JP2005287503A - TAFI−Ile347多型を決定することによって血栓形成性障害に関する危険性を同定する方法 - Google Patents

TAFI−Ile347多型を決定することによって血栓形成性障害に関する危険性を同定する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】血栓形成性障害、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患)に関する危険性を同定する方法や血栓形成性障害を治療または予防するための薬剤を同定する方法などを提供する。
【解決手段】アミノ酸配列(TAFI−Ile347)を有するトロンビン活性化線溶抑制因子(TAFI)のスレオニンからイソロイシンへのアミノ酸置換の存在を決定する事を含む、血栓形成性障害に関する危険性を同定する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、血栓形成性障害(例えば、これらに限定されないが、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患)に関する危険性を同定する方法、同様に、血栓形成性障害に関する危険性を有する患者を選択する方法、血栓形成性障害を治療または予防するための薬剤を同定する方法、同様に、TAFI−Ile347多型を用いることによって医薬品および診断剤を製造する方法に関する。
トロンビン活性化線溶抑制因子(TAFI)は、プレプロペプチドとして肝臓で合成される既知の血漿の酵素前駆体であり、分子量55kDaの423個のアミノ酸からなる(図1)。プレプロペプチドは、22個のアミノ酸長のシグナルペプチド(アミノ酸番号1〜22)、92個のアミノ酸長の活性化ペプチド、および、309個のアミノ酸長の触媒ドメインを含む。その核酸配列は、1723個のヌクレオチドを含む(図2)。TAFIのタンパク質配列の受入番号(NCBIタンパク質データベース)は、NP_001863であり、ヌクレオチド配列の受入番号(NCBIヌクレオチドデータベース)は、NM_001872であり、OMIM(Online Mendelian Inheritance in ManTM)におけるTAFI情報に関する受入番号は、603101である。
TAFIは、トロンビン、プラスミンまたはトロンビン/トロンボモジュリン複合体によってによって活性化される。プロセシング後、TAFIは、フィブリン血栓からリシン残基を除去することによって血栓溶解を減弱させる。活性化およびプロセシングされたTAFIは、37℃で不安定であり、約8分間の半減期を有する。それゆえに、TAFIは、恒常性において中心的な役割を果たし、そこで有効なフィブリン溶解抑制因子として機能する。ヒトTAFI遺伝子は、染色体13q14.11にマッピングされている。ヒトTAFI遺伝子は11個のエキソンからなり、長さ約48kbのゲノム領域にわたる(Boffa等(1999年)Biochemistry,38,6547〜6558)。
ヒトにおけるTAFI遺伝子の遺伝分析により、プロモーター領域とコード領域に数種の可変のヌクレオチド(SNP,単一ヌクレオチド多型)があることがわかった。TAFI遺伝子のプロモーター領域におけるSNPに関して、これらの多型のうちいくつかは、血液中の変化したTAFIタンパク質レベルに関連することがわかっている(Franco等(2001年)Haematologica,86,510〜517;Henry等(2001年)Blood,97巻,7号,2053〜2058)。
近年、TAFI遺伝子のコード領域中で、対応するTAFIタンパク質でアミノ酸置換を起こす2つのSNPが同定されており、これら多型は、T169A(169位のT=スレオニン(Thr)がA=アラニン(Ala)へ)およびT347I(347位のスレオニンがI=イソロイシン(Ile)へ)である。TAFI−Ile347変異体は、試験されたインビトロ条件下で、8分間から15分間への半減期の延長を示すようであり、60%高められた抗フィブリン溶解能を示すようである(Brouwers等(2001年)Blood,98巻,6号,1992〜1993;Schneider等(2001年)J.Biological Chemistry,277巻,2号,1021〜1030)。TAFIタンパク質の169位での変異は、TAFIの抗フィブリン溶解能にほとんど効果を有さないようである(上記Schneider等(2001年))。しかしながら、現在、血栓形成性障害などに関して、TAFI−Ile347変異を含む多型の臨床的効果に関する利用可能なデータはほとんどない。
本発明により、特に、TAFI−Ile347多型を有する個人が、卒中や一過性虚血発作(TIA)に関する増加した危険性を有することが見出された。それゆえに、遺伝的なTAFI−Ile347多型は、遺伝子マーカーとして用いることができる、例えば、血栓形成性障害に関する危険性の同定、例えば臨床研究における血栓形成性障害に関する危険性を有する患者の選択、血栓形成性障害の治療および/または予防のための薬剤の同定、血栓形成性障害の予防および/または治療的処置のための医薬品の製造、血栓形成性障害を同定するための診断剤の製造、および/または、血栓形成性障害を治療および/または予防するための医薬品の投与量の適合のために、用いることができる。
それゆえに、本発明の一実施形態は、血栓形成性障害(例えば、これらに限定されないが、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、および、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患)に関する危険性を同定するためのインビトロまたはインビボでの方法に関し、前記方法は、サンプル中で、配列番号1に記載のアミノ酸配列(TAFI−Ile347)を有するトロンビン活性化線溶抑制因子(TAFI)の347位でのスレオニンからイソロイシンへのアミノ酸置換の存在を決定することを含む。糖尿病はしばしば線溶低下を示すため、好ましくは、サンプルは糖尿病患者由来である。一般的に、サンプルは、細胞または体液、例えば血液または、動物もしくは人体から単離された動物細胞もしくはヒト細胞である。
TIA、PRINDおよび卒中は、血栓形成性障害のような血管疾患による突然発症を伴う神経障害であり、これらは、再回復の期間と重症度が異なるだけである。例えば、TIAは、通常持続時間が24時間未満の神経障害であり、永久的な脳障害は起こらない。PRINDは、通常24時間を超えて持続する神経障害であり、永久的な脳障害は伴わない。卒中は、通常永久的な脳障害を起こす。
一般的に、TAFI−Ile347多型は、当業者既知の方法で決定することができる。一つの方法は、アミノ酸置換を決定することであり、これは、アミノ酸配列解析、例えば標準的なタンパク質分解もしくはマススペクトロメトリーを用いたタンパク質配列フラグメントの分析、タンパク質の酵素処理、および、それに続く分解産物の分析によって、または、TAFI−Ile347に対して特異的に向けられた結合タンパク質もしくは結合ペプチドもしくはアプタマーによって、特に、抗体、抗体の抗原結合部位、および/または、タンパク質の足場(scaffold)、好ましくはアンチカリン(anticalin)によってなされる。
本発明において、用語「結合タンパク質」または「結合ペプチド」は、特異的にTAFIまたはTAFI−Ile347に結合するタンパク質またはペプチドのクラスを意味し、例えば、これらに限定されないが、TAFIまたはTAFI−Ile347に対して特異的に向けられた、単一特異性ポリクローナルまたはモノクローナル抗体、抗体フラグメント、および、タンパク質の足場が挙げられ、例えばアンチカリンであり、これは、特にTAFI−Ile347に対して向けられている。用語「特異的に」は、結合タンパク質または結合ペプチドが、TAFI−Ile347と、TAFIのアミノ酸347位におけるその他の多型(特にTAFI−Thr347)とを識別することを意味する。
TAFIのアミノ酸347位でのその他の多型、特にTAFI−Thr347の決定は、本発明の方法における参照またはコントロールとして用いてもよい。
抗体または抗体フラグメントを製造する手順は、当業者周知の方法で達成することができ、例えば、必要に応じて例えばフロインドアジュバントおよび/または水酸化アルミニウムゲルの存在で、TAFIまたはTAFI−Ile347で哺乳動物(例えばウサギ)を免疫化することによって達成することができる(例えば、Diamond,B.A.等(1981年)The New England Journal of Medicine:1344〜1349を参照)。それに続いて、免疫反応の結果として動物で形成されたポリクローナル抗体を、周知の方法を用いて血液から単離し、例えばカラムクロマトグラフィーによって精製することができる。モノクローナル抗体は、例えば、WinterおよびMilsteinの既知の方法に従って製造することができる(Winter,G.およびMilstein,C.(1991年)Nature,349,293〜299)。
本発明において、用語「抗体」または「抗体フラグメント」はまた、抗体またはそれらの抗原結合部位を意味するものと理解され、これらは、組換えによって製造され、必要に応じて修飾されており、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、多機能の抗体、二重特異性または多重特異性抗体、一本鎖抗体およびF(ab)またはF(ab)2フラグメントが挙げられる(例えば、EP−B1−0 368 684、US4,816,567、US4,816,397、WO88/01649、WO93/06213、または、WO98/24884を参照)。
典型的な抗体の代替物としては、例えば、TAFIまたはTAFI−Ile347に対するタンパク質の足場、例えば、リポカリンをベースとするアンチカリン(Beste等(1999年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,96,1898〜1903)の使用も可能である。リポカリンの天然のリガンド結合部位、例えばレチノール結合タンパク質またはビリン結合タンパク質は、例えば、それらが選択されたハプテン、ここではTAFIまたはTAFI−Ile347に結合するような様式で「コンビナトリアルタンパク質設計」アプローチによって改変することができる(Skerra,2000年,Biochim.Biophys.Acta,1482,337〜50)。分子認識のための抗体の代替物として、その他の既知のタンパク質の足場が知られている(Skerra(2000年)J.Mol.Recognit,13,167〜187)。
アプタマーは、高い親和性でポリペプチド、ここではTAFIまたはTAFI−lLe347に結合する核酸である。アプタマーは、SELEXのような選択方法によって、様々な一本鎖RNA分子の大規模なプールから単離することができる(例えば、Jayasena(1999年)Clin.Chem.,45,1628〜50;KlugおよびFamulok(1994年)M.Mol.Biol.Rep.,20,97〜107;US5,582,981を参照)。アプタマーは合成することもでき、それらの鏡像体中で例えばL−リボヌクレオチドとして選択することもできる(Nolte等(1996年)Nat.Biotechnol,14,1116〜9;Klussmann等(1996年)Nat.Biotechnol.,14,1112〜5)。この方法で単離された形態は、天然に存在するリボヌクレアーゼで分解されないために、より大きい安定性を有するという利点がある。
TAFI−Ile347多型を決定するその他の方法は、TAFI遺伝子を分析すること、特に、1064位でのシチジンからチミジンへのヌクレオチド置換の検出に関して核酸配列を分析することである。一般的に、ヌクレオチド置換の決定は、核酸の配列解析によって行うことができ、例えばパイロシーケンシング(pyrosequencing)
、放射標識したヌクレオチドまたは蛍光色素で標識したヌクレオチドを用いた配列解析方法、プライマー伸長分析、マススペクトロメトリーを用いた配列フラグメント分析によって、または、前記TAFI遺伝子中の突然変異に対して特異的に向けられた、抗体、抗体の抗原結合部位またはタンパク質の足場、好ましくはアンチカリン、および/または、相補的核酸によって行うことができる。
この形態において、用語「特異的に」は、抗体、抗体の抗原結合部位またはタンパク質の足場、好ましくはアンチカリン、および/または、相補的核酸が、TAFI−Ile347遺伝子と、TAFIのアミノ酸347位のヌクレオチドコドンのその他の多型(特にTAFI−Thr347)とを識別することを意味する。347位でのアミノ酸の多型に関する好ましいヌクレオチド置換は、1064位のヌクレオチドである。
相補的核酸は、好ましくは一本鎖DNA分子であり、これらは、例えばホスホトリエステル法に従って化学合成することができる(例えば、Uhlmann,E.およびPeyman,A.(1990年)Chemical Reviews,90,543〜584を参照)。これら相補的核酸は、例えばDNAマイクロアレイ上でのハイブリダイゼーションプローブとして、または、例えば蛍光発生5’ヌクレアーゼ分析のTaqMan(R)分析(Taqman(R)ラボラトリー)での増幅プローブとして用いることができる。
抗体、抗体の抗原結合部位またはタンパク質の足場は、上述したように適宜に生産することができる。
いずれの場合においても、好ましくは上述したような方法を用いて、参照またはコントロールとして、TAFIのアミノ酸347位、例えばTAFI−Thr347でのその他の可能性のある多型をさらに決定することが本発明の方法にとって有利である。
一般的に、本発明の方法を用いて、参照またはコントロールと比較して高い血管疾患(例えば、これらに限定されないが、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患)に関する危険性を同定することができ、それにより、個人(例えば糖尿病患者)の予防および/または治療的処置、または、投与される薬剤の用量の適合を得ることが可能である(以下でさらに説明する)。
それゆえに、本発明の他の実施形態は、血栓形成性障害(例えば、これらに限定されないが、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患)に関する危険を有する患者を選択するための、インビトロまたはインビボでの方法であり、前記方法は、サンプル(好ましくは糖尿病患者由来)中で、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するトロンビン活性化線溶抑制因子(TAFI)の347位でのスレオニンからイソロイシンへのアミノ酸置換の存在を決定することを含む。
本発明の血管疾患に関する危険性を有する患者を選択する方法は、上述の血管疾患に関する危険性を同定するための方法と同様に特徴付けられ、実施することができる。
本発明の他の実施形態は、血栓形成性障害(例えば、これらに限定されないが、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、および、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患)の治療および/または予防のための薬剤、好ましくはTAFI−Ile347の阻害剤を同定する方法に関し、前記方法は、以下の工程を含む:
(a)TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子を提供する工程、
(b)試験化合物を提供する工程、および、
(c)TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子に対する前記試験化合物の作用を測定または検出する工程。
本発明において、用語「阻害剤」は、TAFI−Ile347の酵素前駆体、特にフィブリン血栓からのリシン残基の除去を阻害または減少させる生化学的または化学的な化合物、および/または、TAFI−Ile347の半減期を減少させる、少なくとも約20%〜約50%、好ましくは少なくとも約30%〜約45%、特に約45%を減少させる生化学的または化学的な化合物を意味する。用語「約」は、一般的に、誤差範囲が+/−20%、特に+/−10%、好ましくは+/−5%であることを意味する。
一般的に、TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子は、例えば分析システムに提供され、例えば化学化合物ライブラリーの形態で、試験化合物、特に生化学的または化学的な試験化合物と直接的または間接的に接触させる。次に、TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子に対する前記試験化合物の作用が測定または検出される。その後、適切な阻害剤を、解析および/または単離することができる。化学化合物ライブラリーのスクリーニングには、当業者既知の、または、市販されているハイスループット分析の使用が好ましい。
本発明において、用語「化学化合物ライブラリー」は、化学合成された分子や天然産物などのあらゆる多様な源から集められた多数の化学化合物、または、コンビナトリアルケミストリー技術で製造された多数の化学化合物を意味する。
一般的に、TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子に対する前記試験化合物の作用は、ヘテロジニアスアッセイまたはホモジニアスアッセイで測定または検出される。本発明で用いられるヘテロジニアスアッセイは、1またはそれ以上の洗浄工程を含む分析であり、一方で、ホモジニアスアッセイでは、このような洗浄工程は必要ない。試薬および化合物は、単に混合され、測定される。
適切な機能分析は、TAFI−Ile347の遺伝子発現に基づくものが可能である。試験しようとする生化学的または化学的な化合物がTAFI−Ile347遺伝子発現の阻害剤として存在する場合、一般的に当業者既知の手段や上述の上述したような手段によって直接的な阻害を測定することができる。例えば、TAFI(例えば参照またはコントロールとして)、および/または、TAFI−Ile347の酵素活性を測定するために、血栓溶解、および/または、フィブリンからのリシン残基の除去、または、一般的には、例えば合成カルボキシペプチダーゼ基質のアニシルアゾホルミルリシンを用いたそのカルボキシペプチダーゼ活性を、当業者既知の適切な分析で測定することができる(例えば、上記のSchneider,M.等(2002年)を参照)。
ヘテロジニアスアッセイは、例えば、ELISA(酵素結合免疫吸着検査法)、DELFIA、SPAおよびフラッシュプレート分析である。
ELISAは、一般的に、マーカー分子として酵素を用いる既知の分析であり、例えばペルオキシダーゼ染色反応をペルオキシダーゼ基質の添加により開始させ、光学密度を適切なデンシトメーターで測定する。
DELFIA(解離促進ランタニド蛍光イムノアッセイ;dissociation enhanced lanthanide fluoro immuno assay)に基づく分析は、固相分析である。その抗体は、通常、ユーロピウムまたはその他のランタニドで標識され、未結合のユーロピウム標識抗体を洗浄除去した後にユーロピウム蛍光
が検出される。
SPA(シンチレーション近接分析)、および、フラッシュプレート分析は、通常、放射標識された基質を捕獲するために、ビオチン/アビジン相互作用を利用する。一般的に、反応混合物は、ビオチン化ペプチド基質を含む。反応後、ビオチン化ペプチドは、ストレプトアビジンに捕獲される。SPA検出においては、ストレプトアビジンは、シンチラントを含むビーズ上に結合し、それに対して、フラッシュプレート検出においては、ストレプトアビジンは、シンチラントを含むマイクロプレートのウェル内部に結合する。固定されたら、放射標識された基質は、光の放出を刺激するのに十分な程度にシンチラントに近接する。
その他のホモジニアスアッセイとしては、例えば、TR−FRET、FP、ALPHA、EFC、および、遺伝子分析が挙げられる。
TR−FRET(時間分解蛍光共鳴エネルギー移動)に基づく分析は、通常、ユーロピウムと、APC、修飾アロフィコシアニン、または、その他のオーバーラップするスペクトルを有する色素(例えばCy3/Cy5、または、Cy5/Cy7)との間の蛍光共鳴エネルギー移動を利用する分析である(Schobel,U.等(1999年)Bioconjugate Chem.10,1107〜1114)。例えば337nmの光でユーロピウムを励起した後、分子は、620nmで蛍光を発する。しかしながら、このフルオロフォアがAPCと十分に近接している場合、ユーロピウムは、その励起エネルギーをAPCに移動させ、665nmで蛍光を発する。反応後、ユーロピウムで標識した抗体を、ストレプトアビジン−APCと共に加える。APCのユーロピウムフルオロフォアへの近接により、APC蛍光が付与される時点でユーロピウム蛍光の消光が起こる(FRET)。
蛍光偏光(FP)に基づく分析は、偏光を用いて溶液中で蛍光基質ペプチドを励起させる分析である。これら蛍光ペプチドは、溶液中で遊離しており、崩壊し、放出された光を脱偏光(depolarise)させる。しかしながら、基質ペプチドがより大きい分子に結合すると、その崩壊速度は極めて低くなり、放出された光は強く偏光したままである。
ALPHA(増幅ルミネッセンス近接ホモジニアス)に基づく分析は、近接させられたドナーとアクセプタービーズとの間の一重項酸素の移動に基づく分析である。680nmでの励起において、ドナービーズ中の光増感剤は、周囲の酸素を一重項状態の酸素に変換し、その酸素が200nmの距離まで拡散する。アクセプタービーズ中の化学発光基は、エネルギーをビーズ内の蛍光アクセプターに移動させ、続いて約600nmで光を放出する。
EFC(酵素断片コンプリメンテーション)に基づく分析またはそれと同等の分析は、特に化合物のハイスループットスクリーニングで用いることができる。EFC分析は、2つのフラグメント、すなわち酵素アクセプター(EA)および酵素ドナー(ED)からなる加工されたβ−ガラクトシダーゼ酵素に基づく。フラグメントが分離すると、β−ガラクトシダーゼ活性が失われるが、フラグメントが合わさると、それらは連携して(補い合って)、活性酵素を形成する。EFC分析は、ED−分析物結合体を利用し、この場合、分析物は、抗体または受容体のような特異的結合タンパク質によって認識が可能である。特異的結合タンパク質の非存在下では、ED−分析物結合体は、EAを補い、活性β−ガラクトシダーゼを形成することが可能であり、正の発光シグナルを生産する。ED−分析物結合体と特異的結合タンパク質とが結合する場合、EAとの補完が阻害され、シグナルは生じない。遊離の分析物が(サンプル中に)提供される場合、その分析物は、特異的結合タンパク質に対する結合に関してED−分析物結合体と競合する。遊離の分析物は、EAとの補完のためにED−分析物結合体を解放し、サンプル中に存在する遊離の分析物の量に応じてシグナルを生産する。
遺伝子分析の例としては、ツーハイブリッドシステム分析(FieldsおよびSternglanz(1994年)Trends in Genetics,10,286〜292;ColasおよびBrent(1998年)TIBTECH,16,355〜363)がある。この試験において、細胞は、本発明に係るポリペプチドと、転写因子(例えばGal4またはLexA)のDNA結合ドメインとからなる融合タンパク質を発現する発現ベクターで形質転換される。形質転換細胞は、レポーター遺伝子(そのプロモーターが対応するDNA結合ドメインのための結合部位を含む)をさらに含む。既知または未知のポリペプチドと活性化ドメイン(例えばGal4または単純疱疹ウイルスVP16から)とからなる第二の融合タンパク質を発現する他の発現ベクターで形質転換することによって、第二の融合タンパク質が本ポリペプチドと相互作用する場合にレポーター遺伝子の発現を大きく増加させることができる。その結果、この試験システムは、TAFI−Ile347とその基質(例えばフィブリン)との相互作用を阻害する生化学的または化学的な化合物のスクリーニングに用いることができる。この方法で、新規の活性化合物を迅速に同定することが可能である。
その他の分析は、固相に結合したポリペプチド(例えばTAFI−Ile347)に基づく。従って、試験化合物は、例えば、検出可能なマーカーを含み、例えば、このような化合物は、放射活性標識、蛍光標識または発光標識が可能である。その上、化合物は、タンパク質にカップリングされていてもよく、それにより、例えば、色素生産性の基質を用いるペルオキシダーゼ分析による酵素的な触媒作用による、または、検出可能な抗体を結合させることによる間接的な検出が可能である。その他の可能性は、マススペクトロメトリーによって固相に結合したタンパク質複合体を調査することである(SELDI)。例えば、試験物質との相互作用の結果として活性化状態にあるTAFI−Ile347のコンフォメーション変化は、例えば、ポリペプチド中の内在性のトリプトファン残基の蛍光変化によって検出することができる。
固相に結合したポリペプチドはまた、アレイの一部をなすこともできる。固相化学と光不安定性の保護基を用いてこのようなアレイを製造する方法は、例えばUS5,744,305に開示されている。これらアレイはまた、試験化合物または化合物ライブラリーと接触させ、相互作用、例えば結合、またはコンフォメーション変化に関して試験することができる。
有利には、本発明の方法は、例えばマイクロフルイディクス(microfluidics)(すなわち溝をつけた構造の)を用いた、例えばロボット式プレーティングやロボット式液体移動システムを含むロボットシステムで行われる。
本発明の他の実施形態において、本方法は、ハイスループットスクリーニング システムの形態で行われる。このようなシステムにおいて有利には、スクリーニング方法は、自動化および小型化されており、特に、ロボットで制御された小型化したウェルと、マイクロフルイディクスを用いる。
本発明の他の実施形態は、血栓形成性障害(例えば、これらに限定されないが、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、および、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患)の予防および/または治療的処置のための医薬品を製造する方法に関し、前記方法は、以下の工程を含む:
(a)上述の方法に従って、血栓形成性障害の治療および/または予防のための薬剤を同定する工程、
(b)工程(a)に従って同定された十分な量の薬剤を提供する工程、および、
(c)1またはそれ以上の製薬上許容できるキャリアーまたは補助剤を用いて前記薬剤を製剤化する工程。
本発明の医薬品を製造するために、同定された薬剤は通常、1またはそれ以上の製薬上許容できるキャリアーまたは補助剤を用いて製剤化され、このようなキャリアーとしては、投与の種類によって、例えば生理緩衝液溶液、例えば塩化ナトリウム溶液、脱塩水、安定剤、例えばプロテアーゼまたはヌクレアーゼ阻害剤、好ましくはアプロチニン、ε−アミノカプロン酸またはペプスタチンA、または、金属イオン封鎖剤、例えばEDTA、ゲル化剤、例えば白色ワセリン、低粘度パラフィン、および/または、黄色ワックスなどが挙げられる。
適切なさらなる添加剤としては、例えば、界面活性剤、例えばトリトン(Triton)X−100、または、デオキシコール酸ナトリウム、さらに、ポリオール、例えばポリエチレングリコールまたはグリセロール、糖類、例えばスクロースまたはグルコース、両性イオン性化合物、例えばアミノ酸、例えばグリシン、または、特にタウリンまたはベタイン、および/または、タンパク質、例えば、ウシまたはヒト血清アルブミンが挙げられる。界面活性剤、ポリオール、および/または、両性イオン性化合物が好ましい。
生理緩衝液溶液は、好ましくは、pHが約6.0〜8.0、特にpH約6.8〜7.8、特にpH約7.4であり、および/または、浸透圧モル濃度が約200〜400ミリオスモル/リットル、好ましくは約290〜310ミリオスモル/リットルである。本医薬品のpHは、一般的に、適切な有機または無機緩衝液を用いて、例えば、好ましくは、リン酸緩衝液、トリス緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、HEPES緩衝液([4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジノ]−エタンスルホン酸)、または、MOPS緩衝液(3−モルホリノ−1−プロパンスルホン酸)を用いて調節される。各緩衝液の選択は、一般的に、望ましい緩衝液のモル濃度による。例えば、注射溶液および輸液には、リン酸緩衝液が適切である。
本医薬品は、従来の様式で投与することができ、例えば、経口投与形態、例えば錠剤またはカプセルによって、粘膜、例えば鼻もしくは口腔経由で、皮下に埋め込む処理形態で、本発明に係る医薬品を含む注射、輸液またはゲルによって投与することができる。さらに、上述したような特定の関節疾患を治療するために、必要に応じてリポソーム複合体の形態で、医薬品を局所的および局部的に投与することが可能である。さらに、医薬品の一時的な放出制御を可能にする経皮治療システム(TTS)によって治療を行うことができる。TTSは、例えばEP0 944 398(A1)、EP0 916 336(A1)、EP0 889 723(A1)またはEP0 852 493(A1)で既知である。
比較的少量の溶液または懸濁液(例えば約1〜約20ml)を体に投与すればいい場合には、一般的に、注射溶液が用いられる。より大量の溶液または懸濁液(例えば1リットル以上)を投与する場合には、一般的に、輸液溶液が用いられる。輸液溶液とは異なり、注射溶液の場合は数ミリリットルだけを投与するため、注射液における血液または組織液のpHおよび浸透圧のわずかな差は、痛みの感覚に関して、それ自体重要ではないか、または、それ自体問題にならない程度の重要性しか有さない。それゆえに、通常、使用前の本発明に係る製剤の希釈は必要ではない。しかしながら、比較的大量の投与の場合、本発明に係る製剤は、投与前に、少なくともほぼ等張の溶液が得られるような程度に簡単に希釈されるべきである。等張溶液の例は、0.9%濃度の塩化ナトリウム溶液である。輸液
の場合、希釈は、例えば滅菌水を用いて行うことができ、一方で、投与は、例えばいわゆるバイパスを介して行うことができる。
他の実施形態において、TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子は、特に糖尿病の血管疾患(例えば、これらに限定されないが、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患)の同定のための診断剤を製造するために用いることができる。
例えば、TAFI−Ile347は、上述したような結合タンパク質または結合ペプチドまたはアプタマーを製造するために用いることができ、これらは診断剤の手段として用いることができる。TAFI−Ile347遺伝子そのものを、特にその一本鎖形態で用いることができ、または、相補的核酸の製造のためには、好ましくは、相補的一本鎖DNAを用いることができ、この相補的一本鎖DNAは、一般的に当業者既知のハイブリダイゼーションおよび/または増幅プローブとして用いることができる。
本発明の他の実施形態は、血栓形成性障害(例えば、これらに限定されないが、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患)を治療および/または予防するための医薬品の投与量を適合させる方法に関し、前記方法は、
(a)例えば糖尿病由来のサンプル中で、配列番号1に記載のアミノ酸配列(TAFI−Ile347)を有するトロンビン活性化線溶抑制因子(TAFI)の347位でのスレオニンからイソロイシンへのアミノ酸置換の存在を決定すること、および、
(b)工程(a)の結果に従って前記医薬品の投与量を適合させること、
を含む。
上で説明したように、TAFI−Ile347は、長い半減期、および、インビトロでの高い抗フィブリン溶解活性、および、好ましくは卒中およびTIAに関する高い危険性を示す。それゆえに、TAFI−Ile347多型を有する個人は、例えば、血栓形成性障害を治療および/または予防するための医薬品をより大量に必要とする。一般的に、医薬品の投与量は、有利には、個人または患者の、特に、347位でイソロイシンがホモ接合型である個体または患者の遺伝学的TAFIプロフィールに適合させるべきである。本発明の方法の決定工程(a)は、上で説明したように行うことができる。
以下の実施例、表および図面は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を説明するものである。
図1は、TAFIのタンパク質配列を示す。
図2は、TAFIのヌクレオチド配列を示す。
略語
TAFI遺伝子の両方の対立遺伝子上で対応する位置での多型の結果として、タンパク質の347位にスレオニンを有するTAFI変異体は、TAFI−347−TTと呼ばれる。
TAFI遺伝子の両方の対立遺伝子の一方上で対応する位置での多型の結果として、タンパク質の347位にスレオニンとイソロイシンを有するTAFI変異体は、TAFI−347−TIと呼ばれる。
TAFI遺伝子の両方の対立遺伝子上で対応する位置での多型の結果として、タンパク質の347位にイソロイシンを有するTAFI変異体は、TAFI−347−IIと呼ば
れる。
心臓血管性の事象(events)または指標(endpoints)を有する、または、有さない患者群で、TAFIタンパク質の347位でのTAFI多型(タンパク質配列のNCBI受入番号:NP_001863;図1)を解析した。
1.配列解析および分析によるSNP(単一ヌクレオチド多型)の検出
1.1 対象の多型を有するゲノムDNA領域の増幅
TAFI−Ile347タンパク質変異体を生じる、NCBI受入番号NM_001872のTAFI配列(表2)の1064位でのシチジンからチミジンへのヌクレオチド置換の検出のために、以下の増幅プライマーを用いた:
フォワードプライマー:5’−CACACCAGCTTTGCTACC−3’、
リバースプライマー:5’−CATTTTCCACTGTTTAGCTCC−3’。
増幅するために、以下のPCRプロトコールを用い、増幅のための以下の試薬の全てをアプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems,フォスターシティ,米国)から得た:ゲノムDNA(20ng);TaqGoldポリメラーゼ(1ユニット);1×Taqポリメラーゼ緩衝液;500μMのdNTP;2.5mMのMgCl2;200nMの各増幅プライマー対(配列については、上記の増幅プライマー対1.を参照);H2Oを加えて5μlにする。
PCR/遺伝子型解析のための増幅プログラム
95℃で×10分×1サイクル
95℃で×30秒
70℃で×30秒×2サイクル;
95℃で×30秒
65℃で×30秒×2サイクル;
95℃で×30秒
60℃で×30秒×2サイクル;
95℃で×30秒
56℃で×30秒
72℃で×30秒×40サイクル;
72℃で×10分
4℃で×30秒×1サイクル。
1.2 対象の多型の同定
多型のミニシーケンスおよび検出のために、以下のプロトコールを用いた、一方で、以下の試薬の全ては、アプライド・バイオシステムズ(フォスターシティ,米国)から得た。精製したPCR産物(2μl);ビッグダイ(BigDye)ターミネーターキット(1.5μl);200nMの1種の配列解析プライマー(配列に関しては、上記のフォワードまたはリバース増幅プライマー 1を参照);H2Oを加えて10μlにした。
配列解析のための増幅プログラム:
96℃で×2分×1サイクル;
96℃で×10秒
55℃で×10秒
65℃で×4分×30サイクル;
72℃で×7分
4℃で×30秒×1サイクル。
生データを抽出するために、まず配列解析ツール(アプライド・バイオシステムズ,フォスターシティ,米国)を用いて配列を解析し、次に、Phred(ベースコーラー)、Phrap(アセンブラー)、polyphred(SNPコーラー)、および、Consed(結果のビューワー)を用いて加工した。Phred、Phrap、PolyphredおよびConsedは、ワシントン大学(University of Washington)で、Phil Greenによって設計されたソフトウェアである(http://www.genome.washington.edu)。
1.3 遺伝子型/表現型の関連に関する統計学的アプローチ
SAS統計パッケージ(SAS statistical package)(バージョン6.12またはそれ以上、SASインスティテュート社(SAS Institute GmbH),ハイデルベルグ/ドイツ)を用いて全ての解析を行った。遺伝学的多型と多数の臨床関連パラメーターとの関連を検出するために、記述統計を計算し(中位数,四分位数)、ウィルコクソンの順位和検定を行った。2つの独立したサンプルを比較するために、ウィルコクソンの順位和検定を用いた。試験統計値の計算は、プールしたサンプルにおける順位に基づく。
SNPと危険因子と病気との関連を検索するために、χ2乗検定を行って数とパーセンテージを計算し、データを説明する。χ2乗検定は、2つの変数の依存性を計算するための統計学的試験である。変数の値は、2またはそれ以上のクラスに含まれる。これら変数の関連を解析するために、分割表を用いた。この表は、多数の行を第一の変数の認識数として含み、多数の列を第二の変数の認識数として含む。全てのセルは、特定の患者の指標を含む。試験の統計を構築するために、計算された頻度と観察された頻度との差を計算した。
結果を調査した後、関連する変数を選択した。交絡する共変数を考慮して、ロジスティック回帰を用いて結果を確認した。ロジスティック回帰法を用いて、特定の応答変数に対する数種の説明変数の影響を解析した。関連する統計学的試験によりp値を得た。このp値から、関連する説明変数の有意な影響があると解釈される。
バイナリ変数に関して、オッズ比を計算した。オッズ比とは、事象が1つの群で生じるオッズの、その事象が他の群で生じるオッズに対する比である。
2.結果
患者群の亜群を解析することによって結果を得、また、亜群は、以下の特徴を有していた:全て糖尿病患者、ACE抑制因子ラミプリルでの治療なし、アルコールなし。
Figure 2005287503
表からわかるように、全てのTAFI−I347I多型を有する個体は、TAFI−I347TおよびTAFI−T347T多型を有する個体に比べて、卒中に関する危険性(7.35%対3.35%)、および、TIAに関する危険性(4.41%対0.7%)が大きかった。
TAFIのタンパク質配列を示す。 TAFIのヌクレオチド配列を示す。

Claims (33)

  1. サンプル中で、配列番号1に記載のアミノ酸配列(TAFI−Ile347)を有するトロンビン活性化線溶抑制因子(TAFI)の347位でのスレオニンからイソロイシンへのアミノ酸置換の存在を決定することを含む、血栓形成性障害に関する危険性を同定する方法。
  2. 血栓形成性障害に関する危険性は、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患に関する危険性を含む、請求項1に記載の方法。
  3. サンプルは糖尿病患者由来である、請求項1または2に記載の方法。
  4. アミノ酸置換は、TAFIタンパク質中で決定される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. アミノ酸置換は、アミノ酸配列解析によって、または、特にTAFI−Ile347に対して向けられた結合タンパク質もしくは結合ペプチドもしくはアプタマーによって決定される、請求項4に記載の方法。
  6. 結合タンパク質または結合ペプチドは、抗体、抗体の抗原結合部位、および/または、タンパク質の足場、好ましくはアンチカリンである、請求項5に記載の方法。
  7. アミノ酸置換は、TAFI遺伝子中で、好ましくはTAFI遺伝子の両方の対立遺伝子上で決定される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  8. TAFI遺伝子中の決定は、核酸の配列解析によって、または、該TAFI遺伝子中の突然変異に対して特異的に向けられた抗体、抗体の抗原結合部位もしくはタンパク質の足場、好ましくはアンチカリン、および/または、相補的核酸によって行われる、請求項7に記載の方法。
  9. サンプル中で、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するトロンビン活性化線溶抑制因子(TAFI)の347位でのスレオニンからイソロイシンへのアミノ酸置換の存在を決定することを含む、血栓形成性障害に関する危険性を有する患者を選択する方法。
  10. 血栓形成性障害に関する危険性は、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患に関する危険性を含む、請求項9に記載の方法。
  11. サンプルは糖尿病患者由来である、請求項9または10に記載の方法。
  12. アミノ酸置換は、TAFIタンパク質中で決定される、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. アミノ酸置換は、TAFI−Ile347に対して特異的に向けられた結合タンパク質または結合ペプチドまたはアプタマーによって決定される、請求項12に記載の方法。
  14. 結合タンパク質または結合ペプチドは、抗体、抗体の抗原結合部位、および/または、タンパク質の足場、好ましくはアンチカリンである、請求項13に記載の方法。
  15. アミノ酸置換は、TAFI遺伝子中で、好ましくはTAFI遺伝子の両方の対立遺伝子上で決定される、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  16. TAFI遺伝子中の決定は、該TAFI遺伝子中の突然変異に対して特異的に向けられた抗体、抗体の抗原結合部位もしくはタンパク質の足場、好ましくはアンチカリン、および/または、相補的核酸によって行われる、請求項15に記載の方法。
  17. (a)TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子を提供する工程、
    (b)試験化合物を提供する工程、および、
    (c)TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子に対する該試験化合物の作用を測定または検出する工程、
    を含む、血栓形成性障害の治療および/または予防のための、TAFI−Ile347の薬剤、好ましくは阻害剤を同定する方法。
  18. 試験化合物は、化学化合物ライブラリーの形態で提供される、請求項17に記載の方法。
  19. TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子に対する試験化合物の作用は、ヘテロジニアスアッセイまたはホモジニアスアッセイで測定または検出される、請求項17または18に記載の方法。
  20. ヘテロジニアスアッセイは、ELISA(酵素結合免疫吸着検査法)、DELFIA(解離促進ランタニド蛍光イムノアッセイ)、または、SPA(シンチレーション近接分析)である、請求項19に記載の方法。
  21. ホモジニアスアッセイは、TR−FRET(時間分解蛍光共鳴エネルギー移動)分析、FP(蛍光偏光)分析、ALPHA(増幅ルミネッセンス近接ホモジニアスアッセイ法)、EFC(酵素断片コンプリメンテーション)分析、または、遺伝子分析である、請求項19に記載の方法。
  22. 方法はアレイ上で行われる、請求項17〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 方法は、ロボットシステムで行われる、請求項17〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 方法は、マイクロフルイディクスを用いて行われる、請求項17〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 方法は、ハイスループットスクリーニング法である、請求項17〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. (a)請求項17〜25のいずれか一項に記載の方法に従って、血栓形成性障害の治療および/または予防のための薬剤を同定する工程、
    (b)工程(a)に従って同定された十分な量の薬剤を提供する工程、および、
    (c)1またはそれ以上の製薬上許容できるキャリアーまたは補助剤と共に、該薬剤を製剤化する工程、
    を含む、血栓形成性障害の予防および/または治療的処置のための医薬品を製造する方法。
  27. 血栓形成性障害は、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性
    虚血発作(TIA)、および/または、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 血栓形成性の疾患を同定するための診断剤を製造するための、TAFI−Ile347またはTAFI−Ile347遺伝子の使用。
  29. 血栓形成性の障害は、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患に関する危険性を含む、請求項28に記載の使用。
  30. 糖尿病患者における血栓形成性疾患を同定するための、請求項28または29に記載の使用。
  31. (a)サンプル中で、配列番号1に記載のアミノ酸配列(TAFI−Ile347)を有するトロンビン活性化線溶抑制因子(TAFI)の347位でのスレオニンからイソロイシンへのアミノ酸置換の存在を決定すること、および、
    (b)工程(a)の結果に従って医薬品の投与量を適合させること、
    を含む、血栓形成性障害の予防および/または治療的処置のための医薬品の投与量を適合させる方法。
  32. 血栓形成性障害は、心房細動、卒中、長期の断続的な神経障害(PRIND)、一過性虚血発作(TIA)、アテローム硬化性脳血管疾患(CVD)、および/または、冠動脈心疾患を含む、請求項31に記載の方法。
  33. サンプルは糖尿病患者由来である、請求項31または32に記載の方法。
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