以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の構成については、同一の符号を付す。(第1の実施形態)図1は、ディジタル記録再生装置の一構成例を示すブロック図である。
図1において、ディジタル記録再生装置は、ビデオ符号器11、オーディオ符号器12、ビデオ復号器13、オーディオ復号器14、ファイル生成器15、ファイル復号器16、メモリ17、20、メモリコントローラ18、システム制御マイコン19、エラー訂正符号/復号器21、ドライブ制御マイコン22、データ変復調器23、磁界変調ドライバ24、操作部26、サーボ回路30、モータ31、磁界ヘッド32および光ピックアップ33を備えて構成される。
ビデオ信号は、ビデオ入力端子からビデオ符号器11に供給され、圧縮符号化される。オーディオ信号は、オーディオ入力端子からオーディオ符号器12に供給され、圧縮符号化される。ビデオ符号器11およびオーディオ符号器12の各出力がエレメンタリストームと呼ばれる。
本実施形態では、ディジタル記録再生装置は、カメラ一体型ディジタル記録再生装置に備えられているものとする。ビデオ信号は、ビデオカメラで撮影された画像が供給され、ビデオカメラは、光学系によって被写体の撮像光がCCD(ChargeCoupled Device)などの撮像素子に供給されることによってビデオ信号を生成する。オーディオ信号は、マイクロフォンで集音された音声が供給される。
ビデオ符号器11は、例えば、圧縮符号化がMPEG(エムペグ)の場合には、アナログ/ディジタル変換器(以下、「A/D」と略記する。)、フォーマット変換部、画像並替部、減算器、DCT部、量子化部、可変長符号化部、バッファメモリ、レート制御部、逆量子化部、逆DCT部、加算部、フレームメモリ、動き補償予測部およびスイッチの各電子回路を備えて構成される。
ビデオ符号器11に供給されたビデオ信号は、A/Dでディジタル化された後に、フォーマット変換部で符号化で用いる空間解像度に変換され、画像並替部に出力される。画像並替部は、ピクチャの順序を符号化処理に適した順に並び替える。すなわち、IピクチャおよびPピクチャを先に符号化し、その後、Bピクチャを符号化するのに適した順に並び替える。
画面並替部の出力は、減算部を介してDCT部に入力され、DCT符号化が行われる。DCT部の出力は、量子化部に入力され、所定のビット数で量子化される。量子化部の出力は、可変長符号化部および逆量子化部に入力される。可変長符号化部は、出現頻度がより高いデータにより短いコードを割り当てる可変長符号、例えば、ハフマン符号で符号化され、符号化データは、メモリのバッファメモリに出力される。バッファメモリは、一定レートで符号化データをビデオ符号器の出力として出力する。また、レート制御部は、可変長符号化部で発生する符号量が可変であるため、バッファメモリを監視することによって所定のビットレートを保つように、量子化部の量子化動作を制御する。
一方、IピクチャおよびPピクチャの場合は、動き補償予測部で参照画面として使用されるため、量子化部から逆量子化部に入力された信号は、逆量子化された後に逆DCT部に入力され、逆DCTが行われる。逆DCT部の出力は、加算部で動き補償予測部の出力と加算され、フレームメモリに入力される。フレームメモリの出力は、動き補償予測部に入力される。動き補償予測部は、前方向予測、後方向予測および両方向予測を行い、加算部および減算部に出力する。これら逆量子化部、逆DCT部、加算部、フレームメモリおよび動き補償予測部は、ローカル復号部を構成し、ビデオ復号器と同一のビデオ信号が復元される。
減算部は、画像並替部の出力と動き補償予測部の出力との間で減算を行い、ビデオ信号とローカル復号部で復号された復号ビデオ信号との間の予測誤差を生成する。フレーム内符号化(Iピクチャ)の場合では、スイッチにより、減算部は、減算処理を行わず、単にデータが通過する。
図1に戻って、オーディオ符号器12は、例えば、MPEG/Audioレイヤ1/レイヤ2の場合では、サブバンド符号化部および適応量子化ビット割り当て部などの各電子回路を備えて構成される。オーディオ信号は、サブバンド符号化部で32帯域のサブバンド信号に分割され、適応量子化ビット割り当て部で心理聴覚重み付けに従って量子化され、ビットストリームに形成された後に出力される。
なお、符号化品質を向上させるために、MPEG/Audioレイヤ3の場合では、さらに、適応ブロック長変形離散コサイン変換部、折り返し歪み削減バタフライ部、非線形量子化部および可変長符号化部などが導入される。
ビデオ符号器11の出力およびオーディオ符号器12の出力がファイル生成器15に供給される。ファイル生成器15は、特定のハードウェア構成を使用することなく動画、音声およびテキストなどを同期して再生することができるコンピュータソフトウェアにより扱うことができるファイル構造を持つように、ビデオエレメンタリストリームおよびオーディオエレメンタリストームのデータ構造を変換する。このようなソフトウェアは、例えば、QuickTime(以下、「QT」と略記する。)が知られている。以下、QTを使用する場合について説明する。ファイル生成器15は、符号化ビデオデータと符号化オーディオデータとを多重化する。ファイル生成器15は、システム制御マイコン19によって制御される。
ファイル生成器15の出力であるQuickTimeムービーファイルは、メモリコントローラ18を介してメモリ17に順次に書き込まれる。メモリコントローラ18は、システム制御マイコン19から記録媒体40へのデータ書き込みが要求されると、メモリ17からQuickTimeムービーファイルを読み出す。また、システム制御マイコン19は、プログラムを実行中に生じる各種データをメモリコントローラ18を介してメモリ17に格納する。
ここで、QuickTimeムービー符号化の転送レートは、記録媒体40への書き込みデータの転送レートより低い転送レート、例えば、1/2に設定される。よって、QuickTimeムービーファイルが連続的にメモリ17に書き込まれるのに対し、メモリ17からのQuickTimeムービーファイルの読み出しは、メモリ17がオーバーフローまたはアンダーフローしないように、システム制御マイコン19によって監視されながら間欠的に行われる。
メモリ17から読み出されたQuickTimeムービーファイルは、メモリコントローラ18からエラー訂正符号/復号器21に供給される。エラー訂正符号/復号器21は、このQuickTimeムービーファイルを一旦メモリ20に書き込み、インターリーブ(interleaved)およびエラー訂正符号の冗長データの生成を行う。エラー訂正符号/復号器21は、冗長データが付加されたデータをメモリ20から読み出し、これをデータ変復調器23に供給する。
データ変復調器23は、デジタルデータを記録媒体40に記録する際に、再生時のクロック抽出を容易とし、符号間干渉などの問題が生じないように、データを変調する。例えば、(1,7)RLL(run length limited)符号やトレリス符号などを利用することができる。
データ変復調器23の出力は、磁界変調ドライバ24および光ピックアップ33に供給される。磁界変調ドライバ24は、入力信号に応じて、磁界ヘッド32を駆動して記録媒体40に磁界を印加する。光ピックアップ33は、入力信号に応じて記録用のレーザビームを記録媒体40に照射する。このようにして、記録媒体40にデータが記録される。
記録媒体40は、ディスク状の記録媒体であり、例えば、光磁気ディスク(MO、magneto-optical disk)、相変化型ディスクなどの書き換え可能な光ディスクである。
ここで、後述するインデックス・ファイルは、読み出しの容易性の観点から、ディスク状の記録媒体における実質的な最内周、例えば、CD(compact disc)のリードインに続く記録部分に記録されることが好ましい。
本実施形態では、MO、例えば、直径約4cm、直径約5cm、直径約6.5cmまたは直径約8cmなどの比較的小径なディスクが使用される。記録媒体40は、モータ31によって、線速度一定(CLV、constant linear velocity)、角速度一定(CAV、constant angular velocity)またはゾーンCLV(ZCLV、zone constant linear velocity)で回転される。
ドライブ制御マイコン22は、システム制御マイコン19の要求に応じて、サーボ回路30に信号を出力する。サーボ回路30は、この出力に応じて、モータ31および光ピックアップ33を制御することによって、ドライブ全体を制御する。例えば、サーボ回路30は、光ピックアップ33に対し、記録媒体40の径方向の移動サーボ、トラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行い、モータ31に対し、回転数を制御する。
また、システム制御マイコン19には、ユーザが所定の指示を入力する操作部26が接続される。
再生の際には、光ピックアップ33は、再生用の出力でレーザビームを記録媒体40に照射し、その反射光を光ピックアップ33内の光検出器で受光することによって、再生信号を得る。この場合において、ドライブ制御マイコン22は、光ピックアップ33内の光検出器の出力信号からトラッキングエラーおよびフォーカスエラーを検出し、読み取りのレーザビームがトラック上に位置し、トラック上に合焦するように、サーボ回路30によって光ピックアップ33を制御する。さらに、ドライブ制御マイコン22は、記録媒体40上における所望の位置のデータを再生するために、光ピックアップの径方向における移動も制御する。所望の位置は、記録時と同様にシステム制御マイコン19によって、ドライブ制御マイコン22に信号が与えられ、決定される。
光ピックアップ33の再生信号は、データ変復調器23に供給され、復調される。復調されたデータは、エラー訂正符号/復号器21に供給され、再生データを一旦メモリ20に格納し、デインターリーブ(deinterleaved)およびエラー訂正が行われる、エラー訂正後のQuickTimeムービーファイルは、メモリコントローラ18を介してメモリ17に格納される。
メモリ17に格納されたQuickTimeムービーファイルは、システム制御マイコン19の要求に応じて、ファイル復号器16に出力される。システム制御マイコン19は、ビデオ信号およびオーディオ信号を連続再生するために、記録媒体40の再生信号がメモリ17に格納されるデータ量と、メモリ17から読み出されてファイル復号器16に供給されるデータ量とを監視することによって、メモリ17がオーバーフローまたはアンダーフローしないようにメモリコントローラ18およびドライブ制御マイコン22を制御する。こうして、システム制御マイコン19は、記録媒体40から間欠的にデータを読み出す。
ファイル復号器16は、システム制御マイコン19の制御下で、QuickTimeムービーファイルをビデオエレメンタリストリームとオーディオエレメンタリファイルとに分離する。ビデオエレメンタリストリームは、ビデオ復号器13に供給され、圧縮符号化の復号が行われてビデオ出力となってビデオ出力端子から出力される。オーディオエレメンタリストリームは、オーディオ復号器14に供給され、圧縮符号化の復号が行われてオーディオ出力となってオーディオ出力端子から出力される。ここで、ファイル復号器16は、ビデオエレメンタリストリームとオーディオエレメンタリストリームとが同期するように出力する。
ビデオ復号器13は、例えば、MPEGの場合では、メモリのバッファメモリ、可変長符号復号部、逆量子化部、逆DCT部、加算部、フレームメモリ、動き補償予測部、画面並替部およびディジタル/アナログ変換器(以下、「D/A」と略記する。)の各電子回路を備えて構成される。ビデオエレメンタリストームは、一旦バッファメモリに蓄積され、可変長復号部に入力される。可変長復号部は、マクロブロック符号化情報が復号され、予測モード、動きベクトル、量子化情報および量子化DCT係数が分離される。量子化DCT係数は、逆量子化部でDCT係数に復元され、逆DCT部で画素空間データに変換される。加算部は、逆量子化部の出力と動き補償予測部の出力とを加算するが、Iピクチャを復号する場合には、加算しない。画面内のすべてのマクロブロックが復号され、画面は、画面並替部で元の入力順序に並べ替えられて、D/Aでアナログ信号に変換されて出力される。また、加算器の出力は、IピクチャおよびPピクチャの場合には、その後の復号処理で参照画面として使用されるため、フレームメモリに蓄積され、動き補償予測部に出力される。
オーディオ復号器14は、例えば、MPEG/Audioレイヤ1/レイヤ2の場合では、ビットストリーム分解部、逆量子化部およびサブバンド合成フィルタバンク部などの各電子回路を備えて構成される。入力されたオーディオエレメンタリストリームは、ビットストリーム分解部でヘッダと補助情報と量子化サブバンド信号とに分離され、量子化サブバンド信号は、逆量子化部で割り当てられたビット数で逆量子化され、サブバンド合成フィルタバンクで合成された後に、出力される。
次に、この記録再生装置が搭載されるカメラ一体型ディジタル記録再生装置について説明する。
図2は、カメラ一体型ディジタル記録再生装置の外形を示す模式図である。図2Aは、カメラ一体型ディジタル記録再生装置の全体図であり、図2Bは、表示パネルによる表示の一例を示す略線図である。
図2Aにおいて、カメラ一体型ディジタル記録再生装置50は、本体51、レンズ部52、集音マイク53および表示パネル54を備えて構成される。
図1に示すディジタル記録再生装置は、本体51内に収められる。ビデオ信号は、レンズ部52の光学系を介して被写体の撮像光が撮像素子に供給され、生成される。オーディオ信号は、集音マイク53で生成される。表示パネル54は、液晶表示と圧電素子とを備えて構成され、再生画像や操作内容に対応する表示などが行われる。ユーザは、表示パネル54をポインティングデバイス55で押圧することによって、所望の操作を入力する。
表示パネル54の表示は、例えば、図2Bに示すように、所望操作の入力と操作内容の表示とを兼ねる部分である、「フォルダ戻る」61、「フォルダ進む」62、「編集」63および主表示領域64を備える。そして、主表示領域64は、再生画像を表示する再生領域64-1、インデックス・データ65を表示するインデックス領域64-2およびインデックス・データをスクロールするスクロールバー64-3を備えて構成される。
通常、再生領域64-1に表示される再生画像(動画または静止画)は、インデックス領域64-2に表示されている複数のインデックス・データ(図2Bでは、6個のインデックス・データ)中から、ポインティングデバイス55で押圧されることで指定されたインデックス・データに対応するファイルである。
インデックス・データとは、ディスクタイトルまたはAVファイルの抜粋情報であり、ディスク・タイトルとは、記録媒体を区別する識別情報である。
「フォルダ戻る」61は、ポインティングデバイス55などで押圧されることによって、過去にユーザによって指定されたフォルダまたはファイルの履歴において、現在指定されているフォルダまたはファイルに係る内容から時間的に1個前に指定されたフォルダまたはファイルに係る内容に再生領域64-1の表示を変更する。
「フォルダ進む」62は、ポインティングデバイス55などで押圧されることによって、過去にユーザによって指定されたフォルダまたはファイルの履歴において、現在指定されているフォルダまたはファイルに係る内容から時間的に1個後に指定されたフォルダまたはファイルに係る内容に再生領域64-1の表示を変更する。
「編集」63は、ポインティングデバイス55などで押圧されることによって、主表示領域64を編集画面に切り換える。
このようなカメラ一体型ディジタル記録再生装置50は、記録媒体40をフォーマットする際や撮影後などにディスクタイトルやファイルの抜粋情報が生成され、インディックスファイルとして記録媒体40に記録される。そして、インディックスファイルは、ディスクタイトルやファイルの抜粋情報を階層構造のファイルシステムで管理する。本発明にかかるインデックス・ファイルは、OS(operating system)が記録媒体に記録されている複数のファイルを管理する管理情報のファイルシステム、例えば、フレキシブルディスクやハードディスクに用いられるFAT(file allocation table)やCD−R/RWやDVDなどに用いられるUDF(universal disk format)などとは別に、アプリケーションが記録媒体に記録されている複数のファイルを管理するために作成される。本実施形態では、インデックス・ファイルは、例えば、QuickTimeムービーファイルの形式で生成される。QuickTimeムービーファイルの形式で生成することによって、映像データやオーディオデータなどの複数の実データと、ファイルの抜粋情報と、ディスクタイトルとを同じ形式で記録することができ、記録再生装置は、すべてをQTで再生することができる。
以下、QuickTimeムービーファイルについて概説する。QTは、各種データを時間軸に沿って管理するソフトウェアであり、特殊なハードウェアを用いずに動画や音声やテキストなどを同期して再生するためのOS拡張機能である。QTは、例えば、「INSIDE MACINTOSH :QuickTime(日本語版)(アジソンウエスレス)」などに開示されている。
QTムービーリソースの基本的なデータユニットは、アトム(atom)と呼ばれ、各アトムは、そのデータとともに、サイズおよびタイプ情報を含んでいる。また、QTでは、データの最小単位がサンプル(sample)として扱われ、サンプルの集合としてチャンク(chunk)が定義される。
図3は、QuickTimeムービーファイルの一構成例を示す図である。
図4は、ビデオメディア情報アトムの一構成例を示す図である。図4は、図3におけるビデオメディア情報アトムをより詳細に示した図となっており、トラックがビデオ情報の場合について示している。
図3および図4において、QuickTimeムービーファイルは、大きく2つの部分、ムービーアトム(movie atom)101およびムービー・データ・アトム(movie data atom)102から構成される。ムービーアトム101は、そのファイルを再生するために必要な情報や実データを参照するために必要な情報を格納する部分である。ムービー・データ・アトム102は、ビデオデータやオーディオデータなどの実データを格納する部分である。
ムービーアトム101は、ムービー全体に関する情報を収容するムービー・ヘッダ・アトム(movie header atom)111、クリッピング領域を指定するムービー・クリッピング・アトム(movie clipping atom)112、ユーザ定義データアトム113、および、1または複数のトラックアトム(track atom)114などを含む。
トラックアトム114は、ムービー内の1つのトラックごとに用意される。トラックアトム114は、トラック・ヘッダ・アトム(track header atom)131、トラック・クリッピング・アトム(track clipping atom)132、トラック・マット・アトム(track matte atom)133、エデットアトム(edit atom)134およびメディアアトム(media atom)135に、ムービー・データ・アトム102の個々のデータに関する情報を記述する。図3では、1つのビデオムービーのトラックアトム114-1が示され、他のトラックアトムは、省略されている。
メディアアトム135は、メディア・ヘッダ・アトム(media header atom)144、メディア情報アトム(media information atom)(図3および図4では、ビデオメディア情報アトム145)、および、メディア・ハンドラ・リファレンス・アトム(media handler reference atom)146に、ムービートラックのデータやメディアデータを解釈するコンポーネントを規定する情報などを記述する。
メディア・ハンドラは、メディア情報アトムの情報を使用して、メディア時間からメディアデータへのマッピングを行う。
メディア情報アトム145は、データ・ハンドラ・リファレンス・アトム(data handler reference atom)161、メディア情報ヘッダ・アトム(media information header atom)、データ情報アトム(data information atom)163およびサンプル・テーブル・アトム(sample table atom)164を含む。
メディア情報ヘッダ・アトム(図4では、ビデオ・メディア情報ヘッダ・アトム162)は、メディアにかかる情報が記述される。データ・ハンドラ・リファレンス・アトム161は、メディアデータの取り扱いにかかる情報が記述され、メディアデータへのアクセス手段を提供するデータ・ハンドラ・コンポーネントを指定するための情報が含まれる。データ情報アトム163は、データ・リファレンス・アトム(data reference atom)を含み、データについての情報が記述される。
サンプル・テーブル・アトム164は、メディア時間を、サンプル位置を指すサンプル番号に変換するために必要な情報を含む。サンプル・テーブル・アトム164は、サンプル・サイズ・アトム(sample size atom)172、時間サンプルアトム(time-to-sample atom)173、同期サンプルアトム(sync sample atom)174、サンプル・ディスクリプション・アトム(sample description atom)175、サンプル・チャンク・アトム(sample-to-chunk atom)176、チャンク・オフセット・アトム(chunk offset atom)177、および、シャドー同期アトム(shadow sync atom)178で構成される場合である。
サンプル・サイズ・アトム172は、サンプルの大きさが記述される。時間サンプル・アトム173は、何秒分のデータが記録されているか?という、サンプルと時間軸との関係が記述される。同期サンプルアトム174は、同期にかかる情報が記述され、メディア内のキーフレームが指定される。キーフレームは、先行するフレームに依存しない自己内包型のフレームである。サンプル・ディスクリプション・アトム175は、メディア内のサンプルをデコード(decode)するために必要な情報が保存される。メディアは、当該メディア内で使用される圧縮タイプの種類に応じて、1つまたは複数のサンプル・ディスクリプション・アトムを持つことができる。サンプル・チャンク・アトム176は、サンプル・ディスクリプション・アトム175内のテーブルを参照することで、メディア内の各サンプルに対応するサンプル・ディスクリプションを識別する。サンプル・チャンク・アトム176は、サンプルとチャンクとの関係が記述され、先頭チャンク、チャンク当たりのサンプル数およびサンプル・ディスクリプションID(sample description-ID)の情報を基に、メディア内におけるサンプル位置が識別される。チャンク・オフセット・アトム177は、ムービーデータ内でのチャンクの開始ビット位置が記述され、データストリーム内の各チャンクの位置が規定される。
また、ムービー・データ・アトム102には、図3では、例えば、所定の圧縮符号化方式によって符号化されたオーディオデータ、および、所定の圧縮符号化方式によって符号化された画像データがそれぞれ所定数のサンプルから成るチャンクを単位として格納される。なお、データは、必ずしも圧縮符号化する必要はなく、リニアデータを格納することもできる。そして、例えば、テキスト・データやMIDIなどを扱う場合には、ムービー・データ・アトム102にテキストやMIDIなどの実データが含くまれ、これに対応して、ムービーアトム101にテキストトラックやMIDIトラックなどが含まれる。
ムービーアトム101における各トラックと、ムービー・データ・アトム102に格納されているデータとは、対応付けられている。
このような階層構造において、QTは、ムービー・データ・アトム102内のデータを再生する場合に、ムービーアトム101から順次に階層を辿り、サンプル・テーブル・アトム164内の各アトム172〜178を基に、サンプル・テーブルをメモリに展開して、各データ間の関係を識別する。そして、QTは、各データ間の関係を基にデータを再生する。
QTがこのようなデータ構造であるので、本実施形態のインデックス・ファイルは、ムービー・データ・アトムにディスクタイトルの実データおよびファイルの抜粋情報の実データを収容し、これら実データの管理情報をムービーアトムに収容する。さらに、これら実データは、複数のフォルダ(ディレクトリ)が作られた階層的な木構造で管理される。このインデックス・ファイルのムービー・データ・アトムを以下、インデックス・データ・アトムと呼称し、ムービーアトムをインデックス・アトムと呼称する。
ここで、インデックス・ファイルは、記録媒体に記録されるファイルが扱うデータに依存するが、本実施形態では、ファイルのデータが画像データとオーディオデータであるとする。また、このようなファイルを以下、「AVファイル」と略記する。
このように記録媒体にAVファイルが記録されている場合に、インデックス・ファイルは、例えば、プロパティ、テキスト、サムネイル画像(Thumbnail Picture)、イントロの4種類のデータが収容される。プロパティは、ディスクタイトルおよび各AVファイルの属性を示すデータである。よって、インデックス・ファイルは、属性情報を収容するプロパティのみが必須ファイルである。本発明では、後述するように、プロパティをデータ長が固定長の部分と可変長の部分とに分けてムービー・データ・アトム(インディックス・データ・アトム202)に収容することに1つの特徴がある。
テキスト・データは、ディスクタイトルおよび各AVファイルに係るタイトルの文字列を示すデータであり、データ長が固定長に設定される。
サムネイル画像データは、ディスクタイトルおよび各AVファイルの代表的な1枚の画像データであり、データ長が固定長に設定される。ディスクタイトルのサムネイル画像は、ユーザが任意に付与することができるが、例えば、インデックス・ファイルの第1エントリの領域に収容されているサムネイル画像データとするように自動設定してもよい。AVファイルのサムネイル画像も、ユーザが任意に付与することができるが、例えば、当該AVファイル中の最初の1枚目の画像データとするように自動設定してもよい。
イントロ・データは、ディスクタイトルおよび各AVファイルの代表的な短時間のオーディオデータであり、データ長が固定長に設定される。ディスクタイトルのイントロは、ユーザが任意に付与することができるが、例えば、インデックス・ファイルの第1エントリの領域に収容されているイントロ・データとするように自動設定してもよい。AVファイルのイントロも、ユーザが任意に付与することができるが、例えば、当該AVファイル中の最初の数秒間、例えば、5秒間のオーディオデータとするように自動設定してもよい。
これらテキスト、サムネイル画像およびイントロは、検索の便宜などを考慮の上、必要に応じてインデックス・ファイルに収容領域が用意される。また、プロパティのデータは、登録される必要があるが、テキスト、サムネイル画像データおよびイントロ・データの各収容領域が確保されていたとしても、テキスト、サムネイル画像およびイントロのすべてのデータは、必ずしも登録される必要はない。
図5は、QuickTimeムービーファイルを用いて作成される、第1の実施形態におけるインデックス・ファイルの一例を示す図である。
図5において、インデックス・ファイルは、インデックス・アトム201とインデックス・データ・アトム202とを備えて構成される。
インデックス・データ・アトム202は、基本プロパティ、テキスト、サムネイル画像、イントロおよび拡張プロパティの実データが収容される。そして、ディスクタイトルに係る基本プロパティ、テキスト、サムネイル画像、イントロおよび拡張プロパティの実データは、インデックス・データ・アトム202の最初の領域であるエントリ#0に収容され、各AVファイルに係る基本プロパティ、テキスト、サムネイル画像、イントロおよび拡張プロパティの実データは、インデックス・データ・アトム202の第2番目以降の各領域であるエントリ#1〜エントリ#n(nは1以上の整数)にそれぞれ収容される。
属性情報を収容するプロパティは、データ長が固定長であるフィールドを集めた基本プロパティとデータ長が可変長であるフィールドを集めた拡張プロパティとから構成される。したがって、基本プロパティのデータ長は、固定長となり、拡張プロパティのデータ長は、可変長となる。
インデックスアトム201は、ムービー・ヘッダ・アトム211と、基本プロパティ、テキスト、サムネイル画像、イントロおよび拡張プロパティの実データにそれぞれ対応して、トラックアトム(基本プロパティ)212とトラックアトム(テキスト)213とトラックアトム(サムネイル画像)214とトラックアトム(イントロ)115とトラックアトム(拡張プロパティ)を備えて構成される。そして、トラックアトムが固定長のデータを扱うか可変長のデータを扱うかを区別することができるようにするためにサンプル・ディスクリプション・アトムのフラグを用いる。例えば、サンプル・ディスクリプション・アトムのフラグが1の場合には、固定長のデータを含むトラックアトムであり、サンプル・ディスクリプション・アトムのフラグが2の場合には、可変長のデータを含むトラックアトムである。よって、サンプル・ディスクリプション・アトムのフラグを参照することにより、トラックアトム(基本プロパティ)212とトラックアトム(拡張プロパティ)216とを容易に識別することができる。さらに、プロパティを分割していない従来との互換性を図るために、固定長のデータと可変長のデータとを含むトラックアトムの場合も定義し、サンプル・ディスクリプション・アトムのフラグが3である場合をかかる場合に当てる。
なお、上述したように、トラックアトム(プロパティ)212およびプロパティの実データのみが必須である。
インディックス・データ・アトム202において、各エントリの基本プロパティ、テキスト、サムネイル、イントロおよび拡張プロパティの各格納位置は、トラックアトム(基本プロパティ)212、トラックアトム(テキスト)213、トラックアトム(サムネイル)214、トラックアトム(イントロ)215およびトラックアトム(拡張プロパティ)216におけるそれぞれのサンプル・テーブル・アトムによってそれぞれ示される。例えば、エントリ番号0のエントリにおいて、基本プロパティの位置は、トラックアトム(基本プロパティ)212におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第1番目TAP0によって示される。テキストの位置は、トラックアトム(テキスト)213におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第1番目TAT0によって示される。サムネイルの位置は、トラックアトム(サムネイル)214におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第1番目TAS0によって示される。イントロの位置は、トラックアトム(イントロ)215におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第1番目TAI0によって示される。そして、拡張プロパティの位置は、トラックアトム(拡張プロパティ)216におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第1番目TAPE0によって示されるが、図5に示す本実施形態では、エントリ番号0のエントリには拡張プロパティが付属しないため、TAPE0には位置を示す情報は格納されず、実質的に位置を示めさないダミーが格納される。また、例えば、エントリ番号2のエントリにおいて、基本プロパティの位置は、トラックアトム(基本プロパティ)212におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第3番目TAP2によって示される。テキストの位置は、トラックアトム(テキスト)213におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第3番目TAT2によって示される。サムネイルの位置は、トラックアトム(サムネイル)214におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第3番目TAS2によって示される。イントロの位置は、トラックアトム(イントロ)215におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第3番目TAI2によって示される。そして、拡張プロパティの位置は、トラックアトム(拡張プロパティ)216におけるサンプル・テーブル・アトムによって得られるテーブルの第3番目TAPE2によって示される。
そして、基本プロパティ、テキスト、サムネイルおよびイントロの各実データを収容したエントリを集めた第1エントリ群は、固定長となり、拡張プロパティの実データを収容したエントリを集めた第2エントリ群は、可変長となる。例えば、図5では、エントリ番号0(エントリ#0)、エントリ番号1(エントリ#1)、エントリ番号2(エントリ#2)、エントリ番号3(エントリ#3)、エントリ番号4(エントリ#4)、エントリ番号5(エントリ#5)、エントリ番号6(エントリ#6)、エントリ番号7(エントリ#7)の部分が、固定長の第1エントリ群となり、それ以降のエントリ番号2e(エントリ#2e)、エントリ番号6e(エントリ#6e)、……の部分が、可変長の第2エントリ群となる。
図6は、トラックアトム(基本プロパティ)の一例を示す図である。
図6において、トラックアトム(基本プロパティ)212は、ディスクタイトルおよび各AVファイルに対応する基本プロパティデータに係るチャンクとして定義された、AVファイル基本プロパティTAP0、AVファイル基本プロパティTAP1、AVファイル基本プロパティTAP2、……、AVファイル基本プロパティTAPnのそれぞれについて、データ長L_PR1、L_PR2、L_PR3、……、L_PRn、および開始バイト位置0、L_PR1、L_PR1+L_PR2、……、L_PR1+…+L_PRn−1をそれぞれ示すテーブルの形式とされる。データ長は、例えば、バイト単位で表示される可変長である。
図7は、第1の実施形態におけるプロパティの実データの一例を示す図である。
図7Aは、プロパティの実データにおいてデータ長が固定長である各フィールドを集めた基本プロパティを示し、図7Bは、プロパティの実データにおいてデータ長が可変長である各フィールドを集めた拡張プロパティを示す。なお、図7Bは、データ長が可変長であるフィールドが1個である場合を示すが、複数のフィールドであってもよい。また、拡張プロパティにデータ長が固定長であるフィールドを含めても良いが、少なくともデータ長が可変長であるフィールドが含まれる。
プロパティは、上述したように、固定長の基本プロパティと可変長の拡張プロパティとから構成され、プロパティをこのように固定長部分と可変長部分とに分けることで、編集の際などにおける書き換え処理時間を短縮することができる。
図7Aにおいて、基本プロパティの実データは、エントリ番号(entry number)、エントリプロパティ(entry property)、フォルダプロパティ(folder property)、バージョン(version)、フラグ(flag)、データタイプ(data type)、製作日時(creation time)、編集日時(modification time)およびデュレーション(duration)を備えて構成され、各データ長は、固定長である。そして、図7Bにおいて、拡張プロパティは、ファイル識別子(file identifier)を備えて構成され、可変長データである。
エントリ番号は、0から始まる番号であり、各エントリに固有に割り当てられた唯一の数字、つまり、エントリを特定する識別子である。エントリ番号は、当該プロパティの実データが何れのエントリに収容されているかを示す。エントリ番号は、0バイト目を開始バイト位置とする4バイトのデータである。なお、エントリ番号は、或るエントリがインデックス・データ・アトム中の何れのエントリであるかを特定することができればよいので、番号に限らずアルファベットなどの記号、符号でもよい。
エントリプロパティは、4バイト目を開始バイト位置とする1バイトのデータであり、各ビット(bit)ごとに特定の意味が与えられている。本実施形態では、8ビットのうちの第0ビットは、当該エントリに係るデータがフォルダであるか実データであるかを示すために使用され、第0ビットが0の場合には、フォルダを示し、第0ビットが1の場合には、データを示す。8ビットのうちの第1ビットは、当該エントリに係る基本プロパティに拡張プロパティを付属しているか否かを示し、第1ビットが0の場合には拡張プロパティが付属しないことを示し、第1ビットが1の場合には拡張プロパティが付属することを示す。そして、第2ビットから第7ビットには、所定の意味が定義される。あるいは、リザーブとして未定義となっている。
フォルダプロパティは、当該エントリが属するフォルダのエントリ番号である。ここで、当該エントリがディスクタイトルの情報を収容する場合は、このエントリを最上位階層のフォルダである「ルート」とするので、これを示す所定の識別子が割り当てられる。このルートを示す識別子は、例えば、ディスクタイトルが収容されるエントリ番号0自身を割り当てられたり、特別な識別子(例えば、「T」や「D」や「M」など)を割り当てられたり、4バイトのエントリ番号の最大番号はおよそ使用することがほとんど無いと考えられるのでエントリ番号の最大番号を割り当てられる。本実施形態では、「T」を割り当てている。あるいは、ディスクタイトルのフォルダプロパティは無いと予め定義し、エントリがディスクタイトルの場合にはフォルダプロパティを参照しないようにプログラムを作成してもよい。フォルダプロパティは、5バイト目を開始バイト位置とする4バイトのデータである。なお、フォルダは、複数のファイルをとりまとめる仕組みをいい、フォルダにファイルだけでなく別のフォルダを登録することもできる。
バージョンは、9バイト目を開始バイト位置とする1バイトのデータである。フラグは、10バイト目を開始バイト位置とする2バイトのデータである。データタイプは、当該プロパティに係るタイトルファイルまたはAVファイルにおけるデータの種類(動画、静止画、オーディオなど)を示し、12バイト目を開始バイト位置とする1バイトのデータである。製作日時は、当該プロパティに係るAVファイルが製作された日時を示し、13バイト目を開始バイト位置とする4バイトのデータである。編集日時は、当該プロパティに係るAVファイルが修正された日時を示し、17バイト目を開始バイト位置とする4バイトのデータである。デュレーションは、当該プロパティに係るAVファイルが再生されるために必要とされる時間の長さを示し、21バイト目を開始バイト位置とする4バイトのデータである。
ファイル識別子は、当該プロパティに係るAVファイルのファイル名を示し、0バイト目を開始バイト位置とする可変長のデータである。
インデックス・ファイルは、上述のエントリ番号、エントリプロパティおよびフォルダプロパティによってインデックス・データを階層構造で管理する。
次に、エントリ番号、エントリプロパティおよびフォルダプロパティとインデックス・データの階層構造との関係について具体例を説明する。
図8は、第1の実施形態におけるプロパティの情報とインデックス・データの構造との一例を示す図である。図8Aは、エントリ番号、エントリプロパティの第0ビット・第1ビットおよびフォルダプロパティを示し、図8Bは、インデックス・データの構造を示す図である。
図8において、エントリ番号0は、エントリプロパティの第0ビットが0であるからフォルダであり、エントリプロパティの第1ビットが0であるから拡張プロパティが付属せず、フォルダプロパティがTであるから、ディスクタイトルのルートである。
エントリ番号1は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインデックス・データであり、エントリプロパティの第1ビットが0であるから拡張プロパティが付属せず、フォルダプロパティが0であるから、エントリ番号1のエントリは、エントリ番号0、すなわちルートに属する。
エントリ番号2は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインデックス・データであり、エントリプロパティの第1ビットが1であるから拡張プロパティが付属し、フォルダプロパティが0であるから、エントリ番号2のエントリは、エントリ番号0、すなわちルートに属する。
ここで、エントリ番号2の拡張プロパティは、エントリ番号が2であるから先頭から3番目のTAPE2にデータの位置と大きさが記述され、これを参照することによって、拡張プロパティのデータがインディックス・データ・アトムのどこに格納されているかが分かる。
エントリ番号3は、エントリプロパティの第0ビットが0であるからフォルダであり、エントリプロパティの第1ビットが0であるから拡張プロパティが付属せず、フォルダプロパティが0であるから、エントリ番号3のエントリは、エントリ番号0、すなわちルートに属する。
これらよりルートは、エントリ番号1のエントリ、エントリ番号2のエントリおよびエントリ番号3のフォルダを収容する。
エントリ番号4は、エントリプロパティの第0ビットが0であるからフォルダであり、エントリプロパティの第1ビットが0であるから拡張プロパティが付属せず、フォルダプロパティが3であるから、エントリ番号4のエントリは、エントリ番号3のフォルダに属する。
エントリ番号5は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインデックス・データであり、エントリプロパティの第1ビットが0であるから拡張プロパティが付属せず、フォルダプロパティが3であるから、エントリ番号5のエントリは、エントリ番号3のフォルダに属する。
エントリ番号6は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインデックス・データであり、エントリプロパティの第1ビットが1であるから拡張プロパティが付属し、フォルダプロパティが4であるから、エントリ番号6のエントリは、エントリ番号4のフォルダに属する。
ここで、エントリ番号6の拡張プロパティは、エントリ番号が6であるから先頭から7番目のTAPE6にデータの位置と大きさが記述され、これを参照することによって、拡張プロパティのデータがインディックス・データ・アトムのどこに格納されているかが分かる。
エントリ番号7は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインデックス・データであり、エントリプロパティの第1ビットが0であるから拡張プロパティが付属せず、フォルダプロパティが4であるから、エントリ番号7のエントリは、エントリ番号4のフォルダに属する。
インデックス・データの構造は、このようにエントリ番号、エントリプロパティの第0ビットおよびフォルダプロパティから図8Bに示す階層構造であることが分かる。そして、エントリプロパティの第1ビットから図5に示すようにエントリ番号2の基本プロパティと、エントリ番号6の基本プロパティとには、拡張プロパティがそれぞれ付属することが分かる。一方、これら拡張プロパティは、上述したように、トラックアトム(拡張プロパティ)216を参照することによって、インディックス・データ・アトム202中の収容位置が分かる。
エントリプロパティの第1ビットを用いることにより、プロパティを固定長部分である基本プロパティと可変長部分である拡張プロパティとに分割することができると共に、基本プロパティに拡張プロパティが付属するか否かを識別することができる。
よって、図5に示すように、基本プロパティ、テキスト、サムネイル、イントロおよび拡張プロパティの実データをインディックス・データ・アトム202の各エントリに収容する場合に、データ長が固定長である基本プロパティ、テキスト、サムネイルおよびイントロの実データを収容したエントリをインディックス・データ・アトム202に纏めて第1エントリ群として収容することができ、これに続けて、データ長が可変である拡張プロパティの実データを収容したエントリを纏めて第2エントリ群として収容することができる。
このため、編集等によりファイル識別子の内容が書き換えられデータ長が書き換え前よりも大きくなった場合でも、第2エントリ集合の書き換えられたエントリ以降のみを再書き込みすると共に、トラックアトム(拡張プロパティ)を書き換えるだけでよい。
第2エントリ集合のデータ長は、図7に示すようにプロパティのデータの一部分だけであるから、第1エントリ集合に較べて極めて少なく、書き換え処理時間を本発明が使用されない場合に較べて格段に短くすることができる。
なお、基本プロパティにおけるエントリプロパティ、フォルダプロパティおよび編集日時などやテキストやサムネイルやイントロが書き換えられた場合でも、これらのデータ長は、固定長に設定されているため、第1エントリ群のデータ長は、一定である。
また、固定長の第1エントリ群と可変長の第2エントリ群とに分けるために、プロパティを基本プロパティと拡張プロパティとに分割しているが、図9に示すように、従来と同様に基本プロパティと拡張プロパティとを1つのエントリに収容することも可能である。(第2の実施形態)第1の実施形態では、拡張プロパティを別トラックとして扱い、トラックアトム(拡張プロパティ)およびエントリプロパティの第1ビットを用いることで、プロパティを固定長部分と可変長部分とに分割することができたが、第2の実施形態では、エントリプロパティの1ビットおよびフォルダプロパティを用いることで、プロパティを固定長部分と可変長部分とに分割することができる。
第2の実施形態における記録再生装置およびカメラ一体型ディジタル記録再生装置は、図1および図2にそれぞれ示す記録再生装置およびカメラ一体型ディジタル記録再生装置と同様なので、その説明を省略する。
図10は、QuickTimeムービーファイルを用いて作成される、第2の実施形態におけるインデックス・ファイルの一例を示す図である。
図10において、インデックス・ファイルは、インデックス・アトム301とインデックス・データ・アトム302とを備えて構成される。
インデックス・データ・アトム302は、基本プロパティ、テキスト、サムネイル画像、イントロおよび拡張プロパティの実データが収容される。プロパティは、固定長部分の基本プロパティと可変長部分の拡張プロパティとに分割されて収容されている。
インデックスアトム301は、ムービー・ヘッダ・アトム311と、プロパティ、テキスト、サムネイル画像およびイントロの実データにそれぞれ対応して、トラックアトム(プロパティ)312とトラックアトム(テキスト)313とトラックアトム(サムネイル画像)314とトラックアトム(イントロ)315とを備えて構成される。
インディックス・データ・アトム302において、各エントリの基本プロパティ、テキスト、サムネイル、イントロおよび拡張プロパティの各格納位置は、トラックアトム(プロパティ)312、トラックアトム(テキスト)313、トラックアトム(サムネイル)314およびトラックアトム(イントロ)315におけるそれぞれのサンプル・テーブル・アトムによってそれぞれ示される。
そして、基本プロパティ、テキスト、サムネイルおよびイントロの各実データを収容したエントリを集めた第1エントリ群は、固定長となり、拡張プロパティの実データを収容したエントリを集めた第2エントリ群は、可変長となる。例えば、図10では、エントリ番号0(エントリ#0)、エントリ番号1(エントリ#1)、エントリ番号2(エントリ#2)、エントリ番号3(エントリ#3)、エントリ番号4(エントリ#4)、エントリ番号5(エントリ#5)、エントリ番号6(エントリ#6)、エントリ番号7(エントリ#7)の部分が、固定長の第1エントリ群となり、それ以降のエントリ番号8(エントリ#8)、エントリ番号9(エントリ#9)、……の部分が、可変長の第2エントリ群となる。
図11は、第2の実施形態におけるプロパティの実データの一例を示す図である。
図11Aは、プロパティの実データにおいてデータ長が固定長である各フィールドを集めた基本プロパティを示し、図11Bは、プロパティの実データにおいてデータ長が可変長である各フィールドを集めた拡張プロパティを示す。なお、図11Bは、データ長が可変長であるフィールドが1個である場合を示すが、複数のフィールドであってもよい。
図11Aにおいて、基本プロパティの実データは、エントリ番号(entry number)、エントリプロパティ(entry property)、フォルダプロパティ(folder property)、バージョン(version)、フラグ(flag)、データタイプ(data type)、製作日時(creation time)、編集日時(modification time)およびデュレーション(duration)を備えて構成され、各データ長は、固定長である。そして、図11Bにおいて、拡張プロパティは、エントリ番号(entry number)、エントリプロパティ(entry property)、フォルダプロパティ(folder property)およびファイル識別子(file identifier)を備えて構成され、ファイル識別子は、可変長データである。
エントリ番号、フォルダプロパティ、バージョン、フラグ、データタイプ、製作日時、編集日時およびデュレーションは、第1の実施形態とそれぞれ同様なのでその説明を省略する。
エントリプロパティは、4バイト目を開始バイト位置とする1バイトのデータであり、各ビット(bit)ごとに特定の意味が与えられている。本実施形態では、8ビットのうちの第0ビットは、第1の実施形態と同様に、当該エントリに係るデータがフォルダであるか実データであるかを示すために使用され、第0ビットが0の場合には、フォルダを示し、第0ビットが1の場合には、データを示す。8ビットのうちの第2ビットは、当該エントリが拡張プロパティの実データを収容するか否かを示し、第2ビットが0の場合には拡張プロパティの実データではないことを示し、第2ビットが1の場合には拡張プロパティの実データであることを示す。そして、残余の各ビットには、所定の意味が定義される。あるいは、リザーブとして未定義となっている。
フォルダプロパティは、当該エントリが属するフォルダまたはデータのエントリ番号である。
インデックス・ファイルは、上述のエントリ番号、エントリプロパティおよびフォルダプロパティによってインデックス・データを階層構造で管理する。
次に、エントリ番号、エントリプロパティおよびフォルダプロパティとインデックス・データの階層構造との関係について具体例を説明する。
図12は、第2の実施形態におけるプロパティの情報とインデックス・データの構造との一例を示す図である。図12Aは、エントリ番号、エントリプロパティの第0ビット・第2ビットおよびフォルダプロパティを示し、図12Bは、インデックス・データの構造を示す図である。
図12において、エントリ番号0は、エントリプロパティの第0ビットが0であるからフォルダであり、エントリプロパティの第2ビットが0であるから拡張プロパティの実データを収容せず、フォルダプロパティがTであるから、ディスクタイトルのルートである。
エントリ番号1は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインデックス・データであり、エントリプロパティの第2ビットが0であるから拡張プロパティの実データを収容せず、フォルダプロパティが0であるから、エントリ番号1のエントリは、エントリ番号0、すなわちルートに属する。
エントリ番号2は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインデックス・データであり、エントリプロパティの第2ビットが0であるから拡張プロパティの実データを収容せず、フォルダプロパティが0であるから、エントリ番号2のエントリは、エントリ番号0、すなわちルートに属する。
エントリ番号3は、エントリプロパティの第0ビットが0であるからフォルダであり、エントリプロパティの第2ビットが0であるから拡張プロパティの実データを収容せず、フォルダプロパティが0であるから、エントリ番号3のエントリは、エントリ番号0、すなわちルートに属する。
エントリ番号4は、エントリプロパティの第0ビットが0であるからフォルダであり、エントリプロパティの第2ビットが0であるから拡張プロパティの実データを収容せず、フォルダプロパティが3であるから、エントリ番号4のエントリは、エントリ番号3に属する。
エントリ番号5は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインディックス・データであり、エントリプロパティの第2ビットが0であるから拡張プロパティの実データを収容せず、フォルダプロパティが3であるから、エントリ番号5のエントリは、エントリ番号3に属するエントリ番号6は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインディックス・データであり、エントリプロパティの第2ビットが0であるから拡張プロパティの実データを収容せず、フォルダプロパティが4であるから、エントリ番号6のエントリは、エントリ番号4に属する。
エントリ番号7は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインディックス・データであり、エントリプロパティの第2ビットが0であるから拡張プロパティの実データを収容せず、フォルダプロパティが4であるから、エントリ番号7のエントリは、エントリ番号4に属する。
エントリ番号8は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインディックス・データであり、エントリプロパティの第2ビットが1であるから拡張プロパティの実データを収容し、フォルダプロパティが2であるから、エントリ番号7のエントリは、エントリ番号2に属する。
エントリ番号9は、エントリプロパティの第0ビットが1であるからインディックス・データであり、エントリプロパティの第2ビットが1であるから拡張プロパティの実データを収容し、フォルダプロパティが6であるから、エントリ番号9のエントリは、エントリ番号6に属する。
インデックス・データの構造は、このようにエントリ番号、エントリプロパティの第0ビット・第2ビットおよびフォルダプロパティから図12Bに示す階層構造であることが分かる。そして、エントリプロパティの第2ビットから図10に示すようにエントリ番号8のエントリと、エントリ番号9のエントリとには、拡張プロパティの実データがそれぞれ収容されていることが分かる。さらに、これらのフォルダプロパティから何れのエントリにおける基本プロパティに属するかが分かる。
すなわち、エントリ番号8のエントリに収容される拡張プロパティは、フォルダプロパティが2であることから、エントリ番号2のエントリに収容される基本プロパティと合わせてプロパティとなる。エントリ番号9のエントリに収容される拡張プロパティは、フォルダプロパティが6であることから、エントリ番号6のエントリに収容される基本プロパティと合わせてプロパティとなる。
エントリプロパティの第2ビットを用いることにより、プロパティを固定長部分である基本プロパティと可変長部分である拡張プロパティとに分割することができる。そして、フォルダプロパティを用いることで、拡張プロパティが何れの基本プロパティに付属するかを示すことができる。よって、図10に示すように、基本プロパティ、テキスト、サムネイル、イントロおよび拡張プロパティの実データをインディックス・データ・アトム302の各エントリに収容する場合に、データ長が固定長である基本プロパティ、テキスト、サムネイルおよびイントロの実データを収容したエントリをインディックス・データ・アトム302に纏めて第1エントリ群として収容することができ、これに続けて、データ長が可変である拡張プロパティの実データを収容したエントリを纏めて第2エントリ群として収容することができる。
このため、編集等によりファイル識別子の内容が書き換えられデータ長が書き換え前よりも大きくなった場合でも、第2エントリ群の書き換えられたエントリ以降のみを再書き込みすると共に、トラックアトム(プロパティ)を書き換えるだけでよい。
第2エントリ群のデータ長は、図7に示すようにプロパティのデータの一部分だけであるから、第1エントリ群に較べて極めて少なく、書き換え処理時間を本発明が使用されない場合に較べて格段に短くすることができる。
なお、基本プロパティにおけるエントリプロパティ、フォルダプロパティおよび編集日時などやテキストやサムネイルやイントロが書き換えられた場合でも、これらのデータ長は、固定長に設定されているため、第1エントリ群のデータ長は、一定である。
11 ビデオ符号器, 12 オーディオ符号器, 13 ビデオ復号器, 14 オーディオ復号器, 15 ファイル生成器, 16 ファイル復号器, 17、20 メモリ, 18 メモリコントローラ, 19 システム制御マイコン, 21 エラー訂正符号/復号器, 23 データ変復調器, 24 磁界変調ドライバ, 26 操作部, 30 サーボ回路, 31 モータ, 32 磁界ヘッド, 33 光ピックアップ, 40 記録媒体, 50 カメラ一体型ディジタル記録再生装置, 51 本体, 52 レンズ部, 53 集音マイク, 54 表示パネル, 55 ポインティングデバイス, 201 インデックスアトム, 202 インデックス・データ・アトム, 212 トラックアトム(基本プロパティ), 216 トラックアトム(拡張プロパティ), 312 トラックアトム(プロパティ)