JP2005305492A - 拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品 - Google Patents

拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品 Download PDF

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Abstract

【課題】基材の開先からの補修材の流出を抑制し、冷却孔補修部分の周囲を基材と同等の組成にして、亀裂の抑制を図る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品を提供する。
【解決手段】本発明に係る拡散ろう付補修方法は、高温に曝されている基材1に欠陥が発生し、その欠陥を拡散ろう付補修を行う際、その欠陥を機械加工して開先2を形成し、形成した開先2の底部側に開先底埋め込み材3を収容させるとともに、この開先底埋め込み材3に順次、低融点合金材4、混合合金材5を充填させた後、真空炉で高温加熱の下、熱処理をする方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高温流体を作動流体とするガスタービンや航空機エンジン等の原動機に適用されるタービンロータ、タービン静翼、タービン動翼、燃焼器等の耐熱部品に生じた損傷や欠陥を補修する拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品に関する。
例えば、発電用ガスタービンプラントは、単機当りの高出力化を目指してガスタービン入口燃焼ガスを高温化しており、ひところの900℃から1100℃、1300℃を経て1500℃以上への開発が行われている。
このように、ガスタービン入口燃焼ガスの高温化の一途を辿る発電用ガスタービンプラントにおいては、タービンロータ、タービン静翼、タービン動翼、燃焼器等の高温部に使用する耐熱部品の材料開発が急務であるが、その開発完成までの補完として、耐熱部品への冷却流体の供給による材料強度の保証や耐熱部品への耐熱塗料のコーティングによる高温燃焼ガス温度の遮熱等に対処している。
しかし、ガスタービンの耐熱部品は、何分にも過酷な条件で運転されているため、運転時間の経過とともに、耐熱部品に亀裂が発生することが多い。
この場合、新しい部品に交換すれば問題ないが、ガスタービン耐熱部品は一般に高価であり、製作にも期間を要するため、安全上問題がなければ亀裂の生じた部分を補修し再利用している。具体的には補修部分を母材(基材)の特性に近付けるため、母材と同等の高融点合金粉末と、これを固める低融点合金粉末とを混合して補修が実施されている。
ところで、この種の補修方法に関する技術には、例えば特開2003−206748号公報が開示されている。この技術は、耐熱部品の補修を行う際、予めダミーピンを挿入しておき、補修材を押し固めた後、あるいは補修ろう付後、ダミーピンを引き抜いて耐熱部品に冷却孔を穿設するものである。
また、別の補修方法には、例えば特開2003−176727号公報に見られるように、貫通補修部に補修用開先を研削し、整形した後、この補修部分から補修材がたれ落ちないように、開先に露出する面を覆うニッケル箔をU形に湾曲させて配置し、この中に補修材を配置して補修を行うものである。
特開2003−206748号公報 特開2003−176727号公報
上述特開2003−206748号公報といい、特開2003−176727号公報といい、共に優れた耐熱部品の補修方法ではあるが、それでも一抹の不安を抱えている。
すなわち、特開2003−206748号公報に開示する、補修された耐熱部品の冷却孔周囲は、母材と同等の高融点合金粉末と、これを固める低融点合金粉末との混合組成になっている。拡散処理を行うことによって低融点合金側にも母材の組織に近付くものの、母材と同等の組織にはなり得ない。
このため、冷却孔周囲は、常に、高燃焼ガスの中で曝され、亀裂が入り易いので、母材と同等の組織に補修することが望ましいが、実際には難しく、確実な亀裂抑制に至っていない。
また、特開2003−176727号公報に開示する技術では、ニッケル箔をU形に湾曲させて開先を覆うように装着しているが、ニッケル箔をU形に湾曲させたものをその長手方向と直角方向に曲げることが難しくなり、直線的な部分の補修だけに適用が制限される。変形し易く、破れにくい5〜10μm程度のニッケル箔を使用する場合、補修部分に押し付け、ある程度その三次元形状に倣わせることができると思われるが、それでもニッケル箔が破れ、補修材が破れ、補修材が流出し、あるいは皺になり、補修部分に欠陥が発生することがあった。
本発明は、このような点を踏まえた上でなされたもので、ニッケル箔を用いずとも開先からの補修材の流出を抑制するとともに、冷却孔補修部分の周囲基材(母材)と同等の組成にし、亀裂のより一層の抑制を図る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品を提供することを目的とする。
本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、高温に曝されている基材に欠陥が発生し、その欠陥を拡散ろう付補修を行う際、その欠陥を機械加工して開先を形成し、形成した開先の底部側に開先底埋め込み材を収容させるとともに、この開先底埋め込み材に順次、低融点合金材、混合合金材を充填させた後、真空炉で高温加熱の下、熱処理をする方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、開先底埋め込み材は、線材および棒材のうち、いずれかを選択する方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、開先底埋め込み材は、ブロック状、球状、板状およびワイヤ材のうち、いずれかを選択した方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、低融点合金材は、Ni基材成分にホウ素4重量%以下、ケイ素11重量%以下の元素を添加した方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、低融点合金材は、Niろうであることを特徴とする方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、高温に曝されている基材に欠陥が発生し、その欠陥を拡散ろう付補修を行う際、その欠陥を機械加工して開先を形成し、形成した開先に複数の開先内埋め込み材を収容配置するとともに、複数の開先内埋め込み材の間および複数の開先埋め込み材と前記開先の内面との間に混合合金材を充填した後、真空炉で高温加熱の下、熱処理をする方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項7に記載したように、高温に曝されている基材に冷却孔を備える部分に補修を行う際、その部分を機械加工して開先を形成し、形成した開先にパイプを装着するとともにその外側に混合合金材を充填して真空炉中で高温加熱の下、熱処理をした後、パイプの内径を予め定められた寸法に整形加工する方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項8に記載したように、高温に曝されている基材に欠陥が発生し、その欠陥を拡散ろう付補修を行う際、その欠陥を機械加工して開先を形成し、形成した開先に距離を置いて積層体として前記基材と同質材を配置するとともに、積層体の隙間に混合合金材を充填した後、真空炉で高温加熱の下、熱処理をする方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項9に記載したように、積層体は、基材と同質材であることを特徴とする方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項10に記載したように、高温に曝されている基材に欠陥が発生し、その欠陥を拡散ろう付補修を行う際、その欠陥を機械加工して開先を形成し、形成した開先の表面から裏面に向って開先内埋め込み材を収容させるとともに、開先の表面側に混合合金材を塗布させた後、真空炉で高温加熱の下、熱処理する方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法は、上述の目的を達成するために、請求項11に記載したように、開先内埋め込み材は、基材と同質材であることを特徴とする方法である。
また、本発明に係る拡散ろう付補修方法を用いて補修した耐熱部品は、上述の目的を達成するために、請求項12に記載したように、請求項1,5,7,8および10記載の拡散ろう付補修方法を用いて補修した耐熱部品をガスタービンプラントに適用するものである。
本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品は、基材の欠陥部分に機械加工を行って開先を形成し、形成した開先に開先底埋め込み材、低融点合金材、混合合金材を収容、充填した後、真空炉で高温加熱の下、熱処理をするので、基材と同等の組成を維持させて亀裂の発生をより一層抑制することができる。
以下、本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
図1および図2は、本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第1実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図である。
本実施形態は、図1に示すように、例えばガスタービンのタービン静翼、タービン動翼、燃焼器等の耐熱部品に適用する基材1に、運転中、亀裂が発生した場合、グラインダ等で研削し、整形し、開先2を設ける。発生した亀裂が基材1の肉厚を貫通している場合、亀裂を除去する際、開先2は、基材1の裏面まで貫通させて整形する。そして、開先2は、その底部に開先底埋め込み材3を挿入する。開先底埋め込み材3は、開先2が底部まで傾斜面を形成する場合、この形状に合わせてクサビ状にしている。
また、開先底埋め込み材3は、基材1と同質、例えばNi基合金と同じ材質のものを選択する。なお、図1に示した基材1は、開先2の断面を示しているが、この断面が長さ方向(紙面垂直方向)に向って湾曲している場合、開先底埋め込み材3もこれに合わせて変形させ、開先2の底部に密に被着させる。
開先底埋め込み材3を開先2の底部に密に収容させると、本実施形態は、開先底埋め込み材3の上に低融点合金材4を充填する。
低融点合金材4は、Ni基材成分にホウ素(B)4重量%以下、ケイ素(Si)11重量%以下の融点降下元素を添加したものが選択される。
補修する基材1には、融点降下元素を添加した補修専用の低融点合金材4が用いられるが、簡易手法として既存のNiろうを用いてもよい。この粉末をペースト状にし、シリンジを用いて開先2の底部に塗り込まれる。
開先2と開先底埋め込み材3との隙間にも低融点合金材4のペースト状のものが塗り込まれる。
さらに、開先2には、低融点合金粉末、基材1と同材質の粉末を混合してペースト状にした混合合金材5が盛られる。
開先2に混合合金材5が盛られると、本実施形態は、基材1を真空炉に収容し、低融点合金材4が溶融し、流動し易い温度(低融点合金材4の溶融温度を超えて150℃程度)まで高温化してそのまま維持させる。例えば、低融点金属材4としてニッケルろう(Bi−2)を使用する場合、液相線温度約1000℃に対し、JISのろう付温度参考値は、温度1010℃〜温度1175℃にしている。
このような点を考慮して、本実施形態では、低融点合金材4の開先2からの流出を抑制するために低融点合金材4の溶融温度よりも50℃だけ高くして設定している。
また、低融点合金材4は、ろう材として機能し、開先2の底部と開先底埋め込み材3との隙間に流入させる。これに対し、混合合金材5中の基材1と同等成分の粉末は、高温に維持されても溶融せず、この周囲に溶融する低融点合金材4が囲む。そして、混合合金材5は、純粋なろう材のような流動体を持たず、開先2に留まり、開先2を充分に埋めることができる。
その後、室温まで冷却して耐熱部品を取り出し、混合合金材5で盛り上がった表面を機械加工し、さらにグラインダで整形加工し、補修加工を終了させる。なお、裏面も整形できる場合、整形加工を行うが、袋状になっていて、裏面まで整形加工が困難な場合、開先底埋め込み材3が基材1の裏面と一致する形状、寸法に加工しておく。
低融点合金材4には、融点降下元素が含まれているので、基材1と比較して機械的強度や高温での耐酸化性が劣る。しかし、高温に維持させておくため、特にホウ素(B)は基材1中に拡散し均質化し易いので、ある程度基材1の特性に近付けることができる。基材1にできるだけ近付ける場合、上述の真空炉中での溶融処理後、さらに低融点合金材4の融点以下の温度で数時間に亘って維持させ、拡散・均質化を行う。
また、亀裂が小さい場合、図2(a)に示すように、開先2の角度を小さくして補修部分の面積を減少させることができる。この場合、開先底埋め込み材3も、開先2の底に合わせた形状・寸法に加工される。
逆に、亀裂が開先2の底部にまで及ぶほど大きい場合、図2(b)に示すように、開先2の底を平行な形状に加工するとともに、開先底埋め込み材3もこの形に合わせる。
図1および図2(a),(b)に示したように、いずれの場合においても、開先底埋め込み材3は開先2と接する面に予め低融点合金材4を充填させておくと、高温に維持する際、ろう付の接合性が向上する。なお、開先2に接する面に限定することなく、図2(c)に示すように、全域に亘って低融点合金材4を被着させてもよい。
開先底埋め込み材3は、くさび形、矩形、丸等の断面形状の棒状、線材等から選択され、場合によっては、基材1と同材質あるいは近似の既存の溶接棒などが使用される。
このように、本実施形態は、開先2の底に被着させる開先底埋め込み材3を棒状また線状のものを用いているので、開先2の底が三次元的に湾曲していても、開先2の底に容易に倣わせて被着させることができる。
したがって、本実施形態は、開先2の底に隙間が空いて補修材の流出がなくなるので、健全な補修部を形成させることができる。
また、本実施形態は、開先2の底をTIG溶接などで塞いでおく必要がないので、溶接による変形の心配がなくなる。
図3は、本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第2実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図である。
本実施形態は、第1実施形態と同様に、例えばガスタービンのタービン静翼、タービン動翼、燃焼器等の耐熱部品の運転中、亀裂が発生した場合、図3(a)に示すように、基材1の亀裂をグラインダ等で研削し、整形し、開先2を設ける。
基材1の亀裂を除去した後、本実施形態は、開先2に基材1と同等材質の開先内埋め込み材6を収容するとともに、低融点合金粉末および基材1と同等成分の粉末を混合してペースト状にした混合合金材5を、開先内埋め込み材6との間に充填する。
開先内埋め込み材6は、板状あるいはワイヤ状のものを用い、開先2の長手方向に連続して挿入してもよく、ブロック状あるいは球状のものを用いて、開先2内の長手方向に断続的に挿入してもよい。混合合金材5の基材1と同等成分の粉末は、ペースト状にしてシリンジから流出可能となるような細いものであるが、開先内埋め込み材6に用いるブロック状あるいは球状等の材料は、これよりも大きく単独で開先2の断面の数分の一または半分程度を埋める大きさ(数mm)にしている。
また、開先内埋め込み材6は、開先2の断面よりも小さい場合、図3(b)に示すように、そのブロックを開先2内に埋め込んでもよい。
そして、開先2内に収容させた開先内埋め込み材6は、第1実施形態と同様に、真空炉内で混合合金材5を溶融させて補修施工を行う。
このように、本実施形態は、混合合金材5に含まれる基材1と同等成分の粉末よりも多量の開先内埋め込み材を開先2内に収容させたので、補修部分をより一層基材1の特性に近付けることができる。
また、本実施形態は、低融点合金の溶融凝固体積を少なくすることができるので、溶融金属の凝固に伴う欠陥の発生を少なくさせることができる。
図4は、本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第3実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図である。
本実施形態は、基材1の亀裂の部分に設けた開先2内に複数の開先内埋め込み材6を収容する。開先内埋め込み材6は、約0.5mm厚さの板を用いている。
また、開先2に収容された開先内埋め込み材6の間には、シート状の混合合金材5を収容するとともに、開先内埋め込み材6と開先2の両内面との間にペースト状の混合合金材5を充填する。その後、真空炉内で低融点合金材の融点よりも50℃高くし、約15分間加熱維持させた場合、室温まで冷却させる。
このように、本実施形態は、開先内埋め込み材6を分割し、分割した開先内埋め込み材6を距離を置いて開先2内に収容し、距離を置いた隙間に混合合金材5を充填するので、溶融金属の凝固に伴う欠陥の発生を低く抑えることができる。なお、開先内埋め込み材6を分割しない場合、中央部に大きい空隙の欠陥が発生し易くなり、補修部分の機械強度が低下するが、本実施形態では、分割した開先内埋め込み材6を距離を置いて開先2内に収容させているので、溶融の際、ボイドの発生を抑えて高い機械強度に維持させることができる。
図5は、本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第4実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図である。
本実施形態は、基材1の補修部分に、冷却孔などの孔が存在していた場合の耐熱部品の補修方法を説明するものである。
本実施形態は、基材1の開先2内に冷却孔と同じ口径を備えるパイプ7を装着するとともに、パイプ7の外側の開先2との隙間部分にペースト状の混合合金材5を充填する。
パイプ7は、位置決め治具(図示せず)を用いて予め定められた位置に固定される。また、パイプ7は、内部に溶融した低融点合金材が流入して孔を塞いだり、位置決め治具と接合しないように、内部に溶融金属とぬれ性の悪いアンチフロー材が塗布される。その後、第1実施形態と同様に、真空炉内で低溶融合金材を溶融させて補修を行う。
補修後、パイプ7の内径を必要な孔の内径に加工する。その際、パイプ7の位置ずれを考慮して、パイプ7の肉厚を決定しておく。
パイプ7は、無垢のパイプ材料を用いるが、簡易手段として薄い箔を多層に巻回してもよい。この場合、多層の巻回部分にも溶融金属が侵入し、基材1に良好に接合される。そして、最終的な内径加工後、孔の内面は全面が基材1と同等の材質にならないものの、多層巻回部分を設けない場合より基材1と同等材質の部分が増加する。
このように、本実施形態は、孔を備える補修部分に、予めパイプ7を挿入して孔を形成するとともに、形成する孔の内面近傍を基材1と同等の材質にしたので、補修後の孔内面の耐熱性を向上させることができる。
また、本実施形態は、最終的に必要な孔の内径よりもパイプ内径を小さくしておき、補修の熱処理後に必要な内径に加工するので、補修時にパイプ7の位置ずれがしても、精度の良好な孔位置の補修耐熱部品を得ることができる。
その際、充分なパイプ肉厚を確保しているので、孔内径加工後もその近傍が基材1と同等材質の耐熱部品を得ることができる。
図6は、本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第5実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図である。
本実施形態は、基材1と同等材質の板を、例えばV字状に形成し、V字状に形成した板を開先2に収容するとともに、V字状に形成した板を距離を置いて積層体8として配置し、積層体8の隙間にペースト状の混合合金材5を充填したものである。なお、基材1と同等材質の板を、例えばV字に成形し、成形したV字の板を積層体8として開先2内に配置し、V字の積層体8の隙間にペースト状の混合合金材5を充填してもよい。この場合、隙間にペーストが流れにくいので、減圧雰囲気の下、ペーストを充填するとよい。その後、真空炉中で拡散ろう付熱処理を行い補修を終了させる。
このように、本実施形態、開先2内に、例えばV字の板を積層体8として規則的な配置にし、規則的に配置した積層体8の隙間にペースト状の混合合金材5を充填するので、基材1と同等な材質の補修部分が得られ、補修部分の耐熱性を向上させることができる。
図7は、本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第6実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図である。
本実施形態は、基材1の開先2内に表から裏面に向って整列配置する開先内埋め込み材9を収容させたものである。なお、開先内埋め込み材9は、基材1と同質の材料を選定している。
そして、基材1の表面側は、ペースト状の混合合金材を塗布し、真空炉内で拡散ろう付熱処理が行われる。開先2内に収容する開先内埋め込み材9は、隣との隙間に溶融金属が流れ易くなるように、低融点合金材の融点よりも100℃だけ高く温度設定される。
このように、本実施形態は、開先2内に、開先内埋め込み材9を収容させ、収容させた開先内埋め込み材9の表面側にペースト状の混合合金材を塗布し、真空炉内で熱処理時、混合合金材をその表面から裏側に向って流れるようにし、ボイドの発生を抑制する構成にしたので、補修部分の耐熱性を向上させることができる。
本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第1実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図。 本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第1実施形態を説明する際に使用するもので、(a)は亀裂が小さい場合を示す耐熱部品基材の概念図、(b)は亀裂が大きい場合を示す耐熱部品基材の概念図、(c)は(b)のA−A矢視方向から切断した断面図。 本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第1実施形態を説明する際に使用するもので、(a)は開先が大きい場合を示す耐熱部品基材の概念図、(b)は開先が小さい場合を示す耐熱部品基材の概念図。 本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第3実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図。 本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第4実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図。 本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第5実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図。 本発明に係る拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品の第6実施形態を説明する際に使用する耐熱部品基材の概念図。
符号の説明
1 基材
2 開先
3 開先底埋め込み材
4 低融点合金材
5 混合合金材
6 開先内埋め込み材
7 パイプ
8 積層体
9 開先内埋め込み材

Claims (12)

  1. 高温に曝されている基材に欠陥が発生し、その欠陥を拡散ろう付補修を行う際、その欠陥を機械加工して開先を形成し、形成した開先の底部側に開先底埋め込み材を収容させるとともに、この開先底埋め込み材に順次、低融点合金材、混合合金材を充填させた後、真空炉で高温加熱の下、熱処理をすることを特徴とする拡散ろう付補修方法。
  2. 開先底埋め込み材は、線材および棒材のうち、いずれかを選択することを特徴とする請求項1記載の拡散ろう付補修方法。
  3. 開先底埋め込み材は、ブロック状、球状、板状およびワイヤ材のうち、いずれかを選択したことを特徴とする請求項1記載の拡散ろう付補修方法。
  4. 低融点合金材は、Ni基材成分にホウ素4重量%以下、ケイ素11重量%以下の元素を添加したものであることを特徴とする請求項1記載の拡散ろう付補修方法。
  5. 低融点合金材は、Niろうであることを特徴とする請求項1記載の拡散ろう付補修方法。
  6. 高温に曝されている基材に欠陥が発生し、その欠陥を拡散ろう付補修を行う際、その欠陥を機械加工して開先を形成し、形成した開先に複数の開先内埋め込み材を収容配置するとともに、複数の開先内埋め込み材の間および複数の開先埋め込み材と前記開先の内面との間に混合合金材を充填した後、真空炉で高温加熱の下、熱処理をすることを特徴とする拡散ろう付補修方法。
  7. 高温に曝されている基材に冷却孔を備える部分に補修を行う際、その部分を機械加工して開先を形成し、形成した開先にパイプを装着するとともにその外側に混合合金材を充填して真空炉中で高温加熱の下、熱処理をした後、パイプの内径を予め定められた寸法に整形加工することを特徴とする拡散ろう付補修方法。
  8. 高温に曝されている基材に欠陥が発生し、その欠陥を拡散ろう付補修を行う際、その欠陥を機械加工して開先を形成し、形成した開先に距離を置いて積層体として前記基材と同質材を配置するとともに、積層体の隙間に混合合金材を充填した後、真空炉で高温加熱の下、熱処理をすることを特徴とする拡散ろう付補修方法。
  9. 積層体は、基材と同質材であることを特徴とする請求項8記載の拡散ろう付補修方法。
  10. 高温に曝されている基材に欠陥が発生し、その欠陥を拡散ろう付補修を行う際、その欠陥を機械加工して開先を形成し、形成した開先の表面から裏面に向って開先内埋め込み材を収容させるとともに、開先の表面側に混合合金材を塗布させた後、真空炉で高温加熱の下、熱処理することを特徴とする拡散ろう付補修方法。
  11. 開先内埋め込み材は、基材と同質材であることを特徴とする請求項10記載の拡散ろう付補修方法。
  12. 請求項1,5,7,8および10記載の拡散ろう付補修方法を用いて補修した耐熱部品をガスタービンプラントに適用することを特徴とする拡散ろう付補修方法を用いて補修した耐熱部品。
JP2004124430A 2004-04-20 2004-04-20 拡散ろう付補修方法およびその補修方法を用いて補修した耐熱部品 Pending JP2005305492A (ja)

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