JP2005319727A - 四角形状の枠型製品の射出成形方法及びこの成形方法に用いられる金型 - Google Patents
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Abstract
【技術課題】 コーナー部を有する枠型製品の成形において、コーナー部に発生するウェルドラインを限りなく薄く、又は消失させて高品位の製品を成形できる成形方法と金型を提供する。
【解決手段】 コーナー4部を有する枠型製品の射出成形に際し、キャビティ2内に充填された樹脂が最初に会合する位置を、前記コーナー4部において、内角側となし、且つ会合角が大きくなるように、ゲート3の位置を、各コーナー4部の中間であって、枠幅Wの中心より内側に設定すると共に、ゲート3から充填する樹脂圧を、流頭がコーナー4部の内側で最初に会合するように、例えばランナーまたはゲート3の流路断面で制御する。
【選択図】 図3
【解決手段】 コーナー4部を有する枠型製品の射出成形に際し、キャビティ2内に充填された樹脂が最初に会合する位置を、前記コーナー4部において、内角側となし、且つ会合角が大きくなるように、ゲート3の位置を、各コーナー4部の中間であって、枠幅Wの中心より内側に設定すると共に、ゲート3から充填する樹脂圧を、流頭がコーナー4部の内側で最初に会合するように、例えばランナーまたはゲート3の流路断面で制御する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、コーナー部を有する四角形状の枠型製品において、各コーナー部に発生するウェルドラインを限りなく薄くするか、又は消失させることができる射出成形方法及びこの成形方法に用いられる金型に関する。
液晶TVや、プラズマTVに代表される画像表示機器などの、画面周囲に設置される飾り枠所謂フロントパネルにおいては、高品位かつ、高光沢の外観意匠が求められているが、製品の形状が大型であるものにおいては、多点のゲート設定が必要であり、各々のゲートからの樹脂が会合する場所、特に図9で示される樹脂の会合角度αが小さくなる場所には、微小の筋状の溝いわゆるウェルドラインが発生すると云う問題がある。そこで、従来は、ウェルドラインを消し、意匠性を高めるために、高額のコストをかけて成形品に塗装を施している。しかし、高光沢の塗装は、製品の表面に発生している凹凸の隠蔽力が乏しいと云う問題がある。従って、射出成形品生地での高品位化を実現することによって、塗装の隠蔽力不足を解消し、高品位の製品を容易に得ることが望まれている。更には、ウェルドラインを限りなく薄くするか、又は消失させることにより、無塗装化を可能にして大幅なコストダウンを図ることが望まれている。
現在、コーナー部に発生するウェルドラインの解消方法としては、以下の発明が公知である。
特開平10−128818号公報 この公報に開示されている発明は、ウェルドラインの長さ予測方法に関するもので、成形品形状について行われる溶融樹脂の流動解析において、溶融樹脂の流動会合角または流動合流角を算出し、前記算出された流動会合角または流動合流角を基準値と比較することによってその中からウェルドライン発生予想部を選択し、ウェルドライン発生予想部における“べき指数”が予め樹脂ごとに計測された設定値以上のところをウェルドラインと定義するウェルドライン長さ予測方法である。また、前記“べき指数”を予め求めておいた関数を用いて補正消失基準角に置き換え、その補正消失基準角を流動会合角または流動合流角と比較することによりウェルドラインの位置を決定するウェルドライン長さ予測方法である。 しかし、この方法は、あくまでも、予測法の域を脱するものでなく問題を根本的に解決する方法ではない。
本発明の目的は、コーナー部を有する枠型製品において、コーナー部からウェルドラインを消失させるか、若しくは限りなく薄くなるように成形する射出成形方法及びこの成形方法に用いられる金型を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、上記課題を解決し、隠蔽力の弱い高光沢の塗装に耐えうる高品位な枠型製品、更には、従来塗装でしか得られないような、外観面のウェルドラインを目視で確認困難なレベルまで薄くさせた高外観の枠型製品を得ることができる射出成形方法とこの成形に用いられる金型を完成するに至った。
以下に、本発明の構成について述べると、請求項1に記載の発明においては、四角形状の枠型製品の射出成形方法において、四角形状の枠型製品の射出成形に際し、キャビティ内に充填された樹脂が最初に会合する位置を、前記枠型製品のコーナー部となし、且つ会合角が大きくなるように樹脂の充填を制御して行う四角形状の枠型製品の射出成形方法において、キャビティ内に樹脂の充填を行うゲートの位置を、各コーナー部の中間であって、枠型製品の枠幅の中心より内側に設定することにより、各ゲートから充填された樹脂の流頭が最初に会合する位置を、各コーナー部の内角寄りとなるように制御して行うことを特徴とするものである。
更に、請求項2に記載の発明においては、請求項1において、枠型成形用キャビティのコーナー成形部の非可視面側に入駒を組み込むと共に、この入駒は、ガスの通過は許容し、樹脂の通過は阻止する構成となしておくことにより、樹脂充填時にコーナー部からキャビティ内のガス、空気等の気体成分を金型の外側に排出し、この作用でコーナー部を他の部位の圧力よりも負圧に形成して充填された樹脂の流頭が最初に会合する部位をコーナー部に誘導すると共に、樹脂の会合部であるコーナー部分に気体成分が封じ込められるのを防止することを特徴とするものである。
更に、請求項3に記載の発明においては、請求項1において、枠型製品成形用キャビティ内の構造を、枠型製品の枠幅の内側の肉厚が他の部位の肉厚よりも厚くなるように形成して充填された樹脂の流速を枠型製品の内側成形部において助長し、この助長された枠型製品の内側の流頭をコーナー部の内角側で先に会合させ、徐々に外側に拡大するようにして行うことを特徴とするものである。
更に、請求項4に記載の発明においては、請求項1において、枠型製品成形用キャビティ内の構造をコーナー部において枠型製品の肉厚が他の部位よりも薄くなるように形成して充填された樹脂の流頭の速度をこのコーナー部において助長することにより、ウェルドラインを形成する固化層が厚くなる前に会合すること、及び、充填速度が速くなることから樹脂の剪断発熱が生じさせ、ウェルドラインを薄くするようにして行うことを特徴とするものである。
更に、請求項5に記載の発明においては、請求項4において、枠型製品のコーナー部の肉厚を薄く形成し、この薄く除肉する比率は、周囲の肉厚よりも10%以上で、かつ、50%以下となるように設定して行うことを特徴とするものである。
更に、請求項6に記載の発明においては、請求項1〜5の何れか1項において、金型のコーナー部に加熱手段を付設し、少くとも樹脂の充填時にこの加熱手段でコーナー部分を加熱しながら行うことを特徴とするものである。
更に、請求項7に記載の発明においては、請求項6において、加熱手段で加熱するときの金型の表面温度は、ビカット軟化点温度以下で、かつ、荷重たわみ温度以上の範囲に設定して行うことを特徴とするものである。
更に、請求項8に記載の発明においては、四角形の枠型製品を成形する金型において、そのゲートの位置を、各コーナー部の中間であって、枠幅の中心より内側に設定すると共に、各ゲートから充填された樹脂の流頭が最初に会合する位置を、各コーナー部の内角寄りとなるように制御する制御手段を設けて成ることを特徴とするものである。
更に、請求項9に記載の発明においては、請求項8における制御手段は、樹脂圧を調整するゲート又はランナーの樹脂流路断面であることを特徴とするものである。
更に、請求項10に記載の発明においては、請求項8における制御手段は、成形用キャビティのコーナー成形部の非可視面側に組み込まれた入駒であって、この入駒は、ガスの通過は許容し、樹脂の通過は阻止する構成となしておくことにより、樹脂充填時にコーナー部からキャビティ内のガス、空気等の気体成分を金型の外側に排出し、この作用でコーナー部を他の部位の圧力よりも負圧に形成して充填された樹脂の流頭が最初に会合する部位をコーナー部に誘導すると共に、樹脂の会合部であるコーナー部に気体成分が封じ込められるのを防止することを特徴とするものである。
更に、請求項11に記載の発明においては、請求項8における制御手段は、枠型製品成形用キャビティ内の構造を、枠型製品の枠幅の内側の肉厚が他の部位の肉厚よりも厚くなるように形成して充填された樹脂の流速を枠型製品の内側成形部において助長し、この助長された流速の流頭をコーナー部の内角側で先に会合させ、除々に外側に拡大する構成であることを特徴とするものである。
更に、請求項12に記載の発明においては、請求項8における制御手段は、枠型製品成形用キャビティ内の構造をコーナー部において、枠型製品の肉厚が他の部位よりも薄くなるように形成して充填された樹脂の流速をこのコーナー部において助長する構成であることを特徴とするものである。
更に、請求項13に記載の発明においては、請求項12における制御手段は、枠型製品のコーナー部の肉厚が、他の部位の肉厚よりも10%以上で、かつ、50%以下に形成された構成であることを特徴とするものである。
更に、請求項14に記載の発明においては、請求項8〜13の何れか1項において、金型のコーナー部には加熱手段が設けられていることを特徴とするものである。
以上に説明した本発明に係る成形方法及び金型によると、枠型製品の各コーナー部に発生するウェルドラインを消失若しくは限りなく薄くすることができる。また、請求項2以降の発明を各々加えることにより相乗的に効果を高めることができる。
その結果、製品表面凹凸の隠蔽力に劣る塗料の使用が可能となり、高外観の枠型製品を得ることが出来る。
更には、射出成形後の生地の段階においても塗装を施すことがなく、コストの高い塗料を使わずとも高品位の枠型製品を得ることも可能であり、大幅なコストダウンを図ることができる。
更には、塗料を使用しないことから、塗料や、シンナーに含まれる有機溶剤の拡散がなく、地球環境の汚染防止にも効果がある。
その結果、製品表面凹凸の隠蔽力に劣る塗料の使用が可能となり、高外観の枠型製品を得ることが出来る。
更には、射出成形後の生地の段階においても塗装を施すことがなく、コストの高い塗料を使わずとも高品位の枠型製品を得ることも可能であり、大幅なコストダウンを図ることができる。
更には、塗料を使用しないことから、塗料や、シンナーに含まれる有機溶剤の拡散がなく、地球環境の汚染防止にも効果がある。
発明を実施するための金型キャビティとゲートの位置及び樹脂充填時のフローパターンを図1に示した。成形対象は、液晶TV用のフロントパネル(前面枠)を成形する例である。成形のために使用する樹脂は、ガラス繊維や、無機フィラー等を含有していない樹脂を使用することが推奨される。ガラス繊維や、無機フィラーのように、枠型製品表面に浮き出て微小な凹凸を生じさせる含有物はもともと外観意匠を悪くする要因となり得るためである。更には、アルミフレークや雲母のように、扁平性を有し、樹脂の流れ方向により配向を呈する形状の充填材は、ウェルドライン部にムラが生じるため好ましくない。図1において、1は金型、2はキャビティ、3はゲート、4はコーナー、5は樹脂が充填途中における流頭部の進行パターンを時間ステップ毎に示したもの、いわゆるフローパターンである。上記金型1において、ゲート3の位置は、図1に示すように、枠幅Wの中心の位置より内側であり、基本的には各コーナーの中間に1ヶ所である。
金型1には、樹脂が会合する場所をコーナー4とするためにランナーやゲート3の流路断面の形状をコーナー4部までの距離や、肉厚の比に合わせて変更するか、ホットランナ等のバルブ機構を用いて各ゲート3から充填される樹脂の流量を制御するための制御手段が設けられている。また、図2に示すように、各コーナー4部には、キャビティ2の可視面側の表面から、5〜15mmの範囲にヒーター等の加熱体、若しくは、熱媒体を通ずる孔管、所謂温調管のような加熱手段(ヒーター)6が設けられている。
加熱手段6の距離がキャビティ2面より15mmを超えて遠くなると熱伝達が悪くなり、必要な温度が得られない。また、加熱手段6をキャビティ2面に対して5mm以内に近く設置すると、その加熱手段6が熱媒体を通ずる孔管の場合、樹脂を充填する圧力により金型1の表面に凹みが生じ、金型1に転写される枠型製品面が凸形状となってしまう問題がある。
更には、本発明の金型1には、コーナー4部には気体を通過し、溶融樹脂を通過させない隙間をもつ入駒7が図3に示すようにを設置されている。樹脂を通過させない隙間は、5μm〜50μmの範囲が望ましい。また、各々のゲート3から充填された樹脂の会合部はコーナー4部となるように予めランナー及びゲートの形状で調整してある。
加熱手段6の距離がキャビティ2面より15mmを超えて遠くなると熱伝達が悪くなり、必要な温度が得られない。また、加熱手段6をキャビティ2面に対して5mm以内に近く設置すると、その加熱手段6が熱媒体を通ずる孔管の場合、樹脂を充填する圧力により金型1の表面に凹みが生じ、金型1に転写される枠型製品面が凸形状となってしまう問題がある。
更には、本発明の金型1には、コーナー4部には気体を通過し、溶融樹脂を通過させない隙間をもつ入駒7が図3に示すようにを設置されている。樹脂を通過させない隙間は、5μm〜50μmの範囲が望ましい。また、各々のゲート3から充填された樹脂の会合部はコーナー4部となるように予めランナー及びゲートの形状で調整してある。
まず、射出成形機のシリンダ内で溶融された樹脂は、ランナー、ゲート3を介してキャビティ2へ注入される。ゲート3が、製品の枠幅の中心よりコーナー部の内側に設置されているため、注入された樹脂は、コーナー4部内側を先行して流れるフローパターン5を呈し(図1参照)、コーナー4部で各々のゲート3から充填された樹脂が会合するときは広い角度で会合する。その結果、樹脂の会合により生じるウェルドラインは薄く、短くなる。また、樹脂がキャビティ2内へ充填している状態において樹脂で押し出された金型1内の空気や溶融樹脂から発生するガスは、図3に示されるコーナー4部に設置された入駒7の隙間からキャビティ2外へ放出され、樹脂が会合する部分の密着性を促進させると共に、その部分の圧力が周囲よりも低くなることから樹脂をコーナー4部へ誘引せしめることを助長する。また、ウェルドラインが予測されるコーナー4部には、予め加熱手段6で周囲の金型温度よりも高くしており、その温度は、使用される樹脂において、JIS K 7206で測定されるビカット軟化点の温度以下であり、JIS K 7191−1,−2で測定される荷重たわみ温度以上の範囲に設定することが好ましい。この範囲以上の温度では、製品が変形してしまう不具合があり、反対に、この温度以下では効果がない。その結果、樹脂会合部におけるウェルドラインも更に低減する。また、製品のコーナー4部に至る枠幅の内側周囲の肉厚を、図5(B)、(C)に示すように、外側の肉厚よりも厚く設定することにより、コーナー4部に至る枠幅の内側の流れを助長し、コーナー4部での樹脂の会合角を大きくすることにより、発生するウェルドラインを更に薄く又は消失させることが可能となる。
なお、図5(B)は(A)図のA−A′部、(C)は(A)図のB−B′部の断面図である。
なお、図5(B)は(A)図のA−A′部、(C)は(A)図のB−B′部の断面図である。
図1は、前記したように液晶TVのフロントパネル成形用の金型であって、製品のフロントパネルは四角形の枠型であって、枠幅は90mm、肉厚は2.8mmである。この製品を成形する金型1には、コーナー4部間の中央部に各々1個所、計4点のゲート3が設置してあり、更にゲート3の位置は、枠幅Wの中心から内周辺側に片寄っていて、実際には内周辺から10mm離れた位置である。
ランナーの断面形状は、各々のゲート3からの樹脂がキャビティ2のコーナー4部の成形部で会合するように予め調整してある。また、この金型1には、図2に示すようにコーナー4部の樹脂が会合する部位であって、キャビティ2の面から10mm離れた位置に棒状のヒーター(加熱手段)6を設置し、局所的に加熱する構造としてある。更には、図3に示すように、各々のコーナー4部に気体は通すが、樹脂を通さない範囲の隙間として0.02〜0.05mmに調整した入駒7を各々設置している。
この金型1を用いて、樹脂は電気化学株式会社の透明ABSTE-10を用い、射出成形機は東芝機械株式会社製のIS-850EWを用い、ヒーター6の温度設定として、キャビティ2面での表面温度が使用樹脂における加熱たわみ温度以上で、加熱たわみ温度+10℃の範囲に入るように温度コントローラ(図示せず)を介して調整しながら、成形を行った。その結果、枠型製品のコーナー部に生じるウェルドラインが容易に目視確認できない程度まで薄く,短くなり、高品位の外観を有する製品(TVのフロントパネル)を得ることができた。
ランナーの断面形状は、各々のゲート3からの樹脂がキャビティ2のコーナー4部の成形部で会合するように予め調整してある。また、この金型1には、図2に示すようにコーナー4部の樹脂が会合する部位であって、キャビティ2の面から10mm離れた位置に棒状のヒーター(加熱手段)6を設置し、局所的に加熱する構造としてある。更には、図3に示すように、各々のコーナー4部に気体は通すが、樹脂を通さない範囲の隙間として0.02〜0.05mmに調整した入駒7を各々設置している。
この金型1を用いて、樹脂は電気化学株式会社の透明ABSTE-10を用い、射出成形機は東芝機械株式会社製のIS-850EWを用い、ヒーター6の温度設定として、キャビティ2面での表面温度が使用樹脂における加熱たわみ温度以上で、加熱たわみ温度+10℃の範囲に入るように温度コントローラ(図示せず)を介して調整しながら、成形を行った。その結果、枠型製品のコーナー部に生じるウェルドラインが容易に目視確認できない程度まで薄く,短くなり、高品位の外観を有する製品(TVのフロントパネル)を得ることができた。
実施例1の金型1において、図4に示すように、コーナー4部の肉抜きを実施して、枠型の平均肉厚2.8mm対してコーナー4部の肉厚が図4に斜線で示す範囲で2.3mmに薄くなるようにコーナー4部の裏面に薄肉範囲8を形成した。この金型1を用いて実施例1と同様の条件で成形を行った結果、コーナー4部の肉厚が薄いことから、実施例1と同等な充填体積を充填した際に薄肉部分の流頭の進行速度が肉厚比に反比例して速くなり、ウェルドラインを形成する固化層が厚くなる前に樹脂が会合すること、及び、充填速度が速くなることから剪断発熱が生じ、その結果コーナー4部に生じるウェルドラインも更に薄く、短くなった。
実施例1の金型1において、図5に示すように、コーナー4部を含む枠型製品の枠幅の肉厚を、内辺側を2.8mmとしたまま、外辺側に向って徐々に薄肉化して最終的に2.5mmとなるように調整した。この金型1を用いて実施例1と同様の条件で成形した結果、樹脂は、流動抵抗の少ない肉厚の厚い枠型の内側を先行して流れ、図6に示すフローパターン5を呈し、結果的にコーナー4部での会合角度が広くなり、ウェルドラインが更に薄くなった。
比較例1
実施例1の金型1において、ゲート3の位置を、図7に示すように、枠型の外周囲から10mmの位置に変更し、他は、実施例1と同じ条件で成形を行った。その結果、図7のようなフローパターン5を呈し、コーナー4部での会合角度は狭くなり、会合部はコーナー4部に生じるものの、ウェルドライン9は完全に消失するには至らなかった。
実施例1の金型1において、ゲート3の位置を、図7に示すように、枠型の外周囲から10mmの位置に変更し、他は、実施例1と同じ条件で成形を行った。その結果、図7のようなフローパターン5を呈し、コーナー4部での会合角度は狭くなり、会合部はコーナー4部に生じるものの、ウェルドライン9は完全に消失するには至らなかった。
比較例2
実施例1の金型1において、ゲート3の位置を、図8に示すように、枠型のコーナー4部の中間ではなく、上下各々2点の配置とし、実施例1と同じ条件で成形を行った。その結果、図8のようなフローパターン5を呈し、ゲート3間の中央部には、ウェルドライン9が生じ、高外観品質の枠型製品を得ることはできなかった。
実施例1の金型1において、ゲート3の位置を、図8に示すように、枠型のコーナー4部の中間ではなく、上下各々2点の配置とし、実施例1と同じ条件で成形を行った。その結果、図8のようなフローパターン5を呈し、ゲート3間の中央部には、ウェルドライン9が生じ、高外観品質の枠型製品を得ることはできなかった。
比較例3
実施例1の金型1において、ヒーター6の設定温度として、金型キャビティ2の面の温度をビカット軟化点温度以上に設定して成形を行った。その結果、ウェルドライン9や、光沢不良などの外観は改善されたが、製品の後変形,反りが大きくなり、良品を得ることはできなかった。
実施例1の金型1において、ヒーター6の設定温度として、金型キャビティ2の面の温度をビカット軟化点温度以上に設定して成形を行った。その結果、ウェルドライン9や、光沢不良などの外観は改善されたが、製品の後変形,反りが大きくなり、良品を得ることはできなかった。
比較例4
実施例1の金型1において、ヒーター6の電源を切ることにより、ヒーター6を使用しない条件とし、他は、実施例1と同じ条件で成形を行った。その結果、品質的にかろうじて許容されるレベルではあるが、コーナー4の内側に10mm程度の薄いウェルドラインが確認された。
実施例1の金型1において、ヒーター6の電源を切ることにより、ヒーター6を使用しない条件とし、他は、実施例1と同じ条件で成形を行った。その結果、品質的にかろうじて許容されるレベルではあるが、コーナー4の内側に10mm程度の薄いウェルドラインが確認された。
1 金型
2 キャビティ
3 ゲート
4 コーナー
5 フローパターン
6 ヒーター
7 入駒
8 薄肉範囲
9 ウェルドライン
2 キャビティ
3 ゲート
4 コーナー
5 フローパターン
6 ヒーター
7 入駒
8 薄肉範囲
9 ウェルドライン
Claims (14)
- 四角形状の枠型製品の射出成形に際し、キャビティ内に充填された樹脂が最初に会合する位置を、前記枠型製品のコーナー部となし、且つ会合角が大きくなるように樹脂の充填を制御して行う四角形状の枠型製品の射出成形方法において、キャビティ内に樹脂の充填を行うゲートの位置を、各コーナー部の中間であって、枠型製品の枠幅の中心より内側に設定することにより、各ゲートから充填された樹脂の流頭が最初に会合する位置を、各コーナー部の内角寄りとなるように制御して行う枠型製品の射出成形方法。
- 請求項1において、枠型成形用キャビティのコーナー成形部の非可視面側に入駒を組み込むと共に、この入駒は、ガスの通過は許容し、樹脂の通過は阻止する構成となしておくことにより、樹脂充填時にコーナー部からキャビティ内のガス、空気等の気体成分を金型の外側に排出し、この作用でコーナー部を他の部位の圧力よりも負圧に形成して充填された樹脂の流頭が最初に会合する部位をコーナー部に誘導すると共に、樹脂の会合部であるコーナー部分に気体成分が封じ込められるのを防止する枠型製品の射出成形方法。
- 請求項1において、枠型製品成形用キャビティ内の構造を、枠型製品の枠幅の内側の肉厚が他の部位の肉厚よりも厚くなるように形成して充填された樹脂の流速を枠型製品の内側成形部において助長し、この助長された枠型製品の内側の流頭をコーナー部の内角側で先に会合させ、徐々に外側に拡大するようにして行う枠型製品の射出成形方法。
- 請求項1において、枠型製品成形用キャビティ内の構造をコーナー部において枠型製品の肉厚が他の部位よりも薄くなるように形成して充填された樹脂の流速をこのコーナー部において助長するようにして行う枠型製品の射出成形方法。
- 請求項4において、枠型製品のコーナー部の肉厚を薄く形成し、この薄く除肉する比率は、周囲の肉厚よりも10%以上で、かつ、50%以下となるように設定して行う枠型製品の射出成形方法。
- 請求項1〜5の何れか1項において、金型のコーナー部分に加熱手段を付設し、少くとも樹脂の充填時にこの加熱手段でコーナー部を加熱しながら行う枠型製品の射出成形方法。
- 請求項6において、加熱手段で加熱するときの金型の表面温度は、ビカット軟化点温度以下で、かつ、荷重たわみ温度以上の範囲に設定して行う枠型製品の射出成形方法。
- 四角形の枠型製品を成形する金型において、そのゲートの位置を、各コーナー部の中間であって、枠幅の中心より内側に設定すると共に、各ゲートから充填された樹脂の流頭が最初に会合する位置を、各コーナー部の内角寄りとなるように制御する制御手段を設けて成る四角形の枠型製品の射出成形用金型。
- 請求項8における制御手段は、樹脂圧を調整するゲート又はランナーの樹脂流路断面であることを特徴とする四角形の枠型製品の射出成形用金型。
- 請求項8における制御手段は、成形用キャビティのコーナー成形部の非可視面側に組み込まれた入駒であって、この入駒は、ガスの通過は許容し、樹脂の通過は阻止する構成となしておくことにより、樹脂充填時にコーナー部からキャビティ内のガス、空気等の気体成分を金型の外側に排出し、この作用でコーナー部を他の部位の圧力よりも負圧に形成して充填された樹脂の流頭が最初に会合する部位をコーナー部に誘導すると共に、樹脂の会合部であるコーナー部に気体成分が封じ込められるのを防止する枠型製品の射出成形用金型。
- 請求項8における制御手段は、枠型製品成形用キャビティ内の構造を、枠型製品の枠幅の内側の肉厚が他の部位の肉厚よりも厚くなるように形成して充填された樹脂の流速を枠型製品の内側成形部において助長し、この助長された流速の流頭をコーナー部の内角側で先に会合させ、除々に外側に拡大する構成であることを特徴とする枠型製品の射出成形用金型。
- 請求項8における制御手段は、枠型製品成形用キャビティ内の構造をコーナー部において、枠型製品の肉厚が他の部位よりも薄くなるように形成して充填された樹脂の流速をこのコーナー部において助長する構成であることを特徴とする枠型製品の射出成形用金型。
- 請求項12における制御手段は、枠型製品のコーナー部の肉厚が、他の部位の肉厚よりも10%以上で、かつ、50%以下に形成された構成であることを特徴とする枠型製品の射出成形用金型。
- 請求項8〜13の何れか1項において、金型のコーナー部には加熱手段が設けられていることを特徴とする枠型製品の射出成形用金型。
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