JP2005289885A - 多次元有機・無機複合体化合物、複合焼成体およびこれらの製造方法 - Google Patents

多次元有機・無機複合体化合物、複合焼成体およびこれらの製造方法 Download PDF

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JP2005289885A JP2004107542A JP2004107542A JP2005289885A JP 2005289885 A JP2005289885 A JP 2005289885A JP 2004107542 A JP2004107542 A JP 2004107542A JP 2004107542 A JP2004107542 A JP 2004107542A JP 2005289885 A JP2005289885 A JP 2005289885A
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正邦 吉原
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Abstract

【課題】優れた電子移動性、酸化還元活性、可視光応答性、光触媒活性など新たな機能的物性を有し、次世代の高機能ハイブリッド素材となり得る多次元有機・無機複合体化合物および複合体およびそれらの製造方法の提供。
【解決手段】式(1)で示される、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる化合物(C)であって、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物および、この多次元有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下で焼成して得られる複合焼成体により課題を解決できる。
【化1】
Figure 2005289885

【選択図】図1

Description

本発明は、多次元有機・無機複合体化合物、複合焼成体およびこれらの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは2種類以上の無機金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物、この多次元有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下に焼成して得られる複合焼成体およびこれらの製造方法並びにその利用に関するものである。
従来から、無機材料の有する堅牢性と有機材料の有する多彩な性質を利用するため有機・無機ハイブリッド化合物は化粧品(コア・シェル材料)、コーテイング材料(無機粒子−高分子複合体)、電子材料(ゾル−ゲルバインダー)、界面改質材(各種カップリング剤)など様々な分野に提供されている。例えば、ガラス等の表面改質に用いられるシランカップリング剤は有機基を導入したシリル化合物であり、無機物表面に有機基を効果的に導入し、塗料等の有機材料によるコーティングを容易なものに改質する。
また、工業製品として有用な樹脂形成体は、その強度を向上させるためにフュームドシリカ等のフィラーを添加して形成能および強度を両立した有機・無機ハイブリッド材料として用いられている。これらはバルク体でのハイブリッド材料を提供している。
一方、分子性のハイブリッド材料としては、金属錯体が挙げられる。これらは金属元素に有機物が配位結合を介して形成された化合物である。これらは光機能材料、酸化還元触媒等への応用が盛んに研究されている。
しかし、前者のバルク体ハイブリッド材料は有機材料の特性と無機材料の特性との単なる加算的特性を発現するに過ぎず、一方、金属錯体のような分子性ハイブリッド材料は機能の中心は金属元素が担っており、有機配位子は金属の活性を制御する機能しか持ちあわせていない場合が多い。
そこで、本発明者は、先に、1種類の無機金属化合物と多官能性有機化合物とを反応させて得られる金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している新規な有機・無機ハイブリッド材料であって、新たな機能的物性を有し、次世代の高機能ハイブリッド素材となり得る有機・無機複合体化合物を提供した(特許文献1参照)。また、この有機・無機複合体化合物を減圧下に焼成して得られる複合焼成体を提供した(特許文献2参照)。
特開2002−053669 特願2004−056380
本発明の第1の目的は、本発明者が先に提案した1種類の無機金属化合物を用いた前記有機・無機複合体化合物およびこの有機・無機複合体化合物を減圧下に焼成して得られる複合焼成体よりさらに優れた機能的物性を有する有機・無機複合体化合物および複合焼成体を提供することであり、
本発明の第2の目的は、そのような有機・無機複合体化合物および複合焼成体を容易に製造できる方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意研究した結果、2種類以上の無機金属化合物と多官能性有機化合物とを反応させて得られる有機・無機複合体化合物およびこの有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下にて焼成することにより得られる複合焼成体により課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させた。
本発明の請求項1の発明は、式(1)で示される、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる化合物(C)であって、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合していることを特徴とする多次元有機・無機複合体化合物である。
Figure 2005289885
(ただし、式(1)中、Mは金属元素を示し、R1 はアルコキシ基、ハロゲンイオン、カルボン酸陰イオン、アセチルアセトン等の錯形成基を示し、n1はR1の金属元素Mに対する置換数n1≧2を示す。また式中R2 はアルキル基、置換アルキル基、アルキルベンゼン基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、アリル基等の非共役有機基あるいは共役有機基を示し、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、フォスフィン基等の金属元素と共有結合を形成する置換基を示し、n2はR2 に対する置換数n2≧2を示す。)
本発明の請求項2の発明は、前記式(1)で示される、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる化合物(C)であって、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下で焼成して得られることを特徴とする複合焼成体である。
本発明の請求項3の発明は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、前記多次元有機・無機複合体化合物の形状が、粒子、結晶構造体、薄膜、厚膜であることを特徴とする。
本発明の請求項4の発明は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、前記多次元有機・無機複合体化合物が、別途有機化合物が添加されていることを特徴とする。
本発明の請求項5の発明は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、前記多次元有機・無機複合体化合物が、別途無機化合物が添加されていることを特徴とする。
本発明の請求項6の発明は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、前記多次元有機・無機複合体化合物が、別途有機化合物および無機化合物が添加されていることを特徴とする。
本発明の請求項7の発明は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、電子移動性を有することを特徴とする。
本発明の請求項8の発明は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、酸化還元活性を有することを特徴とする。
本発明の請求項9の発明は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、可視光応答性を有することを特徴とする。
本発明の請求項10の発明は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、光触媒活性を有することを特徴とする。
本発明の請求項11の発明は、前記式(1)で示すように、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを、溶媒の存在下に反応させることを特徴とする、新規化合物(C)である、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物の製造方法である。
本発明の請求項12の発明は、前記式(1)で示すように、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを、溶媒の存在下に反応させて得られる新規化合物(C)である、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下で焼成することを特徴とする複合焼成体の製造方法である。
本発明の請求項13の発明は、請求項12記載の複合焼成体の製造方法において、400〜800℃で焼成することを特徴とする。
本発明の請求項1の多次元有機・無機複合体化合物は、前記式(1)で示される、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる化合物(C)であって、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合していることを特徴とするものであり、2種類以上の金属の相乗作用により1種類の金属の場合よりさらに優れた機能的物性を有するとともに、多官能性有機基・無機金属元素直接相互作用とバルク体特有の高次構造固体物性の両立による加算的機能が発現され、これら優れた新規機能により電子、光的特性が確認されたことより、電子材料や光機能材料などに種々の用途が提供されるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2の複合焼成体は、前記式(1)で示される、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる化合物(C)であって、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下で焼成して得られることを特徴とするものであり、
例えば前記多次元有機・無機複合体化合物を、減圧下あるいは不活性ガス雰囲下、約400〜800℃で焼成すると有機骨格が炭化して得られる微小な炭化物マトリックス中に2種類以上の金属の酸化物、硫化物、窒化物、リン化物のナノサイズクラスターが、あるいは金属がオスミウム、ルテニウムなどの場合は0価の金属微粒子のナノサイズクラスターが、均一に分散した新規な複合焼成体が得られ、この複合焼成体は、2種類以上の金属の相乗作用により1種類の金属の場合よりさらに優れた電子移動性、酸化還元活性、可視光応答性、光触媒活性などを示し、これら新規機能により電子、光的特性が確認されたことより、電子移動性を有する材料、酸化還元活性を有する材料、可視光応答性を有する材料、光触媒活性を有する材料などの電子材料や光機能材料など種々の用途に適用可能である、という顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、多次元有機・無機複合体化合物の形状が、粒子、結晶構造体、薄膜、厚膜であることを特徴とするものであり、種々の特性が要求される多様なニーズに応じることができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、前記多次元有機・無機複合体化合物が、別途有機化合物が添加されていることを特徴とするものであり、種々の特性が要求される多様なニーズに応じることができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、前記多次元有機・無機複合体化合物が、別途無機化合物が添加されていることを特徴とするものであり、種々の特性が要求される多様なニーズに応じることができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、前記多次元有機・無機複合体化合物が、別途有機化合物および無機化合物が添加されていることを特徴とするものであり、種々の特性が要求される多様なニーズに応じることができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項7は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、電子移動性を有することを特徴とするものであり、電子移動性を有する材料として利用することができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項8の複合焼成体は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、酸化還元活性を有することを特徴とするものであり、酸化還元活性を有する材料として利用することができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項9の複合焼成体は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、可視光応答性を有することを特徴とするものであり、可視光応答性を有する材料として利用することができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項10の複合焼成体は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体において、光触媒活性を有することを特徴とするものであり、光触媒活性を有する材料として利用することができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項11は、前記式(1)で示すように、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを、溶媒の存在下に反応させることを特徴とする、新規化合物(C)である、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物の製造方法に関するものであり、本発明の多次元有機・無機複合体化合物を容易に製造できる、という顕著な効果を奏する。
本発明の請求項12は、前記式(1)で示すように、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを、溶媒の存在下に反応させて得られる新規化合物(C)である、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下で焼成することを特徴とする複合焼成体の製造方法に関するものであり、本発明の複合焼成体を容易に製造できる、という顕著な効果を奏する。
本発明の請求項13は、請求項12記載の複合焼成体の製造方法において、400〜800℃で焼成することを特徴とするものであり、本発明の複合焼成体を容易に経済的に製造できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、新規な多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体の高次構造化に関する。
2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる2種類以上の無機金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している無機金属元素―多官能性有機基直接相互作用を有する本発明の多次元有機・無機複合体化合物は、金属−有機骨格間に強い相互作用をもたらす。
図12に示すように、一方の金属元素M1に与えられた刺激(光、酸化還元など)により発生した電荷やスピンなどが共有結合を介して伝達し他方の金属元素M2に伝わる。電荷が伝わる場合は多次元有機・無機複合体化合物は2種類以上の無機金属元素の相互作用により優れた電気導電体となり、またスピンが伝わる場合は多次元有機・無機複合体化合物は2種類以上の無機金属元素の相互作用により優れた磁性材料となり得る。
図12に示した有機骨格Rはこれらの伝達経路の制御因子となっており、有機骨格Rを適切に選択することにより、電気的特性を電気導電体から半導体、不導体まで制御することが可能となり、さらに磁気的特性、触媒的特性をも制御可能に保持させることができる。
本発明の多次元有機・無機複合体化合物は、例えば、下記式(2)で示されるように、2種類以上の無機金属化合物(A)1、(A)2、(A)3・・・と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる多次元有機・無機複合体化合物は、グープ(C)1、グループ(C)2、グループ(C)3・・・・・・を含むハイブリッドポリマーである。
このハイブリッドポリマーは、各グループが交互に順序良く結合した交互結合体であるか、各グループが2つ以上結合したブロックが交互に順序良くあるいは適宜順序で結合したブロック結合体であるか、各グループがランダムに結合したランダム結合体であるか、あるいはこれらの2種以上の混合であってもよく、各グループの配列は特に限定されるものではない。
このハイブリッドポリマーの分子量も合成可能で取り扱いできる範囲であればよく特に限定されるものではない。
Figure 2005289885
本発明の複合焼成体は、前記多次元有機・無機複合体化合物を、減圧下あるいは不活性ガス雰囲下、約400〜800℃で焼成することにより得られる。焼成すると有機骨格が炭化し、炭化して得られる微小な炭化物マトリックス中に2種類以上の金属の酸化物、硫化物、窒化物、リン化物のナノサイズクラスターが、あるいは金属がオスミウム、ルテニウムなどの場合は0価の金属微粒子のナノサイズクラスターが、均一に分散した本発明の新規な複合焼成体が得られる。
前記金属の酸化物、硫化物、窒化物、リン化物などは多くの格子欠陥を含み、この格子欠陥が提供するエネルギー準位が機能発現の基になると考えられる。
この複合焼成体は2種類以上の無機金属元素の相互作用により優れた電子移動性、酸化還元活性、可視光応答性、光触媒活性などを示し、これら新規機能により電子、光的特性が確認されたことより、電子材料や光機能材料など種々の用途に適用可能である。
本発明の好適な実施態様においては、R1 はメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、t-ブトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等の、ハロゲンイオン、酢酸根、酒石酸根、シュウ酸根等のカルボン酸陰イオン、アセチルアセトン、エチレンジアミン四酢酸、ノルボルネン等の錯形成化合物、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン等の無機イオンからなる群より選択される。
本発明の好適な実施態様においては、R2 はアルキル基、置換アルキル基、アルキルベンゼン基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、アリル基、アレン基、ビフェニル基、トラン基、ビフェニルエーテル基、ビフェニルスルフィド基、ビフェニルスルホネート基、スチルベン基等の非共役、共役有機基からなる群より選択される。
本発明の好適な実施態様においては、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、フォスフィン基等の金属元素と共有結合可能な置換基より選択される。
本発明に用いる金属元素Mは安定金属元素であれば特に制限を有するものではないが、本発明の好適な実施態様においては、好ましくは、金属元素Mは第一周期遷移金属元素、第二周期遷移金属元素、第三周期遷移金属元素さらにランタノイド元素からなる群より選択される少なくとも2種類以上である。
本発明で用いる2種類以上の無機金属元素は一方向への電荷分離機能を発現させるためのものであり、それらの酸化物などのバンドエッジのエネルギー準位が異なるものであればどのような組み合わせでもよく限定されるものではない。
本発明に用いる金属元素は具体的には、例えば、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ホルミウム、ストロンチウム、テルル、セレン、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホロニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等を挙げることができる。また、これ以外の金属元素としては、アルミニウム、珪素、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛等が挙げられる。
本発明に用いる無機金属化合物は、上記金属元素の化合物であれば特に制限を有するものではないが、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、t-ブトキシ基、メトキシエトキシ基等が置換した金属アルコキシド、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が置換した、金属ハロゲン化物、酢酸根、酒石酸根、シュウ酸根等が置換した金属カルボン酸塩、アセチルアセトン、エチレンジアミン四酢酸、ノルボルネン等が置換した金属錯体、金属硝酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩等の無機金属塩等が挙げられる。
本発明に用いる多官能性有機化合物は上記金属元素と共有結合可能な官能基を有していれば特に制限を有するものではないが、好ましくは多価アルコール等の水酸基を複数有する化合物、多価アミン等のアミノ基を複数有する化合物、多価チオール等のチオール基を複数有する化合物、多価のフォスフィン基を複数有する化合物が挙げられる。また、これらの官能基の置換数も制限を有するものではないが、好ましくは1〜10置換、より好ましくは2〜4置換である。
本発明に用いる多官能性有機化合物の中心骨格は、上記官能基を有していれば特に制限を有するものではないが、好ましくは、鎖長1〜16の直鎖または分岐アルキル基、これらにハロゲン、ニトロ基、アリル基等を含む置換アルキル基、前記アルキル基を単数もしくは複数含むアルキルベンゼン基、フェニル基、ハロゲン、ニトロ基、アリル基等を含む置換フェニル基、ナフチル基、ハロゲン、ニトロ基、アリル基等を含む置換ナフチル基、アリル基、アレン基、ビフェニル基、トラン基、ビフェニルエーテル基、ビフェニルスルフィド基、ビフェニルスルホネート基、スチルベン基等が挙げられ、より好ましくは共役系有機化合物である。
本発明の好適な実施態様においては、多次元有機―無機複合体化合物(C)は、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)を溶媒の存在下で混合・反応させることによって得られる。
本発明に用いる溶媒は入手容易なものであれば特に制限を有しないが、好ましくは、石油エーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸アミル、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、和光純薬株式会社、関東化学株式会社、東京化成株式会社等から入手することができる。また、好ましくはこれら溶媒は公知の方法により脱水蒸留して用いる。
また、溶媒に対する反応試剤の濃度は特に制限を有するものではないが、好ましくは溶剤に対して0.1〜90質量%、さらに好ましくは1〜20質量%である。また、結晶構造体を得る場合には低濃度が好ましく、薄膜、厚膜を形成させる場合には中〜高濃度が望ましい。
本発明の好適な実施態様においては、多次元有機―無機複合体化合物(C)は、2種類以上の無機金属化合物(A)に対し、多官能性有機化合物(B)の当量は0.1〜10となる。
また、2種類以上の金属元素Mに対する多官能性有機化合物の混合量は特に制限を有するものではないが、好ましくは0.1〜10当量、さらに好ましくは0.5〜5当量である。
本発明の多次元有機・無機複合体化合物の粒子の大きさは直径1nm〜5μm、好ましくは5nm〜1μm、より好ましくは10nm〜500nmである。
上記粒子は、反応試剤の混合比、溶媒の種類、濃度、反応温度、反応時間等の合成条件により制御されるが、粒子生成後、機械的粉砕法などの公知の方法を用いても作製し得る。
多次元有機・無機複合体化合物の粒子のサイズは、レーザードップラー型粒度分布測定器、透過型電子顕微鏡などを用いて測定できる。
本発明の多次元有機・無機複合体化合物の結晶構造体の大きさは、長径10nm〜5cm、好ましくは50nm〜1cm、より好ましくは100nm〜1mmである。
多次元有機・無機複合体化合物の結晶構造体のサイズは、レーザードップラー型粒度分布測定器、透過型電子顕微鏡などを用いて測定できる。また、結晶構造は粉末X線解析装置、単結晶X線回折装置、電子線回折装置などを用いて解析できる。
本発明の多次元有機・無機複合体化合物の薄膜、厚膜の膜厚は、1nm〜5mm、好ましくは5nm〜100μm、より好ましくは10nm〜10μmである。
多次元有機・無機複合体化合物の薄膜、厚膜のサイズは、膜厚測定装置、透過型電子顕微鏡、走査電子顕微鏡での断面観測などを用いて測定できる。
多次元有機・無機複合体化合物の薄膜、厚膜は各種基板上に形成される。基板として特に制限を有しないが、好ましくは、アルミニウム、ステンレス、金、銀、銅等の金属基板、単結晶シリコン、ガリウム−砒素結晶体等の半導体基板、ガラス基板、陶器基板が挙げられる。また、基板表面は各種カップリング剤など公知の方法を用いて表面処理をしてもよい。
本発明で用いる他種有機化合物含有多次元有機・無機複合体化合物は、他種有機物を複合体合成時に反応試剤と共に添加するか、もしくは複合焼成体合成後に溶媒に分散させた複合焼成体中に添加したり、複合焼成体を他種有機化合物蒸気に暴露させたり、または他種有機化合物を機械的混練することによって得ることができる。
また、他種有機化合物の添加量に制限はないが、好ましくは、多次元有機・無機複合体化合物あるいは複合焼成体100質量部に対し0.01〜1000質量部、さらに好ましくは0.1〜100質量部添加する。
他種有機化合物の種類については制限はないが、好ましくは、C60等のフラーレン類、テトラチアフルバレン類、テトラシアノキノジメタン類等の電子授受機能を有する化合物、クラウンエーテル類、アザクラウンエーテル類、カリックスアレン類等のイオン捕捉化合物等が挙げられる。
本発明で用いる他種無機化合物含有多次元有機・無機複合体化合物は他種無機化合物を複合体合成時に反応試剤と共に添加するか、もしくは複合焼成体合成後に溶媒に分散させた複合焼成体中に添加したり、複合焼成体を他種無機化合物蒸気に暴露させたり、または他種無機化合物を機械的混練することによって得ることができる。
また、他種無機化合物の添加量に制限はないが、好ましくは、多次元有機・無機複合体化合物あるいは複合焼成体100質量部に対し0.01〜1000質量部、さらに好ましくは0.1〜100質量部添加する。
他種無機化合物の種類については制限はないが、好ましくは、ヨウ素等のハロゲン元素、フェロセン等のメタロセン化合物類、クロロフィル等のポルフィリン化合物類等の電子授受機能を有する化合物、フタロシアニン類等の色素化合物等が挙げられる。
本発明で用いる異種混合無機物含有多次元有機・無機複合体化合物は、異種の無機金属化合物と異種の多官能性有機化合物を溶媒の存在下で同時混合し反応させることによって得ることができる。
もしくは、すでに合成し得た異種の多次元有機・無機複合体化合物を逐次混合し、機械的混練によっても得ることができる。
また、混合する種類、数等に制限はないが、好ましくは同時混合の場合は無機金属化合物と多官能性有機化合物合わせて3〜10種、逐次混合の場合は異種多次元有機・無機複合体化合物を3〜10種、さらに好ましくは同時混合の場合は無機金属化合物3〜5種、逐次混合の場合は異種多次元有機・無機複合体化合物を3〜5種混合する。
また、異種混合無機化合物含有多次元有機・無機複合体化合物は、上記に示した他種有機化合物含有多次元有機・無機複合体化合物、他種無機化合物含有多次元有機・無機複合体化合物のそれぞれ、もしくは双方を用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は、実施例に限定されない。
(セリウム/ホルミウムを含む多次元有機・無機複合体化合物の合成および複合焼成体の製造)
アルゴン雰囲気下、ホルミウム(III)クロリド0.8mmolを無水エタノール10mLに溶解させた溶液と、4−ヒドロキシチオフェノール(2e)2.4mmolおよび1,8−(ジメチルアミノ)ナフタレン2.4mmolを無水エタノール10mLに溶解させた溶液とを混合し、3時間加熱還流を行った後、セリウム(IV)エトキシメトキサイド0.6mmolを無水エタノール10mLに溶解させた溶液を滴下し、3時間加熱還流を行った。
生成した沈殿物をメンブレンフィルタで濾過し、ソックスレー抽出器を用いて無水エタノールで洗浄した。得られた生成物を6時間100℃で真空乾燥し本発明のセリウム/ホルミウムを含む多次元有機・無機複合体化合物3eを得た(式3参照)。
Figure 2005289885
得られた本発明の多次元有機・無機複合体化合物3eを1g磁製るつぼに入れて減圧下、温度を変化(400、500、600、700℃、800℃、昇温速度5℃/min)させて1時間焼成して本発明の複合焼成体4e400、4e400、4e600、4e700、4e800を得た。
得られた複合焼成体100mgを0.01mol/1水素ヘキサクロロプラチネート(IV)ヘキサハイドレート水溶液100mlに分散させ、還元剤としてメタノール5mlを加えた後、ハロゲンランプ(HOYA−SCHOTT製Megalight100 150W)を使用して30分間光照射を行った。その後複合焼成体を濾過し、蒸留水で水洗した。得られた白金を担持した複合焼成体を100℃で6時間真空乾燥した。
(水分解能の評価)
5mlの反応容器に試験体(複合焼成体、および白金を担持した複合焼成体)100mgと脱酸素水2mlを入れ、ハロゲンランプ(150W)を使用して室温で所定時間可視光照射を行った。その後、容器に発生した水素、酸素をガスクロマトグラフ法によって測定した。
(比較のために、セリウムあるいはホルミウムを含む多次元有機・無機複合体化合物の合成および複合焼成体の製造を行った。)
アルゴン雰囲気下、セリウム(IV)エトキシメトキサイド1.0mmolを無水エタノール10mLに溶解させた溶液に、ハイドロキノン(2a)2.0mmolを無水THF10mLに溶解させた溶液とを混合し、3時間加熱還流を行った。
生成した沈殿物をメンブレンフィルタで濾過し、ソックスレー抽出器を用いて無水THFで洗浄した。得られた生成物を6時間100℃で真空乾燥しセリウムを含む比較の多次元有機・無機複合体化合物3aを得た(式4参照。式4中のX=O)。
ハイドロキノンの代わりに1,4−ベンゼンジチオール(2b)を用いた以外は同様にして比較の多次元有機・無機複合体化合物3bを得た(式4参照。式4中のX=S)。
Figure 2005289885
アルゴン雰囲気下、ホルミウム(III)クロリド1.0mmolを無水エタノール10mLに溶解させた溶液に、ハイドロキノン(2c)1.5mmolと1,8−(ジメチルアミノ)ナフタレン3.0mmolを無水エタノール10mLに溶解させた溶液とを混合し、3時間加熱還流を行った。
生成した沈殿物をメンブレンフィルタで濾過し、ソックスレー抽出器を用いて無水エタノールで洗浄した。得られた生成物を6時間100℃で真空乾燥しホルミウムを含む比較の多次元有機・無機複合体化合物3cを得た(式5参照。式5中のX=O)。
Figure 2005289885
合成した多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体の構造決定、物性評価を下記の機器分析により行った。
(機器分析)
(1)元素分析(C,H,N)
ヤナコ機器開発研究所 CHNCORDER MT−6、MTA−620 AUSTSAMPLERを用いて測定した。
(2)元素分析(S)
ヤナコ機器開発研究所 微量ハロゲン、硫黄分析装置YS−10型を用い、固体検量線法により測定した。
(3)蛍光X線分析(XRF)
理学電機 蛍光X線分析装置RIX2000を用い、線源にRh(50kv−50mA)を用いて測定した。
(4)FT−IRスペクトル
パーキン−エルマーFTIR1760−X Infrared FourirTransform Spectrometerを用いてKBr錠剤法により測定した。
(5)透過型電子顕微鏡(TEM)
日本電子 JEM−3010電子顕微鏡を用い、コロジオン膜張付きメッシュを用い、加速電圧300kVで測定した。
(6)UV−VISスペクトル
日立製作所 U−4000自記分光光度計を用いて拡散反射法で300〜800nmの波長領域を測定した。
(7)ESRスペクトル
日本電子 JEM−TE200ESR SPECTROMETERを用い、マイクロ波変調幅0.5mT、掃引磁場領域84〜584mT、時定数0.1s、測定温度293Kの条件で測定した。また、光源にはHOYA−SCHOTT製Megalight100ハロゲンランプ(150w)を使用した。
(8)X線光電子分析(XPS)
島津製作所 X線光学電子分析装置ESCA−850を用い、線源にMg−Kα(30kv−8mA)を用いて測定した。
(9)熱物性測定(TG−DTA)
理学電機 TG−DTA−MS8010を用い、窒素雰囲気下、20〜1000℃の温度範囲を測定した。試料測定容器は白金オープンパンを使用した。
(10)粉末X線結晶回折(XRD)
理学電機 X線回折装置MiniFlexを用い、線源にCu−Kα(30kV、15mA)を用いて測定した。
(11)TCDガスクロマトグラフ
島津製作所 GC−9A型(カラム:モレキュラーシーブ5A・2m)を用いて測定した。発生ガスの定性、定量には島津製作所 CR−3A型クマトパック、島津ガスクログラフ用ガスサンプラMGS−4を使用した。
前記多次元有機・無機複合体化合物3a、3b、3c、3eを得る合成反応は速やかに進行し、前記多次元有機・無機複合体化合物3a、3b、3c、3eが得られた。これらの組成および構造を明らかにするため、元素分析、FT−IRスペクトルの測定を行った。3a、3b、3cの元素分析結果を表1に、3a、3b、3cのIRスペクトルの測定結果を表2に、3eの元素分析結果を表3に、3eのIRスペクトルの測定結果を表4にそれぞれ示す。
Figure 2005289885
Figure 2005289885
Figure 2005289885
Figure 2005289885
表1〜表4から多次元有機・無機複合体化合物の元素分析値は理論値に大体近い値を示し、導入した有機基に由来する吸収が確認された。
多次元有機・無機複合体化合物3a、3b、3c、3eを透過型電子顕微鏡(TEM)観察した結果、3eは球形粒子(径約50nm程度)を融合させた形状を有しており、3a、3b、3cに見られる不定形構造が見られないことが判った。この結果、セリウム原子はヒドロキル基、メルカプト基双方と反応性を有するが、ホルミウム原子はヒドロキル基のみと反応が進行する傾向があるが、3e中のホルミウムは、ヒドロキル基と、セリウムは、メルカプト基と選択的に反応が進行しているセリウム−有機基−ホルミウム三元交互構造を有することが示唆された。
多次元有機・無機複合体化合物3eは褐色を呈しており、ハイブリッドポリマー骨格内において容易に電子励起を生じていることが示唆された。そこでこの電子的効果を評価するためにUV−VISスペクトルを測定した。比較の3a、3b、3cについても測定した(図1参照)。
その結果、セリウムおよびホルミウムを含む3eはセリウム単独あるいはホルミウム単独の3、3b、3cの吸収波長と比較して、長波長側にシフトしており有機基−金属交互骨格内において電子励起が容易に生じることが判った。
そこで、ポリマー骨格内において電子励起が容易に生じればポリマー骨格内に不対電子種を生成すると考えられるので、これを確認するために次にESRスペクトルの測定を行った(図2参照)。
その結果3a、3b、3c、3e全てに337mT(g=2.0032)に有機系ラジカル種に基づくシグナルが観測され、ポリマー骨格内で容易に電子移動を生じていることが判明した。3eのシグナルは3a、3b、3cと比較して著しく高くなっており、ポリマー骨格内に効果的な電子移動経路が形成され、電子移動能が向上していることが判明した。
そこで、この電子移動過程を検討するため3eのXPS測定を行った(図3、図4参照)。3eのセリウム原子のピーク(3d5/2)は882.2eVに確認され、セリウム単独の3bの883.1eVと比較して低エネルギー側へシフトしていることが判った。これは3eにおけるセリウム原子の電子密度が増大していることを意味しており、ポリマー骨格内において有機基からセリウム金属へ電子移動を誘発していることを示唆している。
一方、3eのホルミウム原子のピーク(4d5/2)は162.2eVに確認され、ホルミウム単独の3cの160.5eVと比較して高エネルギー側へシフトしており、4f8 電子を有するホルミウム原子がセリウム原子へ電子供与した際に生じた有機ラジカルカチオンを安定化することで、ホルミウム上の電子密度が減少していることを示唆している。
以上の結果より、3eにおいては、レドックス活性なセリウムへ有機基から電子移動が誘発され、それにより生じた有機基上のラジカルカチオンが隣接する4f8 電子を有するホルミウム原子によって安定化されるので、3a、3b、3cと較べ、ポリマー骨格内の電子移動がより効果的になったことが判った(図5参照)。
本発明の複合焼成体4e400〜4e800の元素分析を行った結果を表5に示す。
Figure 2005289885
表5から焼成前の3eに較べて複合焼成体4e400〜4e800は水素、炭素、硫黄の含有率が大幅に減少しており、骨格内の有機基が炭化していることが判明した。焼成温度が高くなるに従いセリウム、ホルミウムの含有率が増大しており、その比率(Ce/Ho)は0.71〜0.75となり、金属は昇華することなく酸化物を形成していることが示唆された。
そこで、粉末X線回折(XRD)の測定を行った。3e、4e400〜4e800の粉末X線回折の結果を図6に示す。
その結果、4e800では、2θ=28.5deg,29.0degにそれぞれ酸化セリウム(CeO2 )、酸化ホルミウム(HoO2 )に由来するピークが認められ、複合焼成体内の各金属が酸化物を形成していることが判った。700℃以下の系でも、2θ=47.6deg,48.4deg,56.3deg,57.4degなどに各酸化物に由来するブロードなピークが認められ、焼成により複合焼成体内の各金属が一部酸化物を形成し、焼成温度の上昇とともに酸化物の成長反応が進行することが判った。
複合焼成体4e400〜4e800を透過型電子顕微鏡(TEM)観察した結果、4e400〜4e700、3eは不定形粒子であり、粒子内に1〜2nmの密度の高いコアが均一に分散した構造を有することが判った。複合焼成体4e800は密度の高い微粒子は10nm以上の大きさに凝集していることが判った。この密度の高いコアは元素分析とXRDの結果を考慮すると、金属酸化物の微粒子と考えられ、炭化物のマトリックス中にナノサイズの酸化物クラスターが分散している構造を有することが判った。また全ての系において炭化物のマトリックスに粒界は認められず、炭化物はバルク成長しているのでなく、微小炭素クラスターを形成していると考えられる。
炭素クラスターの構造を検討するために4e600、3eのXPS測定を行った(図7参照)。3eは1s1/2のピークは284.9eVに観測されたのに対し、4e600は283.6eVとなり、結合エネルギーが約1.3eV減少していた。これは焼成前に較べ炭素原子上への電子密度が増加しており、導入した有機基が炭化し、不飽和結合を有する炭素クラスターを形成していることが示唆された。
以上の結果より3eを焼成して得られた本発明の複合焼成体は、不飽和結合を有する炭素クラスターとセリウム、ホルミウム酸化物超微粒子との複合体になっており、特に4e600は微小炭素クラスター−セリウム、ホルミウム酸化物の複合体を形成していることが判った。
3e、4e400〜4e800、3eの電子物性を評価するためにESRスペクトル測定を行った(図8参照)。
全ての系において、有機ラジカル種に由来するシグナルが337mT(g=2.0032)に認められ、特に600℃焼成体4e400においてシグナルが極めて強いことが認められた。これは炭素クラスターとセリウム、ホルミウム金属間の強い相互作用により電子移動が促進されたことを示唆している。
ESRスペクトル測定の結果最も電子物性に優れていた4e600を用い、可視光照射によるESRスペクトルの経時測定を行った(図9参照)。
その結果、可視光照射によりシグナルが減少し、照射後は元のシグナル強度まで回復することが判り、複合焼成体4e600骨格内の電子移動が可視光応答性を示すことが判った。
ESRスペクトル測定の結果最も電子物性に優れていた4e600に酸化剤(ベンゾキノン)を添加した場合と、還元剤(トリエチルアミン)を添加した場合について、ESRスペクトル測定を行った(図10参照)。
その結果、酸化剤(ベンゾキノン)を添加した場合は添加前に較べてシグナル強度の減少が認められ、還元剤(トリエチルアミン)を添加した場合は添加前に較べてシグナル強度の増大が認められ、複合焼成体4e600内に生成したラジカルはアニオン種であることが判った。
4e600の還元サイトに白金を担持した複合焼成体に酸化剤(ベンゾキノン)を添加した場合と、還元剤(トリエチルアミン)を添加した場合について、ESRスペクトル測定を行った(図11参照)。
ESRスペクトル測定の結果最も電子物性に優れていた4e600の還元サイトに白金を担持した複合焼成体の酸化還元ポテンシャルを求めるために酸化力、還元力の異なる試薬を用い、ESRスペクトル測定のシグナル強度の変化から増減するスピン数をX軸に、ab−initio分子軌道計算(RHF/6−311Gdp)により求めた各種還元剤のHOMOのポテンシャル、およびLUMOポテンシャルをY軸にとり、Y軸切辺を複合焼成体の限界酸化還元ポテンシャルとして、水のHOMO、LUMOポテンシャルと比較した。
その結果複合焼成体の限界酸化還元ポテンシャルは−14.17eVとなり、水のHOMOポテンシャル−13.91eVより低い値となり、本複合焼成体は水の酸化分解反応を進行させることができることが示唆され、また複合焼成体の限界還元還元ポテンシャルは4.09eVとなり、水のLUMOポテンシャル3.97より高い値となり、本複合焼成体は水の還元分解反応を進行させることができることが示唆され、本複合焼成体は水の分解反応を進行させることができることが示唆された。
そこで白金を担持した本複合焼成体100mgを5mlの反応系に封入し、水2mlを加えて72時間ハロゲンランプ(150w)を照射し、水の分解について試験し、ガスクロマトグラフを用いて系中の気体を測定した。
その結果、水素(3.61μmol)、酸素(1.79μmol)の発生が認められ、水の完全分解が進行することが判り、本複合焼成体が人工光合成システムとして機能することが判った。
以上のように本複合焼成体は、酸化セリウム、酸化ホルミウムクラスターと炭素クラスターとの協奏的効果により、低い価電子体準位を有する酸化セリウム、および高い伝導帯準位を有する酸化ホルミウム双方によって高い酸化還元ポテンシャルを発現したものと考えられる。この機能発現は、異なるバンド構造を有する2種の金属酸化物と炭素クラスターの協奏的効果により、酸化セリウムの可視光励起によって生成した励起電子を、炭素クラスターのフェルミ準位を介して酸化ホルミウムの価電子帯に伝達するとともに、酸化ホルミウムが可視光励起によって生成した励起電子を白金のフェルミ準位に伝達する2段階励起システムによるものと考えられ、効果的な電荷分離を実現することで高い酸化還元活性を発現したことが示唆される。
(他の多次元有機・無機複合体化合物の合成および複合焼成体の製造)
アルゴン雰囲気下、Te(OC254 0.3mmolを無水THF5mLに溶解させた溶液と、4−ヒドロキシチオフェノール1.2mmolを、無水THF20mLに溶解した溶液とを混合し、1時間室温で攪拌し、この溶液にSr(OC372 0.6mmolを無水THF30mLに溶解させた溶液を加えさらに3時間室温で攪拌し、多次元有機・無機複合体化合物を合成した[式(6)参照]。生成した沈殿物をメンブレンフィルタで濾過し、得られた生成物を24時間60℃で真空乾燥し本発明の多次元有機・無機複合体化合物を得た。
Figure 2005289885
得られた多次元有機・無機複合体化合物を0.2g磁製るつぼに入れて アルゴン雰囲気下、温度を変化(400、500、600℃、昇温速度5℃/min)させて1時間焼成して本発明の複合焼成体を得た。
本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体は、実施例1の本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体とほぼ同じ性能を有していた。
(他の多次元有機・無機複合体化合物の合成および複合焼成体の製造)
アルゴン雰囲気下、GeBr4 0.6mmolを無水エタノールに溶解させた溶液と、p−メルカプトフェノール2.4mmolを無水エタノール10mLに溶解させた溶液とを混合し、この混合溶液にEt3 N4.8mmolをゆっくりと滴下した後、24時間室温で攪拌し、攪拌後、VCl3 0.8mmolを無水エタノール10mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下し、さらに3時間室温で攪拌し、多次元有機・無機複合体化合物を合成した[式(7)参照]。生成した沈殿物をメンブレンフィルタで濾過し、ソックスレー抽出器を用いて無水エタノールで洗浄し、得られた生成物を6時間100℃で真空乾燥し本発明の多次元有機・無機複合体化合物を得た。
Figure 2005289885
得られた多次元有機・無機複合体化合物を0.3g磁製るつぼに入れて減圧下、温度を変化(400、500、600、700℃、昇温速度1.5℃/min)させて1時間焼成して本発明の複合焼成体を得た。
本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体は、実施例1の本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体とほぼ同じ性能を有していた。
(他の多次元有機・無機複合体化合物の合成および複合焼成体の製造)
同様にして式(8)に従って、Zr−Snを含む本発明の多次元有機・無機複合体化合物を得た。
Figure 2005289885
得られた多次元有機・無機複合体化合物を同様にして減圧下、温度を変化(400、500、600、700℃)させて焼成して本発明の複合焼成体を得た。 本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体は、実施例1の本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体とほぼ同じ性能を有していた。
(他の多次元有機・無機複合体化合物の合成および複合焼成体の製造)
同様にしてSc−Yを含む本発明の多次元有機・無機複合体化合物を得た後、同様にして減圧下、温度を変化(400、500、600、700℃)させて焼成して本発明の複合焼成体を得た[式(9)参照]。
本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体は、実施例1の本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体とほぼ同じ性能を有していた。
Figure 2005289885
(他の多次元有機・無機複合体化合物の合成および複合焼成体の製造)
同様にしてNi−Srを含む本発明の多次元有機・無機複合体化合物を得た後、同様にして空気中減圧下、温度を変化(400、500、600、700℃、5℃/min)させて焼成して本発明の複合焼成体を得た[式(10)参照]。 本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体は、実施例1の本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体とほぼ同じ性能を有していた。
Figure 2005289885
(他の多次元有機・無機複合体化合物の合成および複合焼成体の製造)
同様にしてSe−Srを含む本発明の多次元有機・無機複合体化合物を得た後、同様にして空気中減圧下、温度を変化(400、500、600、700℃、5℃/min)させて焼成して本発明の複合焼成体を得た[式(11)参照]。 本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体は、実施例1の本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体とほぼ同じ性能を有していた。
Figure 2005289885
(他の多次元有機・無機複合体化合物の合成および複合焼成体の製造)
同様にしてSe−Sr−Niを含む本発明の多次元有機・無機複合体化合物を得た後、同様にして空気中減圧下、温度を変化(400、500、600、700℃、5℃/min)させて焼成して本発明の複合焼成体を得た[式(12)参照]。
本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体は、実施例1の本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体とほぼ同じ性能を有していた。
Figure 2005289885
本発明の多次元有機・無機複合体化合物は、前記式(1)で示される、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる化合物(C)であって、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合していることを特徴とするものであり、2種類以上の金属の相乗作用により1種類の金属の場合よりさらに優れた機能的物性を有するとともに、多官能性有機基・無機金属元素直接相互作用とバルク体特有の高次構造固体物性の両立による加算的機能が発現され、これら優れた新規機能により電子、光的特性が確認されたことより、電子材料や光機能材料などに種々の用途が提供されるという、顕著な効果を奏するものであり、
また本発明の複合焼成体は、この多次元有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下で焼成して得られることを特徴とするものであり、2種類以上の金属の相乗作用により1種類の金属の場合よりさらに優れた電子移動性、酸化還元活性、可視光応答性、光触媒活性などを示し、これら新規機能により電子、光的特性が確認されたことより、電子移動性を有する材料、酸化還元活性を有する材料、可視光応答性を有する材料、光触媒活性を有する材料などの電子材料や光機能材料など種々の用途に適用可能である、という顕著な効果を奏するものであり、
本発明の製造方法により、本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体を容易に製造できる、という顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
本発明の多次元有機・無機複合体化合物のUV−VISスペクトルを示すグラフである。 図1に示した本発明の多次元有機・無機複合体化合物のESRスペクトルを示すグラフである。 図1に示した本発明の多次元有機・無機複合体化合物のXPSスペクトルを示すグラフである。 図1に示した本発明の多次元有機・無機複合体化合物のXPSスペクトルを示すグラフである。 図1に示した本発明の多次元有機・無機複合体化合物の電子の移動状況を模式的に示す説明図である。 本発明の複合焼成体の粉末X線回折ペクトルを示すグラフである。 本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体のXPSスペクトルを示すグラフである。 本発明の多次元有機・無機複合体化合物および複合焼成体の多次元有機・無機複合体化合物のESRスペクトルを示すグラフである。 本発明の複合焼成体の可視光照射によるESRスペクトルの経時測定を示すグラフである。 本発明の複合焼成体に酸化剤(ベンゾキノン)を添加した場合と、還元剤(トリエチルアミン)を添加した場合について、ESRスペクトル測定を行った結果を示すグラフである。 本発明の複合焼成体の還元サイトに白金を担持した複合焼成体に酸化剤(ベンゾキノン)を添加した場合と、還元剤(トリエチルアミン)を添加した場合について、ESRスペクトル測定を行った結果を示すグラフである。 金属元素M1に与えられた刺激(光、酸化還元など)により発生した電荷やスピンなどが共有結合を介して伝達し金属元素M2に伝わる状況を模式的に示す説明図である。

Claims (13)

  1. 式(1)で示される、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる化合物(C)であって、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合していることを特徴とする多次元有機・無機複合体化合物。
    Figure 2005289885
    (ただし、式(1)中、Mは金属元素を示し、R1 はアルコキシ基、ハロゲンイオン、カルボン酸陰イオン、アセチルアセトン等の錯形成基を示し、n1はR1の金属元素Mに対する置換数n1≧2を示す。また式中R2 はアルキル基、置換アルキル基、アルキルベンゼン基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、アリル基等の非共役有機基あるいは共役有機基を示し、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、フォスフィン基等の金属元素と共有結合を形成する置換基を示し、n2はR2 に対する置換数n2≧2を示す。)
  2. 前記式(1)で示される、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得られる化合物(C)であって、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下で焼成して得られることを特徴とする複合焼成体。
  3. 前記多次元有機・無機複合体化合物の形状が、粒子、結晶構造体、薄膜、厚膜であることを特徴とする請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体。
  4. 前記多次元有機・無機複合体化合物が、別途有機化合物が添加されていることを特徴とする請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体。
  5. 前記多次元有機・無機複合体化合物が、別途無機化合物が添加されていることを特徴とする請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体。
  6. 前記多次元有機・無機複合体化合物が、別途有機化合物および無機化合物が添加されていることを特徴とする請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体。
  7. 電子移動性を有することを特徴とする、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体。
  8. 酸化還元活性を有することを特徴とする、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体。
  9. 可視光応答性を有することを特徴とする、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体。
  10. 光触媒活性を有することを特徴とする、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合物あるいは請求項2記載の複合焼成体。
  11. 前記式(1)で示すように、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを、溶媒の存在下に反応させることを特徴とする、新規化合物(C)である、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物の製造方法。
  12. 前記式(1)で示すように、2種類以上の無機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを、溶媒の存在下に反応させて得られる新規化合物(C)である、2種類以上の金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している多次元有機・無機複合体化合物を減圧下あるいは不活性ガス雰囲下で焼成することを特徴とする複合焼成体の製造方法。
  13. 400〜800℃で焼成することを特徴とする請求項12記載の複合焼成体の製造方法。
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