JP2005308765A - リニア位置検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成のリニア位置検出装置を提供する。
【解決手段】 コイル部と磁気応答部材とを具え、検出対象の変位に応じてコイル部と磁気応答部材の一方が他方に対して非接触的に相対的にリニアに変位し、これに応じた出力信号をコイル部より得ることにより該検出対象のリニア変位を検出する。コイル部において、第1のコイルグループは、磁気応答部材の相対的位置に関してサイン相及びマイナスサイン相の磁気抵抗変化特性を示す2極のコイルで構成され、第2のコイルグループは、コサイン相及びマイナスコサイン相の磁気抵抗変化特性を示す2極のコイルで構成される。各極のコイルは前記交流信号によって励磁される1つのコイルのみからなり、該各コイルに対する磁気応答部材の相対的リニア位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を前記各1つのコイルから取り出す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リニア位置検出装置に関し、建設機械、自動車、工作機械、その他あらゆる分野で応用可能なものである。
従来のリニア位置検出装置にはポテンショメータを用いたものがある。しかし、ポテンショメータにおいて摺動接触子があるために耐久性の点で難があった。
また、従来知られた誘導型位置検出装置には、直線位置検出装置としては差動トランスがあり、回転位置検出装置としてはレゾルバがある。差動トランスは、1つの1次巻線を1相で励磁し、差動接続された2つの2次巻線の各配置位置において検出対象位置に連動する鉄心コアの直線位置に応じて差動的に変化するリラクタンスを生ぜしめ、その結果として得られる1相の誘導出力交流信号の電圧振幅レベルが鉄心コアの直線位置を示すようにしたものである。レゾルバは、複数の1次巻線を1相で励磁し、サイン相取り出し用の2次巻線からサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出し、コサイン相取り出し用の2次巻線からコサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出すようにしたものである。この2相のレゾルバ出力は公知のR/Dコンバータといわれる変換回路を用いて処理し、検出した回転位置に対応する位相値をディジタル的に測定することができる。
また、サイン相とコサイン相のような複数相の交流信号によって複数の1次巻線を夫々励磁し、検出対象直線位置又は回転位置に応じて該交流信号を電気的に位相シフトした出力交流信号を出力し、この出力交流信号の電気的位相シフト量を測定することにより、検出対象直線位置又は回転位置をディジタル的に測定する技術も知られている(例えば、特開昭49−107758号、特開昭53−106065号、特開昭55−13891号、実公平1−25286号など)。
しかし、リニア位置検出装置として従来知られたポテンショメータは、前述の通り、摺動接触子があるために耐久性の点で難があった。また、劣悪な環境で使用するには適していないものであった。
また、従来知られた誘導型位置検出装置は、一般に、構造的に非接触であり、また、コイルと磁性体(鉄片等)の簡単な構成により、簡便かつ安価に製造することができ、かつ劣悪な環境下での使用にも耐えうるものであるが、1次及び2次コイルを対にして具備する必要があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、構成を簡略化したリニア位置検出装置を提供しようとするものである。
本発明に係るリニア位置検出装置は、コイル部と磁気応答部材とを具え、検出対象の変位に応じて前記コイル部と前記磁気応答部材の一方が他方に対して非接触的に相対的にリニアに変位し、これに応じた出力信号を前記コイル部より得ることにより該検出対象の変位を検出するリニア位置検出装置であって、前記コイル部は、所定の交流信号によって励磁される第1及び第2のコイルグループを含み、各コイルグループは前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的リニア変位の方向に沿って異なる配置で設けられており、これにより、前記第1のコイルグループは、前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的リニア位置に応じて、サイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生ずるよう配置され、また、前記第2のコイルグループは、前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的リニア位置に応じて、コサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生ずるよう配置されてなり、かつ、第1のコイルグループは、前記磁気応答部材の相対的リニア位置に関してそれぞれサイン相及びマイナスサイン相の磁気抵抗変化特性を示すよう配置された2極のコイルで構成され、第2のコイルグループは、前記磁気応答部材の相対的リニア位置に関してそれぞれコサイン相及びマイナスコサイン相の磁気抵抗変化特性を示すよう配置された2極のコイルで構成され、更に、各コイルグループにおける各極のコイルは前記交流信号によって励磁される1つのコイルのみからなり、該各コイルに対する前記磁気応答部材の相対的リニア位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を前記各1つのコイルから取り出し、これに基づき、前記第1のコイルグループの2つのコイルから出力されるサイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成して前記サイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生成し、また、前記第2のコイルグループの2つのコイルから出力されるコサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成して前記コサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号をそれぞれ生成することを特徴とする。
本発明によれば、コイル部は、所定の交流信号によって励磁される第1及び第2のコイルグループを含み、各コイルグループは前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的リニア変位の方向に沿って異なる配置で設けられており、これにより、前記第1のコイルグループは、前記磁気応答部材の相対的リニア位置に応じて、サイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生ずるよう配置され、また、前記第2のコイルグループは、コサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生ずるよう配置されてなるので、サイン相とコサイン相の2相の出力交流信号を出力するリニア位置検出装置を提供することができる。そして、更に、各コイルグループにおける各コイルは前記交流信号によって励磁される1つのコイル(1次コイル)のみからなり、該各1つのコイルに対する前記磁気応答部材の位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を該各1つのコイルから取り出し、これに基づき前記第1及び第2のコイルグループから前記サイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号と前記コサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号がそれぞれ生成されるようにしたので、コイル構成の簡略化によってリニア位置検出装置を小型化することができる。更に、第1のコイルグループの2つのコイルから出力されるサイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成して前記サイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生成し、また、第2のコイルグループの2つのコイルから出力されるコサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成して前記コサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号をそれぞれ生成することで、温度補償特性にも優れた精度のよいリニア位置検出装置を提供することができる。
本発明によれば、更に様々な実施の形態をとることができ、その詳細は、例示的に以下において示される。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態をいくつかの代表例について説明する。図示された各例は、相互に組み合わせることも可能であり、それらの組合せも本発明の実施に含まれる。
図1は本発明に係るリニア位置検出装置10の軸方向断面図である。この実施例では、リニア位置検出装置10を傾斜計として利用しているので、以下、傾斜計10という。プラスチックあるいはステンレス等の非磁性体からなる収納体1は巻軸のような形状をなしており、その軸の内部には、図示のように、下側にわん曲した通路1aが設けられている。この通路1a内には、適宜のサイズ又は量の磁気応答部材3が重力に従って移動自在に収納されている。磁気応答部材3は、図1の例では、球形状をした例えば鉄のような磁性体からなっている。収納体1の通路1aの周囲つまり巻軸の周囲には、1又は複数のコイル11〜15,21〜24が順次配置されて巻かれている。これらのコイル11〜15,21〜24によりコイル部2が構成されている。なお、通路1aの両端は閉じられていて、内部の磁気応答部材3が飛び出ないようになっている。
上記の構成によって、通路1a内における磁気応答部材3のリニア位置つまり、コイル部2に対する磁気応答部材3の相対的直線位置に応じて、コイル部2における誘導結合が変化し、これに応じた出力信号を該コイル部2より得ることができる。従って、通路1a内における磁気応答部材3のリニア位置に応じた検出出力信号をコイル部2から得るようにすることができる。
ここで、収納体1の通路1aは、下側にわん曲しているため、該収納体1が水平位置におかれているとき、該通路1a内の磁気応答部材3は自重により必ず所定の位置(傾斜0に対応する一番低い位置)に位置する。収納体1が傾くと、それに応じて通路1aに沿って磁気応答部材3がリニアに変位し、該通路1aにおける前記磁気応答部材3のリニア位置に応じた検出出力信号が前記コイル部2から得られる。従って、コイル部2の出力信号は収納体1の傾きに応答するものであり、該傾きの検知信号として適宜利用できる。
コイル部2による検出原理としては、任意のものを用いることができる。単純な例としては、ピックアップコイル方式があり得る。すなわち通路1aに沿って配置した複数のコイルの出力信号レベルに基づき、磁気応答部材3が最も近接したコイルを特定することにより、通路1aにおける磁気応答部材3のリニア位置を検出することができ、従って、収納体1の傾斜の度合いを検知/検出することができる。より細かく磁気応答部材3のリニア位置を検出するための一例として、リニア差動トランス原理に従ってコイル部2を構成することができる。すなわち、コイル部2として1個又は複数のリニア差動トランスを構成し、該リニア差動トランスの出力電圧値とどのリニア差動トランスから出力が得られたかを示すデータとの組み合わせによって、前記ピックアップコイル方式よりは細かい精度で磁気応答部材3のリニア位置を検出することができる。
更に細かい精度で、かつ正確に、磁気応答部材3のリニア位置を検出し得るようにするには、レゾルバ原理に従ってコイル部2を構成するとよい。
レゾルバ原理に従ってコイル部2を構成する場合、1相の交流信号によって励磁される1次コイル11〜15と、複数の2次コイル21〜24とを含む。各2次コイル21〜24は、通路1aに沿って所定の間隔でずらして配置される。一方、1相の交流信号によって共通に励磁されるが故に、1次コイル11〜15の数は、1又は適宜の複数であってよく、その配置も適宜であってよい。しかし、複数の1次コイル11〜15を適宜に分離して、例えば図1に示されるように各2次コイル21〜24をそれぞれの間に挟むように、配置することは、1次コイルによって発生する磁界を個別の2次コイル21〜24に対して有効に及ぼし、かつ磁気応答部材3による磁場への影響を有効に及ぼすことができるので、好ましい。
通路1aにおける磁気応答部材3のリニア位置に応じて、磁気応答部材3のコイル部2に対する対応位置が変化することにより、1次コイル11〜15と各2次コイル21〜24間の磁気結合が該リニア位置に応じて変化され、これにより、該リニア位置に応じて振幅変調された誘導出力交流信号が、各2次コイル21〜24の配置のずれに応じて異なる振幅関数特性で、各2次コイル21〜24に誘起される。各2次コイル21〜24に誘起される各誘導出力交流信号は、1次コイル11〜15が1相の交流信号によって共通に励磁されるが故に、その電気的位相が同相であり、その振幅関数が各2次コイル21〜24の配置のずれに応じてずれた位相を有する。
すなわち、4つの2次コイル21〜24に生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、所望の特性を示すように設定することが可能であり、レゾルバタイプの位置検出装置として構成する場合は、各2次コイル21〜24に生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、サイン関数、コサイン関数、マイナス・サイン関数、マイナス・コサイン関数、にそれぞれ相当するように設定することが可能である。種々の条件によって、各コイルの配置は微妙に変わり得るので、希望の関数特性が得られるように各コイルの配置や巻数を適宜調整したり、あるいは2次出力レベルを電気的増幅によって調整して、希望の振幅関数特性が最終的に得られるようにする。
例えば、2次コイル21の出力がサイン関数(図でsを付記する)に対応するとすると、これに対して所定距離(例えばp/2とする)だけずれて配置された2次コイル23の出力はマイナス・サイン関数(図で/s(sバー)を付記する)に相当するように設定し、この両者の出力を差動的に合成することによりサイン関数の振幅関数を持つ第1の出力交流信号を得るようにすることができる。また、サイン関数出力に対応する2次コイル21から前記所定距離の半分(例えばp/4とする)だけずれて配置された2次コイル22の出力はコサイン関数(図でcを付記する)に対応し、これに対してp/2だけずれて配置された2次コイル24の出力はマイナス・コサイン関数(図で/c(cバー)を付記する)に相当するように設定し、この両者の出力を差動的に合成することによりコサイン関数の振幅関数を持つ第2の出力交流信号を得るようにすることができる。なお、明細書中では、表記の都合上、反転を示すバー記号は「/(スラッシュ)」で記載するが、これは、図中のバー記号に対応している。
図2は、コイル部2の1次及び2次コイルの回路図であり、1次コイル11〜15には共通の励磁交流信号(説明の便宜上、sinωtで示す)が印加される。この1次コイルの励磁に応じて、収納体1の傾斜角αに対応して変化する磁気応答部材3のリニア位置に応じた振幅値を持つ交流信号が各2次コイル21〜24に誘導される。夫々の誘導電圧レベルは該傾斜角αに相関する位相角θを持つ2相の関数特性sinθ,cosθ及びその逆相の関数特性−sinθ,−cosθを示す。すなわち、各2次コイル21〜24の誘導出力信号は、該傾斜角αに相関する位相角θに対応して2相の関数特性sinθ,cosθ及びその逆相の関数特性−sinθ,−cosθで振幅変調された状態で夫々出力されるように設定することができる。説明の便宜上、コイルの巻数等、その他の条件に従う係数は省略し、2次コイル21をサイン相として、その出力信号を「sinθ・sinωt」で示し、2次コイル22をコサイン相として、その出力信号を「cosθ・sinωt」で示す。また、2次コイル23をマイナス・サイン相として、その出力信号を「−sinθ・sinωt」で示し、2次コイル24をマイナス・コサイン相として、その出力信号を「−cosθ・sinωt」で示す。サイン相とマイナス・サイン相の誘導出力を差動的に合成することによりサイン関数の振幅関数を持つ第1の出力交流信号A(=2sinθ・sinωt)が得られる。また、コサイン相とマイナス・コサイン相の誘導出力を差動的に合成することによりコサイン関数の振幅関数を持つ第2の出力交流信号B(=2cosθ・sinωt)が得られる。なお、表現の簡略化のために、係数「2」を省略して、以下では、第1の出力交流信号Aを「sinθ・sinωt」で表わし、第2の出力交流信号Bを「cosθ・sinωt」で表わす。
こうして、傾斜角αに相関する位相角θを持つ第1の関数値sinθを振幅値として持つ第1の出力交流信号A=sinθ・sinωtと、同じ位相角θに対応する第2の関数値cosθを振幅値として持つ第2の出力交流信号B=cosθ・sinωtとが出力される。このようなコイル構成によれば、回転型位置検出装置として従来知られたレゾルバにおいて得られるのと同様の、同相交流であって2相の振幅関数を持つ2つの出力交流信号A,B(サイン出力とコサイン出力)をコイル部2から得ることができることが理解できる。
このコイル部2から出力される2相の出力交流信号(A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωt)は、従来知られたレゾルバの出力と同様の使い方をすることができる。例えば、図2に示すように、コイル部2の出力交流信号A,Bを適切なディジタル位相検出回路40に入力し、前記サイン関数sinθとコサイン関数cosθの位相値θをディジタル位相検出方式によって検出し、位相角θのディジタルデータDθを得るようにすることができる。従って、ディジタルデータDθを傾斜角αの検知データとして利用することができる。このディジタル位相検出回路40で採用するディジタル位相検出方式としては、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを適用してもよいし、本発明者らによって開発済の新方式を採用してもよい。
磁気応答部材3の形状は球に限らず、円筒形その他の適宜の形状であってもよい。また、磁気応答部材3は固形のものに限らず、例えば磁性流体や磁性粉体のような非固定形状の物体からなるものであってもよい。また、磁気応答部材3の材質は磁性体に限らず、銅のような良導電体であってもよい。
図3は磁気応答部材3のいくつかの変更例を示すもので、(a)は円筒形状の固形の磁気応答部材3aを示す。(b)は適量の磁性流体3bを磁気応答部材3として使用する例を示す。(c)は適量の磁性粉体3cを磁気応答部材3として使用する例を示す。なお、磁性粉体3cは、微粉体に限らず、砂鉄のような粒体であってもよい。また、特に図示しないが、利用目的によっては、図1のような固形の磁気応答部材3を使用する場合に、通路1a内に非磁性の粘性流体を封入し、傾斜に応じた磁気応答部材3の動きに対して適量のダンプ作用を及ぼすようにしてもよい。
図1では、収納体1の外観は、ボビン若しくは巻き軸のようであるが、これに限らず、図4のように、チューブを曲げた形状からなっていてもよい。その場合は、曲げられたチューブ(収納体1)の周りにコイル部2が嵌め込まれている。
また、上記各実施例において、コイル部2における1次及び2次コイルの数及び配置も様々な変形や設計変更が可能である。また、2次コイル出力信号の相数もサイン,コサインの2相に限らず、他の形態、例えば120度ずれた3相タイプ、であってもよい。
以上のような傾斜計10は通路1aの方向に沿う一方向(1軸)のみについての傾斜を検出することができるものである。例えば、建設機械の作業アームの傾斜検出のように、目的の傾斜方向が所定の一方向に決まっている場合は、この傾斜計10を1つ設ければよい。
しかし、車体の前後の傾斜と左右横方向の傾斜を検出するような場合あるいはその他の場合のように、少なくとも2方向についての傾斜を検出したい場合は、この傾斜計10を少なくとも2個互いに異なる所定の方向に配置するようにすればよい。例えば、図5は、その一例を略示するものであり、互いに90度の角度で交差するように2つの傾斜計10X,10Yを組み合わせたものである。各傾斜計10X,10Yは、上述した傾斜計10と同一構成である。これによって、検出対象のX軸方向の傾斜(傾斜成分)を傾斜計10Xで検出することができ、該検出対象のY軸方向の傾斜(傾斜成分)を傾斜計10Yで検出することができる。
図6は、図5の変形例を示し、X,Y軸に対応する各傾斜計10X’,10Y’の収納体1内の通路1aのわん曲を大きくとったものである。このように通路1aのわん曲を大きくするほど、実際の傾斜角αに対する磁気応答部材3の変位量が相対的に小さくなる(通路1a内を動きにくくなる)。従って、収納体1内の通路1aのわん曲を調整することにより、検知しようとする傾斜角αの感度調整若しくは検知可能角範囲の調整を行うことができる。
容易に理解できるように、このように通路1aのわん曲の調整によって検知感度又は範囲調整機能を持つことは、本発明によれば、所定以上若しくは所定範囲の傾斜に応答して傾斜の有無の検知を行うことができる傾斜計を提供することもできることを意味する。勿論、1軸タイプの傾斜計10においても、このような通路1aのわん曲の調整による検知感度又は範囲調整が可能である。
図7は、ディジタル位相検出回路40として、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを適用した例を示す。コイル部2の2次コイル21〜24から出力されるレゾルバタイプの2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtが、それぞれアナログ乗算器30,31に入力される。順次位相発生回路32では位相角φのディジタルデータを発生し、サイン・コサイン発生回路33から該位相角φに対応するサイン値sinφとコサイン値cosφのアナログ信号を発生する。乗算器30では、サイン相の出力交流信号A=sinθ・sinωtに対してサイン・コサイン発生回路33からのコサイン値cosφを乗算し、「cosφ・sinθ・sinωt」を得る。もう一方の乗算器31では、コサイン相の出力交流信号B=cosθ・sinωtに対してサイン・コサイン発生回路33からのサイン値sinφを乗算し、「sinφ・cosθ・sinωt」を得る。引算器34で、両乗算器30,31の出力信号の差を求め、この引算器34の出力によって順次位相発生回路32の位相発生動作を次のように制御する。すなわち、順次位相発生回路32の発生位相角φを最初は0にリセットし、以後順次増加していき、引算器34の出力が0になったとき増加を停止する。引算器34の出力が0になるのは、「cosφ・sinθ・sinωt」=「sinφ・cosθ・sinωt」が成立したときであり、すなわち、φ=θが成立し、順次位相発生回路32から位相角φのディジタルデータが出力交流信号A,Bの振幅関数の位相角θのディジタル値に一致している。従って、任意のタイミングで周期的にリセットトリガを与えて順次位相発生回路32の発生位相角φを0にリセットして、該位相角φのインクリメントを開始し、引算器34の出力が0になったとき、該インクリメントを停止し、位相角θのディジタルデータを得る。
なお、順次位相発生回路32をアップダウンカウンタ及びVCOを含んで構成し、引算器34の出力によってVCOを駆動してアップダウンカウンタのアップ/ダウンカウント動作を制御するようにすることが知られており、その場合は、周期的なリセットトリガは不要である。
温度変化等によってコイル部2の1次及び2次コイルのインピーダンスが変化することにより2次出力交流信号における電気的交流位相ωtに誤差が生じるが、上記のような位相検出回路においては、sinωtの位相誤差は自動的に相殺されるので、好都合である。これに対して、従来知られた2相交流信号(例えばsinωtとcosωt)で励磁することにより1相の出力交流信号に電気的位相シフトが生じるようにした方式では、そのような温度変化等に基づく出力位相誤差を除去することができない。
ところで、上記のような従来のR−Dコンバータからなる位相検出回路は、追従比較方式であるため、φを追従カウントするときのクロック遅れが生じ、応答性が悪い、という問題がある。
そこで、本発明者等は、以下に述べるような新規な位相検出回路を開発したので、これを使用すると好都合である。
図8は、本発明に係る傾斜検出装置に適用される新規なディジタル位相検出回路40の一実施形態を示している。
図8において、検出回路部41では、カウンタ42で所定の高速クロックパルスCKをカウントし、そのカウント値に基づき励磁信号発生回路43から励磁用の交流信号(例えばsinωt)を発生し、コイル部2の1次コイル11〜15与える。カウンタ42のモジュロ数は、励磁用の交流信号の1周期に対応しており、説明の便宜上、そのカウント値の0は、基準のサイン信号sinωtの0位相に対応しているものとする。コイル部2の2次コイル21〜24から出力される2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtは、検出回路部41に入力される。
検出回路部41において、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相シフトされ、例えば90度進められて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtが得られる。また、検出回路部41においては加算回路45と減算回路46とが設けられており、加算回路45では、位相シフト回路44から出力される上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtとコイル部10の2次コイル21〜24から出力され第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが加算され、その加算出力として、B+A’=cosθ・sinωt+sinθ・cosωt=sin(ωt+θ)なる略式で表わせる第1の電気的交流信号Y1が得られる。減算回路46では、上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる第2の電気的交流信号Y2が得られる。このようにして、通路1a内の磁気応答部材3のリニア位置(x)に対応して正方向にシフトされた電気的位相角(+θ)を持つ第1の電気的交流信号Y1=sin(ωt+θ)と、同じ前記リニア位置(x)に対応して負方向にシフトされた電気的位相角(−θ)を持つ第2の電気的交流信号Y2=sin(ωt−θ)とが、電気的処理によって夫々得られる。
加算回路45及び減算回路46の出力信号Y1,Y2は、夫々ゼロクロス検出回路47,48に入力され、それぞれのゼロクロスが検出される。ゼロクロスの検出の仕方としては、例えば、各信号Y1,Y2の振幅値が負から正に変化するゼロクロスつまり0位相を検出する。各回路47,48で検出したゼロクロス検出パルスつまり0位相検出パルスは、ラッチパルスLP1,LP2として、ラッチ回路49,50に入力される。ラッチ回路49,50では、カウンタ42のカウント値を夫々のラッチパルスLP1,LP2のタイミングでラッチする。前述のように、カウンタ42のモジュロ数は励磁用の交流信号の1周期に対応しており、そのカウント値の0は基準のサイン信号sinωtの0位相に対応しているものとしたので、各ラッチ回路49,50にラッチしたデータD1,D2は、それぞれ、基準のサイン信号sinωtに対する各出力信号Y1,Y2の位相ずれに対応している。各ラッチ回路49,50の出力は誤差計算回路51に入力されて、「(D1+D2)/2」の計算が行なわれる。なお、この計算は、実際は、「D1+D2」のバイナリデータの加算結果を1ビット下位にシフトすることで行われるようになっていてよい。
ここで、コイル部2と検出回路部41間の配線ケーブル長の長短による影響や、コイル部2の各1次及び2次コイルにおいて温度変化等によるインピーダンス変化が生じていることを考慮して、その出力信号の位相変動誤差を「±d」で示すと、検出回路部41における上記各信号は次のように表わされる。
A=sinθ・sin(ωt±d)
A’=sinθ・cos(ωt±d)
B=cosθ・sin(ωt±d)
Y1=sin(ωt±d+θ)
Y2=sin(ωt±d−θ)
D1=±d+θ
D2=±d−θ
すなわち、各位相ずれ測定データD1,D2は、基準のサイン信号sinωtを基準位相に使用して位相ずれカウントを行なうので、上記のように位相変動誤差「±d」を含む値が得られてしまう。そこで、誤差計算回路51において、「(D1+D2)/2」の計算を行なうことにより、
(D1+D2)/2={(±d+θ)+(±d−θ)}/2
= ±2d/2 = ±d
により、位相変動誤差「±d」を算出することができる。
誤差計算回路51で求められた位相変動誤差「±d」のデータは、減算回路52に与えられ、一方の位相ずれ測定データD1から減算される。すなわち、減算回路52では、「D1−(±d)」の減算が行なわれるので、
D1−(±d)=±d+θ−(±d)=θ
となり、位相変動誤差「±d」を除去した正しい検出位相差θを示すディジタルデータが得られる。このように、本発明によれば、位相変動誤差「±d」が相殺されて、正しい位相差θのみが抽出されることが理解できる。
この点を図9を用いて更に説明する。図9においては、位相測定の基準となるサイン信号sinωtと前記第1及び第2の交流信号Y1,Y2の0位相付近の波形を示しており、同図(a)は位相変動誤差がプラス(+d)の場合、(b)はマイナスの場合(−d)を示す。同図(a)の場合、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ+d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出データD1は「θ+d」に相当する位相差を示す。また、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y2の0位相は「−θ+d」だけ遅れており、これに対応する位相差検出データD2は「−θ+d」に相当する位相差を示す。この場合、誤差計算回路51では、
(D1+D2)/2={(+d+θ)+(+d−θ)}/2
= +2d/2 = +d
により、位相変動誤差「+d」を算出する。そして、減算回路52により、
D1−(+d)=+d+θ−(+d)=θ
が計算され、正しい位相差θが抽出される。
図9(b)の場合、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ−d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出データD1は「θ−d」に相当する位相差を示す。また、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y2の0位相は「−θ−d」だけ遅れており、これに対応する位相差検出データD2は「−θ−d」に相当する位相差を示す。この場合、誤差計算回路51では、
(D1+D2)/2={(−d+θ)+(−d−θ)}/2
= −2d/2 = −d
により、位相変動誤差「−d」を算出する。そして、減算回路52により、
D1−(−d)=−d+θ−(−d)=θ
が計算され、正しい位相差θが抽出される。
なお、減算回路52では。「D2−(±d)」の減算を行なうようにしてもよく、原理的には上記と同様に正しい位相差θを反映するデータ(−θ)が得られることが理解できるであろう。
また、図9からも理解できるように、第1の信号Y1と第2の信号Y2との間の電気的位相差は2θであり、常に、両者における位相変動誤差「±d」を相殺した正確な位相差θの2倍値を示していることになる。従って、図8におけるラッチ回路49,50及び誤差計算回路51及び減算回路52等を含む回路部分の構成を、信号Y1,Y2の電気的位相差2θをダイレクトに求めるための構成に適宜変更するようにしてもよい。例えば、ゼロクロス検出回路47から出力される第1の信号Y1の0位相に対応するパルスLP1の発生時点から、ゼロクロス検出回路48から出力される第2の信号Y2の0位相に対応するパルスLP2の発生時点までの間を適宜の手段でゲートし、このゲート期間をカウントすることにより、位相変動誤差「±d」を相殺した、電気的位相差(2θ)に対応するディジタルデータを得ることができ、これを1ビット下位にシフトすれば、θに対応するデータが得られる。
ところで、上記実施例では、+θをラッチするためのラッチ回路49と、−θをラッチするためのラッチ回路50とでは、同じカウンタ42の出力をラッチするようにしており、ラッチしたデータの正負符号については特に言及していない。しかし、データの正負符号については、本発明の趣旨に沿うように、適宜の設計的処理を施せばよい。例えば、カウンタ42のモジュロ数が4096(10進数表示)であるとすると、そのディジタルカウント0〜4095を0度〜360度の位相角度に対応させて適宜に演算処理を行なうようにすればよい。最も単純な設計例は、カウンタ42のカウント出力の最上位ビットを符号ビットとし、ディジタルカウント0〜2047を+0度〜+180度に対応させ、ディジタルカウント2048〜4095を−180度〜−0度に対応させて、演算処理を行なうようにしてもよい。あるいは、別の例として、ラッチ回路50の入力データ又は出力データを2の補数に変換することにより、ディジタルカウント4095〜0を−360度〜−0度の負の角度データ表現に対応させるようにしてもよい。
ところで、傾斜角αが静止状態のときは特に問題ないのであるが、検出対象傾斜角αが時間的に変化するときは、それに対応するリニア位置(x)すなわち位相角θも時間的に変動することになる。その場合、加算回路45及び減算回路46の各出力信号Y1,Y2の位相ずれ量θが一定値ではなく、移動速度に対応して時間的に変化する動特性を示すものとなり、これをθ(t)で示すと、各出力信号Y1,Y2は、
Y1=sin{ωt±d+θ(t)}
Y2=sin{ωt±d−θ(t)}
となる。すなわち、基準信号sinωtの周波数に対して、進相の出力信号Y1は+θ(t)に応じて周波数が高くなる方向に周波数遷移し、遅相の出力信号Y2は−θ(t)に応じて周波数が低くなる方向に周波数遷移する。このような動特性の下においては、基準信号sinωtの1周期毎に各信号Y1,Y2の周期が互いに逆方向に次々に遷移していくので、各ラッチ回路49,50における各ラッチデータD1,D2の計測時間基準が異なってくることになり、両データD1,D2を単純に回路51,52で演算するだけでは、正確な位相変動誤差「±d」を得ることができない。
このような問題を回避するための最も簡単な方法は、図8の構成において、傾斜角αが時間的に動いているときの出力を無視し、静止状態のときの出力のみを用いて、静止状態が得られた時の傾斜角αを測定するように装置の機能を限定することである。すなわち、そのような限定された目的のために本発明を実施するようにしてもよいものである。
しかし、検出対象傾斜角αが時間的に変化している最中であっても時々刻々の該検出対象傾斜角αに対応する位相差θを正確に検出できるようにすることが望ましい。そこで、上記のような問題点を解決するために、検出対象傾斜角αが時間的に変化している最中であっても時々刻々の該検出対象傾斜角αに対応する位相差θを検出できるようにした改善策について図10を参照して説明する。
図10は、図8の検出回路部41における誤差計算回路51と減算回路52の部分の変更例を抽出して示しており、他の図示していない部分の構成は図8と同様であってよい。検出対象傾斜角θが時間的に変化している場合における該傾斜角θに対応する位相差θを、+θ(t)および−θ(t)で表わすと、各出力信号Y1,Y2は前記のように表わせる。そして、夫々に対応してラッチ回路49,50で得られる位相ずれ測定値データD1,D2は、
D1=±d+θ(t)
D2=±d−θ(t)
となる。
この場合、±d+θ(t) は、θの時間的変化に応じて、プラス方向に0度から360度の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。また、±d−θ(t) は、θの時間的変化に応じて、マイナス方向に360度から0度の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。従って、±d+θ(t) ≠ ±d−θ(t) のときもあるが、両者の変化が交差するときもあり、そのときは±d+θ(t) = ±d−θ(t) が成立する。このように、±d+θ(t) = ±d−θ(t) が成立するときは、各出力信号Y1,Y2の電気的位相が一致しており、かつ、夫々のゼロクロス検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミングが一致していることになる。
図10において、一致検出回路53は、各出力信号Y1,Y2ののゼロクロス検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミングが、一致したことを検出し、この検出に応答して一致検出パルスEQPを発生する。一方、時変動判定回路54では、適宜の手段により(例えば一方の位相差測定データD1の値の時間的変化の有無を検出する等の手段により)、検出対象傾斜角αが時間的に変化するモードであることを判定し、この判定に応じて時変動モード信号TMを出力する。
誤差計算回路51と減算回路52との間にセレクタ55が設けられており、上記時変動モード信号TMが発生されていないとき、つまりTM=“0”すなわち検出対象傾斜角θが時間的に変化していないとき、セレクタ入力Bに加わる誤差計算回路51の出力を選択して減算回路52に入力する。このようにセレクタ55の入力Bが選択されているときの図10の回路は、図8の回路と等価的に動作する。すなわち、検出対象が静止しているときは、誤差計算回路51の出力データがセレクタ55の入力Bを介して減算回路52に直接的に与えられ、図8の回路と同様に動作する。
一方、上記時変動モード信号TMが発生されているとき、つまりTM=“1”すなわち検出対象が時間的に変化しているときは、セレクタ55の入力Aに加わるラッチ回路56の出力を選択して減算回路52に入力する。上記時変動モード信号TMが“1”で、かつ前記一致検出パルスEQPが発生されたとき、アンドゲート57の条件が成立して、該一致検出パルスEQPに応答するパルスがアンドゲート57から出力され、ラッチ回路56に対してラッチ命令を与える。ラッチ回路56は、このラッチ命令に応じてカウンタ42の出力カウントデータをラッチする。ここで、一致検出パルスEQPが生じるときは、カウンタ42の出力をラッチ回路49,50に同時にラッチすることになるので、D1=D2であり、ラッチ回路56にラッチするデータは、D1又はD2(ただしD1=D2)に相当している。
また、一致検出パルスEQPは、各出力信号Y1,Y2のゼロクロス検出タイミングが一致したとき、すなわち「±d+θ(t) = ±d−θ(t)」が成立したとき、発生されるので、これに応答してラッチ回路56にラッチされるデータは、D1又はD2(ただしD1=D2)に相当しているが故に、
(D1+D2)/2
と等価である。このことは、
(D1+D2)/2=[{±d+θ(t)}+{±d−θ(t)}]/2
=2(±d)/2=±d
であることを意味し、ラッチ回路56にラッチされたデータは、位相変動誤差「±d」を正確に示しているものであることを意味する。
こうして、検出対象が時間的に変動しているときは、位相変動誤差「±d」を正確に示すデータが一致検出パルスEQPに応じてラッチ回路56にラッチされ、このラッチ回路56の出力データがセレクタ55の入力Aを介して減算回路52に与えられる。従って、減算回路52では、位相変動誤差「±d」を除去した検出対象傾斜角θのみに正確に応答するデータθ(時間的に変動する場合はθ(t) )を得ることができる。
なお、図10において、アンドゲート57を省略して、一致検出パルスEQPを直接的にラッチ回路56のラッチ制御入力に与えるようにしてもよい。
また、ラッチ回路56には、カウンタ42の出力カウントデータに限らず、図10で破線で示すように誤差計算回路51の出力データ「±d」をラッチするようにしてもよい。その場合は、一致検出パルスEQPの発生タイミングに対して、それに対応する誤差計算回路51の出力データの出力タイミングが、ラッチ回路49,50及び誤差計算回路51の回路動作遅れの故に、幾分遅れるので、適宜の時間遅れ調整を行なった上で、誤差計算回路51の出力をラッチ回路56にラッチするようにするとよい。
また、動特性のみを考慮して検出回路部41を構成する場合は、図10の回路51及びセレクタ55と図1の一方のラッチ回路49又は50を省略してもよいことが、理解できるであろう。
図11は、位相変動誤差「±d」を相殺することができる位相差検出演算法についての別の実施例を示す。
コイル部2の2次コイル21〜24から出力されるレゾルバタイプの前記第1及び第2の交流出力信号A,Bは、検出回路部60に入力され、図8の例と同様に、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相シフトされて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtが得られる。また、減算回路46では、上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる電気的交流信号Y2が得られる。減算回路46の出力信号Y2はゼロクロス検出回路48に入力され、ゼロクロス検出に応じてラッチパルスLP2が出力され、ラッチ回路50に入力される。
図11の実施例が図8の実施例と異なる点は、検出対象に対応する電気的位相ずれを含む交流信号Y2=sin(ωt−θ)から、その位相ずれ量θを測定する際の基準位相が相違している点である。図8の例では、位相ずれ量θを測定する際の基準位相は、基準のサイン信号sinωtの0位相であり、これは、傾斜計10のコイル部2に入力されるものではないので、温度変化等によるコイルインピーダンス変化やその他の各種要因に基づく位相変動誤差「±d」を含んでいないものである。そのために、図8の例では、2つの交流信号Y1=sin(ωt+θ)及びY2=sin(ωt−θ)を形成し、その電気的位相差を求めることにより、位相変動誤差「±d」を相殺するようにしている。これに対して、図11の実施例では、コイル部2から出力される第1及び第2の交流出力信号A,Bを基にして、位相ずれ量θを測定する際の基準位相を形成し、該基準位相そのものが上記位相変動誤差「±d」を含むようにすることにより、上記位相変動誤差「±d」を排除するようにしている。
すなわち、検出回路部60において、コイル部2から出力された前記第1及び第2の交流出力信号A,Bがゼロクロス検出回路61,62に夫々入力され、それぞれのゼロクロスが検出される。なお、ゼロクロス検出回路61,62は、入力信号A,Bの振幅値が負から正に変化するゼロクロス(いわば0位相)と正から負に変化するゼロクロス(いわば180度位相)のどちらにでも応答してゼロクロス検出パルスを出力するものとする。これは信号A,Bの振幅の正負極性を決定するsinθとcosθがθの値に応じて任意に正又は負となるため、両者の合成に基づき360度毎のゼロクロスを検出するためには、まず180度毎のゼロクロスを検出する必要があるためである。両ゼロクロス検出回路61,62から出力されるゼロクロス検出パルスがオア回路63でオア合成され、該オア回路63の出力が適宜の1/2分周パルス回路64(例えばT−フリップフロップのような1/2分周回路とパルス出力用アンドゲートを含む)に入力されて、1つおきに該ゼロクロス検出パルスが取り出され、360度毎のゼロクロスすなわち0位相のみに対応するゼロクロス検出パルスが基準位相信号パルスRPとして出力される。この基準位相信号パルスRPは、カウンタ65のリセット入力に与えられる。カウンタ65は所定のクロックパルスCKを絶えずカウントするものであるが、そのカウント値が、前記基準位相信号パルスRPに応じて繰返し0にリセットされる。このカウンタ65の出力がラッチ回路50に入力され、前記ラッチパルスLP2の発生タイミングで、該カウント値が該ラッチ回路50にラッチされる。ラッチ回路50にラッチしたデータDが、検出対象位置xに対応した位相差θの測定データとして出力される。
コイル部2から出力される第1及び第2の交流出力信号A,Bは、それぞれ、A=sinθ・sinωt、B=cosθ・sinωt、であり、電気的位相は同相である。従って、同じタイミングでゼロクロスが検出されるはずであるが、振幅係数がサイン関数sinθ及びコサイン関数cosθで変動するので、どちらかの振幅レベルが0か又は0に近くなる場合があり、そのような場合は、一方については、事実上、ゼロクロスを検出することができない。そこで、この実施例では、2つの交流出力信号A=sinθ・sinωt、B=cosθ・sinωtのそれぞれについてゼロクロス検出処理を行ない、両者のゼロクロス検出出力をオア合成することにより、どちらか一方が振幅レベル小によってゼロクロス検出不能であっても、他方の振幅レベル大の方のゼロクロス検出出力信号を利用できるようにしたことを特徴としている。
図11の例の場合、コイル部2のコイルインピーダンス変化等による位相変動誤差が、例えば「−d」であるとすると、減算回路46から出力される交流信号Y2は、図12の(a)に示すように、Y2=sin(ωt−d−θ)となる。この場合、コイル部2の出力信号A,Bは、角度θに応じた振幅値sinθ及びcosθを夫々持ち、図12の(b)に例示するように、A=sinθ・sin(ωt−d)、B=cosθ・sin(ωt−d)、というように位相変動誤差分を含んでいる。従って、このゼロクロス検出に基づいて図12の(c)のようなタイミングで得られる基準位相信号パルスRPは、本来の基準のサイン信号sinωtの0位相から位相変動誤差−dだけずれたものである。従って、この基準位相信号パルスRPを基準として、減算回路46の出力交流信号Y2=sin(ωt−d−θ)の位相ずれ量を測定すれば、位相変動誤差−dを除去した正確な値θが得られることになる。
なお、コイル部2の配線長等の装置条件が定まると、そのインピーダンス変化は主に温度に依存することになる。そうすると、上記位相変動誤差±dは、この傾斜検出装置が配備された周辺環境の温度を示すデータに相当する。従って、図9の実施例のような位相変動誤差±dを演算する回路51を有するものにおいては、そこで求めた位相変動誤差±dのデータを温度検出データとして適宜出力することができる。従って、そのような本発明の構成によれば、1つの傾斜検出装置によって検出対象の傾斜を検出することができるのみならず、該傾斜検出装置の周辺環境の温度を示すデータをも得ることができる、という優れた効果を有するものである。勿論、温度変化等によるセンサ側のインピーダンス変化や配線ケーブル長の長短の影響を受けることなく、検出対象の傾斜に応答した高精度の検出が可能となる、という優れた効果をも奏するものである。また、図8や図10の例は、交流信号における位相差を測定する方式であるため、図7のような検出法に比べて、高速応答性にも優れた検出を行なうことができる、という優れた効果を奏する。
なお、上記各実施例において、コイル部2と磁気応答部材3による検出原理を、公知の位相シフトタイプ位置検出原理によって構成してもよい。例えば、図2に示されたコイル部2において、1次コイルと2次コイルの関係を逆にして、サイン相のコイル21とマイナス・サイン相のコイル23を互いに逆相のサイン信号sinωt,−sinωtによって励磁し、コサイン相のコイル22とマイナス・コサイン相のコイル24を互いに逆相のコサイン信号cosωt,−cosωtによって励磁し、コイル11〜14から検出対象傾斜に応じた電気的位相シフトθを含む出力信号sin(ωt−θ)を得るようにしてもよい。
また、コイル部2と磁気応答部材3による検出原理を、公知の差動トランス型の位置検出原理に基づいてアナログ検出出力を得るように構成してもよいことは前述の通りである。
あるいは、上記各実施例において、コイル部2の構成として、1次コイルと2次コイルの対を含むように構成せずに、1つのコイルのみによって構成し、該1つのコイルを所定の交流信号によって定電圧駆動し、該コイルへの磁性体(磁気応答部材3)の侵入量に応じて生じるインダクタンス変化に基づく電流変化を計測することにより、傾斜検出データを得るようにしてもよい。その場合、該電流変化に応答する出力信号の振幅変化を測定する方法、あるいは該電流変化に応答するコイル各端部での出力信号間の位相変化を測定する方法などによって所要の測定を行うことができる。
また、上記各実施例において、検出データの出力形式は、ディジタルアブソリュートデータまたはアナログ電圧データ等に限らず、インクリメンタルパルスデータあるいはアブソリュート値を周波数変換した繰り返しパルス信号など、利用目的に応じて適宜の形式としてよい。
本発明に係るリニア位置検出装置の一実施例を示す断面図。 図1におけるコイル部の構成例を示す回路図。 図1における磁気応答部材の変更例を示す図。 本発明に係るリニア位置検出装置の別の実施例を示す外観略図。 図1に示したリニア位置検出装置を直交関係で2つ組合せて2軸方向の傾斜を検出する例を示す略図。 本発明に係るリニア位置検出装置を直交関係で2つ組合せて2軸方向の傾斜を検出する別の例を示す略図。 本発明に係るリニア位置検出装置に適用可能な位相検出タイプの測定回路の一例を示すブロック図。 本発明に係るリニア位置検出装置に適用可能な位相検出タイプの測定回路の別の例を示すブロック図。 図8の動作説明図。 図8の回路に付加される変更例を示すブロック図。 本発明に係るリニア位置検出装置に適用可能な位相検出タイプの測定回路の更に別の例を示すブロック図。 図11の動作説明図。
符号の説明
10,10X,10Y,10X',10Y' リニア位置検出装置(傾斜計)
1 収納体
1a 通路
2 コイル部
11〜15 1次コイル
21〜24 2次コイル
3 磁気応答部材
40 ディジタル位相検出回路

Claims (1)

  1. コイル部と磁気応答部材とを具え、検出対象の変位に応じて前記コイル部と前記磁気応答部材の一方が他方に対して非接触的に相対的にリニアに変位し、これに応じた出力信号を前記コイル部より得ることにより該検出対象の変位を検出するリニア位置検出装置であって、
    前記コイル部は、所定の交流信号によって励磁される第1及び第2のコイルグループを含み、各コイルグループは前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的リニア変位の方向に沿って異なる配置で設けられており、これにより、前記第1のコイルグループは、前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的リニア位置に応じて、サイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生ずるよう配置され、また、前記第2のコイルグループは、前記コイル部に対する前記磁気応答部材の相対的リニア位置に応じて、コサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生ずるよう配置されてなり、
    かつ、第1のコイルグループは、前記磁気応答部材の相対的リニア位置に関してそれぞれサイン相及びマイナスサイン相の磁気抵抗変化特性を示すよう配置された2極のコイルで構成され、第2のコイルグループは、前記磁気応答部材の相対的リニア位置に関してそれぞれコサイン相及びマイナスコサイン相の磁気抵抗変化特性を示すよう配置された2極のコイルで構成され、
    更に、各コイルグループにおける各極のコイルは前記交流信号によって励磁される1つのコイルのみからなり、該各コイルに対する前記磁気応答部材の相対的リニア位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を前記各1つのコイルから取り出し、これに基づき、前記第1のコイルグループの2つのコイルから出力されるサイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成して前記サイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を生成し、また、前記第2のコイルグループの2つのコイルから出力されるコサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成して前記コサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号をそれぞれ生成することを特徴とするリニア位置検出装置。
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