JP2005335294A - 液滴吐出ヘッドの駆動制御方法、液滴吐出ヘッドの駆動制御装置および液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッドの駆動制御方法、液滴吐出ヘッドの駆動制御装置および液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 静電アクチュエータの振動板部の残留振動を効果的に抑制して余剰液滴の吐出を防ぎ、高速印字可能な液滴吐出ヘッドの駆動制御方法およびこの方法を用いた液滴吐出ヘッドの駆動制御装置、液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】 液滴を吐出させる駆動電圧パルスPwを印加した後に、残留振動によって変位する振動板部がノズルから飛び出しつつある液体を吐出方向にさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯t4〜t7に、振動板部の残留振動を抑制する補助電圧パルスPwaを印加する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、振動板部とこれに対向する電極とからなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータで液体を加圧して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動制御方法およびこの方法を用いた液滴吐出ヘッドの駆動制御装置、液滴吐出装置に関する。
振動板部とこれに対向する電極とからなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータで液体を加圧して液滴を吐出する静電方式の液滴吐出ヘッドの駆動方法としては、振動板部とこれに対向する電極との間に駆動電圧を印加することにより発生するクーロン力により、振動板部が電極に引き付けられ、駆動電圧が解除されると振動板部は元に戻る。この振動板部の変位を利用して液体としてのインクが充填された吐出室を加圧し、吐出室に連通したノズルからインク液滴を吐出させるインクジェットヘッドの駆動方法がある。
このようなインクジェットヘッドの駆動方法では、駆動電圧が解除された振動板部は元の位置に戻った後も自由振動が続き、これを一般的に残留振動と呼んでいる。この残留振動により本来のインク液滴吐出以外に不要な余剰インクが吐出されて印字不良の発生やインクジェットヘッドを含む周辺部への飛散による汚染等が課題となっていた。
上記のような課題を改善することを目的として、インクノズルに連通しインクを保持するインク室と、インク室を区画形成している周壁に形成され、面外方向に弾性変位可能となっている振動板(振動板部)とを有し、インク室の外側において振動板と隙間を置いて対向する対向電極との間で充放電を行うことによりインクノズルからインク液滴を吐出させるインクジェットヘッドの駆動方法がある。この駆動方法では、対向電極は、第一の対向電極と第二の対向電極とからなり、第一の対向電極は振動板との隙間Aで充放電(駆動電圧パルスの印加)を行い、インクノズルからインク液滴を吐出させ、第二の対向電極は前記振動板との隙間Bで充放電(補助電圧パルスの印加)を行うことにより、インクノズルから吐出しようとするインク柱を分離させていた(特許文献1)。
また第二の対向電極を補助電極と呼び、前記隙間Aに対し前記隙間Bは狭く設定され、この隙間Bで対向する補助電極と振動板との間に補助的な充電(補助電圧パルスの印加)を行って振動板を対向壁面に部分的に当接させ、吐出しようとするインク柱の尾部がインクノズル内のインクから分離するタイミングを早めることにより、インク液滴のインクノズルからの分離作用を高め、不要なインク液滴(余剰インク)の吐出を防止していた。
特開2000−334942号公報
上記従来のインクジェットヘッドの駆動方法では、インクジェットヘッドが搭載されたインクジェットプリンタの印刷速度を向上させようとした場合、インクジェットヘッドはより一層の高周波駆動が求められ、インクジェットヘッドの固有振動数を上げる方法、すなわち高周波駆動に対応するように振動板の振動周期を短くすることで印刷速度の高速化を図っていた。
しかしながら、インクジェットヘッドの製造工程におけるヘッド毎の固有振動数バラツキの影響が大きくなり、ヘッド毎に最適な補助電圧パルスを印加する駆動条件の設定が必要になってきたこと、また最適な駆動条件の合わせ込みが困難になってきたという課題を有している。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、静電アクチュエータの振動板部の残留振動を効果的に抑制して余剰インクの吐出を防ぎ、高速印字可能な液滴吐出ヘッドの駆動制御方法およびこの方法を用いた液滴吐出ヘッドの駆動制御装置、液滴吐出装置を提供することを目的とする。
本発明の液滴吐出ヘッドの駆動制御方法は、電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動制御方法において、液滴を吐出させる駆動電圧パルスを静電アクチュエータに印加した後に、残留振動によって変位する振動板部がノズルから吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に、振動板部の残留振動を抑制する補助電圧パルスを静電アクチュエータに印加することを特徴とする。
この構成によれば、駆動電圧パルスが印加され、残留振動によって変位する振動板部がノズルから吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に、補助電圧パルスを印加する。つまり残留振動によって変位する振動板部が飛び出しつつある液体に余分な液体を押し込まないように補助電圧パルスを印加して残留振動を抑制する。したがって、本来吐出されるべき液滴以外に不要な液滴(余剰液滴)が吐出されることを防ぐことができる。また効果的なタイミングで補助電圧パルスを印加することにより、駆動電圧パルスと補助電圧パルスを加えたパルス周期がむやみに長くなることがないため、静電アクチュエータの高周波駆動を実現することができる。
この場合、補助電圧パルスは、少なくとも1回の駆動電圧パルスの印加後に、少なくとも1回印加されることが望ましい。
この構成によれば、少なくとも1回の駆動電圧パルスの印加後に、必ず1回以上の補助電圧パルスが印加されるため、確実に振動板部の残留振動を抑制することができる。
またこの場合、補助電圧パルスは、液滴吐出ヘッドが所定の高温状態にあることが検出されたときに印加されるとしてもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドが所定の高温状態にあるときは、通常の使用温度状態と比べて充填されている液体の粘度が低下し、振動板部の残留振動の減衰比が低下することにより、余剰液滴が吐出され易い。よって、補助電圧パルスの印加により所定の高温状態における余剰液滴の吐出を防止することができる。
本発明の補助電圧パルス条件設定方法は、電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの振動板部の残留振動を抑制する補助電圧パルスの信号生成条件を設定する補助電圧パルス条件設定方法において、静電アクチュエータに液滴を吐出させる駆動電圧パルスを印加して振動板部の残留振動を検出する検出工程と、検出工程で検出された残留振動によって変位する振動板部がノズルから吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯を計測する計測工程と、計測工程で得られた時間帯に補助電圧パルスを静電アクチュエータに印加するように信号生成条件を設定する設定工程とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、検出工程では、駆動電圧パルスを印加して振動板部の残留振動を目に見えるかたちで検出し、計測工程では、検出された残留振動の波形から振動板部がノズルから吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯を計測する。そして、設定工程では計測工程で計測された時間帯に補助電圧パルスを静電アクチュエータに印加するように信号生成条件が設定される。ゆえに振動板部の残留振動が適正なタイミングで抑制され、吐出される液体のノズルからの分離性を向上させて、余剰液滴の吐出を防ぐ補助電圧パルスの信号生成条件を設定することができる。
この場合、検出工程は、液滴吐出ヘッドを所定の高温状態にし駆動電圧パルスを静電アクチュエータに印加して、振動板部の残留振動を検出することが望ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドが所定の高温状態にあるときは、通常の使用温度状態と比べて充填されている液体の粘度が低下し、振動板部の残留振動の減衰比が低下するため、この高温状態における残留振動を検出し、より効果的な補助電圧パルスの信号生成条件とすることができる。
本発明の補助電圧パルス条件設定装置は、電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの振動板部の残留振動を抑制する補助電圧パルスの信号生成条件を設定する補助電圧パルス条件設定装置において、静電アクチュエータに液滴を吐出させる駆動電圧パルスを印加する液滴吐出ヘッド駆動部と、駆動電圧パルスが印加された後に、静電アクチュエータの振動板部の残留振動を検出し電気的な信号に変換する残留振動検出部と、時間を計測する計測部とを有し、計測部は、残留振動検出部で検出された残留振動によって変位する振動板部がノズルから吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯を計測することを特徴とする。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド駆動部は、静電アクチュエータの振動板部とこれに対向配置された電極との間に駆動電圧パルスを印加し、残留振動検出部は、駆動電圧パルスの印加後に発生した振動板部の残留振動を検出して電気的な信号に変換する。そして、計測部は、残留振動検出部で検出された残留振動によって変位する振動板部がノズルから吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯を計測する。計測部で計測された前記時間帯に補助電圧パルスを静電アクチュエータに印加するように補助電圧パルスの信号生成条件を設定すれば、吐出方向に飛び出しつつある液体をタイミングよくノズルから分離させて余剰液滴の吐出を防止することができる。またこのような構成を備えた補助電圧パルス条件設定装置を用いれば、液滴吐出ヘッド毎に異なる固有振動数を有していても、個々の液滴吐出ヘッドの固有振動数に対応した適正な補助電圧パルスの信号生成条件を設定することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの駆動制御装置は、電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動制御装置において、電圧パルスを発生する電圧パルス発生部を有し、電圧パルス発生部は、液滴を吐出させる駆動電圧パルスを静電アクチュエータに印加すると共に、駆動電圧パルスが印加された後に、残留振動によって変位する振動板部がノズルから吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に、残留振動を抑制する補助電圧パルスを静電アクチュエータに印加することを特徴とする。
この構成によれば、補助電圧パルスは、駆動電圧パルスが印加された後に、残留振動によって変位する振動板部がノズルから吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に印加されるため、残留振動を効果的に抑制して吐出方向に飛び出しつつある液体がノズルからタイミングよく分離されて余剰液滴の吐出を防ぐことができる。また電圧パルス発生部は、補助電圧パルスを静電アクチュエータに効果的なタイミングで印加することにより、駆動電圧パルスに補助電圧パルスを加えたパルス周期がむやみに長くなることがないため、静電アクチュエータを高周波駆動可能な液滴吐出ヘッドの駆動制御装置を提供することができる。
この場合、電圧パルス発生部は、少なくとも1回の駆動電圧パルスを印加した後に、少なくとも1回の補助電圧パルスを印加するとしてもよい。
この構成によれば、電圧パルス発生部は、少なくとも1回の駆動電圧パルスを静電アクチュエータに印加した後に、必ず1回以上の補助電圧パルスが印加されるため、確実に残留振動を抑制することができる。
またこの場合、更に、液滴吐出ヘッドの温度を検出する温度検出部を備え、電圧パルス発生部は、温度検出部によって検出された液滴吐出ヘッドの温度が所定の高温状態にあるときに補助電圧パルスを静電アクチュエータに印加することが望ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドは、通常の使用温度状態にあるときに比べて所定の高温状態にあるときには、充填された液体の粘度が低下し、残留振動の減衰率が低下するため、余剰液滴が吐出され易い。したがって、電圧パルス発生部は、液滴吐出ヘッドの温度が所定の高温状態にあるときに補助電圧パルスを印加すれば、この残留振動がもたらす余剰液滴の吐出を効果的に防止することができる。
本発明の液滴吐出装置は、電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータと、振動板部と面して位置する吐出室と、吐出室に連通したノズルとを備え、静電アクチュエータにより吐出室に充填された液体を加圧してノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、上記発明の液滴吐出ヘッドの駆動制御装置とを搭載したことを特徴とする。
この構成によれば、本発明の液滴吐出装置は、静電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッドと上記発明の液滴吐出ヘッドの駆動制御装置とを搭載しているため、余剰液滴が吐出されにくい安定した吐出品質を有すると共に、高周波駆動可能な液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置を提供することができる。
まず本発明の一実施形態であるインクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタについて図1に基づいて説明する。本実施形態の液滴吐出装置としてのインクジェットプリンタ400は、後述する液滴吐出ヘッドとしての静電方式のインクジェットヘッド10(図2及び図3参照)と、同じく後述する液滴吐出ヘッドの駆動制御装置としてのインクジェットヘッドの駆動制御装置100(図4参照)とを備えたものである。
図1は、インクジェットプリンタの構造を示す概略図である。詳しくは、インクジェットヘッド10が搭載されたキャリッジ406の走査方向から見た概略図である。
図1に示すとおり、インクジェットプリンタ400は、記録紙401を搬送するための送りローラ402,405と、送りローラ402,405に対向配置された記録紙401を押さえる押さえローラ403,404と、インクジェットヘッド10と、インク供給管411と、インクタンク部材409とで構成されている。
インクジェットヘッド10は、ノズル面52が記録紙401の印字面と所定の間隔で平行となるようにベース部材410を介してキャリッジ406に固定されている。またガラス面51にインクタンク部材409に繋がったインク供給管411が接合されている。
インクジェットヘッド10を移動させるキャリッジ406は、キャリッジ軸408に軸支され、図示しない駆動機構と連結してキャリッジ406を移動させるベルト407を有している。
このインクジェットプリンタ400は、フェイスインクジェット方式のインクジェットヘッド10を搭載しており、インクジェットヘッド10のガラス面51に接合したインク供給管411を通じてインクタンク部材409からインクが供給される。すなわちインク供給方向Kとインク吐出方向Lが同一方向となるように構成されている。したがって、インクジェットヘッド10が駆動されると、インク液滴42がノズル面52と平行に位置した記録紙401に吐出され、キャリッジ406の走査と記録紙401の送りによって印刷される。
次に本実施形態のインクジェットヘッドについて図2および図3に基づいて説明する。図2はインクジェットヘッドの構造を示す概略分解斜視図である。図3は、図2において接合後にA−Aで切った概略断面図である。
このインクジェットヘッド10は、振動板部5と電極11とが所定の間隔を置いて対向配置されてなる電気機械変換素子19を有する静電アクチュエータ20により、振動板部5に面して位置する吐出室6に充填されたインクを加圧してノズル4からインク液滴42(図1に示す)を吐出する。
インクジェットヘッド10は、電極11を有するガラス基板1と振動板部5を有するシリコン基板2およびノズル4を有するノズルプレート3からなる3層構造となっている。またインクジェットヘッド10には、静電アクチュエータ20と吐出室6を含むインク流路と、吐出室6に連通するノズル4とが複数区画形成されている。
ガラス基板1は、ホウ珪酸ガラスを用いており、図3に示すように凹部16に振動板部5と対向する電極11が階段状に形成されている。電極11は、ガラス基板1をエッチングして形成された階段状の凹部16にITO(Indium Tin Oxide)膜をスパッタ法、真空蒸着法等で膜付けした後に、所定の形状にフォトリソグラフィーによって形成する。また電極11は、図2に示すように端子部14とこれに繋がるリード部15を有している。
図3に示すように上段部の電極部12と下段部の電極部13とは、対向する振動板部5との間でそれぞれ異なる隙間G1,G2を有している。ノズル4に近い隙間G1は隙間G2に比べて狭い間隔となっている。
ガラス基板1とシリコン基板2とを陽極接合し、接合後の隙間をエポキシ樹脂等からなる封止剤26で封止することにより、振動板部5と電極11とが対向して密閉状態となった振動室9が形成されている。
シリコン基板2は、単結晶シリコンを両面研磨した薄板が用いられており、吐出室6と、共通インクキャビティであるリザーバ8と、吐出室6とリザーバ8とを繋ぐオリフィス7とからなるインク流路を構成する凹部21,22,23が異方性エッチングにより形成されている。振動板部5は、吐出室6に面したインク流路の一面を構成している。
またエッチングによって形成されたインク流路の上面には、振動板部5と電極11との間に駆動のための電圧を印加する共通電極24が真空蒸着法等によりAu(白金)等を成膜することによって形成されている。
さらにインク流路が形成されたシリコン基板2は、大気中で熱処理を施すことによって基板両面にSiO2(酸化シリコン)膜25が形成されている(図2参照)。このSiO2膜25は絶縁膜として機能し、振動板部5が電極11に当接したときに電気的に短絡することを防いでいる。
ノズルプレート3は、シリコン基板2と同じく単結晶シリコンの薄板を用いている。ノズルプレート3にはノズル4が異方性エッチングやドライエッチング等の方法で複数形成されている。また同様な方法でシリコン基板2との間でオリフィス7を構成する凹部31が形成されている。
ノズルプレート3は、ガラス基板1とシリコン基板2とを陽極接合した後に、シリコン基板2のインク流路の上面にエポキシ樹脂等からなる接着剤を用いて加熱接着する。
尚、ノズルプレート3の材料としては単結晶シリコンの他にホウ珪酸ガラス、ステンレス等の金属、有機材料からなる樹脂等の薄板を用いることができる。
上記のようにして形成されたインクジェットヘッド10の共通電極24と電極11の端子部14とに駆動電圧パルスを供給するドライバIC60が実装されたFPC(フレキシブル配線基板)をACF(Anisotropic Conductive Film;異方性導電膜)を用いて接続する。
本実施形態のインクジェットヘッド10は、フェイスインクジェット方式であるが、インクを吐出するノズル4をシリコン基板2またはノズルプレート3の端面に開口させたエッジインクジェット方式とすることもできる。
尚、使用されるインクは、染料または顔料を液媒体に溶解または分散させ、界面活性剤等を添加することにより調整される。さらに、インクジェットヘッド10にヒーター等を付設すれば、ホットメルトタイプのインクも使用できる。
次に本実施形態のインクジェットヘッドの駆動制御装置について図4に基づいて説明する。図4は、インクジェットヘッドの駆動制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。インクジェットヘッドの駆動制御装置100は、パーソナルコンピュータ等の外部装置140から印刷情報を受けて装置全体の制御を行うCPU121を備えたインクジェット制御部120と、インクジェットヘッド10を備えたヘッドユニット110と、インクジェット制御部120とヘッドユニット110の双方に駆動電源を供給する電源部131とによって構成されている。また、ドライバIC60とこのドライバIC60に接続された駆動パルス発生部130とからなる電圧パルス発生部128を備えている。
電圧パルス発生部128は、インク液滴42を吐出させる駆動電圧パルスを静電アクチュエータ20に印加すると共に、駆動電圧パルスが印加された後に、残留振動によって変位する振動板部5がノズル4から吐出方向に飛び出しつつあるインクをさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に、残留振動を抑制する補助電圧パルスを静電アクチュエータ20に印加するものである。
図4に示すようにCPU121には、内部バスを介してRAM122、ROM123、キャラクタジェネレータ124および論理ゲートアレイ129が接続されている。CPU121は、RAM122内の記憶領域を作業領域として用い、ROM123内に格納されている制御プログラムを実行して、キャラクタジェネレータ124から発生するキャラクタ情報に基づき、インクジェットヘッド駆動用の制御信号を生成する。
生成された制御信号は、論理ゲートアレイ129およびこれに接続した駆動パルス発生部130を介して、印刷情報に対応した駆動制御信号となって、コネクタ112を経由してヘッドユニット110のドライバIC60に供給される。
ドライバIC60は、供給された駆動制御信号と電源部131から供給される駆動電圧Vpおよび論理ゲートアレイ129から伝送された制御信号に基づきインクジェットヘッド10の駆動すべきノズル4に対応する静電アクチュエータ20の共通電極24と電極11との間に駆動電圧パルスと補助電圧パルスを所定のタイミングで印加する。
この場合、ドライバIC60は、駆動電圧パルスまたはグランドレベルを適時選択していずれかを共通電極24と電極11との間に低インピーダンスで出力する。したがって、共通電極24と電極11のどちらかに駆動電圧パルスが印加されると当該対向電極間に電位差が生じ、これによって振動板部5が変位する振動が起こり、振動板部5に面して位置する吐出室6に充填されたインクを加圧してノズル4からインク液滴42が吐出される。また補助電圧パルスについても同様な方式で共通電極24と電極11の間に印加される。
またヘッドユニット110は、ヘッドランク識別部113とインクジェットヘッド10の温度を検出するためのサーミスタ111とを有している。
このヘッドランク識別部113は、コネクタ112を経由してインクジェット制御部120に備えられたランク検出部126に接続されている。
ヘッドランク識別部113は、ヘッドユニット110をインクジェットプリンタ400に組込む前に、あらかじめ駆動してインク吐出特性(インク吐出量、インク吐出スピード)を測定し所定の吐出特性が得られる駆動電圧パルスのパルス電位、パルス幅、パルス周期を設定する。これらの駆動電圧パルスの信号生成条件は、後述するインクジェットヘッド10の固有振動数f0のバラツキを考慮してヘッドランクとしてランク分けしておく。
またヘッドランク識別部113は、同じくヘッドユニット110をインクジェットプリンタ400に組込む前に、後述する補助電圧パルス条件設定方法を用いて、補助電圧パルスのパルス電位、パルス幅、パルス周期を設定するものである。これらの補助電圧パルスの信号生成条件は、同様にインクジェットヘッド10の固有振動数f0のバラツキを考慮してヘッドランクとしてランク分けしておく。
ヘッドランク識別部113には、記憶部(図示省略)を有しておりパーソナルコンピュータ等の外部装置を用いてランク付けされた駆動電圧パルスと補助電圧パルスの信号生成条件を記憶部に書き込んでおく。そしてCPU121は、I/Oポート125を経由してランク検出部126が検出した駆動電圧パルスと補助電圧パルスの信号生成条件のヘッドランクを受け取ると、あらかじめROM123に格納されたヘッドランクに基づく信号生成条件のデータを読み出してRAM122内に展開する。
尚、ヘッドランク識別部113は、駆動電圧パルスと補助電圧パルスの信号生成条件のランク数に基づいて、一方がGNDに接地されたランドを設けると共に、他方がランク検出部126に接続したランドを設け、設定されたランクに対応するランド間をショートさせることでヘッドランクを識別するショートランド回路構成としてもよい。
サーミスタ111は、同じくコネクタ112を経由してインクジェット制御部120に備えられた温度検出部127に接続されている。そしてCPU121は、I/Oポート125を経由して温度検出部127が検出したインクジェットヘッド10の温度に基づいて、駆動電圧パルスの電位とパルス幅とを制御する制御信号を論理ゲートアレイ129に送る。これによりインクジェットヘッド10は、その温度に対応した駆動条件で駆動される。
また温度検出部127でサーミスタ111を介して検出されたインクジェットヘッド10の温度が所定の高温状態であるときに、補助電圧パルスを静電アクチュエータ20に印加する。この場合、所定の高温状態は、インクジェットプリンタ400の使用温度範囲に基づいておよそ40℃に設定されている。
次に上記インクジェットヘッドの駆動制御装置100を用いたインクジェットヘッドの駆動制御方法を図5〜図9に基づいて説明する。インクジェットヘッドの駆動制御方法は、インク液滴42を吐出させる駆動電圧パルスを3回にわたって静電アクチュエータ20に印加した後に、残留振動によって変位する振動板部5がノズルから吐出方向に飛び出しつつあるインクをさらに加圧する速度または加速度を有することとなる範囲内の時間帯に、振動板部5の残留振動を抑制する補助電圧パルスを静電アクチュエータ20に1回印加するものである。
図5は、駆動電圧パルスに対応した振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位とを関連づけたタイミングチャートである。
本実施形態では、3ショットの異なる極性の駆動電圧パルスを印加してインク液滴42を3回吐出させ1ドットの画素を印字する駆動電圧パルス印加のパターンとなっている。そして駆動電圧パルスの印加周期は、パルス周期Pwi1,Pwi2で示している。また、補助電圧パルスは、3回目の駆動電圧パルス印加後に1回印加される。補助電圧パルスの印加周期は、パルス周期Pwiaで示している。尚、「Pwia」中の「i」はintervalを、「a」はasistを意味するものである。
図6は、電圧パルス印加による振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位を示すインクジェットヘッドの要部断面図である。
図6(a)は駆動電圧パルスを印加する前のインクジェットヘッドの要部断面図である。このときメニスカス41は変位していない状態にある。
図6(b)は、時刻t1〜t2の振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位を示している。図5に示したタイミングチャートの時刻t1〜t2では、駆動電圧パルスが印加されて振動板部5と電極11との間にV3の電位差が生じ、振動板部5が電極11に当接するまで変位する。振動板部5が電極11に当接することにより吐出室6が拡張して内圧が低下する。すると吐出室6にはインクがさらに充填されると共に、メニスカス41は吐出室6内に引き込まれる。
図6(c)は、時刻t2〜t3の振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位を示している。時刻t2〜t3では、駆動電圧パルスの印加が終了し振動板部5は元の位置に戻るように変位するが自由振動となるため、今度は吐出室6を圧縮する方向に極大点を向かえる。よって吐出室6の内圧が上昇しノズル4から吐出方向に押し出されて飛び出しつつあるインク(以降はインク柱43と呼ぶ)が生じる。
図6(d)は、時刻t3〜t4の振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位を示している。時刻t3〜t4では、振動板部5は極大点から変位前の位置に向かう。よって吐出室6の内圧が低下し始め、インク柱43は吐出方向に吐出されると共に、ノズル付近のメニスカス41は再び吐出室6内に引き込まれる方向の力を受ける。
図6(e)は、時刻t4〜t5の振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位を示している。時刻t4〜t5では、振動板部5は再び電極11に当接するように変位する。よって吐出室6の内圧がさらに低下するため、メニスカス41はさらに吐出室6内に引き込まれインク柱43を引きちぎるように働く。
図6(f)は、時刻t5〜t6の振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位を示している。時刻t5〜t6では、振動板部5は再び吐出室6を圧縮する方向に加圧し始める。このとき吐出方向にあるインク柱43に対してメニスカス41はさらにインクを吐出方向に加圧してゆく。
図6(g)は時刻t6〜t7の振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位を示している。時刻t6〜t7において補助電圧パルスが印加される。補助電圧パルスの印加によって変位前の位置に戻ろうとしていた振動板部5は再び電極11に引き寄せられる。補助電圧パルスの電位V3aは、駆動電圧パルスの電位V3よりも低く、上段の電極部12に当接する程度の電位に設定されており、吐出室6の内圧がわずかに低下する。これによってメニスカス41はインク柱43を確実に引きちぎるように吐出室6内に引き込まれる。引きちぎられたインク柱43は、インク液滴42となって吐出される。
図6(h)および(i)は補助電圧パルスが印加されない場合の振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位を示している。補助電圧パルスが印加されなければ、時刻t5〜t8では、図5の仮想線で示したように振動板部5は、吐出室6を圧縮する方向に加圧する。したがって、時刻t4〜t5の時点でインク柱43が引きちぎられることなくインク液滴42ができていない場合、図6(h)に示すようにメニスカス41はさらにインクをインク柱43に押し込んでインク瘤44が形成される。
振動板部5の自由振動が吐出室6を圧縮する次の極大点となる時刻t8の近傍では、図6(i)に示すようにインク瘤44を有するインク柱43は、吐出速度が速い先端部がインク液滴42となり、吐出速度が遅いインク瘤44は、余剰インク滴45となって遅れて記録紙401に到達するか、またはノズル面52付近に浮遊する。前者の余剰インク滴45は印字掠れ等の印字不良を起こし、後者の余剰インク滴45は、ノズル面52に再付着してノズルの目詰まりによる吐出不良やインクジェットヘッド10を汚染する惧れがある。
駆動電圧パルスの印加による振動板部5の自由振動において、時刻t3以降の自由振動を残留振動と呼ぶ。駆動電圧パルスの印加開始時期から補助電圧パルスの印加開始時期までの時間に相当するパルス周期Pwiaは、残留振動によって変位する振動板部5が吐出方向にあるインク柱43をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に補助電圧パルスが印加されるように設定することが望ましい。すなわち、この場合、時刻t4〜t7の時間帯、好ましくは時刻t5〜t7の時間帯であって、インク柱43にインク瘤44を形成しないメニスカス41の変位となるように振動板部5の残留振動を抑制することである。
尚、本実施形態では、補助電圧パルスは、駆動電圧パルスを3回印加した後に印加される印加パターンであるが、駆動電圧パルスを1回印加した後に補助電圧パルスを印加する印加パターンとしてもよい。また、補助電圧パルスを複数回に分けて印加する印加パターンとすることも可能である。
次に本実施形態の補助電圧パルス条件設定方法について図7〜図9に基づいて説明する。補助電圧パルス条件設定方法は、静電アクチュエータ20にインク液滴42を吐出させる駆動電圧パルスを印加して振動板部5の残留振動を検出する検出工程と、検出工程で検出された残留振動によって変位する振動板部5が吐出方向に飛び出しつつあるインク柱43をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯を計測する計測工程とを備えている。また計測工程で計測された上記時間帯に補助電圧パルスが印加されるようにパルス周期Pwiaを設定した条件の下で補助電圧パルスの電位V3aとパルス幅Pwaとを仮に設定する仮補助電圧パルス生成条件設定工程と、仮補助電圧パルス生成条件設定に基づいて静電アクチュエータ20を駆動し再び残留振動を検出する再残留振動検出工程と、再残留振動検出工程で検出された検出波形が問題ないか判定する判定工程と、判定に問題がなければ、これを正式な補助電圧パルスの信号生成条件として設定する設定工程とを備えている。さらに正式に設定された補助電圧パルス生成条件に基づいてヘッドユニット110を駆動しインク液滴42を吐出させて印字を行う印字試験工程を備えている。
まず詳細の説明をする前に、残留振動について簡単に触れておく。駆動電圧パルスの印加によりもたらされる振動板部5の残留振動は、インクジェットヘッド10の固有振動数f0に因ることがわかっている。この固有振動数f0は、次のような数式によって導かれる。
0=1/2π×√(1/MC)
Mはイナータンスと呼ばれ力学的なモデルの質量に相当し、インク流路の形状、インク密度によって決まる。Cはコンプライアンスと呼ばれ力学的なモデルの1/K(バネ定数の逆数)であり、インク流路の体積、インク圧縮率、振動板部の剛性(幅、厚み)によって決まる。
したがって、インクジェットヘッド10の製造工程では、インク流路の形状(寸法)、振動板部5の幅や厚みにバラツキを有するため、完成したインクジェットヘッド10の固有振動数f0にもバラツキが生じる。またどのようなインク密度を持つインクを使用するかにも影響される。よって、インクジェットヘッド10を製品化して出荷する前に個々の製品について最適な駆動電圧パルスや補助電圧パルスの条件を設定して安定した吐出品質を有するインクジェットヘッド10の駆動状態とする必要がある。
また、インクジェットヘッド10を搭載したインクジェットプリンタ400において印字速度を向上させるための1つの方法は、インクジェットヘッド10の駆動を高周波で駆動することである。すなわち、1ドットの印字に必要な3回の駆動電圧パルスと1回の補助電圧パルスのパルス印加周期(時間)を短くすることである。したがって、インクジェットヘッド10の固有振動数f0に応じて適正な駆動電圧パルスと、これに対応した補助電圧パルスの信号生成条件の設定が必要となる。
ゆえに、実際の振動板部5の残留振動を検出し、その残留振動を抑制できるようにインクジェットヘッド10毎に、補助電圧パルスの信号生成条件設定を行うことが望ましい。
図7は、補助電圧パルス条件設定装置の電気的な構成を示すブロック図である。補助電圧パルス条件設定装置200は、インクジェットヘッド10を有するヘッドユニット110に接続してこれを駆動させる液滴吐出ヘッド駆動部としてのヘッドドライバ203と、パルス条件設定部206と、ヘッドドライバ203を制御する制御部201とによって構成されている。
図7(a)に示すようにヘッドドライバ203は、ヘッドユニット110を切替部205を介して駆動する駆動回路204を有している。また切替部205は、駆動回路204とパルス条件設定部206との間で一方をヘッドユニット110と接続させる接続の切り替えを行う。
パルス条件設定部206には、残留振動検出部207と計測部208および判定部209がそれぞれ直列に接続されている。判定部209からの出力は、制御部201に送られて記憶部202に記憶されるようになっている。
図7(b)は残留振動検出部およびヘッドドライバを示す概略ブロック図である。残留振動検出部207は、残留振動を検出する検出回路210とこれに接続したオシロスコープ211とを有している。
残留振動の検出方法は、駆動回路204によって所定の駆動電圧パルスをインクジェットヘッド10の振動板部5と電極11との間に印加した後に、制御部201からの切替信号によって切替部205を動作させ、インクジェットヘッド10を残留振動検出部207の検出回路210に接続させる。検出回路210では、振動板部5の残留振動を対向する電極11との間の静電容量の変化として検出し電気信号に置き換える。
この場合、電気信号は以下の数式によって導かれる電圧変動Vcとして検出される。
Vc=Q/C=Q/(ε×S/d)=(Q/εS)×d
Vcは電荷Qが残存する充電電圧、Qは電荷、Cは振動板部と電極との間の静電容量、εは振動板部と電極との間の誘電率、Sは振動板部と電極との間の対向面積、dは振動板部と電極との間の距離(ギャップ)である。
図8は補助電圧パルス条件設定方法を示すフローチャートである。補助電圧パルス条件設定方法は、残留振動の検出工程であるステップS1〜S3と、検出波形の計測工程であるステップS4と、計測工程で求められた時間帯に補助電圧パルスを静電アクチュエータに印加するように補助電圧パルスの信号生成条件を設定する設定工程ステップS10とを備えている。
ステップS1では、ヘッドドライバ203の駆動回路204から所定のインク吐出特性(インク吐出量、インク吐出スピード)が得られる駆動電圧パルスの電位V3とパルス幅Pwの条件で駆動電圧パルスを発生させ、静電アクチュエータ20の振動板部5と電極11との間に印加する。また駆動電圧パルスのパルス周期Pwiは、駆動電圧パルスの印加後に発生する振動板部5の残留振動が減衰するまでの時間を考慮して実際に印字を行う場合の設定に対して長めに設定しておく。
ステップS2では、駆動電圧パルスの印加が終了した後に、制御部201が切替信号を切替部205に送り、切替部205は、静電アクチュエータ20を検出回路210に接続する。そしてステップS3に進む。
ステップS3では、残留振動検出部207が振動板部5の残留振動を振動板部5と対向する電極11との間の静電容量の変化として検出し電気信号に置き換える検出処理を行う。そしてステップS4に進む。
ステップS4では、計測部208が残留振動によって変位する振動板部5が吐出方向に飛び出しているインク柱43をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯を電気信号に置き換えられた残留振動の波形から計測する。そしてステップS5に進む。
ステップS5では、判定部209がオシロスコープ211に映し出された波形を確認し、正しく計測が行われたか判定する。再度計測が必要な場合は、ステップS1に戻って計測し直す。計測結果に異常がなければステップS6に進む。
ステップS6では、後述する予備吐出試験から得られたマップによって設定された補助電圧パルスの電位V3aとパルス幅Pwaのランクから、仮補助電圧パルス生成条件として仮のV3aと仮のPwaのランクを選択する。またあらかじめ補助電圧パルス周期Pwiaが条件設定されたランクから、ステップS4で計測部208が計測した上記時間帯に補助電圧パルスが静電アクチュエータに印加されるように補助電圧パルス周期Pwiaのランクを選択する。このようにして選択された仮補助電圧パルスの信号生成条件V3a,Pwa,Pwiaのランクを制御部201に入力して設定する。そしてステップS7に進む。
ステップS7では、仮補助電圧パルスの信号生成条件が制御部201に設定された状態で、再びステップS1〜S5を繰り返して再度残留振動を検出する。そしてステップS8へ進む。
ステップS8では、判定部209が再度検出された残留振動の波形に問題がないか判定する。仮補助電圧パルスが印加された後に残留振動が減衰し、振動板部5の挙動が変位前の状態に戻るようになっていれば問題なしとして次のステップS10へ進む。仮補助電圧パルスの印加後、残留振動が再び極大点を示すような減衰不十分な状態ならば問題ありとしてステップS9に進む。
ステップS9では、仮補助電圧パルスの信号生成条件のV3a,Pwaのランクを変更する。そいてステップS7〜S8を繰り返す。
ステップS10では、ステップS8で問題なしと判定した仮補助電圧パルスの信号生成条件V3a,Pwa,Pwiaのランクを制御部201からヘッドユニット110に送り、ヘッドユニット110に備えられたヘッドランク識別部113の記憶部に書き込む。そしてステップS11に進む。
ステップS11では、制御部201によって切替部205を動作させてヘッドユニット110を駆動回路204に接続させる。そしてステップS12に進む。
ステップS12では、制御部201は、記憶された印字試験用の印字情報を駆動回路204に送ると共に、ステップS10で設定された補助電圧パルスの信号生成条件に基づいてヘッドユニット110を駆動するように駆動回路204に制御信号を送り、インク液滴42を記録紙に吐出させて印字させる印字試験を行う。印字試験では、余剰インク滴45が吐出されることによる印字の掠れ等の印字不良や余剰インク滴45がノズル面52に付着しノズル4を塞ぐことによって発生する飛行曲がりおよびドット抜け等の問題がないことを確認する。
以上の工程を経て補助電圧パルス生成条件設定が終了する。
図9は、予備吐出試験の印字試験結果から得られたマップである。詳しくは、補助電圧パルスのパルス周期Pwiaを上記の補助電圧パルス条件設定方法に基づいて設定し、Y軸に電位V3aをとり、X軸にパルス幅Pwaをとって、それぞれを変動させて予備吐出試験を行った時の各設定条件における余剰インク滴45の有(×)無(○)を参考までにグラフ上にプロットしている。
図9に示すようにグラフには3つのエリアD,E,Fが区分されている。エリアDは、駆動電圧パルスを静電アクチュエータ20に印加した場合と同じように補助電圧パルスが印加されることで、余剰インク滴45が吐出されてしまうV3aとPwaの範囲を示している。エリアEは、補助電圧パルスを印加しても振動板部5の残留振動を抑制せずに余剰インク滴45が発生してしまうV3aとPwaの範囲を示している。エリアFは、補助電圧パルスを印加することによって、余剰インク滴45が発生せず印字試験結果に問題がないV3aとPwaの範囲を示している。
よって、実際の補助電圧パルス条件設定方法としては、エリアFの範囲で補助電圧パルスの電位V3aとパルス幅Pwaをいくつかのランクに分けておき、このランク分けされた各組合せ(V3a、Pwa)をマップデータとして記憶部202に記憶している。前述した仮補助電圧パルス生成条件設定工程ステップS6では、ランク分けされたV3aとPwaの中から選択できるようにしておく。例えば、ステップS4で計測された補助電圧パルスを印加する時間帯(図5の振動板部の挙動における時刻t5〜t7の範囲)で補助電圧パルスの印加が終了するパルス幅Pwaを選択し、次にこのPwaと図9のマップデータとから範囲下内の中央付近に最も近いランク(V3aとPwaとの組合せ)を選択する。
上記の補助電圧パルス条件設定方法を用いれば、インクジェットヘッド10毎に実際の振動板部5の残留振動を検出して、この残留振動を適正なタイミングで抑制できる補助電圧パルスのパルス周期Pwiaをまず設定する。その後に残留振動の波形に応じてこれを打ち消すように抑制する補助電圧パルスの電位V3aとパルス幅Pwaとを設定することにより、余剰インク滴45が吐出されない補助電圧パルスの信号生成条件を効率よく設定することができる。
補助電圧パルス条件設定方法は、必ずしも印字試験工程ステップS11〜S12を備えなくてもよい。予備吐出試験または印字試験工程ステップS11〜S12から得られたデータの蓄積によって、図9に示されたエリアFのV3a、Pwaの範囲が確実なものになれば印字試験工程ステップS11〜S12を省くことができる。
尚、余剰インク滴45の大きさが相当に小さくミスト状となって飛散することが考えられる。その場合は、上記印字試験だけでは見極めにくいため、実際にヘッドユニット110をインクジェットプリンタ400に装着し耐久印字試験を実施してミスト状となった余剰インク滴45の影響を確認している。不具合が認められた場合は、補助電圧パルスの信号生成条件の微調整を行う。
また補助電圧パルス条件設定方法は、ヘッドユニット110と印字試験に関連する装置、例えばインク供給装置(図示省略)および記録紙を走査する印字装置(図示省略)を恒温槽内に配置して、これらの装置を使用温度範囲における高温状態にして振動板部5の残留振動の検出や印字試験を行う。高温状態では、インク流路に充填されたインクの粘度が低下することにより、残留振動の減衰比が低下するため、余剰インク滴45が吐出され易い。よって使用温度範囲内のどの温度で使用されても余剰インク滴45が吐出されないように高温状態で補助電圧パルス条件を設定している。この場合の高温状態は、およそ40℃としている。
また本実施形態のインクジェットヘッドの駆動制御方法では、インクジェットヘッド10が室温状態では余剰インク滴45の発生がなく、高温状態で発生する場合は、インクジェットヘッド10が高温状態にあるかどうか検出して、高温状態にあれば補助電圧パルスを印加するパターンとしている。
上記実施形態の効果は、以下のとおりである。
(1)インクジェットヘッド10の駆動制御方法は、インク液滴42を吐出させる駆動電圧パルスを静電アクチュエータ20に印加した後に、振動板部5の残留振動が吐出方向に飛び出しつつあるインク柱43をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯t4〜t7に、振動板部5の残留振動を抑制する補助電圧パルスを印加する。ゆえにノズル4内のメニスカス41は、インク柱43に余計なインクを押し込まずインク瘤44ができにくいため、余剰インク滴45が吐出されることを防止することができる。
(2)インクジェットヘッド10の駆動制御方法は、1ドットの印字を3回の駆動電圧パルスを印加した後に、振動板部5の残留振動を抑制する適正なタイミングの補助電圧パルスを1回印加しているため、印字に必要な電圧パルス周期(時間)をむやみに長く設定されることがない。すなわち、インクジェットヘッド10をより高周波駆動することができる。
(3)補助電圧パルス条件設定方法は、ヘッドユニット110をおよそ40℃の高温状態として振動板部5の残留振動を検出しているため、使用温度範囲内のどの温度で使用されても余剰インク滴45が吐出されない補助電圧パルスの信号生成条件を設定することができる。
(4)補助電圧パルス条件設定装置200は、振動板部5の残留振動を振動板部5と電極11との間の静電容量の変化として電気信号に置き換える検出回路210を有する残留振動検出部207と、検出された残留振動の波形の周期を計測する計測部208とを備えている。これにより残留振動検出部207ではインクジェットヘッド10毎に目に見える状態に残留振動の波を検出し、計測部208では、波形から補助電圧パルスを印加する適正なタイミングの時間帯、ひいてはパルス周期Pwiaを求めることができる。
(5)補助電圧パルス条件設定装置200を用いれば、インクジェットヘッド10毎に固有振動数f0がバラツキを有していても、適正なタイミングで振動板部5の残留振動を抑制する補助電圧パルスの信号生成条件Pwia,V3a,Pwaを設定することができるため、安定した吐出品質を有するインクジェットヘッド10の駆動を実現することができる。
(6)インクジェットヘッド10の駆動制御装置100は、インク液滴42を吐出させる駆動電圧パルスと振動板部5の残留振動をタイミングよく抑制する補助電圧パルスとを静電アクチュエータ20に印加するため、振動板部5の残留振動による余剰インク滴45の吐出がされないようにインクジェットヘッド10を駆動することができる。
(7)インクジェットプリンタ400は、インクジェットヘッド10と、このインクジェットヘッド10の駆動制御装置100とを搭載しているため、余剰インク滴45が吐出されにくい安定した吐出品質を有すると共に、インクジェットヘッド10を高周波駆動してより高速な印字が可能なインクジェットプリンタ400を提供することができる。
上記実施形態の変形例は、以下のとおりである。
(変形例1)インクジェットヘッド10の振動板部5と所定の間隔で対向配置された階段状の電極11は、上段の電極部12と下段の電極部13とを分割した形態としてもよい。この構成によれば、隙間G2を有する振動板部5と電極部13との間にインク液滴42を吐出させる駆動電圧パルスを印加し、隙間G1を有する振動板部5と電極部12との間に振動板部5の残留振動を抑制する補助電圧パルスを印加することにより、余剰インク滴45の吐出を防ぐことが可能である。
(変形例2)インクジェットヘッド10の振動板部5と対向配置された電極11は、階段状でなくてもよい。例えばノズル4側に面した振動板部5と対向する電極との間が狭くなるように傾斜させた電極形状とし、補助電圧パルス条件設定装置200を用いて振動板部5の残留振動を検出する。そして残留振動によって変位する振動板部5が吐出方向に飛び出しつつあるインク柱43をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯t4〜t7に、補助電圧パルスを静電アクチュエータに印加すれば余剰インク滴45の吐出を防ぐことができる。
(変形例3)インクジェットヘッド10の駆動制御装置100は、ヘッドランク識別部113とランク検出部126を除いた構成としてもよい。例えばヘッドユニット110毎に設定された駆動電圧パルスおよび補助電圧パルスの信号生成条件ランクをラベルに表示してヘッドユニット110に貼付ける。そしてインクジェットプリンタ400にヘッドユニット110を装着するときに、このラベルを確認してパーソナルコンピュータ等の外部装置140から上記信号生成条件のランクをフラッシュメモリーに書き込む方法とすればよい。この方法を用いればインクジェットヘッド10の駆動制御装置100をより簡単な構成とすることができる。
(変形例4)補助電圧パルスの印加は、インクジェットヘッド10が高温状態にあるときでなくてもよい。例えば使用温度範囲においてすべて印加されるように設定してもよい。これによれば使用温度範囲において確実に余剰インク滴45が吐出されることを防ぐことができる。
(変形例5)補助電圧パルス条件設定装置200において、判定部209は、人がオシロスコープ211で残留振動の波形を見て、その波形から補助電圧パルスの印加時間帯Pwia及びパルス幅Pwa、電位V3aを数学的手法により決めてもよい。
上記実施形態と変形例から把握される請求項以外の技術的思想は、以下のとおりである。
(1)電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、前記振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動制御方法において、前記電極は、隙間Aを有して前記振動板部と対向する第1の電極と隙間Bを有して前記振動板部と対向する第2の電極とに分割され、隙間Aは隙間Bよりも広い間隔を有し、前記第1の電極と前記振動板部との間に液滴を吐出させる駆動電圧パルスを印加した後に、前記振動板部の残留振動の変位が吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に、前記振動板部の残留振動を抑制する補助電圧パルスを前記第2の電極と前記振動板部との間に印加する液滴吐出ヘッドの駆動制御方法。
(2)電極と振動板部とが対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、前記振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動制御方法において、前記電極は、前記ノズル側に面した振動板部との間が狭くなるように傾斜した状態に形成され、前記電極と前記振動板部との間に液滴を吐出させる駆動電圧パルスを印加した後に、前記振動板部の残留振動の変位が吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に、前記振動板部の残留振動を抑制する補助電圧パルスを印加する液滴吐出ヘッドの駆動制御方法。
インクジェットプリンタの構造を示す概略断面図。 インクジェットヘッドの構造を示す概略分解斜視図。 図2において接合後にA−Aで切った概略断面図。 インクジェットヘッドの駆動制御装置の電気的な構成を示すブロック図。 駆動電圧パルスに対応した振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位とを関連づけたタイミングチャート。 電圧パルス印加による振動板部の挙動とノズル内のメニスカス変位を示すインクジェットヘッドの要部断面図。 補助電圧パルス条件設定装置の電気的な構成を示すブロック図。 補助電圧パルス条件設定方法を示すフローチャート。 予備吐出試験の印字試験結果から得られたマップ。
符号の説明
4…ノズル、5…振動板部、6…吐出室、10…液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッド、11…電極、19…電気機械変換素子、20…静電アクチュエータ、40…液体としてのインク、42…液滴としてのインク液滴、100…液滴吐出ヘッドの駆動制御装置としてのインクジェットヘッドの駆動制御装置、127…温度検出部、128…電圧パルス発生部、200…補助電圧パルス条件設定装置、203…液滴吐出ヘッド駆動部としてのヘッドドライバ、207…残留振動検出部、208…計測部、400…液滴吐出装置としてのインクジェットプリンタ、S1〜S3…検出工程、S4…計測工程、S10…設定工程。

Claims (10)

  1. 電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、前記振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動制御方法において、
    液滴を吐出させる駆動電圧パルスを前記静電アクチュエータに印加した後に、残留振動によって変位する前記振動板部が前記ノズルから吐出方向に飛び出しつつある前記液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に、前記振動板部の前記残留振動を抑制する補助電圧パルスを前記静電アクチュエータに印加することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動制御方法。
  2. 前記補助電圧パルスは、少なくとも1回の駆動電圧パルスの印加後に、少なくとも1回印加されることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの駆動制御方法。
  3. 前記補助電圧パルスは、液滴吐出ヘッドが所定の高温状態にあることが検出されたときに印加されることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドの駆動制御方法。
  4. 電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、前記振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの前記振動板部の残留振動を抑制する補助電圧パルスの信号生成条件を設定する補助電圧パルス条件設定方法において、
    前記静電アクチュエータに液滴を吐出させる駆動電圧パルスを印加して前記振動板部の残留振動を検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出された残留振動によって変位する前記振動板部が前記ノズルから吐出方向に飛び出しつつある前記液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯を計測する計測工程と、
    前記計測工程で得られた前記時間帯に前記補助電圧パルスを前記静電アクチュエータに印加するように信号生成条件を設定する設定工程とを備えたことを特徴とする補助電圧パルス条件設定方法。
  5. 前記検出工程は、前記液滴吐出ヘッドを所定の高温状態にし前記駆動電圧パルスを前記静電アクチュエータに印加して、前記振動板部の残留振動を検出することを特徴とする請求項4に記載の補助電圧パルス条件設定方法。
  6. 電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、前記振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの前記振動板部の残留振動を抑制する補助電圧パルスの信号生成条件を設定する補助電圧パルス条件設定装置において、
    前記静電アクチュエータに液滴を吐出させる駆動電圧パルスを印加する液滴吐出ヘッド駆動部と、
    前記駆動電圧パルスが印加された後に、前記静電アクチュエータの前記振動板部の残留振動を検出し電気的な信号に変換する残留振動検出部と、
    時間を計測する計測部とを有し、
    前記計測部は、前記残留振動検出部で検出された残留振動によって変位する前記振動板部が前記ノズルから吐出方向に飛び出しつつある前記液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯を計測することを特徴とする補助電圧パルス条件設定装置。
  7. 電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータが、前記振動板部と面して位置する吐出室に充填された液体を加圧することによりノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動制御装置において、
    電圧パルスを発生する電圧パルス発生部を有し、
    前記電圧パルス発生部は、液滴を吐出させる駆動電圧パルスを前記静電アクチュエータに印加すると共に、前記駆動電圧パルスが印加された後に、残留振動によって変位する前記振動板部が前記ノズルから吐出方向に飛び出しつつある液体をさらに加圧する速度または加速度を有する時間帯に、前記残留振動を抑制する補助電圧パルスを前記静電アクチュエータに印加することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動制御装置。
  8. 前記電圧パルス発生部は、少なくとも1回の前記駆動電圧パルスを印加した後に、少なくとも1回の前記補助電圧パルスを印加することを特徴とする請求項7に記載の液滴吐出ヘッドの駆動制御装置。
  9. 更に、前記液滴吐出ヘッドの温度を検出する温度検出部を備え、
    前記電圧パルス発生部は、前記温度検出部によって検出された前記液滴吐出ヘッドの温度が所定の高温状態にあるときに前記補助電圧パルスを前記静電アクチュエータに印加することを特徴とする請求項7または8に記載の液滴吐出ヘッドの駆動制御装置。
  10. 電極と振動板部とが所定の間隔をおいて対向配置されてなる電気機械変換素子を有する静電アクチュエータと、前記振動板部と面して位置する吐出室と、前記吐出室に連通したノズルとを備え、前記静電アクチュエータにより前記吐出室に充填された液体を加圧してノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    請求項7ないし9のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動制御装置とを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
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