JP2005325388A - 低比重鉄合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】 比重を改善し、比強度、ヤング率、降伏応力、引張強度、硬さを高め、さらに加工性に富む材料を提供する。
【解決手段】 Mn:5.0〜15.0(未満)質量%、Al:0.5〜10.0質量%、Si:0.5〜10.0質量%、C:0.01〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、α相分率10〜95%であるγ+αの2相を備えた鉄合金からなる低比重鉄合金、及びB:0.001〜1.5質量%、N:0.01〜1.5質量%、Cr:0.01〜10.0質量%、Be,Mg,Ti,V,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,W:それぞれ0.01〜5.0質量%、から選択した元素の1種又は2種以上をさらに含有する同低比重鉄合金。
【選択図】 図1
【解決手段】 Mn:5.0〜15.0(未満)質量%、Al:0.5〜10.0質量%、Si:0.5〜10.0質量%、C:0.01〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、α相分率10〜95%であるγ+αの2相を備えた鉄合金からなる低比重鉄合金、及びB:0.001〜1.5質量%、N:0.01〜1.5質量%、Cr:0.01〜10.0質量%、Be,Mg,Ti,V,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,W:それぞれ0.01〜5.0質量%、から選択した元素の1種又は2種以上をさらに含有する同低比重鉄合金。
【選択図】 図1
Description
本発明は、低比重を有し、高い比強度(強度/比重)と優れた加工性を備えた鉄合金に関する。
鉄は地球に多量に存在し、製造が容易(製造法が確立されている)であること強度(鋼等)が高いこと、耐食性があること(ステンレス鋼、合金鋼)などの理由により、一般構造用材料、建築用材、鉄道車両や自動車のボディやフレーム材、レール材、船舶用材、耐食性材、石油等のパイプライン用材、橋梁材等の様々な分野に使用されている。また、鋼だけでなく、鋳鉄も半永久的な耐食性材料としてマンホールの蓋や大型の下水管等に使用されている。
しかし、鉄の20°Cでの比重は7.87であり、他の金属に比べて比重が大きく、そのために比強度(強度/比重)がチタン(比重4.50)やアルミニウム合金(比重2.70)等に比べて劣るという問題がある。
しかし、鉄の20°Cでの比重は7.87であり、他の金属に比べて比重が大きく、そのために比強度(強度/比重)がチタン(比重4.50)やアルミニウム合金(比重2.70)等に比べて劣るという問題がある。
このようなことから鉄に金属元素等を添加し、また加工や熱処理条件を工夫して比強度(強度/比重)を向上させようとする提案がある。例えば、重量%でMn:25〜31%、Al:6.3〜7.8%、C:0.65〜0.85%、Cr:5.5〜9.0%、残部Feとし、この合金を800°C〜1050°Cで熱間鍛造することにより、6.78〜7.05g/cm3とする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、比重のある程度の改善はあるが、この合金でさらに比重を下げ比強度(強度/比重)を向上させることは事実上難しいという問題がある。
しかし、比重のある程度の改善はあるが、この合金でさらに比重を下げ比強度(強度/比重)を向上させることは事実上難しいという問題がある。
他の参考公知文献としては、次の組成のものがある。高温下で用いる20〜35重量%マンガン、5〜13重量%アルミニウム、0〜5重量%クロム、0〜2.5重量%ケイ素、0.5〜1.4重量%炭素、残部鉄からなる鋳造部材(特許文献2参照)。
C:0.10〜1.00重量%、Mn:16〜35重量%、Si:0.2〜3.0重量%、Cr:0.5〜18.0重量%、Cu:0.01〜2.00重量%、Al:0.01〜7.00重量%、N:0.3重量%以下である耐候性、高靭性高Mn鋼(特許文献3参照)。
C:1.5重量%未満、Mn:0〜35.0重量%、0.1〜6.0重量%、残部Feからなるオーステナイト高マンガン鋼(特許文献4参照)。
Al:6〜13重量%、Mn:7〜34重量%、C0.2〜1.4重量%、Si:0.4〜1.3重量%、Ni:0.5〜6重量%、Cr:0.5〜6重量%、残部Feからなるオーステナイト系ステンレス鋼(特許文献5参照)。
特開2002−180205号公報
特開平2−247356号公報
特開昭58−197256号公報
特表平6−505535号公報
特表平5−504788号公報
C:0.10〜1.00重量%、Mn:16〜35重量%、Si:0.2〜3.0重量%、Cr:0.5〜18.0重量%、Cu:0.01〜2.00重量%、Al:0.01〜7.00重量%、N:0.3重量%以下である耐候性、高靭性高Mn鋼(特許文献3参照)。
C:1.5重量%未満、Mn:0〜35.0重量%、0.1〜6.0重量%、残部Feからなるオーステナイト高マンガン鋼(特許文献4参照)。
Al:6〜13重量%、Mn:7〜34重量%、C0.2〜1.4重量%、Si:0.4〜1.3重量%、Ni:0.5〜6重量%、Cr:0.5〜6重量%、残部Feからなるオーステナイト系ステンレス鋼(特許文献5参照)。
本発明は、比重を改善し、比強度、ヤング率、降伏応力、引張強度、硬さを高め、さらに加工性に富む材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、鉄−マンガン−アルミニウム系材料を改善することにより、上記の比重、比強度、加工性等をさらに向上させることができるとの知見を得た。
この知見に基づき本発明は、1)Mn:5.0〜15.0(未満)質量%、Al:0.5〜10.0質量%、Si:0.5〜10.0質量%、C:0.01〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、α相分率10〜95%であるγ+αの2相を備えた鉄合金からなることを特徴とする低比重鉄合金、2)B:0.001〜1.5質量%、N:0.01〜1.5質量%、Cr:0.01〜10.0質量%、Be,Mg,Ti,V,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,W:それぞれ0.01〜5.0質量%、から選択した元素の1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする1記載の低比重鉄合金、3)比重5.5〜7.5g/cm3であることを特徴とする1又は2記載の低比重鉄合金を提供する。
この知見に基づき本発明は、1)Mn:5.0〜15.0(未満)質量%、Al:0.5〜10.0質量%、Si:0.5〜10.0質量%、C:0.01〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、α相分率10〜95%であるγ+αの2相を備えた鉄合金からなることを特徴とする低比重鉄合金、2)B:0.001〜1.5質量%、N:0.01〜1.5質量%、Cr:0.01〜10.0質量%、Be,Mg,Ti,V,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,W:それぞれ0.01〜5.0質量%、から選択した元素の1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする1記載の低比重鉄合金、3)比重5.5〜7.5g/cm3であることを特徴とする1又は2記載の低比重鉄合金を提供する。
本発明の鉄合金は、比重を7.5〜5.5の範囲に低下させることができ、比強度100MPa/(g/cm3)以上、ビッカース硬さ250Hv以上、ヤング率90GPa以上、0.2%耐力420MPa以上、引張応力700MPa以上であり、さらに冷間加工性に富む材料が得られるという効果を有する。
本発明の低比重鉄合金は、Mn:5.0〜15.0(未満)質量%、Al:0.5〜10.0質量%、Si:0.5〜10.0質量%、C:0.01〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、α相分率10〜95%であるγ+αの2相を備えた鉄合金からなる低比重鉄合金であり、さらにB:0.001〜1.5質量%、N:0.01〜1.5質量%、Cr:0.01〜10.0質量%、Be,Mg,Ti,V,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,W:それぞれ0.01〜5.0質量%から選択した元素の1種又は2種以上をさらに含有させることができる。
本発明の低比重鉄合金は、上記の通りα(bcc構造)+γの2相を備える組織を持ち、比重dが5.5≦d≦7.5であり、冷間加工性に富み、比強度、ヤング率、降伏応力、引張強度、硬さに優れた低比重合金が得られる。
Mn:5.0〜15.0(未満)質量%とする理由は、5.0質量%未満ではfcc構造を有するγ相が得られず、15.0質量%以上であると、低比重下での十分な冷間加工性が得られないからである。特にMn:10.0〜15.0(未満)質量%が望ましい。これにより十分なγ相を有するγ+α2相組織を形成することができ、さらに靭性を向上させることができる。
Mn:5.0〜15.0(未満)質量%とする理由は、5.0質量%未満ではfcc構造を有するγ相が得られず、15.0質量%以上であると、低比重下での十分な冷間加工性が得られないからである。特にMn:10.0〜15.0(未満)質量%が望ましい。これにより十分なγ相を有するγ+α2相組織を形成することができ、さらに靭性を向上させることができる。
Al:0.5〜10.0質量%とする理由は、0.5質量%未満では低比重が得られず、10.0質量%を超えるとα+γの2相組織が得られないためである。特に、Al:5.0〜10.0質量%が望ましい。これにより、比重をさらに低下させることが出来、また強度、耐食性を向上させることができる。
Si:0.5〜10.0質量%とする理由は、0.5質量%未満では低比重が得られず、10.0質量%以上ではα+γの2相組織が得られないためである。
C:0.01〜1.5質量%とする理由は、0.01質量%未満ではα単相組織になってしまい、2.5質量%を超えるとM3C(M:Fe、Mn等)等の炭化物が析出してしまうためである。
Si:0.5〜10.0質量%とする理由は、0.5質量%未満では低比重が得られず、10.0質量%以上ではα+γの2相組織が得られないためである。
C:0.01〜1.5質量%とする理由は、0.01質量%未満ではα単相組織になってしまい、2.5質量%を超えるとM3C(M:Fe、Mn等)等の炭化物が析出してしまうためである。
本発明の低比重鉄合金は、必要に応じて、さらにB:0.001〜1.5質量%、N:0.01〜1.5質量%、Cr:0.01〜10.0質量%、Be、Mg、Ti、V、Co、Ni、Cu、Nb、Mo及びWからなる群から選択した1種又は2種以上の元素を0.01〜5.0質量%含有させることができる。その添加効果を高めるための、成分の数値限定の理由は、次の通りである。
B:0.001〜1.5質量%とする理由は、0.001質量%未満では鋳造組織及び鍛造組織においても微細な結晶粒組織を得るための添加効果が小さく、また1.5質量%を超えると硼素化合物等の析出により脆化してしまうからである。
B:0.001〜1.5質量%とする理由は、0.001質量%未満では鋳造組織及び鍛造組織においても微細な結晶粒組織を得るための添加効果が小さく、また1.5質量%を超えると硼素化合物等の析出により脆化してしまうからである。
N:0.01〜1.5質量%とする理由は、0.01質量%未満では十分な比強度を得るための添加効果が小さく、1.5質量%を超えると窒化物等の析出により脆化するからである。上記の組成範囲において微細な結晶粒組織が得られ、優れた機械的特性を持つ合金が得られる。
Cr:0.01〜10.0質量%とする理由は、0.01質量%未満では低比重及び耐酸化性に優れた合金を得るための添加効果が小さく、5.0質量%を超えるとCr炭化物やσ相などの金属間化合物が出現し、α+γの2相組織が得られないためである。
Cr:0.01〜10.0質量%とする理由は、0.01質量%未満では低比重及び耐酸化性に優れた合金を得るための添加効果が小さく、5.0質量%を超えるとCr炭化物やσ相などの金属間化合物が出現し、α+γの2相組織が得られないためである。
Be又はMg添加は低比重化に有効であり、Ti添加は低比重化及び粒界腐食の防止に有効であり、V添加は耐摩耗性改善に有効であり、Co又はNi添加はγ相の安定化に有効であり、Cu又はMo添加は耐食性改善に有効であり、Mo添加は耐粒界腐食改善に有効であり、W添加は析出硬化に有効であるという理由による。これらを単独添加又は複合添加することができる。
また、それを0.01〜5.0質量%の範囲とするのは0.01質量%未満であると添加効果がなく、5.0質量%を超えると脆化し、また比重が7.5を超えてしまうという問題があるので、上限を5.0質量%とする。
また、それを0.01〜5.0質量%の範囲とするのは0.01質量%未満であると添加効果がなく、5.0質量%を超えると脆化し、また比重が7.5を超えてしまうという問題があるので、上限を5.0質量%とする。
以上に示す通り、本発明の低比重鉄合金は、比重dが5.5≦d≦7.5であり、さらには比重dが5.5≦d≦6.6であるという低比重の合金が得られる。
また、これによって、比強度100MPa/(g/cm3)以上、ビッカース硬さ250Hv以上、ヤング率90GPa以上、0.2%耐力420MPa以上、引張応力700MPa以上であり、さらに冷間加工性に富む材料が得られる
また、これによって、比強度100MPa/(g/cm3)以上、ビッカース硬さ250Hv以上、ヤング率90GPa以上、0.2%耐力420MPa以上、引張応力700MPa以上であり、さらに冷間加工性に富む材料が得られる
本発明合金の製造方法としては、まずMn:5.0〜15.0(未満)質量%、Al:0.5〜10.0質量%、Si:0.5〜10.0質量%、C:0.01〜1.5質量%、残部Feからなる組成範囲内で成分調整する。
また、必要に応じて、B:0.001〜1.5質量%、N:0.01〜1.5質量%、Cr:0.01〜10.0質量%、Be,Mg,Ti,V,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,W:それぞれ0.01〜5.0質量%、から選択した元素の1種又は2種以上を所定量添加して、適宜原料成分を調整する。
また、必要に応じて、B:0.001〜1.5質量%、N:0.01〜1.5質量%、Cr:0.01〜10.0質量%、Be,Mg,Ti,V,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,W:それぞれ0.01〜5.0質量%、から選択した元素の1種又は2種以上を所定量添加して、適宜原料成分を調整する。
次に、これをアーク溶解炉又は高周波溶解炉を用いて溶解し、これを鋳造インゴットとし、さらに800°C〜1300°Cの温度にて熱間鍛造あるいは熱間圧延及び冷間圧延・伸線等の加工工程を経て、また必要に応じて、200°C〜1300°Cの温度にて熱処理後、焼き入れ又は空冷して製造する。
このようにして得られた材料は、単相又はα(bcc構造)相分率を10%以上含有するα(bcc構造)相+γ(fcc構造)の2相鉄合金が得られる。また、比重が5.5〜7.5g/cm3であり、比強度が高く、さらに加工性に著しく富む鉄合金が得られる。
このようにして得られた材料は、単相又はα(bcc構造)相分率を10%以上含有するα(bcc構造)相+γ(fcc構造)の2相鉄合金が得られる。また、比重が5.5〜7.5g/cm3であり、比強度が高く、さらに加工性に著しく富む鉄合金が得られる。
次に実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲における他の例、態様あるいは変形等を当然含むものである。
(実施例1−27)
本発明の鉄合金の範囲で、表2及び表3に示す実施例1−27の組成の合金について、アーク溶解炉を用いて溶解し、これを鋳造インゴットとした。次に1100°Cの温度にて、熱間圧延、1100°Cの温度にて30分の熱処理、及び水中焼き入れの製造工程を経てα+γの2相構造を有する鉄合金を作製した。
本発明の鉄合金の範囲で、表2及び表3に示す実施例1−27の組成の合金について、アーク溶解炉を用いて溶解し、これを鋳造インゴットとした。次に1100°Cの温度にて、熱間圧延、1100°Cの温度にて30分の熱処理、及び水中焼き入れの製造工程を経てα+γの2相構造を有する鉄合金を作製した。
(比較例1−8)
同様に、表2に示す比較例1−8の組成の合金について、アーク溶解炉を用いて溶解し、これを鋳造インゴットとした。次に1100°Cの温度にて、熱間圧延、1100°Cの温度にて30分の熱処理、及び水中焼き入れの製造工程を経てα相又はγ相構造を有する鉄合金を作製した。
同様に、表2に示す比較例1−8の組成の合金について、アーク溶解炉を用いて溶解し、これを鋳造インゴットとした。次に1100°Cの温度にて、熱間圧延、1100°Cの温度にて30分の熱処理、及び水中焼き入れの製造工程を経てα相又はγ相構造を有する鉄合金を作製した。
表3及び表4に、本発明の実施例のα+γの2相構造を有する鉄合金及び比較例1−8の比重(g/cm3)、α分率、γ分率、ビッカース硬さ(Hv)、冷間加工性(%)を示す。
また、表5に比重、ヤング率(GPa)、0.2%耐力(Pa)、引張強さ(MPa)、伸び(%)、比強度(MPa/(g/cm3))を示す。
また、表5に比重、ヤング率(GPa)、0.2%耐力(Pa)、引張強さ(MPa)、伸び(%)、比強度(MPa/(g/cm3))を示す。
実施例1〜27は、10%以上95%以下のα相を含むγ+α相からなる2相合金であり、この2相合金は表3及び表4に示す通り、優れた硬さと加工性を有する。これに対し、比較例1〜8については、α相又はγ相の一方か、又は双方が存在するにしても、片方が極微量(10%未満)である。
図1は、α相分率とビッカース硬さとの関係を示す図である。また、図2は、α相分率と冷間加工率との関係を示す図である。
図1は、α相分率とビッカース硬さとの関係を示す図である。また、図2は、α相分率と冷間加工率との関係を示す図である。
図1から明らかなように、α相分率10%未満及び95%を超えた場合には十分な硬さが得られなかった(比較例1〜8)。一方、図2の実施例1〜27に示すように、α相分率10%以上で優れた加工性を有し、α相分率70%程度までは良好な加工性を備えている。しかし、比較例に示すように、95%を超えた場合には著しく加工性が悪化した。
他方、α相分率10%未満でも冷間加工性が良好であるが、上記のように、硬さが低下するので、硬さと冷間加工性の双方からみて、α相分率10%〜95%が適切な範囲であることが分かる。
他方、α相分率10%未満でも冷間加工性が良好であるが、上記のように、硬さが低下するので、硬さと冷間加工性の双方からみて、α相分率10%〜95%が適切な範囲であることが分かる。
10%以上95%以下のα相を含むγ+α2相合金は、延性に優れ、また高強度、低比重を有するため、表5の実施例18〜21に示すように、100MPa(g/cm3)以上の比強度を有する。
一方、表5の比較例3に示すように、α相10%未満では強度が低く、十分な比強度が得られない。さらに、α相が95%を超えると著しく脆化し、引張試験を行うことができない状態となる。
また、本発明の鉄合金は、含有成分の添加量を調整することにより、比重、α分率、γ分率、硬さ、冷間加工性、ヤング率、耐力、引張強さ、伸び、比強度、を多様に変化させることができることが分かる。
一方、表5の比較例3に示すように、α相10%未満では強度が低く、十分な比強度が得られない。さらに、α相が95%を超えると著しく脆化し、引張試験を行うことができない状態となる。
また、本発明の鉄合金は、含有成分の添加量を調整することにより、比重、α分率、γ分率、硬さ、冷間加工性、ヤング率、耐力、引張強さ、伸び、比強度、を多様に変化させることができることが分かる。
本発明の鉄合金は、比重を7.5〜5.5の範囲に低下させることができ、比強度100MPa/(g/cm3)以上、ビッカース硬さ250Hv以上、ヤング率90GPa以上、0.2%耐力420MPa以上、引張応力700MPa以上であり、さらに冷間加工性に富む材料を低コストで得られるという効果を有するので、一般構造用材料、建築用材、鉄道車両や自動車のボディやフレーム材、レール材、船舶用材、耐食性材、石油等のパイプライン用材、橋梁材、ゴルフ用品等の様々な分野に使用することができる。
Claims (3)
- Mn:5.0〜15.0(未満)質量%、Al:0.5〜10.0質量%、Si:0.5〜10.0質量%、C:0.01〜1.5質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、α相分率10〜95%であるγ+αの2相を備えた鉄合金からなることを特徴とする低比重鉄合金。
- B:0.001〜1.5質量%、N:0.01〜1.5質量%、Cr:0.01〜10.0質量%、Be,Mg,Ti,V,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,W:それぞれ0.01〜5.0質量%、から選択した元素の1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1記載の低比重鉄合金。
- 比重5.5〜7.5g/cm3であることを特徴とする請求項1又は2記載の低比重鉄合金。
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