JP2005303008A - セラミックペースト及び積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

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JP2005303008A JP2004117062A JP2004117062A JP2005303008A JP 2005303008 A JP2005303008 A JP 2005303008A JP 2004117062 A JP2004117062 A JP 2004117062A JP 2004117062 A JP2004117062 A JP 2004117062A JP 2005303008 A JP2005303008 A JP 2005303008A
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基邦 一谷
Yukio Ochitani
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Abstract

【課題】 セラミックグリーンシートとの接着性に優れ、しかも、スクリーン印刷性にも
優れるセラミックペースト及び積層セラミックコンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】 積層セラミックコンデンサの製造に用いるセラミックペーストであって、
下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位からなる変性ポリビニ
ルアセタール樹脂、セラミック粉末及び有機溶剤を含有することを特徴とするセラミック
ペースト。
Figure 2005303008

式中、Rは、炭素数1〜20の直鎖又は枝分かれ状のアルキル基を表し、Rは、水素
、炭素数1〜20の直鎖、枝分かれ状若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。
また、nは1〜8の整数を表す。更に、変性ポリビニルアセタール樹脂中、一般式(1)
で表される構造単位の含有量は0.001〜20モル%、一般式(2)で表される構造単
位の含有量は20〜58モル%、一般式(3)で表される構造単位の含有量は1〜20モ
ル%、一般式(4)で表される構造単位の含有量は32〜78モル%である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セラミックグリーンシートとの接着性に優れ、しかも、スクリーン印刷性にも
優れるセラミックペースト及び該セラミックペーストを用いた積層セラミックコンデンサ
の製造方法に関する。
積層型の電子部品、例えば、積層セラミックコンデンサは、一般に次のような工程を経て
製造される。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダ
ー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末
を加え、ボールミル等により均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリ
ー組成物を得る。得られたスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター
等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はSUSプレート等の
支持体面に流延成形する。これを加熱等により溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体か
ら剥離してセラミックグリーンシートを得る。
次いで、得られたセラミックグリーンシート上に内部電極となる導電ペーストをスクリー
ン印刷等により塗布したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を得、この積
層体中に含まれるバインダー成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行っ
た後、焼成して得られるセラミック焼成物の端面に外部電極を焼結する工程を経て積層セ
ラミックコンデンサが得られる。
このような方法により積層セラミックコンデンサを製造する場合、導電ペーストを塗工し
たセラミックグリーンシートを積層するときに、導電ペーストが塗工されている部分とさ
れていない部分とでは段差が生じる。近年積層セラミックコンデンサには更なる高容量化
が求められており、より一層の多層化、薄膜化が検討されている。このように極めて多層
化、薄膜化が進んだ積層セラミックコンデンサにおいては、導電ペーストの塗工の有無に
よる段差が累積してしまう傾向があり、積層体をプレスするときにセラミックグリーンシ
ートと導電層と剥離(デラミネーション)の原因となったり、積層セラミックコンデンサ
の端部で誘電層や導電層が変形する原因となったりする。
これに対して、特許文献1には、セラミックグリーンシート上に導電ペーストをスクリー
ン印刷した後、導電ペーストが塗工されていない部分に、セラミックペーストをスクリー
ン印刷等の方法により塗工することにより段差の発生を防止する方法が記載されている。
この方法において用いるセラミックペーストとしては、通常導電ペーストのバインダー樹
脂として用いられるエチルセルロースをバインダー樹脂として、これにセラミック粉末を
加え、有機溶剤を加えて粘度を調整したものが考えられていた。しかし、エチルセルロー
スは、セラミックグリーンシートとの接着性に劣り、せっかく塗工しても積層時の熱圧着
工程で充分に接着しないために、剥離してしまうことがあるという問題があった。
これに対して、セラミックグリーンシートのバインダー樹脂であるポリビニルアセタール
樹脂をバインダー樹脂として用いたセラミックペーストを用いれば、このような接着性の
問題を解決できると考えられる。しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂をバインダー
樹脂としたセラミックペーストは、スクリーン印刷性に劣り、印刷の際に糸引きや目詰ま
りが生じることがあるという問題があった。
特願2001−73493号公報
本発明は、上記現状に鑑み、セラミックグリーンシートとの接着性に優れ、しかも、スク
リーン印刷性にも優れるセラミックペースト及び該セラミックペーストを用いた積層セラ
ミックコンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、積層セラミックコンデンサの製造に用いるセラミックペーストであって、下記
一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位からなる変性ポリビニルア
セタール樹脂、セラミック粉末及び有機溶剤を含有するセラミックペーストである。
Figure 2005303008
式中、Rは、炭素数1〜20の直鎖又は枝分かれ状のアルキル基を表し、Rは、水素
、炭素数1〜20の直鎖、枝分かれ状若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。
また、nは1〜8の整数を表す。更に、変性ポリビニルアセタール樹脂中、一般式(1)
で表される構造単位の含有量は0.001〜20モル%、一般式(2)で表される構造単
位の含有量は20〜58モル%、一般式(3)で表される構造単位の含有量は1〜20モ
ル%、一般式(4)で表される構造単位の含有量は32〜78モル%である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記特定の構造を有する変性ポリビニルアセタールをバ
インダー樹脂として用いれば、セラミックグリーンシートとの接着性に優れ、しかも、ス
クリーン印刷性にも優れるセラミックペーストが得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、一般式(1)で表されるビニルエステル単位、一
般式(2)で表されるビニルアルコール単位、一般式(3)で表されるα−オレフィン単
位及び一般式(4)で表されるアセタール単位からなる。このような変性ポリビニルアセ
タール樹脂は、ポリビニルアセタールに類似の構成を有することにより、ポリビニルアセ
タール樹脂をバインダー樹脂とするセラミックグリーンシートとの接着性に極めて優れる
。また、各構成単位の比率やR、Rの選択、又は、nの選択により、粘度、チキソト
ロピー性等の諸性質を調整することができ、スクリーン印刷性に優れたセラミックペース
トを得ることができる。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂において、α−オレフィン単位の含有量の好ましい下
限は1モル%、好ましい上限は20モル%である。1モル%未満であると、得られる導電
ペーストの熱分解性が劣ることがあり、20モル%を超えると、変性ポリビニルアセター
ル樹脂の溶剤溶解性が劣りバインダー樹脂として用いることができなかったり、得られた
導電ペーストの経時粘度安定性が悪化したりすることがある。より好ましい下限は2モル
%、より好ましい上限は15モル%である。
上記α−オレフィン単位としては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−
ペンテン等に由来する単位が挙げられる。なかでも、エチレンに由来するエチレン単位で
あることが好適である。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、更に、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタ
ル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリルメタクリロニトリル
、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチ
ルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
、及びそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピ
ロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン
、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム
等のエチレン性不飽和単量体に由来する成分を含有してもよい。これらのエチレン性不飽
和単量体に由来する成分を含有することにより、上記変性ポリビニルアセタール樹脂を含
有するセラミックペーストに経時粘度安定性等を付与することができる。ただし、これら
のエチレン性不飽和単量体に由来する成分を含有する場合であっても、その含有量は2.
0モル%未満であることが好ましい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の重合度としては特に限定はされないが、好ましい下
限は300、好ましい上限は2400である。300未満であると、スクリーン印刷して
得られた塗膜の強度が劣り、クラック等が入りやすくなることがあり、2400を超える
と、セラミックペーストの粘度が高くなりすぎて、ハンドリング性が低下することがある
このような変性ポリビニルアセタール樹脂は、α−オレフィン単位の含有量が1〜20モ
ル%、ケン化度が80モル%以上である変性ポリビニルアルコールをアセタール化するこ
とにより製造することができる。
上記変性ポリビニルアルコールは、ビニルエステルとα−オレフィンとを共重合した共重
合体をケン化することにより得ることができる。この場合に用いるビニルエステルとして
は、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げ
られ、なかでも経済的な観点から酢酸ビニルが好適である。また、上記エチレン性不飽和
単量体に由来する成分を含有する変性ポリビニルアセタールを得る場合には、更にエチレ
ン性不飽和単量体を共重合させる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチ
オール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とα−オレフィンを共
重合し、それをケン化することによって得られる末端変性ポリビニルアルコールも用いる
ことができる。
上記変性ポリビニルアルコールのケン化度の下限は80モル%である。80モル%未満で
あると、変性ポリビニルアルコールの水への溶解性が悪くなるためアセタール化反応が困
難になり、また、水酸基量が少ないとアセタール化反応自体が困難となる。
上記変性ポリビニルアルコールを用いる場合、α−オレフィン含有量が1〜20モル%の
範囲の変性ポリビニルアルコールを使用することが必要であるが、α−オレフィン含有量
が1〜20モル%の範囲であれば、上記変性ポリビニルアルコールを単独で使用してもよ
く、最終的に得られた変性ポリビニルアセタール樹脂のα−オレフィン含有量が1〜20
モル%となるならば、変性ポリビニルアルコールと未変性ポリビニルアルコールを混合し
て用いてもよい。また、ケン化度においては、アセタール化する際の変性ポリビニルアル
コールのケン化度が80モル%以上であれば、それを該変性ポリビニルアルコール単独、
又は、ケン化度80モル%以上の変性ポリビニルアルコールとケン化度80モル%未満の
変性ポリビニルアルコールを混合して、全体としてケン化度を80モル%以上に調整して
から用いてもよい。
上記変性ポリビニルアセタール樹脂は、上記変性ポリビニルアルコールをアセタール化す
ることにより製造することができる。アセタール化の方法としては特に限定されず、従来
公知の方法を用いることができ、例えば、塩酸等の酸触媒の存在下で上記変性ポリビニル
アルコールの水溶液に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記アセタール化に用いるアルデヒドとしては特に限定されず、例えばホルムアルデヒド
(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、
プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘ
プチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフ
ラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズア
ルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシ
ベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−
フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、アセトアルデヒド又はブチル
アルデヒドが、生産性と特性バランス等の点で好適である。これらのアルデヒドは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アセタール化のアセタール化度は、単独アルデヒド、混合アルデヒドのいずれを用い
る場合でも、全アセタール化度で40〜78モル%の範囲が好ましい。全アセタール化度
が40モル%未満では樹脂が水溶性となり、有機溶剤に不溶となり、ペースト作製に支障
となる。全アセタール化度が78モル%を超えると、残存水酸基が少なくなって変性ポリ
ビニルアセタール樹脂の強靱性が損なわれ、ペースト印刷時の塗膜強度が低下することが
ある。
なお、本明細書において、アセタール化度の計算方法としては、変性ポリビニルアセター
ル樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、
アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を計算
する。
本発明のセラミックペーストは、上記変性ポリビニルアセタール樹脂のみをバインダー樹
脂としてもよく、上記変性ポリビニルアセタール樹脂とアクリル系樹脂、セルロース系樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂等の通常バインダー樹脂として用いられる樹脂との混合樹
脂をバインダー樹脂としてもよい。混合樹脂を用いる場合、バインダー樹脂全体に占める
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量の好ましい下限は30重量%である。
本発明のセラミックペーストは、セラミック粉末を含有する。
上記セラミック粉末としては特に限定されないが、例えば、アルミナ、ジルコニア、ケイ
酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、マグネシア、サイアロン、
スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等からなる粉末が挙げら
れる。これらのセラミック粉末は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい
。なかでも、用いるセラミックグリーンシートに含有されるセラミック粉末と同一の成分
からなることが好ましい。
本発明のセラミックペーストは、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
プロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、ブタノール等のアルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;プ
ロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン
酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、
ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪
酸2−エチルヘキシル等のエステル類;メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセ
ルソルブ、α−テルピネオール、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセ
テート等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用さ
れてもよい。
本発明のセラミックペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、潤滑剤、分
散剤、帯電防止剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のセラミックペーストにおける上記変性ポリビニルアセタールを含むバインダー樹
脂の配合量としては特に限定されないが、上記セラミック粉末100重量部に対して好ま
しい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。1重量部未満であると、セラミ
ックペーストの成膜性能が劣ることがあり、50重量部を超えると、脱脂・焼成後にカー
ボン成分が残留しやすくなる。より好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は30重
量部である。
本発明のセラミックペーストを製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記変性
ポリビニルアセタール樹脂を含有するバインダー樹脂、セラミック粉末、有機溶剤及び必
要に応じて添加する各種添加剤をブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混
合する方法が挙げられる。
本発明のセラミックペーストは、ポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂とするセラ
ミックグリーンシートとの接着性に優れ、導電ペーストの塗工の有無による段差の解消に
用いた場合に、デラミネーションを生じにくい。更に、本発明のセラミックペーストはス
クリーン印刷性に優れることから、容易にセラミックグリーンシート上に塗工することが
できる。
次に、本発明のセラミックペーストを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法の好適
な一例について説明する。
まず、通常の方法により、セラミックグリーンシート上に導電ペーストをスクリーン印刷
して塗工する。これによりセラミックグリーンシート上に導電ペーストからなるパターン
が形成されるが、導電ペーストが塗工された部分と塗工されていない部分とでは段差が生
じている。次いで、セラミックグリーンシート上の導電ペーストが塗工されていない部分
に、本発明のセラミックペーストを塗工することにより、この段差を解消する。セラミッ
クペーストを塗工する方法としては特に限定されず、例えば、スクリーン印刷、グラビア
印刷、凸版印刷等の方法を用いることができるが、なかでもスクリーン印刷が好適である
このような方法により段差の解消されたセラミックグリーンシートを通常の方法により積
層し、加熱圧着して積層体を得、脱脂処理を行った後、焼成して得られるセラミック焼成
物の端面に外部電極を焼結することにより積層セラミックコンデンサが得られる。この方
法によると、セラミックグリーンシートの段階で段差が解消されていることから、積層体
をプレスする際にセラミックグリーンシートと導電層と剥離が生じたり、積層セラミック
コンデンサの端部で誘電層や導電層が変形したりすることがない。
セラミックグリーンシート上に導電ペーストをスクリーン印刷して塗工した後、上記セラ
ミックグリーンシート上の導電ペーストが塗工されていない部分に本発明のセラミックペ
ーストを塗工する工程を有する積層セラミックコンデンサの製造方法もまた、本発明の1
つである。
本発明によれば、セラミックグリーンシートとの接着性に優れ、しかも、スクリーン印刷
性にも優れるセラミックペースト及び該セラミックペーストを用いた積層セラミックコン
デンサの製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
重合度1700、エチレン含有量10mol%、ケン化度88mol%の変性ポリビニル
アルコール193gを純水2900gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた
。この溶液を28℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸20gとn−ブチルアルデヒ
ド115gとを添加し、液温を20℃に下げてこの温度を保持してアセタール化反応を行
い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、5時間保持して反応を完了させ、
常法により中和、水洗及び乾燥を経て、変性ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た
。得られた変性ポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d6(ジメチルスルホキサイド)
に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてブチラール化度を測定した
ところ、ブチラール化度は65モル%であった。
セラミック粉末として平均粒子径0.3μmのチタン酸バリウム(堺化学工業社製、「B
T−03」)100重量部に対して、得られた変性ポリビニルアセタール樹脂7重量とα
−テルピネオール60重量部とを加え、ボールミルを用いて48時間混練してセラミック
ペーストを得た。
(実施例2)
重合度600、エチレン含有量5mol%、ケン化度93mol%の変性ポリビニルアル
コールを用い、アセタール化させるアルデヒドとしてn−ブチルアルデヒドとアセトアル
デヒド混合物(重量比で2:1)を用いた以外は実施例1と同様の方法により変性ポリビ
ニルアセタールを得た。得られた変性ポリビニルアセタールのアセタール化度は64モル
%であった。
得られた変性ポリビニルアセタールを用いた以外は実施例1と同様の方法によりセラミッ
クペーストを作製した。
(比較例1)
バインダー樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業製、エスレックB「B
H−S」)を用いた以外は実施例1と同様の方法によりセラミックペーストを作製した。
(比較例2)
バインダー樹脂として、エチルセルロース(ハーキュレス社製、「N−100型」)を用
いた以外は実施例1と同様の方法によりセラミックペーストを作製した。
実施例1、2及び比較例1、2で作製したセラミックペーストについて以下の方法により
評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)スクリーン印刷性の評価
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業製、エスレックB「BM−S」、重合度800
)10重量部を、トルエン30重量部とエタノール15重量部との混合溶剤に加え、攪拌
溶解し、更に、可塑剤としてジブチルフタレート3重量部を加え、攪拌溶解した。得られ
た樹脂溶液に、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(堺化学工業製「BT−03(平
均粒径0.3μm)」)100重量部を加え、ボールミルで48時間混合してセラミック
スラリー組成物を得た。得られたスラリー組成物を、離型処理したポリエステルフィルム
上に、乾燥後の厚みが約10μmになるように塗布し、常温で1時間風乾し、熱風乾燥機
、80℃で3時間、続いて120℃で2時間乾燥させてセラミックグリーンシートを得た
ミノグループ社製スクリーン印刷機(ミノマットY−3540)とSXスクリーン版(S
X300B)とを用いて、セラミックペーストをセラミックグリーンシート上にスクリー
ン印刷し、印刷面を目視又は拡大顕微鏡で観察し、下記の基準により塗工性を評価した。
〇:印刷面に糸状のセラミックペーストが全く認められなかった
×:印刷面に糸状のセラミックペーストが認められた
(2)接着性の評価
セラミックペーストを、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥後の厚さ10μ
m、1cm角の大きさとなるように塗工し、この上に評価(1)で作製したセラミックグ
リーンシートを積層し、温度80℃、圧力39kg/cmの条件で3秒間熱圧着して積
層体を作製した。得られた積層体を、加温時粘着力測定機(フジコビアン社製、FCL0
09型)を用いて、0.49mm/秒の速度で引き剥がしたときの剥離強度を測定した。
(3)積層セラミックコンデンサの製造
ニッケル粉末(三井金属社製、2020SS)100重量部に対してバインダー樹脂7重
量部とα−テルピネオール60重量部とを加え混合した後、三本ロールで混練して導電ペ
ーストを調製した。
評価(1)と同様の方法により作製したセラミックグリーンシートを5cm角の大きさに
切断し、これに得られた導電ペーストをスクリーン印刷により塗工した。次いで、セラミ
ックグリーンシート上の導電ペーストが塗工されていない部分に、スクリーン印刷により
セラミックペーストを塗工した。
塗工されたセラミックグリーンシートを100枚積重ね、温度70℃、圧力150kg/
cm、10分間の熱圧着条件で圧着して、セラミックグリーンシート積層体を得た。
得られたセラミックグリーンシート積層体を窒素雰囲気で、昇温速度3℃/分で450℃
まで昇温し、5時間保持後、更に昇温速度5℃/分で1350℃まで昇温し、10時間保
持して積層セラミックコンデンサを得た。
得られた積層セラミックコンデンサを常温まで冷却した後、半分に割り、ちょうど50層
付近のシートの状態を電子顕微鏡で観察し、デラミネーションの発生の有無を評価した。
Figure 2005303008
本発明によれば、セラミックグリーンシートとの接着性に優れ、しかも、スクリーン印刷
性にも優れるセラミックペースト及び該セラミックペーストを用いた積層セラミックコン
デンサの製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 積層セラミックコンデンサの製造に用いるセラミックペーストであって、
    下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位からなる変性ポリビニ
    ルアセタール樹脂、セラミック粉末及び有機溶剤を含有することを特徴とするセラミック
    ペースト。
    Figure 2005303008
    式中、Rは、炭素数1〜20の直鎖又は枝分かれ状のアルキル基を表し、Rは、水素
    、炭素数1〜20の直鎖、枝分かれ状若しくは環状のアルキル基又はアリール基を表す。
    また、nは1〜8の整数を表す。更に、変性ポリビニルアセタール樹脂中、一般式(1)
    で表される構造単位の含有量は0.001〜20モル%、一般式(2)で表される構造単
    位の含有量は20〜58モル%、一般式(3)で表される構造単位の含有量は1〜20モ
    ル%、一般式(4)で表される構造単位の含有量は32〜78モル%である。
  2. セラミックグリーンシート上に導電ペーストをスクリーン印刷して塗工した後、前記セラ
    ミックグリーンシート上の導電ペーストが塗工されていない部分に請求項1記載のセラミ
    ックペーストを塗工する工程を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造
    方法。
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JP2009088410A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Sekisui Chem Co Ltd 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP2013542092A (ja) * 2010-08-26 2013-11-21 エプコス アーゲー セラミックグリーンシートの製造方法

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