JP2005307297A - 金属製品及びその製造方法 - Google Patents

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照彦 山田
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Abstract

【課題】 金属製品及びその製造方法において、金属粉末のHIP技術を応用して複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良く製造できること。
【解決手段】 ギヤが連続した長尺形状の機械構造用合金鋼粉末の焼結体4をHIP技術を応用して作製する。まず軟鋼やステンレス鋼を用いて気密性が高く、内面形状が長尺形状4になるようにカプセルを製作し、このカプセルに機械構造用合金鋼粉末を充填した後、脱気封入を行ってカプセル内部を気密にシールする。なお、貫通穴4a部分には鋼鉄性の中子を入れておく。HIP装置内にセットして、所定の温度・圧力パターンを用いてHIP処理が行われ機械構造用合金鋼粉末の焼結体4が得られたら、表面に密着したカプセル材料を除去して、ダイヤモンド刃を用いてスライシングマシンで所定の長さに切り出して行くことによって、複雑形状のギヤを少ない工程数で一度に多数個製造できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱間等方圧加圧(Hot Isostatic Pressing 以下、「HIP」とも略する。)技術を用いて、通常の機械加工では相当な工程数を経て製造される複雑な金属製品を効率良く低コストで製造することができる金属製品の製造方法に関するものである。なお、本明細書、特許請求の範囲及び要約書においては、例えばギヤやリングのような機械を構成する1つの大きな製品の部品であっても、それ自体独立して商取引の対象になることから、一般には「部品」と呼ばれるものもここでは全て「製品」というものとする。
自動車のマニュアルトランスミッションに用いられるギヤ等の鋼鉄製品は、硬い機械構造用合金鋼製で複雑な構造をしているため、原材料の丸棒から大変な工程数を経て製造される。例えば、特許文献1に記載の発明においては、優れた耐摩耗性及び疲労強度を有する歯車を製造するために、C,Si,Mn,Cr,Mo,V,Al,B,Nの各元素を所定範囲内で含有する鋼を溶製した後、直径70mmに圧延し、所定の鍛造前加熱温度に過熱した後、鍛造加工を行って歯車に近い形状に成形し、次いで機械加工(切削加工)を行うことによって歯車形状に加工し、さらに580℃×5時間のガス軟窒化処理を施して完成品の歯車を得ている。
特許第3109146号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような従来の歯車の製造方法においては、かかる多くの工程を経て1個の歯車製品を製造しているため、生産効率が悪くコスト高になるという問題点があった。
そこで、本発明は、金属粉末のHIP技術を応用することによって複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良く製造することができる金属製品およびその製造方法を提供することを課題とするものである。
請求項1の発明にかかる金属製品は、金属粉末の熱間等方圧加圧(HIP)処理によって複雑形状の金属製品が複数個連続した形状の長尺の金属焼結体を製造し、前記長尺の金属焼結体を切断することによって製造されるものである。
請求項2の発明にかかる金属製品の製造方法は、金属粉末のHIP処理によって複雑形状の金属製品が複数個連続した形状の長尺の金属焼結体を製造し、前記長尺の金属焼結体を切断することによって前記複雑形状の金属製品を順次切り出すものである。
請求項3の発明にかかる金属製品または金属製品の製造方法は、請求項1または請求項2の構成において、前記長尺の金属焼結体を切断するのにスライシングマシンを用いて前記長尺の金属焼結体を長尺方向の中心軸を回転軸として前記スライシングマシンのスライス刃の回転方向と逆方向に回転させながら切断するものである。
請求項4の発明にかかる金属製品は、請求項1または請求項3の構成において、前記長尺の金属焼結体の母材を高強度の金属で製作し、所定のHIP用のカプセル内に収容して、前記母材と前記カプセル内面の空間に前記金属粉末を充填し、前記カプセル内から脱気して密封した状態で前記カプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記金属粉末を前記母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体を得て、これを切断することによって製造されるものである。
請求項5の発明にかかる金属製品の製造方法は、請求項2または請求項3の構成において、前記長尺の金属焼結体の母材を高強度の金属で製作する工程と、前記母材を所定のカプセル内に収容する工程と、前記母材と前記カプセル内面の空間に前記金属粉末を充填する工程と、前記カプセル内から脱気して密封した状態で前記カプセルを熱間等方圧加圧(HIP)装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記金属粉末を前記母材に一体的に焼結させて前記長尺の金属焼結体を得る工程と、前記長尺の金属焼結体を切断することによって前記複雑形状の金属製品を順次切り出す工程とを具備するものである。
請求項6の発明にかかる金属製品は、請求項1または請求項3の構成において、前記長尺の金属焼結体の形状をやや大きめに前記金属粉末の金属を鋳造することによって製作し、鋳造品を所定のカプセル内に収容し、前記カプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記鋳造品内の気泡・欠陥等を潰しつつ所定の大きさに圧縮して、HIP処理した前記鋳造品を切断することによって製造されるものである。
請求項7の発明にかかる金属製品の製造方法は、請求項2または請求項3の構成において、前記長尺の金属焼結体の形状をやや大きめに前記金属粉末の金属を鋳造することによって製作する工程と、鋳造品を所定のカプセル内に収容する工程と、前記カプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記鋳造品内の気泡・欠陥等を潰しつつ所定の大きさに圧縮する工程と、HIP処理した前記鋳造品を切断することによって前記複雑形状の金属製品を順次切り出す工程とを具備するものである。
請求項8の発明にかかる金属製品は、請求項1または請求項3の構成において、前記長尺の金属焼結体の形状をロストワックス用のワックスで製作し、その表面に金属メッキを付着させて前記ワックスを加熱除去することによってライニングカプセルを製作し、高強度の金属で製作した棒状の母材を前記ライニングカプセル内にセットして表面の複雑形状部分のみを空間にして、この空間内に前記金属粉末を充填して、前記ライニングカプセル内から脱気して密封した状態で前記ライニングカプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記金属粉末を前記母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体を得て、これを切断することによって製造されるものである。
請求項9の発明にかかる金属製品の製造方法は、請求項2または請求項3の構成において、前記長尺の金属焼結体の形状をロストワックス用のワックスで製作する工程と、製作した形状の表面に金属メッキを付着させる工程と、前記ワックスを加熱除去することによってライニングカプセルを製作する工程と、高強度の金属で製作した棒状の母材を前記ライニングカプセル内にセットする工程と、前記棒状の母材と前記ライニングカプセル間の空間内に前記金属粉末を充填する工程と、前記ライニングカプセル内から脱気して密封した状態で前記ライニングカプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記金属粉末を前記母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体とする工程と、前記長尺の金属焼結体を切断することによって前記複雑形状の金属製品を順次切り出す工程とを具備するものである。
請求項1の発明にかかる金属製品は、金属粉末のHIP処理によって複雑形状の金属製品が複数個連続した形状の長尺の金属焼結体を製造し、長尺の金属焼結体を切断することによって製造される。複雑形状の金属製品、取り分け硬度の高い金属の機械加工は加工効率が悪く、ギヤ等は小さくても多数の工程を経て製造されるため、コスト高になる。そこで、HIP技術を応用して複雑形状の金属製品が複数個連続した形状の長尺の金属焼結体を製造し、これを輪切りにすることによって、少ない工程で多数の金属製品を得ることができ、大幅なコストダウンとなる。
このようにして、金属粉末のHIP技術を応用することによって複雑形状であっても少ない工程数で効率良く製造することができる金属製品となる。
請求項2の発明にかかる金属製品の製造方法は、金属粉末のHIP処理によって複雑形状の金属製品が複数個連続した形状の長尺の金属焼結体を製造し、これを切断することによって複雑形状の金属製品を順次切り出して製品を得るものである。複雑形状の金属製品、取り分け硬度の高い金属の機械加工は加工効率が悪く、ギヤ等は小さくても多数の工程を経て製造されるため、コスト高になる。そこで、HIP技術を応用して複雑形状の金属製品が複数個連続した形状の長尺の金属焼結体を製造し、これを輪切りにすることによって、少ない工程で多数の金属製品を得ることができ、大幅なコストダウンとなる。
このようにして、金属粉末のHIP技術を応用することによって複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良く製造することができる金属製品の製造方法となる。
請求項3の発明にかかる金属製品または金属製品の製造方法は、長尺の金属焼結体を切断するのにスライシングマシンを用いて長尺の金属焼結体を長尺方向の中心軸を回転軸としてスライシングマシンのスライス刃の回転方向と逆方向に回転させながら切断するものである。これによって、切り出された金属製品に切断による応力歪が発生せず、クラック等の起点になることもなくて信頼性の高い金属製品が得られる。
このようにして、金属粉末のHIP技術を応用することによって複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良く製造することができ、切り出された金属製品に切断による応力歪が発生することのない金属製品または金属製品の製造方法となる。
請求項4の発明にかかる金属製品は、長尺の金属焼結体の母材を高強度の金属で製作し、所定のHIP用のカプセル内に収容して、母材とカプセル内面の空間に金属粉末を充填し、カプセル内から脱気して密封した状態でカプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって金属粉末を母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体を得て、これを切断することによって製造される。
ここで、母材とは長尺の金属焼結体の一回り小さい大まかな形状を有するもので、長尺の金属焼結体の形状を直接機械加工で作製するよりも容易に作製することができる。そして、この母材によって大体の形状ができているので、カプセルは複雑形状の内面を有するものを必要とせず、単純な円筒形の両端面に蓋を溶接で取付けるだけで製造することができる。
このようにして、金属粉末のHIP技術を応用することによって複雑形状であっても少ない工程数で効率良く製造することができ、HIP用のカプセルも容易に製造することができる金属製品となる。
請求項5の発明にかかる金属製品の製造方法は、長尺の金属焼結体の母材を高強度の金属で製作し、所定のHIP用のカプセル内に収容して、母材とカプセル内面の空間に金属粉末を充填し、カプセル内から脱気して密封した状態でカプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって金属粉末を母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体を得て、これを切断することによって複雑形状の金属製品を順次切り出すものである。
ここで、母材は長尺の金属焼結体の形状を直接機械加工で作製するよりも容易に作製することができ、この母材によって大体の形状ができているので、カプセルは複雑形状の内面を有するものを必要とせず、単純な円筒形の両端面に蓋を溶接で取付けるだけで製造することができる。
このようにして、金属粉末のHIP技術を応用することによって複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良く製造することができ、HIP用のカプセルも容易に製造することができる金属製品の製造方法となる。
請求項6の発明にかかる金属製品は、長尺の金属焼結体の形状をやや大きめに金属粉末の金属を鋳造することによって製作し、鋳造品を所定のカプセル内に収容し、カプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって鋳造品内の気泡・欠陥等を潰しつつ所定の大きさに圧縮して、HIP処理した鋳造品を切断することによって製造される。鋳造によれば、複雑形状の金属製品が連続した形状の長尺品も容易に作製することができ、大きめに作っておくことによって、HIP処理時の高圧で鋳造品内部の気泡や欠陥も潰すことができ、かつ圧縮されて高密度・高強度の長尺品になる。
このようにして、金属の鋳造で複雑形状の長尺品を作製してHIP処理時の高圧で鋳造品内部の気泡や欠陥も潰すことができ、かつ圧縮されて高密度・高強度となり、効率良く得ることができる金属製品となる。
請求項7の発明にかかる金属製品の製造方法は、長尺の金属焼結体の形状をやや大きめに金属粉末の金属を鋳造することによって製作し、鋳造品を所定のカプセル内に収容し、カプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって鋳造品内の気泡・欠陥等を潰しつつ所定の大きさに圧縮して、HIP処理した鋳造品を切断することによって複雑形状の金属製品を順次切り出すものである。鋳造によれば、複雑形状の金属製品が連続した形状の長尺品も容易に作製することができ、大きめに作っておくことによって、HIP処理時の高圧で鋳造品内部の気泡や欠陥も潰すことができ、かつ圧縮されて高密度・高強度の長尺品になる。
このようにして、金属の鋳造で複雑形状の長尺品を作製してHIP処理時の高圧で鋳造品内部の気泡や欠陥も潰すことができ、かつ圧縮されて高密度・高強度の金属製品を効率良く得ることができる金属製品の製造方法となる。
請求項8の発明にかかる金属製品は、長尺の金属焼結体の形状をロストワックス用のワックスで製作し、その表面に金属メッキを付着させてワックスを加熱除去することによってライニングカプセルを製作し、高強度の金属で製作した棒状の母材をライニングカプセル内にセットして表面の複雑形状部分のみを空間にして金属粉末を充填し、ライニングカプセル内から脱気して密封した状態でHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって金属粉末を母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体を得て、これを切断することによって製造されるものである。
このようにして、ロストワックス法を応用することによって複雑形状のカプセルを容易に作製することができ、さらに母材の表面の複雑形状部分のみに金属粉末のHIP技術を応用することによって、高価な金属粉末の使用量を格段に減らすことができ、少ない工程数で効率良くかつ低コストで製造することができる金属製品となる。
請求項9の発明にかかる金属製品の製造方法は、長尺の金属焼結体の形状をロストワックス用のワックスで製作し、製作した形状の表面に金属メッキを付着させ、ワックスを加熱除去することによってライニングカプセルを製作する。そして、高強度の金属で製作した棒状の母材をライニングカプセル内にセットして、棒状の母材とライニングカプセル間の空間内に金属粉末を充填し、ライニングカプセル内から脱気して密封した状態でHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって金属粉末を母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体とする。そして、長尺の金属焼結体を切断して複雑形状の金属製品を順次切り出すものである。
このようにして、ロストワックス法を応用することによって複雑形状のカプセルを容易に作製することができ、さらに母材の表面の複雑形状部分のみに金属粉末のHIP技術を応用することによって、高価な金属粉末の使用量を格段に減らすことができ、複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良くかつ低コストで製造することができる金属製品の製造方法となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1にかかる金属製品及びその製造方法について、図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態1にかかる金属製品及びその製造方法における金属製品としてのギヤを示す斜視図である。図2は本発明の実施の形態1にかかる金属製品及びその製造方法における長尺の金属焼結体を示す斜視図である。
図1に示されるように、本実施の形態1にかかる金属製品及びその製造方法においては、金属製品として自動車のトランスミッションに用いられるギヤ1を製造する。このギヤ1は機械構造用合金鋼からなるものであり、回転軸に対して斜めに設けられた18個の歯2と回転軸を貫通させるための貫通穴3を有し、硬度が高く複雑な形状を有しているため、機械構造用合金鋼の丸棒から非常に多くの工程を経て製造される。しかし、本実施の形態1にかかる金属製品及びその製造方法においては、図2に示されるように、ギヤ1が連続した長尺形状の機械構造用合金鋼粉末の焼結体4をHIP技術を応用して作製する。
即ち、まず軟鋼やステンレス鋼を用いて気密性が高く、内面形状が図2に示されるようなギヤ1が連続した長尺形状4になるようにカプセル(金型)を製作し、このカプセルに機械構造用合金鋼粉末を充填した後、脱気封入を行ってカプセル内部を気密にシールする。なお、貫通穴4a部分には鋼鉄性の中子を入れておく。そして、HIP装置内にセットして、昇温先行形即ち特定温度まで昇温してから本格的なガス圧力の昇圧を行う温度・圧力パターンを用いて、HIP処理が行われる。このようにして、図2に示されるような機械構造用合金鋼粉末の焼結体4が得られたら、表面に密着したカプセル材料を除去して、ダイヤモンド刃を用いてスライシングマシンで所定の長さに切り出して行くことによって、図1に示されるギヤ1を少ない工程数で一度に多数個製造することができる。この際、機械構造用合金鋼粉末の焼結体4をスライシングマシンのスライス刃の回転方向と逆方向に回転させながら切断することによって、切り出されたギヤ1に応力歪が発生せず、信頼性の高い金属製品としてのギヤ1が得られる。
このようにして、本実施の形態1にかかる金属製品及びその製造方法においては、金属粉末のHIP技術を応用することによって複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良く製造することができる。
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2にかかる金属製品及びその製造方法について、図1及び図2を参考にしながら説明する。本実施の形態2においても、金属製品として図1に示される実施の形態1のギヤ1と同様な外形を有するギヤを製造する。まず図2に示されるようなギヤ1が連続した長尺形状4を、ロストワックス用のワックスによって製作し、その表面に各種金属を電気メッキ(硬質クロムメッキ等)や無電解ニッケルメッキ(カニゼンメッキ等)で付着させることによって、ライニングカプセルを製作し、加熱してワックスを除去した後、棒状の機械構造用合金鋼からなる母材をセットし、長尺形状4の歯の部分のみを空間としてこの空間内に機械構造用合金鋼粉末を充填する。
その後、ライニングカプセル内から脱気して密封した状態でカプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって機械構造用合金鋼粉末を母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体4(但し貫通穴4aなし)を得るものである。後は、実施の形態1と同様に、スライシングマシンで長尺の金属焼結体4から所定長さの金属製品としてのギヤを次々に切り出すことによって、少ない工程数で一度に多数個製造することができる。この際、長尺の金属焼結体4をスライシングマシンのスライス刃の回転方向と逆方向に回転させながら切断することによって、切り出されたギヤに応力歪が発生せず、信頼性の高い金属製品としてのギヤ1が得られる。なお、貫通穴3は、切断後機械加工によって穿設すれば良い。
このようにして、本実施の形態2にかかる金属製品及びその製造方法においては、ロストワックス法を応用することによって複雑形状のカプセルを容易に作製することができ、さらに母材の表面の歯部分のみに金属粉末のHIP技術を応用することによって、高価な金属粉末の使用量を格段に減らすことができ、複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良くかつ低コストで製造することができる。
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3にかかる金属製品及びその製造方法について、図3及び図4を参照して説明する。図3は本発明の実施の形態3にかかる金属製品及びその製造方法におけるHIP工程を示す部分横断面図である。図4は本発明の実施の形態3にかかる金属製品及びその製造方法における長尺の金属焼結体を示す部分横断面図である。
本実施の形態3においても、金属製品として実施の形態1のギヤ1と同様な外形を有するギヤを製造する。図3に示されるように、本実施の形態2にかかる金属製品及びその製造方法においては、まず長尺の金属焼結体の母材7を高強度の金属で製作して、その母材7を所定のカプセル6内に収容し、母材7とカプセル6内面の空間に機械構造用合金鋼粉末8を充填した後、カプセル6内から脱気して密封した状態でカプセルをHIP装置5内に収容して所定条件でHIP処理することによって機械構造用合金鋼粉末8を母材7に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体を得るものである。
ここで、母材7は長尺の金属焼結体の一回り小さい大まかな形状を有するもので、長尺の金属焼結体の形状を直接機械加工で作製するよりも容易に作製することができる。そして、この母材7によって大体の形状ができているので、カプセル6は実施の形態1におけるような複雑形状の内面を有するものを必要とせず、単純な円筒形の両端面に蓋を溶接で取付けるだけで製造することができる。そして、母材7とカプセル6内面の空間に機械構造用合金鋼粉末8を充填して脱気・封止し、HIP装置5内に収容して高温・高圧でHIP処理した結果、図4に示されるように母材7と一体に機械構造用合金鋼粉末8が焼結されて、長尺の金属焼結体11が得られる。なお、図4は長尺の金属焼結体11の周囲に密着したカプセル6を除去した後の横断面を示している。
後は、実施の形態1と同様に、スライシングマシンで長尺の金属焼結体11から所定長さの金属製品としてのギヤを次々に切り出すことによって、少ない工程数で一度に多数個製造することができる。この際、長尺の金属焼結体11をスライシングマシンのスライス刃の回転方向と逆方向に回転させながら切断することによって、切り出されたギヤに応力歪が発生せず、信頼性の高い金属製品としてのギヤが得られる。なお、貫通穴は、切断後機械加工によって穿設すれば良い。
このようにして、本実施の形態3にかかる金属製品及びその製造方法においては、母材の表面に金属粉末のHIP技術を応用することによって、複雑形状のカプセルを作製する必要がなく、複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良く製造することができる。
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4にかかる金属製品及びその製造方法について、図5を参照して説明する。図5は本発明の実施の形態4にかかる金属製品及びその製造方法におけるHIP工程を示す部分横断面図である。
本実施の形態4においても、金属製品として実施の形態1のギヤ1と同様な外形を有するギヤを製造する。図5に示されるように、本実施の形態4にかかる金属製品及びその製造方法においては、まず機械構造用合金鋼の鋳造によって、長尺の金属焼結体4と同一外形でやや大きめの長尺体鋳造品10を作製する。次に、この長尺体鋳造品10を実施の形態2と同様の単純な円筒形の両端面に蓋を溶接で取付けるだけのカプセル9に入れて、脱気・封止し、HIP装置5内に収容して高温・高圧でHIP処理することによって、長尺体鋳造品10内部の気泡・欠陥12が高圧によって潰されるとともに、全体が圧縮されて高密度・高強度の所定寸法の長尺体が得られる。
後は、表面に密着したカプセル9を除去して、スライシングマシンで長尺体から所定長さの金属製品としてのギヤを次々に切り出すことによって、少ない工程数で一度に多数個製造することができる。この際、長尺体をスライシングマシンのスライス刃の回転方向と逆方向に回転させながら切断することによって、切り出されたギヤに応力歪が発生せず、信頼性の高い金属製品としてのギヤが得られる。なお、貫通穴は、切断後機械加工によって穿設すれば良い。
このようにして、本実施の形態4にかかる金属製品及びその製造方法においては、機械構造用合金鋼の鋳造品にHIP技術を応用することによって、母材を機械加工で製作する必要もなく、また複雑形状のカプセルを作製する必要もなく、複雑形状の金属製品を少ない工程数で効率良く製造することができる。
上記各実施の形態においては、金属製品として機械構造用合金鋼からなるギヤを製造する場合について説明したが、他の金属で他の製品を製造する場合にも同様に適用が可能である。
また、上記実施の形態2,3,4においては、ギヤの貫通穴を切断後に機械加工で穿設する方法を採っているが、予め機械加工時または鋳造時に貫通穴を設けておき、HIP処理時に貫通穴が潰れないように中子を入れておく方法によることもできる。
さらに、上記各実施の形態においては、HIP処理によって得られた長尺体から製品を切り出すのにスライシングマシンを用いているが、切断方法としてはこれに限られるものではなく、ワイヤー放電加工による切断、レーザ切断装置による切断を始めとして、どのような切断方法を用いても良い。
本発明を実施するに際しては、金属製品及び長尺体の構造、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、また金属製品の製造方法のその他の工程についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
図1は本発明の実施の形態1にかかる金属製品及びその製造方法における金属製品としてのギヤを示す斜視図である。 図2は本発明の実施の形態1にかかる金属製品及びその製造方法における長尺の金属焼結体を示す斜視図である。 図3は本発明の実施の形態3にかかる金属製品及びその製造方法におけるHIP工程を示す部分横断面図である。 図4は本発明の実施の形態3にかかる金属製品及びその製造方法における長尺の金属焼結体を示す部分横断面図である。 図5は本発明の実施の形態4にかかる金属製品及びその製造方法におけるHIP工程を示す部分横断面図である。
符号の説明
1 金属製品
4,11 長尺の金属焼結体
5 HIP装置
6,9 カプセル
7 母材
8 金属粉末
10 鋳造品
12 気泡・欠陥

Claims (9)

  1. 金属粉末の熱間等方圧加圧(HIP)処理によって複雑形状の金属製品が複数個連続した形状の長尺の金属焼結体を製造し、前記長尺の金属焼結体を切断することによって製造されることを特徴とする金属製品。
  2. 金属粉末のHIP処理によって複雑形状の金属製品が複数個連続した形状の長尺の金属焼結体を製造し、前記長尺の金属焼結体を切断することによって前記複雑形状の金属製品を順次切り出すことを特徴とする金属製品の製造方法。
  3. 前記長尺の金属焼結体を切断するのにスライシングマシンを用いて前記長尺の金属焼結体を長尺方向の中心軸を回転軸として前記スライシングマシンのスライス刃の回転方向と逆方向に回転させながら切断することを特徴とする請求項1に記載の金属製品または請求項2に記載の金属製品の製造方法。
  4. 前記長尺の金属焼結体の母材を高強度の金属で製作し、所定のHIP用のカプセル内に収容して、前記母材と前記カプセル内面の空間に前記金属粉末を充填し、前記カプセル内から脱気して密封した状態で前記カプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記金属粉末を前記母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体を得て、これを切断することによって製造されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の金属製品。
  5. 前記長尺の金属焼結体の母材を高強度の金属で製作する工程と、
    前記母材を所定のカプセル内に収容する工程と、
    前記母材と前記カプセル内面の空間に前記金属粉末を充填する工程と、
    前記カプセル内から脱気して密封した状態で前記カプセルを熱間等方圧加圧(HIP)装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記金属粉末を前記母材に一体的に焼結させて前記長尺の金属焼結体を得る工程と、
    前記長尺の金属焼結体を切断することによって前記複雑形状の金属製品を順次切り出す工程と
    を具備することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の金属製品の製造方法。
  6. 前記長尺の金属焼結体の形状をやや大きめに前記金属粉末の金属を鋳造することによって製作し、鋳造品を所定のカプセル内に収容し、前記カプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記鋳造品内の気泡・欠陥等を潰しつつ所定の大きさに圧縮して、HIP処理した前記鋳造品を切断することによって製造されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の金属製品。
  7. 前記長尺の金属焼結体の形状をやや大きめに前記金属粉末の金属を鋳造することによって製作する工程と、
    鋳造品を所定のカプセル内に収容する工程と、
    前記カプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記鋳造品内の気泡・欠陥等を潰しつつ所定の大きさに圧縮する工程と、
    HIP処理した前記鋳造品を切断することによって前記複雑形状の金属製品を順次切り出す工程と
    を具備することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の金属製品の製造方法。
  8. 前記長尺の金属焼結体の形状をロストワックス用のワックスで製作し、その表面に金属メッキを付着させて前記ワックスを加熱除去することによってライニングカプセルを製作し、高強度の金属で製作した棒状の母材を前記ライニングカプセル内にセットして表面の複雑形状部分のみを空間にして、この空間内に前記金属粉末を充填して、前記ライニングカプセル内から脱気して密封した状態で前記ライニングカプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記金属粉末を前記母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体を得て、これを切断することによって製造されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の金属製品。
  9. 前記長尺の金属焼結体の形状をロストワックス用のワックスで製作する工程と、
    製作した形状の表面に金属メッキを付着させる工程と、
    前記ワックスを加熱除去することによってライニングカプセルを製作する工程と、
    高強度の金属で製作した棒状の母材を前記ライニングカプセル内にセットする工程と、
    前記棒状の母材と前記ライニングカプセル間の空間内に前記金属粉末を充填する工程と、
    前記ライニングカプセル内から脱気して密封した状態で前記ライニングカプセルをHIP装置内に収容して所定条件でHIP処理することによって前記金属粉末を前記母材に一体的に焼結させて長尺の金属焼結体とする工程と、
    前記長尺の金属焼結体を切断することによって前記複雑形状の金属製品を順次切り出す工程と
    を具備することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の金属製品の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105618764A (zh) * 2014-10-31 2016-06-01 北京宇航***工程研究所 一种异性材质连接结构及其形成方法

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