JP2005339594A - 磁気記録再生方法およびこれに用いる磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録再生方法およびこれに用いる磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 スペーシング損失の低減を図りドロップアウトを抑制するとともに、MRヘッドの使用に適した磁気記録再生方法およびこれに用いる磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】 非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散してなる磁性層を少なくとも設けた磁気記録媒体を用い、情報の記録または再生を行う磁気記録再生方法において、下記の要件を満たす磁気記録媒体を用いることを特徴とする磁気記録再生方法:記録ビット長の1/3以上の深さを有し、かつ再生ビット面積の1/2以上の横断面積を有する凹みが、前記磁性層の表面に20個/(260×350μm2)以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は磁気記録再生方法およびこれに用いる磁気記録媒体に関し、特に、スペーシング損失の低減を図りドロップアウトを抑制するとともに、磁気抵抗効果型素子(MR素子)を利用した再生ヘッド(MRヘッド)の使用に適した磁気記録再生方法およびこれに用いる磁気記録媒体に関する。
データバックアップ用テープの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり100GB以上の記憶容量のものが商品化されており、今後ハードディスクのさらなる大容量化に対応するためデータバックアップ用テープの高容量化は不可欠である。
バックアップテープ1巻当たりの高容量化のためには、テープ全厚を薄くして1巻当たりのテープ長を長くすること、磁性層厚みを0.2μm以下と極めて薄くすることで厚み損失を小さくして記録波長を短くすることともに、トラック幅10μm以下と狭くして幅方向の記録密度を高くする必要がある。
しかしながら、磁性層厚みを0.2μm以下と薄くすると、耐久性が劣化したりするため、非磁性支持体と磁性層の間に少なくとも一層の下塗り層を設ける必要がある。また、記録波長を短くすると、磁性層と磁気ヘッドとの間とのスペーシングの影響が大きくなるので、磁性層表面に凹みがあると、スペーシング損失により、出力ピークの半値幅(PW50)が広くなったり、出力が低下したりしてエラーレートが高くなる。さらに、トラック幅を10μm以下と狭くして幅方向の記録密度を高くすると磁気記録媒体からの漏れ磁束が小さくなるため、再生ヘッドに微小磁束でも高い出力が得られるMRヘッドを使用する必要がある。
特許文献1には、実害に結びつく致命的エラーを改良することを目的として、支持体上に強磁性粉末及び結合剤を主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体であって、RLL2−7変調方式を採用したリニアサーペンタイン方式の磁気記録再生システムに供されるものであり、前記磁性層表面には非接触型表面粗さ計により測定された、50nm以上の深さを有する凹みが10個/46237.5μm2 以下であり、且つ最大深さRvが100nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体が提案されている。しかし、本発明者の検討によれば、高密度デジタル記録を行う場合、すなわち再生ビット面積が小さくなった場合、磁性層の表面に存在する50nm以上の深さの凹みの個数を制御するだけでは、ドロップアウトの発生を低減することができないことが分かった。
特開2001−84549号公報
本発明の目的は、スペーシング損失の低減を図りドロップアウトを抑制するとともに、MRヘッドの使用に適した磁気記録再生方法およびこれに用いる磁気記録媒体を提供することである。
本発明者は、ドロップアウトの抑制には、磁性層の表面に存在する凹みの深さおよび個数を制御することに加え、その凹みの横断面積を制御することも有効であることを見出した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散してなる磁性層を少なくとも設けた磁気記録媒体を用い、情報の記録または再生を行う磁気記録再生方法において、下記の要件を満たす磁気記録媒体を用いることを特徴とする磁気記録再生方法。
(磁気記録媒体:記録ビット長の1/3以上の深さを有し、かつ再生ビット面積の1/2以上の横断面積を有する凹みが、前記磁性層の表面に20個/(260×350μm2)以下である。)
(2)情報の再生手段として、MRヘッドが用いられることを特徴とする前記(1)に記載の磁気記録再生方法。
(3)非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散してなる磁性層を少なくとも設けた、前記(1)に記載の磁気記録再生方法に用いるための磁気記録媒体であって、記録ビット長の1/3以上の深さを有し、かつ再生ビット面積の1/2以上の横断面積を有する凹みが、前記磁性層の表面に20個/(260×350μm2)以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
(4)前記磁性層の厚みが0.20μm以下であることを特徴とする前記(3)に記載の磁気記録媒体。
(5)前記磁気記録媒体の総厚が8μm以下であることを特徴とする前記(3)または(4)に記載の磁気記録媒体。
本発明によれば、磁性層の表面に存在する凹みの深さおよび個数を制御することに加え、その凹みの横断面積を制御することによって、スペーシング損失の低減を図りドロップアウトを抑制するとともに、MRヘッドの使用に適した磁気記録再生方法およびこれに用いる磁気記録媒体を提供することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散してなる磁性層を少なくとも設けた磁気記録媒体を用いる磁気記録再生方法において、この磁気記録媒体が、下記の要件を満たすことを特徴としている。
記録ビット長の1/3以上の深さを有し、かつ再生ビット面積の1/2以上の横断面積を有する凹みが、前記磁性層の表面に20個/(260×350μm2)以下である。
ここで再生ビット面積とは、再生トラック幅と記録ビット長の積によって決定される。
前記の要件における、磁性層表面の凹み個数を20個以下にするためには、例えば、(i)非磁性支持体の反対面(磁性層が設けられない面)にバック層を設け、そこに含まれる粗大粒子の種類と添加量とを調整する方法や、(ii)バック層において複数の結合剤を組み合わせて用い、バック層の弾性率を調整する方法が挙げられる。
前記(i)の方法におけるバック層について説明する。
バック層は、例えば粗大粒子としてカーボンブラックおよび研磨剤等と、結合剤と、その他の添加剤等とから構成され得る。
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して、繰り返し走行性が強く要求される。このような高い走行耐久性を維持させるために、バック層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。カーボンブラックは、平均粒子径の異なる二種類のものを組み合わせて使用することが好ましい。この場合、平均粒子径が10〜50nmの微粒子状カーボンブラックと平均粒子径が51〜300nmの粗粒子状カーボンブラックを組み合わせて使用することが好ましい。微粒子状カーボンブラックの平均粒子径は16〜40nmが特に好ましい。微粒子状カーボンブラックと粗粒子状カーボンブラックの含有比率(質量比)は、前者:後者=98:2〜75:25の範囲にあるのが好ましく、更に好ましくは97:3〜85:15の範囲である。一般に、上記のような微粒子状のカーボンブラックの添加により、バック層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多くあるため、このような場合には特に微粒子状のカーボンブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボンブラックは一般に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数の低減化に寄与する。一方、平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤としての機能を有しており、またバック層の表面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係数の低減化に寄与する。しかし粗粒子状カーボンブラックは、過酷な走行系では、テープ摺動により、バック層からの脱落が生じ易くなり、エラー比率の増大につながる欠点を有している。
微粒子状カーボンブラックの具体的な商品としては、以下のものを挙げることができる。なお、括弧内は平均粒子サイズである。BLACK PEARLS 800(17nm)、BLACK PEARLS 1400(13nm)、BLACK PEARLS 1300(13nm)、BLACK PEARLS 1100(14nm)、BLACK PEARLS 1000(16nm)、BLACK PEARLS 900(15nm)、BLACK PEARLS 880(16nm)、BLACK PEARLS 4630(19nm)、BLACK PEARLS 460(28nm)、BLACK PEARLS 430(28nm)、BLACK PEARLS 280(45nm)、MONARCH 800(17nm)、MONARCH 14000(13nm)、MONARCH 1300(13nm)、MONARCH 1100(14nm)、MONARCH 1000(16nm)、MONARCH 900(15nm)、MONARCH 880(16nm)、MONARCH 630(19nm)、MONARCH 430(28nm)、MONARCH 280(45nm)、REGAL 330(25nm)、REGAL 250(34nm)、REGAL 99(38nm)、REGAL 400(25nm)、REGAL 660(24nm)(以上、キャボット社製)、RAVEN2000B(18nm)、RAVEN1500B(17nm)、Raven 7000(11nm)、Raven 5750(12nm)、Raven 5250(16nm)、Raven 3500(13nm)、Raven 2500 ULTRA(13nm)、Raven 2000(18nm)、Raven 1500(17nm)、Raven1255(21nm)、Raven 1250(20nm)、Raven 1190 ULTRA(21nm)、Raven 1170(21nm)、Raven 1100 ULTRA(32nm)、Raven 1080 ULTRA(28nm)、Raven 1060 ULTRA(30nm)、Raven 1040(28nm)、Raven 880 ULTRA(30nm)、Raven 860(39nm)、Raven 850(34nm)、Raven 820(32nm)、Raven 790 ULTRA(30nm)、Raven 780 ULTRA(29nm)、Raven 760 ULTRA(30nm)(以上、コロンビアンカーボン社製)、旭#90(19nm)、旭#80(22nm)、旭#70(28nm)、旭F-200(35nm)、旭#60HN(40nm)、旭#60(45nm)、HS-500(38nm)(以上、旭カーボン社製)、#2700(13nm)、#2650(13nm)、#2400(14nm)、#1000(18nm)、#950(16nm)、#850(17nm)、#750(22nm)、#650(22nm)、#52(27nm)、#50(28nm)、#40(24nm)、#30(30nm)、#25(47nm)、#95(40nm)、CF9(40nm)、#4350(50nm)、#3040(50nm)(以上、三菱化学社製)、PRINNTEX90(14nm)、PRINTEX95(15nm)、PRINTEX85(16nm)、PRINTEX75(17nm)(以上、デグサ社製)、#3950(16nm)(三菱化成工業(株)製)。
粗粒子カーボンブラックの具体的な商品の例としては、BLACK PEARLS 130(75nm)、MONARCH 120(75nm)(以上、キャボット社製)、Raven 520 ULTRA(68nm)、Raven 510 ULTRA(58nm)、Raven 500(53nm)、Raven 460(67nm)、Raven 450(75nm)、Raven 420(86nm)、Raven 410(101nm)、Raven 22(83nm)、Raven 16(68nm)、Raven 14(55nm)、RAVEN MTP(275nm)(以上、コロンビアンカーボン社製)、旭#55(66nm)、旭50H(85nm)、旭#51(91nm)、旭#50(80nm)、旭#35(78nm)、旭#15(122nm)(以上、旭カーボン社製)、#10(75nm)、#5(76nm)、#4010(75nm)、#3030(55nm)(以上、三菱化学社製)、サーマルブラック(270nm)(カーンカルブ社製)を挙げることができる。
バック層中のカーボンブラック(2種類のカーボンブラックの全量)の含有量は、結合剤100質量部に対して、40〜100質量部の範囲であり、好ましくは、50〜90質量部の範囲である。
研磨剤としては、モース硬度が5〜9の硬質無機粉体、α−酸化鉄、α−アルミナ、および酸化クロム(Cr23)等が挙げられ、これらの粒径は80〜250μmにするのが好ましい。特に好ましい粒径は、100〜210μmである。研磨剤は、全カーボンブラック100質量部に対して0.3〜30質量部用いられることが好ましい。
また、結合剤としては、例えばニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独又はこれらを混合して使用することができる。結合剤の使用量は、バック層中のカーボンブラック100質量部に対し、100〜250質量部になる範囲にするのが好ましい。
次に、前記(ii)の方法におけるバック層について説明する。この方法は、バック層において複数の結合剤を組み合わせて用い、バック層の弾性率を調整する方法である。この場合の弾性率とは、特開2004−94988号公報に開示された方法にしたがって測定された、ヤング率(W)のことを意味し、その値としては500〜1500kg/mm2(4.9〜14.7GPa)、好ましくは1000〜1500kg/mm2(9.8〜14.7GPa)、であるのがよい。なお、前記ヤング率(W)は、三角錐状で、尖端部の曲率半径が100nm、刃角度が65°、稜間角が115°の形状を有するダイヤモンド圧子を、荷重6mgf(58.8μN)で前記バック層に押し込んだときの負荷除荷曲線を求め、下記(1)式で定義される。
W=1.8H1 -1(dP/dH) (MPa) (1)
(但し、H1は除荷曲線の最大変位における接線の荷重0での変位、dP/dHは除荷曲線の最大変位における接線の傾きである。)
結合剤としては、例えばニトロセルロース樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂などが挙げられる。結合剤の使用量は、バック層中のカーボンブラック100質量部に対し、100〜250質量部になる範囲にするのが好ましい。
バック層の厚さは、0.05〜0.7μmの範囲内に設定するのが好ましい。その中でも0.1〜0.6μmの範囲内に設定するのが好ましく、0.3〜0.5μmの範囲内に設定するのがより好ましい。
このようにして、記録ビット長の1/3以上の深さを有し、かつ再生ビット面積の1/2以上の横断面積を有する凹みが、磁性層の表面に20個/(260×350μm2)以下である磁気記録媒体を得ることができる。好ましくは、前記凹みは磁性層の表面に15個/(260×350μm2)以下であるのがよい。
ここで本発明における前記凹みの測定は、市販されている三次元表面構造解析装置を用い、測定視野を260μm×350μmとして測定することができる。本明細書においては、ZYGO社製汎用三次元表面構造解析装置NewView5022を用い、走査型白色光干渉法にてScan Lengthを5μmとし、測定視野を260μm×350μmとし、測定した表面をハイパスフィルタ(HPF):1.65μm、ローパスフィルタ(LPF):50μmのフィルター処理することにより、凹みの形状および個数を測定した。
なお、本発明でいう「記録ビット長の1/3以上の深さ」とは、磁性層表面粗さの平均面を基準にした深さを意味し、「再生ビット面積の1/2以上の横断面積を有する凹み」とは、磁性層表面粗さの平均面で磁気記録媒体を水平方向にスライスしたときの凹みの横断面積が、再生ビット面積の1/2以上であることを意味する。ここで前記平均面とは測定面内の凹凸の体積が等しくなる面のことである。
また、本発明の方法における記録ビット長は、50〜180nm、好ましくは70〜150nmであり、再生トラック幅は、5〜10μm、好ましくは4〜8μmが例示される。
本発明の方法によれば、MRヘッドを用い、ドロップアウトを極力抑制することができる。
以下に、磁性層、非磁性層、非磁性支持体など本発明の磁気記録媒体の構成について、詳細に説明する。
〔磁性層〕
磁性層に含まれる強磁性粉末としては、強磁性金属粉末および六方晶系フェライト粉末が好ましい。またその粒子サイズは、平均長軸長として好ましくは10〜60nmであり、さらに好ましくは10〜45nmである。強磁性粉末の粒子サイズを以上のようにすることにより、強磁性粉末の充填度が高まり、磁気記録媒体の高密度記録特性を高めることができる。
<強磁性金属粉末>
本発明における磁性層に用いられる強磁性金属粉末は、Feを主成分とするもの(合金も含む)であれば特に限定されないが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末であることが好ましい。この強磁性粉末は、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。前記α−Fe以外にAl、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの群から選ばれる少なくとも1つを含むものが好ましく、特に、Co、Al、Yが含まれるのが好ましい。さらに具体的には、CoがFeに対して10〜40原子%、Alが2〜20原子%、Yが1〜15原子%含まれるのが好ましい。
また、これらの強磁性金属粉末には分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。また、強磁性金属粉末は、少量の水、水酸化物又は酸化物を含むものであってもよい。
強磁性金属粉末の形状については、針状、粒状、米粒状又は板状いずれでもかまわないが、特に針状の強磁性金属粉末を使用することが好ましい。
針状強磁性金属粉末の場合、平均長軸長は、好ましくは10〜60nmであり、さらに好ましくは10〜45nmである。針状比は2〜7が好ましく、さらに好ましくは5〜7である。強磁性金属粉末の粒子サイズを以上のようにすることにより、強磁性金属粉末の充填度が高まり、磁気記録媒体の高密度記録特性を高めることができる。
強磁性金属粉末の結晶子サイズは8〜20nmが好ましく、10〜18nmであることがより好ましく、12〜16nmであることがさらに好ましい。この結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製RINT2000シリーズ)を使用し、線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値である。
強磁性金属粉末のBET法による比表面積(SBET)は、40m2/g以上80m2/g未満が好ましく、40〜70m2/gであることがさらに好ましい。
この範囲であれば良好な表面性と低いノイズの両立が可能となる。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12が好ましく、より好ましくは7〜10である。強磁性金属粉末は必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属粉末に対し0.1〜20%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。
強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は、好ましくは159.2〜238.8kA/m(2000〜3000Oe)であり、さらに好ましくは167.2〜230.8kA/m(2100〜2900Oe)である。また、飽和磁束密度は、好ましくは150〜300mT(1500〜3000G)であり、さらに好ましくは160〜290mT(1600〜2900G)である。また飽和磁化(σs)は、好ましくは90〜140A・m2/kg(90〜140emu/g)であり、さらに好ましくは95〜130A・m2/kg(95〜130emu/g)である。
磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散αFe23を使用する、粒子間の焼結を防止するなどの方法がある。
強磁性金属粉末は、公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。焼結防止処理を行った含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFe又はFe−Co粒子などを得る方法、複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性粉末は公知の徐酸化処理する。含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し、酸素含有ガスと不活性ガスの分圧、温度、時間を制御して表面に酸化皮膜を形成する方法が、減磁量が少なく好ましい。
<強磁性六方晶系フェライト粉末>
強磁性六方晶系フェライト粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、それらのCo等の置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
強磁性六方晶系フェライト粉末の粒子サイズは、10〜60nmが好ましく、さらに好ましくは10〜45nmであり、平均板状比{(板径/板厚)の平均}は1〜15であり、さらに1〜7であることが好ましい。平均板状比が1〜15であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによりノイズ増大を抑えることができる。また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積は10〜200m2/gである。この比表面積は、概ね粒子板径と板厚からの計算値と符号する。
強磁性六方晶系フェライト粉末の粒子板径・板厚の分布は、通常狭いほど好ましい。粒子板径・板厚を数値化することは、粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定することで比較できる。粒子板径・板厚の分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すと、σ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには、粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
六方晶系フェライト粒子の抗磁力(Hc)は、好ましくは161.6〜400kA/m(2020〜5000 Oe)、さらに好ましくは200〜320kA/m(2500〜4000 Oe)であり、かつSFDは好ましくは0.3〜0.7である。
抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
六方晶系フェライト粒子の飽和磁化(σs)は40〜80A・m2/kg(emu/g)である。飽和磁化(σs)は高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)の改良のため、マグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合することや、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶系フェライトを用いることも可能である。磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理剤としては、無機化合物及び有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は磁性体の質量に対して0.1〜10質量%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
強磁性六方晶系フェライト粉末の製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得ガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。強磁性六方晶系フェライト粉末は、必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
<結合剤>
本発明の磁気記録媒体の磁性層に用いられる結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂及びこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000、重合度が約50〜1000程度のものである。このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエ−テル等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。
また熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219に詳細に記載されている。
以上の樹脂は単独又は組み合わせて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種と、ポリウレタン樹脂の組み合わせ、又はこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものがあげられる。
ポリウレタン樹脂の構造は、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。
ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには、必要に応じて、−COOH、−COO-+、−SO3H、−SO3 -+、−OSO3H、−OSO3 -+、−P=O(OH)2、−P=O(O-+2、−O−P=O(OH)2、−O−P=O(O-+2、−NR2、−N+3、エポキシ基、−SH、−CN(ここで、M+はアルカリ金属イオン、Rは炭化水素基を表す)などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合又は付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。これら極性基以外にポリウレタン分子末端に少なくとも1個ずつ、合計2個以上のOH基を有することが好ましい。OH基は硬化剤であるポリイソシアネートと架橋して3次元の網状構造を形成するので、分子中に多数含むほど好ましい。特にOH基は分子末端にある方が硬化剤との反応性が高いので好ましい。ポリウレタンは分子末端にOH基を3個以上有することが好ましく、4個以上有することが特に好ましい。
本発明において、ポリウレタン樹脂を用いる場合は、ガラス転移温度が、通常−50〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、特に好ましくは30〜100℃;破断伸びが100〜2000%;破断応力は、通常0.05〜10Kg/mm2(約0.49〜98MPa);降伏点は0.05〜10Kg/mm2(約0.49〜98MPa)であることが好ましい。このような物性を有することにより、良好な機械的特性を有する塗膜が得られる。
本発明に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としては、塩化ビニル系共重合体として、VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE[(商品名)以上ユニオンカ−バイト社製];MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO[(商品名)以上日信化学工業(株)製];1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、100FD[(商品名)以上電気化学工業(株)製];MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A[(商品名)以上日本ゼオン(株)製]などが挙げられる。
またポリウレタン樹脂として、ニッポランN2301、N2302、N2304[(商品名)以上日本ポリウレタン工業(株)製];パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バ−ノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209[(商品名)以上大日本インキ化学工業(株)製];バイロンUR8200、UR8300、UR−8700、RV530、RV280[(商品名)以上東洋紡(株)製];ポリカ−ボネートポリウレタン、ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020[(商品名)以上大日精化工業(株)製];MX5004[(商品名)三菱化学(株)製];サンプレンSP−150[(商品名)三洋化成工業(株)製];サランF310、F210[(商品名)以上旭化成(株)製]などが挙げられる。
本発明に用いられるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類;これらのイソシアネート類とポリアルコールとの付加生成物;イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等が挙げられる。
これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートMTL[以上日本ポリウレタン工業(株)製];タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202[以上武田薬品工業(株)製];デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL[以上住友バイエルウレタン(株)製]等があり、これらをそれぞれ単独で又は硬化反応性の差を利用して2種もしくはそれ以上組み合わせて、磁性層を始め各層に用いることができる。
結合剤の使用量は、強磁性粉末100質量部に対して、一般に5〜50質量部の範囲、好ましくは10〜30質量部の範囲で用いられる。結合剤として塩化ビニル系樹脂を用いる場合には、強磁性粉末100質量部に対して、一般に5〜30質量部の範囲、ポリウレタン樹脂を用いる場合は、強磁性粉末100質量部に対して、一般に2〜20質量部の範囲で使用され、ポリイソシアネートを、強磁性粉末100質量部に対して2〜20質量部の範囲でこれらに組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみ又はポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。
本発明の磁気記録媒体は、磁性層を2層以上設ける、また非磁性層などを設けることができる。その場合、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、或いはそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、或いは先に述べた樹脂の物理特性などを、必要に応じて、各層ごとに変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、これらに対しては多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層でバインダー量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層のバインダー量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、後述する非磁性層のバインダー量を多くして柔軟性を持たせることができる。
<カーボンブラック>
本発明における磁性層には、必要に応じて、カーボンブラックを含有させることができる。カーボンブラックは、磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って、本発明の磁気記録媒体が多層構成の場合には、磁性層を始め各層でその種類、量、組み合わせを変え、粒子径、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
使用されるカーボンブラックは、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。カーボンブラックの比表面積は5〜500m2/g;DBP吸油量は10〜400ml/100g;平均粒子径は5nm〜300nm;pHは2〜10;含水率は0.1〜10%;タップ密度は0.1〜1g/ccの範囲であることが好ましい。
磁性層に用いられるカーボンブラックの市販されている商品名としては、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、880、700、VULCAN XC−72(以上キャボット社製);#80、#60,#55、#50、#35[以上旭カーボン(株)製];#10B、#30、#40、#650B、#850B、#900、#950、#970B、#1000、#2300、#2400B、#3050B、3150B、3250B、#3750B、#3950B、MA−600[以上三菱化学(株)製];CONDUCTEX SC、SC−U、RAVEN15、40、50、150、1250、1255、1500、1800、2000、2100、3500、5250、5750、7000、8000、8800、RAVEN−MT−P(コロンビアンカーボン社製)、ケッチェンブラックEC(アクゾー社製)などが挙げられる。またその他、例えば(「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編)を参考にすることもできる。
カーボンブラックは分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化したりして使用しても、また表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合は、強磁性粉末100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲で用いることが好ましい。
<その他の添加剤など>
本発明において磁性層に添加できるその他の添加剤としては、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などを有するものを用いることができる。
例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)およびこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用できる。
これらの具体例において、脂肪酸としては、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。
エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレイル、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコールなどが挙げられる。
添加剤としては、また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、前記のフェニルホスホン酸やベンジルホスホン酸などの有機リン酸化合物が分散剤として添加され得る。
これらの添加剤は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
本発明で使用することができるこれらの添加剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、その種類、量、および相乗的効果を生み出す添加剤の併用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。
一般には添加剤の総量として、磁性層の強磁性粉末に対し、0.1質量%〜50質量%、好ましくは2質量%〜25質量%の範囲で選択される。なお、本発明の磁気記録媒体の塗布層において、遊離P量を制御するのが好ましいことは、前述のとおりである。
本発明で用いることのできるこれら添加剤の全て又はその一部は、磁性塗料及び、後記する非磁性塗料の製造のどの工程で添加してもよく、例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、磁性体と結合剤と溶媒による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また目的に応じて、磁性層の塗布後又は塗布と同時に添加剤の一部又は全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また目的によっては、カレンダーした後、又はスリット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
〔支持体〕
本発明に用いられる支持体では可撓性支持体が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリオレフイン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフオン、アラミドなどの芳香族ポリアミドなどの公知のフィルムが使用できる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなってもよい。本発明の目的を達成するには、支持体として中心線平均表面粗さが通常、0.03μm以下、好ましくは0.02μm以下、さらに好ましくは0.01μm以下のものを使用することが好ましい。また、これらの支持体は単に中心線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗大突起がないことが好ましい。さらに表面の粗さ形状は、必要に応じて支持体に添加されるフィラーの大きさと量により自由にコントロールされるものである。これらのフィラーとしては一例としてはCa、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉末が挙げられる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の一方の面に磁性層を有するものを広く含む。本発明の磁気記録媒体には、磁性層以外の層を有するものも含まれる。例えば、磁性層と反対面に設けるバック層、非磁性粉末を含む非磁性層、軟磁性粉末を含む軟磁性層、第2の磁性層、クッション層、オーバーコート層、接着層、保護層を有していてもよい。これらの層は、その機能を有効に発揮することができるように適切な位置に設けることができる。
〔非磁性層〕
本発明の磁気記録媒体として好ましいのは、非磁性支持体と磁性層の間に、非磁性無機粉末と結合剤を含む非磁性層を有する磁気記録媒体である。
(非磁性無機粉末)
非磁性無機粉末は、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物や非磁性金属から選択することができる。
無機化合物としては、例えば酸化チタン(TiO2、TiO)、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、酸化クロム、酸化亜鉛、酸化すず、酸化タングステン、酸化バナジウム、炭化ケイ素、酸化セリウム、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、ゲーサイト、水酸化アルミニウムなどを単独又は組合せで使用することができる。特に好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタン又は酸化鉄である。非磁性金属としては、Cu、Ti、Zn、Al等が挙げられる。
これら非磁性無機粉末の平均粒子径は0.005〜2μmであるのが好ましいが、必要に応じて、平均粒子径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせたりすることもできる。とりわけ好ましいのは、平均粒子径が0.01μm〜0.2μmの非磁性粉末である。非磁性粉末のpHは6〜9であるのが特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は好ましくは1〜100m2/g、より好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜40m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.01μm〜2μmであるのが好ましい。DBPを用いた吸油量は好ましくは5〜100ml/100g、より好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。形状は針状、紡錘状、球状、多面体状、板状のいずれであってもよい。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶媒、分散方法その他は、上記の磁性層のものを適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
〔各層の構成〕
各層の厚さは、磁性層が、好ましくは0.20μm以下、より好ましくは0.05〜0.2μm;非磁性層が、好ましくは0.1〜3μm、より好ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは0.8〜3μmとすることができる。非磁性層の厚さは、磁性層よりも厚くすることが好ましい。また、非磁性支持体と磁性層の間に軟磁性層を有する場合は、例えば軟磁性層を、好ましくは0.8〜3μmにすることができる。本発明における磁気記録媒体の総厚は、磁気テープとしたときに、高容量化という点で、8μm以下が好ましい。
〔磁気記録媒体の製造方法〕
本発明の磁気記録媒体は、例えば、乾燥後の層厚が上述の所定の範囲内になるように、走行下にある非磁性支持体の表面に各塗料を塗布することによって製造することができる。複数の磁性層形成用塗料および非磁性層形成用塗料を逐次または同時に重層塗布してもよい。
磁性層形成用塗料を塗布するための塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
片面に2以上の層を有する磁気記録テープを製造するときには、例えば、以下の方法を用いることができる。
(1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置によってまず下層を塗布し、下層が乾燥する前に特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置等を用いて、上層を塗布する方法。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されている塗料通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッド等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布する方法。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布する方法。
塗布した磁性層は、磁性層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理した後に乾燥する。磁場配向処理は、当業者に周知の方法によって適宜行うことができる。
磁性層は、乾燥後にスーパーカレンダーロールなどを用いて表面平滑化処理する。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶媒の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上する。このため、電磁変換特性の高い磁気記録テープを得ることができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、平滑性が良好な表面を有しているのが好ましい。平滑性を良好にするためには、例えば上述したように特定のバインダーを選んで形成した磁性層に上記カレンダー処理を施すのが有効である。カレンダー処理は、カレンダーロールの温度を好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜100℃、特に好ましくは80〜100℃にし、圧力を好ましくは98〜490kN/m(100〜500kg/cm)、より好ましくは196〜441kN/m(200〜450kg/cm)、特に好ましくは294〜392kN/m(300〜400kg/cm)にして行う。カレンダー処理を経た磁気記録媒体は、熱処理するのが一般的である。
得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。実施例中の「部」の表示は「質量部」を示す。
〔試料1〕〜〔試料3〕
[上層磁性層形成用塗布液及び下層形成用塗布液の調製]
<上層磁性層形成用成分>
強磁性金属粉末 組成 Fe/Co=100/30(原子比) 100部
Hc:189.600kA/m(2400 Oe)
BET:70m2/g
平均長軸長:60nm
結晶子サイズ:13nm(130Å)
飽和磁化量σs :125A・m2/kg(125emu/g)
表面処理層:Al23、Y23
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製MR−110) 15部
−SO3Na含有量:5×10-6eq/g)、重合度:350
エポキシ基(モノマー単位で3.5重量%)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
東洋紡製UR−8200
α−アルミナ(平均粒子径:0.1μm) 6部
カーボンブラック(平均粒子径:0.08μm) 0.5部
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサン 100部
<下層形成用成分>
非磁性粉体 αFe23 ヘマタイト 80部
平均長軸長:0.15μm
BET:110m2/g
pH:9.3
タップ密度:0.98
表面処理層:Al23、SiO2
カーボンブラック(三菱カーボン(株)製) 20部
平均一次粒子径:16nm
DBP吸油量:80ml/100g
pH:8.0
BET:250m2/g
揮発分:1.5%
塩化ビニル系共重合体 12部
日本ゼオン製MR-110
ポリエステルポリウレタン樹脂 15部
東洋紡製UR−8200
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサン 100部
トルエン 50部
上記上層または下層を形成する各成分をそれぞれニーダーで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた上層用分散液にセカンダリーブチルステアレート(sec-BS)1.6部を加え、下層分散液に上記ポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製コロネートL)を5部加え、更にそれぞれの分散液にメチルエチルケトン、シクロヘキサノン混合溶液40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層形成用塗布液および下層形成用塗布液をそれぞれ調製した。
[バック層形成用塗布液の調製]
<バック層形成用成分>
微粒子カーボンブラック 100部
平均粒子径:20nm
粗粒子カーボンブラック 10部
平均粒子径:270nm
ニトロセルロース樹脂 a部
ポリエステルポリウレタン樹脂 b部
分散剤
オレイン酸銅 10部
銅フタロシアニン 10部
硫酸バリウム(沈降性) 5部
メチルエチルケトン 500部
トルエン 500部
α−アルミナ(平均粒子径:0.13μm) 0.5部
上記各成分を連続ニーダーで混練したのち、サンドミルを用いて2時間分散させた。得られた分散液にポリイソシアネート40部[(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)]、メチルエチルケトン1000部を添加した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、バック層形成用塗布液を調製した。なお、結合剤ニトロセルロース樹脂とポリエステルポリウレタンの部数は、表1に示した。
<磁気テープの作成、及び製造方法>
得られた上層形成用塗布液と下層形成用塗布液を乾燥後の下層の厚さが1.3μmとなるように、またこの上に乾燥後の磁性層の厚みが0.2μmとなるようにポリエチレンテレフタレート(PET)製非磁性支持体(厚み:6μm、磁性層が塗布される面の表面うねり10%)上に同時重層塗布を行った。なお表面うねりは、ZYGO社製汎用三次元表面構造解析装置NewView5022による走査型白色光干渉法にてScan Lengthを5μmで測定した。測定視野は350μm×260μmである。測定した表面をHPF:50μm、LPF:OFFのフィルター処理して、(高さ5nmでスライスしたときの断面積和)+(深さ5nmでスライスしたときの断面積和)を求め、これを測定視野面積で割り百分率表現したものを表面うねりとした。10箇所測定しその平均値を用いた。
次いで両層がまだ湿潤状態にあるうちに、3000ガウス(300mT)の磁束密度を持つコバルト磁石と1500ガウス(150mT)の磁束密度を持つソレノイドを用いて配向処理を行った。その後乾燥させることにより、非磁性層及び磁性層を形成した。
その後、該支持体の他方の側に、上記バック層形成用塗布液を乾燥後の厚さが0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバック層を設けて、支持体の一方の面に下層と磁性層とが、そして他方の面にバック層がそれぞれ設けられた磁気記録積層体ロールを得た。
得られた磁気記録積層体ロールを加熱金属ロールと熱硬化性樹脂を芯金に被覆した弾性ロールから構成される7段のカレンダー処理機(温度90度、速度300m/分)に通してカレンダー処理を行った。次いでカレンダー処理後の磁気記録積層体ロールを0.5インチ幅にスリットした後、3000ガウス(300mT)の磁束密度を持つソレノイド中を通過させ消磁した。
Figure 2005339594
〔試料4〕
試料1において、バック層用塗布液中の粗粒子カーボンブラックの平均粒子径を95nmに変更する以外は試料1と同様に試料を作成した。
〔試料5〕
試料2において、バック層用塗布液中の粗粒子カーボンブラックの平均粒子径を95nmに変更する以外は試料2と同様に試料を作成した。
〔試料6〕
試料3において、バック層用塗布液中の粗粒子カーボンブラックの平均粒子径を95nmに変更する以外は試料3と同様に試料を作成した。
〔試料7〕
試料4において、バック層用塗布液中の粗粒子カーボンブラック量を40部に変更する以外は試料4と同様に試料を作成した。
<評価法>
〔磁性層表面凹み数の測定法〕
ZYGO社製汎用三次元表面構造解析装置NewView5022による走査型白色光干渉法にてScan Lengthを5μmで測定した。測定視野は260μm×350μmである。測定した表面をHPF:1.65μm、LPF:50μmのフィルター処理して、表2に記載された記録ビット長の1/3以上の深さを有し、かつ表2に記載された再生ビット面積の1/2以上の横断面積を有する凹みの個数を10箇所測定し、その平均値を表2に記載した。
〔ドロップアウト(DO)測定〕
DOの測定はドラムテスタを用いて行った。1.5TのMIGヘッドを用いて記録波長0.15〜0.10μmの信号を書き込み、MRヘッドで再生しスペクトルアナライザで得られた出力を求め、出力が50%落ちたものをDOとしてカウントし、1m当たりのDO数に換算した。5個/m以下をDO良好とした。MRヘッドのトラック幅は表2に記載したものを使用した。
Figure 2005339594
表2から分かるように、磁性層の表面に存在する凹みの深さおよび個数を制御することに加え、その凹みの横断面積を制御することにより、ドロップアウトを極めて低減することができる。本発明は、スペーシング損失の低減が図られ、ドロップアウト数が少なくエラーレートの優れた磁気記録媒体を提供することができる。

Claims (5)

  1. 非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散してなる磁性層を少なくとも設けた磁気記録媒体を用い、情報の記録または再生を行う磁気記録再生方法において、下記の要件を満たす磁気記録媒体を用いることを特徴とする磁気記録再生方法。
    (磁気記録媒体:記録ビット長の1/3以上の深さを有し、かつ再生ビット面積の1/2以上の横断面積を有する凹みが、前記磁性層の表面に20個/(260×350μm2)以下である。)
  2. 情報の再生手段として、MRヘッドが用いられることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生方法。
  3. 非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散してなる磁性層を少なくとも設けた、請求項1に記載の磁気記録再生方法に用いるための磁気記録媒体であって、記録ビット長の1/3以上の深さを有し、かつ再生ビット面積の1/2以上の横断面積を有する凹みが、前記磁性層の表面に20個/(260×350μm2)以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 前記磁性層の厚みが0.20μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記磁気記録媒体の総厚が8μm以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の磁気記録媒体。
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