JP2005281717A - マグネシウム合金の化成処理皮膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%である比強度の高いマグネシウム合金の表面に長期耐食性、塗膜密着性に優れた化成処理皮膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】マグネシウム合金の表面をその表面の溶出量が5g/m2以下となるように制御して無機酸又は有機酸によりエッチング処理し、その後、カルシウムイオン、マンガンイオン及びリン酸イオンを含有する溶液を用いてマグネシウム合金の表面に化成処理皮膜を形成する方法において、該マグネシウム合金としてアルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%である比強度の高いマグネシウム合金を用い、また化成処理皮膜の付着量がCa、Mn及びPの3元素の合計量で550〜1000mg/m2であり且つ化成処理皮膜中のCa、Mn及びPの質量比がMn:Ca:P=1:1〜2:3.5〜5となるように化成処理する。
【選択図】 なし

Description

本発明はアルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%である比強度の高いマグネシウム合金の表面に耐食性、塗膜密着性に優れた化成処理皮膜を形成する方法に関し、より詳しくは、マグネシウム合金の表面の溶出量を制御してエッチング処理し、その後特定の組成且つ特定の付着量の化成処理皮膜が形成されるように化成処理することにより比強度の高いマグネシウム合金の表面に耐食性、塗膜密着性に優れた化成処理皮膜を形成する方法に関する。
近年、各種産業分野において、軽量で、比強度に優れ且つリサイクル性にも優れているマグネシウム合金が注目を浴びており、その用途が広まってきている。しかし、マグネシウム合金はアルミニウム系材料、鉄系材料等に比べて耐食性に劣るという問題点がある。それで、マグネシウム合金の耐食性を改善するために様々な表面処理法や塗装法が提案されている。
例えば、ダイカスト法あるいはチクソモールド法により製造されるAZ91材鋳造製品等をノンクロム系化成処理溶液で表面処理して、裸耐食性、防錆性、塗膜密着性、塗膜耐食性を改善すると共に、電磁波シールド性を有効に保持し得るように低電気抵抗率を有する化成処理皮膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、AZ31B等に代表され、押し出し材や圧延材として用いられ、アルミニウム含有量が7.5質量%以下と比較的少ない展伸用マグネシウム合金について、その表面からの溶出量が5g/m2以下となるように制御して無機酸又は有機酸でエッチング処理を行い、その後にカルシウムイオン、マンガンイオン及びリン酸イオンを含有する化成処理溶液を用いて表面処理を行って防錆性、塗膜密着性に優れる化成処理皮膜を形成することも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000−96255号公報 特開2003−286582号公報
アルミニウム含有量が7.5質量%以下である展伸用マグネシウム合金の中でもより高い比強度が要求される場合には、アルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%程度であるマグネシウム合金、例えばAZ61等を用いる必要がある。アルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%程度であるマグネシウム合金の耐食性は一般的にはAZ31Bマグネシウム合金とほぼ同等である。しかし、アルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%であるマグネシウム合金を特開2003−286582号公報に記載された発明の好ましい範囲、実施例に記載された範囲で処理しても、後記の比較例のデータからも明らかなように十分な長期耐食性を得ることはできない。
本発明は、AZ61等のアルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%である比強度の高いマグネシウム合金の表面に長期耐食性、塗膜密着性に優れた化成処理皮膜を形成する方法を提供することを目的としている。
本発明等は上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、マグネシウム合金としてアルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%である比強度の高いマグネシウム合金を用い、マグネシウム合金の表面の溶出量を制御してエッチング処理し、その後特定の組成且つ特定の付着量の化成処理皮膜が形成されるように化成処理することにより上記の目的が達成されることを見いだし、本発明を完成した。
即ち、本発明のマグネシウム合金の化成処理皮膜の形成方法は、マグネシウム合金の表面をその表面の溶出量が5g/m2以下となるように制御して無機酸又は有機酸によりエッチング処理し、その後、カルシウムイオン、マンガンイオン及びリン酸イオンを含有する溶液を用いてマグネシウム合金の表面に化成処理皮膜を形成する方法において、該マグネシウム合金としてアルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%である比強度の高いマグネシウム合金を用い、また化成処理皮膜の付着量がCa、Mn及びPの3元素の合計量で550〜1000mg/m2であり且つ化成処理皮膜中のCa、Mn及びPの質量比がMn:Ca:P=1:1〜2:3.5〜5となるように化成処理することを特徴とする。
本発明のマグネシウム合金の化成処理皮膜の形成方法を採用することにより、アルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%である比強度の高いマグネシウム合金の表面に長期耐食性、塗膜密着性に優れた化成処理皮膜を形成することができる。
以下に、本発明を具体的に説明する。
本発明のマグネシウム合金の化成処理皮膜の形成方法で用いるマグネシウム合金は、比強度の一層高いマグネシウム合金の用途を考慮して、アルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%である比強度の高いマグネシウム合金、例えばAZ61、AZ61A等であり、押し出し加工、圧延加工、あるいは引き抜き加工したマグネシウム合金製品の表面に化成処理皮膜を形成することが好ましい。
本発明においてはマグネシウム合金に対して無機酸あるいは有機酸溶液によるエッチング処理を実施することが必須であるが、押し出し加工、圧延加工、あるいは引き抜き加工したマグネシウム合金製品等の表面には切削油、離型剤等が残っているので、エッチング処理に先立ってマグネシウム合金をリン酸塩水溶液で脱脂処理することが好ましい。リン酸塩水溶液で脱脂処理することにより切削油は除去でき、また離型剤は軟化して除去しやすくなる。
本発明においてエッチング処理に用いられる無機酸及び有機酸として、リン酸、酸性フッ化アンモニウム、硝酸、塩酸、蓚酸、硫酸、クエン酸、酒石酸等の水溶液を挙げることができる。このような酸を用いたエッチング処理により離型剤やマグネシウム合金素材表面に析出した合金不均一層を溶解除去することができる。
このエッチング処理においてはマグネシウム合金表面からの溶出量を5g/m2以下に制御する必要がある。溶出量が5g/m2を超えるとマグネシウム合金表面が過剰に荒れた状態となる傾向があり、このような過剰に荒れた状態の表面に皮膜形成処理を実施すると化成処理皮膜が過剰に析出し、皮膜量が過大となるばかりでなく、過剰析出成分が微粉となって表面に残留した状態となる傾向がある。また、そのような化成処理皮膜表面に塗装を行った場合には、塗膜種によっては密着性、特に耐水密着性が著しく低下する。
従って、無機酸あるいは有機酸によるエッチング処理工程を上記した作用に適う処方で実施することが必要である。このエッチング処理における好ましい処方は、例えば、リン酸溶液については0.1〜1.5質量%の濃度とし、常温〜70℃の温度で10秒間〜10分間の浸漬処理を行うことである。このリン酸の濃度が0.1質量%未満であったり、処理時間が10秒未満であるとエッチング処理が不完全となる傾向がある。エッチング処理が不完全であると、マグネシウム合金表面に残留した潤滑油等の成分の除去が不十分で、エッチング処理後に形成される化成処理皮膜についての裸耐食性や塗膜密着性等について不良の原因となる。
一般論として、リン酸溶液の濃度が高ければ、比較的低い温度で且つ比較的短時間で所望程度のエッチング処理が完了し、エッチング液の温度が高ければ、比較的低いリン酸溶液濃度で且つ比較的短時間で所望程度のエッチング処理が完了し、また、処理時間を長くすれば、比較的低いリン酸溶液濃度で且つ比較的低い温度で所望程度のエッチング処理が完了する。なお、このリン酸の濃度が10質量%を超えたり、処理時間が10分間を超えると、エッチングが過度に進んでマグネシウム合金表面が過剰に荒れた状態となる傾向があり、前記したような欠陥に繋がる。
なお、酸を用いたエッチング処理の際にスマットが生じることがあり、その場合には高アルカリ水溶液で処理してスマットを溶解除去し、不動態化膜を生成させることが好ましい。
本発明においては、エッチング処理後に、そのマグネシウム合金をカルシウムイオン、マンガンイオン及びリン酸イオンを含有する化成処理浴中に浸漬して化成処理を行う。なお、この化成処理浴は所望により酸化促進剤を含有することができ、酸化促進剤を含有する方がより好ましい。
この化成処理浴に用いるカルシウムイオン源として、硝酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、チオ硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム等の一種又は二種以上を配合することができる。また、マンガンイオン源として、炭酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸水素マンガン、重リン酸マンガン、ホウフッ化マンガン等の一種又は二種以上を配合することができる。また、リン酸イオン源として、オルソリン酸、縮合リン酸、亜リン酸、次亜リン酸等の一種又は二種以上を配合することができる。
また、酸化促進剤として、塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等を用いることができる。この酸化促進剤が存在することにより、化成処理時に、マグネシウム合金と上記の各成分イオンとの反応性を高めて、裸耐食性等が良好な化成処理皮膜を一層好都合に形成することができる。また、この酸化促進剤の好ましい配合量は、上記の性能の化成処理皮膜を安定的に得るために、0.02〜2g/Lの範囲の量である。
本発明においては、上記の化成処理浴を用いた化成処理で、マグネシウム合金表面との反応により適度な膜厚で、緻密で、且つ所定量のカルシウム、マンガン及びリンを含むリン酸カルシウム−リン酸マンガンの複合化成処理皮膜が生成し、一定の裸耐食性、塗膜密着性及び塗膜耐食性が達成される。
このマグネシウム合金の表面に形成する化成処理皮膜の付着量がCa、Mn及びPの3元素の合計量で550〜1000mg/m2となるように化成処理することが好ましい。化成処理皮膜の付着量がCa、Mn及びPの3元素の合計量で550mg/m2未満になると、その化成処理皮膜上に塗膜を形成しても塗膜の耐食性が不十分となる傾向がある。逆に、化成処理皮膜の付着量がCa、Mn及びPの3元素の合計量で1000mg/m2を超えると、化成処理皮膜の膜厚が厚くなり、化成処理皮膜に対する塗膜の密着性が低下する傾向があり、また、化成処理時間が長くなり、実用的ではない。
また、化成処理皮膜中のカルシウムとリンは化成処理皮膜の裸耐食性の向上に寄与し、またマンガンは塗膜密着性の向上に寄与するものと考えられ、優れた化成処理皮膜を安定的に得るために、このマグネシウム合金の表面に形成する化成処理皮膜中のCa、Mn及びPの質量比がMn:Ca:P=1:1〜2:3.5〜5となるように化成処理することが好ましい。化成処理皮膜中のCa、Mn及びPの質量比が上記の範囲から外れる場合には化成処理皮膜の裸耐食性、塗膜密着性の何れかが不十分となる傾向がある。
上記のような化成処理皮膜を得るためには、化成処理浴中の上記の各成分について、カルシウムイオンが0.3〜10g/L、マンガンイオンが0.1〜5g/L及びリン酸イオンが1〜30g/Lの濃度となるように配合することが好ましい。これらの各成分について、このような濃度範囲の配合量にすることにより、マグネシウム合金の表面に裸耐食性や塗膜密着性等の良好な化成処理皮膜を安定的かつ経済的に形成することができる。
なお、化成処理浴中のカルシウムイオンが不足する場合には、得られる化成処理皮膜の裸耐食性や塗膜密着性等が低下する傾向があり、また、マンガンイオンやリン酸イオンが不足する場合には、塗膜密着性の低下に加えて、酸化促進剤からの塩素イオンに起因して白錆が発生する原因となる傾向がある。
また、この化成処理浴はpH1.0〜3.0に調整されていることが好ましい。このpH値が1.0未満であると、化成処理時に生じるエッチング量が過大となって、マグネシウム合金製品の寸法精度上の問題が生じると共に、裸耐食性の低下をきたす傾向がある。また、このpH値が3.0を超えると、化成処理皮膜の裸耐食性等の性能の低下をきたす傾向がある。
また、この化成処理浴は30〜75℃の範囲の温度に維持されていることが好ましい。この化成処理浴温度が30℃未満であると、化成処理皮膜の形成に長時間を要し、化成処理皮膜の裸耐食性等について不良の原因となったりする傾向がある。この化成処理浴温度が75℃を超えると、化成処理皮膜の裸耐食性等の性能が低下する傾向がある。
この化成処理浴による化成処理のための時間は化成処理浴温度と相関関係にある。即ち、化成処理浴温度が50℃未満である場合には3〜20分間浸漬することが好ましく、また化成処理浴温度が50℃以上の場合には0.5〜10分間浸漬することが好ましい。化成処理浴温度が50℃未満で浸漬時間が短いと、化成処理皮膜の形成量が不十分となる。また化成処理浴温度が50℃以上で浸漬時間が長いと、形成された化成処理皮膜の再溶出が生じて裸耐食性等の性能の低下をきたすことがある。
本発明は上記したような各処理工程を含む化成処理皮膜の形成方法であり、上記した各処理工程に引き続いてそれぞれ水洗工程を含ませることが好ましく、また、化成処理に引き続いて、一般的な化成処理皮膜の形成方法に従って、水洗し、乾燥させる。これらの諸工程をフローチャート式に記載すると次の通りである:脱脂→水洗→エッチング→水洗→スマット除去→水洗→化成処理(化成処理皮膜形成)→水洗→脱イオン水で水洗→水切り乾燥。
その後、塗装処理を施すことができる。この塗装処理として、吹き付け塗装や電着塗装等の方法によりエポキシ樹脂等の塗料を下塗りし、更にこれにメラミン樹脂等の塗料を上塗りすることができる。その他にも、各種樹脂による粉体塗料を静電塗装することもできる。
以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1〜3及び比較例1〜5
処理対象部材として、ASTM AZ61のマグネシウム合金圧延部材及びAZ31Bのマグネシウム合金押出し部材からそれぞれ作製した2mm×50mm×150mmの部材を用いた。脱脂剤として濃度3質量%の縮合リン酸塩水溶液を用い、その液温を60℃に保持し、その中に上記の各々の部材を1分間浸漬して脱脂処理し、その後水洗した。
エッチング剤としてグランダファイナーMG104S(ミリオン化学株式会社製商品名:リン酸30〜40質量%、界面活性剤0.1質量%未満、残部水)、又はクエン酸水溶液を第1表又は第2表に示す酸濃度(質量%)(即ち、グランダファイナーMG104Sの場合にはリン酸濃度、クエン酸水溶液の場合にはクエン酸濃度)で用い、第1表又は第2表に示す液温度に保持し、その中に上記の脱脂した部材を第1表又は第2表に示す時間浸漬してエッチング処理し、その後水洗した。その後、このエッチング処理した部材を、液温60℃に保持した水酸化アルミニウム水溶液中に7分間浸漬して処理し、その後水洗した。
化成処理浴としてグランダーMC−1000(ミリオン化学株式会社製商品名:濃度2.5質量%で用いる場合には、カルシウムイオン1.0g/L、マンガンイオン0.35g/L、リン酸イオン5.8g/L及び塩素酸ナトリウム(酸化促進剤)0.15g/Lを含有する水溶液となり、濃度5質量%及び濃度7.5質量%で用いる場合には各成分をそれぞれ2倍、3倍の量で含有する水溶液となる)を用い、第1表又は第2表に示す温度に保持してその中に上記のように処理した部材を第1表又は第2表に示す時間浸漬して化成処理し、水洗し、更に脱イオン水で水洗し、その後乾燥させた。
上記のようにして得られた各々の化成処理皮膜付き部材の表面にエアースプレー法によりエポキシ樹脂系塗料(大日本塗料株式会社製商品名:MG−PR−E)を膜厚20μmとなるように塗布し、20分間静置した後、更にエアースプレー法によりウェットオンウェットでアクリル−メラミン樹脂系塗料(大日本塗料株式会社製商品名:MG−トップ)を膜厚20μmとなるように塗布し、これを180℃で20分間焼付処理した。
上記のようにして得られた各々の塗膜について、下記の塗膜性能を下記の方法で評価した。
イ)塗膜密着性
JIS K 5400 8.5.2の碁盤目テープ法に準拠して、塩水噴霧試験1000時間後、塗膜にナイフで碁盤目模様を描き、100個の部分に区分した後、粘着テープにより塗膜の剥離を試みた。実施例1〜3及び比較例1〜5の全てにおいて塗膜の剥離は全く認められなかった。
ロ)耐塩水噴霧性
塗膜表面にナイフでストレートカットを入れ、JIS Z 2371に準拠して塩水噴霧試験(SST)を1500時間実施した。500時間後、1000時間後及び1500時間後のストレートカット部分の塗膜の最大剥離幅(mm)を測定した。それらの結果は第1表又は第2表に示す通りであった。
Figure 2005281717
Figure 2005281717
第1表に示すデータから明らかなように、本発明のマグネシウム合金の化成処理皮膜の形成方法である実施例1〜3においては、塩水噴霧試験1000時間後における最大剥離幅は0〜0.5mmであり、1500時間後においても最大剥離幅は1mmであった。
これに対して、特開2003−286582号公報に記載された発明の好ましい範囲である請求項3及び4に記載された発明の範囲内で且つ特開2003−286582号公報に記載された実施例1〜5の範囲内に入る上記の比較例1、2及び4においては、塩水噴霧試験1000時間後における最大剥離幅は2〜5mmであり、1500時間後における最大剥離幅は3〜10mmであった。また、特開2003−286582号公報に記載された発明の好ましい範囲である請求項3及び4に記載された発明の範囲内であるがCa、Mn及びPの3元素の合計量を特開2003−286582号公報に記載された実施例1〜5の範囲(196.4〜336.3mg/m2)外の487.9mg/m2に増量した上記の比較例3においては、塩水噴霧試験1500時間後における最大剥離幅は3mmであり、本発明の場合より劣っていた。更に、化成処理皮膜の付着量がCa、Mn及びPの3元素の合計量が935.3mg/m2である比較例5においては、本発明の範囲外のAZ31Bのマグネシウム合金押出し部材を用いているので、塩水噴霧試験1000時間後における最大剥離幅は4mmであり、1500時間後における最大剥離幅は10mmであった。


Claims (3)

  1. マグネシウム合金の表面をその表面の溶出量が5g/m2以下となるように制御して無機酸又は有機酸によりエッチング処理し、その後、カルシウムイオン、マンガンイオン及びリン酸イオンを含有する溶液を用いてマグネシウム合金の表面に化成処理皮膜を形成する方法において、該マグネシウム合金としてアルミニウム含有量が5.5〜7.5質量%である比強度の高いマグネシウム合金を用い、また化成処理皮膜の付着量がCa、Mn及びPの3元素の合計量で550〜1000mg/m2であり且つ化成処理皮膜中のCa、Mn及びPの質量比がMn:Ca:P=1:1〜2:3.5〜5となるように化成処理することを特徴とするマグネシウム合金の化成処理皮膜の形成方法。
  2. カルシウムイオン、マンガンイオン、リン酸イオン及び酸化促進剤を含有する溶液を用いて化成処理する請求項1記載のマグネシウム合金の化成処理皮膜の形成方法。
  3. マグネシウム合金が押し出し加工品又は圧延加工品である請求項1又は2記載のマグネシウム合金の化成処理皮膜の形成方法。

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