JP2005290498A - 低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末およびこの銀粉末を含む銀粘土 - Google Patents

低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末およびこの銀粉末を含む銀粘土 Download PDF

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Abstract

【課題】一層低温で燒結することのできる銀粘土用銀粉末およびその銀粉末を含む銀粘土を提供する。
【解決手段】平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜30質量%を含有し、残部が平均粒径:0.1〜30μmのAg粉末からなる混合粉末で構成された低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末、並びにこの銀粘土用銀粉末:50〜95重量%、バインダー:0.8〜8重量%、油脂:0.1〜3重量%、界面活性剤:0.03〜3重量%を含有し、残りが水からなる組成を有する銀粘土。
【選択図】 なし

Description

この発明は、低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末およびその銀粉末を含む銀粘土に関するものである。
近年、銀粉末を含んだ銀粘土が市販されており、この銀粘土を所定の形状に成形し、焼結して所定の形状を有する銀の宝飾品または美術工芸品を製造する方法が提案されている。この方法によると、銀粘土を通常の粘土細工と同じように自由に造形を行うことができ、造形して得られた造形体は、乾燥したのち、焼結炉を設置した場所に運び、そこで焼結することにより極めて簡単に銀の宝飾品または美術工芸品を製造することができる。
前記従来の銀粘土は、純度:99.99質量%以上の高純度からなる平均粒径:3〜20μmの銀粉末:50〜95質量%、セルローズ系水溶性バインダー:0.8〜8質量%、油脂:0.1〜3質量%、界面活性剤:0.03〜3質量%を含有し、残りが水からなるものであることは知られている(特許文献1参照)。しかし、この従来の銀粘土は焼結性が劣るのでAgの融点以下でかつそれに近い温度で数時間〜十数時間という長時間保持して燒結しないと十分な強度の燒結体が得られない。銀粘土の燒結で使用する電気炉が十分に電気炉内の温度を十分高温に保持できる能力があるものであれば、十分な強度の燒結体を得ることができるが、個人で所有している電気炉は小型であり比較的加熱能力の低いものが多いところから、Agの融点に近い温度に保持することができず、したがって十分な密度を得ることができないことがある。また、温度を十分高温に保持できる電気炉であっても、電気炉内の温度を正確に制御することができず、高温に上げ過ぎてAgの融点を越えると、銀粘土焼結体は全部もしくは一部が融け変形する。
これらの問題点を解決するために、平均粒径:2μm以下のAg微細粉末:15〜50質量%を含有し、残部が平均粒径:2μmを越え100μm以下のAg粉末からなる混合粉末で構成された低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末が提供され、この銀粘土用銀粉末: 50〜95質量%に対して、有機系バインダ−:0.8〜8質量%を含有し、さらに必要に応じて界面活性剤:0.03〜3質量%、油脂:0.1〜3質量%界面活性剤:0.03〜3質量%を含有し、残りが水からなる組成を有するように混合して得られた銀粘土は、低温燒結性に優れるので、純銀の融点よりも250〜410℃低い温度(すなわち、550〜710℃未満の温度)で燒結しても十分な燒結がなされ、所望の引張り強度および密度が得られるという優れた効果を奏するものである(特許文献2参照)。
特開平4−26707号公報 特開2002−241802号公報
前述のように、特許文献2に記載の銀粘土は、通常、粘土細工と同じように自由に造形し、得られた造形体を乾燥したのち550〜710℃未満の低温度で燒結しても十分な燒結がなされ、所望の引張り強度および密度が得られるのであるが、前記従来の銀粘土は、造形したのち焼結すると、表面に微細な凹凸が生成されて表面白色の銀粘土焼結体が得られ、宝飾品または美術工芸品を作製するには得られた銀粘土焼結体の表面を研磨して表面を滑らかにすることにより初めて銀本来の光沢が得られるのである。しかし、この銀粘土焼結体を研磨して表面に銀本来の光沢を発現させるためには多くの労力と時間をかけて研磨する必要があり、特に、表面凹凸模様を有する銀粘土焼結体の表面を研磨して表面凹凸模様の凹部まで銀本来の光沢を発現させるのは難しく、光沢を発現させるために磁気研磨機などを用いる。磁気研磨機を用いる場合、表面の微細な凹凸によって研磨時間が大きく変わる。なお、磁気研磨機とは、非常に小さな研磨用の針を水などの液体中で磁力により撹拌し研磨するものである。したがって、現在は、一層の低温焼結が可能でありかつ銀粘土焼結体表面に容易に金属光沢を発現させることができる銀粘土が求められている。
そこで、本発明者らは、かかる課題を解決すべく研究を行った結果、
(イ)平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末(好ましくは平均粒径:5〜20nmのAg超微細粉末):1〜30質量%(好ましくは、5〜15質量%未満)に、残部が平均粒径:0.1〜30μmのAg粉末(好ましくは平均粒径:0.5〜10μmのAg粉末)となるように混合した混合銀粉末を作製し、この混合銀粉末に有機系バインダーおよびその他を添加して作製した銀粘土は、従来の銀粘土よりも一層低い温度(550℃未満の温度)で燒結しても十分な燒結がなされ、しかも、この銀粘土の造形体を焼結して得られた銀粘土焼結体の表面は微細な凹凸が少なくかつ緻密であるために、少ない研磨で銀光沢を発生させることができる、
(ロ)前記銀粘土用銀粉末は、Ag超微細粉末と混合するAg粉末の平均粒径によって特性が変化し、一層の低温焼結が必要な場合は配合するAg粉末の平均粒径を小さくし、一方、一層の焼結時の収縮が少ないことを望む場合はAg粉末の平均粒径を大きくすることが好ましく、一層の低温焼結が必要な場合はAg超微細粉末と混合するAg粉末の平均粒径を0.5〜2μm未満とし、焼結時の収縮が少ないことを望む場合はAg超微細粉末と混合するAg粉末の平均粒径を2〜10μmの範囲内にすることが一層好ましい、という知見を得たのである。
この発明は、かかる知見にもとづいてなされたものであって、
(1)平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜30質量%を含有し、残部が平均粒径:0.1〜30μmのAg粉末からなる混合粉末で構成されている低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末、
(2)平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜15質量%未満を含有し、残部が平均粒径:0.1〜30μmのAg粉末からなる混合粉末で構成されている低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末、
(3)平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜15質量%未満を含有し、残部が平均粒径:0.5〜10μmのAg粉末からなる混合粉末で構成されたことを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末。
(4)平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜15質量%未満を含有し、残部が平均粒径:0.5〜2μm未満のAg粉末からなる混合粉末で構成されている低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末、
(5)平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜15質量%未満を含有し、残部が平均粒径:2〜10μmのAg粉末からなる混合粉末で構成されている低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末、に特徴を有するものである。
この発明の銀粘土は、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の銀粘土用銀粉末に有機系バインダーまたは有機系バインダーに油脂、界面活性剤などを添加して作られた粘土であり、したがって、この発明は、
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の銀粘土用銀粉末:50〜95質量%、有機系バインダ−:0.8〜8質量%を含有し、残りが水からなる低温燒結性に優れた銀粘土、
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の銀粘土用銀粉末:50〜95質量%、有機系バインダー:0.8〜8質量%、界面活性剤:0.03〜3質量%を含有し、残りが水からなる低温燒結性に優れた銀粘土、
(8)(1)〜(5)のいずれかに記載の銀粘土用銀粉末:50〜95質量%、有機系バインダー:0.8〜8質量%、油脂:0.1〜3質量%を含有し、残りが水からなる低温燒結性に優れた銀粘土、
(9)(1)〜(5)のいずれかに記載の銀粘土用銀粉末:50〜95質量%、有機系バインダー:0.8〜8質量%、油脂:0.1〜3質量%、界面活性剤:0.03〜3質量%を含有し、残りが水からなる低温燒結性に優れた銀粘土、に特徴を有するものである。
この発明の銀粘土は、従来銀粘土に比べて一層低温度で燒結することができ、さらに銀粘土を燒結して得られた銀粘土焼結体の表面に銀本来の光沢を発現させるための研磨作業を軽減することができ、より多くの人が銀粘土を使用して簡単に美術工芸品や宝飾品をつくることができるなど優れた効果を奏するものである。
この発明の銀粘土用銀粉末に含まれるAg超微細粉末およびAg粉末の限定理由を説明する。
Ag超微細粉末:
この発明の銀粘土用銀粉末に平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末を添加することにより、低温焼結性に一層寄与し、さらに得られた銀粘土焼結体の表面が緻密となり、研磨による光沢の発現が容易となる。しかし、添加するAg超微細粉末の平均粒径が1nm以下であると粒子同士の凝集が顕著となり、0.1〜30μmのAg粉末と均一に混ぜることが困難となり、低温焼結性の効果が小さくなるので好ましくなく、一方、平均粒径が30nmを越えると低温焼結性の効果が少なく、研磨による光沢の発現には従来品と同等の労力を有するので30nmを越える超微粉末を用いても効果がないのでことによるものである。かかる平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末は1質量%以上入っていれば十分に低温焼結に寄与することができるが、30質量%を越えて含有すると、銀粘土用銀粉末の表面積が大きくなり過ぎてバインダー量が大量に必要となり、収縮率が大きくなり過ぎて予想した寸法および形状の大きさからかけ離れた寸法および形状を有する銀粘土焼結体が得られるので好ましくなく、また収縮率を小さくすべくバインダー量を少なくすると、粘土としての造形性が低下し、パサパサした粉末になってしまうので好ましくない。したがって、この発明の銀粘土用銀粉末に含まれるAg超微細粉末は、平均粒径:1〜30nm、1〜30質量%に定めた。この発明の銀粘土用銀粉末に含まれるAg超微細粉末の一層好ましい範囲は、平均粒径:5〜20nm、5〜15質量%未満である。
Ag粉末:
この発明の銀粘土用銀粉末に含まれる残りのAg粉末を平均粒径:0.1〜30μmのAg粉末としたのは、この平均粒径を有するAg粉末は通常市販されているAg粉末であり、この市販のAg粉末の内でも平均粒径:0.1〜2μm未満のAg粉末を使用すると一層低温度で焼結することができるようになり、一方、平均粒径:2〜30μmのAg粉末を使用すると、焼結体の収縮率を減少させることができる。Ag粉末が0.1μm以下であると造形性を得るためのバインダーを多く必要とするため収縮も大きく、得られる低温焼結性の効果に比べて製造コストが高く不適である。30μmを越えると焼結性に劣り、550℃以下の温度の焼結で十分な強度が得られないため不適である。
この発明の銀粘土用銀粉末は平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末(好ましくは平均粒径:5〜20nmのAg超微細粉末)のAg超微細粉末と平均粒径:0.1〜30μm(好ましくは0.5〜10μm)のAg粉末とを混合した混合銀粉末で構成されているから、この発明の銀粘土用銀粉末の粒度分布曲線は平均粒径:1〜30nm(好ましくは5〜20nm)の範囲内にピークを少なくとも一つ持ち、さらに平均粒径:0.1〜30μm(好ましくは0.5〜10μm)の範囲内にピークを少なくとも一つ持つ。
この発明の低温燒結性に優れた銀粘土に含まれる前記(1)〜(5)記載の銀粘土用銀粉末の量を50〜95質量%に限定したのは、50質量%未満ではAg粉末同士の接触妨げられるため、焼結開始に時間がかかる上にAg粉末の接触を妨げていた空間を埋めるため大きな収縮が起き、多くの場合変形や歪みが発生し、また得られた焼成体の金属光沢を示すに十分な効果が得られず、一方、95質量%を越えて含有すると粘土としての伸びおよび強度が低下するようになるので好ましくないからである。銀粘土用銀粉末の含有量の一層好ましい範囲は70〜95質量%である。
この発明の低温燒結性に優れた銀粘土に含まれる有機系バインダーは、セルロース系バインダー、ポリビニール系バインダー、アクリル系バインダー、ワックス系バインダー、樹脂系バインダー、澱粉、ゼラチン、小麦粉などいかなるバインダーを使用してもよいが、セルロース系バインダー、特に水溶性セルロースが最も好ましい。これらバインダーは、加熱すると速やかにゲル化して造形体の形状保持を容易にするために添加するが、その添加量は0.8質量%未満では効果がなく、一方、8質量%を越えて含有すると、得られた造形体に微細なひび割れが発生し、光沢も減少するので好ましくない。したがって、この発明の低温燒結性に優れた銀粘土に含まれるバインダーは、0.8〜8質量%に定めた。バインダー含有量の一層好ましい範囲は0.8〜5質量%である。
前記界面活性剤は必要に応じて添加し、添加する場合の添加量は0.03〜3質量%が好ましい。また、添加する界面活性剤の種類は特に限定されるものではなく、通常の界面活性剤を使用することができる。
前記油脂も必要に応じて添加し、添加する場合の添加量は0.1〜3質量%が好ましい。添加する油脂は有機酸(オレイン酸、ステアリン酸、フタル酸、パルミチン酸、セパシン酸、アセチルクエン酸、ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、カプロン酸、エナント酸、酪酸、カプリン酸)、有機酸エステル(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ヘキシル基、ジメチル基、ジエチル基、イソプロピル基、イソブチル基を有する有機酸エステル)、高級アルコール(オクタノール、ノナノール、デカノール)、多価アルコール(グリセリン、アラビット、ソルビタン、)、エーテル(ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル)などがある。
平均粒径:5μmのアトマイズAg粉末(以下、アトマイズAg粉末という)を用意し、さらに、有機系バインダーとしてメチルセルローズ、界面活性剤、油脂としてオリーブ油および水を用意した。
表1に示される平均粒径を有するAg超微細粉末を含むコロイドに表1に示される平均粒径:5.0μmのアトマイズAg粉末を混合、撹拌し、得られた混合体にさらに分散剤除去剤(アセトン、ヘキサン)を投入して固液分離し、得られた混合粉末を回収することにより表1に示される配合組成を有する銀粘土用銀粉末を作製した。
このようにして得られた銀粘土用銀粉末に対して、メチルセルローズ、界面活性剤、オリーブ油および水を添加し、銀粘土用銀粉末:85質量%、メチルセルローズ:4.5質量%、界面活性剤:1.0質量%、オリーブ油:0.3質量%および水:残部となるように配合し混練することにより本発明銀粘土1〜7および比較銀粘土1〜4を作製した。
従来例
比較のために、平均粒径:1.0μmのアトマイズAg粉末を用意し、この平均粒径:1.0μmのアトマイズAg粉末:30質量%、残部:平均粒径:5.0μmのアトマイズAg粉末となるように配合し混合して従来の銀粘土用銀粉末を作製した。
この従来の銀粘土用銀粉末に対して、メチルセルローズ、界面活性剤、オリーブ油および水を添加し、従来の銀粘土用銀粉末:85質量%、メチルセルローズ:4.5質量%、界面活性剤:1.0質量%、オリーブ油:0.3質量%および水:残部となる配合し混練することにより従来銀粘土を作製した。
これら本発明銀粘土1〜7、比較銀粘土1〜4および従来銀粘土を造形し、得られた造形体を400℃の低温度で10分間燒結することにより縦:3mm、横:4mm、長さ:65mmの寸法を有する試験片燒結体を作製し、得られた試験片燒結体の引張り強さおよびビッカース硬さを測定し、その測定結果を表1に示した。
さらに試験片焼結体を磁気研磨器にかけ、試験片焼結体の表面を研磨して表面に形成された白い層を除去し、目視による同一光度を発現するまでの時間を測定し、その結果を表1に示した。
Figure 2005290498
表1から明らかなように、(A)平均粒径:5.0μmを有するアトマイズAg粉末に対して平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末を1〜30質量%配合した銀粘土用銀粉末を含む本発明銀粘土1〜7で作製した試験片焼結体は、平均粒径:1μmの球状のAg微細粉末を30質量%配合した銀粘土用銀粉末を含む従来銀粘土で作製した試験片焼結体に比べて引張強さおよびビッカース硬さが格段に優れているところから、この発明の銀粘土は、従来の焼結温度よりも一層低い焼結温度で焼結でき、さらに本発明銀粘土1〜7で作製した試験片焼結体は従来で作製した試験片焼結体に比べて短時間の磁気研磨で銀本来の光沢を発現させることができる、(B)しかし、この発明の条件から外れた比較銀粘土1〜4で作製した試験片焼結体は好ましくない特性が現れる、ことが分かる。
実施例1と同様にして平均粒径:5.0μmを有するアトマイズAg粉末に対し、平均粒径:10nmを有するAg超微細粉末を10質量%配合し混合してなる銀粘土用銀粉末を作製し、得られた銀粘土用銀粉末に対して、メチルセルローズ、界面活性剤、オリーブ油および水を表2に示される割合で添加し、本発明銀粘土8〜13を作製した。
これら本発明銀粘土8〜13を造形し、450℃の温度で30分間燒結することにより縦:3mm、横:4mm、長さ:65mmの寸法を有する試験片燒結体を作製し、得られた試験片燒結体の引張り強さ、ビッカース硬さおよび目視による同一光度を発現するまでの時間を測定し、その結果を表2に示した。
Figure 2005290498
表2に示される結果から、界面活性剤、オリーブ油のうち何れかを含まない銀粘土であっても、十分な低温燒結性が得られることが分かる。
表3に示される平均粒径の異なるアトマイズAg粉末を用意し、これらにアトマイズAg粉末対して実施例1で用意した平均粒径:10nmを有するAg超微細粉末を10質量%となるように配合し混合してなる銀粘土用銀粉末を作製し、得られた銀粘土用銀粉末に対して、メチルセルローズ、界面活性剤、オリーブ油および水を添加し、銀粘土用銀粉末:85質量%、メチルセルローズ:4.5質量%、界面活性剤:1.0質量%、オリーブ油:0.3質量%および水:残部となるように配合し混練することにより本発明銀粘土14〜17および比較銀粘土5〜6を作製した。
これら本発明銀粘土14〜17および比較銀粘土5〜6を造形し、450℃の温度で30分間燒結することにより縦:3mm、横:4mm、長さ:65mmの寸法を有する試験片燒結体を作製し、得られた試験片燒結体の引張り強さ、ビッカース硬さおよび目視による同一光度を発現するまでの時間を測定し、その結果を表3に示した。
Figure 2005290498
表3に示される結果から、平均粒径:0.1〜30μmを有するアトマイズAg粉末に対して平均粒径:10nmのAg超微細粉末を10質量%配合した銀粘土用銀粉末を含む本発明銀粘土14〜17で作製した試験片焼結体は、平均粒径:0.05μmのアトマイズAg粉末を配合した銀粘土用銀粉末を含む比較銀粘土5および平均粒径:35μmのアトマイズAg粉末を配合した銀粘土用銀粉末を含む比較銀粘土6で作製した試験片焼結体に比べて優れた特性を示すところから、アトマイズAg粉末の平均粒径は0.1〜30μmの範囲内にあることが好ましいことが分かる。

Claims (9)

  1. 平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜30質量%を含有し、残部が平均粒径:0.1〜30μmのAg粉末からなる混合粉末で構成されたことを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末。
  2. 平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜15質量%未満を含有し、残部が平均粒径:0.1〜30μmのAg粉末からなる混合粉末で構成されたことを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末。
  3. 平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜15質量%未満を含有し、残部が平均粒径:0.5〜10μmのAg粉末からなる混合粉末で構成されたことを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末。
  4. 平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜15質量%未満を含有し、残部が平均粒径:0.5〜2μm未満のAg粉末からなる混合粉末で構成されたことを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末。
  5. 平均粒径:1〜30nmのAg超微細粉末:1〜15質量%未満を含有し、残部が平均粒径:2〜10μmのAg粉末からなる混合粉末で構成されたことを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土用銀粉末。
  6. 請求項1、2、3、4または5記載の銀粘土用銀粉末:50〜95質量%、有機系バインダ−:0.8〜8質量%を含有し、残りが水からなることを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土。
  7. 請求項1、2、3、4または5記載の銀粘土用銀粉末:50〜95質量%、有機系バインダー:0.8〜8質量%、界面活性剤:0.03〜3質量%を含有し、残りが水からなることを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土。
  8. 請求項1、2、3、4または5記載の銀粘土用銀粉末:50〜95質量%、有機系バインダー:0.8〜8質量%、油脂:0.1〜3質量%を含有し、残りが水からなることを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土。
  9. 請求項1、2、3、4または5記載の銀粘土用銀粉末:50〜95質量%、有機系バインダー:0.8〜8質量%、油脂:0.1〜3質量%、界面活性剤:0.03〜3質量%を含有し、残りが水からなることを特徴とする低温燒結性に優れた銀粘土。
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