JP2005307026A - 機能性含フッ素高分子材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で耐熱性、耐薬品性、物理化学的機能や耐久性に優れ、また諸特性の設計の自由度の高い機能性含フッ素高分子材料とその製法を提供する。
【解決手段】主鎖にフッ素系高分子を含み、グラフト鎖がパーフルオロビニルモノマーユニットからなり、グラフト鎖末端にスルホン酸基を有する機能性含フッ素高分子材料の製造方法であって、フッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトした後、グラフト鎖末端の構造式Rf-X(Rfはフルオロアルキル基を示し、Xはフッ素以外の一種以上のハロゲンを示す)で表されるフルオロアルキルハロゲン部位に亜硫酸化合物、硫黄酸化物または二硫化物を作用させることによって前記フルオロアルキルハロゲン部位を構造式Rf-Y(Rfはフルオロアルキル基を示し、Yはスルフィン酸基を示す)で表される部位に変換し、次いで酸化剤を反応させてスルフィン酸基をスルホン酸基に変換する。
【選択図】なし

Description

本発明は、イオン交換樹脂、イオン交換膜、食塩電気分解用イオン交換膜、イオン導電性媒体、センサー、金属イオン吸着用の樹脂や膜あるいはフィルター、燃料電池用膜などの機能性膜、機能性繊維、機能性樹脂および機能性媒体などとして有用な新規な機能性含フッ素高分子材料に関する。
従来、食塩電気分解用のイオン交換膜や燃料電池用のイオン交換膜は、スルホン酸基やカルボン酸基を含む特殊なパーフルオロビニルモノマーをテトラフルオロエチレン等と共重合させて得られるイオン交換基を有するフッ素系高分子を成膜することによって製造されていた。しかし、一般にそれらの特殊なモノマーは複雑かつ多段階にわたる合成経路を経て得られるために、製造される機能性フッ素系高分子材料は非常に高価なものになり、またその特性設計の自由度が制約を受けるなどの欠点があった。
また、上記のフッ素系の機能性材料以外に安価に合成可能な非フッ素系高分子材料も知られているが、これらは一般に耐熱性、耐薬品性、物理化学的機能や耐久性の点で必ずしも十分なものとは言えず、過酷な条件下で長時間使用するには問題がある。
上記のような問題点を解決するために、ハロゲンを含有するフッ素系ビニルモノマーをフッ素系高分子にグラフトし、それらグラフトユニットに含まれるR-X(Rはアルキル基等、Xは塩素、臭素などのハロゲン)もしくはRf-X(Rfはフルオロアルキル基(CnF2n+1-、Xは塩素、臭素などのハロゲン)を亜硫酸塩などで処理してスルホン酸塩に転換した後、硫酸などの酸で処理してスルホン酸にすることを特徴とする方法も提案されている(特開2004−51685号公報、特開2004−165503号公報、特開2003−261697号公報など)。
しかし、上記先行技術文献で提案されている方法で得られる炭化水素アルキルを含有するスルホン酸イオン交換膜の耐久性は必ずしも十分なものとは言えず、また提案されている方法におけるRf-Xのスルホン酸への転換は必ずしも容易ではないという重大な欠点を有している。
特開2004−51685号公報 特開2004−165503号公報 特開2003−261697号公報
上記の問題点に鑑み、本発明の課題は、安価で耐熱性、耐薬品性、物理化学的機能や耐久性に優れ、また諸特性の設計の自由度の高い機能性含フッ素高分子材料とその製法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明によれば、主鎖にフッ素系高分子を含み、グラフト鎖がパーフルオロビニルモノマーユニットからなり、グラフト鎖末端にスルホン酸基を有する機能性含フッ素高分子材料の製造方法であって、フッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトした後、グラフト鎖末端の構造式Rf-X(Rfはフルオロアルキル基(CnF2n+1-)を示し、Xはフッ素以外の一種以上のハロゲンを示す)で表されるフルオロアルキルハロゲン部位に亜硫酸化合物、硫黄酸化物または二硫化物を作用させることによって前記フルオロアルキルハロゲン部位を構造式Rf-Y(Rfはフルオロアルキル基を示し、Yはスルフィン酸基を示す)で表される部位に変換し、次いで酸化剤を反応させてスルフィン酸基をスルホン酸基に変換することを特徴とする方法が提供される。
本発明の方法においては、まず、フッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトすることによって、フッ素系高分子の主鎖にパーフルオロビニルモノマーからなるグラフト鎖を形成させる。そのためには、フッ素系高分子に熱、光、電磁波、放射線、触媒などを作用させてフッ素系高分子にラジカルを発生させた後、パーフルオロビニルモノマーを導入して合成させる。本発明においてフッ素系高分子とは、その主鎖骨格にテトラフルオロエチレンをモノマーユニットとして含む高分子材料を意味する。またパーフルオロビニルモノマーとは、炭素−水素結合を分子内に含まず分子鎖に結合している末端原子が全てフッ素原子であるフルオロビニルモノマーを意味する。
グラフト鎖を導入する基材であるフッ素系高分子としては、テトラフルオロエチレンのポリマーであるポリテトラフルオロエチレン((CF2-CF2)n)が好ましく、またテトラフルオロエチレンに加えてヘキサフルオロプロピレン(CF3CF-CF2)またはパーフルオロビニルエーテル(ROCF-CF2、R:パーフルオロアルキル基)をモノマーユニットとして含むパーフルオロポリマーを用いることもできる。これらのパーフルオロポリマーは、得られる機能性含フッ素高分子材料の耐熱性、耐薬品性や耐久性が高いために有用である。またフッ素系高分子が架橋高分子を有している場合は、機械的強度や耐熱性がいっそう高くなる。またフッ素系高分子が短鎖フルオロアルキル基(CnF2n+1-、n≦3)を有している場合は、その3級炭素上にグラフト活性点を生じやすいため、有利である。
グラフトするパーフルオロビニルモノマーとしては、基材のモノマーユニットと同様に、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンまたはパーフルオロビニルエーテルが有用である。パーフルオロビニルモノマーがテトラフルオロエチレンである場合は、得られる機能性含フッ素高分子材料の耐熱性、耐薬品性や耐久性が高く、また安価な材料となることが期待される。パーフルオロビニルモノマーがヘキサフルオロプロピレンやパーフルオロビニルエーテルである場合は、機能性含フッ素高分子材料の機械的特性が高くなる。グラフトするパーフルオロビニルモノマーとして炭素−水素結合を含まないフルオロビニルモノマーを用いる理由は、水素引き抜き反応による分子鎖切断などによる材料特性の低下を防ぐことによって、耐熱性、耐薬品性あるいは耐久性を高めることにある。また、グラフト鎖を構成するモノマーユニットの数が1〜30であって、その数が揃っていれば、得られる機能性含フッ素高分子材料の諸特性が均一に発現するので有用な場合がある。
また、フッ素系高分子の主鎖にパーフルオロビニルモノマーからなるグラフト鎖を形成させると同時に、グラフト鎖末端に構造式Rf-Xで表されるフルオロアルキルハロゲン部位を形成させる。ここで、Rfはフルオロアルキル基(CnF2n+1-)を示し、Xはフッ素以外の一種以上のハロゲンを示す。フルオロアルキルハロゲン部位を形成させる第一の手段として、フッ素以外の一種以上のハロゲンの存在下またはそのハロゲンを含む一種以上の飽和フルオロカーボン化合物の存在下で、フッ素系高分子に光、電磁波、放射線、触媒などを作用させてフッ素系高分子にラジカルを発生させる。次いで、パーフルオロビニルモノマーを導入させることによって、パーフルオロビニルモノマーからなるグラフト鎖の末端にフルオロアルキルハロゲン部位を形成させる。あるいは、この合成は、フッ素以外の一種以上のハロゲンまたはそのハロゲンを含む一種以上の飽和フルオロカーボン化合物とパーフルオロビニルモノマーの共存下で、フッ素系高分子に光、電磁波、放射線、触媒などを作用させて行ってもよい。なお、本発明において飽和フルオロカーボン化合物とは、不飽和結合を含まない炭素骨格の主鎖にフッ素の側鎖が付加していて、この側鎖のフッ素の一部がフッ素以外の一種以上のハロゲンに置き換えられている化合物を意味する。
後の工程で行われるフルオロアルキル基に結合しているハロゲンと亜硫酸塩などとの反応におけるハロゲン自体の反応性やそれがおかれている電子的環境または立体的環境を考慮すると、ハロゲンとしては臭素またはヨウ素を用いるのが好ましい。
フルオロアルキルハロゲン部位を形成させる第二の手段として、フッ素に加えてフッ素以外のハロゲンも含むフッ素系ビニルモノマーを予め共重合させたフッ素系高分子を基材高分子として用い、このフッ素以外の一種以上のハロゲンを含有するフッ素系高分子に光、電磁波、放射線、触媒などを作用させてフッ素系高分子にラジカルを発生させた後、パーフルオロビニルモノマーを導入させることによって、パーフルオロビニルモノマーからなるグラフト鎖の末端にフルオロアルキルハロゲン部位を形成させる。
空気中など酸素の存在下で紫外線や放射線を照射してフッ素系高分子にラジカルを生成させる場合にはオキシラジカルが形成することが認められていて、それを利用したグラフト化も可能である。具体的には、フッ素以外の一種以上のハロゲンの存在下またはそのハロゲンを含む一種類以上の飽和フルオロカーボン化合物の存在下で、3級炭素を有する溶融したフッ素系高分子に放射線などを作用させて3級炭素上にラジカルを発生させ、50℃以下の温度で酸素を導入して前記ラジカルをオキシラジカルに変換し、次いでパーフルオロビニルモノマーをグラフトさせる。あるいは、フッ素以外の一種以上のハロゲンを含有していて3級炭素を有する溶融したフッ素系高分子に放射線などを作用させて3級炭素上にラジカルを発生させ、50℃以下の温度で酸素を導入して前記ラジカルをオキシラジカルに変換し、次いでパーフルオロビニルモノマーをグラフトさせる。また酸素不存在下の溶融状態において放射線を照射して架橋構造を付与したフッ素系高分子は、その後再び放射線を照射すると、その架橋部位の3級炭素上に選択的にラジカルが発生しやすい。このことによって分子鎖末端ではなく分子鎖中の3級炭素部位にラジカルを安定的に生成させることができる。なおかつ架橋の度合いと照射する放射線量をコントロールすることにより、生成するラジカルの密度と量を調製することも可能である。
また、流動性の低い状態のフッ素系高分子に紫外線や放射線を照射して生成させたラジカルはトラップされた状態(すなわちラジカル同士の反応が抑制された状態)にあって安定に存在する。そのような安定したラジカルを生成した後にグラフト化を行うことが可能であり、照射によって生じたラジカルが消滅しないように液体窒素中で保管するなどの特別な措置を講じる必要もなく、ラジカルが生成した材料を簡便に取り扱うことが可能で、ハンドリングや経済性の面で非常に有利である。
以上のようにして、フッ素系高分子の主鎖にパーフルオロビニルモノマーからなるグラフト鎖を形成させると同時に、グラフト鎖末端に構造式Rf-Xで表されるフルオロアルキルハロゲン部位を形成させたならば、次に、フルオロアルキルハロゲン部位をスルフィン化する。すなわち、グラフト鎖末端の構造式Rf-Xで表されるフルオロアルキルハロゲン部位に亜硫酸化合物、硫黄酸化物または二硫化物(ジスルフィド)を作用させることによって、フルオロアルキルハロゲン部位を構造式Rf-Yで表される部位に変換する。ここで、Rfはフルオロアルキル基(CnF2n+1-)を示し、Yはスルフィン酸基(-SOOH)を示す。適当な亜硫酸化合物、硫黄酸化物または二硫化物としては、例えば亜硫酸(H2SO3)、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)がある。
次いで、フッ素系高分子に酸化剤を反応させてスルフィン酸基をスルホン酸基(-SO2・OH)に変換することによって機能性含フッ素高分子材料を得る。グラフト鎖末端のハロゲン部位をスルホン酸基に直接変換することは困難であるため、まずスルフィン酸基にしてからスルホン酸基に変換する必要がある。酸化剤としては、クロロスルホン酸、濃硫酸、硝酸、過酸化水素を用いることができる。
本発明の方法によれば、市販の含フッ素高分子材料や比較的安価なモノマーの組み合わせを選択することによって、イオン交換基などの機能性部位を有する含フッ素高分子材料を容易に得ることができ、食塩電気分解、燃料電池、各種電池、イオン導電性媒体、電気化学的機能性材料として有用な材料になり得る。
また、フッ素系高分子やグラフトさせるパーフルオロビニルモノマーの組成を選択することによって、得られる機能性含フッ素高分子材料におけるイオン交換基の密度を制御することができる。あるいは、グラフトの形状、架橋部位やハロゲン化部位の濃度を変えることによって、 機能性含フッ素高分子材料の物理的特性や化学的特性を柔軟にかつ幅広く制御することができ、多様な用途や利用形態に適用できる。
また、本発明の機能性含フッ素高分子材料は、フィルム、ファイバー、布、中空糸など各種の形態で用いることができ、またそれらを適宜に相互にあるいは他の材料とサンドイッチ状に積層して用いることもでき、さらには電極などに析出または付着させた状態にするなど、様々な利用形態が可能である。さらにまた、この機能性含フッ素高分子材料を既存のスルホン酸基を有する各種機能性材料とブレンドして複合化して用いることもできる。
以下に実施例を記載して本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例の態様に限定されるものではない。
実施例1
市販のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)の水性ディスパージョンをワイヤーバーを用いて平坦なアルミ箔上に流延し、薄膜フィルムの前駆体を形成した。この前駆体を乾燥機で乾燥し、340℃に加熱しながら電子線加速器を用いて電子線を100kGy照射することによって、PTFEの架橋フィルム(厚さが約15ミクロン)を得た。
この架橋PTFEフィルムをガラス容器に入れ、減圧脱気した後、テトラフルオロエチレンモノマーと臭素の等モル混合ガスを1気圧になるまで導入し、ガラス容器を密閉した。このガラス容器に−78℃でコバルトガンマ線を30kGy照射することによって、主として架橋部位の3級炭素にテトラフルオロエチレンモノマーがグラフトし、その末端に臭素を含む部分的に臭素化した架橋PTFEフィルムを得た。
この架橋PTFEフィルムをナトリウムジサルファイト(Na2S2O5)5gをDMF25mlと水12.5mlの混合溶液に溶解した溶液中80℃で8時間反応させると、ほぼ選択的に臭素部分がスルフィン化され、グラフト鎖末端にスルフィン酸基を有する架橋含フッ素高分子膜が得られた。
PTFEの主鎖とTFEのグラフト鎖からなりグラフト鎖末端にスルフィン酸基を有するこの架橋含フッ素高分子膜を、さらに過酸化水素によって処理して酸化反応を行わせることによってスルフィン酸基のスルホン酸基への変換を行い、スルホン酸基含有架橋PTFEグラフト高分子膜を得た。この高分子膜のイオン交換基の濃度は約0.05meq/gであった。
実施例2
市販のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPという)を使用して、実施例1と同様にして水性ディスパージョンから薄膜フィルムの前駆体を形成した。FEPの融点よりも高い280℃に加熱しながら電子線を60kGy照射することによって、FEPの架橋フィルム(厚さが50ミクロン)を得た。
この架橋FEPフィルムを石英容器に入れ、真空脱気下に−78℃でガンマ線を15kGy照射することによって、主として3級炭素上にラジカルを発生させた。次いでテトラフルオロエチレンモノマーと臭素のモル比2/1混合飽和蒸気圧ガスを容器に導入し、−78℃で紫外線を照射しながらグラフト反応を行わせることによって、テトラフルオロエチレンユニットの末端に臭素を含むグラフト鎖を有する架橋グラフトFEPフィルムを得た。
この架橋FEPフィルムを、実施例1と同様にして、ナトリウムジサルファイト(Na2S2O5)のDMF/水混合溶液中80℃で8時間反応させると、ほぼ選択的に臭素部分がスルフィン化され、グラフト鎖末端にスルフィン酸基を有する架橋含フッ素高分子膜が得られた。
FEPの主鎖とTFEのグラフト鎖からなりグラフト鎖末端にスルフィン酸基を有するこの架橋含フッ素高分子膜を、さらに硝酸によって処理して酸化反応を行わせることによってスルフィン酸基のスルホン酸基への変換を行い、スルホン酸基含有架橋FEPグラフト高分子膜を得た。この高分子膜のイオン交換基の濃度は約0.1meq/gであった。
実施例3
テトラフルオロエチレンモノマーとトリフルオロブロモエチレン(CF2CFBr)を過硫酸アンモニウム/鉄/EDTA/ロンガリットからなる低温活性ラジカル触媒を用いて25℃で乳化重合させ、テトラフルオロエチレンモノマー90モル%とトリフルオロブロモエチレン5モル%を含む共重合体を合成した。
実施例1と同様にして、この共重合体を厚さ15ミクロンのフィルムに成形し、フィルムを1気圧のテトラフルオロエチレンモノマーと臭素のモル比10/1の混合ガスとともに石英容器に仕込んだ。水分・酸素などが実質的に存在しない条件下で、容器に0℃でガンマ線を20kGy照射することによって、主として臭素部分にテトラフルオロエチレンモノマーが挿入グラフトし、グラフト末端ユニットに臭素を有する高分子を得た。
実施例1と同様にして、このグラフト高分子に対してスルフィン化を経てスルホン化を行うことによって、グラフト鎖末端ユニットにスルホン酸基を有する含フッ素高分子膜を得た。この高分子膜のイオン交換基の濃度は約0.4meq/gであった。
実施例4
実施例3で合成したテトラフルオロエチレンモノマー90モル%とトリフルオロブロモエチレン5モル%を含む共重合体を厚さ50ミクロンのフィルムに成形した後、これにトリフルオロブロモエチレンモノマーを含浸させた。フィルムをガラス容器に仕込み、凍結脱気によって空気を除去した後、1気圧のテトラフルオロエチレンモノマーを仕込んで密閉した。容器に0℃でコバルト60ガンマ線を30kGy照射することによって、共重合体の主鎖にトリフルオロブロモエチレンモノマーとテトラフルオロエチレンモノマーがグラフトした含フッ素高分子フィルムを得た。
この含フッ素高分子フィルムをナトリウムジサルファイト(Na2S2O5)のDMF/水混合溶液中80℃で10時間反応させることによってグラフトユニット末端の臭素のスルフィン化を行った後、熱濃硫酸によってスルホン化を行い、グラフト鎖の末端にスルホン酸基を有するイオン交換膜を得た。この高分子膜のイオン交換基の濃度は約0.5meq/gであった。
実施例5
実施例2と同様にして、市販のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)からなる厚さ50ミクロンのフィルムをFEPの融点よりも高い280℃に加熱しながら電子線を300kGy照射することによって、FEPの架橋フィルムを得た。次いで、この架橋フィルムをガラス容器に仕込み、真空ポンプで脱ガスを行いながら容器に0℃でコバルト60ガンマ線を30kGy照射することによって、3級炭素上に安定なラジカルを有する架橋フィルムとした。
真空ポンプへ通じるコックを閉じた後、フィルムの入っているガラス容器に0℃でテトラフルオロエチレンと1,2-ジブロモテトラフルオロエタンの等モル混合物を1気圧導入することによって、3級炭素上のラジカルにグラフト反応を行わせ、末端に臭素を含むテトラフルオロエチレンユニットをグラフト鎖として有する架橋高分子フィルムを得た。
実施例1と同様にして、この架橋高分子フィルムに対してスルフィン化を経てスルホン化を行うことによって、グラフト鎖末端ユニットにスルホン酸基を有する含フッ素高分子フィルムを得た。この高分子フィルムのイオン交換基の濃度は約0.3meq/gであった。

Claims (12)

  1. 主鎖にフッ素系高分子を含み、グラフト鎖がパーフルオロビニルモノマーユニットからなり、グラフト鎖末端にスルホン酸基を有する機能性含フッ素高分子材料の製造方法であって、フッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトした後、グラフト鎖末端の構造式Rf-X(Rfはフルオロアルキル基を示し、Xはフッ素以外の一種以上のハロゲンを示す)で表されるフルオロアルキルハロゲン部位に亜硫酸化合物、硫黄酸化物または二硫化物を作用させることによって前記フルオロアルキルハロゲン部位を構造式Rf-Y(Rfはフルオロアルキル基を示し、Yはスルフィン酸基を示す)で表される部位に変換し、次いで酸化剤を反応させてスルフィン酸基をスルホン酸基に変換することを特徴とする方法。
  2. 前記フッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトする工程は、フッ素以外の一種以上のハロゲンの存在下またはそのハロゲンを含む一種以上の飽和フルオロカーボン化合物の存在下で、フッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトすることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記フッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトする工程は、フッ素以外の一種以上のハロゲンの存在下またはそのハロゲンを含む一種以上の飽和フルオロカーボン化合物の存在下で3級炭素を有するフッ素系高分子に放射線を作用させて前記3級炭素上にラジカルを発生させ、50℃以下の温度で酸素を導入して前記ラジカルをオキシラジカルに変換し、次いでパーフルオロビニルモノマーをグラフトさせることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記フッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトする工程は、フッ素以外の一種以上のハロゲンを含有するフッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトすることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記フッ素系高分子にパーフルオロビニルモノマーをグラフトする工程は、フッ素以外の一種以上のハロゲンを含有していて3級炭素を有するフッ素系高分子に放射線を作用させて前記3級炭素上にラジカルを発生させ、50℃以下の温度で酸素を導入して前記ラジカルをオキシラジカルに変換し、次いでパーフルオロビニルモノマーをグラフトさせることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
  6. フッ素系高分子にグラフトする前記パーフルオロビニルモノマーは、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンまたはパーフルオロビニルエーテルから選択される一種または二種以上のモノマーであることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. フッ素系高分子にグラフトする前記パーフルオロビニルモノマーは、フッ素以外の一種以上のハロゲンを含有していて水素を含有していないことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 主鎖にフッ素系高分子を含み、グラフト鎖がパーフルオロビニルモノマーユニットからなり、グラフト鎖末端にスルホン酸基を有する機能性含フッ素高分子材料。
  9. 前記フッ素系高分子は架橋高分子を有していることを特徴とする、請求項8に記載の機能性含フッ素高分子材料。
  10. 前記フッ素系高分子は短鎖フルオロアルキル基を有していることを特徴とする、請求項8に記載の機能性含フッ素高分子材料。
  11. 前記フッ素系高分子はその主鎖骨格にテトラフルオロエチレンをモノマーユニットとして含むパーフルオロポリマーからなることを特徴とする、請求項8から10のいずれかに記載の機能性含フッ素高分子材料。
  12. 前記フッ素系高分子はその主鎖骨格にさらにヘキサフルオロプロピレンおよび/またはパーフルオロビニルエーテルをモノマーユニットとして含むパーフルオロポリマーからなることを特徴とする、請求項11に記載の機能性含フッ素高分子材料。
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