JP2005301166A - 光合分波器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光合分波器を形成する材料選択の自由度を高めると共に光損失を削減し、光学系の光路、角度調整を可能とした光合分波器を提供する。
【解決手段】
光ファイバ3を位置決めする固定構造12と、光ファイバ3からの出力光の光軸上に形成された凹面ミラー11と、傾斜面14とが一体形成されてなる光入出力ブロック1と、光入出力ブロック1の傾斜面14上に搭載され、誘電多層膜フィルタ4と反射面23とが光を伝播する空洞部21を介して一体形成されてなる光導波ブロック2と、から光合分波器を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光信号を合分波する光合分波器に関し、例えば、複数の波長の光信号を一本の伝送路に多重して伝送する波長多重光伝送装置の構成に用いられるものである。
一本の光伝送路を有効に活用し大容量伝送を可能にする技術として、波長多重光伝送技術が知られている。波長多重光伝送は、送信側でそれぞれ波長の異なる複数の光信号を発生させ、この複数の信号を光合波器により合波して、一本の伝送路に多重して伝送し、受信側で光分波器により異なる波長の信号を分離し、それぞれの波長ごとに準備された受光素子によりその信号を受信するものである。
波長多重伝送は一つの波長のみを用いた伝送に比べて、一本のファイバあたりの伝送容量を容易に大容量化することができ、また複数の伝送路を用いた場合に比べて、伝送路コストが削減できるため、通信容量の大容量化および通信コストの低減に効果的である。
波長多重光伝送を行うためには、上述するように、送信側で光合波、受信側で光分波が必要であり、波長多重光伝送に用いる送信装置、受信装置の小型化、低コスト化のためにはこれらを担う光合分波器の小型化、低コスト化が大きな課題となる。
光合分波器には大きく分けて回折格子を用いたものと誘電多層膜フィルタを用いたものの2種類が挙げられる。誘電多層膜フィルタを用いたものは、フィルタ帯域特性の設計の自由度の広さや、フィルタを差し替えることで容易に合分波する波長が変換可能といった特徴がある。
図17は、誘電多層膜を用いた従来の合分波器の概略構成図である。同図に示すように、誘電多層膜を用いた従来の合分波器は、保持部材101に誘電多層膜フィルタ102-1〜102-4が固定されており、光を入出力する光ファイバ103-1〜103-5、光ファイバから出射された光を平行光に変換したり、誘電多層膜フィルタを透過した光を光ファイバへ集光したりするレンズ104-1〜104-5がそれぞれ位置合わせされ搭載されている。
同図には、λ1〜λ4の4つの波長の光が多重された波長多重光を合分波する合分波器の例を示している。光入力用の第1の光ファイバ103-1から出射された波長多重光は、レンズ104-1により平行光線に変換され、保持部材101の内部を透過した後、第1の誘電多層膜フィルタ102-1に入射する。
第1の誘電多層膜フィルタ102-1は波長λ4の光を透過し、それ以外の波長の光を反射する特性を持っており、このフィルタ102-1により選択された波長λ4の光がレンズ104-2により第2のファイバ103-2に集光され、出力される。第1の誘電多層膜フィルタ102-1により反射された光は、保持部材101内を伝播して、順次、フィルタ102-2〜102-4に入射する。
以降、第2のフィルタ102-2は波長λ3を透過し、それ以外の波長は反射するため、同様に波長λ3の光が第3のファイバ103-3より出力される。以下同様に、波長λ2を透過する第3のフィルタ102-3によって波長λ2の光が第4のファイバ103-4より、第4のフィルタ102-4によって波長λ1の光が第5のファイバ103-5より出力される。
このような構成では、光ファイバから出射された光を平行光に変換し、また平行光を光ファイバに集光するためのレンズが光ファイバと同じ数だけ必要となり、部品数が増加する。また、各光ファイバと各レンズとをそれぞれ位置調整し取り付ける必要があり、組み立て工数が増加する。
これらの問題を解決するため、各光ファイバからの出射光を平行光に変換する、あるいは平行光を光ファイバヘ集光するためのレンズ部品数を削減するための提案がいくつかなされている。
図18は、下記非特許文献1に記載された光分波器の概略構成図である。同図に示すように、当該合分波器は、相互に間隔を置いて配置された複数の波長選択フィルタ106と、この波長選択フィルタに波長多重光を斜めに案内する第1のレンズ109およびフィルタ反射面で反射された各波長の光を集光させる複数の第2のレンズ110とを備えている。この構成では、前記第1のレンズ109と複数の第2のレンズ110を一つの光学基板上に作製することができるため、部品数を削減することができる。
図19は、下記特許文献1に記載された光分波器の概略構成図である。同図に示すように、当該光分波器は、主光学ブロック200の表面に、複数の収束リフレクタ201が形成されると共に、これに対向して複数の波長特定フィルタ202が接続されており、各波長特定フィルタ202a〜202dで反射された光は、主光学ブロック200内部を伝播し、それぞれ各収束リフレクタ201a〜201cで反射され、順次、隣接する次の波長特定フィルタに導かれる構成となっている。
入射ファイバ203から入射された光は反射面204で反射・集光された後、第1のフィルタ202aへ入射し、第1のフィルタ202aを透過した光はレンズアレイブロック205のレンズ206aを通過し、集光されて検出器207aへ入射される。第1のフィルタ202aで反射された光は、収束リフレクタ201aで反射され第2のフィルタ202bへ入射される。以降、第2のフィルタ202b、第3のフィルタ202c、第4のフィルタ202dで同様な動作を繰り返し、波長多重光の分波をおこなう。
この光合分波器では、複数のレンズが一体化されたレンズアレイブロック205は、主光学ブロック200に突起部208で位置合わせされており、また光ファイバ203から入射された光は主光学ブロック200に作りこまれた反射面204により平行光線に変換される構成となっているため、個別のレンズを位置合わせする必要が無く、組み立てコストを削減することが可能となっている。
上述する二つの提案では、どちらも光ファイバから出射した拡散光をフィルタヘ入射するためのレンズを一体成形可能なレンズアレイとすることにより、部品点数を削減している。
2002年 電子情報通信学会総合大会 予稿集C-3-76 US6198864号米国特許明細書
しかし、これらのレンズアレイを用いた合分波器は、以下に示すような課題を有する。
まず、光学ブロック内部を光が導波する構成のため、光学的に透明度が高い材料を使う必要があり、材料選択の自由度が限られ、材料コストが高くなる。また、ブロック内部を導波する際の光の損失が避けられない。
次に、光ファイバまたは光検出器の固定用部材とレンズアレイとが別体であるため、光ファイバまたは光検出器を固定する部材をレンズアレイとは別に準備し、レンズアレイに対し位置調整し固定する必要がある。
更に、レンズとフィルタ間の距離は光学基板または光学ブロックのサイズにより一意に決まってしまい、誤差を調整する機構を持たない。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、光合分波器を構成するブロックの材料選択の自由度を高めると共に光損失を削減し、受発光手段の位置合わせ及び受発光手段と反射集光素子等の光学系とのアライメントを容易にし、光線分岐素子と反射集光素子との光路、角度調整を可能とした光合分波器を提供することを目的とする。
<第1の発明>
第1の発明にかかる光合分波器は、
光合分波器に信号を入出力する受発光手段と、
前記受発光手段を位置決めする受発光手段固定構造と、当該受発光手段固定構造に固定される前記受発光手段からの出力光の光軸上に形成された反射集光素子と、前記出力光に対する当該反射集光素子からの反射光の光軸と平行な傾斜面とが一体形成されてなる光入出力ブロックと、
前記傾斜面の上に搭載され、光線分岐素子と反射面とが光を伝播する空洞部を介して一体形成されてなると共に当該光線分岐素子及び反射面を前記反射光の光軸上に位置決めする光導波ブロックと、からなることを特徴とする光合分波器である。
受発光手段としては、光ファイバ、レーザダイオード、フォトダイオード、また、光ファイバ、レーザダイオード、フォトダイオードなどと光学レンズ系とが組み合わせられた部品、すなわち、先球ファイバ、ファイバコリメータ、送信系光サブアセンブリ(TOSA)、受信系光サブアセンブリ(ROSA)などの光パッケージ部品等が挙げられる。またこれらを位置決めするための受発光手段固定構造についても、V溝、U溝や凹溝をはじめ、その他の形状の構造でも構わない。
光合分波器とは、例えば複数本の単色光線を一本の波長多重光線に合成する機能及び、例えば一本の波長多重光線を複数本の単色光線に分岐させる機能を有するデバイスである。また、光線分岐素子とは、入射光線のうち、特定の波長域の光線を透過させ、それ以外の波長域の光線を反射させる素子である。また、反射集光素子とは、入射光線を反射させると共に集光させる素子である。
特定の波長域を固定して利用する場合の光線分岐素子の具体例としては、誘電体多層膜を利用したバンドパスフィルタ、エッジフィルタ、また、波長オーダの微細格子構造が表面に周期的に形成された共振モードフィルタなどが考えられる。
また、透過させる波長域は、外部からの制御により、各光線分岐素子について独立に変化させることも可能であり、その場合は電気光学効果または熱光学効果を利用した波長可変フィルタ、MEMS技術を利用したエタロンフィルタなどが考えられる。
当然、光線分岐素子を透過する波長域が、入射光線の全ての波長域を含んでいる場合も考えられ、その場合は、光線分岐素子は光学的な透過窓に相当する。逆に、入射光線の全ての波長域を透過させない光線分岐素子は、平面状の反射面と同等の機能を有する。
単色光線の波長スペクトル幅は、基本的には光源となるレーザダイオードによって決定されるが、光信号が伝送される途中で波長選択フィルタなどを経る場合には、その波長選択フィルタの透過スペクトルによって修正される。
本発明を光分波器として利用する場合、例えば、外部から入力される複数の信号は、一本の波長多重光線として内部に入射され、各光線分岐素子に順次、入反射することで内部を伝播する。この際に、各光線分岐素子を透過した単色光線が、光ファイバあるいはフォトダイオードなどの受光素子に結合し、複数の信号として再び外部に出力される。
一方、本発明を光合波器として利用する場合、例えば、外部から入力される複数の信号光は、別々の光ファイバによって伝達されたり、レーザダイオードなどの別々の発光素子によって光電変換されたりして、複数の単色光線として入力される。これらの単色光線は、当該波長域を透過させるように設計された別々の光線分岐素子に入射・透過することで、それぞれ内部に導入され、光線分岐素子や反射面において順次、入反射することで、順次合波されながら内部を伝播する。そして、最終的に一本の波長多重光線に合波された後、光ファイバ等の受光素子に結合し、再び外部に出力される。
本発明では、光ファイバ等の受発光手段から入射された光は空間を伝播し、光入出力ブロックに形成された凹面ミラー等の反射集光素子により反射され、光導波ブロック内に導かれる。光導波ブロックには光が伝播するための空洞部があり、この空洞部に入射された光は誘電多層膜フィルタ等の光線分岐素子と反射面との間で反射を繰り返すことにより、分波あるいは合波が行われる。
このように、受発光手段から入射された光はすべて空間上を伝播する構成となっているため、入出力ブロックと光導波ブロックを形成する材料として、光学透明な材質を利用する必要はなく、光学的に不透明でも、安価で機械的強度や熱特性に優れる材料を利用することができる。
また、受発光手段から出射される拡散光は、レンズではなく反射集光素子により集光されるため、レンズによる透過損失及びレンズ表面の反射損失なしに、光導波ブロック内部を導波するのに適した光ビームに変換することができる。また、光導波ブロック内部を導波して合波又は分波された光ビームは、反射集光素子により受発光手段に集光されるため、効率よく受発光手段に結合させて光合分波器より出力することができる。
更に、受発光手段を位置決めする固定構造及び反射集光素子を一つの光入出力ブロック上に形成しているため、受発光手段と反射集光素子を固定する部材を別々に準備しなくてもよい。また、受発光手段を受発光手段固定構造に固定することにより、反射集光素子に対し受発光手段の位置合わせを行うことができるため、両者の位置合わせ作業を容易に行うことができる。
また、光入出力ブロックと光導波ブロックが独立したブロックとなっているため、組み立ての際に、光入出力ブロック上に形成されている反射集光素子と光導波ブロック上に搭載されている光線分岐素子との距離や角度を、損失の少ない最適な位置に調整することが可能であり、光損失の削減が図れる。
<第2の発明>
第2の発明にかかる光合分波器は、第1の発明に係る光合分波器において、
前記反射集光素子は、前記受発光手段の端面又はその近傍に焦点を有するパラボリック曲面からなる凹面ミラーであることを特徴とする光合分波器である。
この場合、光入力用の受発光手段から出射された光は、凹面ミラーにより平行光線に変換されて、光導波ブロックに入射する。この平行光線は、光線分岐素子が最も良好に波長選択することができる光線である。光導波ブロックに搭載された光線分岐素子によって合波あるいは分波された平行光線は、他の凹面ミラーにより集光されて、光出力用の受発光手段から出力される。
<第3の発明>
第3の発明にかかる光合分波器は、第1の発明に係る光合分波器において、
前記反射集光素子は、前記受発光手段の端面から当該反射集光素子までの距離の約2倍の曲率半径を有する球面からなる凹面ミラーであることを特徴とする光合分波器である。
この場合、受発光手段から出射された光は凹面ミラーによって、多少の球面収差は発生するものの平行光線に近い光線に変換され光導波ブロックに入射する。光導波ブロックで光線分岐素子により合波あるいは分波された光線は、第2の発明と同様、他の凹面ミラーにより集光されて、光出力用の受発光手段から出力される。
曲率半径は、受発光手段の端面から反射集光素子までの距離の約2倍がよく、例えば、当該距離の1.8〜2.2倍が好ましく、1.9〜2.1倍がより好ましい。
<第4の発明>
第4の発明にかかる光合分波器は、第1ないし第3のいずれかの発明に係る光合分波器において、
前記反射集光素子へ入射する入射光の光軸と、当該反射集光素子から反射する反射光の光軸とのなす角度が20度以下であることを特徴とする光合分波器である。
受発光手段から出射された光の光軸と、反射集光素子によって反射されたビームの光軸のなす角が大きい場合、反射されたビーム形状のゆがみが大きくなり光損失が増加する。そのため、受発光手段から出射された光の光軸と、反射集光素子によって反射されたビームのなす角を可能な限り小さくする必要があるが、反射されたビームが受発光手段を避けるためにある程度の角度が必要となる。
例えば、一般的なシングルモード光ファイバの光の広がり角は10度程度であるため、光ファイバの光軸方向と反射集光素子によって反射されたビームの光軸方向が10度以上ずれるように反射集光素子を設計すれば、反射集光素子によって反射された平行光線が光ファイバの光出射点にかかることはない。
ただし、光ファイバの直径や光ファイバを押さえる固定構造を避けることも考慮に入れると、10度程度より多少大きめの角度が必要となる。これらを考慮すると、光ファイバとしてシングルモード光ファイバを用いた場合、光ファイバから出射された光の光軸と、反射集光素子によって反射されたビームのなす角は、1O度から20度程度が望ましい。
このため、光導波ブロックは光ファイバに対し10度から20度程度の角度で搭載される必要があり、光ファイバと光入出力ブロックの傾斜面がなす角度も1O度から20度であることが、光損失を低減するために望ましい。
光ファイバとして、熱により端部のコア径を拡大したTECファイバを用いると、光ファイバから出射された光の広がり角は10度より小さく、5度程度まで抑えられる。このため、TECファイバを用いれば、光ファイバと光入出力ブロックとの角度を10度以下にすることも可能である。
以上のような理由から、入出力ブロックの傾斜面と光ファイバのなす角度は20度以下であることが望ましい。
<第5の発明>
第5の発明にかかる光合分波器は、第1ないし第4のいずれかの発明に係る光合分波器において、
前記光入出力ブロックは、上面に当該ブロックの一辺から対向する他辺に向かって下に傾斜する傾斜面が形成され、下面に前記傾斜面の傾斜上方部分の下方に位置する上段面と傾斜下方部分の下方に位置する下段面とからなる階段面が形成され、前記傾斜面の傾斜下方部分において突出し、前記反射集光素子が複数個、アレイ状に形成されたミラーアレイ部が形成されてなり、
前記受発光手段固定構造は、前記階段面に形成された複数の溝であり、当該複数の溝は、前記一辺側から前記他辺側に向かうと共に前記傾斜面の中腹部分から貫通して、前記複数の反射集光素子と対向するように形成されていることを特徴とする光合分波器である。
本発明のように、光入出力ブロックとして、受発光手段固定構造が光入出力ブロックの傾斜面と反対側の面に形成されており、傾斜面側に例えば光ファイバ等の受発光手段の先端を突き出すための貫通孔を設けたブロックとしてもよい。
これにより、光導波ブロックを搭載した後でも、受発光手段固定構造に沿って光ファイバ等の受発光手段の前後位置調整や、受発光手段固定構造に接着剤を塗布して受発光手段を固定する作業の効率を高めることができる。
<第6の発明>
第6の発明にかかる光合分波器は、第1ないし第4のいずれかの発明に係る光合分波器において、
前記光入出力ブロックは、上面に当該ブロックの一辺から対向する他辺に向かって下に傾斜する傾斜面が形成され、前記傾斜面の傾斜下方部分において突出し、前記反射集光素子が複数個、アレイ状に形成されたミラーアレイ部が形成されてなり、
前記受発光手段固定構造は、前記傾斜面に形成された複数の溝であり、当該複数の溝は、前記一辺側から前記他辺側に向かって前記複数の反射集光素子と対向するように形成されていることを特徴とする光合分波器である。
本発明のように、光入出力ブロックとして、受発光手段固定構造が光入出力ブロックの傾斜面側に形成されていてもよい。このような光入出力ブロックとすることにより、反射集光素子と受発光手段固定構造が一つの金型によって成型可能となるため、両者の相対位置の精度を高めやすくなり、光損失を削減することができる。
<第7の発明>
第7の発明にかかる光合分波器は、第1ないし第6のいずれかの発明に係る光合分波器において、
前記光導波ブロックは、板状の天井部と当該天井部の下面からコ字状に突出した正面壁部と一対の側壁部とからなり、内部に空洞部を有する一側面を欠いた箱形状のブロックであり、
前記一側面には、前記光線分岐素子を複数個、アレイ状に固定するための切り欠き部が形成され、前記正面壁部における前記空洞部に臨む面には平面状の反射面が形成され、
当該光導波ブロックは、前記側壁部の頂上面が前記傾斜面に接地して、前記光入出力ブロックに搭載されていることを特徴とする光合分波器である。
本発明のような光導波ブロックとすることで、光導波ブロックを射出成型により安価に量産することができ、部材コストを削減できる。
<第8の発明>
第8の発明にかかる光合分波器は、第1ないし第6のいずれかの発明に係る光合分波器において、
前記光導波ブロックは、板状の天井部と当該天井部の下面からコ字状に突出した正面壁部と一対の側壁部とからなり、内部に空洞部を有する一側面を欠いた箱形状のブロックであり、
前記一側面には、前記光線分岐素子を複数個、アレイ状に搭載した板状固定部材が設置され、前記正面壁部における前記空洞部に臨む面には平面状の反射面が形成され、
当該光導波ブロックは、前記側壁部の頂上面が前記傾斜面に接地して、前記光入出力ブロックに搭載されていることを特徴とする光合分波器である。
板状固定部材として、透明で平面度が高いガラスなどを用いることで、アレイ状に固定したそれぞれの光線分岐素子の角度のばらつきを抑えることができる。また、ガラスと光線分岐素子の干渉縞を確認しながら搭載できるため、複雑な測定系を用いずに高い水平度で光線分岐素子を搭載することも可能である。
<第9の発明>
第9の発明にかかる光合分波器は、第1ないし第6のいずれかの発明に係る光合分波器において、
前記光導波ブロックは、板状の天井部と当該天井部の下面からコ字状に突出した正面壁部と一対の側壁部とからなり、内部に空洞部を有する一側面を欠いた箱形状のブロックであり、
前記一側面には、前記光線分岐素子を複数個、アレイ状に搭載した板状固定部材が設置され、前記正面壁部における前記空洞部に臨む面にはアレイ状の第2の反射集光素子が形成され、
当該光導波ブロックは、前記側壁部の頂上面が前記傾斜面に接地して、前記光入出力ブロックに搭載されていることを特徴とする光合分波器である。
本発明のような光導波ブロックとすることで、光導波ブロック内部の光ビームの伝播が、ビームを集光しながら伝播させるレンズ導波路と同様になるため、平面ミラーを用いた場合に比べて、光の損失を低減することができる。特に、合分波する波長数が多くなり、光導波ブロックにおける反射回数が多くなった場合に、平面ミラーを用いた場合に比べて、損失を大きく減らすことができる。
<第10の発明>
第10の発明にかかる光合分波器は、第7ないし第9のいずれかの発明に係る光合分波器において、
前記側壁部の頂上面には、前記光入出力ブロックを挟み込むようにリブが設けられていることを特徴とする光合分波器である。
この場合には、搭載作業時の左右方向(フィルタアレイ方向)の位置合わせが容易となり、作業性が向上する。
本発明の光合分波器によれば、空間を光線が伝播するようにして、光合分波器を構成するブロックの材料選択の自由度を高めると共に光損失を削減することができる。また、ブロックとして光学透明な部材を利用しなくてもよいため、安価で機械的強度や熱特性に優れる材料で製造が可能となる。また、受発光手段の位置合わせをする固定構造と光の集光を行う光学系とを一体形成するようにして、受発光手段の位置合わせ、及び受発光手段と反射集光素子等の光学系とのアライメントを容易にすると共に組立てコストを削減することができる。更に、光線分岐素子を搭載するブロックと反射集光素子を形成するブロックとを別体にして、光線分岐素子と反射集光素子との距離、角度を調整可能とし、光損失を削減することができる。
以下、図面に基づいて本発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するが、以下の実施形態は本発明を限定するものではない。なお、すべての図面において共通する部材、部分は同一の符号で示し、重複する説明は省略する。
<第1の実施形態>
図1,2は、本発明の第1の実施形態に係る光合分波器の斜視概略外観図である。図3は、当該光合分波器の概略底面図である。図4は、図1〜3に示すA−A矢視方向の断面図であり、当該光合分波器の概略側断面図である。なお、同図には、光合分波器内部を伝播する光線を概念的に示してある。図5は、当該光合分波器の光導波ブロックを底面から見た概略外観図である。
第1の実施形態に係る光合分波器は、8つの波長の信号光を合波して波長多重光としたり、波長多重光を分波して8つの波長の信号光としたりすることができる、8チャネル合分波器の例である。
これらの図に示すように、第1の実施形態に係る光合分波器は、光入出力ブロック1と、光入出力ブロック1の上部の傾斜面14に搭載された光導波ブロック2と、光入出力ブロック1に固定された複数の光ファイバ3と、光導波ブロック2に固定された複数の誘電多層膜フィルタ4とから構成される。
光入出力ブロック1は、平面形状が略正方形のブロックであって、ブロック上面には、当該ブロックの一辺から対向する他辺に向かって傾斜する傾斜面14が形成され、ブロック下面には、上段面15aと下段面15bとからなる階段面15が形成され、傾斜面14の傾斜下方部分において前記他辺の全長に亘って突出したミラーアレイ部16が形成されてなる。上段面15aは、傾斜面14の傾斜上方部分の下方に位置する段面であり、下段面15bは、傾斜面14の傾斜下方部分の下方に位置する段面である。
ブロック下面である階段面15には、前記一辺から前記他辺に向かう複数の光ファイバ固定溝12が形成され、光ファイバ固定溝12は、固定される光ファイバ3のファイバ軸が上段面15aや下段面15bと平行となるように、上段面15aに形成された浅い溝と、下段面15bに形成された深い溝とからなる。
また、光ファイバ固定溝12は、固定される光ファイバ3のファイバ軸が上段面15aや下段面15bと平行となるように形成されているため、傾斜面14の中腹部分においてブロック上面に貫通しており、傾斜面14の中腹部分には光ファイバ固定溝12に対応して複数の貫通孔13が形成されている。
光ファイバ3は、光ファイバ固定溝12に嵌め込まれ、貫通孔13から突き出るように固定されており、貫通孔13から突き出た光ファイバ3の先端は、傾斜面14において突出したミラーアレイ部16に対向している。なお、光ファイバ固定溝12の溝形状としては、断面V字形状、断面U字形状又は断面台形などが挙げられる。
突出したミラーアレイ部16における傾斜面14の傾斜上方を臨む面、すなわち貫通孔13から突き出た光ファイバ3の先端が対抗する面には、各光ファイバ3に対応して凹面ミラー11が複数個形成されている。凹面ミラー11は、光ファイバ3からの出力光を反射すると共にコリメート化したり、誘電多層膜フィルタ4を透過した光を反射すると共に光ファイバ3へ集光したりする機能を有する。
光ファイバ3の先端から出射された光は凹面ミラー11を介して光導波ブロック2の内部に入射し、光導波ブロック2の内部から出射された光は凹面ミラー11を介して光ファイバ3に結合するようになっている。
光導波ブロック2は、主として図5に示すように、一側面(誘電多層膜フィルタ4を固定する面)を欠き、内部に空洞を有する箱形状のブロックであり、光導波ブロック天井部2aと、ブロックの底面から見てコ字状となるように天井部2aの下面から突出した一対の光導波ブロック側壁部2bと、光導波ブロック正面壁部2cとからなる。
光導波ブロック正面壁部2cは、前記欠けた一側面に対向する側面を構成する壁部であり、光導波ブロック側壁部2bは、前記欠けた一側面及び正面壁部2c以外の対向する側面を構成する壁部である。天井部2a及び天井部2aからコ字状に突出する正面壁部2cと2つの側壁部2bとに囲まれた空間が空洞部21となっている。
光導波ブロック正面壁部2cにおける空洞部21に臨む面(前記欠けた一側面に対向する面)は、平面ミラーである反射面23となっている。また、前記欠けた一側面には、櫛歯状の複数の突起部が形成され、各突起部の間を切り欠いた形状となっている複数の切り欠き部22が形成されている。すなわち、各切り欠き部22は、両側の突起部分と中央の切り欠き部分とから構成されている。
各切り欠き部には、それぞれ誘電多層膜フィルタ4が固定されるが、固定方法としては、各切り欠き部を構成する中央の切り欠き部分を塞ぐように、両側の突起部分に紫外線硬化樹脂により誘電多層膜フィルタ4を固定する。切り欠き部22には、分波又は合波する波長の数に相当する個数の誘電多層膜フィルタ4が固定されている。
切り欠き部22は、光導波ブロック2の一側面からやや反射面23側に寄った位置に形成されており、切り欠き部22の外側にはくぼみ部24が形成されている。すなわち、くぼみ部24の角に誘電多層膜フィルタ4を押し当てることにより、誘電多層膜フィルタ4の位置あわせを行うことが可能な構造としてあり、当該構造により、フィルタの位置あわせ作業が容易になる。
光導波ブロック2は、天井部2aから突出した側壁部2b及び正面壁部2cの突出頂上面が光入出力ブロック1の傾斜面14に接するように、かつ、側壁部2bと光ファイバ3の光軸とが平行になるように、光入出力ブロック2の上に搭載される。すなわち、光導波ブロック2の空洞部21が天井部2aと傾斜面14との間に挟まれて隠れるように、かつ、一列に並んだ誘電多層膜フィルタ4から形成されるフィルタアレイと一列に並んだ凹面ミラー11から形成されるミラーアレイとが対向するように、光入出力ブロック1の傾斜面14上に搭載される。
更に、2つの光導波ブロック側壁部2bには、それぞれ下方に突出するリブ2dが設けられている。光入出力ブロック1に光導波ブロック2を搭載する際に、リブ2dが光入出力ブロック1を挟み込むようになっているため、搭載作業時の左右方向(フィルタアレイ方向)の位置合わせが容易となり、作業性が向上する。
次に、本実施形態に係る光合分波器を、光分波器として用いる場合の動作について説明する。図6は、本実施形態に係る光合分波器の概略内部構造図であり、内部における光路を図示してある。同図には、説明のため、光導波ブロック2の天井部2aを除去した状態で図示してある。
同図に示すように、入力光ファイバ3aから出射された光は、第1の凹面ミラー11aで反射され、第1の切り欠き部22aから光導波ブロック2の内部(空洞部21)に入射する。切り欠き部22aより空洞部21に入射した光は、反射面23で反射され、第2の切り欠き部22bを通過し、第1の誘電多層膜フィルタ4aに入射される。
第1の誘電多層膜フィルタ4aを透過した光は、第2の凹面ミラー11bにより第1の出力光ファイバ3bに集光され出力される。第1の誘電多層膜フィルタ4aにより反射された光は、空洞部21を伝播して再び反射面23により反射され、第3の切り欠き部22cを通過し、第2の誘電多層膜フィルタ4bに入射される。
第2の誘電多層膜フィルタ4bを透過した光は、第2の出力ファイバ3cより出力され、反射された光は空洞部21を伝播して再び反射面23で反射され、次のフィルタに伝播される。以降同様に、第3、第4・・・の誘電多層膜フィルタ4c,4d・・・へ順次入射を繰り返すことにより、波長多重光の分波が行われる。
凹面ミラー11a,11b,11c等を光ファイバ3a,3b,3c等の端面付近に焦点を有するパラボリック曲面とすれば、光ファイバから出射し、凹面ミラーによって反射された光は平行光線となる。
また、凹面ミラーを光ファイバから凹面ミラーまでの距離のおおむね2倍の曲率半径を有する球面とした場合、完全な平行光線とならず、光線に多少の球面収差が発生するが、凹面ミラーの加工がパラボリック曲面に比べ容易となるので、加工コストを下げることができるという利点がある。
光入出力ブロック1上に搭載された光導波ブロック2は、固定されるまでは、傾斜面14上を光ファイバ3の光軸に沿って、スライド可能に搭載されている。上述するように、波長多重光が各誘電多層膜フィルタ4a,4b・・・へ順次入射するような光路の調整及び光損失が少なくなるような微調整等は、基本的には、光導波ブロック2のスライド機能による前後方向(ミラーアレイとフィルタアレイとの距離が決定される方向)の位置の調整により行われる。
更に、以下詳細に説明するように、光導波ブロック2の微小回転機能により、ミラーアレイ面と反射面23とのなす角度を微調整する作業が行われる。
図7は、光導波ブロックヘの入射ビームの角度が設計値からずれていた場合の不適正な光路を示す図である。光分波器のチャネル数が増加した場合、光導波ブロック2ヘの入射ビームの角度が設計値からずれていると、フィルタと反射面での反射を繰り返すたびに光軸の中心位置が設計位置からずれていく。これがジグザグ光路構成の分波器を多チャンネル化する際の問題となっている。
この問題を避けるためには、入射ビームの角度ずれが少なくなるように入力ファイバと凹面ミラーの位置精度を高めることであるが、損失を低くするためには1μm以下のきわめて高い精度が必要となり、加工コストの増大を招く。
この問題を解決するため、光導波ブロック2と光入出力ブロック1を別体としておき、光入出力ブロック1に対し光導波ブロック2の角度を回転によりに調整できるようにすれば、入射ビームの角度ずれを救済できる。
図8は、光導波ブロックの回転により入射ビームの角度ずれを補正するイメージを示したイメージ図である。光導波ブロック2を矢印方向に回転させて光導波路ブロック2’の位置にすることにより、反射面23が傾いて反射面23’の状態となり、出力光ファイバ3bに最も効率よく光を結合させる方向にビーム角度を調整することができる。
このため、光導波ブロック2の左右に設けたリブ2dの間隔を、光入出力ブロック1の幅よりわずかに広くしておき、光入出力ブロック1に光導波ブロック2を搭載する際に、数度程度(例えば、±1度又は±2度程度)の回転方向の自由度をもたせることが望ましい。この場合、光入出力ブロック1の傾斜面14に沿って、光導波ブロック2の前後移動が行いやすくなるため、搭載時の作業性が向上するという利点もある。
本実施形態に係る光合分波器では、光ファイバから出射された光は空洞部21等の空間を伝播し、光入出力ブロック1と光導波ブロック2の部材内部を伝播することはない。したがって、光損失を抑えるために光学透明度が高い高価な材料を用いる必要がない。
光入出力ブロック1及び光導波ブロック2の製造方法としては、熱膨張係数が1×1O-6/℃以下であるような低熱膨張特性を有する樹脂を射出成型により成型した後、凹面ミラーおよび反射面に金蒸着などの金属コートを行い反射率を高める形態が、製造コストの観点から望ましい。
また、本実施形態によれば、光入出力ブロック1に凹面ミラー11と光ファイバ固定用溝12が一体成型されているため、光ファイバ固定用溝12に光ファイバ3をはめ込むだけで光ファイバ2と凹面ミラー11の相対位置が一意に決定される。このため、従来の光合分波器のようにレンズ等の集光手段と光ファイバ等の受発光手段を個別に位置合わせする必要がなく、調芯コストが削減できる。また、集光手段及び受発光手段を固定するための部材を別途準備する必要がなく、部材コストも削減できる。
また、光入出力ブロック1と光導波ブロック2が別体となっており、誘電多層膜フィルタ4は光導波ブロック2の切り欠き部22に貼り付けて固定する構成となっているため、従来のような複雑な立体形状内部にフィルタを貼り付ける場合と比較して作業が容易になる。
さらに、光入出力ブロック1と光導波ブロック2が別体となっているため、それぞれのブロックを樹脂射出成型により低コストで製造することができる。光入出力ブロック1と光導波ブロック2を一体とした場合、凹面ミラー11を形成する金型をミラー面と垂直方向に引き抜くことができず、複雑なスライド金型を利用するか、射出成型後にミラーを別途加工する必要があり、コスト増の要因となる。
また、光入出力ブロック1と光導波ブロック2が別体となっているため、傾斜面14上で光入出力ブロック1(すなわち、ブロックに一体形成された凹面ミラー11)に対して光導波ブロック2を回転させることができ、入力ビームの光軸ずれを救済でき、光損失を削減できる。
さらに、光ファイバ固定溝12に沿った方向に光ファイバ3をスライドさせることにより、凹面ミラー11と光ファイバ3の先端と間の距離を調整することができるので、凹面ミラー11の製造誤差に起因するミラー焦点のズレに合わせて最適な位置に光ファイバを調整して固定することができ、光損失を削減することができる。
また、本実施形態では光入出力ブロック1における光導波ブロック2が搭載されている面(傾斜面14)と対向する面(裏面の階段面15)に光ファイバ固定溝12を設けている。このため、光ファイバ固定溝12が光導波ブロック2の下に隠れる構造に比べて、光導波ブロック2を光入出力ブロック1に接着、固定した後でも、光ファイバの前後位置を調整し、接着固定することが容易である。
なお、光ファイバ3を光入出力ブロック1に接着、固定した後は、図9に示すように、光ファイバ押さえ部材5により光ファイバ3を押さえるようにすると、光ファイバの引っ張り強度を確保することができ、望ましい。
図10は、本実施形態に係る光合分波器の概略側断面図であり、貫通孔から突き出た光ファイバの先端の部分を拡大した図である。凹面ミラー11の成型精度が十分高く、光ファイバ3の前後調整が不要な場合には、同図に示すような光ファイバ突き当て部17を設けておくことが望ましい。光ファイバ3を光ファイバ固定溝12に挿入し、光ファイバ突き当て部17に突き当てるだけで光ファイバの位置調整が完了するため、光出力をモニタしながら光ファイバの前後調整をする必要がなくなり、組み立て時間を削減することができる。
なお、本実施形態に係る光合分波器は、光の入出力を上述する説明とは逆方向として、各出力光ファイバからそれぞれの誘電多層膜フィルタ4の透過スペクトルに対応する波長の信号光を入力することにより、入力光ファイバから波長多重光として出射することができ、光合波器としての利用も可能である。
<第2の実施形態>
図11,12は、本発明の第2の実施形態に係る光合分波器の斜視概略外観図である。図13は、図11,12に示すB−B矢視方向の断面図であり、当該光合分波器の概略側断面図である。なお、同図には、光合分波器内部を伝播する光線を概念的に示してある。図14は、当該光合分波器の光導波ブロックを底面から見た概略外観図である。
これらの図に示すように、第2の実施形態に係る光合分波器は、光入出力ブロック1と、光入出力ブロック1の上部の傾斜面14に搭載された光導波ブロック2と、光入出力ブロック1に固定された複数の光ファイバ3と、光導波ブロック2に固定された複数の誘電多層膜フィルタ4とから構成される。
本実施形態に係る光入出力ブロック1は、第1の実施形態に係る光入出力ブロックと比較して、傾斜面14の裏面は平坦面(階段面15は形成されていない。)であり、複数の光ファイバ3を固定するための複数の光ファイバ固定溝12は光導波ブロック2を搭載する傾斜面14に形成されている(裏面には形成されていない。)点において異なる。
光入出力ブロック1は、平面形状が略正方形のブロックであって、ブロック上面には、当該ブロックの一辺から対向する他辺に向かって傾斜する傾斜面14が形成され、光ファイバ固定溝12は、傾斜面14において、前記一辺から前記他辺に向かって形成された複数の溝から構成される。光ファイバ3は、光ファイバ固定溝12に嵌め込まれ、光ファイバ3の先端は、傾斜面14において突出したミラーアレイ部16に対向している。
本実施形態に係る光入出力ブロック1は、凹面ミラー11と光ファイバ固定溝12がひとつの金型によって成型可能なため、両者の相対位置を高い精度で調整することができるという利点がある。
本実施形態に係る光導波ブロック2は、主として図14に示すように、第1の実施形態に係る光導波ブロックと比較して、光導波ブロック正面壁部2cにおける空洞部21に臨む面には、複数の凹面ミラーが並んだ凹面リレーミラー27が形成され(反射面23は形成されていない)、光導波ブロック正面壁部2cと対向する側面は開口部となっている点において異なる。
光導波ブロック正面壁部2cと対向する側面である開口部には、複数の誘電多層膜フィルタ4を搭載する板状の透明部材である誘電多層膜フィルタ固定部材6が、開口部をふさぐように取り付けられている。
本実施形態に係る光導波ブロック2は、第1の実施形態に係る光導波ブロック2のような切り欠き部22を用いて誘電多層膜フィルタ4を固定する構造ではなく、上述するように、一側面を開口部とした構造としているため、凹面リレーミラー27を成型する際の金型を容易に挿入することができる。
なお、本実施形態では、誘電多層膜フィルタ固定部材6における光導波ブロック2の外側となる面に誘電多層膜フィルタ4を搭載した例を示しているが、誘電多層膜フィルタ固定部材6における空洞部21に臨む面に誘電多層膜フィルタ4を搭載してもよい。
なお、板状の誘電多層膜フィルタ固定部材6における誘電多層膜フィルタ4を搭載する面と対向する面(例えば、本実施形態では誘電多層膜フィルタ固定部材6における空洞部21に臨む面)には、この面での不要な反射を抑制するために無反射コートを行うことが望ましい。
本実施形態における光分波動作の原理は、第1の実施形態と異なることはなく、入力光ファイバから入力された波長多重光が凹面ミラー11で反射された後、光導波ブロック2に入射され、凹面リレーミラー27と誘電多層膜フィルタ4との間で反射を繰り返し、それぞれの誘電多層膜フィルタ4を透過した光を取り出すことで分波を行う。
しかしながら、光導波ブロック2の反射面が、平面ではなく凹面リレーミラー27を用いていることにより、以下の効果を奏する。図15は、第2の実施形態に係る光合分波器の概略内部構造図であり、内部における光路を図示してある。同図には、説明のため、光導波ブロック2の天井部2aを除去した状態で図示してあり、光ファイバ3、および光ファイバ3から凹面ミラー11までの光路は省略してある。
平面ミラーである反射面23を用いた第1の実施形態では空間を伝播する光が平行光線であったが、凹面リレーミラー27を用いることで、光路の途中にビームウェストがくる光となり、光を集光しながら伝播させるレンズ導波路と同様の光伝播形態とすることができる。このため、平面ミラーを用いた場合より光の損失を低減させることができる。特に、合分波する波長数が多くなり、光導波ブロック2内における反射回数が多くなった場合には、平面ミラーに比べて損失を大きく減らすことができる。
また、更に、凹面ミラー11として、パラボリック曲面でなく、集光特性を持った球面とすることにより、光ファイバから出射される光を平行光線ではなく集光した光線に変換することができるため、誘電多層膜フィルタ4の表面にビームウェストがくるように設計することができる。なお、図15には、凹面ミラー11として集光特性を持った球面とした例を示してある。
誘電多層膜フィルタ4の表面にビームウェストがくるように設計した場合には、平行光線の場合に比べて、誘電多層膜フィルタ4にあたるビームの面積が小さくなるため、誘電多層膜フィルタの面積を小さくすることができ、フィルタの製造コストを低減させることができる。また、誘電多層膜フィルタ4の狭い面積にビームを集中させることができるため、フィルタの面内ばらつきの影響も抑えることができるという利点がある。
なお、本実施形態に係る光合分波器においても、第1の実施形態に係る光合分波器と同様に、光の入出力方向を逆にすることにより光分波器としてだけではなく光合波器として利用することもできる。
上述するように、本実施形態に係る光合分波器によれば、第1の実施形態に係る光合分波器の有する効果に加えて、光導波ブロック2に凹面リレーミラー27を用いたことで光損失を削減することができ、更に凹面ミラー11に集光特性を持たせることで、誘電多層膜フィルタ4の面積の削減と面内ばらつきの影響を低減させることができる。また、光入出力ブロック1の傾斜面14に光ファイバ固定溝12を設けることで、光ファイバ3と凹面ミラー11の相対位置を高い精度で調整することができるという利点もある。
なお、本実施形態では、光導波ブロック正面壁部2cにおける空洞部21に臨む面には、複数の凹面ミラーが並んだ凹面リレーミラー27が形成された例を示したが、平面状の反射面を形成してもよい。
<第3の実施形態>
図16は、本発明の第3の実施形態に係る光合分波器の斜視概略外観図である。本実施形態に係る光合分波器の光入出力ブロック1は、同図に示すように、第2の実施形態に係る光入出力ブロックの傾斜面に形成した光ファイバ固定溝を形成する各溝間の突起部を除去した構造となっている。
すなわち、光入出力ブロック1の中央部分に光入出力ブロック平坦部1aを形成して、当該平坦部1aに複数の溝からなる光ファイバ固定溝12を形成し、光入出力ブロック1の対向する側部に光ファイバ3の光軸と平行な光入出力ブロック側壁部2bを形成し、光入出力ブロック側壁部2bの上面を一端から他端に向かって傾斜させて、傾斜面14としてある。
第1及び第2の実施形態に係る光合分波器では、光入出力ブロック2の傾斜面14の面積を大きくすることで、入出力ブロック1と光導波ブロック2との接触面積を広くし、両者の固定時の固定強度と精度の確保を図っている。これに対して、第3の実施形態に係る光合分波器では、光入出力ブロックにおける光ファイバ固定溝12を平坦部1aに形成した浅い溝により構成しているため、光ファイバの挿入、位置合わせ及び固定の作業性を高くすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る光合分波器の斜視概略外観図である。 第1の実施形態に係る光合分波器の斜視概略外観図である。 第1の実施形態に係る光合分波器の概略底面図である。 図1〜3に示すA−A矢視方向の断面図であり、第1の実施形態に係る光合分波器の概略側断面図である。 第1の実施形態に係る光合分波器の光導波ブロックを底面から見た概略外観図である。 第1の実施形態に係る光合分波器の概略内部構造図であり、内部における光路を図示してある。 光導波ブロックヘの入射ビームの角度が設計値からずれていた場合の不適正な光路を示す図である。 光導波ブロックの回転により入射ビームの角度ずれを補正するイメージを示したイメージ図である。 第1の実施形態に係る光合分波器の概略側断面図であり、光ファイバ押さえ部材を用いた例を図示している。 第1の実施形態に係る光合分波器の概略側断面図であり、貫通孔から突き出た光ファイバの先端の部分を拡大した図である。 本発明の第2の実施形態に係る光合分波器の斜視概略外観図である。 第2の実施形態に係る光合分波器の斜視概略外観図である。 図11,12に示すB−B矢視方向の断面図であり、第2の実施形態に係る光合分波器の概略側断面図である。 第2の実施形態に係る光合分波器の光導波ブロックを底面から見た概略外観図である。 第2の実施形態に係る光合分波器の概略内部構造図であり、内部における光路を図示してある。 本発明の第3の実施形態に係る光合分波器の斜視概略外観図である。 誘電多層膜を用いた従来の合分波器の概略構成図である。 非特許文献1に記載された従来の光分波器の概略構成図である。 特許文献1に記載された従来の光分波器の概略構成図である。
符号の説明
1 光入出力ブロック
1a 光入出力ブロック平坦部
1b 光入出力ブロック側壁部
2 光導波ブロック
2a 光導波ブロック天井部
2b 光導波ブロック側壁部
2c 光導波ブロック正面壁部
2d リブ
3 光ファイバ
3a,3b,3c・・・ 光ファイバ
4 誘電多層膜フィルタ
4a,4b,4c・・・ 誘電多層膜フィルタ
5 光ファイバ押さえ部材
6 誘電多層膜フィルタ固定部材
11a,11b,11c・・・ 凹面ミラー
11 凹面ミラー
12 光ファイバ固定溝
13 貫通孔
14 傾斜面
15 階段面
15a 上段面
15b 下段面
16 ミラーアレイ部
17 光ファイバ突き当て部
21 空洞部
22 切り欠き部
22a,22b,22c・・・ 切り欠き部
23 反射面
24 くぼみ部
27 凹面リレーミラー
101 保持部材
102-1〜102-4 誘電多層膜フィルタ
103-1〜103-5 光ファイバ
104-1〜104-5 レンズ
106 波長選択フィルタ
107 光ファイバ
109 第1のレンズ
110 第2のレンズ
200 主光学ブロック
201a〜201c 収束リフレクタ
202a〜202d 波長特定フィルタ
203 入射ファイバ
204 反射面
205 レンズアレイブロック
206a レンズ
208 突起部

Claims (10)

  1. 光合分波器に信号を入出力する受発光手段と、
    前記受発光手段を位置決めする受発光手段固定構造と、当該受発光手段固定構造に固定される前記受発光手段からの出力光の光軸上に形成された反射集光素子と、前記出力光に対する当該反射集光素子からの反射光の光軸と平行な傾斜面とが一体形成されてなる光入出力ブロックと、
    前記傾斜面の上に搭載され、光線分岐素子と反射面とが光を伝播する空洞部を介して一体形成されてなると共に当該光線分岐素子及び反射面を前記反射光の光軸上に位置決めする光導波ブロックと、からなることを特徴とする光合分波器。
  2. 請求項1に記載する光合分波器において、
    前記反射集光素子は、前記受発光手段の端面又はその近傍に焦点を有するパラボリック曲面からなる凹面ミラーであることを特徴とする光合分波器。
  3. 請求項1に記載する光合分波器において、
    前記反射集光素子は、前記受発光手段の端面から当該反射集光素子までの距離の約2倍の曲率半径を有する球面からなる凹面ミラーであることを特徴とする光合分波器。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載する光合分波器において、
    前記反射集光素子へ入射する入射光の光軸と、当該反射集光素子から反射する反射光の光軸とのなす角度が20度以下であることを特徴とする光合分波器。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載する光合分波器において、
    前記光入出力ブロックは、上面に当該ブロックの一辺から対向する他辺に向かって下に傾斜する傾斜面が形成され、下面に前記傾斜面の傾斜上方部分の下方に位置する上段面と傾斜下方部分の下方に位置する下段面とからなる階段面が形成され、前記傾斜面の傾斜下方部分において突出し、前記反射集光素子が複数個、アレイ状に形成されたミラーアレイ部が形成されてなり、
    前記受発光手段固定構造は、前記階段面に形成された複数の溝であり、当該複数の溝は、前記一辺側から前記他辺側に向かうと共に前記傾斜面の中腹部分から貫通して、前記複数の反射集光素子と対向するように形成されていることを特徴とする光合分波器。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載する光合分波器において、
    前記光入出力ブロックは、上面に当該ブロックの一辺から対向する他辺に向かって下に傾斜する傾斜面が形成され、前記傾斜面の傾斜下方部分において突出し、前記反射集光素子が複数個、アレイ状に形成されたミラーアレイ部が形成されてなり、
    前記受発光手段固定構造は、前記傾斜面に形成された複数の溝であり、当該複数の溝は、前記一辺側から前記他辺側に向かって前記複数の反射集光素子と対向するように形成されていることを特徴とする光合分波器。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載する光合分波器において、
    前記光導波ブロックは、板状の天井部と当該天井部の下面からコ字状に突出した正面壁部と一対の側壁部とからなり、内部に空洞部を有する一側面を欠いた箱形状のブロックであり、
    前記一側面には、前記光線分岐素子を複数個、アレイ状に固定するための切り欠き部が形成され、前記正面壁部における前記空洞部に臨む面には平面状の反射面が形成され、
    当該光導波ブロックは、前記側壁部の頂上面が前記傾斜面に接地して、前記光入出力ブロックに搭載されていることを特徴とする光合分波器。
  8. 請求項1ないし6のいずれかに記載する光合分波器において、
    前記光導波ブロックは、板状の天井部と当該天井部の下面からコ字状に突出した正面壁部と一対の側壁部とからなり、内部に空洞部を有する一側面を欠いた箱形状のブロックであり、
    前記一側面には、前記光線分岐素子を複数個、アレイ状に搭載した板状固定部材が設置され、前記正面壁部における前記空洞部に臨む面には平面状の反射面が形成され、
    当該光導波ブロックは、前記側壁部の頂上面が前記傾斜面に接地して、前記光入出力ブロックに搭載されていることを特徴とする光合分波器。
  9. 請求項1ないし6のいずれかに記載する光合分波器において、
    前記光導波ブロックは、板状の天井部と当該天井部の下面からコ字状に突出した正面壁部と一対の側壁部とからなり、内部に空洞部を有する一側面を欠いた箱形状のブロックであり、
    前記一側面には、前記光線分岐素子を複数個、アレイ状に搭載した板状固定部材が設置され、前記正面壁部における前記空洞部に臨む面にはアレイ状の第2の反射集光素子が形成され、
    当該光導波ブロックは、前記側壁部の頂上面が前記傾斜面に接地して、前記光入出力ブロックに搭載されていることを特徴とする光合分波器。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載する光合分波器において、
    前記側壁部の頂上面には、前記光入出力ブロックを挟み込むようにリブが設けられていることを特徴とする光合分波器。
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