JP2005312953A - 鋼管部材移動用補助具 - Google Patents

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Katsuyuki Kumagai
勝行 熊谷
Shinichi Aitsu
伸一 合津
Tsuneo Aoki
恒夫 青木
Toshihide Ito
敏秀 伊藤
Hideaki Matsuno
秀明 松野
Shuichi Okazaki
修一 岡崎
Masashi Uchikawa
政志 内川
Naoyuki Shiokawa
直幸 塩川
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Abstract

【課題】作業者が送電用鋼管鉄塔を構成する鋼管部材を安定して移動できるようにすると共に命綱で万一ぶら下がり状態となっても、自力で鋼管部材によじ登れる技術を提供すること。
【解決手段】鉄塔2を構成する鋼管部材3を作業者が騎馬状態で移動する際にその移動を補助する鋼管部材移動用補助具1Aであって、この補助具1Aは、作業者の進行方向に対して両側に位置し、鋼管部材3の外周面から着脱自在であり、必要に応じて堅固に取り付け可能なハンドル7F,7Mを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は鋼管部材上で作業する作業者の移動技術に関する。
送電用鋼管鉄塔の組み立てや保守点検を作業者が行う際に、送電用鋼管鉄塔の構成部材上を移動するには、送電用鋼管鉄塔の支柱間に移動用の手捕まりロープを張るなどといった大がかりな安全対策が必要である。
また、鋼管部材の表面は曲面であり、足場として移動するには不安定な場所であるため、鋼管部材上の移動は作業者の技能と経験が必要である。
また、移動にあたりバランスを崩すと、作業者は命綱によって銅管部材にぶら下がり状態になるが、多くの場合、作業者は鋼管部材によじ登ることができずに、救助者が来るまでぶら下がり状態になる。
本発明はこのような実情に鑑みて為されたものであり、その解決しようとする課題は、鉄塔、例えば送電用鋼管鉄塔の組み立てや保守点検を行う作業者が、その構成部材である鋼管部材を移動することが容易にかつ安定して行えると共に、鋼管部材の移動中に鉄塔から万一滑り落ち、命綱によってぶら下がり状態となっても、鋼管部材に自力でよじ登ることができる技術を提供することにある。
前記した課題を解決するために、本発明の鋼管部材移動用補助具は以下の手段を採用した。本発明の鋼管部材移動用補助具は、水平又はほぼ水平方向に延びる鋼管部材を作業者が騎馬状態で移動する際にその移動を補助する。
(1)鋼管部材の外周面に取り付けられ作業者の進行方向に対して両側に位置し、鋼管部材の外周面から着脱自在であり、必要に応じて堅固に取り付け可能なハンドルを備える。(2)鋼管部材の外周面に共に設置され、少なくとも上面側で当接される帯体およびこの帯体を介して連結され作業者の進行方向に対して左右両側に配置される一対のハンドルを備え、前記鋼管部材に前記帯体を跨るように掛けた状態で、前記一対のハンドルを作業者が把持して当該ハンドルに体重を掛けると、当該一対のハンドル間で前記帯体が緊張されるようにする。
(3)鋼管部材の外周面に共に設置され、作業者の進行方向に対して左右両側に配置される一対のハンドルと、両ハンドルを連結する帯体とを備え、前記帯体は、前記鋼管部材の上面側に添わせて配置される第1の帯体と、前記鋼管部材の下面側に添わせて配置される第2の帯体と、それら第1の帯体及び第2の帯体の少なくとも一方に設けられた長さ調整具とを含む。
(4)前記一対のハンドルは、作業者が移動時に把持する把手部と、この把手部の一端側に設けられ鋼管部材に面接触する面接触部とをそれぞれ備え、前記一対のハンドルの一方が固定ハンドルで、他方が締め付けハンドルであり、前記締め付けハンドルは、回転操作によって前記面接触部を前記鋼管部材に押し付けることで、前記第1の帯体と第2の帯体に張力を与えて引き締める引き締め手段を含む。
(5)前記引き締め手段は、把手部と面接触部との間に配置されて把手部側に固定された帯体通し部と、一端が帯体通し部を貫通して面接触部に連結され、他端が前記把手部を貫通して外部に突出したねじ棒と、そのねじ棒を回転操作するレバーと、前記把手部に設けられて前記ねじ棒と螺合する雌ねじを含む。
(6)前記第2の帯体には、鋼管部材の下方に垂下して作業者の脚または足を掛けるための足掛手段が連結されている。
(7)鋼管部材に巻き付けられる帯体と、この帯体を介して連結される一対のハンドルとを備え、前記ハンドルのうちの一方は、前記帯体に固定される固定ハンドルであり、他方は、前記帯体上を移動すると共に前記一方のハンドルに対して近づけられたり遠ざけられたりする可動ハンドルであり、少なくとも固定ハンドルには、前記帯体を鋼管部材に巻き付けた後に必要に応じて前記帯体の引き締めを行い、当該引き締めに連動させて前記鋼管部材を前記固定ハンドルおよび前記可動ハンドルで押圧する引締手段を有する。
(8)前記可動ハンドルは、前記帯体に沿って当該ハンドルを鋼管部材の外周円上の所望箇所に移動後、当該所望の箇所にて帯体に仮止めされる仮止手段を有する。
(9)前記固定ハンドルは、当該ハンドルの軸方向に対して直角方向に延び作業者の脚または足を掛けるための足掛手段を有する。
(10)前記足掛手段は、前記固定ハンドルに対して着脱自在なハシゴ体である。
(11)前記一対のハンドルは、作業者が移動時に把持する把手部と、この把手部の一端側に設けられ鋼管部材に面接触する面接触部と、前記帯体と前記両ハンドルとを連結するために帯体を通す帯体通し孔を有する帯体通し部とをそれぞれ有し、前記固定ハンドルに係る帯体通し部に前記引締手段を設ける。
(12)前記引締手段は、前記帯体の引き締め及び解除を行うレバーを有する。
(13)前記面接触部は、これを鋼管部材に対して摺動すると、鋼管部材との間に摩擦力を生じる材質でできている。
(14)前記面接触部は着脱自在に設けられている。
(15)前記面接触部の前記鋼管部材との接触面の曲率は、鋼管部材の曲率に合致している。
(16)前記仮止手段は、前記可動ハンドルの把手部の先端部に形成した雄ねじ部と、
前記帯体通し部に形成され前記帯体通し孔と直交しかつ前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部とを有し、前記帯体通し部の帯体通し孔に前記帯体を通した状態で前記雄ねじ部の前記雌ねじ部に対するねじ込み量の多寡により、前記雄ねじ部の先端による前記帯体及び面接触部の前記鋼管部材側への押圧力を加減する。
(17)前記帯体通し孔は、鋼管部材の外周面の曲率に合致させると好適である。
(18)前記把手部は、これを前記面接触部に対して傾動自在にすると共に傾動状態を保持する傾動状態保持機構と接続されている。
(19)また本発明は、鋼管部材上での作業者移動方法でもある。本方法は、前記(8)〜(20)項のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具を用いると共に次のステップ(i)〜(vii)を有する。
(i)進行方向左右両側にハンドルが位置するように鋼管部材に帯体を掛けるステップ
(ii)固定ハンドルの帯体通し孔に帯体の自由端を通し、鋼管部材に帯体を巻き付けるステップ
(iii)可動ハンドルをその仮止手段により鋼管部材に仮止めするステップ
(iv)鋼管部材移動用補助具を手前側にして鋼管部材に跨るステップ
(v)両ハンドルを握り前進させるステップ
(vi)両腕に重心を移動して腰を浮かした状態のまま前方に上体移動し、その後前方へ腰から下の部分も移動するステップ
(vii)ステップ(v)および(vi)を繰り返すステップ
(16)さらに本発明は、鋼管部材に命綱でぶら下がり状態にある時に前記(8)〜(14)項のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具を用いると共に、次の(i)〜(iv)のステップを経て鋼管部材へよじ登る鋼管部材への復帰方法である。
(i)帯体に沿って鋼管部材の上方に可動ハンドルを移動し、鋼管部材の頂点近傍に位置させるステップ
(ii)引締手段のレバー操作により帯体を完全に引き締めて固定ハンドルと可動ハンドルとを鋼管部材に堅固に取り付けるステップ
(iii)可動ハンドルと固定ハンドルを把持するステップ
(iv)ハシゴ体に足を掛けて鋼管部材によじ登るステップ。
したがって本発明によれば、送電用鋼管鉄塔その他の鉄塔の構成部材である鋼管部材に手捕まりを設けたと同じように、固定・可動の両ハンドルが機能するので、鉄塔の組み立てや保守点検を行う作業者が、鋼管部材を移動することが、これらのハンドルを把持することで容易となり、また安心して行える。また、移動中に鉄塔から滑り落ち、命綱によってぶら下がり状態となっても、ハンドルやハシゴ体に手や足を掛けることで作業者は鋼管部材に自力でよじ登れる。
本発明によれば、ぶら下がり状態にある作業者は、救助者が来るまで高所での不自然な体勢による苦痛や恐怖感に長い間耐える必要がなくなる。またぶら下がり状態になってもすぐに鋼管部材上に復帰できるため、作業性の向上に寄与する。
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態)を添付した図面を参照して説明する。
鋼管部材移動用補助具1Aおよび1Bは、図1に示すような送電用鋼管鉄塔(以下鉄塔)2の構成部材の一つである円筒形鋼管部材(以下、鋼管部材)3上を作業者が騎馬状態で移動する際(図1の領域Aおよび図2等参照)に、その移動を補助する用具である。
鋼管部材移動用補助具1Aは、図2〜図14等からわかるように、鋼管部材3に巻き付けられる帯体5と、この帯体5を介して連結される一対のハンドル7F,7Mとを備える。鋼管部材移動用補助具1Aは、ハンドルを有するのでハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aと称する。
帯体5は、柔軟性および剛性に優れており、例えば、布製または革製のベルトやチェーンが適用される。ベルトやチェーンは折り畳めるため、コンパクト化できて持ち運びに便利である。
一方のハンドル7Fは、帯体5の一端に固定されるので固定ハンドルという。
また、他方のハンドル7Mは、帯体5上を移動して、固定ハンドル7Fに対して近づけられたり遠ざけられたりするので、可動ハンドルという(図5参照)。
固定ハンドル7Fおよび可動ハンドル7Mは、機能上相違するが外観上類似している(図5,図6参照)。その基本構造は、作業者が移動時に把持する円筒形状把手部(以下、把手部)71と、把手部71の一端側に設けられ、鋼管部材3に面接触する断面弧状の面接触部72と、把手部71と面接触部72との間に位置し、帯体5と両ハンドル7F,7Mとを連結するために帯体5を通す帯体通し部77とを有する。なお、把手部71,面接触部72,帯体通し部77にあっては、固定ハンドル7Fと可動ハンドル7Mとで区別できるように、固定ハンドル7Fについては文字"f"を含むものとし、可動ハンドルについては文字"m"を含むものとする。
以下各ハンドル7F,7Mの上記各構成部材について順次述べる。
(固定ハンドル7Fについて)
把手部71fは、グリップのことであり、その軸周りに回転しないように固定されている。また把手部71fは、鋼管部材3に対して傾動自在とされ、これを把持する作業者にとって最適な傾きにできるように一端側で傾動状態保持機構73と接続されている(図5〜図10参照)。傾動状態保持機構73は、特定物(本実施例の場合は把手部71f)が
傾いた状態を保持する機構である。傾動状態保持機構としては、例えばラチェット機構を挙げられる。
また、把手部71fは、足掛手段であるハシゴ体10fを有する(図6〜図11参照)。ハシゴ体10fは、把手部71fに対して着脱自在になるように例えば螺合手段であるボルト12f(図ではボルト頭のみ示す)により把手部71fに取り付けられている(図5〜図8,図10参照)
ハシゴ体10fは、作業者がバランスを崩して鋼管部材3から落下し、命綱によってぶら下がり状態になった場合に、作業者がその脚または足を掛けて鋼管部材3に昇るための装具である。
ハシゴ体10fは、アルミ等の軽量金属からなり、把手部71fの軸方向に対して直角方向に延びる基軸10faと、基軸10faに対して直交するように溶着された複数の足掛かり10fbと、基軸10faを支持するトラス10fcとを有する。
ハシゴ体10fは、ハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aを鋼管部材3に取り付けた時に鋼管部材3に対して垂下されるごときになる(図2,図4等参照)。
面接触部72fは、パッド状のゴム製品であり、鋼管部材3の曲面に沿って面接触する(図2,図5等参照)。このため面接触部72fの内側表面72faは、鋼管部材3の曲率に合致またはほぼ合致されて幾分湾曲され、ハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aを鋼管部材3に装着した時に、鋼管部材3との間で隙間ができ難くされている(図5参照)。よって、面接触部72fは、鋼管部材3との密着性に優れているといえる。また面接触部72fは、傾動状態保持機構73に対して着脱自在に設けられている。よって、曲率の異なる数種類の面接触部を用意しておけば、面接触部72fが摩耗した時にはこれを交換できるばかりか、鋼管部材3の径の大小に合わせて最適使用ができる。
なお、面接触部72fは、ゴムでできていることに限定されない。鋼管部材3に対して摺動した時に、鋼管部材3との間に摩擦を生じる材質でできていれば何でもよい。摩擦力により、面接触部72fの滑りを防止できるので、鋼管部材3上でハンドルは安定する。
帯体通し部77fは、鉄その他の剛性の高い材料を加工して、例えば横断面で扁平U字形に形成されている。そして、その一端部77faには(図2,図5参照)、帯体5の一端5aが括り付ける等して取り付けられるようになっている。帯体5の一端5aが取り付けられることで、帯体5はその他端が自由端5bになる。また帯体通し部77fの他端77fbには、帯体5の自由端5bが通る帯体通し孔77fcを有する(図5参照)。そしてこの帯体通し孔77fcに通された帯体5の引き締め及びその解除を行うためのレバーホイスト78(引締手段)を帯体通し部77fは有する。レバーホイスト78は、周知の機構であって、そのレバー78aの操作のみにより、帯体5の引き締めを簡単に行う。帯体5が引き締められると、当該引き締めに連動して固定ハンドル7Fの面接触部72fおよび可動ハンドル7Mの面接触部72mが、鋼管部材3を押圧するようになる。この結果、固定ハンドル7Fと可動ハンドル7Mは、共に鋼管部材3に固定されて動かなくなる。この状態を本止めという。
(可動ハンドル7Mについて)
可動ハンドル7Mが、固定ハンドル7Fと相違する点は、次の(イ)〜(ニ)である。(イ)可動ハンドル7Mは帯体5に沿って帯体5上を移動されるため、符号77mで示す帯体通し部が固定ハンドル7Fの帯体通し部77fと形態が相違すること。
(ロ)可動ハンドル7Mにはハシゴ体10fがないこと。
(ハ)可動ハンドル7Mの把手部71mは、軸周りに回転すること。
(ニ)可動ハンドル7Mを帯体5上の所望箇所に移動後、当該箇所に可動ハンドル7Mを仮止めする仮止手段74を有すること。
帯体通し部77mは、固定ハンドル7Fの傾動状態保持機構73と実質上同一の傾動状態保持機構に帯体5を通す帯体通し孔77mcを備えたものである(図6,図11,図14参照)。
帯体通し孔77mcは、緩やかに湾曲されている。好ましくは、鋼管部材3の外周面の曲率にほぼ合致した曲率で湾曲されているとよい。このようにすることで、レバーホイスト78によるレバー操作により帯体5の引き締めを行った場合に、帯体5と帯体通し孔77mcとの間で生じる集中応力を生じ難くし、帯体5に掛かる負荷を低減できる。このため、帯体5のすり切れを防止し易くなる。
仮止手段74は、可動ハンドル7Mの把手部71mの先端部に形成された雄ねじ部71maと、帯体通し部77mの帯体通し孔77mcと直交しかつ雄ねじ部71maと螺合する雌ねじ部77m1とを有する(図11,図14参照)。仮止手段74は、帯体通し部77mの帯体通し孔77mcに帯体5を通した状態で、雄ねじ部71maの雌ねじ部77m1に対するねじ込み量の多寡により、帯体通し孔77mcに雄ねじ部71maの先端が出没するようになり、これにより雄ねじ部71maの先端による帯体5への押圧力が加減されるようになる。既述した本止めをせずに仮止めだけの状態で外力が各ハンドルに掛かると、帯体5を介して可動ハンドル7Mと固定ハンドル7Fの両方が動いてしまう。
次に図2〜図4,図15〜図32を参照して鋼管部材移動用補助具1Bを説明する。
鋼管部材移動用補助具1Bは、その使用時に鋼管部材3の外周面の少なくとも上面側(上半分側)で当接されると共に使用する作業者の両脚に沿って延在され、作業者の脚よりも短く長さ調整される一対の脚帯22と、脚帯22の先端に備えられ、作業者の足が入れられる足入部24とを少なくとも有する(図2,図4,図15,図16参照)。なお、鋼管部材移動用補助具1Bは、脚帯22を有するので脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bと呼称する。
脚帯22は、柔軟性に富みかつ剛性にも富んだ、例えば布製または皮製のベルトを一対組み合わせてなるものである。
足入部24は、プラスチック成型品であり、作業靴が内嵌されるリング形状とされている。
また脚帯22には、足入部24以外に、鋼管部材移動用補助具1Bの使用時に脚帯22が作業者の脚から離れないようにするための脚帯離れ防止手段である固定ベルト26と、ぶら下がり状態にある一対の脚帯22同士をつなぐ連結具としての補助ロープ28と、一対の脚帯22同士をそれらの一端側で連結すると共に連結した脚帯22の長さを調整する脚帯長さ調整具30とを有する。脚帯長さ調整具30により、脚帯22は、作業者の脚よりも短く調整される。
固定ベルト26は、ベルト留め具27を有している。そしてベルト留め具27により作業者の脚の太さに合わせてベルトの長さ調整を行う。よって、固定ベルト26は、脚帯離れ防止手段であると共に脚周り調整具として機能し、脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bを使用する作業者の脚に脚帯22をフィットさせる。この結果、作業者は脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bを装着した状態でも移動が容易になる。
補助ロープ28は、鋼管部材3にぶら下がり状態にある脚帯22の中央寄りに設けられ、脚帯22を無端ベルト状に連結するためのものである(図15〜図17参照)。よって、一対の脚帯22には、それぞれ補助ロープ28を係止するための係止リング22a、および補助ロープ28の長さ調整を行うロープ伸縮調整器22bが取り付けられている。そして補助ロープ28はその一端にフック28aが設けられ、このフック28aを係止リン
グ22aに係止するようになっているが、その前にロープ伸縮調整器22bに補助ロープ28の他端28bを予め取り付けて補助ロープ28の長さ調整を行う。また、係止後必要に応じ、補助ロープの長さ調整を行う。
またフック28aには、これを係止リングに掛けた時に係止リングからフック28aが外れないようにするための周知の外れ止め装置28a1がついている。
脚帯長さ調整具30は、脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bのほぼ中央に位置し、その使用に際し、鋼管部材3の上面に載置される。この時、脚帯長さ調整具30の両側に脚帯22が垂下される。このため、脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bは、脚帯長さ調整具30を中心にほぼ逆U字状になる(図4,図15参照)。
脚帯長さ調整具30は、脚帯22の折り返し部分といえ、これを境に、脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bを半折りにすれば、コンパクトになり、持ち運びに便利である。
また、脚帯長さ調整具30の付属品として、各脚帯22には、脚帯長さ調整具30により長さ調整がされた結果、使用に供されないこととなる余り部分22cを通す帯余り通し32を有する。余り部分22cが作業者の移動や作業に邪魔にならないように、余り部分22cは、帯余り通し32により止められるようになっている。また脚帯長さ調整具30により調整された脚帯22の長さは、作業者の脚よりも幾分短めにされる。
また、サスペンダー(図示せず)の使用により、鋼管部材移動用補助具1Bが作業者から離れ難くなるようにしてもよい。但し、作業者が鋼管部材3から落下してしまった場合には、脚帯22と作業者の肩との間が大きく離れる場合もあり得る。この時、サスペンダーは大きく伸びるので伸縮性に富んだものが望ましい。
次にこれらの用具を用いた作業者の移動方法について説明する。
なお、本実施形態では、2種類の命綱を開示する。一つは鋼管部材3と作業者の胴部とを連結する安全帯ロープ40であり、別の一つは、安全帯ロープ40を使用しない状態で移動する場合(例えば別の鋼管部材に移動するにあたり安全帯ロープを鋼管部材から外すような場合)に用いられ、作業者と鉄塔2の支柱2a(図1参照)とを連結する移動用ロープ42である。これらのロープの装着手順については、周知であるから説明は省略する。
最初にハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aの鋼管部材3への装着手順である(イ)〜(へ)について述べる。
(イ)鋼管部材3に帯体5が跨るように帯体5を鋼管部材3に掛ける(図2,図5参照)。このとき帯体5には固定ハンドル7F及び可動ハンドル7Mが既に取り付けられている状態とし、それぞれ作業者の鋼管部材3上での作業者の進行方向(図3の矢印A1参照)に対して左右両側に位置させる。
(ロ)固定ハンドル7Fの帯体通し孔77fcに鋼管部材3の下面側から帯体5の自由端5bを通し、鋼管部材3に帯体5を巻き付ける(図5〜図8参照)。
(ハ)可動ハンドル7Mを回転させて仮止手段74により可動ハンドル7Mを帯体5に仮止めする(図5参照)。
(ニ)レバーホイスト78のレバー操作を行って帯体5をある程度引き締める。レバー引き締めの程度は、帯体5と鋼管部材3との間においてある程度の遊びSを持つものとする(図5参照)。
遊びSを設けるのは、ハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aを用いた作業者が、鋼管部材3を進行する際に、鋼管部材3から固定ハンドル7Fと可動ハンドル7Mとを握り、鋼管部材3上で作業者の進行方向にハンドル付き鋼管部材1Aをスライドさせながら移動できるようにするためである。なお、引き締めの度合いが弱いと、固定ハンドル7Fと可
動ハンドル7Mが、鋼管部材3の外周面沿いに位置ずれしてしまうことが考えられるので、程よい遊びを持つように帯体5を引き締める。
(ホ)帯体5を引き締めている間にハンドル7F,7Mが大きくずれた場合には、ハンドル位置が鋼管部材3の側部にあるように位置ずれを調整する。
(ヘ)傾動状態保持機構73により、鋼管部材3に対する把手部71の傾き調整を行って、帯体5を介したハンドル7F,7Mの鋼管部材3への取り付けを終了する。
次に脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bの装着手順である(イ)〜(ニ)について述べる。
(イ)脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bは、鉄塔内の踊り場や足場の良い場所で装着する。
(ロ)固定ベルト26を作業者の脚に取着する。
(ハ)脚帯長さ調整具30により作業者の脚長よりも幾分短めに脚帯22の長さ調整を行う。
(ニ)足入部24に作業者の作業靴を入れる。なお、鋼管部材に作業者が着座してから入れてもよい。
作業者がサスペンダーを利用する場合は、(ニ)の実行前後で、脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bをサスペンダーで吊るす。
次にハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aおよび脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bを用いた鋼管部材3上での作業者の移動手順(ホ)〜(ヲ)について述べる。
(ホ)脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bを装着した作業者は、ハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aが準備されている鋼管部材3に移動し、鋼管部材3のうちハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aの手前側に跨る(図2参照)。図示していないが、この時、補助ロープ28は、そのフック28aが係止リング22aから解放されており、脚帯22の脚帯長さ調整具30またはその近傍に掛かり止めされた状態にしてある。また脚帯22は、その使用時に鋼管部材3の外周面のうち少なくとも上面側で当接され作業者の両脚に沿って延在する(例えば図4,図15,図16参照)。
(ヘ)補助ロープ28の前記掛かり止めされているフック28aを鋼管部材3の下面側から回り込むようにして係止リング22aに掛ける。このようにすることで、鋼管部材3の下面側では補助ロープ28により一対の脚帯22がつながれて無端状になる(図4,図15,図16参照)。なお鋼管部材3と補助ロープ28との間にも遊びS1ができるようにロープ伸縮調整器22bで補助ロープの長さは設定されている。
(ト)作業者は、鋼管部材3に跨った状態で脚帯長さ調整具30により、再度、脚帯22の長さ調整を行う。その調整の度合いは、鋼管部材3に作業者が跨って作業者が脚を伸ばした時に鋼管部材3上で一番安定すると感じられるものにする。
(チ)固定ハンドル7Fと可動ハンドル7Mを作業者は把持し、その状態で伸脚する。また、各脚帯22は、作業者の脚よりも短く設定されているため、作業者が脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bを装着して鋼管部材3に騎馬状に座し、足入部24に足を掛けた状態で脚を伸ばせば、脚帯22は緊張し、その反力で作業者の腰は鋼管部材3から浮き上がるようになる(図3および図18を比較して参照)。当該浮き上がった状態にある時、緊張した脚帯22を支軸として作業者の脚は硬直化状態になる。よって、脚が揺動し難くなり、作業者は鋼管部材上でふらつき難くなる。よって、作業者は鋼管部材3に跨っていても安定した状態を維持できるようになる。なお、作業者が鋼管部材に単に座している時は、脚帯は作業者の脚よりも短いので、作業者はその脚が曲がった状態にある(例えば図3参照)。
(リ)次に作業者は、可動ハンドル7Mと固定ハンドル7Fを把持しながら上半身を前傾し、鋼管部材上面における手前側から向こう側にハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aを押しやる(図20参照)。この時、作業者の体重が両ハンドルに掛かる。すると、帯体5は、その鋼管部材3への巻き付け部分のうちのほぼ上半分が、鋼管部材3の頂点部分で
接した状態で可動ハンドル7Mと固定ハンドル7Fとの間で緊張し(図5の二点鎖線および図4参照)、両ハンドルは、その間、固定的になる。
なお、前項(チ)で述べたように緊張した脚帯22を支えにして作業者の脚は硬直化し揺動し難くなるので、ハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aを鋼管部材3の手前側から向こう側に押しやるにあたり体が安定する。よって、作業者は安心して当該動作を行える。
ハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aの前進のさせ方として、可動ハンドル7Mと固定ハンドル7Fとを一度に前方に押しやってもよいし、交互に前進させてもよい。但し、鋼管部材3と面接触している面接触部72は、これを移動したときに鋼管部材3との間で摩擦を生じるので、レバー78aの操作により、帯体5の引き締めを行って面接触部72の鋼管部材3との接触度合いを調整しながら最適な摩擦力を確保し、その状態で固定ハンドル7Fと可動ハンドル7Mとを一度に鋼管部材3上でスライドさせながら前進させると好適である。
(ヌ)作業者は、ハンドル7F,7Mを把持する両腕に重心を移動して腰を浮かしたまま前方に上体移動する(図20参照)。そしてこの上体移動に合わせて作業者は腰から下の部分である脚を前方に引き寄せると重力により自然と着座するようになる(図21参照)。このようにしてワンステップ前進する。
なお、固定ベルト26により脚と脚帯22とは一体化しているため、脚の移動に合わせて脚帯22が、すなわち脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bが移動する。
(ル)前記(チ)〜(ヌ)を繰り返し、鋼管部材3上の目標とする箇所にまで移動する。(ヲ)鋼管部材3上の目標とする箇所に到達したら、作業者はレバーホイスト78のレバー操作により帯体5を完全に引き締める(図5に二点鎖線および1点鎖線で示す帯体5参照)。このようにすることで、可動ハンドル7Mと固定ハンドル7Fは、それらの帯体通し部77f,77mが、帯体5により鋼管部材3に強固に押しつけられるようになる。その結果、両ハンドル7F,7Mは、必要に応じて鋼管部材3に堅固に取り付けられ、当該目標箇所でのその後の作業を行うにあたり、手足の掛止部位として利用できる。このような掛止部位の存在は、高所での作業を行う作業者にとっては極めて安心感を与えてくれるものとなるので、作業効率を高められる。
なお、鋼管部材3上で向きを変えて戻るのは難儀である。よって、その時は、鋼管部材3を前進した分だけ後退する必要がある。この時は、ハンドルを把持した両腕を伸ばし体を後方に押しやり、次に腕を体に引き寄せてまた体を後方に押しやるという動作を繰り返す。押しやる力は、面接触部72の鋼管部材3との間の摩擦力により有効に作用する。当該摩擦力は、作業者が進行する場合にも面接触部72の鋼管部材3との間で当然有効に作用している。
次に目的地での作業中にまたは目的地に到達する前に、万一鋼管部材3から作業者が落下し、安全帯ロープ40および移動用ロープ42によってぶら下がり状態になった場合に、作業者自らが鋼管部材3に自力でよじ登る手順である(ワ)〜(ツ)を説明する。
なお、図17に示すように、脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bは、これが反転しても補助ロープ28により無端ベルト状にされてある。よって、必ず鋼管部材3に掛かった状態になるので、鋼管部材3から落下してしまうことはない。またぶら下がり状態にある時、作業者の脚は、脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bによって鋼管部材3に吊り下げられた状態になる。そして、命綱である安全帯ロープ40や移動用ロープ42は、通常腰よりも上に取り付けられるので、作業者は、腰を吊るこれらのロープと、脚を吊る脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bとの両方によって2点吊りの状態になる(図22参照)。よって
、作業者の腰に負担が掛かり難い。なお固定ベルト26により、脚と脚帯22とは一体化しているため、鋼管部材3にぶら下がり状態になってしまっても、脚から脚帯22は脱衣しにくい。
(ワ)前記可動ハンドル7Mの仮止手段74を弛める。
(カ)可動ハンドル7Mを帯体5に沿って水平状態(図23の二点鎖線参照)から上方に移動して鋼管部材3の頂点近傍に位置させる(図23の実線,図24参照)。
(ヨ)可動ハンドル7Mを回転させて仮止手段74を締める。この時、作業者は足をハシゴに掛ける。なお足入部24を履いたままでもよいが、脱いだ方が足掛かり10fbに足を掛け易ければ外す(図23,図24参照)。
(タ)レバーホイスト78のレバー操作により、帯体5を完全に引き締める(図25,図26参照)。このようにすることで、可動ハンドル7Mと固定ハンドル7Fを、帯体5により鋼管部材3に強固に押しつけて、鋼管部材3に堅固に取り付ける(図5,図26〜図28参照)。
(レ)可動ハンドル7Mと固定ハンドル7Fの両方に、またはこれらのハンドルのいずれか/および鋼管部材に左右の手をそれぞれ掛ける(図27,図28参照)。
(ソ)ハシゴ体10fの足掛かり10fbに足を掛けて上がる(図28参照)。
(ツ)鋼管部材3によじ登る(図29,図30参照)。
このように鋼管部材移動用補助具1Aおよび1Bを用いれば、鋼管部材上での作業者の移動が容易であることはもちろん、移動中に作業者が鉄塔から滑り落ち、命綱によってぶら下がり状態となっても、作業者は元の通り鋼管部材3に自力でよじ登れる。この結果、ぶら下がり状態にある作業者は、救助者が来るまで高所での不自然な体勢による苦痛や恐怖感に長い間耐える必要がなくなる。
またぶら下がり状態になってもすぐに体勢を立て直せるため、作業性の向上に寄与する。 そして、レバー操作のみで帯体5の引き締めおよび解除ができるので、操作性に優れている。したがって、恐怖感を伴うぶら下がり状態になっても作業者は混乱することなく対処できる。
また、鋼管部材移動用補助具1Bは、それ単体で用いてもよいが、図31に示すようにこれを作業用ズボン33に内装してもよい(図31,図32参照)。例えば脚帯22を通す脚帯通し孔34を作業用ズボン33に形成しておき、当該通し孔34に脚帯22を通せば、脚帯通し孔34に入った脚帯22が作業中に何かに引っ掛かるのを防止できる。
また、図32のように、脚帯通し孔34の形成範囲を踝の辺りから腰の下方までの範囲としてもよい。
さらに、脚帯22の先端側を折り返してリング状部分とし、これを足入部24Aとすれば前記プラスチック成型品の足入部24は不要にできる。
また、つなぎ型の作業服に適用すれば、サスペンダーを別途用意しなくてもよい。
さらに、本実施形態では、固定ベルト26を開示したが、例えばプラスチック製のリング体を固定ベルトの替わりに適用することも考えられる。リング体としては、リングの一部を切り欠いて開口されているとともに開口の閉合が自在にされ、閉じると作業者の脚に密着状に外嵌されるような構造になっているものが好ましい。なお、リングを開口しなくても作業者の脚の太さに合わせて径のことなるリング体をいくつか用意しておけば、リングを作業者の脚に密着状に外嵌させることに対応できる。
(実施形態2)
図33〜図35に、ハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aの他の実施形態を示し、図36〜図45に、脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bの他の実施形態を示している。なお
、これらの図において、実施形態1で示した構成部材と基本的に同一の構成部材については同一の符号を付してその説明を簡略化する。
この実施形態のハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aも、先の実施形態1と同様に、水平又はほぼ水平方向に延びる鋼管部材3を作業者が騎馬状態で移動する際にその移動を補助する補助具として用いられる。
この補助具1Aは、鋼管部材3の外周面に共に設置され、作業者の進行方向に対して左右両側に配置される一対のハンドル7F、7Mと、両ハンドル7F、7Mを連結する帯体からなる第1の帯体51及び第2の帯体52と、作業者の脚または足を掛ける足かけ手段としてのハシゴ体10とを備えている。
第1の帯体51は、鋼管部材3の上面側に添わせて配置され、第2の帯体52は、鋼管部材3の下面側に添わせて配置される。この帯体51、52も先の実施形態1の帯体5と同様の素材で形成されている。これら第1の帯体51及び第2の帯体52には、長さ調整具53、54がそれぞれ設けられている。
この長さ調整具は、図示例のように第1の帯体51または第2の帯体52の両方に設ける方が望ましいが、何れか一方に設ける構成としてもよい。その場合、第1の帯体51及び第2の帯体52の何れか一方を予め一定の長さに設定しておけばよい。また、作業者が移動すべき鋼管部材3の大きさに対応させて長さの異なる帯体を複数種類準備し、交換して使用できるようにしてもよい。
前記一対のハンドル7F、7Mは、作業者が移動時に把持する把手部71f、71mと、把手部71f、71mの一端側に設けられ鋼管部材3に面接触する面接触部72f、72mとをそれぞれ備えている。これら一対のハンドルの一方が固定ハンドル7Fで、他方が可動ハンドルに対応する締め付けハンドル7Mである。そして、締め付けハンドル7Mは、回転操作によって面接触部72mを鋼管部材3に押し付けることで、第1の帯体51と第2の帯体52に張力を与えて引き締める引き締め手段50を備えている。
この引き締め手段50は、把手部71mと面接触部72mとの間に配置されて把手部71m側に固定された反力受け55と、その反力受け55の両端に設けられた帯体通し部56mと、一端が反力受け55を貫通して面接触部72mの中央部に固定され、他端が把手部71mを貫通して外部に突出したねじ棒57と、そのねじ棒57を回転操作するレバー58と、把手部71mに設けられてねじ棒57と螺合する雌ねじ(図示せず)とを含む構成である。雌ねじとしては、この実施形態では把手部71mの先端に溶接止めしたナット59により構成しているが、把手部71mの内周面に雌ねじを形成してもよい。
固定ハンドル7Fの把手部71fの基端は面接触部72fの中央部に固定されている。把手部71fは鋼管部材3の半径方向に延び、その先端には例えばハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aを鋼管部材3へ取り付ける際、ハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aを誤って地上へ落下させないよう、ロープにて鋼管部材3などに仮止めができる綴じタイプのUリングが設けられている。この固定ハンドル7F側の面接触部72fは、鋼管部材3の外周面の曲率と同程度の曲率で湾曲していて、その両側に帯体通し部56fがそれぞれ設けられている。なお、面接触部72f、72mの内側には、滑り止め機能を高めるために、硬質ゴムや皮革等の摩擦係数の大きい素材からなるパッドpが設けられている。第1の帯体51の基端51aは長さ調整具53に固定されている。自由端51bの部分は、まず帯体通し部56fを通って折り返され、次に帯体通し部56mを通って折り返され、最後に長さ調整具53の帯体通し部を通って折り返された形態で仮止めされている。
ハシゴ帯10は、軽量化に配慮したアルミ合金等の軽金属製であって、使用時に鉛直方向に垂下される細長い四角管状の基軸11と、この基軸11の両側面からそれぞれ外側(水平方向)へ延びた複数(図示例では4つ)のステップバー12とを備えている。基軸11の基端には、鋼管部材3への面接触部72と、第2の帯体52の帯体通し部16が設けられている。面接触部72は鋼管部材3の外周面形状に対応するように円弧状に湾曲していて、その内側にパッドpが設けられている。帯体通し部16は第2の帯体52を鋼管部材3の周方向に沿って二重に差し通すことができる構成である。これにより、基軸11は第2の帯体52から鉛直方向に垂下するようになっている。
第2の帯体52の基端52aは長さ調整具54に固定されている。自由端52bの部分は、まずハシゴ体10の帯体通し部16を通り、次に帯体通し部56mを通って折り返され、再度ハシゴ体10の帯体通し部16を通り、次に帯体通し部56fを通って折り返され、最後に長さ調整具54の帯体通し部を通って折り返された形態で仮止めされている。
基軸11はヒンジ部13を介して二つ折り可能に構成されている。ヒンジ部13には、ハシゴ体10(基軸10)を伸ばしたときの状態を保持するためのロック機構14が設けられている。このロック機構14は、ロックピン14aと、そのロックピン14aを差し込むロック穴14bを有している。ロックピン14aは吊り紐14cを介して基軸11に吊り下げられている。
この実施形態2に係るハンドル付き鋼管部材移動用補助具1Aにおいても、実施形態1の補助具1Aとほぼ同様の機能や作用効果を発揮できるが、実施形態1の補助具1Aと比較した場合、特に、軽量化の他に、使い勝手や操作性などの点で次のような優れた作用効果を発揮させることができる。
(1)固定ハンドル7Fと締め付けハンドル7Mを、長さ調整具53付きの第1の帯体51と、長さ調整具54付きの第2の帯体52とで連結する構成としている。これにより、長さ調整具53、54にて各帯体の長さを一度調整するだけで、固定ハンドル7Fと締め付けハンドル7Mを、鋼管部材3に対する所定の位置に確実かつ容易に位置決めすることができる。
(2)締め付けハンドル7Mは、レバー58によるねじ棒57の回転操作によって面接触部72mを鋼管部材3に押し付けることで、第1の帯体51と第2の帯体52に張力を与えて引き締める引き締め手段50を備えている。これにより、単にレバー58の回転操作をするだけで、この補助具1Aの鋼管部材3に対する位置決め固定と、鋼管部材3に沿ってスライド移動させる際の操作性を極めて良好にすることができる。
(3)第2の帯体52を利用して、ハシゴ体10を鋼管部材3の下方に垂下させる構成となっているので、このハシゴ体10に作業者が体重移動しても、この補助具に対する全体的なねじれや部分的なねじれ等による過度な応力集中部位が発生することのない設計とすることができる。したがって、その分、全体的な軽量化や耐久性の向上等も併せて図ることができる。
(4)ハシゴ体10を折り畳みできる構成としているので、持ち運びに便利であり、特に、鉄塔を登るときに効果的である。
次に、図36〜図45を参照して脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bの他の実施形態について説明する。
この実施形態2の脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bも、先の実施形態1と同様に、水平又はほぼ水平方向に延びる鋼管部材3を作業者が騎馬状態で移動する際にその移動を補助する補助具として用いられる。
この補助具1Bは、図36に示すように、作業者が腰に着ける安全帯100に連結され、作業者の両脚に添って延在する一対の脚体22、22と、各脚帯22、22の先端に備
えられ、作業者の足が入れられる足入部24、24とを有する。安全帯100は一対の腿掛けベルト110、110を含み、それらの腿掛けベルト110、110に脚帯22、22が連結されている。
安全帯100としては、図示例の場合、腰回り調整金具101や掛け止め用のリング102等を備えた既製安全帯が利用されている。また、腿掛けベルト110も、既製安全帯用補助ベルト(ハーネス)として、安全帯100と組にして使用されるものである。この腿掛けベルト110は、安全帯100に対して一体に連結されているもの、あるいは着脱可能に連結されているもののいずれでも利用できる。なお、図37は腿掛けベルト110を横方向から見た図を例示したものである。
着脱可能な例としては、例えば図37に示すように、安全帯100の本体ベルト103に縫い付けて固定した吊り帯104aに設けた雌型連結金具105aと、腿掛けベルト110の先端に設けた雄型連結金具105bとを利用することができる。この腿掛けベルト110は、作業者の腿の大きさに合わせて調整するための調整金具111をそれぞれ備えている。図40において、112は腿掛けベルト110と腿掛けベルト110とを連結しておく連結帯である。
一対の脚帯22は、図41に示すように、腿掛けベルト110に対して着脱可能に連結されている。図示例では、腿掛けベルト110の内腿側に位置するベルト部分113に縫い付けて固定した吊り帯114に設けた雌型連結金具115と、脚帯22の上端(足入部24と反対側の端部)に設けた雄型連結金具221とにより着脱可能な構成としている。脚帯22には、脚帯自体の長さ調整具222が設けられている。
脚帯22には、脚帯離れ防止手段としての足固定ベルト26が設けられている。固定ベルト26は、ベルト拘束具261により脚帯22に十字状に取り付けられている。これにより固定ベルト26は自身の長さ方向と、脚帯22の長さ方向に沿ってスライド移動可能に構成されている。この固定ベルト26の一端と他端には差し込み式に連結する着脱可能な雌型フック262と雄型フック263が設けられている。なお、この固定ベルト26自体にも長さ調整具264が設けられている。なお、足入部24、固定ベルト26等を備えた脚帯22を便宜上、足掛けベルトBと称する。
図42、43は、それぞれ布製の足掛け用スパッツであり、上下一体型のものと上下分離型のものを例示している。図42に示す足掛け用スパッツ200は、作業者の膝上の太もも部分に巻く上部包帯部201と、ふくらはぎの部分に巻く下部包帯部202と、それらの接続部203とを有している。そして、上部包帯部201と下部包帯部202の左右の縁近くには、着脱に便利な仮止め用のベルベット式ファスナー204がそれぞれ設けられている。
図43に示す足掛け用スパッツ200は、同図(a)に示すように、作業者の膝上の太もも部分に巻く上部包帯部201と、同図(b)に示すように、作業者のふくらはぎの部分に巻く下部包帯部202とを組として備えている。そして、上部包帯部201と下部包帯部202の左右の縁近くには、着脱に便利な仮止め用のベルベット式ファスナー204がそれぞれ設けられている。
図44は、この足掛け用スパッツ200の使用例を示している。これは、歩行時の他、鉄塔に登るときに足掛けベルトがじゃまにならないように、あるいはステップボルト等に引っかからないようにするために、スパッツ200によって作業者の脚に巻き付けた状態の使用例を示すものである。なお、図45は、鉄塔へ登るときに、これらの鋼管部材移動用補助具を入れて背負って登るための専用の収納袋300を例示したものである。
この実施形態2に係る脚帯付き鋼管部材移動用補助具1Bにおいても、実施形態1の補助具1Bとほぼ同様の機能や作用効果を発揮できるが、実施形態1の補助具1Bと比較した場合、特に、足掛けベルトBを除けば、そのほとんどを既製の安全帯を利用できる点で低コスト化を図ることが可能になる
この実施形態2における補助具の使用方法及び移動方法等については以下の通りである。なお、この実施形態2の場合も基本的には実施形態1とほぼ同様の方法となるので、以下の説明においては相違点や特徴点のみを簡潔に説明する。
<事前準備>
(1)安全帯100に腿掛けベルト110を装着する。
(2)収納袋300に足掛けベルトBを入れ昇塔準備する。
<昇塔>
(3)収納袋300を背負い昇塔する。
<手捕まり用具取付>
(4)鉄塔の水平部材である鋼管部材3にハンドル付き鋼管部材移動用補助具(手捕まり用具)1Aを取付固定する。その際、第1の帯体51、第2の帯体52の長さを調整し、締め付けハンドル7Mにて固定する。
(5)進行方向に向けて鋼管部材3に乗り移る際の手掛け、足掛けとして利用する。
<鋼管部材3への乗り移り移動>
(6)安定した位置にて足掛けベルトBを装着する。
(7)固定した補助具1Aを手掛け、足掛けにして乗り移り移動する。
(8)乗り移り移動後、鋼管部材3への安全帯ロープ取付をクロスに掛ける。なぜなら、通常の掛け方だと、万が一反転小落下した場合、進行方向と逆の向きになってしまうからである。
(9)足掛けベルトの足入部24に足を入れ、足掛けベルト本体(脚帯22)の長さを調整する。
<手捕まり用具固定の解除>
(10)締め付けハンドル7Mを緩め、補助具1Aをフリーの状態にする。これにより、両手でハンドル(固定ハンドル7F、締め付けハンドル7M)を握り、鋼管部材3上でスムースに前後移動できるようにする。
<水平移動>
(11)補助具1Aを前(進行方向)に押し出す。その際、足掛けベルトBで両足を踏ん張りバランスをとり安定した姿勢で行う。
(12)若干腰を浮かせぎみにし体を引き寄せる。
(13)水平移動中、万が一反転・小落下した場合、まず、締め付けハンドル7Mにて締め付けて補助具1Aを固定する。
(14)ハシゴ体10を延ばし、ロックピン14aにて固定する。
(15)ハシゴ体10のステップバー12及び固定ハンドル7F、締め付けハンドル7Mを利用して起きあがり、鋼管部材3上へ復帰する。
なお、本発明は上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種種変更を加え得ることは勿論である。
本発明の実施形態1に係る鋼管部材移動用補助具が利用される鉄塔の斜視図である。 図1の領域Aの拡大図である。 図2の側面図である。 図2の正面図である。 本発明の実施形態1に係るハンドル付き鋼管部材移動用補助具の拡大正面図である。 本発明の実施形態1に係るハンドル付き鋼管部材移動用補助具の帯体を解放した状態を示す図である。 図6の矢印VII方向から見た固定ハンドルの拡大図である。 図7の矢印VIII方向から見た固定ハンドルの拡大図である。 図8の矢印IX方向から見た固定ハンドルの拡大図である。 図8の矢印X方向から見た固定ハンドルの拡大図である。 本発明の実施形態1に係るハンドル付き鋼管部材移動用補助具の可動ハンドルの拡大正面図である。 図11の矢印XII方向から見た可動ハンドルの拡大図である。 図11の矢印XIII方向から見た可動ハンドルの拡大図である。 図11の矢印XIV方向から見た可動ハンドルの拡大図である。 本発明の実施形態1に係る脚帯付き鋼管部材移動用補助具の拡大正面図である。 本発明の実施形態1に係る脚帯付き鋼管部材移動用補助具の拡大斜視図である。 本発明の実施形態1に係る脚帯付き鋼管部材移動用補助具が鋼管部材上で反転している状態を示す斜視図である。 図3の状態において作業者が伸脚し、鋼管部材表面から幾分腰が上がった状態を示す図である。 図18の状態において作業者がハンドル付き鋼管部材移動用補助具を前方に押しやった状態を示す図である。 図19の状態から作業者がその両腕に重心移動して上体を前方移動した状態を示す図である。 図20の状態から作業者が腰から下の部分を前方に引き寄せて着座した状態を示す図である。 作業者が鋼管部材から落下し、命綱によってぶら下がり状態にあることを示す図である。 図22のぶら下がり状態から作業者が鋼管部材によじ登る準備をしている状態を示す図であって、ハンドル付き鋼管部材移動用補助具の可動ハンドルを鋼管部材の側面部から上面部に移動している状態を示す図である。 図23の平面図である。 ハンドル付き鋼管部材移動用補助具のレバーホイストのレバーを操作して、帯体を鋼管に締め付けている状態を示す図である。 図25の矢印IIXVI方向から見た図である。 作業者がハシゴ体をよじ登っている状態を示す図である。 図27の矢印IIXVIII方向から見た図である。 作業者がハシゴ体から鋼管部材によじ登る直前の状態を示す図である。 作業者が鋼管部材によじ登った直後の状態を示す図である。 本発明の実施形態1に係る脚帯付き鋼管部材移動用補助具を作業ズボンに適用した場合の正面図である。 図31の変形例を示す図である。 本発明の実施形態2に係るハンドル付き鋼管部材移動用補助具の使用状態を示す正面図である。 本発明の実施形態2に係るハンドル付き鋼管部材移動用補助具の使用状態を示す側面図である。 本発明の実施形態2に係るハンドル付き鋼管部材移動用補助具の使用状態を示す正面図である。 本発明の実施形態2に係る脚帯付き鋼管部材移動用補助具の使用状態を示す正面図である。 本発明の実施形態2に係る腿掛けベルトの側面図である。 本発明の実施形態2に係る安全帯の正面図である。 本発明の実施形態2に係る腿掛けベルトの部分正面図である。 本発明の実施形態2に係る腿掛けベルトの部分正面図である。 本発明の実施形態2に係る足掛けベルトの正面図である。 本発明の実施形態2に係る足掛け用具スパッツの平面図である。 本発明の実施形態2に係る足掛け用具スパッツの平面図である。 本発明の実施形態2に係る足掛け用具スパッツの使用状態を示す正面図である。 本発明の実施形態2に係る収納袋の斜視図である。
符号の説明
1A ハンドル付き鋼管部材移動用補助具
1B 脚帯付き鋼管部材移動用補助具
2 送電用鋼管鉄塔
2a 支柱
3 鋼管部材
5 帯体
5a 帯体の一端
5b 帯体の自由端
7F 固定ハンドル
7M 可動ハンドル
10 ハシゴ体
11 基軸
12 ステップバー
13 ヒンジ
14 ロック機構
14a ロックピン
14b ロック穴
16 帯体通し部
10f ハシゴ体
10fa 基軸
10fc トラス
12f ボルト
22 脚帯
22a 係止リング
22b ロープ伸縮調整器
22c 余り部分
24 足入部
24A 足入部
26 固定ベルト
28 補助ロープ
28a 補助ロープの一端に設けられたフック
28b 補助ロープの他端
30 脚帯長さ調整具
32 帯余り通し
33 作業用ズボン
34 脚帯通し孔
40 安全帯ロープ
42 移動用ロープ
50 締め付け手段
51 第1の帯体
52 第2の帯体
53、54 長さ調整具
71 把手部
71f 把手部
71m 把手部
71ma 雄ねじ部
72 面接触部
72f 面接触部
72fa 内側表面
72m 面接触部
72ma 内側表面
73 傾動状態保持機構
74 仮止手段
77 帯体通し部
77f 帯体通し部
77fa 帯体通し部の一端部
77fb 帯体通し部の他端部
77fc 帯体通し孔
77m 帯体通し部
77m1 雌ねじ部
77mc 帯体通し孔
78 レバーホイスト
78a レバー
100 安全帯
110 腿掛けベルト
200 足掛け用具スパッツ
300 収納袋
A 領域
B 足掛けベルト
A1 矢印

Claims (20)

  1. 水平又はほぼ水平方向に延びる鋼管部材を作業者が騎馬状態で移動する際にその移動を補助する鋼管部材移動用補助具であって、
    鋼管部材の外周面に取り付けられ作業者の進行方向に対して両側に位置し、鋼管部材の外周面から着脱自在であり、必要に応じて堅固に取り付け可能なハンドルを有する鋼管部材移動用補助具。
  2. 水平又はほぼ水平方向に延びる鋼管部材を作業者が騎馬状態で移動する際にその移動を補助する鋼管部材移動用補助具であって、
    鋼管部材の外周面に共に設置され、少なくとも上面側で当接される帯体およびこの帯体を介して連結され作業者の進行方向に対して左右両側に配置される一対のハンドルを備え、
    前記鋼管部材に前記帯体を跨るように掛けた状態で、前記一対のハンドルを作業者が把持して当該ハンドルに体重を掛けると、当該一対のハンドル間で前記帯体が緊張される鋼管部材移動用補助具。
  3. 水平又はほぼ水平方向に延びる鋼管部材を作業者が騎馬状態で移動する際にその移動を補助する鋼管部材移動用補助具であって、
    鋼管部材の外周面に共に設置され、作業者の進行方向に対して左右両側に配置される一対のハンドルと、両ハンドルを連結する帯体とを備え、
    前記帯体は、前記鋼管部材の上面側に添わせて配置される第1の帯体と、前記鋼管部材の下面側に添わせて配置される第2の帯体と、それら第1の帯体及び第2の帯体の少なくとも一方に設けられた長さ調整具とを含む、鋼管部材移動用補助具。
  4. 前記一対のハンドルは、作業者が移動時に把持する把手部と、この把手部の一端側に設けられ鋼管部材に面接触する面接触部とをそれぞれ備え、
    前記一対のハンドルの一方が固定ハンドルで、他方が締め付けハンドルであり、
    前記締め付けハンドルは、回転操作によって前記面接触部を前記鋼管部材に押し付けることで、前記第1の帯体と第2の帯体に張力を与えて引き締める引き締め手段を含む、請求項3に記載の鋼管部材移動用補助具。
  5. 前記引き締め手段は、把手部と面接触部との間に配置されて把手部側に固定された帯体通し部と、一端が帯体通し部を貫通して面接触部に連結され、他端が前記把手部を貫通して外部に突出したねじ棒と、そのねじ棒を回転操作するレバーと、前記把手部に設けられて前記ねじ棒と螺合する雌ねじを含む、請求項4に記載の鋼管部材移動用補助具。
  6. 前記第2の帯体には、鋼管部材の下方に垂下して作業者の脚または足を掛けるための足掛手段が連結されている、請求項3〜5の何れかに記載の鋼管部材移動用補助具。
  7. 送電用鋼管鉄塔を構成する鋼管部材を作業者が騎馬状態で移動する際にその移動を補助する鋼管部材移動用補助具であって、
    鋼管部材に巻き付けられる帯体と、
    この帯体を介して連結される一対のハンドルとを備え、
    前記ハンドルのうちの一方は、前記帯体に固定される固定ハンドルであり、他方は、前記帯体上を移動され、前記一方のハンドルに対して近づけられたり遠ざけられたりする可動ハンドルであり、
    少なくとも固定ハンドルには、前記帯体を鋼管部材に巻き付けた後、必要に応じて前記帯体の引き締めを行い、当該引き締めに連動させて前記鋼管部材を前記固定ハンドルおよび前記可動ハンドルで押圧する引締手段を有する鋼管部材移動用補助具。
  8. 前記可動ハンドルは、前記帯体に沿って当該ハンドルを鋼管部材の外周円上の所望箇所に移動後、当該所望の箇所にて帯体に仮止めされる仮止手段を有することを特徴とする請求項7に記載の鋼管部材移動用補助具。
  9. 前記固定ハンドルは、当該ハンドルの軸方向に対して直角方向に延び作業者の脚または足を掛けるための足掛手段を有することを特徴とする請求項7または8に記載の鋼管部材移動用補助具。
  10. 前記足掛手段は、前記固定ハンドルに対して着脱自在なハシゴ体であることを特徴とする請求項9に記載の鋼管部材移動用補助具。
  11. 前記一対のハンドルは、
    作業者が移動時に把持する把手部と、
    この把手部の一端側に設けられ鋼管部材に面接触する面接触部と、
    前記帯体と前記両ハンドルとを連結するために帯体を通す帯体通し孔を有する帯体通し部をそれぞれ有し、
    前記固定ハンドルに係る帯体通し部に前記引締手段を設けたことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具。
  12. 前記引締手段は、前記帯体の引き締め及び解除を行うレバーを有することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具。
  13. 前記面接触部は、これを鋼管部材に対して摺動すると、鋼管部材との間に摩擦力を生じる材質でできていることを特徴とする請求項4、請求項5、請求項11、請求項12のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具。
  14. 前記面接触部は着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項4、請求項5、請求項11、請求項12、請求項13のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具。
  15. 前記面接触部の前記鋼管部材との接触面の曲率は、鋼管部材の曲率に合致していることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具。
  16. 前記仮止手段は、前記可動ハンドルの把手部の先端部に形成した雄ねじ部と、
    前記帯体通し部に形成され前記帯体通し孔と直交しかつ前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部とを有し、
    前記帯体通し部の帯体通し孔に前記帯体を通した状態で前記雄ねじ部の前記雌ねじ部に対するねじ込み量の多寡により、前記雄ねじ部の先端による前記帯体及び面接触部の前記鋼管部材側への押圧力を加減することを特徴とする請求項8〜15のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具。
  17. 前記帯体通し孔は、鋼管部材の外周面の曲率に合致したものであることを特徴とする請求項16に記載の鋼管部材移動用補助具。
  18. 前記把手部は、これを前記面接触部に対して傾動自在にすると共に傾動状態を保持する傾動状態保持機構と接続されていることを特徴とする請求項11〜17のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具。
  19. 請求項12〜18のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具を用いると共に(i)〜(vii)のステップを有する鋼管部材上での作業者移動方法。
    (i)進行方向左右両側にハンドルが位置するように鋼管部材に帯体を掛けるステップ
    (ii)固定ハンドルの帯体通し孔に帯体の自由端を通し、鋼管部材に帯体を巻き付けるステップ
    (iii)可動ハンドルをその仮止手段により鋼管部材に仮止めするステップ
    (iv)鋼管部材移動用補助具を手前側にして鋼管部材に跨るステップ
    (v)両ハンドルを握り前進させるステップ
    (vi)両腕に重心を移動して腰を浮かした状態のまま前方に上体移動し、その後前方へ腰から下の部分も移動するステップ
    (vii)ステップ(v)および(vi)を繰り返すステップ
  20. 鋼管部材に命綱でぶら下がり状態にある時に請求項12〜18のいずれかに記載の鋼管部材移動用補助具を用いると共に、(i)〜(iv)のステップを経て鋼管部材へよじ登る鋼管部材への復帰方法。
    (i)帯体に沿って鋼管部材の上方に可動ハンドルを移動し、鋼管部材の頂点近傍に位置させるステップ
    (ii)引締手段のレバー操作により帯体を完全に引き締めて固定ハンドルと可動ハンドルとを鋼管部材に堅固に取り付けるステップ
    (iii)可動ハンドルと固定ハンドルを把持するステップ
    (iv)ハシゴ体に足を掛けて鋼管部材によじ登るステップ。
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