JP2005290177A - マイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強い芳香性をも得ることができるマイクロカプセルを提供する。
【解決手段】樹脂成分、香料成分及び脂肪酸エステルを含み、少なくとも前記香料成分の一部又は全部を内包するマイクロカプセルであって、
脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して香料成分が50重量%を超えることを特徴とするマイクロカプセルに係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロカプセル及びその製造方法に関する。特に、マイクロカプセルの壁膜の破壊等によって香料成分を放散する機能を有するマイクロカプセルに関する。
マイクロカプセル は、芯物質が壁膜に被覆された粒状体であり、例えば、化粧品、農薬、香料、接着剤、着色剤、触媒等をはじめとして、各分野おいて幅広く利用されている。このなかでも、香料としての利用が筆記具、印刷等の分野でも盛んになりつつある。例えば、インキ、スタンプ等において、その色から連想されるような匂い成分(例えば、黄色であればレモンの香り)を含ませることによって商品価値を高めることができる。
マイクロカプセルを香料として用いる場合、特定の香料成分をマイクロカプセルに内包することによって利用に供される。このようなマイクロカプセルとしては、例えば外力によりカプセル壁膜が破壊されて、内包の香料成分による香気を放つマイクロカプセルにおいて、香料組成物が香料と保留剤からなり、前記保留剤が、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、スルフィド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、酸アミド類、アルコール類、又はワックス類から選ばれる化合物であり、香料/保留剤=1〜50/99〜50(重量比)の割合でブレンドされて内包の香料組成物が構成されており、前記香料組成物が壁膜11で被覆されて、平均粒子径〔(短径/長径)/2〕が5〜500μmであり、真円率(短径/長径)が0.6以上のマイクロカプセル形態となしたことを特徴とする放香性マイクロカプセルが知られている(例えば特許文献1)。
特開2001−120651
しかしながら、上記のような従来技術では、マイクロカプセル中に内包することが容易な成分を保留剤として用い、香料溶液を希釈する必要があるため、香料の含有量が相対的に少なくなる。そのため、強い芳香性を必要とする場合、それに対応するような芳香性を付与することが困難である。
従って、本発明の主な目的は、強い芳香性をも得ることができるマイクロカプセルを提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の成分を採用することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のマイクロカプセル及びその製造方法に係る。
1. 樹脂成分、香料成分及び脂肪酸エステルを含み、少なくとも前記香料成分の一部又は全部を内包するマイクロカプセルであって、
脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して香料成分が50重量%を超えることを特徴とするマイクロカプセル。
2. 樹脂成分がエポキシ樹脂である前記項1記載のマイクロカプセル。
3. 脂肪酸エステルが、1価の脂肪酸カルボン酸と、1価のアルコールとから得られるエステルである前記項1又は2に記載のマイクロカプセル。
4. 香料成分が、脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して55重量%以上である前記項1〜3のいずれかに記載のマイクロカプセル。
5. さらに着色剤を含む前記項1〜4のいずれかに記載のマイクロカプセル。
6. 前記項1〜5のいずれかに記載のマイクロカプセルを含むインキ組成物。
7. マイクロカプセルが分散媒に分散してなる前記項6記載のインキ組成物。
8. 溶媒が着色されている前記項7記載のインキ組成物。
9. 香料成分、脂肪酸エステル及び樹脂成分を含む混合物を乳化剤含有水溶液に添加することによりマイクロカプセルを製造する方法であって、
脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して香料成分が50重量%を超える量を用いることを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
10. 樹脂成分がエポキシ樹脂である前記項9記載の製造方法。
11. 脂肪酸エステルが、1価の脂肪酸カルボン酸と、1価のアルコールとから得られるエステルである前記項9〜10のいずれかに記載の製造方法。
12. 香料成分の使用量が、脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して55重量%以上である前記項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
13. 乳化剤が多糖類である前記項9〜12記載の製造方法。
14. 前記項9〜13のいずれかに記載の製造方法により得られるマイクロカプセル。
1.マイクロカプセル
本発明のマイクロカプセルは、樹脂成分、香料成分及び脂肪酸エステルを含み、少なくとも前記香料成分の一部又は全部を内包するマイクロカプセルであって、
脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して香料成分が50重量%を超えることを特徴とする。
樹脂成分
樹脂成分は、主としてマイクロカプセルの壁膜の構成成分となるものであるが、その一部が内包物(香料成分)とともに存在していても良い。
樹脂成分の種類は限定的でなく、用いる香料成分の種類、マイクロカプセルの所望の性能等に応じて適宜選択することができる。例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、尿素−ホルムアルデヒド系樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、尿素−メラミン系樹脂等が挙げられる。これら樹脂成分は1種又は2種以上で使用することができる。これらの中でも、特に界面重合法に適しているという点でエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂の種類は限定的でなく、例えばビスフェノール型、ノボラック型、脂環型、グリシジルエステル型、長鎖脂肪族エステル型、複素環型等の各種のエポキシ樹脂を使用することができる。
樹脂成分の含有量は、使用する樹脂の種類等によって適宜変更できるが、通常はマイクロカプセルスラリー中3〜15重量%程度、特に6〜9重量%とすることが望ましい。かかる範囲内に設定することによって、より確実にカプセルをつくることができる。
なお、本発明におけるマイクロカプセルスラリー中の濃度は、香料成分、樹脂成分、脂肪酸エステル及び乳化剤含有水溶液の合計100重量%とした場合の濃度を示す。
香料成分
香料成分は、主としてマイクロカプセルの内包物となるものであるが、一部が壁膜中に存在していても良い。香料成分は、一般的には油溶性の成分である。また、香料成分の種類は、草花、果物、野菜等の香料成分のほか、香水等で使用される香料成分が挙げられる。香料成分としては、香料として用いられている化合物又はそれらの混合物を用いることができる。上記化合物としては、例えばミルセン、カレン、リモネン、ピネン、テルピネン、カンフェン、ビサボレン、ワルクメン、カンタレン、カンホレン、ミレン等のテルペン系炭化水素;シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、メントール、ボルネオール、ファネセノール、ネロリドール、カジノール、フィトール、マノール、ヒノキオール等のテルペンアルコール;シトロネラール、シトラール、カフラナール、ヨノン、メントン、イロン、シペロン、ゼルンボン、スギオール等のテルペンアルデヒド又はケトン;フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、シンナムアルデヒド、ムスクキシレン、ムスクケトン等の芳香族系化合物;酢酸ブチル、酢酸エチル、サリチル酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル等のカルボン酸又はそのエステル等を挙げることができる。
これらは天然香料又は合成香料のいずれであっても良い。例えば、オレンジ、レモン、ピーチ、ローズ、ラベンダー、グレープ、メロン、ムスク、スズラン、ガーデニア、ハッカ、バニラ、バナナ、ラズベリー等の香りを用いることができる。これらは市販品を使用することができる。例えば「Orange NS-G5884」「Lemon NS-G5883」「Peach NS-G5886-B」「Rose NS-G5887」「Lavender NS-G5888」「Ultramarine NS-G5885」「Grape NS-G5897」(いずれも日進香料製)等を使用することができる。
香料成分の含有量は、使用する香料成分の種類、所望の匂いの程度等によって適宜変更できるが、通常はマイクロカプセルスラリー中5〜50重量%程度、特に10〜35重量%とすることが望ましい。
特に、本発明マイクロカプセルでは、香料成分が、脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して50重量%を超える。好ましくは55重量%以上、より好ましくは60重量%以上、最も好ましくは65重量%以上である。かかる範囲に設定することにより、より強い芳香性を得ることができる。なお、上限値は、一般的には99重量%程度とすれば良い。
脂肪酸エステル
脂肪酸エステル(以下「成膜助剤」ともいう。)は、マイクロカプセルの壁膜の形成に寄与するものであるが、他の成分と相乗的に作用して本発明の効果が発揮される。また、脂肪酸エステルは、マイクロカプセルの壁膜中に存在しても良いし、あるいは内包物に含まれていても良い。
脂肪酸エステルは、カルボン酸とアルコールとのエステルであればその種類は限定的でない。前記カルボン酸及びアルコールは、飽和又は不飽和、直鎖型又は分岐型のいずれであっても良いし、また脂環あるいは芳香環等の置換基を有していても良い。特に、本発明では、脂肪酸エステルが、1価の脂肪酸カルボン酸と、1価のアルコールとから得られるエステルであることが望ましい。例えば、炭素数10以上のモノカルボン酸と1価アルコールとのエステルが挙げられる。より具体的には、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ラウリル、ラウリン酸2−メチルペンチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ステアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘキシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチルオクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステアリル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリル酸エチル、カプリル酸オクチル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、カプリン酸ステアリル、カプリン酸ドコシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸3−メチルブチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸ベヘニル、安息香酸セチル、p−tert− ブチル安息香酸ステアリル、酪酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステアリル、酪酸ベヘニル、ベヘン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エチルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプリン酸2−メチルペンチル等が挙げられる。このような脂肪酸エステルを使用することによって、カプセルをより確実に形成することができる。これらは、公知又は市販のものから適宜選ぶことができる。例えば、「ニッコールIPM-EX」「ニッコールIPP」「ニッコールBM」(いずれも日光ケミカル製)、「ユカノールPB」「ユカノールSB」「ユカノールS-8」「ユカノールLL」(いずれも鐵野油脂製)等を用いることができる。
脂肪酸エステル分の含有量は、使用する香料成分の種類、所望の匂いの程度等によって適宜変更できるが、通常はマイクロカプセル中1〜25重量%程度、特に5〜15重量%とすることが望ましい。
本発明のマイクロカプセルは、必要に応じて前記以外の成分を含んでいても良い。例えば、着色剤、硬化剤、硬化反応促進剤、乳化剤、消泡剤、pH調整剤等を使用することができる。
本発明では、特に着色剤を用いる場合、その香料成分を連想させる色の着色剤を用いることが好ましい。例えば、香料成分がレモンであれば黄色、香料成分がグレープであれば紫色等のように設計することができる。これらに使用する着色剤としては、公知の各種のものを使用することができる。例えば、無機顔料(例えば、酸化チタン、カ−ボンブラック、酸化鉄等)、有機顔料(例えば、アゾ系顔料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、メラミン系顔料等)、樹脂着色体、染料等を挙げることができる。
着色剤の使用量は特に制限されないが、一般的にはマイクロカプセル中1〜20重量%の範囲内で用いる着色剤の種類等に応じて適宜設定すれば良い。
本発明のマイクロカプセルは、少なくとも前記香料成分の一部又は全部を内包するものである。例えばマイクロカプセルがインキ組成物に使用される場合には、例えばその塗膜が擦られたときのように、マイクロカプセルに外的な力が加わることによりマイクロカプセルが破壊され、内包されていた香料成分が放散され、香りを感じ取ることができる。
本発明マイクロカプセルの大きさは限定的でないが、一般的には平均粒径0.5〜500μm程度の範囲内において製造条件を適宜変更することによって制御することができる。
本発明は、前記マイクロカプセルを含むインキ組成物も包含する。例えば、本発明マイクロカプセルを分散媒中に分散させることにより本発明インキとすることができる。分散媒としては限定的でなく、溶媒、樹脂エマルション等の公知の材料を適宜選択することができる。前記溶媒としては、水、有機溶剤等を1種又は2種以上で用いることができる。また、後記の本発明の製造方法で得られるマイクロカプセルのスラリーをそのまま本発明インキとして使用することもできる。
本発明では、分散媒を着色することもできる。この場合、そのマイクロカプセルで使用されている香料成分を連想させる色の着色剤を用いることが好ましい。例えば、香料成分がレモンであれば黄色等に着色することが望ましい。着色する場合は、前記で掲げた着色剤と同様のものを使用すれば良い。
本発明インキ組成物中におけるマイクロカプセルの含有量は特に限定されず、一般的にはマイクロカプセルスラリーとして5〜30重量%の範囲内で適宜設定することができる。
本発明インキ組成物は、マーカー、ボールペン、フェルトペンのインキとして使用できるほか、スタンプインキとしても使用することができる。具体的には、スタンプパッド、ステンシルパッド等のインキとして有用である。スタンプインキは、例えばフェルト、スポンジ(例えば、ポリウレタンからなるスポンジ)等のインキ収蔵体に吸収させて用いることができる。
2.マイクロカプセルの製造方法
本発明のマイクロカプセルの製造方法は、香料成分、脂肪酸エステル及び樹脂成分を含む混合物を乳化剤含有水溶液に添加することによりマイクロカプセルを製造する方法であって、
脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して香料成分が50重量%を超える量を用いることを特徴とする。
本発明の製造方法では、上記の点以外は特に限定されない。まず、油溶性の香料成分と脂肪酸エステルを混合する。香料成分と脂肪酸エステルは、脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して香料成分が50重量%を超えるように配合すれば良い。また、界面重合を行う場合には、前記混合物に樹脂成分を配合する。
樹脂成分は、前記のように、マイクロカプセルスラリー中3〜15重量%となるように設定すれば良い。
次に、得られた混合物を乳化剤を含む水溶液に添加する。乳化剤は、各種の界面活性剤、水溶性高分子等を適宜用いることができる。これらは、用いる樹脂成分の種類等に応じて適宜決定することができる。例えば、樹脂成分がエポキシ樹脂である場合には、乳化剤としてアラビアゴム等の多糖類のほか、カゼイン等も好適に使用することができる。また例えば、樹脂成分としてメラミンホルマリン樹脂を用いる場合には、乳化剤としてエチレン無水マレイン酸共重合体等を好適に用いることができる。乳化剤の使用量は、用いる乳化剤の種類も樹脂成分の種類等に応じて適宜設定できるが、通常は前記溶液中2〜20重量%程度とすれば良い。
その後、必要に応じて攪拌することにより、平均粒径数μm程度のエマルションを得ることができる。さらに、界面重合を行う場合には、用いる樹脂成分の種類に応じて硬化剤を添加し、またin・situ重合を行う場合には、プレポリマーを添加し、それぞれ反応が完了するまで反応させれば良い。硬化剤は、用いる樹脂成分の種類によって公知の硬化剤を適宜使用することができる。例えば、樹脂成分がエポキシ樹脂である場合には、ポリアミン系硬化剤を好適に用いることができる。この場合の添加量は、通常はエポキシ当量比で1以上、好ましくは2以上となるようにすれば良い。また、樹脂成分がメラミンホルマリン樹脂である場合には、メラミンとホルムアルデヒドが反応して得られるプレポリマーを好適に用いることができる。
このようにして、本発明のマイクロカプセルをスラリーの形態で得ることができる。このスラリーは、そのまま使用することもできるが、必要に応じて公知の方法に従って固液分離することもできる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより詳細に説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1〜11及び比較例1〜4
表1に示す成分を用いてマイクロカプセルをそれぞれ調製した。具体的には、香料溶液に成膜助剤(脂肪酸エステル)及びエポキシ樹脂を配合することにより混合物を得た。アラビアゴム水溶液(濃度20重量%、温度60〜75℃)に、ディゾルバーで攪拌しながら前記混合物を添加した。その後、これを1200〜1800rpmで10分間攪拌することにより、平均粒径数μm程度のエマルションを調製した。上記回転数の範囲を維持しながら硬化剤としてポリアミンを添加し、反応が完了するまで2〜4時間反応させた。次いで、室温まで冷却した後、マイクロカプセルのスラリーを得た。
Figure 2005290177
上記原料のうち、レモンの場合、成膜助剤を添加した実施例3ではカプセルが生成したが、添加していない比較例1ではカプセル化できなかった。ウルトラマリンでも同様に成膜助剤を添加した実施例6、実施例8〜11ではカプセルが生成したが、成膜助剤を添加していない比較例2あるいは脂肪酸エステルの代わりに高級アルコールを使用した比較例3ではカプセル化できなかった。オレンジの場合、成膜助剤を添加しなくてもカプセルは生成したが、塗膜は擦る前から香っており、その一方で擦った後もそれほど強く香らなかった。
試験例1
前記スラリーを用いて造膜試験及び香気試験を実施した。
造膜試験は、前記スラリーをろ紙上に滴下し、70℃で30分間乾燥したものをサンプルとし、その状態を目視により観察した。良好なカプセルが形成されている場合には造膜せず、つやがないので、これを「○」と評価した。一方、カプセルが形成されていない場合は、造膜される結果、つやがあるので、これを「×」と評価した。その結果を表1に示す。
香気試験は、前記スラリーを用いて紙上にスクリーン印刷し、室温で2時間乾燥したものをサンプルとし、その印刷層を擦る前の香気と擦った後の香気とを対比した。強く香るものを「◎」、普通に香るものを「○」、かすかに香るものを「△」、香りがないものを「×」と評価した。その結果を表1に示す。
実施例12及び比較例5
表2に示す成分を用いてマイクロカプセルをそれぞれ調製した。まず香料溶液に脂肪酸エステルを配合することにより混合物を得た。EMA(エチレン無水マレイン酸共重合体)水溶液(濃度7重量%、室温)に、ディゾルバーで攪拌しながら前記混合物を添加した。その後、これを1200〜1800rpmで6分間攪拌することにより、平均粒径数μm程度のエマルションを調製した。このエマルションを60℃に加温した後、上記回転数の範囲を維持しながらメラミンとホルムアルデヒドの反応物であるプレポリマーを添加し、反応が完了するまで2〜4時間反応させた。次いで、室温まで冷却した後、マイクロカプセルのスラリーを得た。
Figure 2005290177
上記原料のうちピーチの場合、成膜助剤を添加した実施例12ではカプセルが生成したが、添加していない比較例5ではカプセル化が不完全であった。また、比較例5は、塗膜を擦る前から香っており、擦った後もそれほど強く香らなかった。
試験例2
実施例12及び比較例5のマイクロカプセルについて試験例1と同様にして造膜試験及び香気試験を実施した。その結果を表2に示す。
実施例13〜14及び比較例6〜7
表3に示す成分を用いて水性印刷インキ及び水性スタンプインキをそれぞれ調製した。
Figure 2005290177
試験例3
実施例13及び比較例6で得られた水性印刷インキを用いたほかは、試験例1と同様にして香気試験を実施した。
また、実施例14及び比較例7で得られた水性スタンプインキについては、スポンジに吸収させて紙上にスタンプし、乾燥させたものをサンプルとして用いたほかは、試験例1と同様にして香気試験を実施した。その結果を表3に示す。

Claims (14)

  1. 樹脂成分、香料成分及び脂肪酸エステルを含み、少なくとも前記香料成分の一部又は全部を内包するマイクロカプセルであって、
    脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して香料成分が50重量%を超えることを特徴とするマイクロカプセル。
  2. 樹脂成分がエポキシ樹脂である請求項1記載のマイクロカプセル。
  3. 脂肪酸エステルが、1価の脂肪酸カルボン酸と、1価のアルコールとから得られるエステルである請求項1又は2に記載のマイクロカプセル。
  4. 香料成分が、脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して55重量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロカプセル。
  5. さらに着色剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロカプセル。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロカプセルを含むインキ組成物。
  7. マイクロカプセルが分散媒に分散してなる請求項6記載のインキ組成物。
  8. 溶媒が着色されている請求項7記載のインキ組成物。
  9. 香料成分、脂肪酸エステル及び樹脂成分を含む混合物を乳化剤含有水溶液に添加することによりマイクロカプセルを製造する方法であって、
    脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して香料成分が50重量%を超える量を用いることを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
  10. 樹脂成分がエポキシ樹脂である請求項9記載の製造方法。
  11. 脂肪酸エステルが、1価の脂肪酸カルボン酸と、1価のアルコールとから得られるエステルである請求項9〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 香料成分の使用量が、脂肪酸エステル及び香料成分の合計量100重量%に対して55重量%以上である請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 乳化剤が多糖類である請求項9〜12記載の製造方法。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の製造方法により得られるマイクロカプセル。
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