JP2005336347A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥路面での操縦安定性及び湿潤路面での制動性が高く、転がり抵抗が低く、雪上性能に優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤのトレッドに、有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体の該活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる変性反応を行い、該変性反応の途中及び/又は終了後に反応系に縮合促進剤を加えて製造された変性重合体を含むゴム成分(A)100質量部に対して、カーボンブラック及び無機充填剤からなる補強性充填剤(B)25〜150質量部を配合してなり、該補強性充填剤(B)の20質量%以上が前記無機充填剤であるゴム組成物を適用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤ、特に乾燥路面での操縦安定性及び湿潤路面での制動性が高く、転がり抵抗が低く、雪上性能に優れた空気入りタイヤに関するものである。
現在、タイヤに要求される性能として、乾燥路面での操縦安定性、湿潤路面での制動性及び転がり抵抗のバランスが良好であることに加え、雪上使用時におけるタイヤの取替えの不便さを解消するために、雪上性能に優れることが求められることが多い。
従来、タイヤの転がり抵抗を低減する手法としては、補強性充填剤としてカーボンブラックを含み、ゴム成分として重合活性部位をスズ化合物で修飾した変性重合体を含んだゴム組成物をタイヤのトレッドに適用する方法(特許文献1参照)、補強性充填剤としてカーボンブラックを含み、ゴム成分として重合活性末端にアミノ基を導入した変性重合体を含んだゴム組成物をタイヤのトレッドに適用する方法(特許文献2参照)等が知られている。
また、タイヤの湿潤路面での制動性と転がり抵抗とを良好にバランスするために、補強性充填剤としてカーボンブラックに代えてシリカを配合したゴム組成物をトレッドに用いることがある。
特公平5−87530号公報 特開昭62−207342号公報
しかしながら、ゴム成分として特公平5−87530号公報又は特開昭62−207342号公報に記載の変性重合体を用い、補強性充填剤としてシリカを用いた場合、変性重合体とシリカとの相互作用が低いため、湿潤路面での制動性及び転がり抵抗を十分に向上させることができない。また、上記変性重合体を含むゴム組成物をトレッドに適用すると、タイヤの雪上性能が大きく低下するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、乾燥路面での操縦安定性及び湿潤路面での制動性が高く、転がり抵抗が低く、雪上性能に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ゴム成分として特定の変性重合体を用い、補強性充填剤としてカーボンブラック及びシリカを特定量配合したゴム組成物をトレッドに適用することで、タイヤの乾燥路面での操縦安定性、湿潤路面での制動性及び転がり抵抗を高度にバランスしつつ、雪上性能を大幅に改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体の該活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる変性反応を行い、該変性反応の途中及び/又は終了後に反応系に縮合促進剤を加えて製造された変性重合体を含むゴム成分(A)100質量部に対して、カーボンブラック及び無機充填剤からなる補強性充填剤(B)25〜150質量部を配合してなり、該補強性充填剤(B)の20質量%以上が前記無機充填剤であるゴム組成物をトレッドに適用したことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤの好適例においては、前記ゴム成分(A)は、スチレン含有量が35質量%を超えるスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含まない。この場合、タイヤの雪上性能を十分に確保することができる。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記無機充填剤がシリカである。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記ゴム組成物は、-20℃での動的弾性率が50MPa以下である。この場合、タイヤの雪上性能を大幅に改善することができる。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記ゴム組成物は、30℃での動的弾性率が11MPa以上である。この場合、タイヤの乾燥路面での操縦安定性を十分に確保することができる。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記ゴム組成物は、0℃でのtanδが0.50以上である。この場合、タイヤの湿潤路面での制動性を十分に向上させることができる。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記重合体が、共役ジエン化合物を単独重合して、又は共役ジエン化合物と他のモノマーを共重合して得られた重合体である。ここで、該重合体がアニオン重合により合成されたものであり、且つ前記他のモノマーが芳香族ビニル化合物であるのが更に好ましい。また、前記共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン及びイソプレンが特に好ましく、前記芳香族ビニル化合物としては、スチレンが特に好ましい。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記活性部位の金属がアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記活性部位が重合体の末端にあり、且つその少なくとも一部が活性状態である。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記変性反応に使用するヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記式(I):
Figure 2005336347

[式中、A1は(チオ)エポキシ、(チオ)インシアネート、(チオ)ケトン、(チオ)アルデヒド、イミン、アミド、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル、(チオ)カルボン酸エステル、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物及び炭酸ジヒドロカルビルエステルの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R1は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;nは0〜2の整数であり;OR3が複数ある場合、各OR3は互いに同一でも異なっていてもよく;但し、分子中に活性プロトン及びオニウム塩を含まない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物、下記式(II):
Figure 2005336347

[式中、A2は環状三級アミン、非環状三級アミン、ニトリル、ピリジン、スルフィド及びマルチスルフィドの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R4は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R5及びR6は、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;mは0〜2の整数であり;OR6が複数ある場合、各OR6は互いに同一でも異なっていてもよく;但し、分子中に活性プロトン及びオニウム塩を含まない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物、並びに下記式(III):
7 p−Si−(OR84-p ・・・ (III)
[式中、R7及びR8は、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;pは0〜2の整数であり;OR8が複数ある場合、各OR8は互いに同一でも異なっていてもよく;但し、分子中に活性プロトン及びオニウム塩を含まない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記有機金属型の活性部位を有する重合体に、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物を該活性部位に対する化学量論量以上加えて変性反応させる。
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記縮合促進剤が、スズのカルボン酸塩及び/又はチタンアルコキシドと水との組み合わせである。ここで、前記スズのカルボン酸塩が、下記式(IV):
Sn(OCOR92 ・・・ (IV)
[式中、R9は炭素数2〜19のアルキル基である]で表される酸化数2のスズ化合物又は下記式(V):
10 qSnA3 r1 4-q-r ・・・ (V)
[式中、R10は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で;A3は、炭素数2〜30のカルボキシル基、炭素数5〜20のα,γ-ジオニル基、炭素数3〜20のヒドロカルビルオキシ基、並びに炭素数1〜20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基で三置換されたシロキシ基から選ばれる基で;B1はヒドロキシル基又はハロゲンで;qは1〜3の整数で;rは1又は2である]で表される酸化数4のスズ化合物であり、
前記チタンアルコキシドが下記式(VI):
4 sTiB2 4-s ・・・ (VI)
[式中、A4は、炭素数3〜20のアルコキシ基、並びに炭素数1〜20のアルキル基及び/又は炭素数1〜20のアルコキシ基で三置換されたシロキシ基から選ばれる基で;B2は炭素数5〜20のα,γ-ジオニル基で;sは2又は4である]で表されるチタン化合物であるのが更に好ましい。
本発明によれば、ゴム成分として特定の変性重合体を含み、補強性充填剤としてカーボンブラック及び無機充填剤を含むゴム組成物をトレッドに適用した、乾燥路面での操縦安定性及び湿潤路面での制動性が高く、転がり抵抗が低く、雪上性能を大幅に向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の空気入りタイヤは、有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体の該活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる変性反応を行い、該変性反応の途中及び/又は終了後に反応系に縮合促進剤を加えて製造された変性重合体を含むゴム成分(A)100質量部に対して、カーボンブラック及び無機充填剤からなる補強性充填剤(B)25〜150質量部を配合してなり、該補強性充填剤(B)の20質量%以上が前記無機充填剤であるゴム組成物をトレッドに適用したことを特徴とする。本発明のタイヤのトレッドに用いるゴム組成物は、30℃での動的弾性率を損なうことなく、-20℃での動的弾性率が低く、また、0℃でのtanδが高く、60℃でのtanδが低い。そのため、該ゴム組成物をトレッドに適用したタイヤは、乾燥路面での操縦安定性を損なうことなく、雪上性能が改善されており、また、湿潤路面での制動性が良好で、転がり抵抗が低いという特性を有する。
本発明のタイヤにおいては、トレッドに適用するゴム組成物中の変性重合体とカーボンブラック及び無機充填剤との相互作用が高いため、ゴム成分(A)中への補強性充填剤(B)の分散性が高く、無機充填剤の使用による湿潤路面での制動性及び転がり抵抗の改善効果を更に向上させることができる。また、変性重合体と無機充填剤との相互作用が高いため、トレッドの低温域での弾性率の上昇が抑制され、乾燥路面での操縦安定性を損なうことなく、雪上性能を大幅に改善することができる。特に、カーボンブラックとシリカとの併用系で、補強性充填剤(B)の20〜95質量%をシリカとすることで、変性重合体への補強性充填剤(B)の分散性が著しく改善されるため、トレッドの-20℃での動的弾性率が大きく低下し、その結果として、従来、改善が難しかったタイヤの雪上性能を飛躍的に向上させることができる。
本発明の空気入りタイヤのトレッドに用いるゴム組成物は、-20℃での動的弾性率が50MPa以下であるのが好ましい。-20℃での動的弾性率が50MPa以下のゴム組成物をトレッドに適用することで、タイヤの雪上性能を大幅に改善することができる。
また、本発明の空気入りタイヤのトレッドに用いるゴム組成物は、30℃での動的弾性率が11MPa以上であるのが好ましい。30℃での動的弾性率が11MPa以上のゴム組成物をトレッドに適用することで、タイヤの乾燥路面での操縦安定性を十分に確保することができる。
更に、本発明の空気入りタイヤのトレッドに用いるゴム組成物は、0℃でのtanδが0.50以上であるのが好ましい。0℃でのtanδが0.50以上のゴム組成物をトレッドに適用することで、タイヤの湿潤路面での制動性を十分に向上させることができる。
また更に、本発明の空気入りタイヤのトレッドに用いるゴム組成物は、60℃でのtanδが0.20以下であるのが好ましい。60℃でのtanδが0.20以下のゴム組成物をトレッドに適用することで、タイヤの転がり抵抗を十分に低減して、低燃費性を十分に向上させることができる。
本発明の空気入りタイヤのトレッドに用いるゴム組成物のゴム成分(A)は、上記変性重合体を含み、他のゴム成分を含んでもよい。ここで、上記変性重合体以外のゴム成分としては、天然ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられ、これらの中でも、SBR及びBRが好ましい。ここで、変性重合体とSBRとを併用する場合、該SBRは、スチレン含有量が35質量%以下であり、スチレン含有量が25質量%以下であるのが好ましい。スチレン含有量が35質量%を超えるSBRを用いると、ゴム組成物の-20℃での動的弾性率が上昇し、タイヤの雪上性能が低下する。
上記ゴム成分(A)中の上記変性重合体の含有量は、10〜100質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲が更に好ましい。ゴム成分(A)中の変性重合体の含有量が10質量%未満では、転がり抵抗、湿潤路面での制動性及び雪上性能のバランスが悪くなる。また、変性重合体の含有量が80質量%を超えると、転がり抵抗、湿潤路面での制動性及び雪上性能のバランスを保てるものの、乾燥路面での操縦安定性が低下する虞がある。
上記ゴム成分(A)に用いる変性重合体は、有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体の該活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物残基を導入する変性反応を行い、該変性反応の途中及び/又は終了後に反応系に縮合促進剤を加えて製造される。なお、重合体の変性段階では縮合促進剤を加えず、有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体の該活性部位に、ヒドロカルビルオキシシラン化合物残基を導入して得た変性重合体に、ゴム組成物の配合時に縮合促進剤を加えてもよい。上記活性部位の金属は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましく、リチウムであるのが特に好ましい。
上記有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体の重合方法としては、特に制限はなく、溶液重合、気相重合、バルク重合のいずれでもよいが、溶液重合が特に好ましい。また、該重合体は、共役ジエン化合物を単独重合して、又は共役ジエン化合物と他のモノマーを共重合して得られた重合体であるのが好ましい。ここで、溶液重合の場合、例えば、重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を単独で、又は共役ジエン化合物と他のモノマーとをアニオン重合させることにより、目的の重合体を製造することができる。また、溶液重合の場合、溶液中のモノマーの濃度は、5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲が更に好ましい。なお、重合形式は、特に限定されず、回分式及び連続式のいずれでもよい。
また、重合系にハロゲン含有モノマーを混在させ、重合体中のハロゲン原子を有機金属化合物によって活性化することも有効である。例えば、イソブチレン単位、パラメチルスチレン単位及びパラブロモメチルスチレン単位を含む共重合体の臭素部分をリチオ化して活性部位とすることも有効である。
上記共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中でも、1,3-ブタジエンが特に好ましい。これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、共役ジエン化合物と併用することができる他のモノマーとしては、芳香族ビニル化合物が好ましく、該芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン及び2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、これらの中でもスチレンが好ましい。これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、モノマーとして共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを用いて共重合を行う場合、モノマーの入手し易さ及びアニオン重合におけるリビング性が優れる点で、1,3-ブタジエン及びスチレン用いるのが特に好ましい。なお、モノマーとして、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を併用する場合、モノマー混合物中の芳香族ビニル化合物の含有率は、3〜50質量%の範囲が好ましく、4〜45質量%の範囲が更に好ましい。
上記有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体をアニオン重合で製造する場合、重合開始剤としては、有機アルカリ金属化合物及び/又は有機アルカリ土類金属化合物を用いるのが好ましく、リチウム化合物を用いるのが更に好ましい。該リチウム化合物としては、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物等が挙げられる。重合開始剤としてヒドロカルビルリチウムを用いる場合、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、他方の末端が重合活性部位である重合体が得られる。一方、重合開始剤としてリチウムアミド化合物を用いる場合、重合開始末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端が重合活性部位である重合体が得られる。なお、重合開始剤としてのリチウム化合物の使用量は、モノマー100g当り0.2〜20mmolの範囲が好ましい。なお、上記有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体は、活性部位を分子中に有する限り、特に限定されないが、該重合体がアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤としたアニオン重合によるものである場合には、一般的に活性部位は重合体の末端に位置する。
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、具体的には、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム、フェニルリチウム、2-ナフチルリチウム、2-ブチル-フェニルリチウム、4-フェニル-ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられ、これらの中でも、n-ブチルリチウムが特に好ましい。
一方、上記リチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ-2-エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム-N-メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられ、これらの中でも、カーボンブラックとの相互作用及び重合開始能等の観点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状リチウムアミドが好ましく、リチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが特に好ましい。これらリチウムアミド化合物は、二級アミンとリチウム化合物とから予備調製して重合反応に使用してもよいが、重合系中で生成させ使用してもよい。
上記有機アルカリ金属化合物等を重合開始剤として、アニオン重合により上記有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、共役ジエン化合物単独で、又は共役ジエン化合物と他のモノマーとの混合物を重合させることで上記重合体を製造することができる。ここで、重合反応に不活性な炭化水素溶媒としては、炭素数3〜8のものが好ましく、具体的には、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1-ブテン、イソブテン、トランス-2-ブテン、シス-2-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記アニオン重合は、ランダマイザーの存在下で実施してもよい。該ランダマイザーは、重合体のミクロ構造を制御することができ、例えば、モノマーとしてブタジエンを用いた重合体のブタジエン単位の1,2-結合含量を制御したり、モノマーとしてイソプレンを用いた重合体のイソプレン単位の3,4-結合含量を制御したり、モノマーとしてスチレンとブタジエンを用いた共重合体のブタジエン単位とスチレン単位とをランダム化する等の作用を有する。上記ランダマイザーとしては、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、1,2-ジピペリジノエタン、カリウム-t-アミレート、カリウム-t-ブトキシド、ナトリウム-t-アミレート等が挙げられる。これらランダマイザーの使用量は、重合開始剤としてリチウム化合物を用いた場合、リチウム化合物1モル当り0.01〜1000モル当量の範囲が好ましい。
上記重合反応の重合温度は、0〜150℃の範囲が好ましく、20〜130℃の範囲が更に好ましい。また、該重合は、発生圧力下で実施できるが、通常は、使用するモノマーを実質的に液相に保つのに十分な圧力下で行うのが好ましい。ここで、重合反応を発生圧力より高い圧力下で実施する場合、反応系を不活性ガスで加圧するのが好ましい。また、重合に使用するモノマー、重合開始剤、溶媒等の原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を予め除去したものを用いるのが好ましい。
なお、エラストマーとして上記重合体を得る場合は、得られる重合体の示差熱分析法により求めたガラス転移点(Tg)が-110〜-15℃の範囲にあるのが好ましい。ガラス転移点が-110℃未満の重合体を得るのは難しく、また、重合体のガラス転移点が-15℃を超えると、室温領域での粘度が高くなり過ぎ、取り扱いが困難となる場合がある。
本発明の空気入りタイヤのトレッド用ゴム組成物に用いる変性重合体は、上記有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体に対して、ヒドロカルビルオキシシラン化合物を、好ましくは、該活性部位に対して化学量論量以上加え、より好ましくは、見かけの活性部位の0.3モル当量以上加え(通常、変性用ヒドロカルビルオキシシラン化合物は、その1モルが活性部位数モル当量に相当する)、該活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させて、該活性部位に実質的にヒドロカルビルオキシシラン化合物残基を導入した後、縮合促進剤を加えて製造される。該縮合促進剤を加える時期としては、ヒドロカルビルシラン化合物残基を導入した変性直後の反応系に添加するのが好ましいが、該変性反応により変性された重合体を乾燥した後、配合時、望ましくは配合の第1ステージにおいて縮合促進剤を添加してもよい。なお、変性反応において使用する重合体は、20%以上のポリマー鎖が有機金属型の活性部位を有するのが好ましい。
上記変性反応に用いるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、上記式(I)、式(II)及び式(III)のいずれかで表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物が好ましい。ここで、部分縮合物とは、ヒドロカルビルオキシシラン化合物のSiORの一部が縮合によりSiOSi結合したものをさす。該ヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
式(I)において、A1における官能基の中で、イミンはケチミン、アルジミン、アミジンを包含し、(チオ)カルボン酸エステルは、アクリレートやメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステルを包含する。また、(チオ)カルボン酸の金属塩の金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Zn等を挙げることができる。
1のうちの二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。該直鎖状アルキレン基としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
また、R2及びR3としては、炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜18のアルケニル基,炭素数6〜18のアリール基,炭素数7〜18のアラルキル基等が挙げられる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,イソブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロペニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基等が挙げられる。また、上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等が挙げられる。更に、上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
式(I)において、nは0〜2の整数であるが、0が好ましく、また、この分子中には活性プロトン及びオニウム塩を有しないことが必要である。
式(I)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、(チオ)エポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、2-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2-グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン及びこれらの化合物におけるエポキシ基をチオエポキシ基に置き換えたものを挙げることができるが、これらの中でも、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
また、イミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(1-メチルエチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-エチリデン-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(1-メチルプロピリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(4-N,N-ジメチルアミノベンジリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(シクロヘキシリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物,メチルジエトキシシリル化合物,エチルジエトキシシリル化合物,メチルジメトキシシリル化合物,エチルジメトキシシリル化合物等を挙げることができるが、これらの中でも、N-(1-メチルプロピリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン及びN-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミンが特に好ましい。
更に、イミン(アミジン)基含有化合物としては、1-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-4,5-ジヒドロイミダゾール,1-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-イソプロポキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-メチルジエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール等が挙げられ、これらの中でも、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾールが好ましい。
また更に、カルボン酸エステル基含有化合物としては、3-メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロイロキシプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、イソシアネート基含有化合物としては、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシランが好ましい。
更に、カルボン酸無水物含有化合物としては、3-トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられ、これらの中でも、3-トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物が好ましい。
上記式(I)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
式(II)において、A2のうちの非環状三級アミンは、N,N-二置換アニリン等のN,N-二置換芳香族アミンを包含し、また環状三級アミンは、環の一部として(チオ)エーテルを含むことができる。R4のうちの二価の不活性炭化水素基、R5及びR6については、それぞれ前記式(I)におけるR1、R2及びR3について説明したとおりである。この分子中には活性プロトン及びオニウム塩は有しないことが必要である。
式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、非環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、3-ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン,3-ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン,3-ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン,3-ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン,2-ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン,2-ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン,3-ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン,3-ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン等が挙げられ、これらの中でも、3-ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン及び3-ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランが好ましい。
また、環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン,(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン,(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン,2-(1-ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン,2-(1-ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン,3-(1-ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン,3-(1-ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン,3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシラン,3-[10-(トリエトキシシリル)デシル]-4-オキサゾリン等が挙げられ、これらの中でも、3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン及び(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シランが好ましい。
更に、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、2-(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2-(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2-シアノエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これら式(II)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
式(III)において、R7及びR8については、それぞれ上記式(I)におけるR2及びR3について説明したとおりである。
式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、テトラエトキシシランが特に好ましい。
式(III)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物を用いることもできる。
上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物による変性反応は、溶液反応及び固相反応のいずれでもよいが、溶液反応で行うのが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した未反応モノマーが含まれていてもよい。ここで、該変性反応は、重合反応が所望の転化率に達した後、脱溶媒処理、水処理、熱処理等を行う前に実施することが肝要である。なお、該変性反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。また、変性反応の温度は、20℃以上が好ましいが、重合体の重合温度をそのまま用いることができ、30〜120℃の範囲が更に好ましい。変性の反応温度が低くなると、重合体の粘度が上昇し過ぎ、反応物の分散性が悪くなる傾向がある。一方、変性の反応温度が高くなると、重合活性部位が失活し易くなる傾向がある。
上記変性反応においては、重合体の活性部位に導入されたヒドロカルビルオキシシラン化合物残基の縮合又は未反応のヒドロカルビルオキシシラン化合物との縮合を縮合促進剤の存在下で行う。該縮合促進剤としては、一般にアルコキシ縮合硬化型室温架橋(RTV)シリコーン用の硬化触媒として知られている金属化合物と、水との組み合わせが使用でき、例えば、スズのカルボン酸塩及び/又はチタンアルコキシドと水との組み合わせが好適に挙げられる。なお、縮合促進剤の水の反応系中への投入は、アルコール等の水と相溶する有機溶媒の溶液としてもよいし、種々の化学工学的手法を用いて水を直接炭化水素溶液中に注入・分散させてもよい。
上記スズのカルボン酸塩としては、上記式(IV)で表される酸化数2のスズ化合物及び上記式(V)で表される酸化数4のスズ化合物が好ましく、また、上記チタンアルコキシドとしては、上記式(VI)で表されるチタン化合物が好ましい。
上記スズのカルボン酸塩として、具体的には、二価のスズのジカルボン酸塩や、四価のジヒドロカルビルスズのジカルボン酸塩[ビス(ヒドロカルビルジカルボン酸)塩を含む]、ビス(α,γ-ジケトネート)、アルコキシハライド、モノカルボン酸塩ヒドロキシド、アルコキシ(トリヒドロカルビルシロキシド)、アルコキシ(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)、ビス(トリヒドロカルビルシロキシド)、ビス(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)等が好ましい。また、スズに直接結合したヒドロカルビル基としては炭素数4以上が望ましく、炭素数4〜8が特に好ましい。
また、上記チタン化合物としては、酸化数4のチタンのテトラアルコキシド、ジアルコキシビス(α,γ-ジケトネート)、テトラキス(トリヒドロカルビオキシド)等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(トリヒドロカルビオキシド)が好ましい。
一方、水としては、単体やアルコール等の溶液、炭化水素溶媒中の分散ミセル等の形態が好適に用いられる他、必要ならば固体表面の吸着水や水和物の水和水等の、反応系中で水を放出し得る化合物が潜在的に含んだ水分も有効に用いることができる。従って吸着水を有する固体や水和物等、容易に水を放出することができる化合物を上記金属化合物と併用する態様も好ましい。
縮合促進剤を形成するこれら二者は、反応系に別々に投入しても、使用直前に混合して混合物として投入してもよいが、混合物の長期保存は金属化合物の分解を招くので好ましくない。
上記縮合促進剤の使用量は、前記金属化合物の金属及びプロトン源の、系内に存在するヒドロカルビルオキシシリル結合総量に対するモル比が、共に0.1以上になるように選定するのが好ましい。また、前記金属化合物の金属及び反応に有効な水の、反応系内に存在するヒドロカルビルオキシシリル基総量に対するモル比が、共に0.1以上であるのが好ましい。上限は目的や反応条件によっても異なるが、縮合処理以前の段階で重合体末端に結合されたヒドロカルビルオキシシリル基総量に対して0.5〜3モル当量の有効な水が存在することが好ましい。なお、前記金属化合物の金属及び反応に有効な水のモル比は求められる反応条件によっても異なるが、1/0.5〜1/20程度が好適である。
上記縮合促進剤を用いた反応は、20℃以上で行うのが好ましく、30〜120℃の範囲で行うのが更に好ましい。また、反応時間としては、0.5〜120分程度が好ましく、3〜60分の範囲が更に好ましい。
上記変性反応時には、所望により、重合反応を停止するために、公知の老化防止剤やショートストップ剤を、重合体の活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物残基を導入した後の工程において、添加することができる。また、変性反応終了後、多価アルコールの高級カルボン酸エステル等の縮合抑制剤を反応系に添加してもよい。
なお、上記変性重合体は、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物残基を末端に導入して得られた一次変性の重合体に、配合の段階で、前記縮合促進剤を添加・混練りすることによっても得ることができる。
上記の如く変性処理した後、脱溶媒等の従来公知の後処理を行い、目的の変性重合体を得ることができる。この変性重合体の重合鎖活性部位変性基の分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や、核磁気共鳴分光(NMR)を用いて行うことができる。
上記変性重合体のムーニー粘度ML1+4(100℃)は、好ましくは10〜150、より好ましくは15〜100である。ムーニー粘度が10未満では、破壊特性を始めとするゴム物性を十分に確保することができず、150を超えると、作業性が悪く、配合剤とともに混練りすることが困難である。
上記変性重合体は、シリカ等の無機充填剤やカーボンブラックを補強性充填剤として配合したゴム組成物におけるゴム成分として用いた場合、補強性充填剤との相互作用を高め、破壊特性、耐摩耗性及び低発熱性を同時に向上させると共に、良好な加工性を発揮することができる。
本発明の空気入りタイヤのトレッドに用いるゴム組成物は、カーボンブラック及び無機充填剤からなる補強性充填剤(B)を上記ゴム成分(A)100質量部に対して25〜150質量部含有し、50〜100質量部含有するのが好ましい。補強性充填剤(B)の配合量がゴム成分(A)100質量部に対して25質量部未満では、ゴム組成物の補強性が低下し、トレッドの耐カット性や耐摩耗性が著しく低下し、更に乾燥路面での操縦安定性を十分に確保することができず、150質量部を超えると、タイヤの転がり抵抗が悪化すると共に、雪上性能も悪化する。
また、上記補強性充填剤(B)中の無機充填剤の含有率は、20質量%以上であり、50質量%以上であるのが好ましく、70質量%以上であるのが更に好ましく、更に、95質量%以下であるのが好ましい。補強性充填剤(B)中の無機充填剤の含有率が20質量%未満では、湿潤路面での制動性と転がり抵抗とのバランスが悪化し、95質量%を超えると、ゴム組成物の混練における作業性が悪化すると共に、乾燥路面での操縦安定性が低下することがある。
上記カーボンブラックとしては、FEF,SRF,HAF,ISAF,SAFグレードのものが好ましく、HAF,ISAF,SAFグレードのものが更に好ましい。一方、シリカとしては、湿式シリカが好ましい。
上記無機充填剤としては、シリカ及び下記式(VII):
wM・xSiOy・zH2O ・・・ (VII)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;w、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数である]で表される無機化合物が挙げられる。これら無機充填剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。なお、式(VII)において、x、zがともに0である場合、該無機化合物は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
上記式(VII)で表わされる無機化合物としては、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al23);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が挙げられる。
上記無機充填剤の中でも、シリカが特に好ましい。該シリカとしては、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、破壊特性及び湿潤路面での制動性を高度に両立する観点から、湿式シリカが好ましい。
本発明の空気入りタイヤのトレッドに用いるゴム組成物には、上記ゴム成分(A)、補強性充填剤(B)の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、軟化剤、シランカップリング剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。上記ゴム組成物は、変性重合体を含むゴム成分(A)に、補強性充填剤(B)と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物をトレッドに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<変性重合体Aの製造方法>
乾燥し、窒素置換された800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液(16%)及びスチレンのシクロヘキサン溶液(21%)を、1,3-ブタジエン40g、スチレン10gとなるように加え、更に、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン0.44mmolを加え、これにn-ブチルリチウム(BuLi)0.48mmolを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。この重合反応系にN-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール(TEOSPDI)0.43mmolを加えた後、更に50℃で30分間変性反応を行った。この後、重合反応系に、ビス(2-エチルへキサノエート)スズ(BEHAS)1.26mmol及び水1.26mmolを加えた後、50℃で30分間縮合反応を行った。その後、重合反応系に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して変性重合体Aを得た。
なお、得られた変性重合体Aは、変性反応前の重量平均分子量(Mw)が184×103で、一段目の変性反応後の重量平均分子量(Mw)が354×103で、縮合反応後の重量平均分子量(Mw)が623×103であった。また、変性重合体Aは、スチレン単位の含有量が19.8質量%で、ブタジエン部分のビニル含有量が52.3質量%で、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が72であった。ここで、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製GMH−XL(2本直列)、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として測定し、スチレン単位の含有量は、1H-NMRスペクトルの積分比から算出し、変性重合体のブタジエン部分のミクロ構造は、赤外法(モレロ法)によって求め、ムーニー粘度は、東洋精機社製のRLM-01型テスターを用いて測定した。
次に、上記変性重合体A又は市販のSBRを用いて、主として表1に示す配合処方からなるゴム組成物を調製し、該ゴム組成物の引張強さ(Tb)、動的弾性率(E')及び損失正接(tanδ)を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(1)引張強さ(Tb)
JIS 3号試験片に対して、JIS K6251に準拠して引張強さ(Tb)を測定した。
(2)動的弾性率(E')及び損失正接(tanδ)
上島製作所製スペクトロメーターを使用し、歪2%、周波数30Hzの条件下、測定温度-20℃及び30℃で動的弾性率(E')を測定し、また、測定温度0℃及び60℃で損失正接(tanδ)を測定した。
次に、上記ゴム組成物をトレッドに用いて、サイズ:185/70R14のタイヤを試作し、該タイヤをリム組みして内圧を1.8kgf/cm2とした後、国産FF車に装着し、下記の方法でタイヤの雪上性能、乾燥路面での操縦安定性、湿潤路面での制動性及び転がり抵抗を測定した。結果を表1に示す。
(3)雪上性能
供試ゴム組成物をトレッドに用いた各種タイヤを試験車に装着し、積雪路面での実車試験にて、操縦安定性をドライバーのフィーリング評点で表し、比較例1のタイヤを100として指数表示した。指数値が大きい程、雪上性能が優れることを示す。
(4)乾燥路面での操縦安定性(ドライ操縦安定性)
供試ゴム組成物をトレッドに用いた各種タイヤを試験車に装着し、乾燥路面での実車試験にて、操縦安定性をドライバーのフィーリング評点で表し、比較例1のタイヤを100として指数表示した。指数値が大きい程、乾燥路面での操縦安定性が優れることを示す。
(5)湿潤路面での制動性(ウェット制動性)
供試ゴム組成物をトレッドに用いた各種タイヤを試験車に装着し、湿潤路面での実車試験にて、操縦安定性をドライバーのフィーリング評点で表し、比較例1のタイヤを100として指数表示した。指数値が大きい程、湿潤路面での制動性が優れることを示す。
(6)転がり抵抗
ドラムを用い、80km/hの速度で回転させ慣性法によって転がり抵抗を測定し、比較例1のタイヤを100として指数表示した。指数値が大きい程、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
Figure 2005336347
*1 JSR製, SL563.
*2 JSR製, #1500.
*3 JSR製, BR01.
*4 N234グレード.
*5 日本シリカ工業製, ニプシルAQ.
*6 デグッサ社製, Si69.
実施例のゴム組成物は、30℃での動的弾性率が高く、-20℃での動的弾性率が低く、且つ0℃でのtanδが高く、60℃でのtanδが低かった。また、該ゴム組成物をトレッドに用いた実施例のタイヤは、乾燥路面での操縦安定性を損なうこと無く、雪上性能が良好で、且つ湿潤路面での制動性が良好で、転がり抵抗が低かった。
一方、比較例2のゴム組成物は、本発明で特定する変性重合体を含まないため、-20℃での動的弾性率が高く、該ゴム組成物をトレッドに用いた比較例2のタイヤは、雪上性能が比較例1に比べて大きく低下していた。
また、比較例3のゴム組成物は、無機充填剤を含まないため、0℃でのtanδが低く、該ゴム組成物をトレッドに用いた比較例3のタイヤは、湿潤路面での制動性が比較例1に比べて大きく低下していた。
更に、比較例4のゴム組成物は、補強性充填剤(B)の配合量がゴム成分(A)100質量部に対して25質量部未満であるため、補強性が不十分で30℃での動的弾性率が低く、該ゴム組成物をトレッドに用いた比較例4のタイヤは、乾燥路面での操縦安定性が比較例1に比べて大きく低下していた。
また更に、比較例5のゴム組成物は、補強性充填剤(B)の配合量がゴム成分(A)100質量部に対して150質量部を超えているため、-20℃での動的弾性率が高く、60℃でのtanδが高く、該ゴム組成物をトレッドに用いた比較例5のタイヤは、雪上性能が比較例1に比べて大きく低下しており、また、転がり抵抗が比較例1に比べて高かった。
なお、比較例6のゴム組成物は、カーボンブラックを含まないため、補強性が不十分で30℃での動的弾性率が低く、該ゴム組成物をトレッドに用いた比較例6のタイヤは、乾燥路面での操縦安定性が比較例1に比べて大きく低下していた。

Claims (16)

  1. 有機金属型の活性部位を分子中に有する重合体の該活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる変性反応を行い、該変性反応の途中及び/又は終了後に反応系に縮合促進剤を加えて製造された変性重合体を含むゴム成分(A)100質量部に対して、カーボンブラック及び無機充填剤からなる補強性充填剤(B)25〜150質量部を配合してなり、該補強性充填剤(B)の20質量%以上が前記無機充填剤であるゴム組成物をトレッドに適用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム成分(A)は、スチレン含有量が35質量%を超えるスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含まないことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記無機充填剤がシリカであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴム組成物は、-20℃での動的弾性率が50MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム組成物は、30℃での動的弾性率が11MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ゴム組成物は、0℃でのtanδが0.50以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記重合体が、共役ジエン化合物を単独重合して、又は共役ジエン化合物と他のモノマーを共重合して得られた重合体であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記活性部位の金属がアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記重合体がアニオン重合により合成されたものであり、且つ前記他のモノマーが芳香族ビニル化合物であることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記活性部位が重合体の末端にあり、且つその少なくとも一部が活性状態であることを特徴とする請求項1又は8に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記変性反応に使用するヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記式(I):
    Figure 2005336347

    [式中、A1は(チオ)エポキシ、(チオ)インシアネート、(チオ)ケトン、(チオ)アルデヒド、イミン、アミド、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル、(チオ)カルボン酸エステル、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物及び炭酸ジヒドロカルビルエステルの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R1は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;nは0〜2の整数であり;OR3が複数ある場合、各OR3は互いに同一でも異なっていてもよく;但し、分子中に活性プロトン及びオニウム塩を含まない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物、下記式(II):
    Figure 2005336347

    [式中、A2は環状三級アミン、非環状三級アミン、ニトリル、ピリジン、スルフィド及びマルチスルフィドの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R4は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R5及びR6は、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;mは0〜2の整数であり;OR6が複数ある場合、各OR6は互いに同一でも異なっていてもよく;但し、分子中に活性プロトン及びオニウム塩を含まない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物、並びに下記式(III):
    7 p−Si−(OR84-p ・・・ (III)
    [式中、R7及びR8は、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;pは0〜2の整数であり;OR8が複数ある場合、各OR8は互いに同一でも異なっていてもよく;但し、分子中に活性プロトン及びオニウム塩を含まない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記有機金属型の活性部位を有する重合体に、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物を該活性部位に対する化学量論量以上加えて変性反応させたことを特徴とする請求項1又は11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記縮合促進剤が、スズのカルボン酸塩及び/又はチタンアルコキシドと水との組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記スズのカルボン酸塩が、下記式(IV):
    Sn(OCOR92 ・・・ (IV)
    [式中、R9は炭素数2〜19のアルキル基である]で表される酸化数2のスズ化合物又は下記式(V):
    10 qSnA3 r1 4-q-r ・・・ (V)
    [式中、R10は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で;A3は、炭素数2〜30のカルボキシル基、炭素数5〜20のα,γ-ジオニル基、炭素数3〜20のヒドロカルビルオキシ基、並びに炭素数1〜20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基で三置換されたシロキシ基から選ばれる基で;B1はヒドロキシル基又はハロゲンで;qは1〜3の整数で;rは1又は2である]で表される酸化数4のスズ化合物であり、
    前記チタンアルコキシドが下記式(VI):
    4 sTiB2 4-s ・・・ (VI)
    [式中、A4は、炭素数3〜20のアルコキシ基、並びに炭素数1〜20のアルキル基及び/又は炭素数1〜20のアルコキシ基で三置換されたシロキシ基から選ばれる基で;B2は炭素数5〜20のα,γ-ジオニル基で;sは2又は4である]で表されるチタン化合物であることを特徴とする請求項13に記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記共役ジエン化合物が1,3-ブタジエン又はイソプレンであることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記芳香族ビニル化合物がスチレンであることを特徴とする請求項9に記載の空気入りタイヤ。
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