質層6よりもリチウム箔5の方が大となっている。
上記のような配置の場合、電池製造時の安定化放電処理を正極活物質層6の端まで十分に施すことができる。そう考えると、図4の投影図において、正極活物質層6の外形線6pがリチウム箔5の外形線5pに一致する態様も好適ということになる。ただ、部品の組付精度を考慮すると、正極活物質層6の外形線6pがリチウム箔5の外形線の内側に収まる設計とするのが好適といえる。また、リチウム箔5は、その外形線5pが壁部材10の外形線10pよりも内側に収まる大きさに調整されているので、リチウム箔5の周縁部が消費され難いといったこともない。
さて、壁部材10は、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリアミド系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂およびフッソ系樹脂のグループから選択されるいずれかの樹脂にて構成することができる。本実施形態では、ポリプロピレン製の多孔性シートにて壁部材10を構成している。ポリプロピレンは、セパレータ材料として電池内部の環境下で使用実績があるので好適である。もちろん、上記から選択される二種以上の樹脂を含有する複合樹脂で壁部材10を構成してもよい。
また、壁部材10に形成されている空孔の平均径は約1μmであり、正極活物質層6の粉末材料の平均粒径(約50μm)よりも遥かに小さく調整されている。したがって、正極活物質は壁部材10の空孔にほとんど侵入しないが、電解液は容易に浸透する。壁部材10が電解液を保持する機能を持つと、予期せぬシール破壊が起きたときの漏液を防止する効果も期待できる。壁部材10の空孔の平均径が0.5μm以上3μm以下、正極活物質層6の粉末材料の平均粒径が30μm以上60μm以下の範囲であれば、電池の性能を保ちつつ上記の効果を十分得ることができるので好ましい。なお、MnO粉末や導電助剤粉末の平均粒径は、レーザ回折式粒度計にて測定した平均粒径とすることができる。壁部材10の空孔の平均径は、水銀ポロシメータ圧入法で求めることができる。
通常の電池設計においては、電解液が経年減少することを考慮して、電解液は初期必要量の5vol%程度を過剰に加える。壁部材10が多孔質構造を持つ場合、この5vol%の過剰電解液を保持する役割を壁部材10に担わせることができるので、該壁部材10を設けることによる体積エネルギー密度の低下を抑制できる。
電池反応に関与している電解液が蒸発・分解等で減少したときに、壁部材10に保持された過剰電解液によってその減少分が速やかに補給される効果を得るためにために、次の要件(a)(b)の少なくとも一を満足していること、特に要件(b)を満足していることが望ましい。電解液保持は毛細管現象であり、要件(a)よりも要件(b)に支配されると考えられるからである。
(a)壁部材10と電解液との濡れ性が、電解液と正極活物質(MnO粉末)との濡れ性、電解液とリチウム箔5との濡れ性、電解液とセパレータ9との濡れ性のいずれよりも小さいこと。
(b)壁部材10の空孔の平均径がセパレータ9の空孔の平均径より大であること。
本実施形態で壁部材10に使用している樹脂材料は、接着性を付与するために変性処理を施した平均孔径約1μmのポリプロピレン製の多孔性シートである。一方、セパレータ9には、平均孔径約20nmのポリエチレン製の多孔性シートを使用している。したがって、壁部材10は、セパレータ9よりも電解液の保持力が小さく、過剰電解液の補給効果を発揮する。壁部材10の空孔の平均径が0.5μm以上3μm以下とすると、セパレータ9の空孔の平均径が10nm以上50nm以下の範囲であれば、電池の性能を保ちつつ上記の効果を十分得ることができるので好ましい。
本実施形態のリチウム一次電池1Aにおいて、電解液量は、正極用材料粉末(活物質粉末、導電助剤粉末等)とセパレータ9の空孔体積を基準に決められる。さらに、シール部11を透過して外部に放散する量と、分解による減少量とを、使用年数を勘案して予め余分に加える。そして、この過剰電解液を壁部材10の空孔に保持させることで、電池のエネルギー密度の減少を軽減することができることを述べた。したがって、使用する電解液量は、壁部材10、正極用材料粉末およびセパレータ9の空孔体積から換算できる。
(電解液量)≧(壁部材10の空孔体積)+(正極用材料粉末およびセパレータの空孔体積)
なお、多孔質構造を持つ樹脂シートで壁部材10を作製することは必須でなく、多孔質構造を持たない樹脂シート、たとえばポリプロピレンシートやポリエチレンシートで壁部材10を作製してもよいことはもちろんである。
次に、リチウム一次電池1Aの製造方法について図6を用いて説明する。まず、負極側の集電体7をウインドウフレーム2に面接触させ、超音波溶着法あるいは熱溶着法によりウインドウフレーム2の接着剤層を溶融させて、集電体7をウインドウフレーム2に接着させる(6−1)。次に、ウインドウフレーム2と集電体7との組立体を裏返し、集電体7の上に負極活物質であるリチウム箔5を載置する。さらにリチウム箔5の上から、セパレータ9をその周縁部がウインドウフレーム2に面接触するように載置する(6−2)。このとき、セパレータ9の位置ズレが生じないように、予めセパレータ9とウインドウフレーム2とを熱溶着しておくことが好ましい。セパレータ9には、予め壁部材10を接着しておく。
次に、メタルマスクを用いた印刷法により、壁部材10に囲まれたセパレータ9の主面上に正極合材を印刷し、正極活物質層6を形成する(6−3)。次に、予めウインドウフレーム3に接合させておいた正極側の集電体8を正極活物質層6に被せる(6−4)。そして、真空雰囲気中、もしくはウインドウフレーム2,3の間から空気を吸引しながら超音波ホーン等の熱溶着治具60を集電体8に接触させて、ウインドウフレーム2,3同士を溶着させる。これにより、本発明のリチウム一次電池1Aが得られる(6−5)。リチウム一次電池1Aには、組立後直ちに安定化放電処理を施す。これにより、正極活物質の活性度を下げ、長期保存中の電解液の分解、液枯れ、不活性被膜の形成等の不具合発生を防止する。なお、図6の工程説明図では壁部材10の厚さをウインドウフレーム3の厚さよりも大としているが、図2のようにウインドウフレーム3の厚さからセパレータ9の厚さの半分を引いた厚さを、壁部材10の厚さとしてもよい。もしくは、ウインドウフレーム3の厚さと壁部材10の厚さとが一致してもよい。
(第二実施形態)
次に、図3に示すのは本発明のリチウム一次電池1Bの断面模式図であり、図5に示すのはリチウム一次電池1Bの電池厚さ方向における投影図である。この実施形態のリチウム一次電池1Bは、図1のリチウム一次電池1Aと外観上は同じである。相違する点は、正極側のウインドウフレーム30の開口30qを負極側のウインドウフレーム2の開口2qよりも小とした点である。つまり、図2で示した壁部材10をウインドウフレーム30に兼用させている。
図5の投影図から分かるように、ウインドウフレーム2,30の開口2q,30qは互いに相似な方形である。正極活物質層6は、正極側のウインドウフレーム30の開口30q内を隙間無く充填している。ウインドウフレーム30は、その開口30qがリチウム箔5の外形線5pの内側に収まる大きさに調整されている。つまり、正極側のウインドウフレーム30とリチウム箔5とは、電池厚さ方向において重なりを有している。これにより、セパレータ9を介して向かい合う面は、正極活物質層6よりもリチウム箔5の方が大となっている。
図3のリチウム一次電池1Bは、得られる作用効果や達成できる目的の点で図2のリチウム一次電池1Aと一致する。ただし、壁部材10をウインドウフレーム30に兼用させているので、部品点数が小であり製造も容易である。つまり安価に作製できる。一方で、図2のリチウム一次電池1Aのごとくウインドウフレーム3とは別部材としての壁部材10を設ける場合には、材料選択の余地が大きくなり、過剰電解液を保持させるべく多孔質材料を用いたりすることが可能になり、より高性能なリチウム一次電池を提供できる。
(第三実施形態)
図7に示すのは、第三実施形態のリチウム一次電池の断面模式図である。リチウム一次電池1Cは、セパレータ9と、該セパレータ9により互いに分離された負極活物質層5および正極活物質層26と、負極活物質層5および正極活物質層26のそれぞれをセパレータ9との間に保持する集電体7,8とを備える点など、先の二つの実施形態と共通である。図8に拡大して示すように、負極活物質層5と正極活物質層26とは、正極活物質層26の外周縁26hが負極活物質層5の外周縁5hよりも面内方向の外側に位置する関係となっているが、この点については先の実施形態のようにしてもよい。また、シール材として機能するウインドウフレーム22,23,24(枠状シート部材)に集電体7,8を固定することにより、電池内部の気密を保持するシール部21が形成されている点についても、先の二つの実施形態と共通する事項であるが、ウインドウフレーム22,23,24自体の構造は若干異ならせてある。
リチウム一次電池1Cの特徴は、正極活物質層26とウインドウフレーム23,24との間に位置して両者を隔離する水分防止壁25を備えている点にある。先の実施形態で説明した壁部材10等は、正極活物質層6が面内方向に拡がることを防止するという目的に主眼を置いたものだったが、水分防止壁25はウインドウフレーム22,23,24を通じて電池内部に浸入してきた水が正極活物質層26に向かって移動することを妨げるという目的・技術思想を持つものである。もちろん、この水分防止壁25には、先の実施形態で説明した壁部材10等と同様に、正極活物質層26が面内方向に拡がることを防止する機能もある。
図7に示すごとく、リチウム一次電池1Cのシール部21を構成するウインドウフレーム22,23,24は、3層構造を有している。具体的には、正極集電体8に接着する正極側接着層23と、負極集電体7に接着する負極側接着層22と、それら接着層22,23の間に位置する基材層24とからなる。接着層22,23は、酸変性ポリプロピレンなど金属との接着性に優れる樹脂にて構成される層である。基材層24は、接着層22,23との接着性を有する樹脂であればよく、たとえばポリプロピレンやポリエチレンテレフタラートなどの樹脂にて構成される層である。
図8に示すごとく、水分防止壁25は、断面L字状の形態を有する部品であり、正極側の接着層23と基材層24との間に挟まれた第一部分251と、基材層24の側面24pに沿っている第二部分253とで構成されている。水分防止壁25の材質としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリアミド系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂およびフッソ系樹脂のグループから選択されるいずれかの樹脂を用いるとよい。水分遮断性を重視する場合は、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタラートなどの水分遮断性に優れた樹脂を採用するとよい。また、これらの樹脂から選択される複数種類の樹脂を所定比率にて含有する複合樹脂で水分防止壁25を構成することも可能である。
図8に示すごとく、基材層24と水分防止壁25とは、両者の間に隙間SHが形成されるように、図に表れていない両者の一部同士が接着固定されている。もしくは、両者を全くの非接着としてもよい。基材層24と水分防止壁25との間の隙間SHは、電解液が流通可能に充填されている。したがって、基材部24を通じて隙間SHに到達した水WAは、電解液中に混入して速やかに拡散する。電解液に混入した水WAは、水分防止壁25によって面内方向への拡散が阻まれるので正極活物質層26に直接拡散することはできず、まずセパレータ9の内部に拡散する。そして、セパレータ9を介して負極側に拡散する。負極活物質層5が充填されていない空所29も電解液で満たされているので、水WAは電解液中を拡散して負極活物質層5を構成するリチウムと速やかに反応する。セパレータ9を介して正極側に戻るような形で拡散する水WAも存在するが、その割合は小さい。水WAのほとんどがリチウムとの反応で消費されるからである。このようにして、電池内部に浸入してきた水WAが正極活物質(MnO)と反応を起こす割合を大幅に低減することができ、ひいては電池劣化を抑制することが可能となる。
なお、図7のリチウム一次電池1Cでは、接着層23と正極活物質層26とが接触する構造をとっているが、接着層23の厚さは基材層24に比べて相当薄くすることができるため、接着層23を介して正極活物質層26に浸入する水は非常に少ない。
また、図7および図8に示すごとく、リチウム一次電池1Cにおいては、正極活物質層26の外周縁26hが負極活物質層5の外周縁5hよりも面内方向の外側に位置している。つまり、リチウム一次電池1Cは、先の実施形態のように、正極活物質層26と負極活物質層5との位置関係に縛られず、外周縁26h,5h同士が面内で一致するように、水分防止壁25等の形状を工夫することができる。そのようにすれば、水WAが正極活物質層26内に拡散する割合をより低減することができるので、リチウム一次電池1Cの一層の劣化防止を図ることができる。
また、正極活物質層26の体積を稼ぐためには、水分防止壁25は可能な限り薄肉であることが望ましい。ペースト状の正極合材を印刷することによって正極活物質層26を形成する場合、その印刷の時点で水分防止壁25は自立している必要があるので、基材部24に片持ちさせることができる断面L字状は有効な形状であるといえる。断面L字状といっても実際の製造では、厚さの相違する樹脂シートを2枚(複数枚)重ね合わせることによって水分防止壁25を作製し、その水分防止壁25を基材層24に重ね合わせるようにして配置する組立手順を採用することができる。なお、第四実施形態で説明するように、断面L字状であることは必須ではない。
(第四実施形態)
図9に示すのは、第四実施形態のリチウム一次電池の断面模式図である。リチウム一次電池1Dは、セパレータ9と、該セパレータ9により互いに分離された負極活物質層5および正極活物質層36と、負極活物質層5および正極活物質層36のそれぞれをセパレータ9との間に保持する集電体7,8とを備える点など、先の三つの実施形態と共通である。また、一対の樹脂シートをウインドウフレーム32,33として用い、負極側のウインドウフレーム32に負極集電体7を固定し、正極側のウインドウフレーム33に負極集電体8を固定することにより、シール部31を形成している点については、第一実施形態や第二実施形態と共通である。また、ウインドウフレーム32,33は、開口の大きさが異ならせてある。具体的には、負極側のウインドウフレーム32に比べて、正極側のウインドウフレーム33の開口33hを大としている。開口の大きさが、第二実施形態とはちょうど逆になっており、狭口に調整した負極側のウインドウフレーム32の内周部32aにセパレータ9を固定している。
リチウム一次電池1Dの特徴は、正極活物質層36とウインドウフレーム33との間に位置して両者を隔離する水分防止壁35を備えている点にある。この水分防止壁35は電解液を保持しない、あるいは、少なくともセパレータより保持しにくい性質の樹脂シート(PPシート、PETシートなど)で構成されている点で、第一実施形態の壁部材10とは相違する。また、正極側のウインドウフレーム33と水分防止壁35との間は、活物質が充填されていないが電解液が満たされた空所43となっている。正極活物質層36の面内方向への拡がりを防止するという観点から、水分防止壁35は、正極集電体8とセパレータ9との全周囲において両者に接着されていることが望ましい。もちろん、いずれか一方にスポット的に固定するようにしてもよい。
図10に示すごとく、正極側のウインドウフレーム33を通じて電池内部に到達した水分は、空所43を満たす電解液中に速やかに拡散する。電解液中に拡散した水WAは、セパレータ9の内部に拡散する。セパレータ9の厚さは、水分防止壁35の厚さや正極活物質層36の厚さに比べて非常に小さいが、セパレータ9には電解液が含浸されている。したがって、ウインドウフレーム33を通過してきた水WAがセパレータ9の外周部9kからセパレータ9の内部に拡散する速度は、水WAが水分防止壁35の内部に拡散する速度に比べると無限大である。すなわち、ウインドウフレーム33を通過してきた水分は、セパレータ9および水分防止壁35によって、負極側の空所41に誘導されることになり、負極活物質層5を構成するリチウムと速やかに反応する。この結果、電池内部に浸入してきた水WAが正極活物質と反応を起こす割合を低減することができる。
ところで、水分防止壁35が無い場合には、正極活物質層36はウインドウフレーム33に接する位置まで容易に拡がる。ペースト状の正極合材を印刷することによって正極活物質層36を形成する場合、シール部31を形成する際のシール工程で、正極活物質層36は厚さ方向の荷重を正極集電体8から直接に受けるからである。つまり、水分防止壁25,35は、ペースト状の正極合材を印刷することによって正極活物質層を形成した薄型のリチウム一次電池に特に有効である。
一方、正極合材を予めフィルム状に成形し、所望の形状に切断して電池の構成部品としたリチウム一次電池の場合、正極活物質層は適度な硬さと自立性を有するので、面内方向に拡がりにくい。したがって、電池内部に浸入した水が直ちに正極活物質層に拡散するという問題はないものの、本発明の技術思想を取り入れることにより、電池内部に浸入してきた水を負極側に積極的に輸送することが可能になるため、正極活物質と水との反応による炭酸ガスの発生量を低減し、ひいては電池劣化の抑制を図ることが可能となる。
以上、いくつかの実施形態を記載したが、発明の趣旨を逸脱しない範囲内でこれらの実施形態を相互に組み合わせてよいことはもちろんである。たとえば、正極活物質層に水が向かうことを妨げる水分防止壁を設けるとともに、電池厚さ方向の投影図において、正極活物質層の外形線が負極活物質層の外形線に一致するか内側に収まるようにすることができる。そのようにすれば、正極活物質層に入り込む水の割合を一層減じることが可能となる。
実験例
本発明の効果を確かめるために以下の実験を行なった。
まず、図2に示す本発明のリチウム一次電池1Aを、図6で説明した方法にて作製し、作製後直ちに安定化放電処理を施した。こうして得られたリチウム一次電池1Aを、70℃室内湿度の環境下で保存し、1ヵ月毎に直流パルス放電法によって閉路電圧を測定した。結果のグラフを図12に示す。対比のために、先に行なった比較品の実験結果も併記した。
比較品は、約7ヵ月後から閉路電圧の低下が認められ、10ヵ月後には閉路電圧が2.0Vに達した。一方、本発明品は10ヶ月経過後も閉路電圧は低下せず、優れた長期保存性能を示した。
本発明のリチウム一次電池の斜視図。 本発明のリチウム一次電池の第一実施形態を示す断面模式図。 本発明のリチウム一次電池の第二実施形態を示す断面模式図。 図2のリチウム一次電池1Aの電池厚さ方向の投影図。 図3のリチウム一次電池1Bの電池厚さ方向の投影図。 図2のリチウム一次電池の製造工程説明図。 本発明のリチウム一次電池の第三実施形態を示す断面模式図。 図7のリチウム一次電池の作用説明図。 本発明のリチウム一次電池の第四実施形態を示す断面模式図。 図9のリチウム一次電池の作用説明図。 比較品の加速試験の結果を示すグラフ。 本発明品(リチウム一次電池1A)の加速試験の結果を示すグラフ。 従来のリチウム一次電池の断面模式図。 従来のリチウム一次電池の問題点の説明図。

Claims (8)

  1. セパレータ(9)と、該セパレータ(9)により互いに分離された負極活物質層(5)および正極活物質層(6)と、それら電極活物質層(5,6)をセパレータ(9)の主面上において包囲する枠状シート部材(2,3)と、前記枠状シート部材(2,3)に固定され前記セパレータ(9)との間に電極活物質層(5,6)を保持する集電体(7,8)とを備え、前記負極活物質層(5)がリチウム金属箔(5)で構成された板状のリチウム一次電池(1A)であって、前記枠状シート部材(3)と前記正極活物質層(6)との間に枠状の壁部材(10)を配置し、電池厚さ方向の投影図において、前記正極活物質層(6)の外形線(6p)が前記リチウム金属箔(5)の外形線(5p)に一致するか内側に収まるようにしたことを特徴とするリチウム一次電池(1A)。
  2. 前記壁部材(10)は、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリアミド系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂およびフッソ系樹脂のグループから選択される一種以上の樹脂にて構成されている請求項1記載のリチウム一次電池(1A)。
  3. 前記壁部材(10)は、電解液を保持可能な多孔質構造を持つ請求項1または2記載のリチウム一次電池(1A)。
  4. 前記壁部材(10)は、正極側の前記集電体(8)と前記セパレータ(9)との少なくとも一方に接着されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリチウム一次電池(1A)。
  5. 当該リチウム一次電池(1A)は方形板状の形態を有し、前記正極活物質層(6)は前記壁部材(10)の開口(10q)内の全体に充填され、前記投影図において、前記リチウム金属箔(5)の外形線(5p)が前記壁部材(10)の外形線(10p)の内側に収まる位置関係となっている請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリチウム一次電池(1A)。
  6. セパレータ(9)と、該セパレータ(9)により互いに分離された負極活物質層(5)および正極活物質層(6)と、それら電極活物質層(5,6)をセパレータ(9)の主面上において個別に包囲する1対の枠状シート部材(2,30)と、前記枠状シート部材(2,30)の各々に固定され前記セパレータ(9)との間に電極活物質層(5,6)を保持する1対の集電体(7,8)とを備え、前記負極活物質層(5)がリチウム金属箔(5)で構成された板状のリチウム一次電池(1B)であって、正極側の前記枠状シート部材(30)の開口(30q)を、負極側の前記枠状シート部材(2)の開口(2q)よりも小とし、電池厚さ方向の投影図において、前記正極活物質層(6)の外形線(6p)が前記リチウム金属箔(5)の外形線(5p)に一致するか内側に収まるようにしたことを特徴とするリチウム一次電池(1B)。
  7. 当該リチウム一次電池(1B)は方形板状の形態を有し、前記正極活物質層(6)は正極側の前記枠状シート部材(30)の開口(30q)内の全体に充填され、前記投影図において、正極側の前記枠状シート部材(30)の開口(30q)が前記リチウム金属箔(5)の外形線(5p)の内側に収まる位置関係となっている請求項6記載のリチウム一次電池(1B)。
  8. セパレータ(9)と、該セパレータ(9)により互いに分離された負極活物質層(5)および正極活物質層(26,36)と、それら電極活物質層(5,26,36)をセパレータ(9)の主面上において包囲する枠状シート部材(22,23,24,32,33)と、前記枠状シート部材(22,23,24,32,33)に固定され前記セパレータ(9)との間に前記電極活物質層(5,26,36)を保持する集電体(7,8)と、前記正極活物質層(26,36)と前記枠状シート部材(22,23,24,32,33)との間に位置することにより両者を隔離し、前記枠状シート部材(23,24,32,33)を通じて電池内部に浸入してきた水が前記正極活物質層(26,36)に向かって移動することを妨げる水分防護壁(25,35)と、を備えたことを特徴とするリチウム一次電池(1C,1D)。
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