JP2005332629A - 非水電解液二次電池用正極活物質およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温において連続充電し、または充放電サイクルを繰り返す用途での特性の改善された非水電解液二次電池を与える正極活物質を提供する。
【解決手段】 一般式LiMO2(式中MはCo、Ni、およびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種である。)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物の粒子からなり、その表面における遷移金属の平均価数が粒子内部の平均価数よりも低く、かつ、前記粒子の表面が炭素質物質で被覆されている正極活物質。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液二次電池用正極活物質およびその製造方法に関するもので、高温において連続充電し、または充放電サイクルを繰り返す用途での非水電解液二次電池の特性を改善するものである。
近年、民生用電子機器のポータブル化、コードレス化が進んでいる。従来、これら電子機器の駆動用電源としての役割を、ニッケルカドミウム電池あるいは密閉小型鉛蓄電池が担っていたが、ポータブル化、コードレス化が定着するに従い駆動用電源となる二次電池の高エネルギー密度化、小型軽量化の要望が強くなっている。また、近年はノート型パソコンの急速な市場の拡大に代表されるように、高率充放電が可能な電池が要望されている。
このような状況から、高い充放電電圧を示すリチウム二次電池、例えば特許文献1には、コバルト酸リチウムを正極活物質に用い、リチウムイオンの挿入・脱離を利用した非水電解液二次電池が開示されている。
ところで、正極活物質に4V級の電圧を示すリチウム含有複合酸化物を用いた場合、充電状態において、正極活物質と非水電解液が反応し、高温で保存したり充放電サイクルを繰り返すと、容量劣化率が大きくなる等の問題があった。そのために、例えば特許文献2においては、還元性の雰囲気中において正極活物質を熱処理し、その正極活物質の表面部分における遷移金属の平均価数を、正極活物質全体での遷移金属の平均価数よりも低くすることが提案されている。これによると、非水電解液との反応に関与する活性な酸素が低下し、充電状態にして高温で保存した場合における正極活物質と非水電解液との反応が抑制され、放電特性の低下が防止される。
さらに、特許文献3においては、正極活物質表層の少なくとも一部に、0.5〜19wt%の窒素、0.5〜35wt%の硫黄および0.5〜25wt%の酸素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む炭素材層を含有させることにより、高温時の正極活物質上での電解液の分解反応などを抑制して、高温保存特性への悪影響を除去することが提案されている。
また、特許文献4においては、リチウム化合物と遷移金属化合物とを含む反応原料を焼成処理する際に、炭素原子を有する物質の存在下で焼成を行った後、高酸素濃度雰囲気下で焼成を行うリチウム含有遷移金属酸化物の製造法が提案されている。しかし、この方法は、低酸素雰囲気下での焼成処理のみで、焼成処理が完結するリチウム含有遷移金属酸化物の製造法ではない。
特開昭63−59507号公報 特開平10−199530号公報 特開平10−21912号公報 特開2002−279990号公報
前記の還元性雰囲気中において正極活物質を熱処理し、その正極活物質の表面部分における遷移金属の平均価数を、正極活物質全体での遷移金属の平均価数よりも低くすると、高電圧を保持した状態で保存した場合や、充電保存と充放電を繰り返し行った場合、容量が低下したり充放電特性が低下したりし、十分な保存特性を得ることができなかった。
その原因は次のように考えられている。すなわち、価数の低い遷移金属は溶出し易いため、平均価数の低い表面部分の遷移金属が非水電解液中に溶出し、容量低下を招く。また、溶出した遷移金属は、負極上で還元されて析出し、負極での電極反応を妨げるため、充放電特性が低下する。
また、従来の正極活物質表層の少なくとも一部に炭素材層を含有させた場合においても、高電圧を保持した保存特性や、充電保存と充放電を繰り返し行うサイクル特性において、十分な向上効果が得られなかった。その原因としては、非水電解液との反応に関与する活性な酸素が存在するためと考えられる。
そこで、本発明は平均価数の低い表面部分を炭素質物質で被覆することにより、高電圧を保持した状態で保存した場合や、充電保存と充放電を繰り返し行った場合においても、そのリチウム含有遷移金属酸化物と非水電解液との反応を抑制するとともに、平均価数の低い表面部分の遷移金属が非水電解液中に溶出するのを抑制して、容量低下や放電特性低下を防止し、高温連続充電保存特性や高温充電保存サイクル寿命特性に優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、一般式LiMO2(式中MはCo、Ni、およびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種である。)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物の粒子からなり、その表面における遷移金属の平均価数が粒子内部の平均価数よりも低く、かつ、前記粒子の表面が炭素質物質で被覆されていることを特徴とする。
本発明は、Co、Ni、およびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属の塩と、リチウム塩と、炭素原子を含む物質とを混合し、その混合物を酸素濃度1%〜5%の雰囲気下で焼成する工程を有する非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法を提供する。
前記混合物における前記炭素原子を含む物質中に含まれる炭素原子のモル数と、前記遷移金属の塩の遷移金属原子のモル数との比は、0.05〜0.30の範囲が好ましい。
本発明によれば、高電圧を保持した状態で保存した場合や、充電保存と充放電を繰り返し行った場合において、そのリチウム含有遷移金属酸化物と非水電解液との反応を抑制するとともに、平均価数の低い表面部分の遷移金属が非水電解液中に溶出するのを抑制して、高温連続充電保存特性や高温充電保存サイクル寿命特性に優れた非水電解液二次電池を得ることができる。
本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、一般式LiMO2(式中MはCo、Ni、およびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種である。)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物の粒子からなり、その表面における遷移金属の平均価数が粒子内部の平均価数よりも低く、かつ、前記粒子の表面が炭素質物質で被覆されている。
ここで、リチウム含有遷移金属酸化物の粒子とは、基本的には、一次粒子を指し、活物質として利用される場合、二次粒子あるいはさらに高次の凝集状態にあってもよい。本発明による正極活物質は、粒子表面における遷移金属の平均価数が粒子内部の平均価数よりも低く、粒子の表面は炭素質物質で被覆されている。しかし、粒子表面および内部の遷移金属の平均価数がほぼ同じで、炭素質物質で被覆されていないものをマイナー成分として含んでいてもよい。
この正極活物質は、Co、Ni、およびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属の塩と、リチウム塩と、炭素原子を含む物質とを混合し、その混合物を酸素濃度1%〜5%の雰囲気下で焼成することによって得ることができる。
前記焼成時の温度は600℃〜1100℃が好ましい。前記混合物における炭素原子を含む物質中に含まれる炭素原子のモル数と、前記遷移金属の塩の遷移金属原子のモル数との比は、0.05〜0.30の範囲が好ましい。
次に、本発明の正極活物質を得るための実施の形態について、以下に詳細に説明する。
原料として用いるリチウム塩としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。コバルト塩としては、酸化コバルト、水酸化コバルト、炭酸コバルト等を用いることができる。ニッケル塩としては酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル等を用いることができる。マンガン塩としては酸化マンガン、水酸化マンガン、炭酸マンガン等を用いることができる。
炭素原子を含む物質としては、ピッチコークスや、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性高分子を用いることが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明する。図1に、実施例で作製した円筒型リチウムイオン二次電池の構造を示す。なお、ここでは円筒型電池を作製したが、本発明の電池の形状は、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、角型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、扁平型の電池や、電気自動車等に用いる大型電池にも適用できる。
《実施例1》
本実施例では、リチウム含有遷移金属酸化物LiCoO2、LiNiO2、LiNi0.5Co0.52、およびLiNi0.3Co0.4Mn0.32において、本発明の効果の確認した。
[正極活物質の作製]
LiCoO2の原料としては、炭酸リチウムと四酸化三コバルトを用い、炭酸リチウムと四酸化三コバルトのLiとCoのモル比がLi:Co=1:1となるようにそれぞれを量りとり混合した。また、LiNiO2の原料としては、炭酸リチウムと水酸化ニッケルを用い、炭酸リチウムと水酸化ニッケルのLiとNiのモル比がLi:Co=1:1となるようにそれぞれを量りとり混合した。LiNi0.5Co0.52の原料としては、炭酸リチウムと水酸化ニッケルと四酸化三コバルトを用い、炭酸リチウムと水酸化ニッケルと四酸化三コバルトのLiとNiとCoのモル比がLi:Ni:Co=1:0.5:0.5となるようにそれぞれを量りとり混合した。LiNi0.3Co0.4Mn0.32の原料としては、炭酸リチウムと水酸化ニッケルと四酸化三コバルトと酸化マンガンを用い、炭酸リチウムと水酸化ニッケルと四酸化三コバルトと酸化マンガンのLiとNiとCoとMnのモル比がLi:Ni:Co:Mn=1:0.3:0.4:0.3となるようにそれぞれを量りとり混合した。
次いで、これらの混合物の1kgに対して、炭素質物質の原料であるカルボキシメチルセルロースの1%水溶液を、上記混合物1kg中に存在する遷移金属原子のモル数に対する、カルボキシメチルセルロース中の炭素原子のモル比が表1に示す量になるように混合した。これらの混合物を100℃において予備乾燥した後、表1に示す酸素濃度雰囲気下において、900℃で24時間焼成し、粉砕、分級して、平均粒径約10μmの正極活物質を作製した。
このようにして得られた正極活物質の粒子表面の遷移金属を、ESCAを用いて分析した。この分析で得られた、遷移金属の平均価数の低い層の厚みを表1に示す。
[正極板の作製]
上記の方法で得られた正極活物質の100重量部に、導電剤としてアセチレンブラックを1.5重量部混合し、さらに結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)のN−メチル−2−ピロリドン溶液を樹脂分で2重量部加え、撹拌・混合し、ペースト状の正極合剤を得た。正極合剤は、厚さ15μmのアルミニウム箔の集電体の両面に塗布し、乾燥後、圧延を行い、所定寸法に裁断し、正極板を作製した。
[負極板の作製]
平均粒径が20μm程度の鱗片状黒鉛を用いて負極板を作製した。前記鱗片状黒鉛の100重量部に、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を樹脂分で1重量部混合し、さらに結着剤としてスチレンブタジエンゴムを1重量部加え、撹拌・混合し、ペースト状の負極合剤を得た。負極合剤は、厚さ10μmの銅箔の集電体の両面に塗布し、乾燥後、圧延を行い、所定寸法に裁断し、負極板を作製した。
[電池の作製]
作製した正極板1と負極板2とを、厚さ20μmの微多孔性ポリエチレン製セパレータ3を介して渦巻状に捲回し、極板群を構成した。正極板1と負極板2には、それぞれ正極リード4及び負極リード5を溶接した。極板群の下部及び上部にそれぞれポリエチレン樹脂製絶縁リング6及び8を装着し、図1に示されるように、耐有機電解質性のステンレス鋼板を加工した電池ケース7内に収納した。負極リード5の他端は、電池ケース7の底部にスポット溶接した。正極リード4の他端は、安全弁を設けたアルミニウム製封口板10にスポット溶接した。非水電解液としては、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの体積比1:3の混合溶媒に1.0mol/lの濃度でLiPF6を溶解したものを用い、その所定量を極板群に注入した後、電池ケース7の開口部を絶縁ガスケット9および封口板10で密封し、実施例1の試験電池とした。
これらの電池について、高温環境下での連続充電保存試験及び充電保存サイクル寿命試験を行った。
高温連続充電保存試験においては、まず、充電電圧4.20V、充電最大電流800mAの条件で、電池を2時間定電圧充電した後、放電電流800mA、放電終止電圧3.0Vの定電流放電を、20℃環境下で2サイクル行い、2サイクル目の放電容量を確認した。その後、60℃環境下で、充電電圧4.20V、充電最大電流800mAで、電池を7日間定電圧充電したまま保存した。こうして定電圧で7日間連続充電保存した電池を再び20℃で、上記と同一条件で2サイクル充放電し、2サイクル目の放電容量を確認した。連続充電保存前の放電容量に対する連続充電保存後の放電容量の割合を容量回復率(以下条件1の容量回復率として表す)として評価を行った。
高温充電保存サイクル寿命試験においては、まず、充電電圧4.20V、充電最大電流800mAの条件で、電池を2時間定電圧充電した後、放電電流800mA、放電終止電圧3.0Vの定電流放電を、20℃環境下で2サイクル行い、2サイクル目の放電容量を確認した。その後、同条件で電池を2時間定電圧充電して、そのまま24時間放置し、その後、放電電流800mA、放電終止電圧3.0Vの定電流放電を行う充放電サイクルを45℃環境下で100サイクル行った。45℃環境下で100サイクル充放電した電池を再び20℃で、サイクル前と同一条件で2サイクル充放電し、2サイクル目の放電容量を確認した。高温充電保存サイクル前の放電容量に対する高温充電保存100サイクル後の放電容量の割合を容量回復率(以下条件2の容量回復率として表す)として評価を行った。
上記のようにして求めた高温環境下での連続充電保存試験及び充電保存サイクル寿命試験の評価結果を表1に示す。
Figure 2005332629
表1の結果から明らかなように、リチウム含有遷移金属酸化物粒子の表面において、遷移金属の平均価数が低く、かつ、表面が炭素質物質で被覆されているNo.1−3、1−7、1−11、及び1−15の電池は、上記のような平均価数の低い層と、炭素質被膜の両方を備えていないNo.1−1〜2、1−4〜6、1−8〜10、1−12〜14の電池と比べて、高温環境下での連続充電保存特性及び充電保存サイクル寿命特性が著しく向上していた。これは、平均価数の低い表面部分を炭素質物質で被覆することにより、高電圧を保持した状態で保存した場合や、充電保存と充放電を繰り返し行った場合においても、そのリチウム含有遷移金属酸化物と非水電解液との反応を抑制するとともに、平均価数の低い表面部分の遷移金属が非水電解液中に溶出するのを抑制して、容量低下や放電特性低下を防止したためと考えられる。
《実施例2》
本実施例では、リチウム含有遷移金属酸化物LiCoO2において、その粒子の表面における遷移金属の平均価数が粒子内部の平均価数よりも低く、かつ、表面が炭素質物質で被覆されている正極活物質を得るための、焼成時の酸素濃度と混合する炭素量について検討した。
正極活物質のLiCoO2の原料として、炭酸リチウムと四酸化三コバルトを用いた。炭酸リチウムと四酸化三コバルトをLiとCoのモル比がLi:Co=1:1となるようにそれぞれを量りとり混合した。次いで、この混合物の1kgに対して、炭素質物質の原料であるカルボキシメチルセルロースの1%水溶液を、上記混合物1kg中に存在するCo原子モル数に対する、カルボキシメチルセルロース中の炭素原子のモル比率が表2に示す量になるように混合した。このようにして得た混合物を、100℃で予備乾燥後、表2に示す酸素濃度雰囲気下において、900℃で24時間焼成し、粉砕、分級して、正極活物質を作製した。
以下、実施例1と同様にして正極を作製し、電池を組み立て、実施例2の試験電池とした。
実施例2の電池について、実施例1と同様に高温環境下での連続充電保存試験、及び充電保存サイクル寿命試験を行い、それぞれの初期容量と容量回復率を求めた。これらの電池の初期放電容量と、高温環境下での連続充電保存試験及び充電保存サイクル寿命試験の評価結果を表2に示す。
Figure 2005332629
表2の結果から明らかなように、混合する炭素量が5モル%以上で、焼成時の酸素濃度が0.5%〜5%の範囲であるNo.2−1〜5、2−7〜9、2−12〜14、2−17〜19の電池においては、高温環境下での連続充電保存特性及び充電保存サイクル寿命特性が著しく向上した。焼成時の酸素濃度を10%にしたNo.2−21〜25の電池は、十分な向上効果を得ることができなかった。この理由としては、酸素濃度10%になると、遷移金属の平均価数が低い層を粒子の表面に形成できなかったためと考えられる。粒子表面の遷移金属を、ESCAを用いて分析したところ、遷移金属の平均価数の低い層は観測されなかった。
ところで、酸素濃度が0.5%のNo.2−1〜5の電池や、酸素濃度が1%〜5%で、混合する炭素量が50mモル%のNo.2−10、2−15、2−20の電池は、高温環境下での連続充電保存特性及び充電保存サイクル寿命特性は著しく向上したが、初期容量が低下してしまった。これは、焼成時の酸素濃度が低すぎることや、還元剤として作用する炭素量が多くなることにより、合成に必要な酸素が不足し、遷移金属の平均価数の低い層が内部まで形成され、リチウム含有遷移金属酸化物LiCoO2の結晶性が低下したためと考えられる。初期容量の低下を最小限に抑制するためには、遷移金属の平均価数の低い層の厚みは100nm以下が好ましい。
また、混合する炭素量が2モル%のNo.2−1、2−6、2−11、2−16の電池においては、高温環境下での連続充電保存特性及び充電保存サイクル寿命特性の著しい向上効果は得られなかった。これは、被覆する炭素量が少ないためと考えられる。
これらの結果より、初期の容量低下を招くことなく、高温環境下での連続充電保存特性及び充電保存サイクル寿命特性を著しく向上させる正極活物質を得るためには、焼成時の酸素濃度は1%〜5%、混合する炭素量は5〜30モル%が最適であることがわかった。
上記実施例においては、リチウム含有遷移金属酸化物LiCoO2、LiNiO2、LiNi0.5Co0.52、およびLiNi0.3Co0.4Mn0.32の実験結果を示した。しかし、他の一般式LiMO2で表され、前記式においてMがCo、Ni、およびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むリチウム含有遷移金属酸化物であれば、同様の効果が得られる。
さらに、上記実施例においては、被覆する炭素質物質の原料としてカルボキシメチルセルロースを用いた実験結果を示したが、ピッチコークスや、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドなどでも同様の効果が得られる。
また、上記各実施例においては、電解質の塩濃度を1mol/lとしたが、塩濃度を0.5〜2.0mol/lのものを用いても同様の効果が得られる。
上記各実施例においては、電解液として炭酸エチレンと炭酸ジエチルの混合溶媒を用いたが、他の非水溶媒例えば、プロピレンカーボネートなどの環状エステル、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステルなどの非水溶媒や、これら多元系混合溶媒を用いても同様の効果が得られる。
本発明による正極活物質を用いた非水電解二次電池は、携帯用電子機器をはじめ各種の用途に有用である。
本発明の実施例における円筒形電池の一部を断面にした正面図である。
符号の説明
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 正極リード
5 負極リード
6 下部絶縁リング
7 電池ケース
8 上部絶縁リング
9 ガスケット
10 封口板

Claims (3)

  1. 一般式LiMO2(式中MはCo、Ni、およびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種である。)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物の粒子からなり、その表面における遷移金属の平均価数が粒子内部の平均価数よりも低く、かつ、前記粒子の表面が炭素質物質で被覆されていることを特徴とする非水電解液二次電池用正極活物質。
  2. Co、Ni、およびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属の塩と、リチウム塩と、炭素原子を含む物質とを混合し、その混合物を酸素濃度1%〜5%の雰囲気下で焼成する工程を有する非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記混合物における前記炭素原子を含む物質中に含まれる炭素原子のモル数と、前記遷移金属の塩の遷移金属原子のモル数との比が、0.05〜0.30である請求項2記載の非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法。
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