JP2005295014A - 圧電発振器の周波数温度特性の補償方法、温度補償型発振器およびこれを用いた電子機器 - Google Patents

圧電発振器の周波数温度特性の補償方法、温度補償型発振器およびこれを用いた電子機器 Download PDF

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【課題】 補償電圧信号に位相飛びを生じることがなく、かつ圧電素子の周波数温度特性を高精度に温度補償する圧電発振器の周波数温度特性の補償方法、温度補償型発振器およびこれを用いた電子機器を提供する。
【解決手段】 温度補償型発振器10は、電圧制御発振器12に搭載された圧電素子と、前記圧電素子の温度を計測する温度センサ16と、前記温度センサ16の計測結果に基づいて、前記圧電素子の使用温度における基準温度よりも低温側または高温側の周波数温度特性を補償するための第1補償電圧を発生する温度補償回路20と、前記温度センサ16の計測結果に基づいて、前記基準温度よりも前記高温側または前記低温側の前記周波数温度特性を補償するための第2補償電圧を発生する補正回路30と、前記温度補償回路と前記補正回路30とから出力した電圧を加算して、前記電圧制御発振器12に出力する加算器40と、を備えた構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は温度補償型発振器に係り、特に高精度の温度補償を行える圧電発振器の周波数温度特性の補償方法、温度補償型発振器およびこれを用いた電子機器に関する。
温度補償型発振器は携帯電話のクロック信号源等に幅広く利用されている。図4に従来技術に係る温度補償型発振器の説明図を示す。従来技術に係る温度補償型発振器1は、圧電素子を搭載した電圧制御発振器2と、圧電素子の温度を計測する温度センサ3と、温度センサ3の計測結果に基づいて前記圧電素子の周波数温度特性を補償する電圧発生回路4と、この電圧発生回路4において3次の関数で表される電圧信号を発生するための係数を記憶したメモリ5とから主に構成されている。
図5に従来技術に係る温度補償型発振器1の温度補償方法を説明するグラフを示す。ここで図5(a)は温度補償型発振器1に搭載され、3次関数で近似される圧電素子の周波数温度特性である。図5(b)は電圧発生回路4から出力される電圧信号と、温度センサ3で計測された温度との関係を示す電圧対温度の特性である。図5(c)温度補償型発振器1の周波数温度特性である。
まず図5(a)に示される周波数温度特性の全領域から複数の特定点が選ばれ、この特定点の座標から、周波数温度特性の3次関数で表される近似式を求める。この近似式から、電圧発生回路4から出力すべき補償電圧信号(図5(b)参照)を表す3次関数の係数が求められる。この係数はメモリ5に記憶される。そして電圧発生回路4に設けられた3次関数発生回路6、2次関数発生回路7および1次関数発生回路8は、温度センサ3で計測された温度とメモリ5に記憶された係数とに基づいて各次の関数毎に電圧信号を発生し、オフセット発生回路9はメモリ5に記憶された係数に基づいて電圧信号を発生し、各電圧信号は加算器で加算した後、補償電圧信号として電圧制御発振器2へ出力される。電圧制御発振器2は、入力された補償電圧信号に基づいて発振する。これにより温度補償型発振器1の周波数温度特性は±1.5ppmの精度で補償される(図5(c)参照)。
また温度補償型発振器の温度補償の方法については、特許文献1および2に開示されている。そして特許文献1には、3次関数で表される補償電圧を電圧制御水晶発振器に出力して、3次関数で近似される水晶振動子の周波数温度特性を補償し、これにより補償しきれない周波数温度特性を、N次関数で表される温度補償電圧を電圧制御発振器に出力して相殺することが開示されている。また特許文献2には、3次関数で近似される水晶振動子の周波数温度特性を低温域、中温域および高温域に分割し、低温域および高温域を補償する指数関数的に表される補償予備電圧と、中温域を補償する一次関数的な補償電圧とを加算して3次曲線的な補償電圧を得ることが開示されている。
特開平11−68461号公報 特開2000−269738号公報
しかしながら、3次関数で表される圧電素子の周波数温度特性を、低温側から高温側まで一貫して補償する場合、圧電素子の周波数温度特性と、この圧電素子の周波数温度特性を補償するための周波数温度特性とが一致せず、圧電素子を温度補償しきれない問題点がある。
また小型化された圧電素子、例えばATカット圧電振動子を温度補償型発振器に用いる場合、圧電振動片の振動領域と、圧電振動片をパッケージ上に実装する支持部とが近いために、圧電振動片を実装する導電性接着剤の影響を受けて前記支持部に励振された振動が残り、特に低温側の周波数温度特性に歪みを生じさせる問題がある。すなわち周波数温度特性の変曲点よりも低温側において、圧電素子の周波数温度特性にずれが生じ、変曲点よりも低温側と高温側とで異なる係数で表される3次関数となる問題点がある。また低周波数を励振するATカット圧電振動子は、圧電振動片上において振動に寄与する領域が広いために、励振された振動が支持部に残り、特に低温側の周波数温度特性に歪みを生じさせる問題がある。このような場合には、周波数温度特性の低温側から高温側までを1つの係数で表される3次関数で近似することができず、周波数温度特性の使用温度範囲の全領域で高精度に温度補償することは不可能である。
さらに補償電圧信号をディジタル信号として電圧制御発振器に入力させる場合、補償電圧信号は温度毎に離散的な周波数偏差となり、連続的な周波数偏差を取れないので、補償電圧信号に量子化誤差が発生する問題点がある。この量子化誤差は、圧電素子の温度が変化して信号振幅が変わると位相飛びを生じさせる問題点がある。そして温度補償型発振器を携帯電話等の通信機器に用いる場合、補償電圧信号に位相飛びが生じると、例えば基地局との同期が取れない等の通信エラーが発生する問題点がある。
さらにまた特許文献1または2に開示される温度補償方法は、圧電素子の温度によって使用する温度補償回路を切り替えるので、この切り替えによって位相飛びが発生する問題点がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、補償電圧信号に位相飛びを生じることがなく、かつ圧電素子の周波数温度特性を高精度に温度補償する圧電発振器の周波数温度特性の補償方法を提供することを目的とする。
また上記温度補償を行える温度補償型発振器およびこれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る圧電発振器の周波数温度特性の補償方法は、圧電素子の3次関数で表される周波数温度特性の基準温度より低温側または高温側における、前記基準温度に対応した基準周波数に対する周波数変動に応じて変化する第1補償電圧を発生させて、前記周波数変動を補償するとともに、補償後の前記高温側または前記低温側における、前記基準周波数に対する周波数変動を高次関数に基づいて変化する第2補償電圧を発生させて補償する、ことを特徴としている。この場合、前記高次関数を3次関数とすることができる。これにより基準温度よりも低温側または高温側のいずれかに特化して周波数温度特性を補償し、さらに補償しきれない高温側または低温側の周波数特性を補償するので、周波数温度特性の全領域にわたって高精度に温度補償できる。
また周波数温度特性が3次関数で表される圧電素子の使用温度範囲における基準温度よりも低温側または高温側で前記圧電素子の周波数温度特性を求め、求めた前記周波数温度特性を補償する第1の高次関数で表される補償特性を求め、前記補償特性を得るための、電圧制御発振器を発振させる第1補償電圧を発生させて、前記周波数制御特性を補償し、補償後の周波数温度特性の前記高温側または前記低温側を補償する第2の高次関数で表される補正特性を求め、前記補正特性を得るための、電圧制御発振器を発振させる第2補償電圧を発生させて、補償後の前記周波数制御特性を補償する、ことを特徴としている。この場合、前記高次関数を3次関数とすることができる。
これにより基準温度よりも低温側または高温側において、周波数温度特性の周波数変動を相殺する電圧制御発振器の出力を得るための第1補償電圧の関数が得られる。そしてこの関数に基づいて電圧信号を出力すると、低温側または高温側に特化して周波数温度特性を補償できる。また補償後の周波数温度特性の周波数変動を相殺する電圧制御発振器の出力を得るための第2補償電圧の関数が得られる。この関数に基づいて電圧信号を出力すると、第1補償電圧を出力することにより補償しきれなかった周波数温度特性を補償できる。この第2補償電圧に、より高次の関数を用いると、周波数温度特性をより高精度に温度補償できる。
また本発明に係る温度補償型発振器は、電圧制御発振器に搭載された圧電素子と、前記圧電素子の温度を計測する温度センサと、前記温度センサの計測結果に基づいて、前記圧電素子の使用温度における基準温度よりも低温側または高温側の周波数温度特性を補償するための第1補償電圧を発生する温度補償回路と、前記温度センサの計測結果に基づいて、前記基準温度よりも前記高温側または前記低温側の前記周波数温度特性を補償するための第2補償電圧を発生する補正回路と、前記温度補償回路と前記補正回路とから出力した電圧を加算して、前記電圧制御発振器に出力する加算器と、を備えたことを特徴としている。これにより温度補償回路と補正回路とから出力される電圧信号を加算した電圧信号(補償電圧信号)に基づいて電圧制御発振器を発振させると、温度補償型発振器の使用温度範囲の全領域において、温度補償型発振器を高精度に温度補償することができる。また計測される圧電素子の温度にかかわりなく、温度補償回路と補正回路とから電圧信号が出力されるので、位相飛びが発生することがなく、温度補償型発振器から安定した信号を出力できる。
また前記温度補償回路と前記補正回路とは高次関数で表される電圧を発生することを特徴としている。これにより3次関数で表される圧電素子の周波数温度特性を高次関数に基づいて温度補償できる。また補正回路においてより高次の関数を用いると、周波数温度特性をより高精度に温度補償することができる。
また前記温度補償回路は3次関数発生回路、1次関数発生回路およびオフセット発生回路を備え、前記補正回路は3次関数発生回路と1次関数発生回路とを備えたことを特徴としている。これにより温度補償回路と補正回路とに2次関数発生回路を設けない構成にでき、温度補償型発振器を小型化することができる。
また前記電圧制御発振器はアナログの電圧を入力することを特徴としている。これにより電圧制御発振器に入力される電圧信号(補償電圧信号)に量子化誤差が発生することがないので、量子化誤差に起因した位相飛びが発生することがない。したがって安定した信号を出力することができる。
また本発明に係る電子機器は、温度補償型発振器を備えたことを特徴としている。これにより温度補償型発振器を搭載してクロック信号源として使用する場合、通信機器は安定し、かつ高精度の周波数信号を得ることができる。
以下に、本発明に係る圧電発振器の周波数温度特性の補償方法、温度補償型発振器およびこれを用いた電子機器の好ましい実施の形態について説明する。図1に本実施の形態に係る温度補償型発振器の概略構成図を示す。温度補償型発振器10は、圧電素子(不図示)を内部に備えた電圧制御発振器12と、この電圧制御発振器12に温度補償信号を出力する電圧発生回路14と、前記圧電素子の温度を計測する温度センサ16と、電圧発生回路14において3次の関数で表される電圧信号を発生するための係数を記憶したメモリ18と、から主に構成されている。なお前記圧電素子の周波数温度特性は3次関数で近似される。
前記電圧発生回路14は温度補償回路20と補正回路30とを備えている。温度補償回路20は、前記圧電素子の周波数温度特性の周波数変動に応じた第1補償電圧を発生するものであり、高次の関数発生回路とオフセット発生回路28とを備えている。前記高次の関数発生回路は、3次関数の電圧信号を発生する3次関数発生回路22と、2次関数の電圧信号を発生する2次関数発生回路24と、1次関数の電圧信号を発生する1次関数発生回路26とを備えている。オフセット発生回路28は、電圧制御発振器12から出力される周波数信号の周波数偏差対温度の特性を保ったまま周波数を可変するよう電圧信号を発生するものである。
また補正回路30は、周波数温度特性の周波数変動に応じて第2補償電圧を発生するものであり、高次の関数発生回路、すなわち3次関数の電圧信号を発生する3次関数発生回路32と、2次関数の電圧信号を発生する2次関数発生回路34と、1次関数の電圧信号を発生する1次関数発生回路36と、オフセット発生回路38とを備えている。ここで、高次関数とは3次以上の関数をいうものとする。そして温度補償回路20の各次の関数発生回路およびオフセット発生回路28と、補正回路30の各次の関数発生回路およびオフセット発生回路38との電圧信号の出力側に加算器40が設けられている。この加算器40の後段には電圧制御発振器12が設けられている。
図2は、温度補償型発振器10の温度を基準温度(25℃)に保った状態で、電圧制御発振器12へ入力される補償電圧を変化させた場合における電圧制御発振器12の出力信号の周波数偏差の変化を示すグラフである。本実施形態の電圧制御発振器12が、基準温度25℃において、2Vの補償電圧を入力すると、電圧制御発振器12の出力信号の周波数偏差が0ppmとなり、出力信号の周波数は基準周波数と一致する。
前記温度センサ16は前記圧電素子の近傍に設けられ、温度センサ16の後段に温度補償回路20の各次の関数発生回路と、補正回路30の各次の関数発生回路とが設けられている。
前記メモリ18は、温度補償回路20の各次の関数発生回路およびオフセット発生回路28と、補正回路30の各次の関数発生回路およびオフセット発生回路38とにおいて、電圧信号を発生する際に必要となる各関数の係数を記憶しておくものである。そしてメモリ18の後段に温度補償回路20の各次の関数発生回路、オフセット発生回路28と、補正回路30の各次の関数発生回路、オフセット発生回路38とが接続され、各関数に対応した係数が各発生回路に出力される。例えばメモリ18に記憶されている3次の関数の係数Bは、温度補償回路20の3次関数発生回路22に出力される。
なお前記圧電素子は、3次関数で近似される周波数温度特性で表されるものが用いられ、例えばATカットされた圧電振動子や、オイラー角が(0°、113°〜135°、±(40°〜49°))で表される水晶基板を用いた弾性表面波共振子を用いることができる。
次に、温度補償型発振器10の温度補償方法について説明する。図2に本実施の形態に係る温度補償型発振器10の温度補償方法を説明するグラフを示す。ここで図2(a)は温度補償型発振器10に搭載された圧電素子の3次関数で近似される周波数温度特性のうち、変曲点よりも低温側の前記特性(記号◆で示される特性)と、温度補償回路20のみから出力された補償電圧信号に基づいて、前記圧電素子の周波数温度特性を補償するための周波数温度特性(記号■で示される特性)である。図2(b)は温度補償回路20から出力された第1補償電圧の電圧対温度の特性である。図2(c)は図2(a)に示された2つの特性が合成されたときの周波数温度特性である。図2(d)は補正回路30から出力された第2補償電圧の電圧対温度の特性である。図2(e)は温度補償型発振器10の周波数温度特性である。
前記圧電素子の周波数温度特性の変曲点は、前記圧電素子の使用温度範囲の基準温度に位置するよう調整されている。したがって、例えば使用温度範囲が−35℃〜85℃であれば基準温度は25℃となるので、前記変曲点は25℃に位置することになる。まず温度補償方法は、使用温度範囲の基準温度よりも低温側の領域において、任意の温度における周波数偏差が複数求められる。この複数求められた周波数偏差と温度との関係から、前記圧電素子の低温側における周波数温度特性が求められる。そして求められた周波数温度特性上に複数の特定点を選び、この特定点の座標が求められる。求められた複数の座標からは、前記圧電素子の周波数温度特性を補償するための周波数温度特性(以下、補償特性という)が求められ(図2(a)参照)、この補償特性は高次関数(第1の高次関数)で表される。補償特性からは第1補償電圧、すなわち温度補償回路20のみから出力された電圧信号を加算して、電圧発生回路14から出力すべき補償電圧信号の電圧対温度特性(図2(b)参照)を表す3次関数の係数が求められる。そして図2(a)に示される前記圧電素子の周波数温度特性を補償特性により補償すると図2(c)に示される特性になる。この図2(c)に示される特性は、変曲点よりも低温側の周波数温度特性に合わせて補償したため、高温側においては周波数温度特性を補償できていない。
そこで図2(c)に示される特性の高温側、すなわち変曲点が位置する温度よりも高温側の前記特性上に複数の特定点を選び、この特定点の座標が求められる。求められた複数の座標からは、前記特性を補償するための周波数温度特性(以下、補正特性という)が求められる。この補正特性は高次関数(第2の高次関数)で表され、補正回路30のみから出力された電圧信号(第2補償電圧)によって得られる。そして補正特性からは、補正回路30から出力すべき電圧信号の電圧対温度特性(図2(d)参照)を表す3次関数の係数が求められる。なお補正回路30から出力すべき電圧信号の電圧対温度特性は3次以上の関数で表されるように求めればよく、より高次の関数で表すことにより補償の精度が向上する。
そして温度補償回路20の3次関数発生回路22、2次関数発生回路24、1次関数発生回路26およびオフセット発生回路28から出力される電圧信号(図2(b)参照)と、補正回路30の3次関数発生回路32、2次関数発生回路34、1次関数発生回路36およびオフセット発生回路38とから出力される電圧信号(図2(d)参照)を加算器40で加算し、補償電圧信号として電圧制御発振器12に出力し、電圧制御発振器12が補償電圧信号に基づいて周波数信号を出力すると、温度補償型発振器10の周波数温度特性は図2(e)に示される特性になり、±0.5ppmの精度で補償される。また補正回路30から出力される電圧信号を、さらに高次の関数(4次以上の関数)とすると、さらに高精度で周波数温度特性が補償される。
なお上述した実施の形態では、最初に周波数温度特性の変曲点よりも低温側において補償特性を生成し、その後変曲点よりも高温側において補正特性を生成した形態で説明したが、最初に周波数温度特性の変曲点よりも高温側において補償特性を生成し、その後変曲点よりも低温側において補正特性を生成してもよい。
次に、温度補償型発振器10の作用について説明する。上述した方法により求められた温度補償回路20の3次関数発生回路22、2次関数発生回路24、1次関数発生回路26およびオフセット発生回路28から出力すべき電圧信号のそれぞれの係数と、補正回路30の3次関数発生回路32、2次関数発生回路34、1次関数発生回路36およびオフセット発生回路38から出力すべき電圧信号のそれぞれの係数とはメモリ18に記憶されている。そしてメモリ18に記憶された係数は、それぞれ各次の関数発生回路とオフセット発生回路とに出力されている。また温度センサ16で計測された前記圧電素子の温度は、各次の関数発生回路に出力されている。
そして温度補償回路20の3次関数発生回路22は3次関数の電圧信号を発生し、2次関数発生回路24は2次関数の電圧信号を発生し、1次関数発生回路26は1次関数の電圧信号を発生し、オフセット発生回路28は補償特性の周波数偏差を調整する電圧信号を発生し、補償特性に応じた各電圧信号は加算器40に出力される。また補正回路30の3次関数発生回路32は3次関数の電圧信号を発生し、2次関数発生回路34は2次関数の電圧信号を発生し、1次関数発生回路36は1次関数の電圧信号を発生し、オフセット発生回路38は補正特性の周波数偏差を調整する電圧信号を発生し、補正特性に応じた各電圧信号は加算器40に出力される。加算器40は各電圧信号を加算し、この加算された電圧信号は補償電圧信号として電圧制御発振器12に出力される。なお補償電圧信号Vc(T)は数式1により表される。
Figure 2005295014
温度補償回路20の各次の関数発生回路およびオフセット発生回路28と、補正回路30の各次の関数発生回路およびオフセット発生回路38とからは、圧電素子の使用温度範囲の全領域にわたって電圧信号が出力されるので、温度センサ16で計測される温度にかかわらず各発生回路からは電圧信号が出力されている。すなわち補償電圧信号は圧電素子の使用温度範囲の全領域にわたって連続的な信号となっている。そして電圧制御発振器12は、補償電圧信号に基づいて周波数信号を出力する。これにより温度補償型発振器10は、温度補償された周波数信号を出力することになる。
このように、本実施の形態に係る温度補償型発振器10は、各次の関数発生回路とオフセット発生回路28とを備えた温度補償回路20と、3次以上の関数発生回路とオフセット発生回路38とを備えた補正回路30とからなる電圧発生回路14を設けた構成である。そして温度補償回路20において周波数温度特性の変曲点よりも低温側(高温側)を温度補償する電圧信号を発生し、補正回路30において変曲点よりも高温側(低温側)を温度補償する電圧信号を発生し、これらの電圧信号を加算した補償電圧信号に基づいて電圧制御発振器12が発振するので、前記圧電素子の周波数温度特性が非対称な特性であっても周波数偏差を極めて低減することができる。したがって温度補償型発振器10の使用温度範囲の全領域において、温度補償型発振器10を高精度に温度補償することができる。また補正回路30に、より高次の関数発生回路を設けることにより、さらに高精度に温度補償することができる。
また温度補償回路20の各次の関数発生回路およびオフセット発生回路28と、補正回路30の各次の関数発生回路およびオフセット発生回路38とからは、前記圧電素子の温度に依存することなく、常に電圧信号を出力しているので、電圧発生回路14からは温度補償型発振器10の使用温度範囲の全領域にわたって連続した補償電圧信号を出力することができる。このため電圧制御発振器12において位相飛びが発生することがなく、温度補償型発振器10からは安定した周波数信号を出力することができる。そして本実施の形態に係る温度補償型発振器10を携帯電話等の通信機器に搭載して、クロック信号源として使用する場合は、通信エラーが発生することはない。
また小型化されたATカット圧電振動子や、低周波数を励振するATカット圧電振動子等において、周波数温度特性に歪みが生じる場合でも、温度補償回路20と補正回路30とから出力される電圧信号に基づいて電圧制御発振器12を発振させると、温度補償型発振器10の使用温度範囲の全領域にわたって、温度補償型発振器10を高精度の温度補償することができる。
また温度補償回路20と補正回路30とから出力された電圧信号は、ディジタル信号に変換されることなく、アナログ信号のまま電圧制御発振器12に入力されるので、補償電圧信号に量子化誤差が発生することがない。したがって位相飛びが発生することはないので、本実施の形態に係る温度補償型発振器10を携帯電話等の通信機器に搭載してクロック信号源として使用する場合でも、通信エラーが発生することはない。
なお本実施の形態では、温度補償回路20と補正回路30とに2次関数発生回路24,34を設けた構成で説明したが、2次関数発生回路24,34を設けない構成としてもよい。すなわち温度補償回路20に3次関数発生回路22、1次関数発生回路26およびオフセット発生回路28を設け、補正回路30に3次関数発生回路32、1次関数発生回路36およびオフセット発生回路38を設けて、これらの発生回路から出力された電圧信号を加算器40で加算する構成にできる。また補正回路30に4次以上の関数発生回路を設ける場合でも、2次関数発生回路34を設けない構成にできる。これにより温度補償型発振器10を小型化することができる。
なお、この2次関数発生回路34を設ける場合の補償電圧信号と、2次関数を設けない場合の補償電圧信号の関係式は、数式2で表され、各係数の関係は数式3で示される。
Figure 2005295014
Figure 2005295014
また温度補償回路20に4次以上の関数発生回路を設けることもできる。この場合、第1補償電圧の電圧対温度特性を4次以上の関数で表されるように求めればよい。
上述した温度補償型発振器10は、例えば携帯電話等の移動体通信システムやナビゲーションシステムの基準周波数発振器として使用される。次に、本実施の形態に係る温度補償型発振器10を電子機器に搭載した一例について説明する。図3に本実施の形態に係る温度補償型発振器10をディジタル式携帯電話に搭載した概略構成図を示す。ディジタル式携帯電話50は、送受信信号の送信部52および受信部54等を有し、この送信部52および受信部54に、これらを制御する中央演算装置(CPU)56が接続されている。またCPU56は、送受信信号の変調および復調の他に表示部や情報入力のための操作キー等からなる情報の入出力部58や、RAM,ROM等からなるメモリ60の制御を行っている。このためCPU56には圧電デバイス62が取付けられ、その出力周波数をCPU56に内蔵された所定の分周回路(不図示)等により、制御内容に適合したクロック信号として利用するようにされている。またCPU56は温度補償型発振器10と接続され、この温度補償型発振器10は送信部52と受信部54とに接続されている。これによりCPU56からの基本クロックが、環境温度が変化した場合に変動しても、温度補償型発振器10により修正されて、送信部52および受信部54に与えられるようになっている。
本実施の形態に係る温度補償型発振器の概略構成図である。 本実施の形態に係る温度補償型発振器の補償電圧周波数特性を説明するグラフである。 本実施の形態に係る温度補償型発振器の温度補償方法を説明するグラフである。 本実施の形態に係る温度補償型発振器をディジタル式携帯電話に搭載した概略構成図である。 従来技術に係る温度補償型発振器の説明図である。 従来技術に係る温度補償型発振器の温度補償方法を説明するグラフである。
符号の説明
10………温度補償型発振器、12………電圧制御発振器、14………電圧発生回路、16………温度センサ、18………メモリ、20………温度補償回路、30………補正回路、40………加算器、50………ディジタル式携帯電話。

Claims (8)

  1. 圧電素子の3次関数で表される周波数温度特性の基準温度より低温側または高温側における、前記基準温度に対応した基準周波数に対する周波数変動に応じて変化する第1補償電圧を発生させて、前記周波数変動を補償するとともに、
    補償後の前記高温側または前記低温側における、前記基準周波数に対する周波数変動を高次関数に基づいて変化する第2補償電圧を発生させて補償する、
    ことを特徴とする圧電発振器の周波数温度特性の補償方法。
  2. 周波数温度特性が3次関数で表される圧電素子の使用温度範囲における基準温度よりも低温側または高温側で前記圧電素子の周波数温度特性を求め、
    求めた前記周波数温度特性を補償する第1の高次関数で表される補償特性を求め、
    前記補償特性を得るための、電圧制御発振器を発振させる第1補償電圧を発生させて、前記周波数制御特性を補償し、
    補償後の周波数温度特性の前記高温側または前記低温側を補償する第2の高次関数で表される補正特性を求め、
    前記補正特性を得るための、電圧制御発振器を発振させる第2補償電圧を発生させて、補償後の前記周波数制御特性を補償する、
    ことを特徴とする圧電発振器の周波数温度特性の補償方法。
  3. 前記高次関数は3次関数であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電発振器の周波数温度特性の補償方法。
  4. 電圧制御発振器に搭載された圧電素子と、
    前記圧電素子の温度を計測する温度センサと、
    前記温度センサの計測結果に基づいて、前記圧電素子の使用温度における基準温度よりも低温側または高温側の周波数温度特性を補償するための第1補償電圧を発生する温度補償回路と、
    前記温度センサの計測結果に基づいて、前記基準温度よりも前記高温側または前記低温側の前記周波数温度特性を補償するための第2補償電圧を発生する補正回路と、
    前記温度補償回路と前記補正回路とから出力した電圧を加算して、前記電圧制御発振器に出力する加算器と、
    を備えたことを特徴とする温度補償型発振器。
  5. 前記温度補償回路と前記補正回路とは高次関数で表される電圧を発生することを特徴とする請求項4に記載の温度補償型発振器。
  6. 前記温度補償回路は3次関数発生回路、1次関数発生回路およびオフセット発生回路を備え、前記補正回路は3次関数発生回路と1次関数発生回路とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の温度補償型発振器。
  7. 前記電圧制御発振器はアナログの電圧を入力することを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の温度補償型発振器。
  8. 請求項4ないし7のいずれかに記載の温度補償型発振器を備えたことを特徴とする電子機器。

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