JP2005337482A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Hitoshi Nomasa
斉 野正
Hiroyuki Shioiri
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Abstract

【課題】 動力源の出力側に、専用の伝動機構を設けずに済む動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 動力伝達がおこなわれる入力部材6および出力部材2と、第1の回転部材8と第2の回転部材9とが相対回転してオイルを吐出するオイルポンプとを有し、第1の回転部材8または第2の回転部材9のいずれか一方が入力部材6に連結され、かつ、他方が出力部材2に連結された動力伝達装置において、オイルポンプは、第1の回転部材6と第2の回転部材2とを動力伝達可能に接続し、かつ、回転軸線に直交して半径方向に動作するピストン11を有するラジアルピストン型ポンプであるとともに、オイルの吐出状態を別々に制御可能なラジアルピストン型ポンプ7,7Aが複数設けられており、複数のラジアルピストンポンプ7,7Aにおけるオイル吐出状態を制御することにより、第1の回転部材6と第2の回転部材2との間における動力伝達状態を制御する制御弁27,27Aが設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、動力源の出力側に配置される動力伝達装置に関するものである。
従来、車両には動力源が搭載されており、その動力源の出力側には動力伝達装置が配置されている。この動力伝達装置には、クラッチ、変速機、前後進切換装置などの要素が含まれており、各要素の種類および配置位置は、車両性能および車両仕様などの諸元により任意に選択される。このような動力伝達装置を有する車両の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された車両にはエンジンが搭載されており、エンジンの出力側に、前後進切換装置およびベルト式無段変速機および最終減速機が配置されている。この前後進切換装置は、遊星歯車装置およびクラッチおよびブレーキを有しており、クラッチおよびブレーキの係合・解放を制御する油圧制御装置が設けられている。
また、ベルト式無段変速機は、プライマリプーリおよびセカンダリプーリおよびベルトを有しており、プライマリプーリの油圧室およびセカンダリプーリの油圧室の油圧が、油圧制御装置により制御される構成となっている。さらに、エンジンのクランクシャフトと、前後進切換装置に連結されたインプットシャフトとの間の動力伝達経路には、トルクコンバータとロックアップクラッチとが並列に設けられている。このトルクコンバータは、クランクシャフトに連結されたポンプインペラと、インプットシャフトに連結されたタービンランナとを有している。このトルクコンバータに供給されるオイル量、およびロックアップクラッチの係合油圧も、前記油圧制御装置により制御される構成となっている。さらに、油圧制御装置は、油圧回路およびソレノイドバルブを有しており、その油圧回路にオイルを供給するオイルポンプが設けられている。このオイルポンプは、ボデーおよびロータを有し、ボデーはトランスアクスルケースに固定され、ロータはポンプインペラと一体的に回転するように連結されている。
上記構成により、エンジンの動力がポンプインペラを経由してロータに伝達されて、オイルポンプが駆動されてオイルが吐出される。そして、ロックアップクラッチが解放されている場合は、エンジンの動力がトルクコンバータに伝達されると、流体の運動エネルギにより動力の伝達がおこなわれる。ロックアップクラッチが係合された場合は、エンジンの動力がトルクコンバータに伝達されると、摩擦力により動力の伝達がおこなわれる。このようにして、エンジンの動力が前後進切換装置に伝達される。なお、オイルポンプを有する動力伝達装置の一例は、特許文献2にも記載されている一方、ラジアル型油圧ポンプの一例が、特許文献3に記載されている。
特開2001−323978号公報 特開平10−220557号公報 特開2000−186664号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載されている動力伝達装置においては、エンジンの動力が、流体伝動機構および前後進切換装置およびベルト式無段変速機を経由して車輪に伝達される構成となっているとともに、流体伝動機構および前後進切換装置およびベルト式無段変速機に供給するオイルを吐出するオイルポンプを別途設ける必要がある。そのため、動力伝達装置の全体としての構成、あるいは動力伝達装置に付随する機器を含めた全体としての構成が大型化し、車載性を向上する場合に改善の余地があった。
この発明は上記事情を背景としてなされたものであって、全体としての小型化を図り、ひいては車両への搭載性を向上させることのできる動力伝達装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため請求項1の発明は、動力伝達がおこなわれる入力部材および出力部材と、第1の回転部材と第2の回転部材とが相対回転してオイルを吸入および吐出するオイルポンプとを有し、前記第1の回転部材または第2の回転部材のいずれか一方が前記入力部材に連結され、かつ、他方が前記出力部材に連結された動力伝達装置において、前記オイルポンプは、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを動力伝達可能に接続し、かつ、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の回転軸線に直交して半径方向に動作するピストンを有するラジアルピストン型ポンプであるとともに、オイルの吐出状態を別々に制御可能な前記ラジアルピストン型ポンプが複数設けられており、この複数のラジアルピストン型ポンプにおけるオイル吐出状態を制御することにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間における動力伝達状態を制御する制御弁が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記第1の回転部材または前記第2の回転部材のいずれか一方には、前記回転軸線を中心として円周方向に形成され、かつ、半径方向に変位されたカム面が複数設けられており、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転する場合に、前記複数のラジアルピストン型ポンプの各ピストンが、前記複数のカム面に沿ってそれぞれ半径方向に動作してオイルを吸入および吐出する構成を有しているとともに、前記複数のカム面は前記回転軸線方向に並んで配置されていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記複数のカム面のうち、所定のカム面の半径と他のカム面の半径とが異なることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2または3の構成に加えて、前記回転軸線を中心とする円周方向の位相上で、所定のカム面の半径が大きくなるように変位することにともない、他のカム面の半径が小さくなるように変位する構成を有していることを特徴とするものである。各請求項の発明において、入力部材とは、動力の伝達方向で出力部材よりも上流に配置されている部材を意味する。また、請求項3および請求項4には、「所定の」および「他の」が記載されているが、これは、各カム面同士を区別するための用語であり、「所定の」および「他の」の用語自体には、格別の技術的意味はない。
請求項1の発明によれば、入力部材と出力部材との間で、第1の回転部材および第2の回転部材を経由して動力伝達がおこなわれる。また、複数のラジアルピストン型ポンプにおけるオイル吐出状態を制御することにより、入力部材と出力部材との間における動力伝達状態を制御することが可能である。つまり、ラジアルピストン型ポンプが、オイル圧送装置としての機能と、伝動機構としての機能とを兼備しているため、動力源の出力側に、オイルポンプの他に伝動機構を設けずに済む。したがって、動力伝達装置の部品点数が低減され、動力伝達装置を小型化することが可能であり、車載性が向上する。さらに、ラジアルピストン型ポンプが複数設けられているため、オイル吐出状態の総合的な制御モードが増える。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、複数のラジアルピストン型ポンプを、回転軸線方向の異なる位置に配置することが可能である。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、複数のラジアルピストン型ポンプのオイル吐出容量を異ならせることが可能である。
請求項4の発明によれば、請求項2または3の発明と同様の効果を得られる他に、入力部材と出力部材とが円周方向で所定の相対位置関係である場合に、複数のラジアルピストン型ポンプのオイル吐出量が異なる。このため、円周方向で入力部材と出力部材との相対位置関係が変化した場合でも、複数のラジアルピストンポンプの総吐出量の変動量が大きくなることを抑制することができる。したがって、円周方向で入力部材と出力部材との相対位置関係が変化した場合でも、入力部材と出力部材との間で伝達されるトルクの変動量が大きくなることが抑制されるため、動力伝達経路における振動および騒音を低減することが可能である。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。この発明は、オイルポンプが、オイル吐出機能と、動力伝達機能とを兼備している構成の動力伝達装置であり、各種の実施例を順次説明する。
図1には、この発明の動力伝達装置を有する車両Veのパワートレーンおよび制御系統の一例が、模式的に示されている。まず、車両Veのパワートレーンについて説明すれば、動力源としてのエンジン1が設けられており、エンジントルクが、インプットシャフト2およびベルト式無段変速機3およびデファレンシャル4を経由して車輪5に伝達される構成となっている。前記インプットシャフト2およびベルト式無段変速機3およびデファレンシャル4は、ケーシング60内に配置されている。
また、エンジン1のクランクシャフト(図示せず)に連結されたシャフト6と、インプットシャフト2とが回転軸線A1を中心として配置されているとともに、シャフト6からインプットシャフト2に至る動力伝達経路に、第1のオイルポンプとしてのオイルポンプ7と、第2のオイルポンプとしてのオイルポンプ7Aとが設けられている。この実施例では、2基のオイルポンプ7,7Aとして、共にラジアルピストン型ポンプが用いられている。このオイルポンプ7,7Aの構成を図2に基づいて説明する。図2は、回転軸線A1を含む平面における正面断面図である。まず、オイルポンプ7の構成について説明すると、オイルポンプ7は、シャフト6に設けられたインナーレース8を有している。このインナーレース8はシャフト6におけるインプットシャフト2側の端部に形成されており、インナーレース8は、回転軸線A1を中心とする円板形状を有している。また、インナーレース8には、円周方向に所定間隔をおいて複数のシリンダ10が形成されている。各シリンダ10は、例えば45度間隔で配置されている。各シリンダ10は、インナーレース8の外周面に開口された略円柱形状の凹部であり、図2に示すように、各シリンダ10の軸線B1と、回転軸線A1とが略直交する構成となっている。
そして、各シリンダ10内には、円柱形状のピストン11が各々配置されており、各ピストン11は軸線B1方向に往復移動自在に構成されている。つまり、ピストン11は、インナーレース8の半径方向に移動可能である。また各ピストン11における外側の端面に凹部12が形成されている。この凹部12は半球形状に構成されており、凹部12によりボール13が保持されている。このボール13は凹部12内で転動可能である。一方、シリンダ10の奥端面10Aとピストン11との間には油室14が形成されている。この油室14には弾性部材15が設けられており、ピストン11をシリンダ10の外に押し出す向きの力が、弾性部材15からピストン11に加えられる。
一方、シャフト6には回転軸線方向に吸入油路16および吐出油路17,17Dが設けられているとともに、シャフト6の外周面には、3条の環状溝16A,17A,17Cが形成されている。この環状溝16A,17A,17Cは回転軸線方向の異なる位置に配置されている。そして、吸入油路16と環状溝16Aとが接続され、吐出油路17と環状溝17Aとが接続され、吐出油路17Dと環状溝17Cとが接続されている。ところで、ケーシング60内には、前記回転軸線A1の半径方向に延ばされた隔壁61が設けられており、この隔壁61には軸孔20が形成されている。この隔壁61は、回転軸線方向においてエンジン1とオイルポンプ7との間に配置されており、隔壁61には、吸入油路18および吐出油路19,19Aが設けられている。また隔壁61は、回転軸線A1に交差する方向に延ばされており、隔壁61の軸孔20内にシャフト6が回転可能に配置されている。吸入油路18および吐出油路19,19Aは軸孔20に開口されており、吸入油路18と環状溝16Aとが接続され、吐出油路19と環状溝17Aとが接続され、吐出油路19Aと環状溝17Cとが接続されている。
このように、シャフト6が回転している場合、または停止している場合のいずれにおいても、吸入油路16と吸入油路18とが接続され、吐出油路17と吐出油路19とが接続され、吐出油路19Aと環状溝17Cとが接続される構成となっている。さらに、吸入油路16と吸入油路18との接続部分、吐出油路17と吐出油路19との接続部分、吐出油路17Dと吐出油路19Aとの接続部分から、オイルが軸孔20から漏れることを防止する密封装置20Aが設けられている。さらに、図1に示すようにオイルパン21が設けられており、吸入油路18はオイルパン21に接続されている。
さらに、吸入油路16と油室14とを連通する油路22が設けられ、吐出油路17と油室14とを連通する油路23が設けられており、油路22には逆止弁24が設けられており、油路23には逆止弁25が設けられている。逆止弁24は、吸入油路16のオイルが油室14に吸入されることを許容し、油室14のオイルが吸入油路16に逆流することを防止する機能を有している。これに対して、逆止弁25は、油室14のオイルが吐出油路17に吐出されることを許容し、吐出油路17のオイルが油室14に逆流することを防止する機能を有している。
一方、前記インプットシャフト2にはアウターレース9が形成されている。アウターレース9は、外向きフランジ35と、外向きフランジ35に連続する円筒部35Aとを有している。円筒部35Aはインナーレース8の外側を取り囲むように配置されているとともに、円筒部35Aの内周には、第1のカム面としてのカム面36が形成されている。図3は、アウターレース9の側面図であり、カム面36は回転軸線A1を中心とする環状に構成されているとともに、略波形に構成されている。つまり、半径方向の外側に向けて突出するように湾曲した凸部と、半径方向の内側に向けて突出するように湾曲した凹部とが、円周方向で交互に、かつ、連続して配置されている。例えば、凸部同士が45度間隔で配置され、凹部同士が45度間隔で配置されている。また、カム面36の内接円(図示せず)の直径は、インナーレース8の直径よりも大きく設定されている。そして、このカム面36と、ピストン11に保持されたボール13とが接触されているとともに、ボール13はカム面36に沿って円周方向に転動可能に構成されている。
つぎに、オイルポンプ7Aの構成を説明する。オイルポンプ7Aは、インナーレース8の端面に固定された円板形状のプレート80を有している。プレート80は、回転軸線方向で、外向きフランジ35とインナーレース8との間に配置されている。このプレート80の外径は、インナーレース80の外径未満に設定されている。また、プレート80には、前記吸入油路16が延ばされており、プレート80には、回転軸線方向に延ばされた吐出油路17Bが形成されている。この吐出油路17Bは、シャフト6に形成された吐出油路17Dに接続されている。
また、プレート80には、円周方向に所定間隔をおいて複数のシリンダ10が形成されている。例えば、各シリンダ10は45度間隔で配置されている。各シリンダ10は、プレート9の外周面に開口された略円柱形状の凹部であり、図2に示すように、各シリンダ10の軸線B1と、回転軸線A1とが略直交する構成となっている。そして、各シリンダ10内には円柱形状のピストン11が各々配置されており、各ピストン11は軸線B1方向に往復移動自在に構成されている。つまり、ピストン11は、プレート80の半径方向に移動可能である。
さらに、オイルポンプ7のピストン11の外径およびシリンダ10の内径は、オイルポンプ7Aのピストン11の外径およびシリンダ10の内径よりも大きく設定されている。また各ピストン11における外側の端面に凹部12が形成されている。この凹部12は半球形状に構成されており、凹部12によりボール13が保持されている。このボール13は凹部12内で転動可能である。一方、シリンダ10の奥端面10Aとピストン11との間には油室14Aが形成されている。この油室14Aには弾性部材15が設けられており、ピストン11をシリンダ10の外に押し出す向きの力が、弾性部材15からピストン11に加えられる。
また、円筒部35Aの内周には、第2のカム面としてのカム面36Aが形成されている。ここで、前記カム面36とカム面36Aとは回転軸線方向に並んで配置されている。言い換えれば、カム面36とカム面36Aとは回転軸線方向における配置領域が異なっている。また、カム面36Aは回転軸線A1を中心とする環状に構成されているとともに、略波形に構成されている。つまり、半径方向の外側に向けて突出するように湾曲した凸部と、半径方向の内側に向けて突出するように湾曲した凹部とが、円周方向で交互に、かつ、連続して配置されている。例えば、凸部同士が45度間隔で配置され、凹部同士が45度間隔で配置されている。このように、回転軸線A1に直交する平面内で、カム面36とカム面36Aとは相似形状となっている。
また、カム面36Aの外接円(図示せず)の直径は、カム面36の内接円(図示せず)の直径以下に設定されている。また、カム面36の内接円の直径は、インナーレース8の直径よりも大きく設定されている。そして、このカム面36と、ピストン11に保持されたボール13とが接触されているとともに、ボール13はカム面36に沿って円周方向に転動可能に構成されている。さらにまた、カム面36の外接円と内接円との差は、カム面36Aの外接円と内接円との差よりも大きく設定されている。したがって、オイルポンプ7のピストン11のストローク量は、オイルポンプ7Aのピストン11のストローク量よりも大である。
さらにまた、回転軸線A1を中心とする円周方向の位相上で、例えば、図3で基線C1から時計方向に向けて、カム面36の半径が大きくなるように変位することにともない、カム面36Aの半径が小さくなるように変位する構成を有している。言い換えれば、円周方向の同一位相上に、カム面36の最小半径部R1と、カム面36Aの最大半径部R2とが位置し、円周方向の同一位相上に、カム面36の最大半径部R3と、カム面36Aの最小半径部R4とが位置するように、カム面36,36Aの凹部と凸部の位相が設定されている。
さらに、吸入油路16と油室14Aとが油路22により接続され、吐出油路17Bと油室14Aとが油路23により接続されている。また、油路22には逆止弁24が設けられており、油路23には逆止弁25が設けられている。逆止弁24は、吸入油路16のオイルが油室14Aに吸入されることを許容し、油室14Aのオイルが吸入油路16に逆流することを防止する機能を有している。これに対して、逆止弁25は、油室14Aのオイルが吐出油路17Bに吐出されることを許容し、吐出油路17Bのオイルが油室14Aに逆流することを防止する機能を有している。
つぎに、オイルポンプ7のオイル吐出状態を制御する装置について説明すると、オイルポンプ7に接続された吐出油路19から、油圧制御装置26に至る経路に、制御弁27が設けられている。制御弁27は図4に示すように、略直線状に往復移動可能なスプール28と弾性部材29と、ソレノイド30と、プランジャ30Aとを有している。弾性部材29からは、スプール28を所定の向き、例えば、図4で上向きに付勢する力が加えられる。また、ソレノイド30に電力を供給すると磁気吸引力が生じて、プランジャ30Aを弾性部材29の力とは逆向きに付勢する。
さらに、スプール28にはランド31が形成されているとともに、制御弁27は吸入ポート32および吐出ポート33を有している。吸入ポート32は吐出油路19に接続され、吐出ポート33は、油路34を経由して油圧制御装置26に接続されている。さらに、バルブボデーとランド31の外周面との間にポートC1が形成される。そして、弾性部材29からスプール28に加えられる力と、プランジャ30Aからスプール28に加えられる力との対応関係により、スプール28の動作が制御される。このスプール28の動作により、ポートC1の断面積が制御されて、吸入ポート32から吐出ポート33に吐出されるオイルの流量が制御される。
さらに、オイルポンプ7Aのオイル吐出状態を制御する装置を、図4により説明すると、オイルポンプ7Aに接続された吐出油路19Aから、油圧制御装置26に至る経路に、制御弁27Aが設けられている。制御弁27Aの構成は、制御弁27の構成と同じであるため、図4においては、便宜上、制御弁27と制御弁27Aとを共通化して表してあり、吐出油路19Aは吸入ポート32に接続されている。なお、制御弁27Aの動作原理は、制御弁27の動作原理と同じである。
前記エンジン1は、燃料の燃焼による熱エネルギを運動エネルギに変換する動力装置であり、エンジン1としては、例えば内燃機関、具体的には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いることができる。エンジン1は吸排気装置および燃料噴射装置などを有している。
前記インプットシャフト2からベルト式無段変速機3に至る経路には、前後進切換装置37が設けられている。前後進切換装置37は、エンジン1の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、インプットシャフト2の回転方向に対するプライマリシャフト38の回転方向を切り換える機能を備えている。図1に示す例では、前後進切換装置37としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、インプットシャフト2と一体回転するサンギヤ39と、サンギヤ39と同心状に配置されたリングギヤ40と、サンギヤ39に噛合したピニオンギヤ41と、ピニオンギヤ41およびリングギヤ40に噛合した他のピニオンギヤ42とが設けられ、ピニオンギヤ41,42がキャリヤ43によって、自転かつ公転自在に保持されている。このキャリヤ43とプライマリシャフト38とが一体回転するように連結されている。
さらに、インプットシャフト2と、キャリヤ43とを選択的に連結・解放する前進用クラッチ44が設けられている。またリングギヤ40を選択的に固定することにより、インプットシャフト2の回転方向に対するプライマリシャフト38の回転方向を反転する後進用ブレーキ45が設けられている。上記前進用クラッチ44および後進用ブレーキ45の係合・解放は、油圧制御装置26により制御される構成となっている。
前記ベルト式無段変速機3は、互いに平行に配置されたプライマリプーリ46とセカンダリプーリ47とを有するとともに、プライマリプーリ46およびセカンダリプーリ47にはベルト48が巻き掛けられている。また、プライマリプーリ46からベルト48に加えられる挟圧力を制御する油圧サーボ機構49と、セカンダリプーリ47からベルト48に加えられる挟圧力を制御する油圧サーボ機構50とが設けられている。この油圧サーボ機構49,50に供給される圧油の油圧が油圧制御装置26により制御される構成となっている。
前記プライマリプーリ46はプライマリシャフト38と一体回転するように構成され、セカンダリプーリ47はセカンダリシャフト51と一体回転するように構成されている。プライマリシャフト38とセカンダリシャフト51とは相互に並行に配置され、セカンダリシャフト51のトルクが、伝動機構52およびデファレンシャル4を経由して車輪5に伝達される構成となっている。
つぎに、図1に示された車両Veの制御系統を説明すれば、車両Veの全体を制御するコントローラとしての電子制御装置53が設けられている。この電子制御装置53には、加速要求、制動要求、エンジン回転数、スロットル開度、インプットシャフト2の回転数、プライマリシャフト38の回転数、セカンダリシャフト51の回転数、シフトポジションなどの信号が入力される。これに対して、電子制御装置53からは、油圧制御装置26を制御する信号、制御弁27,27Aを制御する信号、エンジン1を制御する信号などが出力される。
まず、エンジン1が運転されると、シャフト6のトルクはオイルポンプ7,7Aを経由してインプットシャフト2に伝達される。なお、オイルポンプ7,7Aを介在させたトルクの伝達原理は後述する。ここで、シフトポジションとして前進ポジションが選択された場合は、前後進切換装置37において、前進用クラッチ44が係合され、かつ後進用ブレーキ45が解放される。その結果、インプットシャフト2およびキャリヤ43が一体回転可能に連結されて、インプットシャフト2のトルクがプライマリシャフト38に伝達される。この場合、インプットシャフト2の回転方向とプライマリシャフト38の回転方向とが同じになる。これに対して、シフトポジションとして後進ポジションが選択された場合は、後進用ブレーキ45が係合されて、前進用クラッチ44が解放される。その結果、リングギヤ40が反力要素となり、インプットシャフト2のトルクがプライマリシャフト38に伝達される。この場合、プライマリシャフト38の回転方向は、インプットシャフト2の回転方向とは逆になる。
一方、ベルト式無段変速機3においては、油圧サーボ機構49,50における圧油の供給状態が油圧制御装置26により制御される。具体的には、油圧サーボ機構49に供給される圧油の流量が制御されて、プライマリプーリ46におけるベルト48の巻き掛け半径、およびセカンダリプーリ47におけるベルト48の巻き掛け半径が制御され、ベルト式無段変速機3の変速比、つまり、プライマリシャフト38の回転速度と、セカンダリシャフト51の回転速度との比を無段階(連続的)に制御することができる。また、この変速制御に加えて、セカンダリプーリ47からベルト48に加える挟圧力が調整されて、ベルト式無段変速機3のトルク容量が制御される。
例えば、車速および加速要求(例えばアクセル開度)などに基づいて、車両における必要駆動力が判断され、その判断結果に基づいて目標エンジン出力が求められる。この目標エンジン出力を最適燃費で達成する目標エンジン回転数および目標エンジントルクが求められ、実エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、ベルト式無段変速機3の変速比が制御される。さらに、ベルト式無段変速機3の変速比の制御と並行して、電子スロットルバルブなどが制御されて、実エンジントルクが目標エンジントルクに近づけられる。上記のようにして、インプットシャフト2のトルクが、前後進切換装置37およびベルト式無段変速機3を経由して伝動機構52に伝達されるとともに、伝動機構52のトルクがデファレンシャル4を経由して車輪5に伝達される。
つぎに、インプットシャフト2とシャフト6との間におけるトルクの伝達原理およびトルク制御方法、言い換えれば、オイルポンプ7,7Aにおけるトルクの伝達原理、およびオイルポンプ7,7Aにおける伝達トルクの制御方法を説明し、かつ、オイルポンプ7,7Aのオイル吐出量の制御について説明する。エンジン1が運転されると、シャフト6を図3の所定方向、例えば、時計方向に回転させる向きのトルクが発生する。この実施例においては、シャフト6とインプットシャフト2との間で伝達されるトルクが、以下のようにして制御される。
まず、オイルポンプ7について説明すると、インナーレース8に取り付けられているボール13が、弾性部材15の付勢力により、シリンダ10の外側に向けて付勢されている。そして、インナーレース8とアウターレース9とが相対回転すると、ボール13は、アウターレース9のカム面36に沿って転動するとともに、カム面36の半径方向の凹凸形状により、ボール13およびピストン11が、シリンダ10内を軸線B1方向に往復移動する。この実施例では、オイルポンプ7において、各シリンダ10が45度間隔で配置され、カム面36の凸部同士が45度間隔で配置され、凹部同士が45度間隔で配置されているため、オイルポンプ7を構成する全てのピストン11のうち、同一軸線上に位置するピストン11同士の動作行程が一致する。
このように、ピストン11がシリンダ10内を往復移動すると、油室14の容積が変化する。すなわち、ピストン11が、軸線B1に沿って外側に動作すると油室14の容積が拡大され、ピストン11が、軸線B1に沿って内側に動作すると油室14の容積が縮小される。油室14の容積が拡大される場合は、油室14が負圧となる。すると、逆止弁24が開いて、オイルパン21のオイルが、吸入油路18および吸入油路16を経由して油室14に吸引される。この場合、逆止弁25が閉じられるため、吐出油路17のオイルが油室14に逆流することはない。
ついで、インナレース8とアウターレース9との相対回転にともない、ピストン11が内側に動作すると、油室14の容積が縮小されて、その内部の油圧が上昇する。そして、油室14の油圧が吸入油路16の油圧よりも高圧となった場合は、逆止弁24が閉じられる。その結果、吸入油路16のオイルが油室14に吸入されなくなるとともに、油室14のオイルが吸入油路16に逆流することが防止される。一方、油室14の容積の縮小により、その内部の油圧が吐出油路17の油圧よりも高圧になると、逆止弁25が開く。その結果、油室14のオイルは、吐出油路17および吐出油路19を経由して、制御弁27に供給される。以後、ピストン11が往復運動を繰り返すことにより、オイルポンプ7からオイルが吐出される。
一方、制御弁27においては、吸入ポート32と吐出ポート33との間に形成されたポートC1の断面積が制御され、ポートC1の断面積に応じて、オイルポンプ7におけるオイル吐出量、具体的には、オイルポンプ7から油圧制御装置26に供給されるオイル量が制御される。そして、この実施例においては、ソレノイド30に供給される電力の電流値により、スプール28の動作が制御され、ポートC1の断面積が調整される。このポートC1の断面積に応じて、吐出油路19から油路34に吐出されるオイルの流通抵抗が変化する。具体的には、ポートC1の断面積が拡大されるほど、オイルの流通抵抗が低下し、ポートC1の断面積が縮小されるほど、オイルの流通抵抗が増加する。
この吐出油路19から油路34に吐出されるオイルの流通抵抗は、シリンダ10におけるピストン11の動作特性に影響を及ぼす。つまり、ピストン11を内側に押圧する力が同じであった場合、ピストン11が内側に動作して油室14の容積を狭める場合は、吐出油路19から油路34に吐出されるオイルの流通抵抗が高いほど、油室14から吐出油路17に吐出される単位時間あたりのオイル量が低下する。一方、吐出油路19から油路34に吐出されるオイルの流通抵抗が低いほど、油室14から吐出油路17に吐出される単位時間あたりのオイル量が増加する。
また、吐出油路19から油路34に吐出されるオイルの流通抵抗が高いほど、油室14の油圧が低下しにくく、ピストン11を内側に動作させるために必要な荷重が増加する。一方、吐出油路19から油路34に吐出されるオイルの流通抵抗が低いほど、油室14の油圧が低下しやすく、ピストン11を内側に動作させるために必要な荷重が低下する。この実施例においては、インナーレース8とアウターレース9とが相対回転することにより、ボール13がカム面36を転動して、アウターレース9からピストン11を内側に押圧する荷重が加えられる構成となっている。したがって、ピストン11を内側に動作させるために必要な荷重が高くなるほど、インナーレース8とアウターレース9とを相対回転させるために必要な円周方向の荷重が高くなる。言い換えれば、オイルポンプ7による伝達トルクが上昇する。これとは逆に、ピストン11を内側に動作させるために必要な荷重が低くなるほど、インナーレース8とアウターレース9とを相対回転させるために必要な円周方向の荷重が低くなり、オイルポンプ7による伝達トルクが低下する。
つぎに、オイルポンプ7Aについて説明する。このオイルポンプ7Aの動作原理及びトルク制御原理も、オイルポンプ7の場合と同じである。プレート80に取り付けられているボール13が、弾性部材15の付勢力により、シリンダ10の外側に向けて付勢されている。そして、インナーレース8とプレート80とが一体回転して、インプットシャフト2とプレート80とが相対回転すると、ボール13がアウターレース9のカム面36Aに沿って転動するとともに、カム面36Aの半径方向の凹凸形状により、ボール13およびピストン11が、シリンダ10内を軸線B1方向に往復移動する。
この実施例では、オイルポンプ7Aにおいて、各シリンダ10が45度間隔で配置され、カム面36Aの凸部同士が45度間隔で配置され、凹部同士が45度間隔で配置されているため、オイルポンプ7Aを構成する全てのピストン11のうち、同一軸線上に位置するピストン11同士の動作行程が一致する。ここで、ピストン11が外側に動作して油圧室14Aが負圧となり、逆止弁24が開いた場合は、オイルパン21のオイルが、吸入油路18および吸入油路16を経由して油室14Aに吸引される。この場合、逆止弁25が閉じられるため、吐出油路17Bのオイルが油室14Aに逆流することはない。
ついで、プレート80とアウターレース9との相対回転にともない、ピストン11が内側に動作して、油室14Aの油圧が吸入油路16の油圧よりも高圧となった場合は、逆止弁24が閉じられる。その結果、吸入油路16のオイルが油室14Aに吸入されなくなるとともに、油室14Aのオイルが吸入油路16に逆流することが防止される。一方、油室14Aの容積の縮小により、その内部の油圧が吐出油路17Bの油圧よりも高圧になると、逆止弁25が開く。その結果、油室14Aのオイルは、吐出油路17B,17Dおよび吐出油路19Aを経由して、制御弁27Aに供給される。以後、ピストン11が往復運動を繰り返すことにより、オイルポンプ7Aからオイルが吐出される。オイルポンプ7Aから吐出されたオイルは、制御弁27Aに送られる。この制御弁27Aにより、オイルポンプ7Aから油圧制御装置26に供給されるオイル量が制御される。この制御弁27Aの動作原理は制御弁27の動作原理と同じであり、制御弁27Aの機能により、オイルポンプ7Aにおける伝達トルクが制御される。
する。
以上のように、この実施例においては、オイルポンプ7,7Aが、オイル圧送装置としての機能と、伝動機構(発進装置)としての機能とを兼備しているため、エンジン1の出力側に、オイルポンプ7,7Aの他に伝動機構を設けずに済む。したがって、動力伝達装置の部品点数が低減され、動力伝達装置を小型化することが可能であり、車載性が向上する。また、オイルポンプ7,7Aを、回転軸線方向の異なる位置に配置することが可能である。
また、回転軸線A1を中心とする円周方向の位相上で、カム面36の半径が大きくなるように変位することにともない、カム面36Aの半径が小さくなるように変位する構成を有している。つまり、オイルポンプ7のピストン11が外側に向けて動作する場合は、オイルポンプ7Aのピストン11が内側に向けて動作する。これに対して、オイルポンプ7のピストン11が内側に向けて動作する場合は、オイルポンプ7Aのピストン11が外側に向けて動作する。その結果、オイルポンプ7からオイルの吐出がおこなわれる場合は、オイルポンプ7Aではオイルの吸引がおこなわれ、オイルポンプ7でオイルの吸引がおこなわれる場合は、オイルポンプ7Aではオイルの吐出がおこなわれる。
このように、シャフト6とインプットシャフト2とが円周方向で所定の相対位置関係である場合に、オイルポンプ7とオイルポンプ7Aとのオイル吐出量が異なる。このため、円周方向でシャフト6とインプットシャフト2との相対位置関係が変化した場合でも、オイルポンプ7,7Aにおけるオイルの総吐出量の変動量が大きくなることを抑制することができる。さらに、円周方向でシャフト6とインプットシャフト2との相対位置関係が変化した場合でも、シャフト6とインプットシャフト2との間で伝達されるトルクの変動量が大きくなることを抑制でき、動力伝達経路における振動および騒音を低減することが可能である。
さらに、この実施例では、オイルポンプ7におけるピストン11およびシリンダ10の断面積は、オイルポンプ7Aにおけるピストン11およびシリンダ10の断面積よりも広く設定され、オイルポンプ7におけるピストン11のストローク量は、オイルポンプ7Aにおけるピストン11のストローク量よりも大きくなる。したがって、オイルポンプ7におけるオイル吐出容量の方が、オイルポンプ7Aにおけるオイル吐出容量よりも多くなる。
このように、オイルポンプ7,7Aはオイル吐出容量が異なるとともに、車両Veの運転状態に応じて、オイルポンプ7,7Aのオイル吐出状態を制御するモードとして、複数の制御モードを選択的に切替可能である。この制御モードの切り替え例を、図5のフローチャートに基づいて説明する。まず、車両Veの発進時であるか否かが判断され(ステップS1)、ステップS1で肯定的に判断された場合は、オイルポンプ7からオイルを吐出させ、かつ、オイルポンプ7Aにおけるオイルの吐出を停止する処理を実行する(ステップS2)。このステップS2についで、油圧制御装置26で必要なオイル流量が確保されているか否かが判断され(ステップS3)、このステップS3で肯定的に判断された場合は、図5に示す制御ルーチンを終了する。これに対して、ステップS3で否定的に判断された場合は、オイルポンプ7およびオイルポンプ7Aからオイルを吐出する処理をおこない(ステップS4)、リターンする。
一方、前記ステップS1で否定的に判断された場合は、ベルト式無段変速機3で急変速する条件、または、高負荷条件の少なくとも一方が成立したか否かが判断される(ステップS5)。ここで、高負荷条件とは、目標エンジン出力が所定値以上であることを意味する。このステップS5で肯定的に判断された場合は、ステップS2に進む。これに対して、ステップS5で否定的に判断された場合は、定常走行する条件、または低負荷条件の少なくとも一成立したか否かが判断される(ステップS6)。ここで、定常走行とは、変速比をほぼ一定に維持するような走行を意味し、低負荷とは、目標エンジン出力が所定値未満であることを意味する。そして、ステップS6で肯定的に判断された場合は、オイルポンプ7Aからオイルを吐出させ、かつ、オイルポンプ7におけるオイルの吐出を停止する処理を実行し(ステップS7)、この制御ルーチンを終了する。なお、ステップS6で否定的に判断された場合も、そのままリターンする。このように、図5の制御例によれば、オイルポンプ7,7Aの制御モードとして、3種類の制御モードを選択的に切替可能である。
ここで、アウターレース9の製造工程について説明する。被加工物を、フライス盤などを用いて機械加工して、カム面36,36Aを有するアウターレース9を成形することが可能である。ここで、カム面36の内接円の半径と、カム面36Aの外接円の半径とを同一に設定したアウターレース9を成形する場合は、先にカム面36を加工し、ついで、カム面39の最小半径部R1を基準としてカム面36Aを加工すれば、カム面36とカム面36Aとの同心度高精度に保持することができ、アウターレース9の加工性が向上する。
つぎに、オイルポンプ7,7Aの吐出状態を制御する制御弁の他の構成例を、図6に基づいて説明する。この図6に示された制御弁110を、図1および図4に示す制御弁27に代えて用いることが可能である。制御弁110は、軸線方向に往復移動自在なスプール111と、軸線方向における所定向きの力をスプール111に与える弾性部材112と、吸入ポート113および吐出ポート114および制御ポート115と、フィードバックポート116とを有している。吸入ポート113およびフィードバックポート116には前記吐出油路19が接続され、吐出油路114には前記油路34が接続される。
一方、スプール111は、ランド117,118,119が形成されており、フィードバックポート116の油圧に応じて、スプール111を、弾性部材112の力とは逆向きに付勢する力が生じる。また、制御ポート115の油圧により、弾性部材112と同じ向きにスプール111を付勢する力が生じる。なお、油路120を経由して制御ポート115に入力される制御油圧は、油圧制御装置26で調圧される。
このように構成された制御弁110においては、吐出油路19からフィードバックポート116に伝達される油圧に応じてスプール111に与えられる力と、弾性部材112からスプール111に与えられる力および制御ポート115の油圧に応じてスプール111に与えられる力との対応関係により、軸線方向におけるスプール111の動作が制御され、吐出油路19と油路34との間に形成されるポートD1の断面積、もしく吐出油路19から油路34に供給されるオイルの流量が調整される。つまり、吐出油路19の油圧が上昇すると、フィードバックポート116の油圧が上昇して、スプール111が図6において上向きに動作する。
このため、ポートD1の断面積が拡大されて、吐出油路19から油路34に吐出されるオイルの流量が増加し、オイルポンプ7の吐出圧の上昇が抑制される。これに対して、吐出油路19の油圧が低下すると、フィードバックポート116の油圧が低下して、スプール111が図6において下向きに動作する。このため、ポートD1の断面積が縮小されて、吐出油路19から油路34に吐出されるオイルの流量が減少し、オイルポンプ7の吐出圧の低下が抑制される。そして、制御ポート115に入力される制御油圧を上昇させると、ポートD1の断面積が拡大しにくくなり、オイルポンプ7の吐出圧が低下が抑制されるか、もしくはオイルポンプ7の吐出圧が上昇する。これとは逆に、制御ポート115に入力される制御油圧を低下させると、ポートD1の断面積が拡大し易くなり、オイルポンプ7の吐出圧が上昇が抑制されるか、もしくはオイルポンプ7の吐出圧が低下する。
さらに、制御弁7Aに代えて、図6に示す制御弁110Aを用いることが可能である。この制御弁110Aの場合は、吐出油路19Aが、吸入ポート113およびフィードバックポート116に接続される。制御弁110Aのその他の構成および機能は、制御弁110とほぼ同じである。したがって、図6においては、制御弁110および制御弁110Aを便宜上、共通化して示している。この制御弁110Aの機能により、前述と同様の原理により、オイルポンプ7Aの吐出圧を制御することが可能である。そして、制御弁110,110Aを用いた場合においても、図5に示すフローチャートに基づき、オイルポンプ7,7Aのオイル吐出状態を制御することが可能である。この場合、電子制御装置53により制御弁110,110Aが制御されることは勿論である。
なお、特に図示しないが、シャフト6にアウターレースおよび複数のカム面を形成し、インプットシャフト2にインナーレースおよびプレートを設けるとともに、そのインナーレースおよびプレートに、それぞれシリンダおよびピストンおよび油圧室などを複数設けるとともに、インプットシャフト2に、これらの油圧室に接続される吸入油路および吐出油路を設ける構成を採用することも可能である。また、ボール13に代わる転動体、例えば、ローラを有するラジアルピストン型ポンプを用いることも可能である。
ここで、実施例1および実施例2の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、シャフト6が、この発明の入力部材に相当し、インプットシャフト2が、この発明の出力部材に相当し、インナーレース8およびプレート80が、この発明の第1の回転部材に相当し、アウターレース9が、この発明の第2の回転部材に相当し、オイルポンプ7,7Aが、この発明の複数のラジアルピストン型ポンプに相当し、オイルポンプ7,7Aにおけるオイルの吐出流量および吐出油圧が、この発明のオイルの吐出状態に相当し、カム面36が、この発明の所定のカム面に相当し、カム面36Aが、この発明の他のカム面に相当し、この発明の「動力伝達状態」には、シャフト6とインプットシャフト2との間で伝達されるトルクが含まれる。
この発明の動力伝達装置を有する車両およびその制御系統を示す概念図である。 図1に示されたオイルポンプの構成例を示す正面断面図である。 図2に示されたオイルポンプの構成例を示す側面図である。 図1に示された制御弁の構成を示す図である。 図1の車両で実行可能な制御例を示すフローチャートである。 図1に示された制御弁の他の構成を示す図である。
符号の説明
2…インプットシャフト、 6…シャフト、 7,7A…オイルポンプ、 8…インナーレース、 9…アウターレース、 11…ピストン、 27,27A,110,110A…制御弁、 36,36A…カム面。

Claims (4)

  1. 動力伝達がおこなわれる入力部材および出力部材と、第1の回転部材と第2の回転部材とが相対回転してオイルを吸入および吐出するオイルポンプとを有し、前記第1の回転部材または第2の回転部材のいずれか一方が前記入力部材に連結され、かつ、他方が前記出力部材に連結された動力伝達装置において、
    前記オイルポンプは、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを動力伝達可能に接続し、かつ、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の回転軸線に直交して半径方向に動作するピストンを有するラジアルピストン型ポンプであるとともに、オイルの吐出状態を別々に制御可能な前記ラジアルピストン型ポンプが複数設けられており、この複数のラジアルピストン型ポンプにおけるオイル吐出状態を制御することにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間における動力伝達状態を制御する制御弁が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記第1の回転部材または前記第2の回転部材のいずれか一方には、前記回転軸線を中心として円周方向に形成され、かつ、半径方向に変位されたカム面が複数設けられており、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転する場合に、前記複数のラジアルピストン型ポンプの各ピストンが、前記複数のカム面に沿ってそれぞれ半径方向に動作してオイルを吸入および吐出する構成を有しているとともに、前記複数のカム面は前記回転軸線方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記複数のカム面のうち、所定のカム面の半径と他のカム面の半径とが異なることを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記回転軸線を中心とする円周方向の位相上で、所定のカム面の半径が大きくなるように変位することにともない、他のカム面の半径が小さくなるように変位する構成を有していることを特徴とする請求項2または3に記載の動力伝達装置。
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