JP2005308946A - 残響付加装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】音場感を模擬する対象である空間の時間的に不規則な反射音パターンと反射構造物の吸音特性や空気減衰特性を再現する。
【解決手段】メモリ手段からメモリ手段の入力への帰還処理部の中で所定の周波数特性に調整された複数の帰還信号を生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は残響付加装置に関するものである。
従来、音楽や映画等のコンテンツ再生において、音の拡がり感もしくは臨場感を得るために残響信号を付加する技術がある。この場合、残響信号はコンテンツに含まれている音響信号を所定時間遅延してレベル調整した信号として生成するため、遅延時間に応じてメモリ領域を確保する必要がある。例えば、音楽コンテンツ再生において、コンサートホールで音楽を聴いているかのような拡がり感を得る場合、コンサートホールでの音の反射特性を分析した結果に基づいて、レベルが十分減衰する時間(以下、残響時間)までの音の連なり(以下、反射音)を上記残響信号生成方法によって仮想的に再現すれば良い。しかし、コンサートホールによっては残響時間が1秒以上の場合もあることから、残響信号生成のために莫大なメモリ領域が必要となるという課題があった。このような課題を解決するための装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。以下、図面を参照しながら従来の残響付加装置について説明する。
図1は、従来の残響付加装置である。図1において、1は入力信号Sinを入力する加算器、2は加算器1の出力信号をサンプリング周期毎に遅延させるディレイメモリ、3はディレイメモリ2の所定の遅延タップからの複数の信号を各々入力するゲイン可変の複数の乗算器である。ただし、入力する複数の信号の遅延時間はそれぞれ異なる。4は複数の可変乗算器3の出力信号を加算して出力する加算器である。5はディレイメモリ2の任意の遅延タップからの信号を入力するゲイン可変の乗算器であり、可変乗算器5の出力信号は加算器1に入力つまりディレイメモリ2の入力に帰還される。このような遅延信号の帰還処理により遅延信号の無限ループが形成される結果、限られたメモリ領域、演算コストで遅延時間が長い残響信号を生成することが可能となる。可変乗算器5の係数が大きいほど帰還信号ゲインが大きくなるので残響信号の減衰率が小さくなり、その結果残響時間が大きくなる。また、遅延信号群が帰還する度にゲインが変化することから、遅延信号群が互いにレベルの段差を生じる可能性があるが、可変乗算器5の係数に応じて適宜可変乗算器3の係数を変更することによりレベルの段差を回避し、残響音のエンベロープを滑らかにすることが可能となる。図2は、図1で示す残響付加装置によって生成される残響信号を示したものである。
しかし、図1で示した残響付加装置においては、入力信号Sinの周波数に関わらず同じ残響信号特性となってしまい、コンサートホール等において反射音が伝播する際の空気減衰、あるいは床や壁等に反射する際の吸音による減衰を再現することはできない。また、コンサートホール等においてある定位置に到来する反射音は、時間が経つほどレベルは小さいが到来回数が増える。つまり図3で示したように、初期時間においては反射音は時間的に疎であるが、時間が経つほど反射音は時間的に密である。図1で示した残響付加装置においては、残響信号のゲインは可変乗算器5で変更可能であるが、ディレイメモリ2から出力する遅延タップは変更しないことから、上述した反射音の疎密を表現できない。このように、図1で示した残響付加装置においては、コンサートホール等の反射音特性を忠実に再現することが出来ない。
特開平5−232979号公報
本発明は、前記課題に鑑み、音場感を模擬する対象である空間の時間的に不規則な反射音パターンと反射構造物の吸音特性や空気減衰特性を再現する残響付加装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、本発明の残響付加装置は、音響信号を入力する第1の加算手段と、前記第1の加算手段の出力信号を逐次遅延するメモリ手段と、前記メモリ手段によって所定時間遅延した信号を入力する第2の加算手段と、前記第2の加算手段の出力信号を入力する第1と第2の帰還信号補正手段と、前記第1の帰還信号補正手段の出力信号は前記第1の加算手段に入力し、前記第2の帰還信号補正手段の出力信号は前記第2の加算手段に入力し、前記メモリ手段によって各々所定時間遅延した少なくとも1つ以上の信号を各々入力する少なくとも1つ以上の乗算手段と、前記乗算手段の出力信号を入力する第3の加算手段を具備し、前記第1の加算手段の入力から前記第3の加算手段の出力までの伝達関数インパルス応答のピーク列が時間的に不均一である構成となっている。
また本発明の残響付加装置は、音響信号を入力する第1の加算手段と、前記第1の加算手段の出力信号を逐次遅延するメモリ手段と、前記メモリ手段によって各々所定時間遅延した少なくとも2つ以上の信号を各々入力する少なくとも2つ以上の帰還信号補正手段と、前記帰還信号補正手段の出力信号を入力する第2の加算手段と、前記第2の加算手段の出力信号は前記第1の加算手段に入力し、前記メモリ手段によって各々所定時間遅延した少なくとも1つ以上の信号を各々入力する少なくとも1つ以上の乗算手段と、前記乗算手段の出力信号を入力する第3の加算手段を具備し、前記第1の加算手段の入力から前記第3の加算手段の出力までの伝達関数インパルス応答のピーク列が時間的に不均一である構成となっている。
また本発明の残響付加装置は、サンプリング周波数検出手段を更に備え、前記サンプリング周波数検出手段は前記第1の加算手段への入力信号のサンプリング周波数に応じて前記第1の帰還信号補正手段の特性を調整することを特徴とする構成となっている。
また本発明の残響付加装置は、前記残響付加装置を少なくとも2つ以上備え、第1の残響付加装置を構成する前記第1の帰還信号補正手段の出力信号を更に第2の残響付加装置を構成する前記第1の加算手段に入力し、第2の残響付加装置を構成する前記第1の帰還信号補正手段の出力信号を更に第1の残響付加装置を構成する前記第1の加算手段に入力することを特徴とする構成となっている。
また本発明の残響付加装置は、前記残響付加装置を少なくとも2つ以上備え、第1の残響付加装置を構成する前記第2の加算手段の出力信号を更に第2の残響付加装置を構成する前記第2の加算手段に入力し、第2の残響付加装置を構成する前記第2の加算手段の出力信号を更に第1の残響付加装置を構成する前記第2の加算手段に入力することを特徴とする構成となっている。
また本発明の残響付加装置は、前記メモリ手段は前記第1の加算手段の出力信号を逐次遅延せず、前記第1の加算手段の出力信号を入力する入力信号補正手段を更に備え、前記メモリ手段は前記入力信号補正手段の出力信号を逐次遅延することを特徴とする構成となっている。
また本発明の残響付加装置は、音響信号を入力する第1の加算手段と、前記第1の加算手段の出力信号を入力する入力信号補正手段と、前記入力信号補正手段の出力信号を逐次遅延するメモリ手段と、前記メモリ手段によって所定時間遅延した信号を入力する帰還信号補正手段と、前記帰還信号補正手段の出力信号を前記第1の加算手段に入力し、前記メモリ手段によって各々所定時間遅延した少なくとも1つ以上の信号を各々入力する少なくとも1つ以上の乗算手段と、前記乗算手段の出力信号を入力する第2の加算手段を具備し、前記第1の加算手段の入力から前記第2の加算手段の出力までの伝達関数インパルス応答の各ピーク成分が所定の周波数特性を有する構成となっている。
また本発明の残響付加装置は、前記帰還信号補正手段が入力信号を所定のレベルに調整する乗算手段と入力信号を所定の周波数特性に調整する周波数特性調整手段と遅延手段のいずれか若しくは組み合わせからなることを特徴とする構成となっている。
上記のように、本発明によれば、メモリ手段からメモリ手段の入力への帰還処理部の中で所定の周波数特性に調整された複数の帰還信号を生成する。以上より、音場感を模擬する対象である空間の時間的に不規則な反射音パターンと反射構造物の吸音特性や空気減衰特性を再現することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図4から図19を用いて説明する。
(実施の形態1)
図4は、実施の形態1における残響付加装置である。図4において、6は音楽等の信号Sinを入力する加算器、7は加算器6の出力信号を入力して遅延信号を生成するための最大遅延時間nT(サンプリング周波数は1/T)のディレイメモリ、8はディレイメモリ7の最大遅延タップの遅延信号を入力する加算器、9は音波の空気減衰あるいは再現したい音場空間であるコンサートホールの床や壁の吸音特性を模するように加算器8の出力信号を処理する第1減衰特性補正手段、10は第1減衰特性補正手段9の出力信号を所定のゲインで補正してディレイメモリ7からの帰還信号により生成される残響信号レベルを適正にする乗算器、11は加算器8の出力信号を所定の時間mTだけ遅延させる遅延手段、12は第1減衰特性補正手段9と同じく空気減衰や吸音特性を模するよう遅延手段11の出力信号を処理する第2減衰特性補正手段、13は第2減衰特性補正手段12の出力信号を所定のゲインで補正して加算器8からの帰還信号により生成される残響信号レベルを適正にする乗算器、14はディレイメモリ7の少なくとも1つ以上の所定の遅延タップの遅延信号を各々入力する乗算器、15は乗算器14の各々の出力信号を加算する加算器である。
次に、図4で示される残響付加装置で生成される残響信号特性について説明する。図5にディレイメモリ7の最大遅延タップ信号を帰還しない、すなわち乗算器10のゲインがゼロである場合に入力信号Sinを大きさ1のインパルス信号としたときの出力信号Soutの時刻暦応答(インパルス応答)を示した。ただし、乗算器14は5個用意されており、それぞれ時間d1(遅延タップd1/T)、d2(遅延タップd2/T)、d3(遅延タップd3/T)、d4(遅延タップd4/T)、d5(遅延タップd5/T)の遅延信号が入力されており、ゲインはそれぞれg1、g2、g3、g4、g5である。コンサートホール等の反射音を残響付加装置で再現する場合、残響信号特性を決定する遅延dnとゲインgnの組み合わせと計測もしくは音響シミュレーションによって得られる反射音パターンを一致させれば良い。しかし、実際にはディレイメモリ7の領域の制約や乗算器14における積和演算コストの制約があり、反射音が時間的に比較的疎な初期反射音の限られた数本しか再現することが出来ないため、コンサートホールの音場感を得ることは困難である。
一方、乗算器10のゲインをaとしてディレイメモリ7の最大遅延タップ信号を帰還し、乗算器13のゲインをゼロとした場合のインパルス応答を図6に示す。ここで、第1減衰特性補正手段9には、空気減衰特性あるいは再現したいコンサートホールの壁、床の吸音特性を再現するようにフィルタを設計しておく。図7に空気による音波の減衰率(1/km)を示した。音波が空気中を進行する際、距離減衰(球面波の場合、音圧は距離に反比例する)に加えて、空気粘性や熱伝導によって図7で示す特性でレベルが減衰する。この減衰特性は、音波の進行距離が長いほど、つまり反射音の遅延時間が大きいほど効く。よって、第1減衰特性補正手段9に例えば図7で示す減衰特性の逆特性フィルタをあらかじめ設定しておけば、ディレイメモリ7の最大遅延タップ信号が帰還する度に減衰特性補正フィルタ処理されるので図8に示すように遅延時間が大きい反射音群ほど減衰特性を効かせることが出来る。もちろん、第1減衰特性補正手段9としては、空気減衰だけで無くコンサートホールの壁や床の吸音特性の逆特性フィルタや、吸音特性の逆特性フィルタ、空気減衰の平均的な特性を設定しておくことも可能である。乗算器10のゲインaは図8における各反射音群のレベルの段差が生じないように適正に設定しておく。以上説明したように、乗算器10と第1減衰特性補正手段9からなる第1の帰還信号補正手段を加えた構成によって、図8に示すように、限られたディレイメモリ容量においても残響時間が長い残響信号を生成出来るだけで無く、遅延時間が大きい反射音ほど空気減衰等の特性を効かせた残響信号を生成出来るが、各反射音群の時間的な密度は等しいという課題が残る。そこで更に、乗算器13にゲインbを与えて、ディレイメモリ7の最大遅延タップ信号の帰還信号を更に帰還するループを構成することによって、時間的に密な帰還信号を生成することが出来る。
図9に、遅延手段11と第2減衰特性補正手段12と乗算器13からなる第2の帰還信号補正手段でループを構成する帰還信号処理系のインパルス応答を示す。第2減衰特性補正手段12には、第1減衰特性補正手段9と同様に空気減衰や壁の吸音特性の逆特性フィルタを設計しておけば遅延時間が大きい反射音ほどそれら特性を効かせた残響信号を生成出来る。図10は、第1と第2の帰還信号補正手段を動作させたとき(乗算器10、13にゼロ以外のゲインを設定)の図4で示した残響付加装置のインパルス応答を示したものである。遅延信号を生成するために必要なメモリ領域としてはディレイメモリ7のnタップ分と遅延手段11のmタップ分のみであるにもかかわらず、残響時間が長い残響信号を生成できるうえに遅延時間が大きいほど反射音を時間的に密にして、音の空気減衰特性や音が壁等での反射するときの吸音特性を再現するように反射音の周波数特性を加えることが出来るので、より実際に近い残響、音場感を得られる。遅延手段11の遅延タップmは小さいほど、第2の帰還信号補正手段により生成される残響信号を密にすることが出来る。
なお、図4の構成において残響のエンベロープは乗算器10、13、14のゲイン、及びディレイメモリ7から乗算器14へ入力する遅延信号のタップ数によって決まる。もし入力信号Sinのサンプリング周波数がこれら係数を設計したときのサンプリング周波数とは異なる場合、ディレイメモリ7から出力する遅延信号の遅延時間が設計時とは異なってしまい、所望の残響エンベロープを得ることが出来ない。図11は、係数を設計したときのサンプリング周波数における残響と係数設計時より高いサンプリング周波数における残響を示したものである。当然、サンプリング周波数が高いほど1タップあたりの遅延時間が短くなるので、残響エンベロープの傾斜も急となり残響時間が短くなる。図12は、残響を生成するための各係数を大幅に入れ替えること無く、入力信号Sinのサンプリング周波数に関わらず残響エンベロープを一定に保つことが出来る残響付加装置である。
図12は、図4で示した構成に比べて乗算器10をゲイン可変の乗算器17で置き換え、サンプリング周波数検出手段16を加えた構成である。可変乗算器17とサンプリング周波数検出手段16を除く要素の動作は、図4で示した構成と同じなので説明を省略する。サンプリング周波数検出手段16は、何らかの方法で検出する入力信号Sinのサンプリング周波数に応じて可変乗算器17のゲインを変更し、残響における帰還信号成分のゲインを変更する。図13は可変乗算器17のゲイン設定値について説明した図である。係数を設計したときのサンプリング周波数の信号Sinが入力される際、可変乗算器17のゲインがaの場合の残響のエンベロープを
Figure 2005308946
とし、残響信号が無くなる時間つまりエンベロープと時間軸との交点における遅延時間をdrとしたうえで、エンベロープと時間軸で囲まれる部分の面積を残響信号の大きさの目安として求めると、
Figure 2005308946
となる。一方、設計時とは異なるサンプリング周波数、例えば設計時のγ倍のサンプリング周波数の信号Sinが入力される場合、残響を構成する各信号の遅延時間は1/γ倍となり残響のエンベロープが次式のように変わってしまう。
Figure 2005308946
よって、エンベロープと時間軸で囲まれる面積を残響信号の大きさの目安と考えると、サンプリング周波数によらず残響信号の大きさをおよそ等しくするには、次式が成り立つような乗算器17のゲインa・αを設定すれば良い。
Figure 2005308946
ただし、式中のkはG’で作られるエンベロープの遅延時間がおよそdrになるときのディレイメモリ7からの遅延信号帰還回数を示す。また、説明を単純化するために第2の帰還信号補正手段により生成される残響信号は示していない。
なお、図4で示した残響付加装置は1チャンネル入力信号に対して残響を付加するが、マルチチャンネル入力信号に対して残響を付加することも可能である。図14は、2チャンネル入力信号に対する残響付加装置の構成を示している。図14において、構成要素の符号の添え字aはLチャンネル信号への残響付加のための要素、添え字bはRチャンネル信号への残響付加のための要素であることを示している。7a、7b、8a、8b、14a、14b、15a、15bは図4で示した残響付加装置と同じ動作をするので説明は省略する。18a、18bは第1の帰還信号補正手段、19a、19bは第2の帰還信号補正手段を示している。加算器6aにはLチャンネル用のディレイメモリ7aの帰還信号だけで無く、Rチャンネル用のディレイメモリ7bの帰還信号も入力されている。同様に、加算器6bにはLチャンネル用ディレイメモリ7a、Rチャンネル用ディレイメモリ7b双方の帰還信号が入力されている。このような構成にすることにより、図4で示した構成に比べて、互いの遅延信号をより密にして残響音を豊かにすることが可能となる。
なお、図4で示した残響付加装置のようにディレイメモリ7からの帰還信号として必ずしも最大遅延タップの信号を出力する必要は無い。図15で示したように、乗算器14に入力する遅延信号のうちの1つの遅延信号を分岐させて加算器8に入力しても良い。
なお、図16で示した残響付加装置のように加算器6とディレイメモリ7の間に第3減衰特性補正手段20を挿入する構成でも良い。このような構成において、第3減衰特性補正手段20に音波の空気減衰あるいは再現したい音場空間であるコンサートホールの床や壁の吸音特性を模する特性を与えておけば、図8における反射音群Aを含めて加算器15から出力される全ての残響信号成分に対して上記特性を与えることが出来る。
なお、図17で示した残響付加装置のようにディレイメモリ7から加算器6に遅延信号を帰還する際、第2の帰還信号補正手段を含む帰還処理及び第1の帰還信号補正手段による処理を行わず加算器6とディレイメモリ7の間に第3減衰特性補正手段20を挿入する構成でも良い。このような構成において、第3減衰特性補正手段20に音波の空気減衰あるいは再現したい音場空間であるコンサートホールの床や壁の吸音特性を模する特性を与えておけば、反射音パターンの時間的な疎密を実現することは出来ないが、比較的少ない演算量で図8における反射音群Aを含めて加算器15から出力される全ての残響信号成分に対して上記特性を与えることが出来る。
(実施の形態2)
図18は、実施の形態2における残響付加装置である。図18で示した残響付加装置は、図4で示した構成に比べてディレイメモリ7の遅延タップからの帰還信号に第2の帰還信号補正手段が無く、複数の帰還信号を加算器8で加算して加算器6に入力する構成となっている。図18において、ディレイメモリ7と乗算器14と加算器15は実施の形態1で説明した残響付加装置と同じように動作するので説明を省略する。第1減衰特性補正手段9にはディレイメモリ7の遅延タップのうち最大遅延では無いn’タップの遅延信号を入力する。第1減衰特性補正手段9には実施の形態1で説明した第1減衰特性補正手段9と同様に、音波の空気減衰特性あるいはコンサートホール等の床や壁の吸音特性の逆特性を処理特性として与える。第1減衰特性補正手段9の出力信号は乗算器10でレベル調整された後、加算器8に入力される。一方、第2減衰特性補正手段12にはディレイメモリ7の遅延タップのうち、第1減衰特性補正手段9に入力する信号の遅延タップとは異なるタップm’の遅延信号を入力する。また、第2減衰特性補正手段12では第1減衰特性補正手段9と同様の処理特性を与える。第2減衰特性補正手段12の出力信号は乗算器13でレベル調整された後、加算器8に入力される。加算器8は、ディレイメモリ7から第1減衰特性補正手段9と乗算器10からなる第1の帰還信号補正手段と、第2減衰特性補正手段12と乗算器13からなる第2の帰還信号補正手段で処理された帰還信号を加算し、加算器6に入力して入力信号Sinと加算する。
ディレイメモリ7から帰還されずに乗算器14でレベル調整されて加算器15で加算されて出力される反射音群Aと、ディレイメモリ7から第1の帰還信号補正手段で1回処理されて加算器6に帰還されて乗算器7でレベル調整されて加算器15で加算されて出力される反射音群Bと、ディレイメモリ7から第2の帰還信号補正手段で1回処理されて加算器6に帰還されて乗算器14でレベル調整されて加算器15で加算されて出力される反射音群Cの時間軸での関係を図19に示した。反射音群Aの1本目反射音ゲインをg1、第1の帰還信号補正手段を構成する乗算器10のゲインをa’、第2の帰還信号補正手段を構成する乗算器13のゲインをb’とすると、反射音群Bの1本目反射音ゲインはa’・g1、反射音群Cの1本目反射音ゲインはb’・g1で表される。図19からわかるように、d1+n’T以上の時間では帰還信号である反射音群B及び反射音群Cによって反射音の時間的な密度が大きくなる。また、図19には示していないが、装置を動作させている間は常に遅延信号の帰還処理が行われるので、遅延時間が大きいほど反射音群が増えるので反射音の時間的な密度が増える。
なお、図18に示した構成では、ディレイメモリ7の遅延タップのうちm’タップとn’タップの2つの遅延タップから信号を帰還させているが、3つ以上の遅延タップから信号を帰還させても良い。
以上のように、本発明に係る残響付加装置は、コンサートホール等の反射音特性、コンサートホール等の音場感を得ること等を目的として利用することができる。
従来の残響付加装置を示す図 従来の残響付加装置のインパルス応答を示す図 コンサートホール等の反射音パターンを示す図 本発明の実施の形態1における残響付加装置を示す図 本発明の実施の形態1において、第1の帰還信号補正手段が信号を出力しない場合のインパルス応答を示す図 本発明の実施の形態1において、第2の帰還信号補正手段が信号を出力しない場合のインパルス応答を示す図 空気による音波の減衰率を示す図 帰還信号と減衰特性処理回数の関係を示す図 第2の帰還信号補正手段からなる帰還信号処理系のインパルス応答を示す図 インパルス応答を示す図 サンプリング周波数と残響エンベロープの関係を示す図 本発明の実施の形態1において、入力信号サンプリング周波数に応じて第1の帰還信号補正手段の特性を変更する場合の残響付加装置を示す図 入力信号サンプリング周波数に応じた可変乗算器ゲイン設定を説明する図 本発明の実施の形態1において、2チャンネル信号の残響を各々加算する場合の残響付加装置を示す図 本発明の実施の形態1において、初期反射音パターンを実現する遅延信号を帰還する場合の残響付加装置を示す図 本発明の実施の形態1において、全ての反射音に周波数特性を与える場合の残響付加装置を示す図 本発明の実施の形態1において、低演算量で全ての反射音に周波数特性を与える場合の残響付加装置を示す図 本発明の実施の形態2における残響付加装置を示す図 残響エンベロープを示す図
符号の説明
1,4,6,6a,6b,8,8a,8b,15,15a,15b 加算器
2,7,7a,7b ディレイメモリ
3,5 可変乗算器
9 第1減衰特性補正手段
10,13,14,14a,14b 乗算器
11 遅延手段
12 第2減衰特性補正手段
16 サンプリング周波数検出手段
17 可変乗算器
18a,18b 第1の帰還信号補正手段
19a,19b 第2の帰還信号補正手段
20 第3減衰特性補正手段

Claims (8)

  1. 音響信号を入力する第1の加算手段と、
    前記第1の加算手段の出力信号を逐次遅延するメモリ手段と、
    前記メモリ手段によって所定時間遅延した信号を入力する第2の加算手段と、
    前記第2の加算手段の出力信号を入力する第1と第2の帰還信号補正手段と、
    前記第1の帰還信号補正手段の出力信号は前記第1の加算手段に入力し、
    前記第2の帰還信号補正手段の出力信号は前記第2の加算手段に入力し、
    前記メモリ手段によって各々所定時間遅延した少なくとも1つ以上の信号を各々入力する少なくとも1つ以上の乗算手段と、
    前記乗算手段の出力信号を入力する第3の加算手段を具備し、
    前記第1の加算手段の入力から前記第3の加算手段の出力までの伝達関数インパルス応答のピーク列が時間的に不均一であることを特徴とする残響付加装置。
  2. 音響信号を入力する第1の加算手段と、
    前記第1の加算手段の出力信号を逐次遅延するメモリ手段と、
    前記メモリ手段によって各々所定時間遅延した少なくとも2つ以上の信号を各々入力する少なくとも2つ以上の帰還信号補正手段と、
    前記帰還信号補正手段の出力信号を入力する第2の加算手段と、
    前記第2の加算手段の出力信号は前記第1の加算手段に入力し、
    前記メモリ手段によって各々所定時間遅延した少なくとも1つ以上の信号を各々入力する少なくとも1つ以上の乗算手段と、
    前記乗算手段の出力信号を入力する第3の加算手段を具備し、
    前記第1の加算手段の入力から前記第3の加算手段の出力までの伝達関数インパルス応答のピーク列が時間的に不均一であることを特徴とする残響付加装置。
  3. サンプリング周波数検出手段を更に備え、
    前記サンプリング周波数検出手段は前記第1の加算手段への入力信号のサンプリング周波数に応じて前記第1の帰還信号補正手段の特性を調整することを特徴とする請求項1または請求項2記載の残響付加装置。
  4. 前記残響付加装置を少なくとも2つ以上備え、
    第1の残響付加装置を構成する前記第1の帰還信号補正手段の出力信号を更に第2の残響付加装置を構成する前記第1の加算手段に入力し、
    第2の残響付加装置を構成する前記第1の帰還信号補正手段の出力信号を更に第1の残響付加装置を構成する前記第1の加算手段に入力することを特徴とする請求項1記載の残響付加装置。
  5. 前記残響付加装置を少なくとも2つ以上備え、
    第1の残響付加装置を構成する前記第2の加算手段の出力信号を更に第2の残響付加装置を構成する前記第2の加算手段に入力し、
    第2の残響付加装置を構成する前記第2の加算手段の出力信号を更に第1の残響付加装置を構成する前記第2の加算手段に入力することを特徴とする請求項2記載の残響付加装置。
  6. 前記メモリ手段は前記第1の加算手段の出力信号を逐次遅延せず、
    前記第1の加算手段の出力信号を入力する入力信号補正手段を更に備え、
    前記メモリ手段は前記入力信号補正手段の出力信号を逐次遅延することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の残響付加装置。
  7. 音響信号を入力する第1の加算手段と、
    前記第1の加算手段の出力信号を入力する入力信号補正手段と、
    前記入力信号補正手段の出力信号を逐次遅延するメモリ手段と、
    前記メモリ手段によって所定時間遅延した信号を入力する帰還信号補正手段と、
    前記帰還信号補正手段の出力信号を前記第1の加算手段に入力し、
    前記メモリ手段によって各々所定時間遅延した少なくとも1つ以上の信号を各々入力する少なくとも1つ以上の乗算手段と、
    前記乗算手段の出力信号を入力する第2の加算手段を具備し、
    前記第1の加算手段の入力から前記第2の加算手段の出力までの伝達関数インパルス応答の各ピーク成分が所定の周波数特性を有することを特徴とする残響付加装置。
  8. 前記帰還信号補正手段が入力信号を所定のレベルに調整する乗算手段と入力信号を所定の周波数特性に調整する周波数特性調整手段と遅延手段のいずれか若しくは組み合わせからなることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の残響付加装置。
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