JP2005288543A - 金属材の接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結晶粒を微細化した金属材を接合する場合において、接合部の強度を向上させることができる金属材料の接合方法を提供する。
【解決手段】 第1ステップにおいて、2つの金属材料の結晶組織に組織制御を行い、金属材の平均結晶粒径を10μm以下に微細化する。これにより、金属材料の結晶組織は微細粒化され、高強度かつ高靭性の金属材料を得ることができる。次に、第2ステップにおいて摩擦攪拌接合を行う。これにより、溶融溶接による接合に比べて微細粒化した結晶粒を粗大化させず、接合部の強度を維持して、金属材料を接合することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は金属材の接合方法に関する。
金属材の結晶粒をナノスケールまで微細化して、従来よりもはるかに優れた特性を発現させようという研究が、超鉄鋼プロジェクト(STX-21)やスーパーメタルプロジェクト(NEDO・JRCM・RIMCOF)を始めとして国内外で盛んに行われ、実際に高強度の材料が得られることが明らかとなってきた(例えば、特許文献1参照)。
特許第2961263号明細書
しかし、上記のような金属材の結晶粒を微細化する技術では、得られる材料の大きさや形状が大きく制限されるのが問題となっている。したがって、実用化を考えると接合技術を用いて構造体を作ることが必要不可欠である。しかしながら、従来のアーク、電子ビーム、レーザー溶接のような溶融溶接では、凝固時の結晶粒の粗大化は避けられず、結晶粒の微細化によって得られた特性が全く活かせないのが現状である。結晶粒を微細化することにより、歪エネルギーが大きくなり、再結晶温度が低下する。そのため、溶接を行うと、結晶粒の成長が生じやすく、接合部の強度は通常材のそれに比べても小さくなる。
本発明は、斯かる実情に鑑み、結晶粒を微細化した金属材を接合する場合において、接合部の強度を向上させることができる金属材料の接合方法を提供しようとするものである。
本発明は、2つの金属材に組織制御を行い、金属材の平均結晶粒径を10μm以下に微細化する第1ステップと、組織制御された2つの金属材を接合部において突き合わせ、接合部に棒状の回転ツールを挿入し、接合部の長手方向に沿って回転ツールを回転させつつ移動させ、2つの金属材を接合する第2ステップと、を備えたことを特徴とする。
このように、まず接合する金属材の結晶組織に組織制御を行い、結晶粒の微細化を行うことにより、金属材料の強度を向上させることができる。そして、強度を向上させた金属材料をいわゆる摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)により接合することに
よって、溶融溶接による接合に比べて接合部の強度を損なわずに接合することができる。
この場合、第1ステップは、表面を清浄化した複数の板状の金属材を積層するステップと、積層した金属材を圧延して接合するステップと、接合圧延した金属材を切断して複数の金属材とするステップと、を複数サイクル繰り返すことにより金属材の組織制御を行うことができる。
このように金属材の結晶粒の微細化を、いわゆる繰り返し重ね接合圧延(ARB=Accumulative Roll-Bonding)により行えば、繰り返し重ね接合圧延は、結晶粒微細化組織を得る手段の中で大型構造材の連続生産の可能性が最も高い方法であり、比較的高生産性で金属材の結晶粒の微細化を行うことができる。
この場合、2つの金属材は、回復型の材料であることが好ましい。回復型の材料としては、Alを主成分とする材料が例示される。Alといった回復型の材料は、結晶粒の微細化により再結晶温度の低下が比較的生じにくい材料であり、摩擦攪拌接合による入熱で接合部の結晶粒が粗大化しにくいため、高強度の接合部とすることができる。
また、2つの金属材は、再結晶型の材料であり、第2ステップは、回転ツールの移動速度〔mm/min〕、回転速度〔rpm〕、回転ツール直径〔mm〕において、以下の式(1)の関係を満たしつつ金属材を接合するものとすることが好ましい。再結晶型の材料としては、Cuを主成分とする材料が例示される。
Figure 2005288543

Cuといった再結晶型の材料は、Alと比較すると接合部の強度が低下しやすい。しかしながら、この場合も、回転ツール直径に対する回転ピッチ(移動速度〔mm/min〕/回転速度〔rpm〕)を大きくすることにより、摩擦攪拌接合による入熱を小さくすることができるため、接合部の強度低下を防ぐことができる。
また、2つの金属材は、再結晶型の材料であり、不純物を0.05重量%以上含むものであることが好ましい。再結晶型の材料としては、Cuを主成分とする材料が例示される。このように、Cuのように比較的に接合部の強度が低下しやすい再結晶型の材料を主成分とする金属材を接合する場合であっても、やや純度を低下させ、不純物を粒界に偏析させることで粒成長が抑えられ、接合部の強度低下を防ぐことができる。
結晶粒を微細化した金属材を接合する場合において、接合部の強度を向上させることができる。そのため、結晶粒の微細化によって得られた特性を活かして構造体を作ることが可能となる。結晶粒の微細化により高強度化された金属材からなる構造体が実現できれば、合金化によって強度を向上させた場合と異なり、構造体の靭性も向上する。単純な化学組成で高強度、高靭性材が得られることから、材料のリサイクル性を向上させることができるとともに、軽量化や長寿命化を通じて材料の生産・消費のエネルギーコストの削減に大きく寄与できる、という優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る金属材料の接合方法の大まかな流れを説明する。図1は、本実施形態に係る金属材料の接合方法の流れを示したフロー図である。図1に示すように、本実施形態においては、第1ステップにおいて、2つの金属材料の結晶組織に組織制御を行い、金属材の平均結晶粒径を10μm以下に微細化する。これにより、高強度かつ高靭性の金属材を得ることができる。なお、平均結晶粒径には、切片法によって求められる結晶粒の平均切片長さを用いることができる。
次に、第2ステップにおいて摩擦攪拌接合を行う。これにより、溶融溶接による接合に比べて微細化した結晶粒を粗大化させず、接合部の強度を維持して、金属材料を接合することができる。
以下、各ステップについて詳細に説明する。
図2は、本発明の第1ステップにおいて行われる繰り返し重ね接合圧延を示した説明図である。この方法では、板状の金属材の表面に脱脂、ワイヤーブラッシング等の表面処理を行い、金属材表面を清浄化する(図2(a))。次に、表面を清浄化した複数の金属材を重ね合わせて積層する(図2(b))。図2の例では、2枚の金属板が積層され、元の金属材と同じ長さで2倍の厚さに積層されている。そして、この重ね合わせた金属材料を冷間圧延等により接合して圧延する(図2(c))。図2の例では50%圧延が行われ、重ね合わせる前の金属材と同じ厚さで2倍の長さにされる。その後、この接合圧延した金属材を切断して複数の金属材とする(図2(d))。図2の例では、接合圧延した金属材は2等分され、重ね合わせる前の金属材と同じ長さと厚さの板状材とされる。そして、上記図2(a)〜(d)のステップを複数サイクル繰り返すことにより、結晶粒が微細化された金属材を得ることができる。
上記繰り返し重ね接合圧延により、金属材の平均結晶粒径は10μm以下に微細化される。より好ましくは、金属材の平均結晶粒径を1μm以下に微細化することにより、高強度化および高靭性化を一層図ることができる。例えば、Alの場合は5サイクル行い、Cu、特に純銅の場合は、3サイクル行うことにより、平均結晶粒径を1μm以下に微細化することができる。純銅の場合は4サイクル以上行うと、結晶粒径が逆に大きくなる場合があるので、3サイクル以下行うことが好ましい。
なお、AlとCuはともにfcc構造を有するが、Alは積層欠陥エネルギーが大きいため回復型の材料であるのに対し、Cuは積層欠陥エネルギーが小さいため再結晶型の材料である。また、bcc構造を持つ鋼は回復型の材料である。したがって、それぞれの材料の結晶粒微細化過程および機械的強度の変化に及ぼす影響が異なる。これについては後述する。
また第1ステップとしては、上記繰り返し重ね接合圧延の他、液体窒素を用いた低温大圧下圧延焼鈍法、せん断押出し法(ECAP法)、高圧ねじり法(High Pressure Torsion)、粉体のメカニカルミリング法を用いることができる。
図3(a)は本発明の第2ステップにおいて行われる摩擦攪拌接合の様子を示した説明図であり、図3(b)は回転ツールの先端部を示した構成図である。摩擦攪拌接合法は、図3(a)に示すように、接合する2つの金属材1、1’の接合部2に、金属の棒状の回転ツール10を挿入し、これを接合部2の長手方向に沿って回転させつつ移動させることで、金属材1、1’と回転ツール10の間に摩擦熱を発生させ、それを利用して接合する手法である。回転ツール10は通常、幅広のショルダー部12とその先端にあり、金属材内に挿入される細いピン部11から構成されている。
以上より、結晶粒の微細化により得られた特性を生かして金属材料の接合を行うことができる。本手法の最大の特徴は、材料を固相のまま接合することであり、このため粒成長が抑制される。さらに回転ツールで塑性流動を引き起こし、接合部を攪拌するため、母材より細粒化することも可能である。また、良好な接合表面が得られ、残留ひずみも小さく、後処理も不必要であるという利点を有する。
次に、本発明者が本発明の接合方法により、実際に金属材の接合を行った実験結果を、従来法により接合した場合と比較して説明する。
実験例1
図2に示す繰り返し重ね接合圧延を用いて、結晶粒が数百nm〜数μm程度に微細化された金属材を作製した。金属材はAl(JIS 1050、300×50×2mm、H24材)の板材を用いた。図2(a)〜(d)のステップを5サイクル行った。
結晶粒の微細化を行ったAl(超微細粒材)について引張試験を行った。引張試験は室温、1mm/minの条件で行った。また比較のため結晶粒の微細化を行っていないAlのO材、H24材についても引張試験を行った。また、参考のため、黄銅、IF鋼についても結晶粒微細化前と結晶粒微細化後のものについて引張試験を行った。
その結果、引張強度は、Al(O材):74MPa、Al(H24材):100MPaであったのに対し、結晶粒の微細化を行ったAlは引張強度192MPaと極めて強度が向上していた。図4は、結晶粒の微細化を行ったAlの結晶粒を示した図である。図4より結晶粒の微細化を行ったAlは1μm以下の微細な結晶粒で構成されていることが判る。また、参考のため引張試験を行った黄銅、IF鋼は、黄銅が373MPa→634MPa、IF鋼が257MPa→775MPaといずれも強度が向上していた。
次に、図3に示す摩擦攪拌接合を行って、結晶粒の微細化を行ったAlからなる金属材同士と、通常のAlからなる金属材同士とを接合した後、各々引張試験を行った。回転速度は600〜1000rpm、接合速度は400〜1000mm/minとした。回転ツールは材質SKD61とし、ショルダー部の径を12mm、ピン部の長さ1.8mmとし、ピンの直径は4mmとした。
比較実験として、結晶粒の微細化を行ったAlからなる金属材のTIG溶接を行った。裏波溶接ではあるが、裏面にたれ落ちないように比較的小入熱で溶接を行った。溶接条件は、AC150A,1000mm/minとした。
引張試験は室温,1mm/minの条件で行った。試験片は接合部が中央に来るように、接合方向に垂直に切り出した。
図5は、結晶粒の微細化を行ったAlと通常のAlからなる接合体について、摩擦攪拌接合時の回転ツールの回転ピッチに対する引張強度を示すグラフ図である。ここで回転ピッチとは、(回転ツールの移動速度〔mm/min〕)/(回転速度〔rpm〕)を意味する。比較のため、破線により超微細粒材をTIG溶接した場合の強度も併記した。図5より、摩擦攪拌接合でAlから成る超微細粒材を接合すると、TIGで接合した場合に比べて強度が極めて向上することが判る。
Alの場合には、回復型の材料であるため、回復によって歪エネルギーが開放され、繰り返し重ね接合圧延により再結晶温度の低下が生じにくい。したがって、摩擦攪拌接合中に目立った熱影響部(HAZ=Heat Affected Zone)は生じない。このため、図5に示すように、通常材を摩擦攪拌接合した場合よりも、超微細粒材の方が接合体全体として引張強度が大きくなる。通常材では多くの場合、母材破断するので、図5には接合方向に平行に接合部のみで引張試験片を作製して測定した結果を示している。したがって、通常どおり、接合方向に垂直に試験片を作製した場合には、接合部の強度がO材では70MPa、H24材では100MPa以上であれば、母材破断すると考えてよい。一方、超微細粒材の場合には、すべての条件において接合部(攪拌部)で破断し、接合部はほとんどの場合、100MPa以上の引張強度を有する。つまり、結晶粒の微細化を行ったAlを摩擦攪拌接合した接合体は、従来法による接合体に比べて、大きな引張強度を持つことになる。
図6は、結晶粒の微細化を行ったAl(超微細粒材)と通常のAl(O材)の攪拌部に
おける結晶粒を示した図である(TEM像)。図6より、超微細材の方が攪拌部においても結晶粒径が小さいことがわかる。これが超微細粒材の方の強度が高かった原因であると考えられる。
図5より、回転ピッチを増加させればさせるほど、接合体の引張強度は上昇することが判る。これは、より入熱が少なくなり、攪拌接合部での結晶粒成長が抑えられたためと考えられる。この図5より、回転ピッチ2.5(400rpm,1000mm/min)まで引張強度は増加し続けることが判る。本実験例においては、回転ツール直径(ショルダー径)12mmにより実験を行ったが、入熱は回転ツール直径(ショルダー径)の3乗に比例することを考慮すると、一般的には、回転ツールの移動速度〔mm/min〕、回転速度〔rpm〕、回転ツール直径〔mm〕において、以下の式(2)の関係を満たしつつ金属材を接合すると、ショルダー径12mmの回転ツールにより、回転ピッチ2.5以上で接合した場合に相当し、高い接合強度が実現できると考えられる。
Figure 2005288543

一方、Alの場合には、回転ピッチ3.3(300rpm,1000mm/min)では、5.1kgf/mm(900kgf)の荷重を増やしても、入熱不足で接合が不可能であった。このため、以下の式(3)を満たすように金属材を接合すると、ショルダー径12mmの回転ツールにより、回転ピッチ3.3未満で接合した場合に相当し、入熱不足で接合できなくなることはないと考えられる。
Figure 2005288543

以上より、本発明の接合方法を、Alといった回復型の材料を主成分とする金属材に適用すると、高強度な構造体が得られることが判る。また、bcc構造を持つ鋼は回復型の材料であり、Alと同様の性質であると考えられるため、鋼についても、本発明の接合方法は有効であると考えられる。
実験例2
実験例1と同様に、繰り返し重ね接合圧延により、結晶粒が数百nm〜数μm程度に微細化された金属材を作製した。金属材はCu(無酸素銅、300×50×2mm、1/4H材)の板材を用いた。図2(a)〜(d)のステップを3サイクル行った。
実験例1と同様に結晶粒の微細化を行ったCu(超微細粒材)および通常材(1/4H材)について引張試験を行った。その結果、262MPa(通常材)→422MPa(超微細粒材)と極めて強度が向上していた。
次に実験例1と同様に、摩擦攪拌接合を行って、結晶粒の微細化を行ったCuからなる金属材同士と、通常のCuからなる金属材同士とを接合した後、各々引張試験を行った。実験例1と同様に、比較実験として、結晶粒の微細化を行ったCuからなる金属材のTIG溶接を行った。溶接条件は、AC200A,240mm/minとした。そして、実験例1と同様に引張試験を行った。
CuはAlと同様にfcc構造を有するが、積層欠陥エネルギーが小さいため再結晶型の材料である。再結晶型のCuの場合には,繰り返し重ね接合圧延によって材料中の歪エネルギーが増大するため再結晶温度が低下し、粒成長速度も増大する。
図7は、結晶粒の微細化を行ったCuと通常のCuの母材、攪拌部およびHAZにおける結晶粒を示した図である(EBSP=Electron Back Scattering Pattern像)。図7に示すように、純度の高い無酸素銅においては、摩擦攪拌接合中に熱影響部(HAZ)で粒成長が生じやすい。
図8は、結晶粒の微細化を行ったCu(超微細粒銅)と通常のCu(通常銅)の接合部断面の硬度分布を示した図である。このように、接合部でHAZが存在し、硬度が低下していることが判る。
図9は、結晶粒の微細化を行ったCu(微細粒材)と通常のCu(通常材)からなる接合体について、回転ツールの回転ピッチに対する引張強度を示すグラフ図である。図9に示すように、結晶粒の微細化を行ったCuを摩擦攪拌接合した場合は、TIG溶接をした場合に比べて、接合部の強度は向上している。しかし、微細粒無酸素銅を摩擦攪拌接合した場合の引張強度は、通常銅を摩擦攪拌接合した場合に比べて低下している。
これを解決するには、2つの方法が考えられる。1つは、回転ツールによる入熱を少なくする方法である。図9に示すように、微細粒材の引張強度は回転ピッチが上がるにつれて上昇し、回転ピッチが2になると、通常材を摩擦攪拌接合した場合と同等になる。この場合、結晶粒の微細化を行った母材強度は通常材よりはるかに大きいため、接合体全体として優れた特性を持つものとすることができる。本実験例においては、回転ツール直径(ショルダー径)12mmにより実験を行ったが、一般的には、回転ツールの移動速度〔mm/min〕、回転速度〔rpm〕、回転ツール直径〔mm〕において、以下の式(1)の関係を満たしつつ金属材を接合すると、ショルダー径12mmの回転ツールにより、回転ピッチ2以上で接合した場合に相当し、高い接合強度が実現できると考えられる。
Figure 2005288543

強度低下を防ぐもう1つの方法は、Cuからなる金属材の純度をやや低下させ、不純物を粒界に偏析させることで粒成長を抑制する方法である。具体的には、Cuを主成分とし、不純物を0.05重量%以上含むものとすることが好ましい。不純物は、例えばZr,Cr,Ag,Sn,Te等を用いることができる。ここで、Cuの再結晶温度は、140℃であるが、0.05重量%のZrを含む銅合金、0.05重量%のCrを含む銅合金、0.05重量%のAgを含む銅合金,0.05重量%のSnを含む銅合金,0.05重量%のTeを含む銅合金の再結晶温度は、それぞれ560℃、320℃、330℃、350℃、250℃である。このように、Cuといった再結晶型の材料に0.05重量%以上の不純物を含ませることによって、再結晶温度を上昇させることができる。
以上より、本発明の接合方法をCuといった再結晶型の材料を主成分とする金属材に適用した場合も、回転ピッチを上げ入熱を下げる方法、および金属材の純度を低下させる方法により、接合部の強度低下を防ぐことができ、高強度な構造体が得られる。
尚、本発明の金属材の接合方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本実施形態に係る金属材の接合方法の流れを示したフロー図である。 本発明の第1ステップにおいて行われる繰り返し重ね接合圧延を説明図である。 (a)は本発明の第2ステップにおいて行われる摩擦攪拌接合の様子を示した説明図であり、(b)は回転ツールの先端部を示した構成図である。 結晶粒の微細化を行ったAlの結晶粒を示した図である。 結晶粒の微細化を行ったAlと通常のAlからなる接合体について、回転ツールの回転ピッチに対する引張強度を示すグラフ図である。 結晶粒の微細化を行ったAlと通常のAlの攪拌部における結晶粒を示した図である。 結晶粒の微細化を行ったCuと通常のCuの母材、攪拌部およびHAZにおける結晶粒を示した図である。 結晶粒の微細化を行ったCuと通常のCuの接合部断面の硬度分布を示した図である。 結晶粒の微細化を行ったCuと通常のCuからなる接合体について、回転ツールの回転ピッチに対する引張強度を示すグラフ図である。
符号の説明
1,1’…金属材
2…接合部
10…回転ツール
11…ピン部
12…ショルダー部

Claims (8)

  1. 2つの金属材に組織制御を行い、金属材の平均結晶粒径を10μm以下に微細化する第1ステップと、
    前記組織制御された2つの金属材を接合部において突き合わせ、該接合部に棒状の回転ツールを挿入し、前記接合部の長手方向に沿って回転ツールを回転させつつ移動させ、前記2つの金属材を接合する第2ステップと、
    を備えたことを特徴とする金属材の接合方法。
  2. 前記第1ステップは、表面を清浄化した複数の板状の金属材を積層するステップと、該積層した金属材を圧延して接合するステップと、該接合圧延した金属材を切断して複数の金属材とするステップと、を複数サイクル繰り返すことにより金属材の組織制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の金属材の接合方法。
  3. 前記2つの金属材は、回復型の材料である、請求項1又は2に記載の金属材の接合方法。
  4. 前記2つの金属材は、Alを主成分とすることを特徴とする請求項3記載の金属材の接合方法。
  5. 前記2つの金属材は、再結晶型の材料であり、
    前記第2ステップは、前記回転ツールの移動速度〔mm/min〕、回転速度〔rpm〕、回転ツール直径〔mm〕において、以下の式(1)の関係を満たしつつ金属材を接合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属材の接合方法。
    Figure 2005288543

  6. 前記2つの金属材は、Cuを主成分とする、請求項5記載の金属材の接合方法。
  7. 前記2つの金属材は、再結晶型の材料であり、不純物を0.05重量%以上含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属材の接合方法。
  8. 前記2つの金属材は、Cuを主成分とする請求項7に記載の金属材の接合方法。
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