JP2005314479A - オキシメチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

オキシメチレン共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱安定性に優れるオキシメチレン粗共重合体を高重合度、且つ高収率で製造する。
【解決手段】 本発明は、トリオキサンを主モノマーとし、コモノマーとして少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを、カチオン重合触媒を用いて塊状重合させオキシメチレン共重合体を製造するにあたり、ニトロ化合物を助触媒として添加することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

オキシメチレン共重合体は、機械的及び熱的性能に優れており、代表的なエンジニアリングプラスチックとして、機械関連、電気・電子関連、自動車関連などの広範囲な分野で利用されている。近年、利用範囲の拡大に伴って該プラスチックに対する要求性能も高度化する一方で、低コスト化の要求も強く、オキシメチレン共重合体を高収率で得る製造方法が求められている。特にコモノマーを増量した共重合体の場合には、収率の低下が大きく、これに対して触媒の増量により収率の向上を図ろうとすると、重合度の低下が著しく実質的に製造が不可能となるという問題があり、その改善が切望されている。
本発明はオキシメチレン共重合体の製造方法に関し、詳しくは、熱安定性に優れるオキシメチレン共重合体を高重合度、且つ高収率で製造する方法に関する。
従来、オキシメチレン共重合体は、ホルムアルデヒドまたはその環状オリゴマーであるトリオキサンやテトラオキサンを主モノマーとし、コモノマーとして少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールとをカチオン共重合することにより得られる。
この共重合に用いるカチオン重合触媒としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物、例えば三弗化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五弗フッ化ヒ素及び五フッ化アンチモン、及びその錯化合物又は塩の如き化合物、プロトン酸、プロトン酸のエステル、無水物、或いはイオンペア触媒などが知られている。これらの中でも三フッ化ホウ素、或いは三フッ化ホウ素と有機化合物、例えばエーテル類との配位化合物は、トリオキサンを主モノマーとするオキシメチレン共重合体の重合触媒として最も一般的であり、工業的にも広く用いられている。
しかしながら、上記の如き公知の触媒で得られた重合直後のオキシメチレン共重合体(以下、粗共重合体と略記することがある。)は、重合反応と解重合反応(分解反応)が競合して生じる為、重合収率および重合度に限界がある。更には、水素引き抜き反応の如く、重合度を低下させたり、粗共重合体に不安定な構造を生成させる副反応が併発する為、粗共重合体は分子末端に熱的に不安定な構造を多く有することになる。こうして得られた粗共重合体を実用に供するためには不安定な構造を除去して安定化しなければならない。この為、複雑で且つ多量のエネルギーを消費する安定化処理の工程を必要とし、経済的に有利とは言いがたい。重合反応によって得られた粗共重合体に含まれる不安定な構造が少ないほど、最終製品としても熱安定性に優れたものとなり、また安定化処理工程を簡略化できるなどの利点が期待されるため、粗共重合体中の不安定な構造を低減するための方法が望まれている。
一方、重合度は、オキシメチレン共重合体の溶融粘度に大きく影響を及ぼすことから、実用(成形加工など)に際して非常に重要な製品物性であり、一般的に重合度が高いほど溶融粘度は高くなる。粗共重合体の重合度調整は、一般的に重合反応時に主モノマー及びコモノマーと併せて重合度調整剤を添加する方法が採られている。しかし、重合度調整剤の添加の目的は重合度を下げて所望の重合度の粗共重合体を得ることにあり、重合度を高めるものではない。従って、より重合度の高い粗共重合体を得るためには、重合反応時における解重合反応や水素引き抜き反応といった副反応を抑制することができる触媒を見出すことが必要であり、これが強く望まれている。
例えば、過塩素酸又はその誘導体や、パーフルオロアルキルスルホン酸の希土類金属塩など、更には、ヘテロポリ酸、イソポリ酸及びこれらの酸性塩など、特定の無機酸素酸の高分子体といった極めて強いプロトン酸を極少量添加して重合反応を行わせ、収率や重合度を高めるための方法が提案されている(特許文献1〜3)。また、p−クロロベンゼンジアゾニウム塩の対イオン種を選択することで、副反応を抑制され、重合度を高めることができると報告されている(非特許文献1〜2)。しかし、これらの文献中に見られる方法を行い、収率や重合度を高めたとしても必ずしも粗重合体の熱安定性は満足できるほど改善されないのが現状である。
特開平11−5822号公報 特開平10−182772号公報 特公平7−30149号公報 キャサリン・エス・シャ・チェン(CATHERINE S.HSIA CHEN)著、「エフェクトオブゲェゲンイオンカチオニックポリメリゼィションアンドコポリメリゼィションオブトリオキサン(Effect of Gegen Ion in Cationic Polymerization and Copolymerization of Trioxane)」、ジャナルオブポリマーサイエンス:ポリマーケミストリィエディション(JOURNAL OF POLYMER SCIENCE:Polymer Chemistry Edition)(米国)第14巻(1976年)129〜142ページ キャサリン・エス・シャ・チェン(CATHERINE S.HSIA CHEN)著、「コポリメリゼイションオブトリオキサンウイズサイクリックアセタールズ。エフェクトオブキャタリストオンポリメリゼィションアンドモノマーリアクテビティ(Copolymerization of Trioxane with Cyclic Acetals. Effect of Catalyst on Polymerization and Monomer Reactivity)」、ジャナルオブポリマーサイエンス:ポリマーケミストリィエディション(JOURNAL OF POLYMER SCIENCE:Polymer Chemistry Edition)(米国)第14巻(1976年)143〜151ページ
本発明は、掛かる現状を鑑み、熱安定性に優れるオキシメチレン共重合体を高重合度で得ることができ、且つこれを高収率で製造することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、トリオキサンを主モノマーとするカチオン重合触媒として従来公知であったものに加え、ニトロ化合物を助触媒として少量添加するだけで、特異的に反応活性が高まり重合度が高くなることに加え、熱安定性にも優れる粗共重合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
一般的に、カチオン重合反応において、反応媒質として誘電率の低いものが選択されるが、誘電率の高いものを使用した場合には重合速度並びに重合度が増加する(例えば、P.J.フローリ著 高分子化学(上) 岡 小天・金丸 競共訳 p-213〜214)。しかし、本発明のような塊状重合法おける極めて少量の添加で反応活性が向上し、更に誘電率に因らず、ニトロ化合物が特徴的に効果を示すという事実は全く初めての発見であった。
本発明のオキシメチレン共重合体の製造方法によれば、熱安定性に優れるオキシメチレン粗共重合体を高重合度で、且つ高収率で製造することが可能となった。
即ち、本発明は、トリオキサンを主モノマーとし、コモノマーとして少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを、カチオン重合触媒を用いて塊状重合させオキシメチレン共重合体を製造するにあたり、ニトロ化合物を助触媒として添加することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法である。
本発明におけるオキシメチレン共重合体の重合方法としては、実質上溶媒を用いない塊状重合法が好適である。これは溶融状態にあるモノマーを用いた重合方法であり、重合の進行に伴い、モノマー混合液中に重合物が晶析し、やがて系全体が塊状化及び粉状化して固体状のポリマーを得るものである。重合は、酸素の非存在下、好ましくは窒素雰囲気下に行う。
本発明で用いることのできる重合触媒は、前述の一般的なカチオン活性触媒である。その中でも特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適である。エ−テル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエ−テラ−ト、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートは特に好ましい。その添加量は、主モノマーのトリオキサンに対して、三フッ化ホウ素換算で、一般的には3.0×10−6〜2.0×10−4wt%であり、好ましくは8.0×10−6〜8.0×10−5wt%の範囲で使用される。これらの触媒は反応系に均一に分散させるために重合反応に悪影響の無い有機溶媒で希釈して使用することが好ましい。この有機溶媒としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、n−ブチルエーテルなどのエーテル類、並びにベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライドなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
これら触媒に加えて、助触媒として添加されるニトロ化合物としては、分子中にニトロ基を少なくとも1個有するものが使用可能であるが、分子中にニトロ基を2個以上有するニトロ化合物は自己反応性が極めて高いものが多く、一般的には爆薬として知られて、安全の面からその使用は好ましくない。従って、ニトロ化合物としては、ニトロ基を1個有し、かつ活性水素を持たないものが好ましく、ニトロ基を1個持つ脂肪族炭化水素化合物(環状のものも含む。)および/または芳香族炭化水素化合物がより好ましく、ニトロ基を1個持つ脂肪族炭化水素化合物(環状のものは含まない。)が最も好ましい。炭素数には、特に制限はないが、炭素数があまり大きくなるとオキシメチレン共重合体に残存するので、炭素数は1〜12が好ましく、炭素数1〜6がより好ましい。
具体的には、ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、t−ニトロプロパンなどの脂肪族ニトロ化合物や、ニトロベンゼン、o−ニトロトルエン、m−ニトロトルエン、p−ニトロトルエン、2−ニトロ−m−キシレン、3−ニトロ−o−キシレン、4−ニトロ−m−キシレン、ニトロアニソールなどの芳香族ニトロ化合物が挙げられる。その中でも好適なのは、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパンといったニトロパラフィン類やニトロベンゼンであり、特に好ましくはニトロメタン、ニトロエタンである。
その添加量は、触媒に対するモル比として、好ましくは1.0〜1.0×10の範囲、更に好ましくは1.0〜5.0×10の範囲、最も好ましくは1.0〜1.0×10の範囲である。ニトロ化合物をこれより多く添加した場合には、寧ろ反応活性が低くなり、全く添加しない場合には、反応活性の向上、重合度の増大という効果が認められない。これらニトロ化合物は、単独で触媒と接触する前のモノマーやコモノマーに添加しても良いし、前記の触媒を希釈するための有機溶媒の一部又は全量として使用することも可能である。
本発明における原料モノマーはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンであり、コモノマーとしては少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールが用いられる。コモノマーとしては、例えば、1,3−ジオキソラン、2−エチル−1,3−ジオキソラン、2−プロピル−1,3−ジオキソラン、2−ブチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−ブチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−フェノキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−クロルメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキカビシクロ[3,4,0]ノナン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、オキシタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、及びオキセパン等が挙げられる。これらの中でも1,3−ジオキソランが特に好ましい。
コモノマーの添加量は、トリオキサンに対して0.5〜40.0mol%が好ましく、より好ましくは1.1〜20.0mol%である。コモノマーの使用量がこれより多い場合には重合収率が低下し、少ない場合には熱安定性が低下する。また、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化合物を架橋・分岐剤として0.001〜0.2重量部添加してもよい。
本発明の重合法においても、オキシメチレン共重合体の重合度調節のために重合度調節剤を添加することができる。重合度調整剤としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミド、フェノ−ル類、アセタール化合物などが挙げられ、特にフェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチラール、ポリオキシメチレンジメトキシドは好適に用いられる。その中でも最も好ましいのはメチラールであり、これを単独あるいは溶液の形で使用することができる。その添加量としては、主モノマーのトリオキサンに対して、メチラールとして2×10−1wt%未満の範囲で通常使用される。溶液の形で使用される場合、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライドなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
重合反応後の失活は、三価の有機リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物などの触媒失活剤が使用できる。アミン化合物としては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン類、その他公知の触媒失活剤が使用できる。例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ―n―ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリンなどが使用できる。これらの中で特に三価の有機リン化合物および三級アミンは好ましく、トリフェニルホスフィンが最も好適である。その添加量としては、触媒を失活させるのに十分な量であれば特に制限はないが、触媒に対するモル比として、1.0×10−1〜1.0×10の範囲で通常使用される。これらの触媒失活剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場合、使用される溶剤は特に限定されるものではないが、水、アルコール類の他、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等の各種の脂肪族及び芳香族の有機溶媒が使用可能である。
掛かる重合及び失活操作の後、必要に応じて、粗共重合体の洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を行っても良いが、本発明では、高収率で熱安定性に優れる粗共重合体が得られるため、この工程を省略することもできる。更に粗共重合体を実用に供するため、必要に応じて、不安定な構造の分解除去又は安定化物質による不安定な末端構造の封止を目的として、公知の方法にて安定化処理を行うことができる。
安定化処理としては、上記で得られたオキシメチレン共重合体を加熱溶融して、不安定部分を除去する方法が挙げられる。この時には、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩などの何れか1種又は2種以上を添加してもよい。更に必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば、染料、顔料などの着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、界面活性剤、或いは、有機高分子材料、無機又は有機の繊維状、粉体状、板状の充填剤などを1種又は2種以上添加することができる。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。なお、実施例、比較例中の用語および測定方法を以下に示す。
重合反応装置:熱媒を通すことのできるジャケットと2枚のZ型攪拌羽根を有し、且つ内部が観察できる内容積1Lのニーダーを重合装置として使用した。
収率:停止処理を施した、粗共重合体20gを20mlのアセトンに浸した後、濾過し、アセトンで3回洗浄した後、60℃で恒量となるまで真空乾燥を施した。しかる後、精秤し、以下の式により重合収率を決定した。
重合収率=M/M×100
;アセトン処理前の重量
;アセトン処理、乾燥後の重量
加熱重量減少率(M値):粗重合体を10−2Torr減圧下で60℃、24時間乾燥した後、60メッシュの篩を通過した粗重合体粉末2gに安定剤(トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバガイギー社製、商品名イルガノックス245)4.0wt%を加え、よく混合してから試験管に入れ、窒素置換後10Torr減圧下で222℃、2時間加熱した場合の重量減少率を示す。熱安定性が高いほど、この加熱重量減少率(M値)は小さくなる。
溶融指数(MI値):粗共重合体100重量部に、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバガイギー社製、商品名イルガノックス245)0.3重量部、メラミン0.1重量部、水酸化マグネシウム0.05重量部を添加、混合した後、ラボプラストミルにおいて安定化処理した後、ASTM−D1238(190℃、2.16kg加重下)に従って測定した。重合度が高いほど、この溶融指数(MI値)は小さくなる。
晶析開始時間:モノマー混合液が触媒と接触してから、相分離(晶析)もしくは相変化するまでの時間を晶析開始時間として定義する。晶析開始時間が短いほど、重合活性が高いことを意味する。
実施例1〜7
前述の重合反応装置を使用し、オキシメチレン共重合体の製造を実施した。重合装置の内部を十分に乾燥した後、窒素を導入し、ジャケットに65℃の温水を循環させながら、3.33molのトリオキサン及び0.53molの1,3−ジオキソランと、表1に記載したニトロ化合物をシリンジで所定量添加した。スクリューを回転させ、内容物を均一に混合しながら、同じく表1に示した量の触媒(三フッ化ホウ素ジエチルエーテルのベンゼン溶液、調製濃度:0.6モル/kg)をシリンジで添加した。25分間反応させたのち、使用した触媒量の2倍モルに相当するトリフェニルホスフィンをベンゼン溶液(調製濃度:5モル/kg)でシリンジにて添加し、15分間混合して重合を停止し、オキシメチレン粗共重合体を収得した。この粗共重合体について晶析開始時間を重合反応装置の内部観察より計測し、また、収率、溶融指数(MI値)、加熱重量減少率(M値)を測定し、その結果を併せて表1に示した。
比較例1〜3
表2に示すように、ニトロ化合物の添加量、及び触媒の添加量を変えた以外は、実施例1〜7と全く同様にして粗共重合体を取得した。晶析開始時間、収率、溶融指数(MI値)、および加熱重量減少率(M値)の測定を、実施例1〜7と全く同様に行った。結果を表2に示した。
Figure 2005314479
Figure 2005314479

Claims (8)

  1. トリオキサンを主モノマーとし、コモノマーとして少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを、カチオン重合触媒を用いて塊状重合させオキシメチレン共重合体を製造するにあたり、ニトロ化合物を助触媒として添加することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
  2. 助触媒として添加するニトロ化合物が、活性水素を持たないニトロ化合物である請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  3. 助触媒として添加するニトロ化合物が、ニトロ基を持つ脂肪族炭化水素化合物(環状のものも含む。)および/または芳香族炭化水素化合物である請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  4. 助触媒として添加するニトロ化合物が、ニトロ基を1個持つ脂肪族炭化水素化合物(環状のものは含まない。)である請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  5. 助触媒として添加するニトロ化合物が、ニトロエタン、ニトロメタン、ニトロプロパン及びニトロベンゼンの中から選ばれる少なくとも1種のニトロ化合物である請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  6. 助触媒として添加するニトロ化合物が、ニトロエタン、ニトロメタン及びニトロプロパンの中から選ばれる少なくとも1種のニトロ化合物である請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  7. カチオン活性触媒として三フッ化ホウ素及び/又はそれらの錯体を使用する請求項1〜6のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  8. 添加するニトロ化合物の合計量が、触媒に対するモル比として、1.0〜1.0×10の範囲で添加する請求項1〜7のいずれかに記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024101269A1 (ja) * 2022-11-11 2024-05-16 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体の製造方法

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