以下に本発明を実施するための最良の形態を説明するが、明細書中に記載の発明と、実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。明細書には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、明細書に記載されている実施の形態に対応するすべての発明が、記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、明細書に記載されている他の発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現、追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載のコンテンツ提供システムは、無線通信を介して接続される提供装置(例えば、図1のPDA2)と受信装置(例えば、図1の携帯電話機3)からなるコンテンツ提供システムであって、前記提供装置は、前記受信装置に対してコンテンツを提供する提供手段(例えば、図7のコンテンツ管理部61)を備え、前記受信装置は、前記提供装置と自分自身との間の距離を測定する測定手段(例えば、図9の距離測定部81)と、前記提供装置から提供されてきたコンテンツの質を、前記測定手段により測定された距離に対応して調整する調整手段(例えば、図9の質調整部82)と、前記調整手段により質が調整されたコンテンツを出力させる出力制御手段(例えば、図9の出力制御部84)とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の受信装置は、コンテンツの提供を行う提供装置(例えば、図1のPDA2)と無線通信を介して接続される受信装置(例えば、図1の携帯電話機3)であって、前記提供装置と自分自身との間の距離を測定する測定手段(例えば、図9の距離測定部81)と、前記提供装置から提供されてきたコンテンツの質を、前記測定手段により測定された距離に対応して調整する調整手段(例えば、図9の質調整部82)と、前記調整手段により質が調整されたコンテンツを出力させる出力制御手段(例えば、図9の出力制御部84)とを備えることを特徴とする。
請求項3に記載の受信装置は、前記提供装置から提供される、距離と、コンテンツの質とを対応付けるテーブル(例えば、図2の対応テーブル)を管理する管理手段(例えば、図9のテーブル管理部85)をさらに備え、前記調整手段は、前記管理手段により管理されている前記テーブルに基づいて決定される質になるように、前記提供装置から提供されてきたコンテンツの質を調整することを特徴とする。
請求項4に記載の受信装置は、前記調整手段により質が調整されたコンテンツを記憶させる記憶制御手段(例えば、図9のコンテンツ取得部83)をさらに備え、前記出力制御手段は、前記測定手段により測定された距離に対応する質のコンテンツが前記記憶制御手段により記憶されている場合、前記記憶制御手段により記憶されている、前記調整手段により質が調整されたコンテンツを出力させることを特徴とする。
請求項5に記載の受信方法は、コンテンツの提供を行う提供装置(例えば、図1のPDA2)と無線通信を介して接続される受信装置(例えば、図1の携帯電話機3)の受信方法であって、前記提供装置と自分自身との間の距離を測定する測定ステップ(例えば、図10のステップS2)と、前記提供装置から提供されてきたコンテンツの質を、前記測定ステップの処理により測定された距離に対応して調整する調整ステップ(例えば、図10のステップS10)と、前記調整ステップの処理により質が調整されたコンテンツを出力させる出力制御ステップ(例えば、図10のステップS8)とを含むことを特徴とする。
請求項6に記載の記録媒体に記録されているプログラム、および請求項7に記載のプログラムにおいても、各ステップが対応する実施の形態(但し一例)は、請求項5に記載の受信方法と同様である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るコンテンツ提供システムの概念を示している。
コンテンツ提供システム1は、コンテンツ提供側としてのPDA(Personal Digital Assistants)2と、コンテンツ受信側としての携帯電話機3とが、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a、IEEE802.11b、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))通信、あるいは、UWB(Ultra Wide Band)などの無線通信規格に準拠した無線通信により接続されることで構成される。
なお、図1には、1台のPDA2と、1台の携帯電話機3のみが示されているが、これらは、勿論、複数台で構成することも可能である。また、機器の種類も、PDAと携帯電話機に限らず、ノートブック型のパーソナルコンピュータなどの各種の機器とすることも可能である。
PDA2は、携帯電話機3との間の距離と、コンテンツの質とを対応付けるテーブル(後述する図2)を記憶している。このテーブルは、例えば、携帯電話機3との通信の開始時にPDA2から携帯電話機3に提供される。
また、PDA2は、携帯電話機3からの要求に応じて、記憶しているコンテンツを携帯電話機3に送信する。
携帯電話機3は、PDA2との間で通信が開始されたときにPDA2から提供されるテーブルを取得し、記憶する。
また、携帯電話機3は、PDA2との間の距離を測定し、測定した距離に対応する質のコンテンツが出力されるように、PDA2から提供されてきたコンテンツの質を調整する。質の調整の際には、PDA2から提供されてきたテーブルも参照される。
図2は、距離とコンテンツの質とを対応付けるテーブルの例を示す図である。
同図に示されるように、テーブルには、距離、測定値(m)、および、出力コンテンツ(携帯電話機3において出力されるコンテンツの質)が対応付けられている。
距離は、「遠い」、「普通」、および「近い」が規定されており、ここでは、「遠い」は「10m」、「普通」は「3m」、「近い」は「1m」の測定値が得られる場合であるとされている。
また、「遠い」場合には「小さいサムネイル」を出力(表示)することが、「普通」の場合には「中くらいのサムネイル」を出力することが、「近い」場合には「大きいサムネイル」を出力することがそれぞれ示されている。
すなわち、ここでは、PDA2から提供されるコンテンツは静止画(サムネイル)である。また、その質の違いは大きさの違いで表されるものとされている。サムネイルの大きさが大きいほど、より質が高いことを表す。
提供されるコンテンツが静止画である場合、質は、解像度や透明度で差が付けられるようにしてもよい。この場合、例えば、解像度が高いほど、また、透明度が低いほど、質が高いことを表す。
また、提供されるコンテンツが動画や音声である場合、質の違いは、サンプリングレートの違いで表されるようにしてもよい。この場合、例えば、サンプリングレートが高く、出力される音がクリアであるほど、質が高いことを表す。
以上のようなテーブルがPDA2に用意されており、携帯電話機3との通信開始時に、PDA2から携帯電話機3に提供され、携帯電話機3にも記憶される。なお、このテーブルは、PDA2から携帯電話機3に提供されるのではなく、携帯電話機3自身によって所定のサイトからダウンロードされたものが携帯電話機3に記憶されるようにしてもよい。
以下、適宜、距離と、コンテンツの質とを対応付ける図2に示すようなテーブルを対応テーブルという。
次に、図3および図4を参照して、PDA2と携帯電話機3との距離に応じて出力されるコンテンツの例について説明する。なお、携帯電話機3には、既に、図2に示したような対応テーブルが記憶されているものとする。
いま、例えば、図3の位置P1に携帯電話機3(携帯電話機3を持っているユーザ)があり、携帯電話機3を中心とする半径10mの円周上の位置P4にPDA2があるものとする。
この場合、携帯電話機3は、PDA2との間の距離の測定結果である10mの距離に応じて、対応テーブルから、図2の例では最も質の低い(悪い)「小さいサムネイル」を出力することを決定し、PDA2に対してコンテンツの提供を要求する。
この要求に応じて、PDA2は、記憶している静止画を携帯電話機3に提供する。PDA2から提供される静止画は、携帯電話機3との距離に関わらず、常に質が一定である。
携帯電話機3においては、受信された静止画に基づいて「小さいサムネイル」が生成され、例えば、図4Aに示されるように、小さいサムネイルであるサムネイル21が表示部11に表示される。図4Aの例においては、サムネイル21は、後述する、サムネイル21より質の高いサムネイルとは異なり、乗用車の輪郭だけを表示するものとされている。後述するサムネイル21より質の高いコンテンツである図4Bおよび図4Cのサムネイルには、ドアやタイヤなどの乗用車の詳細についても示されている。
また、位置P1から移動し、携帯電話機3が図3の位置P2にあるとき、携帯電話機3は、PDA2との距離の測定結果である3mの距離に応じて、対応テーブルから、図2の例では「小さいサムネイル」より質の高い「中くらいのサムネイル」を出力することを決定し、PDA2に対して静止画の提供を要求する。
この要求に応じて、PDA2は、記憶している静止画を携帯電話機3に送信する。
静止画を受信した携帯電話機3においては、受信された静止画に基づいて「中くらいのサムネイル」が生成され、例えば、図4Bに示されるように、図4Aのサムネイル21と比較して大きい、中くらいのサムネイルであるサムネイル22が表示部11に表示される。
さらに、位置P2から移動し、携帯電話機3が図3の位置P3にあるとき、携帯電話機3は、PDA2との距離の測定結果である0.8mの距離に応じて、対応テーブルから、図2の例では最も質の高い「大きいサムネイル」を出力することを決定し、PDA2に対して静止画の提供を要求する。
この要求に応じて、PDA2は、記憶している静止画を携帯電話機3に送信する。
静止画を受信した携帯電話機3においては、受信された静止画に基づいて「大きいサムネイル」が生成され、例えば、図4Cに示されるように、図4Bのサムネイル22と比較して大きい、サムネイル23が表示部11の全体に表示される。
以上のように、PDA2と携帯電話機3の間の距離に応じて、携帯電話機3において出力されるコンテンツの質が異なるため、携帯電話機3のユーザは、その質から、コンテンツの提供者であるPDA2との距離を直感的に把握することができる。
例えば、乗用車の展示会の会場で、あるブースに載置されているPDA2との距離に応じて図4A乃至Cに示されるようなコンテンツが出力されることで、携帯電話機3のユーザは、図4Aのサムネイル21から、自分の位置からそのブースまではだいぶ距離が離れていることを確認できる。また、ユーザは、図4Bのサムネイル22からは、だいぶ近づいていることを確認でき、図4Cのサムネイル23からは、そのブース近傍にいるこを確認できる。
次に、PDA2と携帯電話機3との間の距離の測定方法について説明する。なお、本実施の形態では、距離の測定方法は特に問わないので、ここでは、あくまで一例として説明する。
第1の方法は、受信する電波の強度に基づいて距離を測定するものである。すなわち、通信相手の機器から送信される電波の受信強度は、通常、距離に反比例するものであるから、電波強度が強いほど距離は近く、電波強度が弱いほど遠いものとされる。
これは、例えば、PDA2と携帯電話機3が、直接(アクセスポイントなどを介さずに)通信を行うBluetooth通信や、アドホックモードのIEEE802.11a,802.11bなどの無線通信を行う場合に用いられる。
第2の方法は、GPS(Global Positioning System)による測位結果に基づいてPDA2と携帯電話機3の間の距離を測定するものである。すなわち、この場合、PDA2と携帯電話機3にGPSモジュールが搭載され、それぞれの測位結果の差から、お互いの間の距離が測定される。
第3の方法は、PDA2と携帯電話機3がUWBの無線通信を行っている場合に、その通信で用いられる短いパルス波(1ns乃至数百ns)の反射波の遅延時間から、距離を測定するものである。UWBは測距ができることを特徴の1つとする通信規格である。
第4の方法は、アクセスポイントの位置から、おおよその距離を測定するものである。
より具体的には、例えば、図5に示されるように、アクセスポイント(AP)31乃至33の電波の届く範囲がそれぞれ1mであり、かつ、アクセスポイント31とアクセスポイント32の距離、およびアクセスポイント32とアクセスポイント33の距離がそれぞれ10mである場合を想定する。
これらの情報は、距離を測定する携帯電話機3により取得されているものとする。また、PDA2がどのアクセスポイントに接続されているかの情報についても携帯電話機3により取得されているものとする。
この場合、アクセスポイント31に接続されている携帯電話機3からみれば、アクセスポイント33に接続されているPDA2との距離は、18mから22mの範囲で誤差は生じるものの、ほぼ20m(遠い)であると推測することができる。
また、アクセスポイント32に接続されている携帯電話機3からみれば、アクセスポイント33に接続されているPDA2との距離は、8mから12mの範囲で誤差は生じるものの、ほぼ10m(普通)であると推測することができる。
さらに、携帯電話機3がPDA2と同じアクセスポイント33に接続されている場合、それぞれの間の距離は0mから2mの範囲にあり、近いと推測することができる。
このようにして、PDA2と携帯電話機3との距離を測定することができる。コンテンツを提供するPDA2と、距離を測定するとともに、それに応じてコンテンツの質を変えて出力させる携帯電話機3の処理についてはフローチャートを参照して後述する。
図6は、PDA2の構成例を示すブロック図である。
制御部51は、通信部53および記憶部54を制御する。例えば、制御部51は、携帯電話機3からの要求に応じてコンテンツを記憶部54から読み出し、それを通信部53およびアンテナ52を介して携帯電話機3に送信する。
アンテナ52は、通信部53から供給されるデータを電波として発信したり、あるいは、他の装置から発信された電波を受信して通信部53に供給する。
通信部53は、制御部51より供給された対応テーブルやコンテンツなどに対してD/A(Digital to Analog)変換処理や周波数変換処理等を施し、得られた信号をアンテナ52から送信させる。また、通信部53は、アンテナ52で受信された信号に対して、周波数変換処理やA/D変換処理等を施し、得られたデータを制御部51に出力する。
記憶部54は、対応テーブル、コンテンツの他、制御部51が各種の処理を行う上で必要な制御プログラムなどを記憶する。
図7は、図6の制御部51の機能的構成例を示すブロック図である。
図7に示す機能的構成例は、例えば、記憶部54に記憶されている制御プログラムが制御部51により実行されることで実現される。
コンテンツ管理部61は、通信部53から供給される携帯電話機3からの要求に応じて、コンテンツを記憶部54から読み出し、それを送信制御部62に出力する。
送信制御部62は、通信部53を制御し、コンテンツ管理部61から供給されてくるコンテンツ、および、テーブル提供部63から供給されてくる対応テーブルを携帯電話機3に送信する。
テーブル提供部63は、携帯電話機3との通信が開始された場合、記憶部54から対応テーブルを読み出し、それを送信制御部62から携帯電話機3に送信させる。
図8は、携帯電話機3の構成例を示すブロック図である。
制御部71は、通信部73、記憶部74、表示部11、およびスピーカ12を制御する。例えば、制御部71は、PDA2との間の距離を測定し、その測定結果に応じて、出力するコンテンツの質を決定する処理や、PDA2から送信されてきたコンテンツを、決定した質のものに調整し、出力する処理などを行う。
アンテナ72は、通信部73から供給されてきたデータを電波として発信したり、あるいは、他の装置から発信された電波またはパルス波を受信して通信部73に供給する。
通信部73は、制御部71から供給されてきたデータに対してD/A変換処理や周波数変換処理等を施し、得られた信号をアンテナ72から送信させる。また、通信部73は、アンテナ72で受信された信号に対して周波数変換処理やA/D変換処理等を施し、得られたデータを制御部71に供給する。
記憶部74は、PDA2から提供されてきた対応テーブル、コンテンツ、および制御部71により所定の質に調整されたコンテンツの他、制御部71が各種の処理を行う上で必要な制御プログラムなどを記憶する。
図9は、図8の制御部71の機能的構成例を示すブロック図である。
図9に示す機能的構成例は、例えば、記憶部74に記憶されている制御プログラムが制御部71により実行されることで実現される。
距離測定部81は、上述した各種の方法によりPDA2との間の距離を測定する。例えば、電波強度に基づいて距離が測定される場合、距離測定部81には、アンテナ72における電波の受信強度を表すデータが供給される。距離測定部81による測定結果は質調整部82に出力される。
質調整部82は、テーブル管理部85が管理する対応テーブルを参照し、距離測定部81から供給される測定結果の距離に対応するコンテンツの質を決定する。また、質調整部82は、コンテンツ取得部83から供給されるコンテンツを、決定した質のコンテンツに調整する。
例えば、PDA2から提供されるコンテンツが静止画である場合、質調整部82は、PDA2との間の距離に対応する大きさ、解像度、透明度に、PDA2から提供されてきた静止画を調整する。すなわち、PDA2からは、質の異なる複数のコンテンツを生成することができるような、サイズの大きい静止画、または、高解像度の静止画などが供給されてくる。
大きいサイズの静止画が供給されてくる場合、質調整部82は、PDA2との間の距離に対応する大きさの静止画(サムネイル)に縮小し、高解像度の静止画が供給されてくる場合、質調整部82は、PDA2との間の距離に対応する解像度の静止画に画素を間引きするなどして質を調整する。
質調整部82により質が調整されたコンテンツは出力制御部84に出力され、表示部11に表示されるなどして外部に出力されるとともに、記憶部74に供給され、記憶される。
コンテンツ取得部83は、通信部73を制御してPDA2にコンテンツを要求し、要求に応じてPDA2から送信されてきたコンテンツを質調整部82に出力する。
また、コンテンツ取得部83は、出力するコンテンツとして質調整部82により決定された質のコンテンツが記憶部74に記憶されている場合、そのコンテンツを記憶部74から読み出して出力制御部84に出力する。この場合、PDA2から送信されてきたコンテンツに基づく質の調整は質調整部82により行われず、記憶部74に記憶されているものが用いられて出力が行われる。
出力制御部84は、コンテンツ取得部83から供給されてきたコンテンツが動画や静止画である場合、それらのコンテンツを表示部11に表示させ、コンテンツ取得部83から供給されてきたコンテンツが音のコンテンツである場合、そのコンテンツの再生音をスピーカ12から出力させる。
テーブル管理部85は、通信開始時にPDA2から取得した対応テーブルを管理する。テーブル管理部85は、必要に応じて記憶部74から対応テーブルを読み出し、それを質調整部82に出力する。
次に、以上の構成を有するPDA2と携帯電話機3の動作について説明する。
始めに、図10のフローチャートを参照して、携帯電話機3のコンテンツの受信処理について説明する。
PDA2との通信が開始されたとき、ステップS1において、携帯電話機3のテーブル管理部85は、PDA2から提供されてきた対応テーブルを取得し、それを記憶部74に記憶させる。以下、図2の対応テーブルがPDA2から取得されたものとする。
ステップS2において、距離測定部81は、PDA2との間の距離を測定し、その測定結果を質調整部82に出力する。このステップS2以降の処理は、所定の周期で繰り返し行われる。
質調整部82は、ステップS3において、距離測定部81から供給されてきた測定結果に基づいて、PDA2との距離が10mより離れている(10mを含まず)か否かを判定し、10mより離れていると判定した場合、処理を終了させる。すなわち、PDA2との距離が十分に離れているため、ここでは、携帯電話機3にはPDA2から提供されるコンテンツは出力されない。
一方、ステップS3において、質調整部82は、PDA2との距離が10mも離れていないと判定した場合、ステップS4に進み、次に、PDA2との間の距離が1m以下であるか否かを判定する。
質調整部82は、ステップS4において、PDA2との間の距離が1m以下であると判定した場合、ステップS5に進む。この場合、PDA2との距離は「近い」で表され(図2)、質調整部82は、「大きいサムネイル」を出力することをテーブル管理部85が管理する対応テーブルに基づいて確認し、そのことをコンテンツ取得部83に通知する。
ステップS5において、コンテンツ取得部83は、PDA2との間の距離に対応する質のコンテンツである「大きいサムネイル」が記憶部74に記憶されているか否かを判定する。例えば、過去に行われた処理により、PDA2から提供されてくる静止画に基づいて「大きいサムネイル」が一度生成されている場合には、それが記憶部74に記憶されているため(後述するステップS10)、ここでは、記憶部74に記憶されていると判定されることになる。
コンテンツ取得部83は、ステップS5において、「大きいサムネイル」が記憶部74に記憶されていると判定した場合、ステップS6に進む。
ステップS6において、コンテンツ取得部83は、現在提供している静止画のバージョンをPDA2に問い合わせる。
例えば、記憶部74に記憶されている「大きいサムネイル」が、PDA2が現在提供している静止画に基づいて生成されたものであることがバージョンに基づいて確認された場合、ステップS7に進み、コンテンツ取得部83は記憶部74からそれを読み出す。すなわち、記憶部74には、サムネイルの作成日時、作成の元にした静止画(PDA2から提供されてきた静止画)のバージョンなどの情報が、質調整部82により生成されたサムネイルに対応付けて記憶されている。
なお、記憶部74に記憶されている「大きいサムネイル」の作成の元にした静止画のバージョンが、PDA2が現在提供しているものより古い場合、最新のものがPDA2から取得され、それに基づいて生成された「大きいサムネイル」が出力されることになる。また、PDA2から提供されてきた、質の調整が行われていないオリジナルの静止画自体が記憶部74に記憶されている場合、PDA2に対する静止画の要求は行われず、記憶されている静止画に基づいて新たに生成された「大きいサムネイル」が出力されるようにしてもよい。
ステップS7においてコンテンツ取得部83により記憶部74から読み出された「大きいサムネイル」は出力制御部84に出力される。
ステップS8において、出力制御部84は、コンテンツ取得部83から供給されてきた「大きいサムネイル」を表示部11に表示させ、処理を終了させる。
これにより、PDA2との距離が「近い」場合には、図4Cに示したようなサムネイル23が表示部11の全体に表示される。
また、コンテンツ取得部83は、ステップS5において、「大きいサムネイル」が記憶部74に記憶されていないと判定した場合、ステップS9に進み、静止画の提供をPDA2に要求する。要求に応じてPDA2から提供されてきた静止画はコンテンツ取得部83により受信され、質調整部82に出力される。
ステップS10において、質調整部82は、コンテンツ取得部83から供給されてきた静止画の質を「大きいサムネイル」に調整し(静止画から「大きいサムネイル」を生成し)、得られた「大きいサムネイル」を記憶部74に記憶させるとともに、出力制御部84に出力する。その後、処理はステップS8に進み、質調整部82により新たに質が調整されて得られた「大きいサムネイル」が表示部11に表示される。
一方、ステップS4において、質調整部82は、PDA2との間の距離が1m以下ではないと判定した場合、ステップS11に進み、PDA2との距離が、10m以下、かつ3mより大きい(3mを含まず)か否かを判定する。
ステップS11において、質調整部82は、PDA2との距離が10m以下かつ3mより大きいと判定した場合、ステップS12に進む。この場合、PDA2との距離は「遠い」で表され(図2)、「小さいサムネイル」を出力することが質調整部82からコンテンツ取得部83に通知される。
ステップS12において、コンテンツ取得部83は、PDA2との間の距離に対応する質のコンテンツである「小さいサムネイル」が記憶部74に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合、ステップS13に進む。
ステップS13において、コンテンツ取得部83は、現在提供している静止画のバージョンをPDA2に問い合わせる。
例えば、記憶部74に記憶されている「小さいサムネイル」が、PDA2が現在提供している静止画に基づいて生成されたものであることがバージョンに基づいて確認された場合、ステップS14に進み、コンテンツ取得部83は記憶部74からそれを読み出す。
なお、記憶部74に記憶されている「小さいサムネイル」の作成の元にした静止画のバージョンが、PDA2が現在提供しているものより古い場合、最新のものがPDA2から取得され、それに基づいて生成された「小さいサムネイル」が出力されることになる。また、PDA2から提供されてきた、質の調整が行われていないオリジナルの静止画自体が記憶部74に記憶されている場合、それに基づいて新たに生成された「小さいサムネイル」が出力されるようにしてもよい。
ステップS14においてコンテンツ取得部83により記憶部74から読み出された「小さいサムネイル」は出力制御部84に出力される。
ステップS15において、出力制御部84は、コンテンツ取得部83から供給されてきた「小さいサムネイル」を表示部11に表示させ、処理を終了させる。
これにより、PDA2との距離が「遠い」場合には、図4Aに示したようなサムネイル21が表示部11に表示される。
また、コンテンツ取得部83は、ステップS12において、「小さいサムネイル」が記憶部74に記憶されていないと判定した場合、ステップS16に進み、静止画の提供をPDA2に要求する。要求に応じてPDA2から提供されてきた静止画はコンテンツ取得部83により受信され、質調整部82に出力される。
ステップS17において、質調整部82は、コンテンツ取得部83から供給されてきた静止画の質を「小さいサムネイル」に調整し(静止画から「小さいサムネイル」を生成し)、得られた「小さいサムネイル」を記憶部74に記憶させるとともに、出力制御部84に出力する。その後、処理はステップS15に進み、質調整部82により新たに質が調整された「小さいサムネイル」が表示部11に表示される。
一方、質調整部82は、ステップS11において、PDA2との間の距離が10m以下、かつ3mより大きくないと判定した場合、ステップS18に進み、次に、PDA2との間の距離が3m以下であるか否かを判定する。
PDA2との間の距離が3m以下ではないと判定した場合、質調整部82は処理を終了させ、3m以下であると判定した場合、ステップS19に進む。3m以下であると判定された場合、PDA2との距離は「普通」で表され(図2)、質調整部82は、「中くらいのサムネイル」を出力することを対応テーブルに基づいて確認し、そのことをコンテンツ取得部83に通知する。
ステップS19において、コンテンツ取得部83は、PDA2との間の距離に対応する質のコンテンツである「中くらいのサムネイル」が記憶部74に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合、ステップS20に進む。
ステップS20において、コンテンツ取得部83は、現在提供している静止画のバージョンをPDA2に問い合わせる。
例えば、記憶部74に記憶されている「中くらいのサムネイル」が、PDA2が現在提供している静止画に基づいて生成されたものであることがバージョンに基づいて確認された場合、ステップS21に進み、コンテンツ取得部83は記憶部74からそれを読み出す。
なお、記憶部74に記憶されている「中くらいのサムネイル」の作成の元にした静止画のバージョンが、PDA2が現在提供しているものより古い場合、最新のものがPDA2から取得され、それに基づいて生成された「中くらいのサムネイル」が出力されることになる。また、PDA2から提供されてきた、質の調整が行われていないオリジナルの静止画自体が記憶部74に記憶されている場合、それに基づいて新たに生成された「中くらいのサムネイル」が出力されるようにしてもよい。
ステップS21においてコンテンツ取得部83により記憶部74から読み出された「中くらいのサムネイル」は出力制御部84に出力される。
ステップS22において、出力制御部84は、コンテンツ取得部83から供給されてきた「中くらいのサムネイル」を表示部11に表示させ、処理を終了させる。
これにより、PDA2との距離が「普通」である場合には、図4Bに示したようなサムネイル22が表示部11に表示される。
また、コンテンツ取得部83は、ステップS19において、「中くらいのサムネイル」が記憶部74に記憶されていないと判定した場合、ステップS23に進み、静止画の提供をPDA2に要求する。要求に応じてPDA2から提供されてきた静止画はコンテンツ取得部83により受信され、質調整部82に出力される。
ステップS24において、質調整部82は、コンテンツ取得部83から供給されてきた静止画の質を「中くらいのサムネイル」に調整し(静止画から「中くらいのサムネイル」を生成し)、得られた「中くらいのサムネイル」を記憶部74に記憶させるとともに、出力制御部84に出力する。その後、処理はステップS22に進み、質調整部82により新たに質が調整されたデータに基づいて「中くらいのサムネイル」が表示される。
以上の処理により、携帯電話機3の表示部11には、PDA2との間の距離に応じて異なる大きさ(質)のサムネイルが出力されることになる。
なお、以上においては、現在提供している静止画のバージョンの問い合わせがPDA2に対して行われ、現在提供している静止画の方が、記憶部74に記憶されている静止画(静止画を元にして作成されたサムネイル)よりも新しいものである場合に初めて、その最新の静止画の取得が行われるとしたが、当然、バージョンの問い合わせの結果にかかわらず、常に、最新の静止画がPDA2から取得されるようにしてもよい。
次に、図11のフローチャートを参照して、PDA2の送信処理について説明する。
携帯電話機3との通信が開始されたとき、ステップS41において、PDA2のテーブル提供部63は、現在提供しているコンテンツである静止画についての対応テーブルを記憶部54から読み出し、それを送信制御部62から携帯電話機3に送信させる。
ステップS42において、コンテンツ管理部61は、通信部53からの出力に基づいて、携帯電話機3からコンテンツが要求されたか否かを判定し、要求されたと判定するまで待機する。
ステップS42において、携帯電話機3からコンテンツが要求されたと判定した場合、コンテンツ管理部61は、ステップS43に進み、記憶部54からコンテンツを読み出し、送信制御部62を制御して、質の異なるサムネイルを生成するための元になるオリジナルのコンテンツである静止画を携帯電話機3に送信させる。
以上の処理により、PDA2からは一定の質の静止画が提供される。
次に、PDA2から提供されるコンテンツが音コンテンツ(音声、音楽を含むコンテンツ)であり、携帯電話機3において、PDA2との間の距離に応じた音量(ボリューム)の再生音が出力される場合について説明する。
この場合、距離と質を対応付ける対応テーブルは、例えば、図12に示されるものとなる。
例えば、PDA2と携帯電話機3との間の距離が「遠い」で表される距離(10m)の場合、PDA2から提供されてくる音コンテンツの再生音は「小さいボリューム」で出力され、「普通」で表される距離(3m)の場合、PDA2から提供されてくる音コンテンツの再生音は「中くらいのボリューム」で出力される。また、PDA2と携帯電話機3の間の距離が「近い」で表される距離(1m)の場合、PDA2から提供されてくる音コンテンツの再生音は「大きいボリューム」で出力される。
これにより、携帯電話機3を持っているユーザは、出力される音のボリュームから、PDA2との間のおおよその距離を把握することができる。
ここで、図13のフローチャートを参照して、PDA2から提供されるコンテンツが音コンテンツである場合の、携帯電話機3の受信処理について説明する。なお、コンテンツを提供するPDA2の処理は、図11を参照して説明した処理と同様である。
PDA2との通信が開始されたとき、ステップS51において、携帯電話機3のテーブル管理部85は、PDA2から提供されてきた対応テーブルを取得し、それを記憶部74に記憶させる。以下、図12の対応テーブルがPDA2から取得されたものとする。
ステップS52において、距離測定部81は、PDA2との間の距離を測定し、その測定結果を質調整部82に出力する。このステップS52以降の処理は、所定の周期で繰り返し行われる。
質調整部82は、ステップS53において、距離測定部81から供給されてきた測定結果に基づいて、PDA2との距離が10mより離れている(10mを含まず)か否かを判定し、10mより離れていると判定した場合、処理を終了させる。すなわち、PDA2との距離が十分に離れているため、ここでは、携帯電話機3にはPDA2から提供される音コンテンツの再生音は出力されない。
一方、ステップS53において、質調整部82は、PDA2との距離が10mも離れていないと判定した場合、ステップS54に進み、次に、PDA2との間の距離が1m以下であるか否かを判定する。
質調整部82は、ステップS54において、PDA2との間の距離が1m以下であると判定した場合、ステップS55に進む。この場合、PDA2との距離は「近い」で表され(図12)、質調整部82は、「大きいボリューム」で再生音を出力することを対応テーブルに基づいて確認し、そのことを出力制御部84に通知する。
ステップS55において、コンテンツ取得部83は、再生する音コンテンツが記憶部74に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合、ステップS56に進む。例えば、過去に行われた処理により携帯電話機3からPDA2に対して音コンテンツが要求されている場合には、それが記憶部74に記憶されているため(後述するステップS60)、ここでは、記憶部74に音コンテンツが記憶されていると判定されることになる。
コンテンツ取得部83は、ステップS55において、音コンテンツが記憶部74に記憶されていると判定した場合、ステップS56に進む。
ステップS56において、コンテンツ取得部83は、現在提供している音コンテンツのバージョンをPDA2に問い合わせる。
例えば、記憶部74に記憶されている音コンテンツが、PDA2が現在提供しているものと同じ音コンテンツであることがバージョンに基づいて確認された場合、ステップS57に進み、コンテンツ取得部83は記憶部74からそれを読み出す。すなわち、記憶部74には、受信日時、バージョンなどの情報が音コンテンツに対応付けて記憶されている。
なお、記憶部74に記憶されている音コンテンツのバージョンが、PDA2が現在提供しているものより古い場合、最新のものがPDA2から取得され、それに基づいて再生音の出力が行われることになる。
ステップS57においてコンテンツ取得部83により記憶部74から読み出された音コンテンツは出力制御部84に出力される。
ステップS58において、出力制御部84は、コンテンツ取得部83から供給されてきた音コンテンツの再生音を、質調整部82から通知されてきた「大きいボリューム」でスピーカ12から出力させる。
これにより、PDA2との距離が「近い」場合には、「大きいボリューム」の再生音がスピーカ12から出力され、ユーザは、その音から、音コンテンツの提供元であるPDA2との距離が「近い」ことを直感的に把握することができる。
また、コンテンツ取得部83は、ステップS55において、音コンテンツが記憶部74に記憶されていないと判定した場合、ステップS59に進み、音コンテンツの提供をPDA2に要求する。要求に応じてPDA2から提供されてきた音コンテンツは、ステップS60において、コンテンツ取得部83により受信され、記憶部74に記憶されるとともに、出力制御部84に出力される。
その後、処理はステップS58に進み、コンテンツ取得部83により新たに取得された音コンテンツが、質調整部82により決定された「大きいボリューム」でスピーカ12から出力される。
一方、ステップS54において、質調整部82は、PDA2との間の距離が1m以下ではないと判定した場合、ステップS61に進み、PDA2との距離が、10m以下、かつ3mより大きい(3mを含まず)か否かを判定する。
ステップS61において、質調整部82は、PDA2との距離が10m以下かつ3mより大きいと判定した場合、ステップS62に進む。この場合、PDA2との距離は「遠い」で表され(図12)、質調整部82は、「小さいボリューム」で再生音を出力することを対応テーブルに基づいて確認し、そのことを出力制御部84に通知する。
ステップS62において、コンテンツ取得部83は、再生する音コンテンツが記憶部74に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合、ステップS63に進む。
ステップS63において、コンテンツ取得部83は、現在提供している音コンテンツのバージョンをPDA2に問い合わせる。
例えば、記憶部74に記憶されている音コンテンツが、PDA2が現在提供しているものと同じ音コンテンツであることがバージョンに基づいて確認された場合、ステップS64に進み、コンテンツ取得部83は記憶部74からそれを読み出す。
なお、記憶部74に記憶されている音コンテンツのバージョンが、PDA2が現在提供しているものより古い場合、最新のものがPDA2から取得され、それに基づいて再生音の出力が行われることになる。
ステップS64においてコンテンツ取得部83により記憶部74から読み出された音コンテンツは出力制御部84に出力される。
ステップS65において、出力制御部84は、コンテンツ取得部83から供給されてきた音コンテンツの再生音を、質調整部82から通知されてきた「小さいボリューム」でスピーカ12から出力させる。
これにより、PDA2との距離が「遠い」場合には、「小さいボリューム」の音がスピーカ12から出力され、ユーザは、その音から、音コンテンツの提供元であるPDA2との距離が「遠い」ことを直感的に把握することができる。
また、コンテンツ取得部83は、ステップS62において、音コンテンツが記憶部74に記憶されていないと判定した場合、ステップS66に進み、音コンテンツの提供をPDA2に要求する。要求に応じてPDA2から提供されてきた音コンテンツは、ステップS67において、コンテンツ取得部83により受信され、記憶部74に記憶されるとともに、出力制御部84に出力される。
その後、処理はステップS65に進み、コンテンツ取得部83により新たに取得された音コンテンツが、質調整部82により決定された「小さいボリューム」でスピーカ12から出力される。
一方、質調整部82は、ステップS61において、PDA2との距離が10m以下かつ3mより大きくないと判定した場合、ステップS68に進み、次に、PDA2との距離が3m以下であるか否かを判定する。
PDA2との距離が3m以下ではないと判定した場合、質調整部82は処理を終了させ、3m以下であると判定した場合、ステップS69に進む。3m以下であると判定された場合、PDA2との距離は「普通」で表され(図12)、質調整部82は、「中くらいのボリューム」で再生音を出力することを対応テーブルに基づいて確認し、そのことを出力制御部84に通知する。
ステップS69において、コンテンツ取得部83は、再生する音コンテンツが記憶部74に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合、ステップS70に進む。
ステップS70において、コンテンツ取得部83は、現在提供している音コンテンツのバージョンをPDA2に問い合わせる。
例えば、記憶部74に記憶されている音コンテンツが、PDA2が現在提供しているものと同じ音コンテンツであることがバージョンに基づいて確認された場合、ステップS71に進み、コンテンツ取得部83は記憶部74からそれを読み出す。
なお、記憶部74に記憶されている音コンテンツのバージョンが、PDA2が現在提供しているものより古い場合、最新のものがPDA2から取得され、それに基づいて再生音の出力が行われることになる。
ステップS71においてコンテンツ取得部83により記憶部74から読み出された音コンテンツは出力制御部84に出力される。
ステップS72において、出力制御部84は、コンテンツ取得部83から供給されてきた音コンテンツを、質調整部82から通知されてきた「中くらいのボリューム」でスピーカ12から出力させる。
これにより、PDA2との距離が「普通」である場合には、「中くらいのボリューム」の再生音がスピーカ12から出力される。
また、コンテンツ取得部83は、ステップS69において、音コンテンツが記憶部74に記憶されていないと判定した場合、ステップS73に進み、音コンテンツの提供をPDA2に要求する。要求に応じてPDA2から提供されてきた音コンテンツは、ステップS74において、コンテンツ取得部83により受信され、記憶部74に記憶されるとともに、出力制御部84に出力される。
その後、処理はステップS72に進み、コンテンツ取得部84により新たに取得された音コンテンツが、質調整部82により決定された「中くらいのボリューム」でスピーカ12から出力される。
以上の処理により、携帯電話機3においては、PDA2との間の距離に応じたボリュームの再生音が出力されることになる。従って、それを聴いているユーザは、実世界において、聴こえる音のボリュームから音源までの距離を推測することができるのと同様に、携帯電話機3から出力される再生音のボリュームから、音源に相当するPDA2までの距離を推測することができる。
以上においては、距離の測定は、コンテンツの受信側である携帯電話機3により行われるとしたが、コンテンツの送信側であるPDA2により行われるようにしてもよい。
この場合、PDA2により行われた測定結果の距離に対応するコンテンツの質が対応テーブルに基づいてPDA2により決定され、決定された質を表す情報が、コンテンツとともにPDA2から携帯電話機3に送信される。この場合、携帯電話機3は、PDA2から送信されてきた情報により表される質のものになるように、提供されてきたコンテンツの質を調整し、出力することになる。
また、以上においては、携帯電話機3により所定の質のコンテンツが生成されるとしたが、PDA2と携帯電話機3との間の距離にかかわらず、常に、質の異なる複数のコンテンツがまとめてPDA2から携帯電話機3に提供され、それらのコンテンツを受信した携帯電話機3において、実際に出力するコンテンツが選択されるようにしてもよい。すなわち、この場合、出力する毎に質を調整する必要はない。これによっても、質の異なるコンテンツを出力させることができる。
また、対応テーブルによっては、各種のコンテンツを距離に応じて出力することが可能である。
図14は、提供されるコンテンツが音コンテンツである場合の他の対応テーブルの例を示す図である。
この例においては、質の違いは、サンプリングレートの違いで表されている。図14の例においては、PDA2と携帯電話機3の間の距離が「遠い」で表される距離(10m)の場合、「低い」レートの音コンテンツの再生音が出力され、「普通」で表される距離(5m)の場合、「中」のレートの音コンテンツの再生音が出力される。また、PDA2と携帯電話機3の間の距離が「近い」で表される距離(1m)の場合、「高い」レートの音コンテンツの再生音が出力される。
このように、提供される音コンテンツのサンプリングレートが異なることにより、音源に近い方が、よりクリアな音を聴くことができ、実世界での距離と音の関係を再現することができる。当然、サンプリングレートと、上述したボリュームの違いが組み合わされて、距離に応じた再生音が出力されるようにしてもよい。
図15は、対応テーブルの他の例を示す図である。
この例においては、コンテンツの送信側のPDA2と、受信側の携帯電話機3の間の距離に応じて、出力されるコンテンツの内容そのものが切り替えられる。
すなわち、図15の例においては、PDA2と携帯電話機3の間の距離が「遠い」で表される距離(10m)の場合、「ショップ名」が出力され、「普通」で表される距離(5m)の場合、ショップの「内観写真」の画像が出力される。また、PDA2と携帯電話機3の間の距離が「近い」で表される距離(1m)の場合、「SALE」情報が出力され、「とても近い」で表される距離(0.3m)の場合、SALE商品の「価格」が出力される。
なお、このような対応テーブルに従ってコンテンツを提供するPDA2は、例えば、ある店舗内に置かれているものである。また、「ショップ名」を出力させるための画像、「内観写真」を出力させるための画像、「SALE」情報を出力させるためのテキスト、および、SALE商品の「価格」を出力させるためのテキストのデータは、上述したようにまとめてPDA2から携帯電話機3に提供され、実際に出力するものが携帯電話機3において選択される。
このように、出力されるコンテンツの内容が切り替えられるようにすることで、例えば、一番離れているときに出力される「ショップ名」を見てその提供元の店舗に興味を持った携帯電話機3のユーザは、その店舗に近づき、ある程度近づいたときに出力される「内観写真」を見て、その店舗にさらに興味を持ったときにはもう少し近づくなどのように、実世界における距離による情報のフィルタリングがコンテンツの送受信においても再現されることになる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、そのソフトウェアを実行させる情報送信装置は、例えば、図16に示されるようなパーソナルコンピュータ100により構成される。
CPU(Central Processing Unit)101は、ROM(Read Only Memory)102に記憶されているプログラム、または、記憶部108からRAM(Random Access Memory)103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インタフェース105も接続されている。
入出力インタフェース105には、キーボード、マウスなどよりなる入力部106、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクなどより構成される記憶部108、ネットワークを介しての通信処理を行う通信部109が接続されている。
入出力インタフェース105にはまた、必要に応じてドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111が適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部108にインストールされる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図16に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(登録商標)(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア111(パッケージメディア)により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM102や、記憶部108に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、各ステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表わすものである。
1 コンテンツ提供システム, 2 PDA, 3 携帯電話機, 61 コンテンツ管理部, 62 送信制御部, 63 テーブル提供部, 81 距離測定部, 82 質決定部, 83 コンテンツ取得部, 84 出力制御部84 テーブル管理部