JP2005306749A - Hgf含有臓器保存液 - Google Patents

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Abstract

【課 題】 移植用摘出臓器が高度に生理的な状態に維持され、移植臓器の虚血再灌流障害が防止できる臓器保存用溶液又は臓器灌流用溶液を提供することである。
【解決手段】 HGFを含有する臓器保存液。
【選択図】 なし

Description

本発明は、肝細胞増殖因子(HGF)を含有する臓器保存用溶液又は灌流用溶液に関する。より具体的には、本発明は、臓器提供者から摘出された臓器の冷却保存下での組織変性を予防することができ、術後の臓器不全症や拒絶反応を防止することができる移植用摘出臓器の保存用溶液又は灌流用溶液に関するものである。
移植手術のために臓器提供者(ドナー)から摘出された移植用臓器片は、血流遮断後の組織変性を軽減する目的で、組織融解が起こりにくいと言われている0〜6℃の状態で冷却保存される。通常、移植までの間、数分から数十時間保存されるが、この間にも組織変性は次第に進行する。冷却保存時に招来される組織傷害は臓器移植後の臓器不全や拒絶反応を引き起こす原因となる。このために、保存温度や保存又は灌流液等の保存条件が適切に選択されなかったり、移植までに長時間を要すると、移植によって移植臓器内の血流が回復した際(再灌流時)に、移植臓器に基質的あるいは機能的な障害が生じる場合がある。このため、移植手術を行うにあたっては、いかに移植用臓器を摘出時の状態に維持し得るかが、極めて重要である。移植用摘出臓器を生理的な状態で保存するために、摘出後の移植用臓器を保存液中で冷却保存する方法が採用されている。移植用摘出臓器の保存液としては、ユーロ・コリンズ(Euro−Collins)液や、UW液が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。しかし、これら保存液で保存した臓器の機能は充分といえず、臓器保護活性を持つインスリン様成長因子(IGF−1)を保存液に入れ、臓器機能を保持する試みが行われた。しかし、動物実験での成績は目覚しいものとはいえなかった(非特許文献3:)
HGFは、肝実質細胞の増殖を指標として発見された蛋白質であるが、その後の研究により、HGFは肝実質細胞以外にも多くの上皮系細胞や一部の間葉系細胞にも増殖作用を示すことが明らかとなっている。また、HGFの示す活性は細胞増殖活性のみならず、細胞遊走促進、形態形成促進、細胞死抑制、血管新生作用等多様な活性を示すことも知られている(例えば、非特許文献4参照)。
HGFは、虚血傷害モデルでの細胞の障害を抑制する作用を有することが知られ、血流の再灌流傷害、臓器移植手術における臓器傷害に対しHGFの投与が有効であることが知られている(特許文献1参照)が、摘出臓器を低温で保存するHGFを含有する臓器保存液又は臓器灌流液についての記載は認められない。
国際公開第96/32960号パンフレット スクイフレット・ジェー・ピー(Squifflet,J.P.)ら、トランスプランテイション・プロシーディング(Transplant Proc.)、1981年、第13巻、p.693 ワールベルグ・ジェー・エー(Wahlberg,J.A.)ら、トランスプランテイション・プロシーディング(Transplantation)、1988年、第43巻、p.5−8 ペトリネック・ディー(Petrinec.D)他7名、サージェリー(Surgery)、1996年、第120巻(2号)、p.221−225 マツモト・ケー(Matsumoto,K)他1名、キドニー・インターナショナル(Kidney Int.)、2001年、第59巻、p.2023−2038
本発明の課題は、移植臓器を生理的に長時間冷却保存することができ、術後臓器不全症、及び急性又は慢性拒絶反応を防止することができる臓器保存用溶液又は臓器灌流用溶液を提供することにある。
なお、本発明において臓器保存とは、臓器摘出時の臓器の生理的・機能的状態を維持することをいい、臓器保存用溶液とは、臓器の上記状態を維持するための溶液をいう。また、臓器灌流とは、臓器内を流れめぐることをいい、臓器灌流用溶液とは、該灌流用溶液が臓器内を流れめぐることにより、臓器中に存在する血液などを排出し、臓器の上記状態を維持しつつ臓器内を洗浄する溶液をいう。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、HGFを含有する臓器灌流用溶液で臓器を灌流し、冷却保存すると、虚血時における移植臓器が極めて生理的な状態で保存できることを見出した。本発明はこれらの知見を基に完成されたものである。
すなわち、本発明は、
(1) HGFを含有する臓器保存用溶液、
(2) HGFを含有する臓器灌流用溶液、
(3) 臓器の冷却保存用であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の溶液、
(4) 冷却が0〜6℃であることを特徴とする上記(3)記載の溶液、
(5) 摘出臓器又は組織部分の貯蔵性損傷又は術後臓器不全を防止する作用を有することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶液、
(6) 臓器が心臓、肝臓、腎臓、肺臓、膵臓、小腸、皮膚及び角膜から選択される臓器である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の溶液、及び
(7) 摘出臓器を、0〜6℃のHGFを含有する溶液で臓器を灌流又は/及び浸漬することを特徴とする摘出臓器の保存方法、
に関する。
本発明の臓器保存用溶液又は臓器灌流用溶液は移植用臓器の保存又は灌流液として用いることができる。本発明の臓器保存用溶液で保存、又は/及び臓器灌流用溶液で灌流された摘出臓器は、機能的・形態的に生理的状態が高度に維持されるので、移植用臓器の冷却による組織変化及び移植後の組織破壊の進行が軽減できる。
また、本発明の臓器灌流用溶液は、摘出臓器の灌流時や灌流後に生じる損傷、特に虚血性損傷を防止できる。
また、本発明の臓器保存用溶液は、摘出臓器の長時間の冷却保存時に生じる冷却ストレスによる保存臓器の貯蔵性損傷、虚血性損傷を防止できる。
本発明の保存液は、摘出臓器を長時間冷却保存できるので、ドナーからの臓器摘出後、レシピエントに該臓器を移植するまでの時間を延長することができる。このことは、摘出臓器の移送の時間延長に繋がるので、該臓器が移植適応される患者の地理的範囲を拡大できる。
本発明で使用されるHGFは公知物質であり、医薬として使用できる程度に精製されたものであれば、種々の方法で調製されたものを用いることができる。HGFの製造方法としては、例えばHGFを産生する初代培養細胞や株化細胞を培養し、培養上清等から分離、精製して該HGFを得ることができる。あるいは遺伝子工学的手法によりHGFをコードする遺伝子を適切なベクターに組み込み、これを適当な宿主細胞に挿入して形質転換し、この形質転換体の培養上清から目的とする組換えHGFを得ることもできる。(例えば、特開平5−111382号公報、Biochem.Biophys.Res.Commun.1989年、第163巻,p.967等を参照)。上記の宿主細胞は特に限定されず、従来から遺伝子工学的手法で用いられている各種の宿主細胞、例えば大腸菌、酵母又は動物細胞等を用いることができる。このようにして得られたHGFは、天然型HGFと実質的に同じ作用を有する限り、そのアミノ酸配列中の1若しくは複数個(例えば、数個)のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加されていてもよく、また同様に糖鎖が置換、欠失及び/又は付加されていてもよい。ここで、アミノ酸配列について、「1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加若しくは挿入」とは、遺伝子工学的手法、部位特異的突然変異誘発法等の周知の技術的方法により、又は天然に生じうる程度の数(1〜数個)が、欠失、置換、付加又は挿入等されていることを意味する。糖鎖が置換、欠失及び/又は付加したHGFとは、例えば天然のHGFに付加している糖鎖を酵素等で処理し糖鎖を欠損させたHGF、また糖鎖が付加しない様に糖鎖付加部位のアミノ酸配列に変異が施されたもの、あるいは天然の糖鎖付加部位とは異なる部位に糖鎖が付加するようアミノ酸配列に変異が施されたもの等をいう。
さらに、HGFのアミノ酸配列と少なくとも60%以上の相同性を有する蛋白質、好ましくは80%以上の相同性を有する蛋白質、より好ましくは90%以上の相同性を有する蛋白質、さらに好ましくは95%以上の相同性を有する蛋白質であって、かつ骨髄細胞から内皮前駆細胞ないし内皮細胞への分化誘導活性を有する蛋白質も含まれる。上記アミノ酸配列について「相同」とは、蛋白質の一次構造を比較し、配列間において各々の配列を構成するアミノ酸残基の一致の程度の意味である。
また、本発明で使用されるHGFにおいては、C末端がカルボキシル基(−COOH)のほか、天然型HGFと実質的に同じ作用を有する限り、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)又はエステル(−COOR)等であってもよい。ここでエステルにおけるRとしては、置換基を有してもよい低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、シクロペンチル、ベンジル、フェネチル等)、アリール基(例えば、フェニル、α−ナフチル等)、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基等が挙げられる。さらに、本発明で使用されるHGFには、天然型HGFと実質的に同じ作用を有する限り、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル等のアシル基等)で保護されているもの、N末端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの等も含まれる。
これらHGFはいずれも公知の物質である。
本発明の好ましい態様に従えば、本発明の臓器保存用溶液(以下、単に保存液ともいう。)又は臓器灌流用溶液(以下、単に灌流液ともいう。)は、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(1000mL中に次の成分を含む:リン酸2水素1カリウム0.0425g;塩化ナトリウム8.5g)、クエン酸緩衝液又はリンゲル液(500mL中に次の成分を含む:塩化ナトリウム4.3g;塩化カリウム0.15g;塩化カルシウム・2水和物0.165g)又はKrebs−Henseleit緩衝液(塩化ナトリウム118.0mM; 塩化カリウム4.7mM;塩化カルシウム2.5mM;リン酸2水素カリウム1.2mM;硫酸マグネシウム1.2mM;炭酸水素ナトリウム25.0mM;グルコース10.0mM)等の生理的に許容される緩衝液や等張化液等に、HGFを溶解して調製することができる。好ましくは、従来より移植用臓器の保存液又は/及び灌流液として臨床的に用いられているユーロ・コリンズ液(Euro−Collins液,最終調製液100mL中に次の成分を含む:リン酸一水素カリウム740mg;リン酸二水素カリウム205mg;塩化カリウム112mg;炭酸水素ナトリウム84mg;ブドウ糖3.5g)やUW液(最終調製液1000mL中に下記の組成を含む:ペンタフラクション50g;ラクトビオン酸35.83g;リン酸二水素カリウム3.4g;硫酸マグネシウム1.23g;ラフィノース17.83g;アデノシン1.34g;アロプリノール0.136g;還元型グルタチオン0.922g;水酸化カリウム,適量;水酸化ナトリウム,pH7.4に調整)等に、HGFの必要量が配合され調製される保存液又は/及び灌流液である。
本発明の保存液又は灌流液におけるHGFの含有量は、本発明の保存液又は灌流液の使用方法、保存対象となる臓器の種類、大きさ、状態及び保存の時間等に応じて個別に決定されるべき事項であり、特に限定されないが、液剤とした状態で約0.1μg/mL〜1mg/mL程度が例示される。約1〜500μg/mL程度が好ましく、とりわけ約1〜100μg/mLが好ましい。
また、それらの保存液又は灌流液にさらに、他の臓器保存又は灌流に有効であるとの報告がある化合物、例えばグリシン、α−ケトグルタミン酸、ヒドロキシエチルスターチ又は/及びレシチン化スーパーオキシドジスムターゼ等を配合することもできる。前記化合物の濃度は特に限定されないが、グリシン及びα−ケトグルタミン酸の場合には、一般的に約0.1〜10mM程度の範囲、好ましくは約2mM程度であり、ヒドロキシエチルスターチの場合、一般的には約3〜7.5%程度の範囲、好ましくは約5%程度である(真崎義彦ら、今日の移植、1994年、第7巻(第2号)、p.171−174)。レシチン化スーパーオキシドジスムターゼの場合には、液剤とした状態で約5μg/mL〜50mg/mL(15〜150000U/mL)程度、好ましくは50μg/mL程度である(特開2002−60301号公報)。
一般的には、摘出した移植用臓器を本発明の保存液に浸漬し、約0〜6℃、好ましくは臓器を入れた容器を氷上に置き移植時まで保存すればよい。保存時間は、臓器の種類、状態により異なるが、通常は、約10時間以内、好ましくは8時間以内、更に好ましくは6時間以内、とりわけ4時間以内が好ましい。摘出した移植用臓器は、本発明の灌流液で灌流した後に本発明の保存液に浸漬し、保存することが好ましい。灌流は、動脈(例えば、心臓の場合は冠状動脈、腎臓の場合は腎動脈、あるいは肝臓の場合は肝動脈等)にカテーテルを注入し、カテーテルを通じて灌流液を注入し、臓器内を洗浄する。また、保存液と灌流液のHGFの濃度は同一でも異なってもよく、例えば、灌流液のHGFの濃度は、約50〜500μg/mL、好ましくは約50〜200μg/mL、とりわけ好ましくは50〜100μg/mL程度とし、灌流後、前記灌流液より薄いHGF濃度、例えば約0.1〜50μg/mL程度、好ましくは、1〜20μg/mLの保存液に臓器を浸漬し、保存してもよい。また、別の態様として、移植用臓器を本発明の灌流液で灌流し、HGFを含有しない例えばユーロ・コリンズ液などの公知の臓器保存液に浸漬し、保存してもよい。また、移植の直前に最終的な臓器の洗浄や灌流を行う際にも本発明の灌流液を用いることができる。本発明の灌流液は、上記いずれの場合においても予め約0〜6℃程度に冷却しておくことが好ましい。
上記灌流液及び保存液の基礎となる緩衝液等は、同一でもよく、異なっていてもよい。
本発明の臓器保存液又は灌流液を上記態様の保存液又は灌流液として使用することにより、摘出後の移植用臓器を移植時まで高度に生理的な状態で保存することができ、移植後臓器の虚血後再灌流障害を防止することが可能である。移植用臓器の種類は特に限定されないが、例えば心臓、肝臓、腎臓、肺臓、膵臓、小腸、皮膚及び角膜等は本発明の臓器保存液又は灌流液により好適に保存又は灌流可能な臓器である。本発明の臓器保存液又は灌流液で冷却保存又は灌流された心臓では、心臓の仕事率の回復率が高まり、腎臓では、急性腎不全等の虚血後再灌流障害が顕著に防止できる。
以下に実施例及び試験例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
%は特にことわりのない限り質量%を示す。
臓器保存・灌流液
HGF 5mg(5μg/mL)
塩化ナトリウム 9g
精製水 適量(全1,000mL)
上記成分を精製水に溶かして1,000mLとする。
臓器保存・灌流液
HGF 30mg(30μg/mL)
リン酸2水素1カリウム 0.0425g
塩化ナトリウム 8.5g
精製水 適量(全1,000mL)
上記成分を精製水に溶かして1,000mLとする。
臓器保存・灌流液
HGF 0.5g(50μg/mL)
クエン酸・1水和物 18.1g
水酸化ナトリウム 32.2g
精製水 適量(全10,000mL)
クエン酸・1水和物及び水酸化ナトリウムを水に溶かして1,000mLとし、用時10倍容に薄め、クエン酸溶液及び水酸化ナトリウム溶液でpHを5.9に調整し、HGFを溶解する。
臓器保存・灌流液
HGF 0.1g(200μg/mL)
塩化ナトリウム 4.3g
塩化カリウム 0.15g
塩化カルシウム・2水和物 0.165g
精製水 適量(全500mL)
上記成分を精製水に溶かして500mLとし、塩酸及び水酸化ナトリウム溶液でpHを7.2に調整する。
臓器保存・灌流液
HGF 0.1g(100μg/mL)
塩化ナトリウム 6.9g
塩化カリウム 0.35g
塩化カルシウム・2水和物 0.37g
リン酸2水素カリウム 0.15g
硫酸マグネシウム 0.14g
炭酸水素ナトリウム 2.1g
グルコース 1.8g
精製水 適量(全1,000mL)
精製水約800mLに上記成分を溶かして塩酸及び水酸化ナトリウム溶液でpHを7.4に調整し、精製水で全量を1,000mLとする。
臓器保存・灌流液
HGF 0.1g(100μg/mL)
リン酸一水素カリウム 7.4g
リン酸二水素カリウム 2.05g
塩化カリウム 1.12g
炭酸水素ナトリウム 0.84g
グルコース 35g
精製水 適量(全1,000mL)
精製水約80mLに上記成分を溶かして精製水で全量を1,000mLとする。
臓器保存・灌流液
HGF 4mg(4μg/mL)
リン酸一水素カリウム 7.4g
リン酸二水素カリウム 2.05g
塩化カリウム 1.12g
炭酸水素ナトリウム 0.84g
グルコース 35g
精製水 適量(全1,000mL)
精製水約80mLに上記成分を溶かして精製水で全量を1,000mLとする。
臓器保存・灌流液
HGF 50mg(50μg/mL)
ペンタフラクション 50g
ラクトビオン酸 35.83g
リン酸二水素カリウム 3.4g
硫酸マグネシウム 1.23g
ラフィノース 17.83g
グルコース 3.5g
アデノシン 1.34g
アロプリノール 0.136g
還元型グルタチオン 0.922g
精製水 適量(全1,000mL)
精製水約800mLに上記成分を溶かし、水酸化ナトリウム溶液でpHを7.4に調整して精製水で全量を1,000mLとする。
試験例
摘出心臓の心機能
SD系雄性ラット(体重;約300g)を、ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg、腹腔内投与)麻酔下で、開胸し心臓を摘出した。摘出した心臓は、体外での心臓の動きを安定化させるため、Krebs−Henseleit緩衝液(37℃)に約20分間浸した。この間に左心室にカテーテルを挿入し、カテーテルを設置した。次いで、高カリウム溶液を含むブドウ糖液(心停止液:カリウムイオン20mEq/L)を、摘出心臓の冠状血管に注入し、心臓を停止させた。心臓停止後直ぐに、上記カテーテルから大量の実施例6の臓器保存・灌流液(約0〜6℃)を注入し、心臓を灌流し、心停止液を心臓から排出した。ユーロ・コリンズ液の入った容器に心臓を入れ、氷中に容器を静置し、心臓を8時間冷却保存した。対照として、実施例6の臓器保存・灌流液の代わりにユーロ・コリンズ液を用い、同様に4、6及び8時間心臓を冷却保存した。
保存した心臓は、37℃に温めたKrebs−Henseleit緩衝液にて上記保存液を洗い流した。前記心臓を、ランゲンドルフ灌流装置〔Isolated Heart Size 1(murine heart)、HSE−Harvard社製〕に繋ぎ、拍動を再会し、左心室の心筋収縮期圧と最大仕事率dp/dtを、ポリグラフ(日本光電社)用い記録した。評価は、冷却保存することなく心臓摘出後直ちにランゲンドルフ灌流装置に繋いだ心臓の心筋収縮期圧と最大仕事率に対する比率で算出した。また心冠血管中の心筋逸脱酵素(CPK)活性を測定した。CPK活性はクレアチニンリン酸基質・テトラゾリウム方法を利用したCPKテストワコーキット(和光純薬株式会社製)を用い測定した。また、心臓組織を凍結切片用包埋剤に沈めて急速凍結した。次いで、凍結切片用ミクロトームで薄切し、TUNEL法を利用するApopTag Apoptosis in situ Detection Kit(Intergen Co.Pardige,NY)にてアポトーシス陽性細胞を検出した。
結果
(1)心筋収縮期圧
左心室収縮期圧の回復率を図1に示した。ユーロ・コリンズ液で冷却保存4及び6時間後の心筋収縮期圧は、拍動再開1時間以内にそれぞれ約60%及び約50%の回復を示した。ユーロ・コリンズ液で冷却保存8時間後の心筋収縮期圧は、拍動再開1時間経過後で約40%の回復を示した。一方、実施例6の臓器保存・灌流液で灌流し、ユーロ・コリンズ液で8時間冷却保存した場合では心筋収縮期圧は約60%にまで回復しており、HGFによる有意な改善効果が確認された。
(2)最大仕事率dp/dt
左心室最大仕事率dp/dtの回復率を図2に示した。ユーロ・コリンズ液で冷却保存4及び6時間後の左心室最大仕事率dp/dtは、拍動再開1時間以内にそれぞれ約80%及び約60%の回復を示した。ユーロ・コリンズ液で冷却保存8時間後の左心室最大仕事率dp/dtの回復率は、拍動再開1時間経過後で約50%であった。一方、実施例6の臓器保存・灌流液で灌流し、ユーロ・コリンズ液で8時間冷却保存した場合の左心室最大仕事率dp/dtの回復率は約80%にまで上昇しており、HGFによる有意な改善が認められた。
(3)心冠血管内の心筋逸脱酵素CPK活性
心冠血管内の心筋逸脱酵素CPK活性を図3に示した。CPK値は、冷却保存時間に応じて増加し、ユーロ・コリンズ液で灌流し、8時間冷却保存した心臓では、CPK値は20IU/hrと高値を示した。一方、実施例6の臓器保存・灌流液で灌流し、ユーロ・コリンズ液で8時間冷却した心臓では、CPK値は3IU/hrで、ユーロ・コリンズ液で4時間冷却保存した心臓のCPK値とほぼ同じであった。
4)病理組織学的変化
心筋細胞でのアポトーシス陽性率を図4に示した。心筋のアポトーシス陽性率は、冷却保存時間に応じて増加し、ユーロ・コリンズ液で8時間冷却保存した心筋のアポトーシス陽性率は25%であった。一方、実施例6の臓器保存・灌流液で灌流し、ユーロ・コリンズ液で8時間冷却した心臓では、心筋のアポトーシス陽性率は約9%で、アポトーシス陽性率が有意に減少した。
上記結果は、HGFを含有する臓器保存・灌流液が、心臓の冷却保存時に進行するアポトーシスをはじめとする死後変化を抑制すると共に、心機能改善作用を有することを示すものである。また、上記結果は、心臓摘出から移植までの時間の延長が可能となることを示唆するものである。
本発明の臓器保存液又は灌流液は、移植用臓器の保存又は灌流液として有用である。また、本発明の臓器保存液又は灌流液は、臓器移植医療分野で、摘出臓器の長時間冷却保存用の臓器保存液として、また摘出臓器の血液の排出や洗浄のための臓器灌流液として利用できる。
図1はラット摘出心臓の左心室収縮期圧の回復率を示す図である。図中*は、8時間保存(HGF−)との間で危険率1%以下での有意差有りを示す。 図2はラット摘出心臓の左心室最大仕事率dp/dtの回復率を示す図である。図中*は、8時間保存(HGF−)との間で危険率1%以下での有意差有りを示す。 図3はラット摘出心臓の心冠血管内の心筋逸脱酵素CPK活性を示す図である。図中*は、危険率5%以下での有意差有りを示す。 図4はラット摘出心臓の心筋細胞でのアポトーシス陽性率を示す図である。図中*は、危険率5%以下での有意差有りを示す。

Claims (7)

  1. HGFを含有する臓器保存用溶液。
  2. HGFを含有する臓器灌流用溶液。
  3. 臓器の冷却保存用であることを特徴とする請求項1又は2記載の溶液。
  4. 冷却が0〜6℃であることを特徴とする請求項3記載の溶液。
  5. 摘出臓器又は摘出組織部分の貯蔵性損傷又は術後臓器不全を防止する作用を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の溶液。
  6. 臓器が心臓、肝臓、腎臓、肺臓、膵臓、小腸、皮膚及び角膜から選択される臓器である請求項1〜5のいずれかに記載の溶液。
  7. 摘出臓器を、0〜6℃のHGFを含有する溶液で臓器を灌流又は/及び浸漬することを特徴とする摘出臓器の保存方法。
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