JP2005279472A - エアフィルタ洗浄乾燥装置および方法 - Google Patents

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隆夫 伊藤
Masakazu Hasegawa
雅一 長谷川
Kazuya Tamura
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Abstract

【課題】本発明の課題は、洗浄水による洗浄と超臨界または亜臨界流体による洗浄・乾燥等を併用することにより、ガラス繊維で構成された空調用高性能エアフィルタを効率良く洗浄・乾燥する装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、エアフィルタの洗浄と乾燥を同一の場所で実施する洗浄槽21と、洗浄槽21に洗浄用溶媒を供給する洗浄用溶媒供給装置と、洗浄槽21から洗浄用溶媒を排出する洗浄用溶媒排出装置と、洗浄槽21に乾燥用溶媒を供給する乾燥用溶媒供給装置と、洗浄槽21から乾燥用溶媒を排出する乾燥用溶媒排出装置とを具備し、前記洗浄用溶媒として純水または添加剤を付加した水を利用し、前記乾燥用溶媒として超臨界または亜臨界二酸化炭素を利用することを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エアフィルタの洗浄と乾燥を行う装置および方法に関するもので、特に、ガラス繊維で構成されたフィルタの洗浄用として好適な洗浄乾燥装置および方法に関するものである。
建築物の空気調和設備に設置される空気清浄装置のエアフィルタは、粉塵の負荷により性能が劣化するため、定期的な交換が必要である。これまで多くは産業廃棄物として処理され新品と交換されてきたが、いわゆる中性能フィルタを中心として洗浄再生し再利用される機会が増えている。
図2にエアフィルタの構造を示す。図2中、101はアルミニウムまたは木製のフレーム、102はろ材、103はセパレータである。エアフィルタは、ガラス繊維やポリプロピレン等の不織布を織り込んだろ材102をセパレータ103を介在してフレーム101に接着固定したもので、空気等の流体を流通させることにより流体中の粒子等の不純物を捕集し取り除くことができる。
エアフィルタの洗浄再生技術として、従来、界面活性剤等の洗剤を含む液体溶媒を用いるもの(例えば、特許文献1参照。)や、洗浄液体中に保持したフィルタ面上で超音波によるキャビテーション現象を発生させるもの(例えば、特許文献2参照。)が知られている。この洗浄方式に好適なエアフィルタは、ポリプロピレンなど耐水性の不織布で形成されたフィルタ繊維を有し、かつ、中性能フィルタ程度の繊維密度を持つものである。この方法では洗浄工程の後にすすぎ工程、脱水、乾燥工程など多数の工程を経由して再生されている。
ガラス繊維性のフィルタで、特に繊維密度の高い高性能エアフィルタは、フィルタ繊維の表面が疎水性であるため、洗浄に使用する水等の溶媒が繊維深層まで到達しにくく、超音波洗浄を困難にする原因となっている。このようなガラス繊維の細部まで水を到達させるために、洗浄水中の溶存空気を強制脱気して、フィルタ繊維表面の空気を洗浄水中に溶解させることで、ガラス繊維の深層に洗浄水を到達し洗浄する方法(例えば、特許文献3参照。)がある。
一方、液体以外の洗浄溶媒で、微細な構造物の洗浄に優れた方法として、超臨界状態や亜臨界状態の流体を利用する洗浄方法がある。
この種の洗浄方法として、例えば、被洗浄物を超臨界流体に浸漬し汚染物質を流体中に溶解させて洗浄する方法、動力を使用せずに超臨界流体を循環流通(気化・液化状態での蒸気圧差による圧送、蒸気圧差を基にしたレベル差設定の重力落下搬送を利用)させて洗浄する方法(例えば、特許文献4〜6参照。)、超臨界流体循環経路の気体状態の場所に気体用フィルタを設けて汚染物が再付着するのを防ぐ方法(例えば、特許文献7参照。)、洗浄器内の超臨界流体を洗浄器外に急速に流出させること等により、汚染物質表面で強い攪乱や大量の気泡を発生させ、この流れやバブリング作用により汚染物質を迅速に強制剥離・強制溶解させて被洗浄物の洗浄を行う方法(例えば、特許文献8参照。)、ノズルから超臨界流体をジェット噴流で投射し、被洗浄物の汚れを剥離する方法(例えば、特許文献9,10参照。)などが提案されている。
図3に二酸化炭素の状態線図を示す。臨界点を越えた温度・圧力の流体が超臨界流体であり、その臨界点近傍の状態が亜臨界流体である。
超臨界流体は、粘度、拡散係数、密度、溶解力が気体と液体の中間の値を持ち、その密度は液体に近く、その粘度は気体のような挙動を示すことから、浸透力と高拡散性に優れるという特徴を持つ。さらに高拡散性から物質移動の面でも優れている。また超臨界流体は、わずかの圧力変化で大きな密度変化が得られるという特徴を有している。一般に物質の溶解度は密度と比例するので、超臨界流体は圧力変化のみにより大きな溶解度差を得ることができ、特にオイルなどの水洗浄では落ち難い汚れの洗浄効果に優れる利点を持つ。
また、超臨界洗浄は、脱水乾燥工程を省略できる利点があるが、超臨界状態に二酸化炭素を昇圧・昇温あるいは減圧・減温するのに長時間を要し、大型の洗浄プロセスほどこの問題は大きい。このため、洗浄槽に流路を介して高圧器を接続し、あらかじめ昇圧・昇温した超臨界二酸化炭素を効率良く供給する方法が提案されている(例えば、特許文献11参照。)。
なお、このような超臨界流体は、分離抽出操作において古くから工業的に利用されている。原料物質から目的の物質を超臨界流体中に溶解させてから取り出し、超臨界流体を減圧気化させることにより目的成分を抽出する。このプロセスは原料を洗浄していることに非常に類似するが、抽出された成分が対象となる抽出操作は、分離された後の元の素材が重要となる洗浄操作と基本的に目的が異なる。また、超臨界による洗浄は、抽出操作とは異なり、被洗浄物が損傷しないための配慮が必要であり、さらに、一度取り除いた汚れが、再び被洗浄物に付着しないようにしなければ、完全な洗浄が行えないことに留意する必要がある。
特開2001−17809号公報 特開平11−188322号公報 特開2000−9876号公報 特開平10−94766号公報 特開平10−163152号公報 特開2000−153244号公報 特開平7−284739号公報 特開平8−290128号公報 特開平10−163152号公報 特開平10−94766号公報 特開2003−126673号公報
従来のフィルタ洗浄再生技術は液体溶媒を用いて洗剤や超音波を利用するものであり、ポリプロピレンなどの耐水性の不織布フィルタ繊維しか洗浄することができない。またフィルタの繊維構造が高性能フィルタのように、数ミクロン〜サブミクロンオーダの繊維の充填構造になると、フィルタ深層に洗浄溶媒が浸透しにくいためうまく洗浄することができない。
繊維材質がガラス繊維で構成された高性能フィルタの場合、ガラス繊維は疎水性であるため繊維内部まで洗浄溶媒を浸透させるために、真空脱気する方法があるが、エアフィルタを浸漬させた洗浄槽で脱気するには、洗浄効果を発揮するまでに、ポンプの吸引速度に関連した所定の吸引時間が必要となり洗浄時間の長時間化を招く。またこれを短時間化するためには、大型の真空ポンプが必要となり真空脱気の消費エネルギの増加につながる。
さらに液体溶媒により洗剤や超音波を利用するエアフィルタの洗浄方法では、洗浄後に液体溶媒に液浸したフィルタを乾燥する工程が必要であるため、乾燥のための熱や送風等の多大なエネルギが要求される。またガラス繊維フィルタの乾燥では、繊維深層に残留した水の表面張力により繊維の分布に乱れが生じ、フィルタの捕集効率や圧力損失に悪影響を及ぼす。
いずれにしても水による洗浄の場合、水に溶解しないオイルなどの有機系汚れの洗浄効率が低い。
一方、超臨界流体を用いた洗浄乾燥技術では、超臨界状態への加圧や、洗浄後の排出に時間がかかることや、密閉された槽内で処理を行うなどの制約があり、所要時間の短縮に注力されてきた。
洗浄槽への超臨界二酸化炭素の供給を、洗浄槽に接続した高圧器を利用して繰り返し行う方法では、初回の昇圧・昇温時は効率良く洗浄槽に超臨界二酸化炭素を供給できるが、二回目以降の昇圧・昇温時には、温度・圧力の設定条件によっては高圧の二酸化炭素が高圧器に残留し、高圧器の密度を初回と同程度に回復させるのに困難を伴うことが多い。
超臨界流体を排出するには、非常に高圧に圧縮された気体が大気圧に解放されるため、急速な断熱膨張が生じる。断熱膨張は洗浄槽の大きさに比例するため、洗浄槽の規模が大型で高圧を用いる洗浄ほど断熱膨張の影響が大きい。
急激な断熱膨張は洗浄槽内や配管内で固体を生じる液封現象が起こる。液封は配管を破断する恐れがあるため、従来の洗浄乾燥技術は液封を生じさせずに、且つ、高速に超臨界流体を排出することが考えられてきた。
しかし、非常に微細な数ミクロン〜サブミクロンオーダのガラス繊維で構成されたフィルタは、液封を生じさせない減圧速度であっても、体積変化が大きければ、充填率や繊維分布等に乱れを生じ、フィルタの捕集効率に悪影響を及ぼすことがある。
また、被洗浄物を超臨界流体に浸漬させる方法では、汚染物質を流体中に溶解させることで洗浄を達成させるとしているが、剥離した汚染物が流体中に浮遊して残るため被洗浄物に再付着する問題を持つ。これを解決するためには清浄な流体に再度浸漬させるすすぎ工程が必要となるため不経済である。同様に超音波を併用する方法も、浮遊した汚染物の再付着はさけられないため、清浄な流体でのすすぎ工程が必要である。
また、超臨界二酸化炭素の洗浄では、オイルなどの有機系汚れの洗浄効果は非常に大きいが、汚染物質が二酸化炭素に溶解しにくい粒子の場合、粒子の剥離のためにフィルタ繊維に通過する二酸化炭素の線速度を増加させる必要があり、二酸化炭素流量の増加を招く。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、洗浄水による洗浄と超臨界または亜臨界流体による洗浄・乾燥等を併用して、数ミクロン〜サブミクロンオーダのガラス繊維で構成された空調用高性能エアフィルタを効率良く洗浄・乾燥する装置および方法を提供することを目的とする。また、洗浄・乾燥の際にエアフィルタや装置本体を損傷させることなく、超臨界または亜臨界二酸化炭素の供給や排出等の処理時間を短縮化し得る洗浄乾燥装置および方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、エアフィルタの洗浄および乾燥を行うエアフィルタ洗浄乾燥装置であって、少なくとも、エアフィルタの洗浄と乾燥を同一の場所で実施する洗浄槽と、前記洗浄槽に洗浄用溶媒を供給する洗浄用溶媒供給装置と、前記洗浄槽から洗浄用溶媒を排出する洗浄用溶媒排出装置と、前記洗浄槽に乾燥用溶媒を供給する乾燥用溶媒供給装置と、前記洗浄槽から乾燥用溶媒を排出する乾燥用溶媒排出装置とを具備し、前記洗浄用溶媒として純水または添加剤を付加した水を利用し、前記乾燥用溶媒として超臨界または亜臨界二酸化炭素を利用することを特徴とするものである。
本発明によれば、洗浄水による洗浄技術と超臨界または亜臨界流体による洗浄・乾燥技術を併用し、洗浄水を減圧タンクで高速に脱気した状態で超音波を用いて微細構造なフィルタ繊維の深層までエアフィルタを洗浄した後、超臨界または亜臨界状態の二酸化炭素により、フィルタ繊維を破損させることなく繊維に付着した水分および残留した汚れを二酸化炭素中に溶解させ、低温で高速に追加洗浄と乾燥ができるため、エアフィルタを効率良く洗浄・乾燥することが可能となる。また、圧力槽の圧力・温度とバルブ開度の自動制御を利用することで、洗浄・乾燥の際にエアフィルタや装置本体を損傷させることなく、超臨界または亜臨界二酸化炭素の供給や排出等の処理時間を短縮化することが可能となる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図1に本発明の実施形態例に係るエアフィルタ洗浄乾燥装置の基本構成例を示す。
1〜12は二酸化炭素あるいは水の流入または流出を制御するバルブ、21は洗浄槽で、二酸化炭素(乾燥用溶媒)の流入口と流出口、および洗浄水(洗浄用溶媒)の流入口と流出口、および排気口をそれぞれ一箇所有する。22は二酸化炭素を供給するボンベ(二酸化炭素供給手段)、23はコンプレッサ(二酸化炭素の加圧手段)、24は圧力槽(二酸化炭素の供給・排出手段)、25は加熱器(加熱手段)、26は冷却器(冷却手段)、27は圧力制御弁(圧力調節手段)、28は二酸化炭素中の汚染物を除去する分離トラップ(分離フィルタ)、2901〜2910は二酸化炭素あるいは水を流通させるための管、30は真空ポンプ、31は減圧タンク、32は減圧タンク用圧力制御装置、33は制御装置、34は流量計、35はエアフィルタである。バルブ12は圧力槽24を減圧させる手段として機能する。図中、*1および*2はそれぞれ、制御装置33の入力信号および出力信号を表す。
洗浄槽21には、洗浄槽21内の流体温度を検知する温度センサ36、洗浄槽21内の流体圧力を検知する圧力センサ37、洗浄槽21内の流体の液面位置を検知する液面計38、超音波発信器39が設けられる。また、圧力槽24には、圧力槽24内の流体温度を検知する温度センサ40、圧力槽24内の流体圧力を検知する圧力センサ41が設けられる。被洗浄物のガラス繊維製高性能エアフィルタは、洗浄槽21内に収納し固定される。42は圧力センサ、43は温度センサ、44は圧力センサ、45は開閉バルブである。
本実施形態例の装置は、エアフィルタの洗浄と乾燥の2つのプロセスを同一の槽で実施する。以下にそれぞれのプロセスを図4に基づき説明する。
(1)洗浄プロセス
水にエアフィルタを液浸し、超音波洗浄するプロセスについて述べる。
まず、洗浄槽21の蓋を開いて被洗浄物であるエアフィルタを洗浄槽21に導入し保持した後、洗浄槽21の蓋を閉じる(ステップS11)。バルブ3、4、6、7、11が閉じた状態でバルブ10と9を開放し、洗浄水を導入する(ステップS12)。このとき洗浄水は不純物等を取り除いた純水が適するが、洗浄力をあげる必要がある場合は界面活性剤等の添加剤をあらかじめ加えておいてもよい。洗浄水の液面は液面計38でセンシングして洗浄水位を確保する(ステップS13)。エアフィルタが液浸した後に、バルブ9と10を閉じバルブ4を開放し、あらかじめ減圧しておいた減圧タンク31に洗浄槽21の残留空気を脱気する。同時に、減圧タンク31は洗浄槽21の空気の流入により減圧タンク31内の圧力が上昇する。減圧タンク用圧力制御装置32は減圧タンク31の圧力を検知し真空ポンプ30を自動的に起動し、所定の真空度を目指して減圧する(ON/OFF制御)。この洗浄槽21からの脱気操作により洗浄水中の溶存空気が気泡として排出され、洗浄水中の溶存空気量が減少する。これによりエアフィルタの繊維に残存する気泡が洗浄水中に溶解し、エアフィルタの繊維を完全に液浸することができる(ステップS14)。
洗浄槽21の脱気と同時に制御装置33は超音波発振器39から超音波を発振し洗浄を開始する(ステップS15)。この超音波の発振もフィルタ繊維周辺の気泡の脱気に寄与する。所定の時間超音波を照射しフィルタ繊維に付着した汚れを剥離した後、バルブ7、9を開放し、大まかなすすぎを行う(ステップS16)。なお、超音波の照射時間はエアフィルタの汚れの程度により適宜判断する。場合によっては、すすぎ過程まで照射しつづけてもよい。大まかなすすぎ終了後に、バルブ4を閉じ脱気を止め、バルブ9を閉じ洗浄水の供給を止め、バルブ10を開放し、バルブ7を経由し管2908から排水し(ステップS17)、液面計38で排水を確認した後に洗浄プロセスを終了する(ステップS18)。超音波の照射は汚れの種類によって適した波長を選択するほうがよい。たとえば強固な汚れの場合は20KHz程度がよいが、微細な汚れの場合は1000kHz程度を選択したほうがよい。また複数の波長の超音波を同時に利用した場合は洗浄効果が大きく、波長を順次変更しながら洗浄してもよい。
(2)乾燥プロセス
乾燥プロセスは、超臨界二酸化炭素でフィルタに付着した残留水分および一部の残留汚れを溶解することで行う。このプロセスは洗浄プロセス終了後、同じ洗浄槽21内で引き続き行われる。二酸化炭素の供給や排出等の処理時間を短縮するために、二酸化炭素を貯留する圧力槽24を利用することが、このプロセスの大きな特徴である。
<二酸化炭素加圧操作>
乾燥に使用する超臨界二酸化炭素はエアフィルタを洗浄する時間を利用して、圧力槽24内にあらかじめ加圧・昇温された状態で準備される。この二酸化炭素加圧操作は、まずバルブ3、 バルブ6、 バルブ11、 バルブ12が閉じた状態で、バルブ1、バルブ2、バルブ5、バルブ8を開放し、圧力制御弁を絞った状態で二酸化炭素を圧力槽24に供給する。その後加熱器25とコンプレッサ23を起動し(ステップS21)、圧力槽24内の圧力と温度をモニタしながら昇温と加圧を行う(ステップS22)。所定の圧力と温度に達した後に、冷却器26を起動し圧力制御弁27を開放し、管2904、管2905、管2906を経由して二酸化炭素を循環させて洗浄プロセスが終了するまで待機しておく(ステップS23)。この循環操作は乾燥処理終了後に二酸化炭素を液化回収するための冷却器26をあらかじめ作動させておく意味で有効である。この圧力槽24内の超臨界二酸化炭素は、洗浄槽21に二酸化炭素を供給したときに洗浄槽21内が超臨界状態を維持できるのに十分な温度と圧力に設定し、この温度と圧力は圧力槽24のサイズから二酸化炭素の密度を基に判断するのがよい。
なお、加熱器は管2901に設けたが、管2902あるいは圧力槽に設置してもよく、圧力槽の圧力・温度条件によってはコンプレッサを省いてもよい。
<乾燥操作>
洗浄プロセス終了後、バルブ3、バルブ6、バルブ7、バルブ9、バルブ10、バルブ11を閉止し、バルブ4を開放し洗浄槽21内の空気を排出する(ステップS24)。洗浄槽21内の圧力が所定の真空度に達したら(ステップS25)、バルブ4を閉止する(ステップS26)。バルブ5を閉じた状態でバルブ11の開度を調整しながら開放し、洗浄槽21に、圧力槽24で準備した超臨界二酸化炭素をフィルタが破損しない速度で供給する(ステップS27)。洗浄槽21の圧力と圧力槽24の圧力が一致したのを確認した後(ステップS28)、バルブ3とバルブ6を開放するとともにバルブ2とバルブ11を閉止し、超臨界二酸化炭素による流通乾燥を行う(ステップS29)。
なお、フィルタによっては、洗浄槽の圧力変動を軽減するため、ステップS27の供給時にバルブ8を閉じ、バルブ5と6を開放し、上下から二酸化炭素を供給してもよい。
<排出操作>
超臨界二酸化炭素の乾燥操作の間、バルブ12を開放し(ステップS30)圧力槽24を減圧した後(ステップS31)、バルブ12を閉じておく(ステップS32)。なお、ステップS30〜S32の操作は、洗浄乾燥プロセスを繰り返し行う場合において、圧力槽24に二酸化炭素を貯留させる操作(ステップS21〜S23)を円滑に実施するために不可欠な操作である。
まず、バルブ1を閉じ、加熱器25およびコンプレッサ23をオフする(ステップS33)と共に、バルブ3を閉じる(ステップS34)。次に、バルブ8と12を閉じバルブ5を開放しバルブ6から管2910を経由して洗浄槽21内の二酸化炭素を圧力槽24に移送する(ステップS35)。この時、圧力槽の圧力と温度は洗浄槽から二酸化炭素を受け入れた時、液封が生じない条件がよく、そうでない場合はバルブで流出の制御を行ってもよい。また、供給時と同様にバルブ11を開放して2箇所から排出してもよい。圧力槽24と洗浄槽21の圧力が一致した後(ステップS36)、バルブ5を閉止し、バルブ8を開放し冷却器26で二酸化炭素を液化回収する。このとき圧力制御弁27の開度は断熱膨張により液封が生じないように制御しながら、効率よく二酸化炭素を排出する(ステップS37)。また、繊維径の細いガラス繊維などの場合は、開度を小さく取り、フィルタ繊維を破損しないように調整する。バルブ6を閉止しバルブ10を開放し洗浄槽21内の大気圧を確認し(ステップS38)乾燥プロセスを終了する。洗浄槽21の蓋を開け洗浄したフィルタを取り出す(ステップS39)。この乾燥プロセスにおいて、洗浄槽21内の超臨界二酸化炭素の圧力は加圧・減圧により様々な密度状態を経由する。この密度の変化により二酸化炭素に対する物質の溶解度が大きく変化するため、フィルタに付着した水分を取り除くとともにフィルタに残留する汚れの除去にも効果的に作用する。なお、洗浄後の排水においてバルブ10を開放してフィルタで処理した清浄大気の導入を行ったが、バルブ3を開放して二酸化炭素を供給してもよい。ステップS25による減圧による大気の排出処理は、残留水分の排出処理も兼ねるが、フィルタの材質によっては省くことも可能である。
乾燥プロセスにおいて圧力槽24を利用することにより、超音波洗浄処理など、他の処理と並行して、二酸化炭素の加圧処理や減圧処理を行うことが可能となり、洗浄乾燥時間の短縮に大きく寄与する。
これら一連のプロセスは、所定の制御開始条件に達したら次のプロセスに自動的に移行する。この場合、制御装置33には、一連の操作を実行するための制御モードが設けられ、制御装置33内のメモリに変更可能に設定・記憶される制御開始条件に基づいて、前述の各制御モードが順次実行される。
なお、洗浄槽21内の昇圧や減圧の速度、および、二酸化炭素の液相・気相・超臨界相の移行の経路、あるいは、各制御モードの制御開始条件は、被洗浄物の材質や強度により適宜決定されるものであり、被洗浄物によってはこれ以外の速さ・経路・制御開始条件で行ってもかまわない。
また今回の実施形態例では、二酸化炭素の供給と排出を高速に行うとともに装置コストを低減するために、圧力槽24で、二酸化炭素の加圧機能と減圧機能を兼用させたが、洗浄槽21の上流と下流にそれぞれ分けて設置してもよい。この場合、上流側の圧力槽内は常に綺麗な状態を維持できる利点がある。また、短時間の洗浄が要求されない場合は、あらかじめ二酸化炭素を加圧する操作や、圧力槽の減圧操作のどちらかを省いてもよい。洗浄槽内に直接また、洗浄プロセスを繰り返し実施することで洗浄効果をあげると共に、繊維に残存する水分量が多い場合は乾燥操作を繰り返し実施するほうがよい。この場合、コンプレッサを利用しない時などは、圧力槽に効率よく二酸化炭素を供給するために、バルブ12を開放し高密度の二酸化炭素を効果的に供給できる。
本実施形態例では、洗浄流体として水を用いているが,洗浄するフィルタは耐水性の素材を使用するほうがよい。また洗浄乾燥流体として二酸化炭素を用いているが、洗浄するフィルタの材質は、二酸化炭素に対する耐性の優れたフィルタほど洗浄しやすい。たとえば、ろ材の繊維材質はフッ素樹脂よりもポリプロピレンやガラス繊維のほうが洗浄性に優れ、繊維を固定する接着剤はウレタン樹脂よりもエポキシ樹脂のほうがよい。
本発明の実施形態例に係るエアフィルタ洗浄乾燥装置を示す構成説明図である。 エアフィルタの一例を示す一部切欠斜視図である。 二酸化炭素の状態線図の一例を示す特性図である。 本発明の実施形態例に係るエアフィルタ洗浄乾燥装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1〜12…バルブ、21…洗浄槽、22…ボンベ(二酸化炭素供給手段)、23…コンプレッサ(二酸化炭素の加圧手段)、24…圧力槽(二酸化炭素の供給・排出手段)、25…加熱器(加熱手段)、26…冷却器(冷却手段)、27…圧力制御弁(圧力調節手段)、28…分離トラップ(分離フィルタ)、2901〜2910…管、30…真空ポンプ、31…減圧タンク、32…減圧タンク用圧力制御装置、33…制御装置、34…流量計、35…エアフィルタ、36…温度センサ、37…圧力センサ、38…液面計、39…超音波発信器、40…温度センサ、41…圧力センサ、42…圧力センサ、43…温度センサ、44…圧力センサ、45…開閉バルブ。

Claims (6)

  1. エアフィルタの洗浄および乾燥を行うエアフィルタ洗浄乾燥装置であって、少なくとも、
    エアフィルタの洗浄と乾燥を同一の場所で実施する洗浄槽と、
    前記洗浄槽に洗浄用溶媒を供給する洗浄用溶媒供給装置と、
    前記洗浄槽から洗浄用溶媒を排出する洗浄用溶媒排出装置と、
    前記洗浄槽に乾燥用溶媒を供給する乾燥用溶媒供給装置と、
    前記洗浄槽から乾燥用溶媒を排出する乾燥用溶媒排出装置と
    を具備し、
    前記洗浄用溶媒として純水または添加剤を付加した水を利用し、前記乾燥用溶媒として超臨界または亜臨界二酸化炭素を利用することを特徴とするエアフィルタ洗浄乾燥装置。
  2. 請求項1に記載のエアフィルタ洗浄乾燥装置において、
    乾燥用溶媒を貯留する圧力槽が設けられ、加熱加圧された乾燥用溶媒が圧力槽から洗浄槽へ圧送・供給されること、および/または乾燥用溶媒が洗浄槽から圧力槽へ圧送・排出されることを特徴とするエアフィルタ洗浄乾燥装置。
  3. 圧力槽を減圧する手段がさらに設けられることを特徴とする請求項2に記載のエアフィルタ洗浄乾燥装置。
  4. 洗浄槽に供給された洗浄用溶媒で浸漬されたエアフィルタに対し超音波を照射して洗浄を行う超音波照射装置がさらに設けられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のエアフィルタ洗浄乾燥装置。
  5. 洗浄用溶媒供給装置から供給される洗浄用溶媒、または、洗浄槽に供給された洗浄用溶媒に含まれる残存空気を強制脱気する脱気装置がさらに設けられることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のエアフィルタ洗浄乾燥装置。
  6. エアフィルタの洗浄および乾燥を同一の洗浄槽で行うエアフィルタ洗浄乾燥方法であって、
    前記洗浄槽に純水または添加剤を付加した水よりなる洗浄用溶媒を供給する洗浄用溶媒供給ステップと、
    前記洗浄槽から洗浄用溶媒を排出する洗浄用溶媒排出ステップと、
    前記洗浄槽に超臨界または亜臨界二酸化炭素よりなる乾燥用溶媒を供給する乾燥用溶媒供給ステップと、
    前記洗浄槽から乾燥用溶媒を排出する乾燥用溶媒排出ステップとよりなることを特徴とするエアフィルタ洗浄乾燥方法。
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