JP2005313152A - 嫌気性アンモニア酸化法及び廃水処理方法並びに装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒処理する際の脱窒速度を大きくすることができる。
【解決手段】アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽12と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽14とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、アンモニア性廃水を亜硝酸生成槽12で処理してアンモニアと亜硝酸とが混在する混在水を形成し、該混在水を嫌気性アンモニア酸化槽14内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入管22によりステップ流入させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、嫌気性アンモニア酸化法及び廃水処理方法並びに装置に係り、特に嫌気性アンモニア酸化法における脱窒速度の改良に関する。
下水や産業廃水に含有する窒素成分は、湖沼の富栄養化の原因になること、河川の溶存酸素の低下原因になること等の理由から、窒素成分を除去する必要がある。下水や産業廃水に含有する窒素成分は、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、有機性窒素が主たる窒素成分である。
従来、この種の廃水は、窒素濃度が低濃度であれば、イオン交換法での除去や塩素、オゾンによる酸化も用いられているが、中高濃度の場合には生物処理が採用されており、一般的には以下の条件で運転されている。
生物処理では好気硝化と嫌気脱窒による硝化・脱窒処理が行われており、好気硝化では、アンモニア酸化細菌(Nitrosomonas,Nitrosococcus,Nitrosospira,Nitrosolobusなど)と亜硝酸酸化細菌(Nitrobactor,Nitrospina,Nitrococcus,Nitrospira など)によるアンモニア性窒素や亜硝酸性窒素の酸化が行われる一方、嫌気脱窒では、従属栄養細菌(Pseudomonas denitrificans など)による脱窒が行われる。
また、好気硝化を行う硝化槽は負荷0.2〜0.3kg−N/m3 /日の範囲で運転され、嫌気脱窒の脱窒槽は負荷0.2〜0.4kg−N/m3 /日の範囲で運転される。下水の総窒素濃度30〜40mg/Lを処理するには、硝化槽で6〜8時間の滞留時間、脱窒糟で5〜8時間が必要であり、大規模な処理槽が必要であった。また無機質だけを含有する産業廃水では、硝化槽や脱窒槽は先と同様の負荷で設計されるが、脱窒に有機物が必要で、窒素濃度の3〜4倍濃度のメタノールを添加していた。このためイニシャルコストばかりでなく、多大なランニングコストを要するという問題もある。
これに対し、最近、嫌気性アンモニア酸化法を利用した廃水処理方法が注目されている(例えば特許文献1)。この嫌気性アンモニア酸化法は、アンモニアを水素供与体とし、亜硝酸を水素受容体として、嫌気性アンモニア酸化細菌によりアンモニアと亜硝酸とを以下の反応式により同時脱窒する方法である。
1.0 NH4 +1.32NO 2 +0.066HCO 3 +0.13H+ →1.02N 2 +0.26NO 3 +0.066CH2 O 0.5 N 0.15+2.03H2 O
この方法によれば、アンモニアを水素供与体とするため、脱窒で使用するメタノール等の使用量を大幅に削減できることや、汚泥の発生量を削減できる等のメリットがあり,今後の廃水処理方法として有効な方法であると考えられている。
特開2001−37467号公報
ところで、嫌気性アンモニア酸化法を実際の廃水処理方法や装置として実現化するためには、脱窒速度を大きくして廃水処理の効率化を図らなくてはいけいないという大きな課題がある。しかしながら、この方法は未だ反応特性が十分に解明されておらず、脱窒速度を大きくすることが難しいという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒処理する際の脱窒速度を大きくすることができるので、嫌気性アンモニア酸化法を廃水処理に採用することを可能にすると共に、廃水処理の効率化を図ることができる嫌気性アンモニア酸化法及び廃水処理方法並びに装置を提供することを目的とする。
本発明者は、嫌気性アンモニア酸化細菌の菌体濃度を把握し、且つ嫌気性アンモニア酸化細菌群の脱窒速度に及ぼす基質濃度特性を発見し、基質濃度特性を生かすように嫌気性アンモニア酸化法を行うことにより脱窒速度を大きくでき、これにより嫌気性アンモニア酸化法を利用した廃水処理を実装置として実現化できるようにしたものである。即ち、嫌気性アンモニア酸化細菌群はアンモニア濃度に対してはMicheris・Menten型の反応特性を示し、アンモニア性窒素濃度が高いほど脱窒速度が大きくなる。一方、嫌気性アンモニア酸化細菌群は亜硝酸性窒素濃度に対してはHaldane 型の反応特性を示し、亜硝酸性窒素濃度が80mg/L以上で強い阻害を受け脱窒速度が急激に小さくなることが分かった。そして、この基質濃度特性を生かすように嫌気性アンモニア酸化法を行うには、アンモニアと亜硝酸とを脱窒処理する処理の流れにおいて、アンモニアに関しては上流側が高濃度で下流側が低濃度な濃度勾配が形成されるようにし、亜硝酸に関しては上流側から下流側にかけて均一な濃度になるようにすることが重要であるとの知見を得た。
本発明はかかる知見に基づいて嫌気性アンモニア酸化法及び廃水処理方法並びに装置を具体的に構成したものである。
本発明の請求項1の嫌気性アンモニア酸化法は前記目的を達成するために、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化法であって、前記同時脱窒する処理の流れにおいて、前記アンモニアに関しては上流側が高濃度で下流側が低濃度な濃度勾配が形成されるようにし、前記亜硝酸に関しては前記上流側から前記下流側にかけて均一な濃度になるようにすることを特徴とする。
これにより、アンモニアと亜硝酸の基質濃度特性を生かすように嫌気性アンモニア酸化法を行うことができるので、脱窒速度を大きくすることができる。
本発明の請求項2は請求項1において、前記上流側から下流側にかけて亜硝酸の亜硝酸性窒素濃度を80mg/L以下にすることを特徴とする。これは、亜硝酸性窒素濃度が80mg/Lを越えると、嫌気性アンモニア酸化細菌の活性が阻害され、同時脱窒性能が急激に低下するためである。
本発明の請求項3は請求項1又は2において、前記下流側においてアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすることを特徴とする。このように、混在水のアンモニアと亜硝酸のモル比を上述した反応式のモル比と同じにすれば、処理水中にアンモニアや亜硝酸の一方が多く残存するという問題を防止できるからである。
本発明の請求項4は前記目的を達成するために、アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、前記アンモニア性廃水を前記亜硝酸生成槽で処理してアンモニアと亜硝酸とが混在する混在水を形成し、該混在水を前記嫌気性アンモニア酸化槽内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入させることを特徴とする。
本発明において、ステップ流入とは、流入させる水を分配して流入させることを言い、後記するピストンフロー流入とは、流入させる水をいわゆる押し出しフローで流入させることを言う。また、アンモニアから亜硝酸を生成する方法は、どのような方法でもよいが、例えば、アンモニア酸化細菌により好気性条件下でアンモニアを亜硝酸に酸化する方法を好適に使用することができる。また、アンモニア性廃水とは、廃水中の窒素成分としてアンモニアが主体である廃水を言い、亜硝酸性処理水とは窒素成分として亜硝酸が主体である処理水をいう。以下同様である。
請求項4によれば、アンモニア性廃水は、亜硝酸生成槽においてアンモニアの一部が亜硝酸に酸化されてアンモニアと亜硝酸とが混在する混在水が形成される。次に、アンモニアと亜硝酸とが混在する混在水を、嫌気性アンモニア酸化槽内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入させる。これにより、混在水中の亜硝酸は嫌気性アンモニア酸化槽内の各部分に分配され、嫌気性アンモニア酸化槽内における亜硝酸性窒素濃度の均一化が図られる。従って、全ての混在水を嫌気性アンモニア酸化槽の上流位置に流入させた場合のように、嫌気性アンモニア酸化槽内の上流位置の亜硝酸性窒素濃度だけが局部的に高くなることがない。これにより、亜硝酸の基質濃度特性を生かすように嫌気性アンモニア酸化法を行うことができるので、脱窒速度を大きくすることができる。
本発明の請求項5は前記目的を達成するために、アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、前記嫌気性アンモニア酸化槽を直列に配置された複数段の槽で構成すると共に、前記アンモニア性廃水を前記亜硝酸生成槽で処理してアンモニアと亜硝酸とが混在する混在水を形成し、該混在水を前記複数段の槽にステップ流入させることを特徴とする。
請求項5は、嫌気性アンモニア酸化槽を直列に配置された複数段の槽で構成し、この複数段の槽に、亜硝酸生成槽からのアンモニアと亜硝酸とが混在する処理水をステップ流入させたものである。これにより、処理水中の亜硝酸は各槽に分配されるので、嫌気性アンモニア酸化槽内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入させる場合よりも、亜硝酸性窒素濃度の均一化をより明確に図ることができる。従って、複数段の最初の槽に全ての混在水を流入させた場合のように、最初の槽の亜硝酸濃度だけが局部的に高くなることがない。これにより、亜硝酸の基質濃度特性を生かすように嫌気性アンモニア酸化法を行うことができるので、脱窒速度を大きくすることができる。
請求項6は請求項4又は請求項5において、前記混在水の亜硝酸濃度を80mg/L以下にすることを特徴とする。これは、亜硝酸濃度が80mg/Lを越えると、嫌気性アンモニア酸化細菌の活性が阻害され、同時脱窒性能が急激に低下するためである。
請求項7は請求項4〜6の何れか1において、前記混在水のアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすることを特徴とする。このように、混在水のアンモニアと亜硝酸のモル比を上述した反応式のモル比と同じにすれば、処理水中にアンモニアや亜硝酸の一方が多く残存するという問題を防止できるからである。
本発明の請求項8は前記目的を達成するために、アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、前記アンモニア性廃水の一部を前記亜硝酸生成槽で処理して亜硝酸性処理水を形成し、該亜硝酸性処理水を前記嫌気性アンモニア酸化槽内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入させる一方、前記アンモニア性廃水の残りを前記嫌気性アンモニア酸化槽にピストンフロー流入させることを特徴とする。
請求項4〜7は、亜硝酸の基質濃度特性を生かすように構成したものであるが、請求項8は亜硝酸の基質濃度特性とアンモニアの基質濃度特性の両方を生かすように構成したものである。即ち、アンモニア性廃水の一部は、亜硝酸生成槽において処理されてアンモニアの全てが亜硝酸に酸化され、これにより亜硝酸性処理水が形成される。尚、アンモニアの全てが亜硝酸に酸化されるとは、100%完全に酸化することを意味するものではなく、酸化されずに微量に残存するアンモニアがある場合も含む。以下同様である。そして、この亜硝酸性処理水を嫌気性アンモニア酸化槽内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入させる。このステップ流入により、亜硝酸性処理水中の亜硝酸はアンモニア酸化槽内の各部分に分配され、嫌気性アンモニア酸化槽内における亜硝酸性窒素濃度の均一化が図られるので、嫌気性アンモニア酸化槽において亜硝酸性窒素濃度が局部的に高くなることがない。一方、アンモニア廃水の残りは、嫌気性アンモニア酸化槽にピストンフロー流入させる。このピストンフロー流入により、嫌気性アンモニア酸化槽内には上流位置のアンモニア濃度が高く、下流位置のアンモニア濃度が低い濃度勾配が形成される。これにより、同時脱窒する処理の流れにおいて、アンモニアに関しては上流側が高濃度で下流側が低濃度な濃度勾配が形成され、亜硝酸に関しては上流側から下流側にかけて均一な濃度になるようにすることができ、アンモニアと亜硝酸の基質濃度特性を生かすように嫌気性アンモニア酸化法を行うことができるので、脱窒速度を大きくすることができる。
本発明の請求項9は前記目的を達成するために、アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、前記嫌気性アンモニア酸化槽を直列に配置された複数段の槽で構成すると共に、前記アンモニア性廃水の一部を前記亜硝酸生成槽で処理して亜硝酸性処理水を形成し、該亜硝酸性処理水を前記複数段の槽にステップ流入させる一方、前記アンモニア性廃水の残りを前記複数段の槽にピストンフロー流入させることを特徴とする。
請求項9は、嫌気性アンモニア酸化槽を直列に配置された複数段の槽で構成し、この複数段の槽に亜硝酸性処理水をステップ流入させると共に、アンモニア性廃水を複数段の槽にピストンフローで流入させるようにしたものである。これにより、処理水中の亜硝酸は各槽に分配されるので、嫌気性アンモニア酸化槽内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入させる場合よりも、亜硝酸性窒素濃度の均一化をより明確に図ることができる。また、ピストンフロー流入により、複数段の前段の槽のアンモニア濃度が高く、後段の槽のアンモニア濃度が低い濃度勾配が形成される。これにより、同時脱窒する処理の流れにおいて、アンモニアに関しては上流側の槽内が高濃度で下流側の槽内が低濃度な濃度勾配が形成され、亜硝酸に関しては上流側の槽から下流側の槽にかけて均一な濃度になるようにすることができ、アンモニアと亜硝酸の基質濃度特性を生かすように嫌気性アンモニア酸化法を行うことができるので、脱窒速度を大きくすることができる。
請求項10は請求項8又は9において、前記亜硝酸性処理水の亜硝酸濃度を80mg/L以下にすることを特徴とする。これは、亜硝酸濃度が80mg/Lを越えると、嫌気性アンモニア酸化細菌の活性が阻害され、同時脱窒性能が急激に低下するためである。
請求項11は請求項8〜10の何れか1において、前記嫌気性アンモニア酸化槽の下流位置におけるアンモニア濃度と亜硝酸濃度のモル比、又は前記複数段の最後の槽におけるアンモニア濃度と亜硝酸濃度のモル比が1.0:1.32になるようにすることを特徴とする。このように、処理の流れの嫌気性アンモニア酸化槽内における下流側又は最後の槽内において嫌気性アンモニア酸化法によるアンモニアと亜硝酸のモル比を上述した反応式のモル比と同じにすれば、処理水中にアンモニアや亜硝酸の一方が多く残存するという問題を防止できるからである。
本発明の請求項12は前記目的を達成するために、アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、前記亜硝酸生成槽と前記嫌気性アンモニア酸化槽の少なくとも一方を多段に構成して、前記アンモニア性廃水を多段処理することを特徴とする。
請求項12は、亜硝酸生成槽と嫌気性アンモニア酸化槽の少なくとも一方を多段に構成することで、同時脱窒の処理の流れにおいて、アンモニアに関しては多段の前段から後段にかけて高濃度から低濃度になるように濃度勾配を形成し、亜硝酸に関しては多段の各槽での亜硝酸性窒素濃度の均一化を図るようにしたものである。
請求項13は請求項12において、前記亜硝酸生成槽と前記嫌気性アンモニア酸化槽とが交互に配置されることを特徴とする。
請求項13は、亜硝酸生成槽と嫌気性アンモニア酸化槽との多段構成する好ましい態様例を示したものである。
請求項14は請求項12又は13において、前記多段処理における各嫌気性アンモニア酸化槽内の亜硝酸濃度を80mg/L以下にすることを特徴とする。これは、亜硝酸濃度が80mg/Lを越えると、嫌気性アンモニア酸化細菌の活性が阻害され、同時脱窒性能が急激に低下するためである。
請求項15は請求項12〜14の何れか1において、前記多段処理における最後の嫌気性アンモニア酸化槽内におけるアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすることを特徴とする。このように、処理の流れの嫌気性アンモニア酸化槽内における最後の嫌気性アンモニア酸化槽内において嫌気性アンモニア酸化法によるアンモニアと亜硝酸のモル比を上述した反応式のモル比と同じにすれば、処理水中にアンモニアや亜硝酸の一方が多く残存するという問題を防止できるからである。
本発明の請求項16の廃水処理装置は請求項4〜15の何れか1の廃水処理方法を用いて行うことを特徴とする。本発明の廃水処理方法を適用するための装置構成とすることにより、脱窒速度を大きくすることができる。
以上説明したように本発明の嫌気性アンモニア酸化法及び廃水処理方法並びに装置によれば、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する際の脱窒速度を大きくすることができるので、嫌気性アンモニア酸化法を廃水処理に採用することを可能にすると共に、廃水処理の効率化を図ることができる。
以下添付図面に従って本発明に係る嫌気性アンモニア酸化法及び廃水処理方法並びに装置における好ましい実施の形態について詳説する。
本発明を説明する前に、先ず嫌気性アンモニア酸化細菌の脱窒速度に及ぼすアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素濃度に関する基質濃度特性について説明する。
これまで嫌気性アンモニア酸化細菌の脱窒速度を解明できていない原因として、嫌気性アンモニア酸化細菌の計測方法がなく菌数を把握できないことが大きな要因である。そこで、本発明では以下に示す嫌気性アンモニア酸化細菌の計測手法を新たに開発し、嫌気性アンモニア酸化細菌数の計測を可能とした。そして、集積した嫌気性アンモニア酸化細菌群の脱窒速度に及ぼすアンモニア性窒素濃度及び亜硝酸性窒素濃度に関する基質濃度特性を明確にし、この基質濃度特性にあった方法及び装置で嫌気性アンモニア酸化法及び廃水処理を行うことにより、脱窒速度の高速化を可能とし、廃水処理の効率化を図ることができるようにした。
(嫌気性アンモニア酸化菌数計測方法)
表1は、嫌気性アンモニア酸化細菌の計測のために開発した培地である。
Figure 2005313152
(注)この培地は10%ブロモチモルブルー液を数滴添加して使用。
表1の無機培地を試験管50mLずつ分注し、ダーラム管に入れオートクレーブにより121°Cで滅菌した。この培地に、最確値法(鈴木達彦編「土壌微生物実験法」養賢堂、P21−41(1978))に準じて菌数測定サンプルを希釈接種した。この培養において、接種は嫌気グローボックスで行い、嫌気条件下、37°Cで3ケ月培養した。培養後、ダーラム管にガスが溜まり且つ培地の色が緑から青に変化した試験管について、嫌気性アンモニア酸化細菌が陽性と判断した。この色の変化は窒素ガスが発生し且つアルカリ性に変化したことを意味する。陽性、陰性の判定の後、最確値法に準じて嫌気性アンモニア酸化細菌数を換算した。また、嫌気性アンモニア酸化細菌を包括固定化した包括担体での菌数測定は、包括担体をホモジナイズし、懸濁液を先と同様の培地を用い、最確値法で嫌気性アンモニア酸化細菌数を換算した。
一例として次式に、包括担体中の嫌気性アンモニア酸化細菌数の換算方法を示す。
(数1)Xp=Xo×(Vp+Vw)/Vp
ここで、Xp:担体内部の嫌気性アンモニア酸化細菌数(個/mL)
Xo:培地に接種した原液の嫌気性アンモニア酸化細菌数(個/mL)
Vp:原液の作製に供試した担体量(mL)
Vw:原液の作製に加えた殺菌水液量(mL)である。
処理に用いたアンモニア性廃水は、アンモニア性窒素濃度が500〜1000mg/L、亜硝酸性窒素濃度が100〜800mg/Lを含む無機合成廃水を使用した。また、下水処理場の活性汚泥から馴養した嫌気性アンモニア酸化細菌集積汚泥(アンモニアと亜硝酸を含有する無機廃水を3kg−N/m3 /日で馴養した汚泥)を実験に供試した。この嫌気性アンモニア酸化細菌集積汚泥には、嫌気性アンモニア酸化細菌数が6×108 個/mL含有していた。
集積した嫌気性アンモニア酸化菌数群の脱窒速度に及ぼすアンモニア性窒素濃度及び亜硝酸性窒素濃度に関する基質濃度特性は、負荷とアンモニア性窒素/亜硝酸性窒素の比を順次変えることにより、嫌気性アンモニア酸化槽内の亜硝酸性窒素濃度又はアンモニア性窒素濃度を変化させ、その時の脱窒速度を測定することにより調べた。
図1は、嫌気性アンモニア酸化細菌群の脱窒速度に及ぼすアンモニア性窒素濃度の影響を回分処理の初速度で測定した結果である。亜硝酸性窒素濃度は50mg/Lに固定し、アンモニア性窒素濃度をそれぞれ変えて回分試験を行った。その結果、図1に示すとおり、脱室速度に及ぼすアンモニア性窒素濃度の影響はMicheris・Menten型になった。回分試験では、アンモニア性窒素濃度300mg/Lまでしか行わなかったが、300mg/L以降は脱窒速度が略同じ値で推移するものと考察される。即ち、アンモニア性窒素濃度が高ければ高いほど嫌気性アンモニア酸化細菌が活性化して脱窒速度が大きくなることが分かる。従って、嫌気性アンモニア酸化法における脱窒速度を大きくするには、次に示す反応式におけるアンモニアと亜硝酸のモル比である1.0:1.32よりもアンモニアのモル比が高くなるように反応させ、且つ嫌気性アンモニア酸化槽からの処理水にはアンモニア性窒素が残存しないようすることが重要になる。
1.0 NH4 +1.32NO 2 +0.066HCO 3 +0.13H+ →1.02N 2 +0.26NO 3 +0.066CH2 O 0.5 N 0.15+2.03H2 O
図2は、嫌気性アンモニア酸化細菌群の脱窒速度に及ぼす亜硝酸性窒素濃度の影響を回分処理の初速度で測定した結果である。アンモニア性窒素濃度は200mg/Lに固定し、亜硝酸性窒素濃度をそれぞれ変えて回分試験を行った。その結果、図2に示すとおり、脱室速度に及ぼす亜硝酸性窒素濃度の影響はHaldane型になった。即ち、亜硝酸性窒素濃度を略ゼロな状態から次第に高くしていくと、脱窒速度は急激に大きくなり、亜硝酸性窒素濃度が50mg/L付近で脱窒速度がピークになる。しかし、その後は脱窒速度が急激に小さくなり、亜硝酸性窒素濃度が80mg/Lを越えると亜硝酸性窒素濃度が略ゼロのときよりも小さくなる。このことは、嫌気性アンモニア酸化細菌は、アンモニアとの反応のために亜硝酸は必要であるが、亜硝酸性窒素濃度が80mg/Lを越えると逆に強い阻害を受け活性が下がることが分かる。従って、嫌気性アンモニア酸化法における脱窒速度を大きくするには、亜硝酸性窒素濃度が80mg/L以下に、好ましくは30mg/L〜60mg/Lの範囲に維持することが必要である。この為には、嫌気性アンモニア酸化槽内に亜硝酸性窒素濃度の高濃度な部分が局部的にも発生しないように嫌気性アンモニア酸化槽内に亜硝酸を分散して均一化することが重要になる。
図1及び図2の結果から、嫌気性アンモニア酸化細菌に対する基質濃度特性を生かすように嫌気性アンモニア酸化法を行うには、同時脱窒の処理の流れにおいて、アンモニアに関しては上流側が高濃度で下流側が低濃度な濃度勾配が形成されるようにし、亜硝酸に関しては上流側から下流側にかけて均一な濃度で且つ80mg/L以下になるようにすることが重要である。これを方法及び装置として具体的に構成するには、アンモニアに関してはピストンフローで嫌気性アンモニア酸化槽に流入させることで達成でき、亜硝酸に関してはステップ流入で嫌気性アンモニア酸化槽に流入させることで達成できる。
次に、図3〜図12に従って、本発明の嫌気性アンモニア酸化法に準拠した本発明の廃水処理装置の各種の態様を説明する。
図3の廃水処理装置10は、亜硝酸生成槽12→嫌気性アンモニア酸化槽14→再曝気槽16→固液分離槽18の順に配置したものである。図3に示すように、原水導入管20から亜硝酸生成槽12に流入したアンモニア性廃水は、亜硝酸生成槽12内のアンモニア酸化細菌によりアンモニア性窒素濃度の約半分に相当するアンモニアが亜硝酸に酸化される。アンモニアから亜硝酸への変換率の調整は、例えば硝化率を制御することで行うことができ、以下同様である。これにより、上述した反応式におけるアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32の混在水を形成する。
亜硝酸生成槽12から嫌気性アンモニア酸化槽14に混在水を流入させるステップ流入本管22は3本の枝管22A,22B,22Cに分岐され、それぞれの枝管22A,22B,22Cは嫌気性アンモニア酸化槽14内の上流位置、中段位置、下流位置に延設される。これにより、混在水は、嫌気性アンモニア酸化槽14内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入し、混在水中のアンモニアと亜硝酸が嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒される。このように、混在水を嫌気性アンモニア酸化槽14にステップ流入させることにより、混在水中の亜硝酸は嫌気性アンモニア酸化槽14内の各部分に略等量に分配され、嫌気性アンモニア酸化槽内における亜硝酸性窒素濃度の均一化が図られる。この亜硝酸の均一化により槽14内、特に上流位置における亜硝酸性窒素濃度が局部的に高くならないので、脱窒速度を大きくすることができると共に、安定した脱窒を行うことができる。尚、図3では、3本の枝管22A,22B,22Cにしたが、2本でもよく或いは3本以上でもよい。また、混在水の亜硝酸性窒素濃度を80mg/L以下にすることが好ましい。更には、嫌気性アンモニア酸化槽14内に例えば不織布のような充填材24を浸漬させて、嫌気性アンモニア酸化細菌が充填材に付着されることで嫌気性アンモニア酸化細菌濃度を高めることが好ましい。そして、嫌気性アンモニア酸化槽14からの処理水は、再曝気槽16を経て固液分離槽18で固液分離され、最終処理水として排出される。
図4の廃水処理装置10は、分配器26→亜硝酸生成槽12及び嫌気性アンモニア酸化槽14への分配→再曝気槽16→固液分離槽18の順に配置したものである。尚、図3と同じ部材には同符号を付して説明すると共に、同じ説明は省略する。
原水導入管20を流れるアンモニア性廃水は分配器26で分配され、アンモニア性廃水の一部は亜硝酸生成槽12に流入する。亜硝酸生成槽12に流入したアンモニア性廃水中のアンモニアは全て亜硝酸に酸化され、亜硝酸性処理水が形成される。そして、亜硝酸性処理水が嫌気性アンモニア酸化槽14内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入する一方、分配器26で分配されたアンモニア性廃水の残りは、嫌気性アンモニア酸化槽14にピストンフローで流入される。このステップ流入により嫌気性アンモニア酸化槽14内での亜硝酸性窒素濃度の均一化が図られるので、槽14内、特に上流位置における亜硝酸性窒素濃度が局部的に高くならないと共に、ピストンフロー流入による押出流れにより、アンモニア性窒素濃度は嫌気性アンモニア酸化槽14内の上流位置で高く下流位置で低い濃度勾配が形成される。従って、嫌気性アンモニア酸化槽内の下流位置においてアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすれば、下流位置で従来と同様の大きさの脱窒速度となり、槽14内の中段位置で更に大きな脱窒速度となり、槽14内の上流位置で最も大きな脱窒速度が得ることができる。これにより、上流位置、中段位置、下流位置の平均脱窒速度は従来より顕著に大きくすることができると共に、嫌気性アンモニア酸化槽14からの処理水にアンモニアが残存することがない。従って、脱窒速度を大きくできると共に安定した脱窒を行うことができる。また、亜硝酸生成槽12ではアンモニアの全てを亜硝酸に酸化することができるので、図3に比べて亜硝酸生成槽12での制御が容易になり、嫌気性アンモニア酸化槽14に流入させるアンモニアと亜硝酸との比率を精度良く制御することができる。
そして、嫌気性アンモニア酸化槽14からの処理水は、再曝気槽16を経て固液分離槽で固液分離され、最終処理水として排出される。尚、図4の場合も、亜硝酸性処理水の亜硝酸性窒素濃度を80mg/L以下にすることが好ましい。
図5の廃水処理装置10は、塔型の嫌気性アンモニア酸化槽14を設けると共に、槽14内に嫌気性アンモニア酸化細菌を包括固定化した包括担体28、28…を充填した場合である。この塔型の嫌気性アンモニア酸化槽14は、小規模処理の場合に便利である。塔型の嫌気性アンモニア酸化槽14の場合、分配器26で分配されたアンモニア性廃水の一部は亜硝酸生成槽12で亜硝酸性処理水が形成され、亜硝酸性処理水を嫌気性アンモニア酸化槽の縦方向にステップ流入させる。一方、分配器26で分配されたアンモニア性廃水の残りは嫌気性アンモニア酸化槽14の底部からピストンフローで流入される。また、嫌気性アンモニア酸化槽14の底部近傍には窒素ガス吹き込み管30が配設されると共に、嫌気性アンモニア酸化槽14の頂部から減圧用配管32が延設され真空ポンプ34に接続される。嫌気性アンモニア酸化槽14内には、包括担体28を破壊しない程度の速度で嫌気性アンモニア酸化槽14内の液を攪拌する攪拌機36が設けられる。これにより、脱窒速度を大きくできると共に安定した脱窒を行うことができる。嫌気性アンモニア酸化槽14内でアンモニアと亜硝酸との同時脱窒で発生した窒素ガスは、減圧用配管32から速やかに嫌気性アンモニア酸化槽14外に排出される。この同時脱窒の運転前に窒素ガス吹き込み管30から窒素ガスを嫌気性アンモニア酸化槽14内に吹き込んで酸素を除去しておくことが好ましい。
図6の廃水処理装置10は、図3の変形例であり、亜硝酸生成槽12→第1の嫌気性アンモニア酸化槽14A→第2の嫌気性アンモニア酸化槽14B→第3の嫌気性アンモニア酸化槽14C→再曝気槽16→固液分離槽18の順に配置したものである。即ち、嫌気性アンモニア酸化槽を直列に配置された複数段の槽14A,14B,14Cで構成し、亜硝酸生成槽12で生成されたアンモニアと亜硝酸の混在水を複数段の各槽14A,14B,14Cにステップ流入させたものである。このステップ流入により、混在水中の亜硝酸が各槽14A,14B,14Cに略等量に分配され、各槽14A,14B,14Cにおける亜硝酸性窒素濃度の均一化が図られるので、前段槽14Aのみの亜硝酸性窒素濃度が局部的に高くなることはない。これにより、脱窒速度を大きくできると共に安定した脱窒を行うことができる。ちなみに、混在水の全てを第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aに流入させると、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aの亜硝酸性窒素濃度が局部的に高くなる。
表2は、嫌気性アンモニア酸化槽14の段数と各槽14A,14B,14Cの平均脱窒速度を調べた結果である。
Figure 2005313152
表2の結果から、嫌気性アンモニア酸化槽14が3段までは平均脱窒速度は大きくなるが、それ以上の段数を設けても殆ど変わらないので、嫌気性アンモニア酸化槽14の段数は3段が有効である。
図7の廃水処理装置10は、図4の変形例であり、分配器26→亜硝酸生成槽12及び第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aへ分配→第2の嫌気性アンモニア酸化槽14B→第3の嫌気性アンモニア酸化槽14C→再曝気槽16→固液分離槽18の順に配置したものである。これにより、亜硝酸性処理水は各槽14A,14B,14Cに略等量に分配されるので、図4と同様の効果を奏することができると共に、嫌気性アンモニア酸化槽14を複数段の槽14A,14B,14Cに明確に区画することにより、亜硝酸性窒素濃度の均一化をより精度良く行うことができる。また、アンモニア性廃水の残りを各槽14A,14B,14Cにピストフローで流入させることにより、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14A→第2の嫌気性アンモニア酸化槽14B→第3の嫌気性アンモニア酸化槽14Cの順にアンモニア性窒素濃度が小さくなる濃度勾配が形成される。従って、第3の嫌気性アンモニア酸化槽14Cにおけるアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすれば、第3の嫌気性アンモニア酸化槽14Cで従来と同様の大きさの脱窒速度となり、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bでは更に大きな脱窒速度となり、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aで最も大きな脱窒速度が得ることができる。これにより、各槽14A,14B,14Cの平均脱窒速度は従来より顕著に大きくすることができると共に、第3の嫌気性アンモニア酸化槽14Cからの処理水にアンモニアが残存することがない。これにより、脱窒速度を大きくできると共に安定した脱窒を行うことができる。また、亜硝酸生成槽12ではアンモニアの全てを亜硝酸に酸化することができるので、図6に比べて亜硝酸生成槽12での制御が容易になり、嫌気性アンモニア酸化槽14に流入させるアンモニアと亜硝酸との比率を精度良く制御することができる。
そして、最後の嫌気性アンモニア酸化槽14Cからの処理水は、再曝気槽16を経て固液分離槽で固液分離され、最終処理水として排出される。尚、図7の場合も、各槽14A,14B,14Cにおける亜硝酸性処理水の亜硝酸性窒素濃度を80mg/L以下にすることが好ましい。
表3は、ステップ流入とピストンフロー流入を併用したときの嫌気性アンモニア酸化糟14の段数と平均脱窒速度を検討した結果である。
Figure 2005313152
表3の結果から、表2のステップ流入のみの場合に比べて、ステップ流入とピストンフロー流入を併用すると同じ段数でも脱窒速度は速くなる。また、3段以上の場合も脱窒速度は少しずつ速くなるが、段数を増やし過ぎることによるコストアップと脱窒速度の速くなる程度を考慮すると、嫌気性アンモニア酸化槽14の段数は3段が有効である。
図8の廃水処理装置10は、第1の亜硝酸生成槽12A→嫌気性アンモニア酸化槽14→第2の亜硝酸生成槽12B→再曝気槽16→固液分離槽18の順に配置し、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bから第2の亜硝酸生成槽12Bへの戻し経路38を設けたものである。
図8に示すように、原水導入管20から第1の亜硝酸生成槽12Aに流入したアンモニア性廃水は、アンモニア濃度の略1/3に相当する量のアンモニアが亜硝酸に酸化され、亜硝酸性窒素濃度よりもアンモニア性窒素濃度が顕著に高い混在水が形成される。次に、混在水は嫌気性アンモニア酸化槽14に流入し、混在水中のアンモニアと亜硝酸とが嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒される。次に、嫌気性アンモニア酸化槽14で脱窒されずに残留した略1/3の量のアンモニアは第2の亜硝酸生成槽12Bに流入して全て亜硝酸に酸化される。この亜硝酸液は嫌気性アンモニア酸化槽14内の下流位置に戻し経路38を介して循環され、嫌気性アンモニア酸化細菌によりアンモニアと亜硝酸が同時脱窒される。即ち、第1の亜硝酸生成槽12Aでアンモニア性廃水のアンモニア濃度の略1/3に相当するアンモニアを亜硝酸に酸化すると、嫌気性アンモニア酸化槽14の上流位置での同時脱窒により1/3の量のアンモニアが残留して下流位置に流れる一方、第2の亜硝酸生成槽12Bから1/3の量の亜硝酸が嫌気性アンモニア酸化槽14の下流位置に戻される。これにより、嫌気性アンモニア酸化槽14の下流位置では1/3の量のアンモニアと1/3の量の亜硝酸が同時脱窒される。このように、第1の亜硝酸生成槽12Aにおけるアンモニア性窒素濃度を亜硝酸性窒素濃度よりも顕著に高くすることで、アンモニアに関しては嫌気性アンモニア酸化槽14内の上流側が高濃度で下流側が低濃度な濃度勾配が形成される。また、第2の亜硝酸生成槽12Bからの亜硝酸液を嫌気性アンモニア酸化槽14の下流位置に戻すことで、嫌気性アンモニア酸化槽14内における亜硝酸性窒素濃度が均一化される。この下流位置でのアンモニアと亜硝酸のモル比が略1.0:1.32になるので、従来と同様の大きさの脱窒速度となり、上流位置ではそれよりも大きな脱窒速度となる。これにより、嫌気性アンモニア酸化槽14内の脱窒速度を大きくすることができると共に、安定した脱窒を行うことができる。この場合も、嫌気性アンモニア酸化槽14内での亜硝酸性窒素濃度を80mg/L以下にすることが好ましい。そして、第2の亜硝酸生成槽12Bからの処理水は、再曝気槽16を経て固液分離槽18で固液分離され、最終処理水として排出される。
図9の廃水処理装置10は、第1の亜硝酸生成槽12A→第1の嫌気性アンモニア酸化槽14A→第2の亜硝酸生成槽12B→第2の嫌気性アンモニア酸化槽14B→再曝気槽16→固液分離槽18の順に配置したものであり、2つの亜硝酸生成槽12A,12Bと2つの嫌気性アンモニア酸化槽14A,14Bとを交互に組み合わせたものである。この場合には、原水導入管20から第1の亜硝酸生成槽12Aに流入したアンモニア性廃水は、アンモニア濃度の略1/3の量に相当するアンモニアが亜硝酸に酸化され、亜硝酸性窒素濃度よりもアンモニア性窒素濃度が顕著に高い混在水が形成される。次に、混在水は第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aに流入し、混在水中のアンモニアと亜硝酸とが嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒される。次に、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aで脱窒されずに残留した略1/3のアンモニアは更にその1/2(最初のアンモニア性廃水から見ると1/6)の量を第2の亜硝酸生成槽12Bで亜硝酸に酸化し、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bに流入させる。第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bでは、1/6の量のアンモニアと1/6の量の亜硝酸が同時脱窒される。このように、第1の亜硝酸生成槽12Aにおけるアンモニア性窒素濃度を亜硝酸性窒素濃度よりも顕著に高くすることで、アンモニアに関しては第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aが高濃度で第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bが低濃度な濃度勾配が形成される。また、第1及び第2の嫌気性アンモニア酸化槽14A,14Bを設けて多段化することで、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aでの亜硝酸性窒素濃度を下げることができ、嫌気性アンモニア酸化細菌の活性が低下することがない。従って、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bにおけるアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすれば、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bで従来と同様の大きさの脱窒速度となり、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aでは更に大きな脱窒速度となる。これにより、各槽14A,14Bの平均脱窒速度は従来より顕著に大きくすることができると共に、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bからの処理水にアンモニアが残存することがない。この場合、嫌気性アンモニア酸化槽14の段数は、アンモニア性廃水のアンモニアをどの程度亜硝酸に変換して第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aに流入させるかで設定され、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aの亜硝酸性窒素濃度が80mg/L以下になるように設定する。そして、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bからの処理水は、再曝気槽16を経て固液分離槽18で固液分離され、最終処理水として排出される。
図10の廃水処理装置10は、図9の第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bからの処理水の一部を戻し経路38を介して第2の亜硝酸生成槽12Bに戻すようにしたものである。これにより、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bからの処理水に残留するアンモニアや亜硝酸の後処理槽を設けたことと同じになるので、コンパクトな設備で最終的に放流する処理水のアンモニア濃度や亜硝酸濃度を低減できる。
図11の廃水処理装置10は図8の変形例であり、原水導入管20に分配器26を設けて、アンモニア性廃水の一部が第1の亜硝酸生成槽12Aに流入し、アンモニア性廃水の残りが嫌気性アンモニア酸化槽14に直接流入するように構成したものである。これにより、第1の亜硝酸生成槽12Aではアンモニアの全てを亜硝酸に酸化することができるので、図8に比べて第1の亜硝酸生成槽12Aでの制御が容易になり、嫌気性アンモニア酸化槽14に流入させるアンモニアと亜硝酸との比率を精度良く制御することができる。
図12は、分配器26→第1の亜硝酸生成槽12A及び第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aに分配→第2の嫌気性アンモニア酸化槽14B→第2の亜硝酸生成槽12B→再曝気槽16→固液分離槽18の順に配列したものである。分配器26で分配されたアンモニア性廃水の一部が第1の亜硝酸生成槽12Aに流入して、アンモニアの全てが亜硝酸に変換されて第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aに流入する一方、分配器26で分配されたアンモニア性廃水の残りが第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aに直接流入する。そして、第1及び第2から成る2段の嫌気性アンモニア酸化槽14A,14Bでアンモニアと亜硝酸が同時脱窒される。また、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bで残存したアンモニアが第2の亜硝酸生成槽12Bで全て亜硝酸に酸化され、この硝化液が第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bに戻り経路38を介して循環される。これにより、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aで残留したアンモニアが第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bに流入するので、アンモニアに関して第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aが高濃度で、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bが低濃度な濃度勾配が形成される。また、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bで残存したアンモニアが第2の亜硝酸生成槽12Bで全て亜硝酸に酸化され、この硝化液が第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bに戻り経路38を介して循環されるので、亜硝酸に関しては第1及び第2の嫌気性アンモニア酸化槽14A,14Bで均一化される。従って、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bにおけるアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすれば、第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Cで従来と同様の大きさの脱窒速度となり、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aでは更に大きな脱窒速度となる。これにより、各槽14A,14Bの平均脱窒速度を従来より顕著に大きくすることができる。また、第1及び第2の亜硝酸生成槽12A,12Bではアンモニアの全てを亜硝酸に変換するので制御が容易になる。この場合、第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aでの亜硝酸性窒素濃度が80mg/mL 以下になるように分配器26でのアンモニア性廃水の分配比率を設定するとよい。これにより、廃水処理装置10の脱窒速度を大きくすることができると共に、安定した脱窒を行うことができる。
以上、図3〜図12において、本発明の廃水処理装置10における各種の態様を説明したが、全ての嫌気性アンモニア酸化槽14内に図5のように窒素ガス吹き込み管30を設けて、運転開始時に窒素ガスを吹き込み脱気し、酸素を除去することが好ましい。また、図5のように、全ての嫌気性アンモニア酸化槽14に減圧用配管32と真空ポンプ34を設け、嫌気性アンモニア酸化槽14内を減圧することも脱窒速度を高速化する上で効果的である。また、亜硝酸生成槽12にはアンモニア酸化細菌を固定化した担体を用いるとよい。担体の場合は完全混合の槽でもよい。
また、嫌気性アンモニア酸化槽14の立ち上げについては、微生物の総菌数が107 個/mL以上で、且つアンモニア性廃水中の嫌気性アンモニア酸化細菌数が1/10〜1/1000の範囲で立ち上がりが非常に早い。嫌気性アンモニア酸化槽14で使用する嫌気性アンモニア酸化細菌は、浮遊菌又は嫌気性アンモニア酸化細菌を包括固定化した包括担体の何れでもよい。
嫌気性アンモニア酸化細菌の固定化には付着固定と包括固定の2つの方法が用いることができる。付着固定では球状や筒状などの担体、ひも状材料、ゲル状担体、不織布状材料など凹凸が多い材料が付着しやすく除去率が向上する。包括固定では嫌気性アンモニア酸化細菌と固定化材料(モノマ、プレポリマ)を混合した混合液を重合し、ゲルの内部に嫌気性アンモニア酸化細菌を包括固定化する。モノマー材料としてはアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、トリアクリルフォルマールなどがよい。プレポリマ材料としてはポリエチレングリコールジアクリレートやポリエチレングリコールメタアクリレートがよく、その誘導体を用いることができる。形状は球状や筒状などの包括担体、ひも状包括担体、不織布状など凹凸が多い包括担体が接触効率がよく脱窒速度が向上する。
嫌気性アンモニア酸化細菌を付着固定又は包括固定の方法で固定化した担体の脱窒速度を調べるために、図4の装置構成で試験した。即ち、表4に示す各種の担体を担体充填率25%になるように嫌気性アンモニア酸化槽も充填し、アンモニア性廃水を処理した。固定化に使用した種汚泥は、アンモニアと亜硝酸で集積培養して得られた脱窒速度1.2kg−N/m3 /日の能力をもった汚泥であり、嫌気性アンモニア酸化細菌濃度が8×106 ce11/cm3 であり、総菌数8×108 cell/cm3 であった。
その結果、表4に示すように、4週間後には、何れの付着担体又は包括担体の場合にも200(mg-N/L/h)以上の高い脱窒速度を得ることができた。
尚、固液分離槽18からの最終処理水は、沈殿池を経て流出してもよく、他の高度処理槽で処理してもよい。また沈殿池での沈殿濃縮汚泥を本発明における各槽に返送してもよい。
Figure 2005313152
(第1実施例)
以下、本発明の実施例を説明するが、こられの実施例に限定するものではない。
第1実施例では、図3、図4、図6、図7、図8、図11、図12の本発明の装置構成の廃水処理装置を用いた場合と、図13の従来例の装置構成の廃水処理装置を用いた場合の脱窒速度を比較した。実験は以下の通り行った。
アンモニアと亜硝酸で集積培養して得られた脱窒速度1.2kg−N/m3 /日の能力をもった集積培養汚泥を実験に供試した。この集積培養汚泥の嫌気性アンモニア酸化細菌濃度は8×108 cell/mL であった。そして、図3、図4、図6、図7、図8、図11、図12の廃水処理装置10における嫌気性アンモニア酸化槽14に、この集積培養汚泥を投入した。更に、嫌気性アンモニア酸化槽14に活性汚泥を加えることにより、MLSSとして4000mg/L、総菌数4×108 cell/cm3 、嫌気性アンモニア酸化細菌濃度8×105 cell/mL の条件を形成して運転を開始した。
実験に供試した廃水は、アンモニア性窒素濃度1000mg/Lの無機廃水を用い、負荷1kg−N/m3 /日で運転を開始した。始めの10日間は4倍希釈が必要であったが、その後、徐々に希釈率を下げ、嫌気性アンモニア酸化槽14の最大負荷5.3kg−N/m3 /日まで運転を行った。
それぞれの実験条件は次の通りである。尚、以下の実験において、亜硝酸酸化槽12では当初より高負荷運転を行い、嫌気性アンモニア酸化槽14への供給に十分な処理水を確保し、不要な量の亜硝酸酸化槽からの処理水はバイパスし系外に排出した。
[実施例A]図3の装置構成での実験条件
(亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷:2kg−N/m3 /日
(2) 馴養したアンモニア酸化細菌の包括担体を20%充填率で充填
(3) 好気性条件によりアンモニアの約半分を亜硝酸に変換
(嫌気性アンモニア酸化槽)
(1) 負荷1kg−N/m3 /日で順次増加させた
(2) 不織布充填材を40%充填率で充填
(3) 混在水のステップ流入は3箇所 上流位置、中段位置、下流位置における槽幅方向の
中央部で流入させた
[実施例B]図4の装置構成での実験条件
(亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷:0.8kg−N/m3 /日
(2) 馴養したアンモニア酸化細菌の包括担体を20%充填率で充填
(3) 好気性条件によりアンモニアの全部を亜硝酸に変換
(嫌気性アンモニア酸化槽)
(1) 負荷1kg−N/m3 /日で順次増加させた
(2) 不織布充填材を40%充填率で充填
(3) 混在水のステップ流入は3箇所 上流位置、中段位置、下流位置における槽幅方向の中央部で流入させた
(分配器)
分配器でのアンモニア性廃水の分配率は5:5
[実施例C]図6の装置構成での実験条件
(亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷:2kg−N/m3 /日
(2) 馴養したアンモニア酸化細菌の包括担体を20%充填率で充填
(3) 好気性条件によりアンモニアの全部を亜硝酸に変換
(嫌気性アンモニア酸化槽)
(1) 3槽合計で負荷1kg−N/m3 /日で運転し、順次増加させた
(2) 不織布充填材を40%充填率で充填
(3) 3槽は等容積
[実施例D]図7の装置構成での実験条件
(分配器)
分配器による亜硝酸生成槽と嫌気性アンモニア酸化槽へのアンモニア性廃水の分配率は5:5
(亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷:2kg−N/m3 /日
(2) 馴養したアンモニア酸化細菌の包括担体を20%充填率で充填
(3) 好気性条件によりアンモニアの全部を亜硝酸に変換
(嫌気性アンモニア酸化槽)
(1) 3槽合計で負荷1kg−N/m3 /日で運転し、順次増加させた
(2) 不織布充填材を40%充填率で充填
(3) 3槽は等容積
[実施例E]図8の装置構成での実験条件
(亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷:2kg−N/m3 /日
(2) 馴養したアンモニア酸化細菌の包括担体を20%充填率で充填
(3) 好気性条件によりアンモニアの濃度の約1/3を亜硝酸に変換
(第1の嫌気性アンモニア酸化槽)
負荷1kg−N/m3 /日で運転し、順次増加させた
(第2の嫌気性アンモニア酸化槽)
アンモニア性窒素付加が0.6kg−N/m3 /日
(循環比率)
第2亜硝酸生成槽の硝化液を200%嫌気性アンモニア酸化槽の下流位置に循環
[実施例F]図11の装置構成での実験条件
(分配器)
分配器による亜硝酸生成槽と嫌気性アンモニア酸化槽へのアンモニア性廃水の分配率は5:5
(亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷:0.8kg−N/m3 /日
(2) 馴養したアンモニア酸化細菌の包括担体を20%充填率で充填
(3) 好気性条件によりアンモニアの全てを亜硝酸に変換
(第1の嫌気性アンモニア酸化槽)
(1) 負荷1kg−N/m3 /日で運転し、順次増加させた
(2)不織布充填材を40%充填率で充填
(第2の嫌気性アンモニア酸化槽)
アンモニア性窒素付加が0.6kg−N/m3 /日
(循環比率)
第2亜硝酸生成槽の硝化液を200%嫌気性アンモニア酸化槽の下流位置に循環
[実施例G]図12の装置構成での実験条件
(分配器)
分配器による亜硝酸生成槽と嫌気性アンモニア酸化槽へのアンモニア性廃水の分配率は5:5
(亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷:0.8kg−N/m3 /日
(2) 馴養したアンモニア酸化細菌の包括担体を20%充填率で充填
(3) 好気性条件によりアンモニアの全てを亜硝酸に変換
(第1の嫌気性アンモニア酸化槽)
(1) 第2の嫌気性アンモニア酸化槽との合計負荷が1kg−N/m3 /日で運転し、順次増加させた
(2)不織布充填材を40%充填率で充填
(第2の嫌気性アンモニア酸化槽)
アンモニア性窒素付加が0.6kg−N/m3 /日
(循環比率)
第2亜硝酸生成槽の硝化液を200%で第2の嫌気性アンモニア酸化槽に循環
[従来例]
従来例の装置構成は、図13に示すように、原水導入管から亜硝酸生成槽に流入したアンモニア性廃水のアンモニアの半分の濃度が亜硝酸に変換された混在水が形成される。この混在水の全量が嫌気性アンモニア酸化槽の上流位置に流入しアンモニアと亜硝酸とが嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒される。嫌気性アンモニア酸化槽からの処理水は再曝気槽を経由して固液分離槽で固液分離され、最終処理水として排出される。かかる比較例の実験条件は以下の通りである。
(亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷:2kg−N/m3 /日
(2) 馴養したアンモニア酸化細菌の包括担体を20%充填率で充填
(3) 好気性条件によりアンモニアの半分を亜硝酸に変換
(嫌気性アンモニア酸化槽)
(1) 負荷が1kg−N/m3 /日で運転し、順次増加させた
(2)不織布充填材を40%充填率で充填
以上の条件で行った結果を表5に示す。
Figure 2005313152
その結果、実施例A〜Gおける嫌気性アンモニア酸化槽14の脱窒速度は、最小2.8〜最大5.0(kg-N/m 3 / 日)であり、従来例による嫌気性アンモニア酸化槽14での脱窒速度より、1.1倍〜1.9倍大きな脱窒速度を得ることができた。これにより、本発明の廃水処理装置を用いることにより脱窒速度を従来よりも大きくできるので、アンモニア性廃水を処理する際の廃水処理効率を向上させることができる。
(第2実施例)
第2実施例では以下のように作製した包括固定化担体でアンモニア性廃水を処理したときの窒素除去率及び運転の立ち上げ期間を調べた。
種汚泥はアンモニアと亜硝酸で集積培養し得られた脱室速度1.2kg−N/m3 /日の能力をもった汚泥で、初期濃度8×108 cell/cm3 を固定化の種菌として供試した。種菌を遠心分離で回収し、この菌と活性汚泥を分子量4000番のポリエチレングリコールジアクリレート(固定化材)に懸濁し、過硫酸カリウムを添加することにより重合して、次に示す組成の包括固定化担体を作製した。
・嫌気性アンモニア酸化細菌:4×105 cell/cm3
・総菌数 :3×108 cel/cm3
・ポリエチレングリコールジアクリレート:10%
・過硫酸カリウム :0.25%
このゲルを3mm角に成形し、図12の第1の嫌気性アンモニア酸化槽14Aと第2の嫌気性アンモニア酸化槽14Bに充填率38%になるよう充填した。運転条件は以下の通りである。
(分配器)
分配器によるアンモニア性廃水の分配率 5:5
(亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷 :0.8kg−N/m3 /日
(2) 馴養したアンモニア酸化細菌の包括担体を20%の充填率で充填
(3) 好気性条件で、アンモニア性廃水のアンモニアを全て亜硝酸に変換
(嫌気性アンモニア酸化槽)
(1) 第2の嫌気性アンモニア酸化槽との合計負荷で0.5kg−N/m3 /日で運転し、順次増加させた
(第2の亜硝酸生成槽)
(1) アンモニア性窒素負荷:0.6kg−N/m3/日
(循環比率)
第2の亜硝酸生成槽の硝化液を200%を第2の嫌気性アンモニア酸化槽に循環
そして、アンモニア性窒素濃度(T−N)600mg/L のアンモニア性廃水を用いて、負荷0.5kg−N/m3 /日で運転を開始した。徐々に負荷を増大させ、8週間後、負荷4kg−N/m3 /日でT−N除去率80%以上を得ることができ、その後、除去率80〜90%で安定した。このように、本発明の廃水処理装置を用いることで、高い窒素除去率を得ることができると共に、運転の立ち上がりを早くすることができる。
脱窒速度の及ぼすアンモニア性窒素濃度の影響を示すグラフ 脱窒速度の及ぼす亜硝酸性窒素濃度の影響を示すグラフ 本発明の廃水処理装置の一態様を示す全体構成図 本発明の廃水処理装置の別の態様を示す全体構成図 本発明の廃水処理装置の更に別の態様を示す全体構成図 本発明の廃水処理装置の更に別の態様を示す全体構成図 本発明の廃水処理装置の更に別の態様を示す全体構成図 本発明の廃水処理装置の更に別の態様を示す全体構成図 本発明の廃水処理装置の更に別の態様を示す全体構成図 本発明の廃水処理装置の更に別の態様を示す全体構成図 本発明の廃水処理装置の更に別の態様を示す全体構成図 本発明の廃水処理装置の更に別の態様を示す全体構成図 従来例の廃水処理装置の一態様を示す全体構成図
符号の説明
10…廃水処理装置、12…亜硝酸生成槽、14…嫌気性アンモニア酸化槽、16…再曝気槽、18…固液分離槽、20…原水導入管、22…ステップ流入本管、22A,22B,22C…枝管、24…充填材、26…分配器、28…包括担体、30…窒素ガス吹き込み管、32…減圧用配管、34…真空ポンプ

Claims (16)

  1. アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化法であって、
    前記同時脱窒する処理の流れにおいて、前記アンモニアに関しては上流側が高濃度で下流側が低濃度な濃度勾配が形成されるようにし、前記亜硝酸に関しては前記上流側から前記下流側にかけて均一な濃度になるようにすることを特徴とする嫌気性アンモニア酸化法。
  2. 前記上流側から下流側にかけて亜硝酸の亜硝酸性窒素濃度を80mg/L以下にすることを特徴とする請求項1の嫌気性アンモニア酸化法。
  3. 前記下流側においてアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすることを特徴とする請求項1又は2の嫌気性アンモニア酸化法。
  4. アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、
    前記アンモニア性廃水を前記亜硝酸生成槽で処理してアンモニアと亜硝酸とが混在する混在水を形成し、該混在水を前記嫌気性アンモニア酸化槽内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入させることを特徴とする廃水処理方法。
  5. アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、
    前記嫌気性アンモニア酸化槽を直列に配置された複数段の槽で構成すると共に、前記アンモニア性廃水を前記亜硝酸生成槽で処理してアンモニアと亜硝酸とが混在する混在水を形成し、該混在水を前記複数段の槽にステップ流入させることを特徴とする廃水処理方法。
  6. 前記混在水の亜硝酸性窒素濃度を80mg/L以下にすることを特徴とする請求項4又は5の廃水処理方法。
  7. 前記混在水のアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすることを特徴とする請求項4〜6の何れか1の廃水処理方法。
  8. アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、
    前記アンモニア性廃水の一部を前記亜硝酸生成槽で処理して亜硝酸性処理水を形成し、該亜硝酸性処理水を前記嫌気性アンモニア酸化槽内の上流位置から下流位置の複数位置にステップ流入させる一方、前記アンモニア性廃水の残りを前記嫌気性アンモニア酸化槽にピストンフロー流入させることを特徴とする廃水処理方法。
  9. アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、
    前記嫌気性アンモニア酸化槽を直列に配置された複数段の槽で構成すると共に、前記アンモニア性廃水の一部を前記亜硝酸生成槽で処理して亜硝酸性処理水を形成し、該亜硝酸性処理水を前記複数段の槽にステップ流入させる一方、前記アンモニア性廃水の残りを前記複数段の槽にピストンフロー流入させることを特徴とする廃水処理方法。
  10. 前記亜硝酸性処理水の亜硝酸性窒素濃度を80mg/L以下にすることを特徴とする請求項8又は9の廃水処理方法。
  11. 前記嫌気性アンモニア酸化槽の前記下流位置におけるアンモニア濃度と亜硝酸濃度のモル比、又は前記複数段の最後の槽におけるアンモニア濃度と亜硝酸濃度のモル比が1.0:1.32になるようにすることを特徴とする請求項8〜10の何れか1の廃水処理方法。
  12. アンモニアから亜硝酸を生成する亜硝酸生成槽と、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽とを用いてアンモニア性廃水を処理する廃水処理方法において、
    前記亜硝酸生成槽と前記嫌気性アンモニア酸化槽の少なくとも一方を多段に構成して、前記アンモニア性廃水を多段処理することを特徴とする廃水処理方法。
  13. 前記亜硝酸生成槽と前記嫌気性アンモニア酸化槽とが交互に配置されることを特徴とする請求項12の廃水処理方法。
  14. 前記多段処理における各嫌気性アンモニア酸化槽内の亜硝酸性窒素濃度を80mg/L以下にすることを特徴とする請求項12又は13の廃水処理方法。
  15. 前記多段処理における最後の嫌気性アンモニア酸化槽内におけるアンモニアと亜硝酸のモル比が1.0:1.32になるようにすることを特徴とする請求項12〜14の何れか1の廃水処理方法。
  16. 請求項4〜15の何れか1の廃水処理方法を実施するように装置構成されていることを特徴とする廃水処理装置。
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