JP2005279677A - 金属板のプレス成形加工方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 延性が小さく板厚が薄い金属板においても、複数の突起を効率よく形成できるプレス成形加工方法および装置を提案する。
【解決手段】 ダイとパンチを用いて金属板10に複数の突起40を形成する金属板のプレス成形加工方法において、ダイとパンチのうちの一方に、所望形状の複数の凹部21を有する凹型2を用い、他方に、その先端径が凹部21の最小代表寸法よりも小さい複数の凸部11を有する凸型1を用い、凸型1の先端には別体となる先端部101があり、先端部101はパ凸部11のまわりに転動体102を介して回転自在に嵌合されており、金属板10を、ダイとパンチとで複数の凹部21と複数の凸部11が嵌るようにプレスするとともに、相対的に、凸部11が凹部21の側壁内周に沿って周回移動するよう、凹型2と凸型1のうちの少なくとも一方を運動させて金属板10に形成されつつある突起40の壁部をしごき加工する。
【選択図】 図2
【解決手段】 ダイとパンチを用いて金属板10に複数の突起40を形成する金属板のプレス成形加工方法において、ダイとパンチのうちの一方に、所望形状の複数の凹部21を有する凹型2を用い、他方に、その先端径が凹部21の最小代表寸法よりも小さい複数の凸部11を有する凸型1を用い、凸型1の先端には別体となる先端部101があり、先端部101はパ凸部11のまわりに転動体102を介して回転自在に嵌合されており、金属板10を、ダイとパンチとで複数の凹部21と複数の凸部11が嵌るようにプレスするとともに、相対的に、凸部11が凹部21の側壁内周に沿って周回移動するよう、凹型2と凸型1のうちの少なくとも一方を運動させて金属板10に形成されつつある突起40の壁部をしごき加工する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、金属板のプレス成形加工方法および装置に関し、特に、金属板に複数の突起を形成するエンボス加工に用いて好適な、金属板のプレス成形加工方法および装置に関する。
金属板を所望の形状の部材に加工するのに、多くの場合、プレス成形が用いられる。プレス成形後の部材にさらに加工が施されることも多い。プレス成形は、他の方法に比較して、生産性が高く、歩留も高いことから、金属板の成形方法としては最もよく用いられる。プレス成形には張り出しによるものと絞りによるものとがある。例えば、図8に示すように、凹型であるダイと凸型であるパンチ、さらにしわ押さえの組み合わせで金属板を突起状に成形する。このとき、しわ押さえにより金属板を強く押さえ、金属板の外縁部が凹型内に引き込まれないようにするのが張り出しによる成形方法である。この張り出しによる成形方法では、延性の小さいフェライト系ステンレスやアルミといった素材金属板は、成形により破断したり、穴が開いたりする場合が少なくない。この点、絞りによる成形方法によれば、金属板の外縁部が中心方向に引き込まれて突起の縦壁部になることにより、比較的延性が小さく、破断しやすいフェライト系ステンレスやアルミといった素材金属板でも、深い突起状に成形することができる。ところが図9に示すように、突起が複数あるいわゆるエンボス形状のような場合は、同じように成形しようとしても、素材金属板が周囲から流入する作用が隣同士で競合してしまうため上記のように外縁が引き込まれるようにできず、素材金属板の延性にもっぱら依存して主として張り出し成形することになる。ここで、張り出し成形性は素材金属板の延性でほとんど決定されるため、フェライト系ステンレスやアルミといった延性の小さな材料では、深い突起状に成形できない。このための改善策として、第1工程において第1のプレス型により張り出し部を形成し、次の第2工程において第2のプレス型によって、第1工程において形成された張り出し部の周縁部より張り出し部の中心に近い内側部分を押圧し、突起の成形を完了する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000-317531号公報(図5等)
しかしながら、上記の方法にあっても、第2工程において突起頂部の平坦部を押圧する際、素材金属板が薄いほど押圧荷重が高くなり、かつ素材金属板の周囲への押し流し効果が小さいため、結局素材金属板が足りずに破断に至る等の不具合が生じ易く、深い突起状に成形することは依然として難しい。
本発明は上記課題を解決するべくなされたもので、素材金属板の延性が小さく、板厚が薄い金属板を用いても、複数の突起を効率よく形成できるプレス成形加工方法、特に金属板に複数の突起を形成するエンボス加工を効率よく行うための成形加工方法および成形加工装置を提案することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するべくなされたもので、素材金属板の延性が小さく、板厚が薄い金属板を用いても、複数の突起を効率よく形成できるプレス成形加工方法、特に金属板に複数の突起を形成するエンボス加工を効率よく行うための成形加工方法および成形加工装置を提案することを目的とする。
本発明の加工方法は、ダイとパンチを用いて金属板に複数の突起を形成する金属板のプレス成形加工方法において、前記ダイと前記パンチのうちの一方に、所望形状の複数の凹部を有する凹型を用い、他方に、その先端径が前記凹部の最小代表寸法よりも小さい複数の凸部を有する凸型を用い、前記凸型の先端には別体となる先端部があり、前記先端部は前記凸部のまわりに転動体を介して回転自在に嵌合されており、前記金属板を、前記ダイと前記パンチとで前記複数の凹部と前記複数の凸部が嵌るようにプレスするとともに、相対的に、前記凸部が前記凹部の側壁内周に沿って周回移動するよう、前記凹型と前記凸型のうちの少なくとも一方を運動させて前記金属板に形成されつつある前記突起の壁部をしごき加工する、ことを特徴とする。
本発明の加工装置は、ダイとパンチを用いて金属板に複数の突起を形成するプレス成形加工装置であって、前記ダイと前記パンチのうちの一方は、所望形状の複数の凹部を有する凹型であり、他方は、その先端径が前記凹部の最小代表寸法よりも小さい複数の凸部を有する凸型であって、前記凸型の先端には別体となる先端部があり、前記先端部は前記凸部のまわりに転動体を介して回転自在に嵌合されており、前記凹型と前記凸型のうちの少なくとも一方が、他方に向けて前進後退可能に配置され、相対的に、前記凸部が前記凹部の側壁内周に沿って周回移動できるように前記凹型と前記凸型の少なくとも一方が運動可能に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、延性が小さくかつ板厚が薄い金属板に、複数の突起を同時に形成することができる。特に、通常のプレス成形では加工不可能な、深いエンボスを金属板に加工することができ、電気製品等意匠性が求められる用途に使用されるエンボス板が効率よく製造できる。
以下、本発明の実施形態を図を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の各図において、同じ構成要素又は相当物については同じ符号を用いる。図1(a)は本発明のプレス成形加工方法を実施する型の構造の一例を示す断面模式図である。本発明のプレス成形には、パンチとしての凸型1と、この凸型1と組み合わせて用いられるダイとしての凹型2を用いる。凹型2には素材金属板10を加工して形成しようとする突起の形状に対応した所望形状の凹部21が複数形成されている。一方、凸型1には凹型2の凹部21に嵌る複数の凸部11が形成されている。凸部11にはさらにこの凸部11の先端を成す別体の先端部101がかぶせられており、先端部101は転動体としてのころ102を介して凸部11に対して、その軸回りに回転自在に結合されている。ころ102は図1(a)中では球状のものを示しているが、円錐台状等、その他の形状であってもよい。この凸部の先端部101のうち、図1(b)に示すように金属板10を凹部21に押し込んだときに実質的に成形に供される部分の外径deは、図1(c)に示すように金属板10に形成しようとする突起の内径Dより小さく構成されるようにしたい。その目的を達成するため、凸部の先端部101の先端径dを、凹部21の最小代表寸法よりも小さくする。凸部11を含む先端部101の断面の最大径Dmaxを、凹部21の最小代表寸法よりも小さくしても良い。凹部21の最小代表寸法とは、凹部21の口元の断面形状が図1(d)に示すような円形の場合はその直径a、図1(e)に示すような楕円形の場合は短直径b、図1(f)に示すような角丸矩形の場合はその短辺cとする。
また、図中の符号3は、凹型2との間で金属板10を挟圧して保持するホルダーであり、それには凸部11もしくは先端部101が貫通できるように凸部11の最大径Dmaxより若干大きな径からなる複数の貫通孔31が設けられている。そして、これらの凸部11、先端部101、凹部21および貫通孔31を複数備えて、金属板10に複数の突起を同時に形成するようにしたものである。
なお、以降の工程図では、1つの突起の成形状況を図示する。次に、これらの凸型1、凹型2およびホルダー3を利用した本発明のプレス成形加工方法について説明する。
また、図中の符号3は、凹型2との間で金属板10を挟圧して保持するホルダーであり、それには凸部11もしくは先端部101が貫通できるように凸部11の最大径Dmaxより若干大きな径からなる複数の貫通孔31が設けられている。そして、これらの凸部11、先端部101、凹部21および貫通孔31を複数備えて、金属板10に複数の突起を同時に形成するようにしたものである。
なお、以降の工程図では、1つの突起の成形状況を図示する。次に、これらの凸型1、凹型2およびホルダー3を利用した本発明のプレス成形加工方法について説明する。
実施形態1
図2は本発明方法の第1の実施形態を説明する工程図である。この方法では、まず、凹型2とホルダー3の間に素材金属板10が固定され、凹型2の凹部21とホルダー3の貫通孔31に対応する位置に凸部11が位置するように凸型1が配置される(図2(a))。さらに各凸部11の先端にはそれぞれ先端部101がころ102を介して回転自在に結合されている。この状態では、凸部11の中心軸12と凹部21の中心軸22が一致している。続いて、凸型1の凸部11が、凹型2の凹部21の中心軸22に対して距離r1シフトし、この距離を保ちながら中心軸22の回りを公転(周回)し、かつ下降し、金属板10の一部に接触する(図2(b))。さらに、凸型1の凸部11の先端部101は凹型2の凹部21の側壁周囲に沿って回転されながら移動して、中心軸22の回りに公転(周回)し1周の加工を終える(図2(c))。このとき、凸部11の先端部101と凹部21との間でしごき加工が行われ、金属板10の厚み、特に突起40の縦壁部の厚みが減肉させられる。このとき、先端部101が凸部11に対して回転することにより、先端部101が別体として存在しない場合の凸部と金属板との摩擦は著しく低減され、成形を円滑に進めることができる。
図2は本発明方法の第1の実施形態を説明する工程図である。この方法では、まず、凹型2とホルダー3の間に素材金属板10が固定され、凹型2の凹部21とホルダー3の貫通孔31に対応する位置に凸部11が位置するように凸型1が配置される(図2(a))。さらに各凸部11の先端にはそれぞれ先端部101がころ102を介して回転自在に結合されている。この状態では、凸部11の中心軸12と凹部21の中心軸22が一致している。続いて、凸型1の凸部11が、凹型2の凹部21の中心軸22に対して距離r1シフトし、この距離を保ちながら中心軸22の回りを公転(周回)し、かつ下降し、金属板10の一部に接触する(図2(b))。さらに、凸型1の凸部11の先端部101は凹型2の凹部21の側壁周囲に沿って回転されながら移動して、中心軸22の回りに公転(周回)し1周の加工を終える(図2(c))。このとき、凸部11の先端部101と凹部21との間でしごき加工が行われ、金属板10の厚み、特に突起40の縦壁部の厚みが減肉させられる。このとき、先端部101が凸部11に対して回転することにより、先端部101が別体として存在しない場合の凸部と金属板との摩擦は著しく低減され、成形を円滑に進めることができる。
次に、凸型1の凸部11は、凹型2の凹部21中心軸22に対して距離r2(この場合には、r2≦r1)となる位置にシフトし、中心軸22の回りを公転(周回)しながら最終の高さまで下降する(図2(d))。そして引き続き凸型1の凸部11の先端部101は凹型2の凹部21の側壁周囲に沿って移動して、中心軸22の回りに公転(周回)し1周の加工を終える(図2(e))。これによっても、凸部11と凹部21との間で金属板10の厚みが減肉させられるしごき加工が行われる。その結果、金属板10には所定の形状の突起40が形成される。
なお、2回目の凸部11のシフト量r2は、必ずしも、r2≦r1、の関係である必要はなく、成形しようとする突起40の形状に応じて定めてよい。例えば、その突起40が円筒形状であれば、r2≧r1、とした方がしごき加工にとって効果的である。また、凸部11の凹部21側壁周囲に沿う周回の回数については、突起40の成形状態に応じて適宜定めればよく、1回で良い場合もあり、また2回以上としても良い。
このような方法により、突起40の成形が絞りではなくしごき加工を中心とした成形により行われるため、それが複数箇所で同時に行われたとしても、素材金属板10の流入が隣同士で競合するような問題は相当程度解消され、延性が小さくかつ板厚が薄い金属板10であっても、複数の突起40を同時に成形することが可能となる。
また、凸部11の先端には凸部のまわりに転動体を介して回転自在な先端部101が装着されているので、凸部11と金属板10との間の摩擦が軽減し、加工が円滑に行われる。
また、凸部11の先端には凸部のまわりに転動体を介して回転自在な先端部101が装着されているので、凸部11と金属板10との間の摩擦が軽減し、加工が円滑に行われる。
実施形態2
図3は本発明方法の第2の実施形態を説明する工程図である。この方法の場合も、まず、凹型2とホルダー3の間に素材金属板10が固定され、凹型2の凹部21とホルダー3の貫通孔31に対応する位置に凸部11が位置するように凸型1が配置される(図3(a))。さらに各凸部11の先端にはそれぞれ先端部101が転動体としてのころ102を介して回転自在に結合されている。この状態では、凸部11と凹部21のそれぞれの中心軸12,22が一致している。続いて、凸型1の凸部11が、最終高さまで下降し、金属板10を擂鉢状に押し下げて張り出し成形を行う(図3(b))。次に、凸型1の凸部11を凹部21の側壁方向へ螺旋状にシフトさせた後、凸部11を凹部21の側壁周囲に沿って移動させ、突起40の縦壁部をしごき加工して減肉させる(図3(c))。なお、ここでは、凸部11を凹部21の側壁周囲に沿って再度周回させ、縦壁部をさらに減肉して所定の形状の突起を形成している(図3(d))。
図3は本発明方法の第2の実施形態を説明する工程図である。この方法の場合も、まず、凹型2とホルダー3の間に素材金属板10が固定され、凹型2の凹部21とホルダー3の貫通孔31に対応する位置に凸部11が位置するように凸型1が配置される(図3(a))。さらに各凸部11の先端にはそれぞれ先端部101が転動体としてのころ102を介して回転自在に結合されている。この状態では、凸部11と凹部21のそれぞれの中心軸12,22が一致している。続いて、凸型1の凸部11が、最終高さまで下降し、金属板10を擂鉢状に押し下げて張り出し成形を行う(図3(b))。次に、凸型1の凸部11を凹部21の側壁方向へ螺旋状にシフトさせた後、凸部11を凹部21の側壁周囲に沿って移動させ、突起40の縦壁部をしごき加工して減肉させる(図3(c))。なお、ここでは、凸部11を凹部21の側壁周囲に沿って再度周回させ、縦壁部をさらに減肉して所定の形状の突起を形成している(図3(d))。
このような方法により、突起40の成形が絞りではなく張り出し成形にしごき加工を加えた成形となるため、それが複数箇所で同時に行われたとしても、素材金属板10の流入が隣同士で競合するような問題は相当程度解消され、延性が小さくかつ板厚が薄い金属板10であっても、多数の突起40を同時に成形することが可能となる。
なお、上記実施形態1および2では、説明の都合上、凸部11が凹部21に対して移動する構成、すなわち、凸型1がパンチとしてダイである凹型2に対して移動する構成としたが、両者の関係は相対的なものであり、凹部21が凸部11に対して移動する構成、すなわち、凹型2がパンチとしてダイである凸型1に対して移動する構成としてもよいし、両方が移動する構成としても良い。
実施形態3
図4は本発明のプレス成形加工方法を実施するのに好適なプレス成形加工装置の構成図である。図4において、51,52は加工装置の外殻を構成するハウジングであり、53はハウジングの一部を構成する柱である。また、54は凸型1又は凹型2の一方を前進後退運動(ここでは上下移動)させる油圧シリンダであり、55は他方を2次元的にある面内(ここでは、水平面内)の任意の方向に運動させることができるXYテーブルである。さらに、61は素材金属板10を凸型1又は凹型2の一方(図の場合には凹型2)との間に挟んで固定する固定具61である。なお、本加工装置を用いて加工を効率よく行うには、油圧シリンダ54およびXYテーブル55の位置制御をNC制御とする構成が望ましい。
図4は本発明のプレス成形加工方法を実施するのに好適なプレス成形加工装置の構成図である。図4において、51,52は加工装置の外殻を構成するハウジングであり、53はハウジングの一部を構成する柱である。また、54は凸型1又は凹型2の一方を前進後退運動(ここでは上下移動)させる油圧シリンダであり、55は他方を2次元的にある面内(ここでは、水平面内)の任意の方向に運動させることができるXYテーブルである。さらに、61は素材金属板10を凸型1又は凹型2の一方(図の場合には凹型2)との間に挟んで固定する固定具61である。なお、本加工装置を用いて加工を効率よく行うには、油圧シリンダ54およびXYテーブル55の位置制御をNC制御とする構成が望ましい。
また、例えば、油圧シリンダとXYテーブルを一体に組み合わせて、XYZ軸方向(3次元空間内)の任意の方向に運動可能な3軸ステージを構成し、その3軸ステージに凸型1又は凹型2の一方の型(例えば凸型1)を配置し、他方の型(例えば凹型2)を完全に固定した加工装置としても、本発明のプレス成形加工方法を実施することが可能である。なお、3軸ステージに一方の型を配置した場合でも、他方の型をXYZ軸の少なくとも一方向に移動可能にしても差し支えない。
さらに、凸型1の凸部11にはころ102を介して先端部101を嵌合してあるので、しごき加工中の先端部101と金属板10との間の摺動抵抗を減少させることができる。
図5に上記加工装置を利用し、本発明の方法にて成形した部材の形状と寸法を示す。なお、図5(a)は部材の全体を示す斜視図、図5(b)は形成された突起40の1つを示す断面図である。ここで用いた金属板10はSUS430であり、引張試験による伸び値が28%と延性の小さい材料であるが、突起40の縦壁部に破断等を生ずることなく加工が可能であった。なお、この部材は、上記の第1および第2のいずれの実施形態によっても製造可能であった。
さらに、比較のために、図5と同様な部材の成形を、図6に示すような従来のプレス成形方法により行ってみた。この場合、ダイとパンチのクリアランスは下死点において素板(金属板)厚と同じに設定しており、張り出し成形となる。本発明の実施例と同じ材料(SUS430)を用いたこの方法による成形では、図7(a)および(b)に示すように、突起の縦壁部がほとんど破断し成形不良となった。これは伸びが約28%の金属板を、50%以上伸ばすような成形を行うためであり、理論的にも不可能である。これに対して本発明の方法は、素板をしごき加工により減肉することにより展伸させる作用を利用するため、より歪の大きな成形が可能となる。
ところで上記の実施形態では、円錐台状の突起を複数形成する例を挙げて本発明のプレス成形加工方法を説明したが、本発明のプレス成形加工方法は、円筒状、断面楕円状、断面角丸矩形状等さまざまな形状の突起を形成するのに適用できる。その場合には、それらの各形状に対応した所望形状の凹部を複数有する凹型を用い、対応する凸型には、その凸部の先端径が対応する凹型の凹部の最小代表寸法よりも小さいものを複数有するものを用いる。さらに、本発明に特有のしごき加工のためには、凸型の凸部の方を凹型の凹部の側壁内周に沿って移動させるか、あるいは凹型の凹部の方を凸型の凸部に対して運動させて、凹型の凹部の側壁内周に沿って凸型の凸部を移動させるようにするか、あるいはその両方による。このとき、凸型の凸部は、形成しようとする突起の縦壁の成形状況に応じて凹型の凹部の側壁内周に沿って複数回周回させてもよい。また、凸型は、その凸部の上記凹部中心からのシフト量を変えて、該凸部をその凹部の側壁内周に沿って複数回周回させるように運動させるようにしてもよい。なお、凸型の運動には、その凸部を凹部の側壁方向へ螺旋状にシフトさせることを含めてもよい。
本発明のプレス成形加工方法や装置は、延性が小さく板厚の薄い金属板に対して、複数の突起を効率よく形成できるため、自動車や各種機械製品および電気製品等に用いられる部材の製造に広く利用できる。そして特に、意匠性が求められる用途に使用されるエンボス板やそれを用いた加工製品を製作するのに好適である。
1…凸型(パンチ)、2…凹型(ダイ)、3…ホルダー、10…金属板(加工素材)、11…凸型の凸部、12…凸部の中心軸、21…凹型の凹部、22…凹部の中心軸、31…貫通孔、40…突起、51,52…ハウジング、53…ハウジングの柱、54…油圧シリンダ、55…XYテーブル、61…固定具、101…先端部、102…ころ。
Claims (2)
- ダイとパンチを用いて金属板に複数の突起を形成する金属板のプレス成形加工方法において、
前記ダイと前記パンチのうちの一方に、所望形状の複数の凹部を有する凹型を用い、
他方に、その先端径が前記凹部の最小代表寸法よりも小さい複数の凸部を有する凸型を用い、
前記凸型の先端には別体となる先端部があり、
前記先端部は前記凸部のまわりに転動体を介して回転自在に嵌合されており、
前記金属板を、前記ダイと前記パンチとで前記複数の凹部と前記複数の凸部が嵌るようにプレスするとともに、
相対的に、前記凸部が前記凹部の側壁内周に沿って周回移動するよう、前記凹型と前記凸型のうちの少なくとも一方を運動させて前記金属板に形成されつつある前記突起の壁部をしごき加工する、
ことを特徴とする金属板のプレス成形加工方法。 - ダイとパンチを用いて金属板に複数の突起を形成するプレス成形加工装置であって、
前記ダイは、所望形状の複数の凹部を有する凹型であり、
前記パンチは、その先端径が前記凹部の最小代表寸法よりも小さい複数の凸部を有する凸型であって、
前記凸型の先端には別体となる先端部があり、
前記先端部は前記凸部のまわりに転動体を介して回転自在に嵌合されており、
前記凹型と前記凸型のうちの少なくとも一方が、他方に向けて前進後退可能に配置され、
相対的に、前記凸部が前記凹部の側壁内周に沿って周回移動できるように前記凹型と前記凸型の少なくとも一方が運動可能に形成されていることを特徴とする金属板のプレス成形加工装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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