JP2005332742A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Tetsuya Imai
徹也 今井
Yusuke Takada
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Abstract

【課題】放熱性と耐衝撃性を両立した、低消費電力のPDPを実現することを目的とする。
【解決手段】透明基板11の片面に複数の表示電極12を形成するとともにもう一方の片面に保護膜層16を形成した前面板10と、前記前面板10の前記保護膜層16側と放電空間30を介して対向させる背面板20とを備え、前面板10の前記表示電極12側には衝撃吸収シート26を介して透明保護基板18を配置し、前記透明保護基板18は、衝撃吸収シート26と前面板10と透明保護基板18とで形成される空間と外部の空間とを導通するための複数の導通部26bを備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)に関し、特に面放電型交流駆動方式のPDPの構成に関する。
PDPは、Ne、XeやAr等のガスをプラズマ放電させて発生した紫外線により蛍光体を励起発光させ可視光に変換して、画像表示を行う表示装置である。このPDPには、交流(AC)駆動型と直流(DC)駆動型がある。そして、輝度、発光効率および寿命の各性能面の評価から、AC駆動型がPDPの主流の駆動方式となっている。
図9と図10に、従来のAC駆動型PDPの構造を示す。図9は前面板60と背面板70とを対向配置した状態の概略構成を示す断面斜視図で、図10はアドレス電極72に沿って切断したyz面の断面図である。
前面板60は、透明で絶縁性を有する前面側基板61上に、表示電極62とブラックマトリクス(図示せず)と、これらを覆うように誘電体層65とが形成され、さらにこの誘電体層65上に保護膜層66が形成されることにより構成される。この表示電極62は、サステイン電極63とスキャン電極64とで構成されており、これらは透明導電膜63a、64aと、さらに配線抵抗を小さくするためのバス電極63b、64bとにより構成されている。なお、このバス電極63b、64bは、それぞれ透明導電膜63a、64a上に平行で、かつこの透明導電膜63a、64aよりも細幅に形成されている。このような表示電極62は前面側基板61上に所定のピッチをもって配置されている。
AC駆動型のPDPでは、表示電極62上に形成する誘電体層65が特有の電流制限機能を発揮するので、DC駆動型のPDPに比べて長寿命を保てる。この誘電体層65は表示電極62とブラックマトリクス(図示せず)との形成後で、しかも、これらを確実に覆うように形成することが必要とされるために、一般的には低融点ガラスを印刷・焼成方式で形成している。また、保護膜層66はプラズマ放電により誘電体層65がスパッタリングされないようにするために設けるもので、耐スパッタリング性に優れた材料であることが要求される。このために、酸化マグネシウム(MgO)が多く用いられている。なお、このMgOは大きな二次電子放出係数を有しているので、放電開始電圧を低減する効果もある。
一方、背面板70は、透明で絶縁性を有する背面側基板71上に、画像データを書き込むためのアドレス電極72が前面板60の表示電極62に対して直交する方向に形成され、このアドレス電極72を覆うように背面側基板71に下地誘電体層73を形成した後、このアドレス電極72と平行で、かつアドレス電極72間のほぼ中央部に隔壁74を形成し、さらに2つの隔壁74で挟まれた領域に、隔壁74の上部まで含めて蛍光体層75を形成することにより背面板70が構成される。なお、この蛍光体層75は、図9に示すように、赤色光(R光)、緑色光(G光)および青色光(B光)に発光する蛍光体層75a、75bおよび蛍光体層75cが相隣接して形成され、これらで画素を構成している。
前面板60と背面板70とを対向させると、それぞれ2本の隔壁74、前面側基板61上の保護膜層66、および背面側基板71上の蛍光体層75で囲まれたストライプ状の放電空間80を多数作り出すことができる。この放電空間80にNeとXeの混合ガスを約66.5kPaの圧力となるように充填し、それぞれのバス電極63b、64bを介してサステイン電極63とスキャン電極64間に数十〜数百kHzの交流電圧を印加して放電させると、励起されたXe原子が基底状態に戻る際に発生する紫外線により蛍光体層75を励起することができる。この励起により蛍光体層75は、塗布された材料に応じてR光、G光またはB光の発光をするので、アドレス電極72により発光させる画素および色の選択を行えば、所定の画素部で必要な色を発光させることができ、カラー画像を表示することが可能となる(例えば、非特許文献1参照)。
なお、前面板60と背面板70とを対向配置させた状態では、隔壁74により隣接する放電空間80同士は遮蔽されるようにしてあり、誤放電や光学的クロストークを防ぐような設計がなされている。
内池平樹、御子柴茂生共著、「プラズマディスプレイのすべて」(株)工業調査会、1997年5月1日、P79−P80
以上のような構成のAC駆動型PDPでは、それぞれのバス電極63b、64bを介してサステイン電極63とスキャン電極64間に交流電圧が印加されると、これらの電極間に存在する静電容量を充電するように変位電流が流れる。この変位電流は画像表示には直接寄与しないため無効電流になり、サステイン電極63やスキャン電極64の抵抗成分や制御回路に損失を発生させ、無効電力が生じる。
このように無効電力が生じ電力損失が増えると、PDPを表示するための消費電力だけではなく、PDPを駆動するIC回路の消費電力も大きくなる。この結果、IC回路において不所望な発熱が生じ回路動作が不安定に陥る。また、高解像度のPDPを実現するためには表示電極62の本数を多くする必要があるが、表示電極62の本数が増加するとパネル当りの静電容量は大きくなり、これに伴って無効電力も増大する。PDPの低消費電力化は重要な課題であり、このためには静電容量を小さくして無効電力を削減することが望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、従来のPDPと同等の安全性と耐衝撃性を確保しつつ、無効電力を大幅に低減することが可能なPDPを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のPDPは、透明基板の片面に複数の表示電極を形成するとともにもう一方の片面に保護膜層を形成した前面板と、前記前面板の前記保護膜層側と放電空間を介して対向させる背面板とを備え、前面板の前記表示電極側には衝撃吸収シートを介して透明保護基板を配置し、前記透明保護基板は、前面板の周縁部の画像表示領域外に配設され、且つ、衝撃吸収シートと前面板と透明保護基板とで形成される空間と外部の空間とを導通するための複数の孔を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、透明保護基板と前面板との間に、複数の孔を有する衝撃吸収シートを設けることにより、従来のPDPと同等の安全性と耐衝撃性を確保しつつ、無効電力を大幅に低減することが可能なPDPを提供することが可能となる。
すなわち本発明の請求項1に記載の発明は、透明基板の片面に複数の表示電極を形成するとともにもう一方の片面に保護膜層を形成した前面板と、前記前面板の前記保護膜層側と放電空間を介して対向させる背面板とを備え、前面板の前記表示電極側には衝撃吸収シートを介して透明保護基板を配置し、前記透明保護基板は、前面板の周縁部の画像表示領域外に配設され、且つ、衝撃吸収シートと前面板と透明保護基板とで形成される空間と外部とを導通するための複数の孔を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、透明基板の片面に形成された複数の表示電極が、絶縁被覆膜で覆われていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、孔が、その経路において曲がった部分を有する形状であることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、孔が、その経路において容積が急拡大する部分を有する形状であることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、衝撃吸収シートが、アクリル系発泡性熱伝導シート、EVA樹脂、SEBS、シリコンゲルの中から選ばれる少なくとも一つの材料を含むことを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、透明基板が、誘電体ガラスシートであることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、透明保護基板が、無機ガラスシートまたは透明樹脂シートであることを特徴とするものである。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態によるPDPの概略構成を示す一部分の断面図であり、図2は図1に対して直角方向の断面図である。なお、図中のx軸、y軸、z軸はそれぞれ、図9に示した軸の方向と同一である。
前面板10は、透明基板としての誘電体ガラスシート11の片面上に、表示電極12とブラックマトリクス15を形成し、もう片面に保護膜層16を形成することにより構成される。また、誘電体ガラスシート11の表示電極12上には、この表示電極12を覆うようにシリコーンの接着シール材を塗布、乾燥・硬化させることで、膜厚がおよそ2μmの透明な絶縁被覆膜17(比誘電率=1.8〜2.2)を形成している。この絶縁被覆膜17は、有機珪素化合物等によって形成してもよい。このように絶縁被覆膜17を形成することにより、表示電極12を絶縁被覆膜17で被覆しない場合よりも、表示電極12表面上で起こる沿面放電の危険性を小さく抑えることができる。
また、表示電極12は、サステイン電極13とスキャン電極14とで構成されており、これらは透明導電膜13a、14aとバス電極13b、14bとにより構成されている。なお、このバス電極13b、14bは、それぞれ透明導電膜13a、14a上に平行で、かつこの透明導電膜13a、14aよりも細幅に形成されている。このような表示電極12は誘電体ガラスシート11上に一定のピッチをもって所定の本数だけ形成されている。
透明導電膜13a、14aは、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電性材料を印刷・焼成あるいはスパッタリング法等で形成する。この透明導電性材料を単独で用いた場合、低抵抗な電極を形成することが難しい。このため、特に大画面のPDPにおいては、この透明導電膜による電力のロスが無視できなくなる。これを防止するために透明導電膜13a、14a上にバス電極13b、14bとして、抵抗の低い銀やアルミニウムや銅等の単層構成膜、あるいはクロムと銅の2層構成、あるいはクロムと銅とクロムの3層構成等の積層構成膜を、印刷・焼成やスパッタリング法等の薄膜形成技術を用いて形成する。
例えば、透明導電膜13a、14aとしてITOの膜厚をスパッタリング法で約0.2〜0.5μm形成した場合、このITOのシート抵抗は約10〜25Ω/□となる。一方、バス電極13b、14bとして銀を印刷方式で約2〜10μm形成すると、シート抵抗は約1〜3mΩ/□となる。透明導電膜13a、14aとバス電極13b、14bとは重なって形成されており、表示電極12のシート抵抗はこのバス電極13b、14bでほぼ決まり、十分に低い抵抗とすることができる。
また、保護膜層16としては、従来のPDPと同様な酸化マグネシウム(MgO)を用いて電子ビーム蒸着あるいはスパッタリング法で形成することができる。この保護膜層16の膜厚は、本実施の形態では約500nmとした。
一方、背面板20は、絶縁性を有する背面側基板21上に、画像データを書き込むためのアドレス電極22を前面板10の表示電極12に対して直交する方向に形成し、このアドレス電極22を覆うように背面側基板21面上に下地誘電体層23を形成し、この後、アドレス電極22と平行で、かつアドレス電極22間のほぼ中央部に隔壁24を形成した。さらに2つの隔壁24で挟まれた領域に隔壁24の壁面まで含めて蛍光体層25を形成することにより構成される。なお、この蛍光体層25は、図2に示すように、R(赤)、G(緑)およびB(青)にそれぞれ発光する蛍光体層25a、25bおよび25cを相隣接して形成しており、これら一組によって一つの画素を構成する。
なお、アドレス電極22は前面板10のバス電極13b、14bと同様な材料と成膜法で形成することができる。また、下地誘電体層23はガラスペーストをスクリーン印刷し、焼成する方法で形成することが一般的である。ガラスペーストの材料としては、例えば酸化鉛(PbO)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化燐(PO4)のうちの少なくとも1つを主成分とする低融点ガラスペーストを用いることができる。このガラスペーストを用いて、例えばスクリーン印刷と焼成とを繰り返すことで、所定の膜厚の下地誘電体層23を比較的容易に得ることができる。隔壁24はガラスペーストを複数回スクリーン印刷して約120μmの厚さに形成すればよい。この隔壁24で囲まれ120μm程度の高さを有する空間が放電空間30となる。また、蛍光体層25それぞれの蛍光体層25a、25bおよび25cは、例えばインクジェット法で形成する。
そして、前面板10と背面板20とを対向配置させると、2本の隔壁24、誘電体ガラスシート11上の保護膜層16、および背面側基板21上の蛍光体層25で囲まれたストライプ状の放電空間30が生じる。この放電空間30に、例えばNeとXeの混合ガスを放電ガスとして約66.5kPaの圧力となるように充填し、それぞれのバス電極13b、14bを介してサステイン電極13とスキャン電極14間に数十〜数百kHzの交流電圧を印加して放電させ、アドレス電極22により発光させる画素および色の選択を行えば、所定の画素部で必要な色を発光させることができ、カラー画像を表示することが可能となる。すなわち、画素部が発光の単位(放電セル)となっており、この画素部が集合して画像表示領域を形成している。
ここで本発明の一実施の形態によるPDPにおいては、前面板10の絶縁被覆膜17の上に、一定の間隔(5mm程度)をもたせて透明保護基板としての保護ガラス18を配置し、そして絶縁被覆膜17と保護ガラス18の間には、衝撃吸収シート26を介在させている。
図3は、衝撃吸収シート26の概略形状の一例を示す斜視図である。図3に示すように、熱衝撃シート26は、例えば片面に複数の凹部26aを有しており、また、PDPの周縁部の画像表示領域外に、画像表示の妨げとならないように配設されるよう、内側が打ち抜かれた形状となっている。
ここで、衝撃吸収シート26としては、例えば、PDPの背面側にアルミなどの金属製の放熱シャーシとの間に配設されるアクリル系発泡性熱伝導シートを挙げることができる。また、他にも、EVA樹脂(Ethylene Vinyl acetate Copolymer)や、SEBS(Styrene Ethylene Butadiene Styrene)やシリコンゲルを用いることも可能である。上述のように、前面板10と保護ガラス18の間に衝撃吸収シート26を挟むことで、外部から加わった衝撃力が緩和され、誘電体ガラスシート11の耐衝撃性を向上させることが可能となる。
また、衝撃吸収シート26は、前面板10と保護ガラス18の間に挟まれることで、その凹部26aが、衝撃吸収シート26と前面板10と保護ガラス18とで形成される空間(内部空間)19と、外部の空間27とを空間的に導通する導通部26bとなる。ここでこの導通部26bの、衝撃吸収シート26の厚み方向(y方向)の断面形状の一例を図4に示す。導通部26bの断面形状としてはどのような形状でも良く、また、導通部26bの構造としては、図4(a)、(b)、(e)、(f)に示すように、衝撃吸収シート26の少なくとも片方の表面に凹部26aを形成し、前面板10および/または保護ガラス18と当接することで導通部26bを成す構造や、図4(c)、(d)に示すように、衝撃吸収シート26自身に孔を形成することで導通部26bを構成した構造等を挙げることができる。なお、衝撃吸収シート26自身に孔を形成した構造としては、衝撃吸収シート26の断面側からくり抜くことや、また、片面に凹部26aを形成した衝撃吸収シート26と、もう一枚の衝撃吸収シートとを張り合わせること等により得ることができる。
ここで、本発明のPDPの性能を評価するために、上記実施の形態に基づくサンプル(以下、本発明のPDPと呼ぶ)を作製し、性能評価実験を行った。その結果について以下に述べる。
比較のために、他の構造は全く同一であるが、衝撃吸収シート26として導通部26bを有さないものを用いたPDP(以下、比較用のPDPと呼ぶ)を作製した。なお、保護ガラス18、前面板10と衝撃吸収シート26に囲まれる空間19には窒素を封入し、窒素の圧力は放電空間30と同じ圧力とした。
最初に、無効電力について述べる。本発明のPDPと比較用のPDPとでは、無効電力はほぼ等しいことを確認した。これは、本発明のPDPと比較用のPDPとでは、保護ガラス18、前面板10と衝撃吸収シート26に囲まれる空間19に満たされる気体が空気であるか窒素であるかの違いであり、空気と窒素の誘電率はほぼ同じであり、また、衝撃吸収シート26の導通部26bは小さいことから、その構造の違いがPDPの静電容量に与える影響は非常に小さいためであると考えられる。
次に、放熱性について述べる。放熱性としては、PDPを長時間通電しない、いわゆる冷えた状態での画面中央におけるPDPの表面温度を基準とし、画面全体を白表示したときの表面温度の上昇率で評価した。その結果、本発明のPDPの方が比較用のPDPに比べ約30%放熱性が良くなったことを確認した。
この理由としては以下のように考えられる。すなわち、本発明のPDPには、図4に示すように、衝撃吸収シート26に複数の導通部26bが設けられており、画像表示中のPDPにおいては衝撃吸収シート26を、Z軸方向が垂直方向、x軸方向が水平方向、y軸方向が奥行き方向とした状態となる。そして画像表示により前面板10表面から熱が発生すると内部空間19内に気流が生じ、その気流により熱が衝撃吸収シート26の垂直方向の上部側に設けられた導通部26bから大気中に放散されるとともに、衝撃吸収シート26の垂直方向の下部側に設けられた導通部26bから外部(大気中)の冷えた空気が内部空間19内に自然に取り込まれるため、内部空間19内には熱がこもらず表面温度の上昇が抑制される。これに対し、比較用のPDPの場合、内部空間19は、前面板10、保護ガラス18および導通部26bを有さない衝撃吸収シート26で囲まれ、窒素が満たされたものとなっており、空間19内でPDPにより発生した熱は外部の空間27には放散されずにこもってしまう。その結果、表面温度の上昇となって現われてしまうというものである。上述のように、本発明の一実施の形態によるPDPの衝撃吸収シート26のように、導通部26bを設けることで放熱性を良好にすることが可能となる。
次に、耐衝撃性について述べる。本発明のPDPと比較用のPDPに対して、同一条件で落下衝撃試験と振動試験とを行ったところ、両者の強度に格別の差は見られなかった。これは以下のように考えられる。すなわち、本発明のPDPにおいては、落下や振動によって保護ガラス18と前面板10と衝撃吸収シート26とに囲まれた空間19に気流が発生し、それが衝撃吸収シート26の導通部26bを通じて外部の空間27に流出しようとする。ここで、空間19は導通部26bに比べ容積が大きく、したがって空間19で発生した気流が導通部26bに流れ込もうとする際、図5に示すように、導通部26bへの流入口付近において流線の剥離が発生する。そしてこの剥離により、気流の流れに対して大きな抵抗が生じ、気流の流速は流入口付近で急激に低下するものと考えられる。すなわち、本発明の一実施の形態によるPDPの衝撃吸収シート26のように導通部26bを設けていても、落下や振動によって保護ガラス18と前面板10と衝撃吸収シート26とに囲まれた空間19に発生する気流は、導通部26bのない衝撃吸収シート26を備えた完全密封構造である比較用のPDPに近い状態となるものと考えられ、このことにより、本発明のPDPは比較用のPDPに比べても耐衝撃性においてほとんど差が生じなかったものと考えられる。なお、完全密封構造である比較用のPDPの方が耐衝撃性が高いことは言うまでもない。
なお、一般に、外部からの振動・衝撃によって発生する気流は、PDPの発熱によって生じる気流に比べて速度が大きい。また、どんな流体でも粘性があり、流れの速度が大きくなると抵抗も大きくなるため、振動・衝撃によって発生する「速い」気流は導通部26bの流入口付近で停滞するが、発熱によって生じる「緩やかな」気流は比較的スムーズに導通部26bを通じて外部に抜けるものと考えられる。このことから、本発明の一実施の形態によるPDPの衝撃吸収シート26の導通部26bは、いわゆる「ローパスフィルター」として作用するものと考えることができる。
ここで、放熱性を増すために、導通部26bの断面積を大きくし過ぎたり、導通部26bの数を増やし過ぎたりすると、振動・衝撃によって発生する気流もスムーズに外部に抜けてしまうこととなるため、耐衝撃性は劣るものとなってしまう。したがって最適な形状、個数を選択することが必要となる。なお、導通部26bの経路(z軸方向の形状)において、図6(a)、(b)に示すような曲がった部分を有する形状や、図7(a)、(b)に示すような容積が急拡大する部分26dを有する形状であれば、気流に対しての抵抗が増加するので、導通部26bの断面積を大きくしたり数を増やしても耐衝撃性を確保することができる。
また、図8に示すように、導通部26bの流入口において流線の剥離が発生しやすいように、例えば、衝撃吸収シート26の壁面に対する導通部26bの軸方向の角度θ1とθ2を鋭角にしてやれば、本発明の効果はさらに増大する。
ここで、衝撃吸収シート26の上下(z軸方向)左右(x軸方向)の導通部26bについて考える。耐衝撃性の面では、導通部26bをどこに配置しても特性は変わらない。放熱性の観点から考えると、前面板10表面の熱により上昇気流が発生することから、衝撃吸収シート26の上下方向(垂直方向、z軸方向)の上部側に導通部26bを設けることが放熱性を高める上で最も効果的である。一方、外部(大気中)の冷えた空気を取り込むために衝撃吸収シート26の下部側に導通部26bを設ける必要がある。しかし、PDPの使用環境によっては床面などの粉塵を巻き上げて、導通部26bを塞いでしまうおそれがある。したがって、下部側の導通部26bについては防塵フィルターを取り付けるなどの対策を施した方が望ましい。衝撃吸収シート26の左右(水平方向、x軸方向)の導通部26bは上部側および下部側の導通部26bによる気流の流れにより熱を効率よく大気中に放散させるために、気流を最適化するのに必要なものである。
なお、表示電極12は、絶縁被覆膜17で被覆することにより、そうしない場合よりも、表示電極12表面上で起こる沿面放電の危険性を小さく抑えることができるが、サステイン電極13とスキャン電極14のギャップ長などの構造や駆動電圧によっては、絶縁被覆膜17が不要になる場合もある。
また、保護ガラス18には、ソーダライムガラスを用いたが、それに限定されず、他の珪酸系ガラス、リン酸系ガラス、無アルカリガラス等、あるいは、それらの表面に反射膜、硬質膜、導電膜、色フィルター等が形成されている透明性のある機能性ガラスでもかまわない。また、ソーダライムガラス等の無機ガラスシートの代わりに、透明性を有し、硬くて機械的強度も強いメタクリル樹脂(アクリル樹脂の一種)等の透明樹脂シート(有機ガラスシート)を用いれば、PDPの軽量化という実用上大なる効果が得ることができる。さらに、明所コントラスト改善に向けて衝撃吸収シート26の保護ガラス18側の色を黒色する方が好ましい。さらに、衝撃吸収シート26には、例えばその表面に電磁波シールド用透明導電膜などを形成することによって、電磁波遮蔽機能を持たせる方が望ましい。
以上述べたように本発明のPDPによれば、透明保護基板と前面板との間に、複数の孔を有する衝撃吸収シートを設けることにより、従来のPDPと同等の安全性と耐衝撃性を確保しつつ、無効電力を大幅に低減することが可能なPDPを提供することが可能となる。
本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す一部断面図 同じく、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す一部断面図 衝撃吸収シートの概略形状を示す斜視図 衝撃吸収シートの厚み方向の断面形状の一例を示す図 孔の流入口付近における流線の状態を模式的に示す図 孔の経路方向に対する形状の一例を概略的に示す平面図 孔の経路方向に対する形状の一例を概略的に示す平面図 孔の経路方向に対する形状の一例を概略的に示す平面図 従来のPDPの概略構成を示す斜視図 従来のPDPの概略構成を示す断面図
符号の説明
10 前面板
11 誘電体ガラスシート(透明基板)
12 表示電極
13 サステイン電極
14 スキャン電極
16 保護膜層
17 絶縁被覆膜
18 保護ガラス(透明保護基板)
19 内部空間
20 背面板
21 背面側基板
22 アドレス電極
23 下地誘電体層
24 隔壁
25 蛍光体層
26 衝撃吸収シート
26a 凹部
26b 導通部
27 外部の空間
30 放電空間

Claims (7)

  1. 透明基板の片面に複数の表示電極を形成するとともにもう一方の片面に保護膜層を形成した前面板と、前記前面板の前記保護膜層側と放電空間を介して対向させる背面板とを備え、前面板の前記表示電極側には衝撃吸収シートを介して透明保護基板を配置し、前記透明保護基板は、前面板の周縁部の画像表示領域外に配設され、且つ、衝撃吸収シートと前面板と透明保護基板とで形成される空間と外部の空間とを導通するための複数の孔を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 透明基板の片面に形成された複数の表示電極が、絶縁被覆膜で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 孔が、その経路において曲がった部分を有する形状であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 孔が、その経路において容積が急拡大する部分を有する形状であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 衝撃吸収シートが、アクリル系発泡性熱伝導シート、EVA樹脂、SEBS、シリコンゲルの中から選ばれる少なくとも一つの材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 透明基板が、誘電体ガラスシートであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 透明保護基板が、無機ガラスシートまたは透明樹脂シートであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111212761B (zh) * 2017-10-17 2023-04-04 Sabic环球技术有限责任公司 用于电动车辆的前端面板

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