JP2005315805A - センサシステム - Google Patents

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明伸 梅村
Hirokazu Ito
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Abstract

【課題】 車両の水平状態の有無に関わらず任意のタイミングで加速度センサの経年変化や温特に伴うゼロ点ドリフトを補正することができ、また、補正に際しての車両信号への依存を最小限に留め、センサ単体でも補正処理をほぼ完結できる機能を有した車両用加速度センサシステムを提供する。
【解決手段】センサシステムの工場出荷時等において、検知用コンデンサ10a,10bの電荷出力変化に基づき加速度信号を出力する電荷電圧変換回路21の負帰還コンデンサ21bの両端を短絡させ、その状態で測定した加速度信号生成回路のオフセット出力の標準値を、標準オフセット出力値として記憶しておく。そして、センサ使用中における予め定められたチェックタイミングにて負帰還コンデンサ21bの両端を短絡状態とし、該状態での信号処理回路のオフセット出力をカレントオフセット出力値として検出し、標準オフセット出力値と該カレントオフセット出力値との比較に基づいて加速度信号のゼロ点補正を行なう。
【選択図】 図2

Description

この発明は、車両制御に使用される静電容量式の加速度センサシステムに関する。
特開2001−336618号公報
静電容量式の加速度センサは車両制御用に広く使用されている。この種の加速度センサは、電極板間距離が可変の検知用コンデンサを有し、加速度印加による電極板間距離の変化に基づくコンデンサの電荷蓄積状態を、電荷電圧変換回路により電荷/電圧変換することにより、加速度信号として出力するものである。
車両用の加速度センサは近年、より高感度のものが要求されているが、センサの出力部に電荷電圧変換回路を使用しているので、センサの感度が向上するほど、電荷電圧変換の要部をなす演算増幅器や周辺のディスクリート素子の劣化あるいは温特により、ゼロ点が経時的あるいは温度変化によりドリフトすることが問題となる。
特許文献1には、その解決法として、車両に取り付けた加速度センサの温度や経年変化による誤差を自動的に補正する為に、車両の状態を水平検出する条件(変速機ニュートラル+ブレーキ解除+車輪の回転無し)を設け、条件に合致した時のみ加速度センサの補正を行なう方式が開示されている。
しかし、上記特許文献1の方式には次のような問題がある。
(1)車両が水平状態にならないとゼロ点補正ができないので、補正タイミングが限られてしまう。
(2)水平検出条件を取得するために、車両からの信号が必須となるため、加速度センサ単体での自動補正ができない。
本発明の課題は、車両の水平状態の有無に関わらず任意のタイミングで加速度センサの経年変化や温特に伴うゼロ点ドリフトを補正することができ、また、補正に際しての車両信号への依存を最小限に留め、センサ単体でも補正処理をほぼ完結できる機能を有した車両用加速度センサシステムを提供することにある。
課題を解決するための手段及び作用・効果
上記の課題を解決するため、本発明の車両用加速度センサシステムは、
加速度の印加に伴い電極板間距離を変化させる検知用コンデンサと、
電荷検出用の負帰還コンデンサを備えた演算増幅器からなり、検知用コンデンサの電荷出力変化を反転入力することにより、これを電圧変換した形で加速度信号として出力する電荷電圧変換回路と、
検知用コンデンサの両端を短絡させたときの、電荷電圧変換回路を含む加速度信号生成回路のオフセット出力の標準値である、標準オフセット出力値を記憶する標準オフセット出力値記憶部と、
センサ使用中における予め定められたチェックタイミングにて負帰還コンデンサの両端を短絡状態とし、該状態での加速度信号生成回路のオフセット出力をカレントオフセット出力値として検出し、標準オフセット出力値と該カレントオフセット出力値との比較に基づいて、加速度信号のゼロ点補正を行なうゼロ点補正手段と、を備えたことを特徴とする。
上記本発明の構成によると、例えばセンサシステムの工場出荷時等において、検知用コンデンサの電荷出力変化に基づき加速度信号を出力する電荷電圧変換回路の負帰還コンデンサの両端を短絡させ、その状態で測定した加速度信号生成回路のオフセット出力の標準値を、標準オフセット出力値として記憶しておく。そして、センサ使用中における予め定められたチェックタイミングにて負帰還コンデンサの両端を短絡状態とし、該状態での加速度信号生成回路のオフセット出力をカレントオフセット出力値として検出し、標準オフセット出力値と該カレントオフセット出力値との比較に基づいて加速度信号のゼロ点補正を行なう。この方式では、現在の信号処理回路のオフセット出力を、チェックの必要なタイミングにて負帰還コンデンサを短絡させて随時測定し、これを標準オフセット出力値と比較することで、標準状態で測定した加速度信号から、オフセット出力がどの程度変化しているかを簡単かつ確実に把握できる。その結果、車両の水平状態の有無に関わらず任意のタイミングで、加速度センサの経年変化や温特などの種々の要因により生ずるゼロ点ドリフトを補正することができるようになる。また、現在のオフセット出力、つまりカレントオフセット出力値と、事前に測定・記憶されている標準オフセット出力値さえあれば、補正処理自体はセンサ単体で基本的には完結でき、補正に際しての車両信号への依存を最小限に留めることができる。また、負帰還コンデンサを短絡させた状態では、検知用コンデンサの静電容量が加速度信号生成回路の出力に影響しなくなり、傾斜地にて重力加速度がバックグラウンドとして作用している場合も、オフセット出力には一切影響しなくなる。従って、特許文献1のような水平検出も不要となる。
標準オフセット出力値は、チェックタイミングに時系列的に先行する基準タイミング(望ましくは、前述の工場出荷時など、センサシステムが新品ないしそれに近いタイミング)て測定されたオフセット出力値を使用できる。ゼロ点補正手段は、該基準タイミングからチェックタイミングまでの間のオフセット出力値の経時的なドリフトを補正するものとして構成される。標準オフセット出力値が測定された基準タイミングからの経時的な要因により、電荷電圧変換回路(あるいはこれを含む加速度信号生成回路)のゼロ点ドリフトが生じても、上記ゼロ点補正手段の構成によりこれを確実に補正することができる。
なお、電荷電圧変換回路の負帰還コンデンサの両端を、ゼロ点補正処理のために短絡/非短絡の間で切り替える簡便な方法としては、電荷電圧変換回路の負帰還コンデンサの両端を短絡する短絡経路上に負帰還コンデンサ短絡用スイッチ部を設ける構成を例示できる。この場合、ゼロ点補正手段は、加速度検出を行なう通常時には負帰還コンデンサ短絡用スイッチ部を開とし、チェックタイミングにて負帰還コンデンサ短絡用スイッチ部を閉とするスイッチ制御手段を有するものとして構成すればよい。
次に、加速度センサのオフセット出力には、前述のごとくセンサ使用環境の温度も大きく影響する。従って、ゼロ点補正手段は、センサ出力の温度補正手段を有するものとして構成することが有効である。この場合、標準オフセット出力値は基準温度(一定の室温:例えば20℃)で測定したものを使用できる。また、温度補正手段は、温度センサと、種々の温度でのセンサ出力に対する補正内容情報を記憶した補正内容情報記憶部と、温度センサがチェックタイミングにて検出した検出温度値に基づき、補正情報記憶部内の補正内容情報を参照してセンサ出力の補正値を演算する補正演算手段とを有するものとして構成すれば、経年変化や傾斜地での重力加速度等によるドリフト成分に加え、温度によるドリフト成分も同時に補正でき、加速度測定の精度をより高めることができる。
図1に、本発明の加速度センサシステムに用いる静電容量式センサ部の構成の一例を示す。該センサ部は、センサエレメント10および検出回路20から構成されている。センサエレメント10は、加速度を感知して変位を生ずる慣性変位体2cが、梁部2bを介してアンカ部2aにより、センサフレームとして機能する基板1に結合されている。慣性変位体2cには可動電極2dが一体化され、これと対向する形で基板1上には固定電極3,4が形成されている。慣性変位体2c、梁部2b、アンカ部2b及び可動電極2d,2dは一体の梁構造体2を形成している。
本実施形態において梁構造体2は全体が板状に形成されている。慣性変位体2cは長方形状であり、梁部2bは、慣性変位体2cの各角部から短辺方向に延出する形で形成され、その末端がアンカ部2aとされている。慣性変位体2cの1対の長辺上には、それぞれ複数の可動電極2dが一定の間隔で櫛歯状に配置されている。一方、基板1側の固定電極3,4は、各可動電極2dの両側に対をなす形で対向配置されている。梁構造体2は一体の導体であり、個々の可動電極2dの電位は同一となる。また、各可動電極2dの第一側に対向する固定電極3の組同士、及び第二側に対向する固定電極4の組同士がそれぞれ、組間では互いに絶縁された形で基板1上にて共通結線されている。これにより、固定電極3同士及び固定電極4同士がそれぞれ同一電位となる。
このような電極配置により、図2に示すように、可動電極2dを共通電極として、各固定電極3,4は直列接続された1対の検知用コンデンサ10a,10bを形成することとなる。そして、可動電極2dと固定電極3,4との対向方向(図1では慣性変位体2cの長辺方向)が加速度検出方向(図1中のD1,D2)となる。検出方向の加速度がセンサ部に加わると、その慣性力により慣性変位体2cは梁部2bを弾性的に撓み変形させながら変位し、加速度の大小に応じて可動電極2dと固定電極3,4との対向間隔、すなわち検知用コンデンサ10a,10bの静電容量が変化する。従って、検知用コンデンサ10a,10bに検知用のバイアス電圧を印加しておけば、検知用コンデンサ10a,10bの静電容量変化が蓄積電荷状態の変化となって現われるので、図2に示すようにこれを電荷電圧変換回路21により電圧変換することで加速度信号Vsとして出力することができる。
なお、梁構造体2と基板1とを要部とするセンサ部は、櫛歯状の電極構造などとともに、高エネルギープラズマエッチング等のドライエッチング技術によるSi基板の微細加工により、一体の構造体としてワンチップ化されている(いわゆるMEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)技術の典型的な応用例である)。
以下、図2により、検出回路20の構成をさらに詳細に説明する。検出回路20は、電荷電圧変換回路21、信号処理回路22、制御信号発生回路24及びマイコン53を要部とするものである。電荷検出用の負帰還コンデンサ21bを備えた演算増幅器21aからなり、検知用コンデンサ10a,10bの電荷出力変化を反転入力することにより、これを電圧変換した形で加速度信号として出力するものである。演算増幅器21aの反転入力端子は可動電極2dに接続されている。また、検知用コンデンサ10a,10bの検知用バイアス電圧をVとして、演算増幅器21aの非反転入力端子には、V/2の電圧が入力される。また、負帰還コンデンサ21bの両端を短絡する短絡経路21sが設けられ、その短絡経路21s上に負帰還コンデンサ短絡用スイッチ部21c(以下、単にスイッチ21cともいう)が設けられている。
信号処理回路22は、サンプルアンドホールド回路(以下、S&H回路ともいう)22a、増幅回路(AMP)22b及びローパスフィルタ(LPF)回路22cから構成されている。S&H回路22aは、電荷電圧変換回路21の出力電圧をサンプリングして一定期間保持し、増幅回路22bは、S&H回路22aの出力電圧を所定の感度まで増幅するものである。また、ローパスフィルタ回路22cは、増幅回路22bの加速度出力電圧から所定の周波数帯域の成分のみを取り出す役割を果たす。なお、S&H回路22aは、ボルテージフォロワを構成する演算増幅器221a,221bと、スイッチ221bと、コンデンサ221cとにより周知の構成とされている。該信号処理回路22と電荷電圧変換回路21とが加速度信号生成回路を構成する。
制御信号発生回路24は、周期的に極性反転反転する検知用バイアス電圧を検知用コンデンサ10a,10bの両端に与えるためのパルス搬送波信号P1,P2と、加速度信号のサンプリングのために、スイッチ221bを駆動するためのスイッチ駆動信号S2と、電荷電圧変換回路21の負帰還コンデンサ21bの電荷を必要に応じて周期的に放電させるために、負帰還コンデンサ短絡用スイッチ部21cを駆動するスイッチ駆動信号S1とを、クロック回路25からのクロック信号CKに基づいて発生するものであり、周知のパルスカウンタ回路にて構成されている。
また、マイコン53はゼロ点補正手段の要部をなすものであり、信号処理回路22からの補正前加速度信号Vg’(T)を入力するA/D変換ポートAD1、センサ部周辺の温度を検知する温度センサ55からの検知出力が入力されるA/D変換ポートAD2を有する。また、制御信号発生回路24からのスイッチ駆動信号S1とは独立して、電荷電圧変換回路21(及びその下段の信号処理回路22も含む)からの補正前加速度信号Vg’(T)のゼロ点ドリフトを補正するために、所定のチェックタイミングにてチェック用のスイッチ駆動信号S1’を出力する信号出力ポートD1と、補正後の加速度信号Vgを出力する信号出力ポートD2等も有する。
また、マイコン53には、負帰還コンデンサ21bを短絡させたときの、電荷電圧変換回路21のオフセット出力Vkの標準値Vk(T0)(標準オフセット出力値:その下段の信号処理回路22からのオフセット出力値Vg’(T)であってもよい)を記憶する、標準オフセット出力値記憶部をなすEEPROM(Electrically
Erasable Programmable ROM)54が接続されている。該EEPROM54には、加速度信号Vgの温度補正係数(α及びβ)を、種々の温度毎に記憶する補正テーブル54aも記憶されている。該構成のマイコン53による加速度信号Vgの補正処理は、後述の図5及び図6のフローチャートに従い、マイコン内のROMに記憶された制御プログラムをCPUがRAMをワークエリアとして実行することによりなされる。
上記構成による角速度センサシステムの作動を、図3に示す信号波形図を参照して説明する。制御信号発生回路24から出力される検知用バイアス電圧を与える搬送波信号P1,P2は、図2に示すように、4つの期間(φ1〜φ4)でハイレベル(Hi)とローレベル(Lo)とが変化する一定振幅(電圧振幅:V)の矩形波パルス信号となっており、搬送波信号P2は、搬送波信号P1に対して電圧レベルが反転した信号となっている。
まず、通常動作時の作動について、図5を用いて説明する。期間φ1及びφ2では、搬送波信号P1はHi(5V)となり、搬送波信号P2はLo(0V)となる。そして、期間φ1では、制御信号発生回路24からのスイッチ駆動信号S1によりスイッチ21cは閉となる。これにより、演算増幅器21aの非反転入力端子にはV/2の電圧が印加され、可動電極2dにV/2の電圧が印加されるとともに、コンデンサ21bの電荷が放電される。このとき檀家電圧変換回路21の出力VsはV/2にリセットされる。
仮に検知用コンデンサ10aの容量C1と検知用コンデンサ10bの容量C2とが、C1>C2の関係を満たしていれば、検知用コンデンサ10a固定電極3側がHiになる期間φ1では、印加電圧がHi側の検知用コンデンサ10aのほう分圧電圧が低くなり、可動電極2dは負の電荷が多い状態となる(C1<C2ではその逆である)。次に期間φ2においては、検知用コンデンサ10a,10bの検知用バイアス電圧の印加極性は不変であり、他方、スイッチ駆動信号S1によりスイッチ21cが開かれる。すると、可動電極2dの電荷と負帰還コンデンサ21bとの間で電荷移動が生じ、その電荷バランス状態に応じた電圧値Vg1”が電荷電圧変換回路21から出力される。この出力値は、規定のタイミングでスイッチ駆動信号S2によりスイッチ221bをオン/オフすることにより、S&H回路22aにてサンプリングされ保持される。
次に、図3の期間φ3では、搬送波信号P1,P2の電圧レベルが反転(P1がLo、P2がHi)する。スイッチ21cはスイッチ駆動信号S1により開いたままとする。可動電極2dの電荷状態は、搬送波信号P1,P2の反転により期間φ2とは逆となり、上述したようにC1>C2の関係を満たす場合には、固定電極2a、2bへの印加電圧の反転により可動電極2dは正の電荷が多い状態となる。しかしながら、可動電極2dとコンデンサ21bとの間は閉回路となっており、期間φ1の電荷が保持されているため、電荷量バランスの破れにより可動電極2dから溢れ出した電荷がコンデンサ21bに移動して蓄えられる。コンデンサ21bの静電容量が一定であれば、Q=CVの関係より、上記の電荷移動量に比例した電圧値Vg2”が電荷電圧変換回路21から出力される。期間φ4は電圧値Vg2”を安定化させるための待機期間であり、該Vs2が十分に安定する所定のタイミングにて、その値をS&H回路22aにてサンプリングする。そして、期間φ2にてサンプリングした出力値Vg1’と期間φ4にてサンプリングした出力値Vg2’(いずれも、増幅回路23bとLPF回路23cを通過後のもの)との差分値がマイコン53内にて演算され、可動電極2dの変位に応じた加速度出力値Vgとして出力されることになる。なお、本実施形態では、マイコン53が、第一のサンプリング値Vg1’と第二のサンプリング値Vg2’との差分演算を行うようにしていたが、第一のサンプリング値Vg1’と第二のサンプリング値Vg2’とを個別のS&H回路にてホールドし、各ホールド値を差動増幅回路等で差分演算して加速度信号を生成するなど、マイコンで差分を行わない構成も可能である。
ところで、上記のVg1’とVg2’はいずれも、検知すべき加速度波形のベースとなるオフセット出力が、電荷電圧変換回路21あるいはその下流側の増幅回路23bやLPF回路23cの経時劣化やセンサ環境温度、あるいは斜面での重力加速度によるバイアスなどにより変化し、加速度検知を行なう上での誤差要因となる。図2の回路において、スイッチ21cを閉として負帰還コンデンサ21bの両端を短絡すると、電荷電圧変換回路21は実質的にボルテージフォロワと同じ回路となり、理論的には非反転端子への入力電圧V/2をゼロ点電圧として、回路固有のオフセット電圧が出力されるので、これを読み取ることにより現在のオフセット出力を知ることができる。
例えば、センサシステムを工場出荷する際に、標準温度T0(例えば20℃)にて静止状態で上記の方法によりオフセット出力値を測定し、これを標準オフセット出力値VF(T0)としてEEPROM54内に書き込んでおく。そして、センサシステムを使用開始した後、もし電荷電圧変換回路21を含む加速度信号生成回路の経時劣化や、環境温度変化の影響によりオフセット出力値が変化した場合(つまり、ゼロ点がドリフトした場合)、そのオフセット出力値VF(T)を随時測定して上記の標準オフセット出力値VF(T0)と比較すれば、ゼロ点ドリフト量を把握することができ、把握されたゼロ点ドリフト量に応じて加速度信号を補正することができる。
オフセット出力VF(T)の測定は、例えば車両停止時に行なう。この場合、図2に示すように、車速センサ55からの車速情報を得て停止/走行の判断をすることもできるが、エンジン始動時にオフセット出力VF(T)を測定するようにすれば車速情報は不要となる。具体的には、マイコン53がエンジン始動信号を受けてこれをチェックタイミングと判断し、信号出力ポートD1からドリフトチェック信号S1’を出力する。このドリフトチェック信号S1’は、ゲート26にて負帰還コンデンサ21bの電荷リセット用のスイッチ駆動信号S1との論理和が取られ、スイッチ21cに入力されてこれを閉とする。このときの電荷電圧変換回路21の出力が、上記チェックタイミングでのオフセット出力値、つまりカレントオフセット出力値VF(T)を与えるので、これをS&H回路22aにてサンプリングすればよい。
上記の補正処理は、サンプリングした加速度信号出力値Vg1’とVg2’
との双方(以下、両者を総称し、かつ、温度Tでの値であることを示すためVg’(T)と記載する)について、マイコン53内にてソフトウェア的に実行できる。目的は、任意温度Tでの、ゼロ点ドリフトした補正前加速度信号出力値Vg’(T)を、ゼロ点ドリフトしていない標準温度T0での加速度信号値Vg(T0)に変換することである。現在温度Tでのゼロ点ドリフト量をVk(T)とすれば、補正前加速度信号出力値Vg’(T)は、次式で表される:
Vg’(T)=α(ΔT)・Vg(T0)+Vk(T) ‥(1)
ただし、ΔTは標準温度T0と現在温度Tとの温度差分であり、α(ΔT)は、該温度差分ΔTに応じて実験的に定められたVg(T0)の温度係数である。ΔTの値は、図2の温度センサ55による温度測定値Tを取得することにより演算できる。
次に、ゼロ点ドリフト量Vk(T)は、標準オフセット出力値VF(T0)を基準に、カレントオフセット出力値VF(T)がどの程度変化しているかを示す値であるが、標準オフセット出力値VF(T0)も温度補正することで、
Vk(T)=VF(T)−α(ΔT)・VF(T0) ‥(2)
にて表すことができる。上記(1)、(2)から、Vg(T0)は次のように表すことができる:
Vg(T0)={Vg’(T)−Vk(T)}/α(ΔT)
={Vg’(T)−(VF(T)−α(ΔT)・VF(T0))}/α(ΔT) ‥(3)
式(3)において、α(ΔT)の値は種々の温度差分ΔTの値毎に実験的に決定しておき、図4に示すごとく温度係数テーブル54a(補正内容情報を構成する)の形でEEPROM54に記憶しておく。また、VF(T0)はセンサシステムの出荷前に測定されたものがEEPROM54に記憶されている。従って、加速度を生じていない状態で現在のオフセット出力VF(T)を測定すれば、加速度信号生成回路から直接得られるVg’(T)を、上記のα(ΔT)、VF(T)及びVk(T0)により、最終的に得るべき加速度信号値Vg(T0)として補正演算できる。
本発明の加速度センサシステムに用いるセンサ部の構成例を示す模式図。 本発明の加速度センサシステムの電気的な構成の一例を示す回路図。 本発明の加速度センサシステムの、通常時の動作の一例を示すタイミングチャート。 図2の回路のEEPROMの記憶内容を示す模式図。 加速度センサシステムの測定原理説明図。
符号の説明
10a,10b 検知用コンデンサ
21 電荷電圧変換回路
21a 演算増幅器
21b 負帰還コンデンサ
21c 負帰還コンデンサ短絡用スイッチ部
21s 短絡経路
24 制御信号発生回路(スイッチ制御手段)
53 マイコン(ゼロ点補正手段、スイッチ制御手段)
54 EEPROM(標準オフセット出力値記憶部)

Claims (5)

  1. 加速度の印加に伴い電極板間距離を変化させる検知用コンデンサと、
    電荷検出用の負帰還コンデンサを備えた演算増幅器からなり、前記検知用コンデンサの電荷出力変化を反転入力することにより、これを電圧変換した形で加速度信号として出力する電荷電圧変換回路と、
    前記検知用コンデンサの両端を短絡させたときの、前記電荷電圧変換回路を含む加速度信号生成回路のオフセット出力の標準値である、標準オフセット出力値を記憶する標準オフセット出力値記憶部と、
    センサ使用中における予め定められたチェックタイミングにて前記負帰還コンデンサの両端を短絡状態とし、該状態での前記加速度信号生成回路のオフセット出力をカレントオフセット出力値として検出し、前記標準オフセット出力値と該カレントオフセット出力値との比較に基づいて、前記加速度信号のゼロ点補正を行なうゼロ点補正手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用加速度センサシステム。
  2. 前記標準オフセット出力値は、前記チェックタイミングに時系列的に先行する基準タイミングにて測定されたオフセット出力値が使用され、前記ゼロ点補正手段は、該基準タイミングから前記チェックタイミングまでの間の前記オフセット出力値の経時的なドリフトを補正するものである請求項1記載の車両用加速度センサシステム。
  3. 前記電荷電圧変換回路の前記負帰還コンデンサの両端を短絡する短絡経路上に負帰還コンデンサ短絡用スイッチ部が設けられ、
    前記ゼロ点補正手段は、前記チェックタイミングにて前記負帰還コンデンサ短絡用スイッチ部を閉とするスイッチ制御手段を有する請求項1又は請求項2に記載の車両用加速度センサシステム。
  4. 前記ゼロ点補正手段は、前記センサ出力の温度補正手段を有する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用加速度センサシステム。
  5. 前記標準オフセット出力値は基準温度で測定したものが使用され、前記温度補正手段は、温度センサと、種々の温度でのセンサ出力に対する補正内容情報を記憶した補正内容情報記憶部と、前記温度センサが前記チェックタイミングにて検出した検出温度値に基づき、前記補正情報記憶部内の前記補正内容情報を参照して前記センサ出力の補正値を演算する補正演算手段とを有する請求項4記載の車両用加速度センサシステム。
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