JP2005298852A - ブレーキ用回転体 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミ合金製基材の摩擦摺動面をセラミックス溶射層で被覆したブレーキ用回転体について、アルミ合金製基材表面に直接溶射されたセラミックス溶射層との結合強度を高めて剥離を防止しつつ耐久性を向上させるようにすること。
【解決手段】アルミ合金(アルミMMCを含む)製基材1の摩擦摺動面をセラミックス溶射層3で被覆したブレーキ用回転体において、上記アルミ合金製基材1の上記摺動面をアルマイト処理してアルマイト層2を形成し、当該アルマイト層2の上に上記セラミックス溶射層3を形成しているブレーキ用回転体。
【選択図】図 1

Description

この発明はブレーキディスク、ブレーキドラム等のブレーキ用回転体、殊に軽量なアルミ合金製(アルミMMCを含む)のブレーキ用回転体に関するものであり、その摺動面にセラミックスを溶射してセラミックス溶射層を形成してその耐摩耗性を向上させたアルミ合金製のブレーキ用回転体について、アルミ合金製基材表面に対するセラミックス溶射層の結合を強化し、かつその耐久性を向上させることができるものであり、特に、自動車、自動二輪車、マウンティングバイク、鉄道車両等のブレーキ用回転体に利用するとき極めて有効なものである。
ディスクブレーキ、ブレーキドラム等のブレーキ用回転体には、強度、耐摩耗性、熱伝導性などの様々な特性が求められるために鋳鉄(FC)製のものが一般的に用いられている。
他方、自動車等の乗り物のブレーキ装置のブレーキ用回転体はバネ下部品であり、しかも高速で回転し、急速に加速・減速されるものであることから、近年では軽量化のため、さらには操縦性向上のためにアルミ合金製のブレーキディスクが実用され、その1つとして、アルミMMC(アルミ複合体)、すなわち、アルミ合金中にセラミックス(Al2 3 ,SiC,MgO,SiO2 ,ZrO2 ,WC等)を添加して耐摩耗性を向上させたものがある。しかし、アルミMMC等のアルミ合金は、熱伝導性は高いものの融点が比較的低い(660℃)ので、高ブレーキ負荷、高温下での耐摩耗性に問題があり、したがって耐久性に問題がある。
また、アルミ合金製のブレーキディスクの耐久性向上のために、その摺動面に耐摩耗性が高い炭素鋼、ステンレス鋼などを溶射して当該摺動面を耐摩性溶射層で被覆するものがあり、この場合、アルミ合金製基材と被覆層との密着性、結合性を高めて金属溶射層の剥離を防止するために、ニッケルを主成分とする溶射中間層を介在させたものがある(特開平7−224868号公報)。このものは被覆層が炭素鋼、ステンレス鋼等の耐摩性金属溶射層であることから、その耐久性が必ずしも十分ではない。
また、アルミ合金製ブレーキディスクの耐久性向上のために、その摺動面をセラミックス溶射層で被覆したものがあり、このものは被覆層がセラミックス溶射層であることから炭素鋼、ステンレス鋼等の耐摩性金属溶射層で被覆したものに比して耐摩性が優れている。ところが、アルミMMC(熱膨張率:17×10- 6℃)とセラミックス溶射層(熱膨張率:9×10-6℃)は熱膨張率の差が大きいため、両者間の温度差のためにセラミックス溶射層がアルミMMC製ディスク基材表面から剥離する。この温度差を可及的に小さくするためにセラミックス溶射層を0.2〜0.5mmにしているが、セラミックス溶射層が薄いために耐久性に問題がある。
アルミ合金製ディスク基材表面に対するセラミックス溶射層の結合を強化してその剥離性を低減するために、ニッケルを主成分とする中間層を溶射して形成するものがある(特開平5−44753号公報、以下これを「従来技術」という)。これは、アルミMMCとセラミックス溶射層の両方に対して優れた結合性を有するニッケル主成分の中間層を介在させることによってアルミMMC基材に対するセラミックス溶射層の結合を強化しものであるが、ニッケル主成分の中間層が介在するためのアルミMMC基材とセラミックス溶射層間の温度差が増大することからその間の熱膨張差が大きくなり、界面にかかる応力が増大するために、セラミックス溶射層を厚くすることができず、したがって、耐久性の問題が残されている。
特開平7−224868号公報 特開平5−44753号公報
この発明は、アルミ合金(アルミMMCを含む)製基材の摩擦摺動面をセラミックス溶射層で被覆したブレーキ用回転体について、アルミ合金製基材表面に直接溶射されたセラミックス溶射層との結合強度を高めて剥離を防止しつつ耐久性を向上させられるようにすることをその課題とするものである。
上記課題を解決するための手段は、ブレーキ用回転体のアルミ合金製基材の摺動面をアルマイト処理してアルマイト層(陽極酸化被膜)を形成し、当該アルマイト層の上にセラミックス溶射層を形成したことである。
〔作用〕
アルミ合金製基材の摺動面にアルマイト処理で形成されたアルマイト層は基材表層の一部(基材層から成長した酸化層)であり、その間の界面強度は極めて高い。また、上記アルマイト層はセラミックス溶射層と同様のアルミナであるので溶着性が高く、アルマイト層表面は微小凹凸面であるから、セラミックス溶射層とアルマイト層とが機械的に結合し一体化されて強固に結合され、さらに、アルマイト層とセラミックス溶射層はともにアルミナであることから熱膨張率がほぼ同じである。したがって、アルミ合金製基材表層とセラミックス溶射層間の結合強度は強く、しかもその界面にかかる応力は小さいので熱膨張差によってセラミックス溶射層がアルマイト層から剥離することはない。
したがって、アルミ合金製基材表面層に比較的厚いセラミックス溶射層を形成してもこれがアルミ合金製基材から剥離することはないので、セラミックス溶射層を厚くすることができ、セラミックス溶射層を厚くできる分だけその耐久性が向上される。
以上のとおり、ブレーキ用回転体のアルミ合金製回転体基材のブレーキ面にアルマイト処理によるアルマイト層を形成し、その上にセラミックス溶射層を形成したことで、温度差によって応力がかかる位置を基材表面層とアルマイト層との界面にすることで、セラミックス溶射層との界面に上記応力がかかることを回避し、これによって、熱応力によってセラミックス溶射層が剥離することを確実に防止することができ、その結果、セラミックス溶射層を厚く形成することができるので、ブレーキ用回転体の耐久性を著しく向上させることができる。
また、上記のアルマイト処理は低コストでなされるので、セラミックス溶射層の剥離防止のためにニッケル主成分の溶射層を中間層とする従来技術に比して、ブレーキ回転体の製造コストが著しく低い。
〔実施態様1〕
実施態様1は、上記解決手段における、アルマイト処理によるアルマイト層の厚さが、0.01〜0.1mmであることである。
〔作用〕
アルマイト処理にアルマイト層の厚さが0.01mm以下では、アルマイト層が介在することによる上記作用効果が顕著でなく、他方、0.1mm以上では、比較的靭性に劣る上記アルマイト層が厚すぎて、衝撃等によりアルマイト層が破壊されるので、その結果、セラミックス溶射層のアルミ合金製基材への結合強度が損なわれる可能性がある。
〔実施態様2〕
実施態様2は、上記解決手段におけるセラミックス溶射層の厚さが0.6〜1.0mmであることである。
〔作用〕
セラミックス溶射層の厚さを0.6以上にすることで上記従来技術によるものよりも耐久性が高い。他方、セラミックス溶射層の厚さが1.0mm以上では、セラミックス溶射層形成のためのコストが著しく高くなり、またこれ以上厚くても格別のメリットはない。
〔実施態様3〕
実施態様3は、上記解決手段におけるブレーキ用回転体のアルミ合金製基材が、アルミMMC製であり、そのアルミMMCのセラミックス体積含有率が15〜50%であることである。
〔作用〕
アルミMMC中のセラミックス体積含有率が15%以下では、熱膨張率が20×10-6℃以上と大きく、溶射層(9×10-6℃)との熱膨張差が大きくなり、結合強度が低く、剥離してしまう。
他方、セラミックス体積含有率が50%を越えると熱膨張率は低下し、溶射層の9×10-6℃に近づくが、切削加工性が悪く、コストアップの要因となる。
この発明は鉄道車両、自動車等の過酷な条件下で作動するブレーキ装置に適用するのが最も効果的であるから、この発明を自動車用ディスクブレーキに適用した実施例1、自動車用ドラムブレーキに適用した実施例2を図面を参照しながら説明する。
実施例1の外径275mmのブレーキディスク基材1はアルミMMC製であり、このアルミMMCのセラミックス体積含有率は40%である。このブレーキディスクのブレーキパッドとの摺動面をアルマイト処理して、厚さ(深さ)0.03mmのアルマイト層2を形成している。このときのブレーキディスク基材1の熱膨張率は17×10-6℃であり、アルマイト層2の熱膨張率は7〜9×10-6℃である。
そして、上記アルマイト層2の上にアルミナ(Al2 3 )を溶射して厚さ0.8mmのアルミナ溶射層3を形成している。
アルマイト層2表面は微小凹凸面であるから、セラミックス溶射層3とアルマイト層2とが機械的に結合一体化して強固に結合する。さらに、アルミナ溶射層3の熱膨張率は9〜10×10-6℃であって、アルマイト層2の熱膨張率とほとんど違いがないので、両者の結合面(界面)における熱膨張差による応力は極めて小さい。
なお、ブレーキディスク基材1とアルマイト層2間の熱膨張差は大きいが、アルマイト層2は上記基材から成長した酸化層であるので、これらの界面4の界面強度は極めて強いので、この界面4が熱膨張差のために破壊されることはない。
実施例2の内径228.6mmのブレーキドラム基材21はアルミMMC製であり、セラミックスの体積含有率が40%のものである。このブレーキドラムのブレーキ面をアルマイト処理して、厚さ(深さ)0.05mmのアルマイト層22を形成している。このときのブレーキドラム基材21の熱膨張率は17×10-6℃であり、アルマイト層22の熱膨張率は7〜9×10-6℃である。
そして、上記アルマイト層22の上にアルミナ(Al2 3 )を溶射して厚さ0.6mmのアルミナ溶射層23を形成している。
ブレーキドラム基材21とアルマイト層22間の熱膨張差は大きいが、上述のように、これらの界面24の界面強度は極めて強いので、この界面24が熱膨張差のために破壊されることはない。
〔変形例〕
図3は実施例2の変形例であり、ブレーキドラム基材31をアルミ合金製とし、これに厚さ5mmのアルミMMC製(セラミックスの体積含有率が40%)円筒体30を嵌着している。この円筒体の内面を予めアルマイト処理して厚さ(深さ)0.05mmのアルマイト層32を形成してあり、このアルマイト層32の内表面にアルミナ(Al2 3 )を溶射して厚さ0.6mmのアルミナ溶射層33を形成している。
〔効果確認〕
実施例1のものと従来技術との耐久性比較試験結果について説明する。
比較対象の従来技術によるものは、そのニッケル主成分の中間層の厚さが0.2mm、アルミナ溶射層の厚さが0.3mmである。
試験条件は、減速度5.88m/s2(0.6G),速度100Km/h→0Km/h制動後冷却を行い、制動開始温度100℃として繰り返して制動を行った。制動回数50回である。
試験結果
従来技術によるものロータ摺動面に微小クラックが発生し、摩擦係数は0.2μと低下した。
制動面の最高温度590℃。
実施例1:ロータ摺動面に大きなダメージがなく摩擦係数は0.25μであった。
制動面の最高温度610℃。
(イ)は実施例1の断面図、(ロ)は(イ)のA部拡大図である。 (イ)は実施例2の断面図、(ロ)は(イ)のB部拡大図である。 (イ)は実施例2の変形例の断面図、(ロ)は(イ)のC部拡大図である。
符号の説明
1・・・ブレーキディスク基材
2,22,32・・・アルマイト層(陽極酸化被膜)
3,23,33・・・アルミナ溶射層
21・・・ブレーキドラム基材
30・・・円筒体

Claims (5)

  1. アルミ合金(アルミMMCを含む)製基材の摩擦摺動面をセラミックス溶射層で被覆したブレーキ用回転体において、
    上記アルミ合金製基材の上記摺動面をアルマイト処理してアルマイト層を形成し、当該アルマイト層の上に上記セラミックス溶射層を形成しているブレーキ用回転体。
  2. 上記アルマイト処理によるアルマイト層の厚さが、0.01〜0.1mmである請求項1のブレーキ用回転体。
  3. 上記セラミックス溶射層の厚さが0.6〜1.0mmである請求項1のブレーキ用回転体。
  4. 上記セラミックスがアルミナである、請求項1乃至請求項3のブレーキ用回転体。
  5. 上記ブレーキ用回転体のアルミ合金製基材が、アルミMMC製であり、該アルミMMCのセラミックス体積含有率が15〜50%である請求項1乃至請求項4のブレーキ用回転体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017009105A (ja) * 2015-06-16 2017-01-12 現代自動車株式会社Hyundai Motor Company ドラムインハットブレーキディスク及びその製造方法
JP2017523353A (ja) * 2014-06-14 2017-08-17 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG 自動車用ブレーキディスク
DE102012111072B4 (de) 2011-11-24 2023-07-06 Shimano Inc. Fahrradscheibenbremsrotor

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