JP2005278517A - 桑果汁を含む乳酸発酵食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗酸化能や抗変異原性など様々な生体調節機能性を有する食品を提供する。
【解決手段】桑の実の果汁をラクトバシルス(Lactobachirus)属の乳酸菌で発酵させてなる桑果汁を含むアントシアニン含有乳酸発酵食品。
【選択図】図1


Description

本発明は、桑果汁乳酸発酵食品、およびその製造方法に関する。
食品の機能性は、一次機能性(栄養)、二次機能性(嗜好性や外観)、三次機能性(生理機能)に分類される。近年、食品の生理機能に対しての関心が高まっている。特に生活週間病の予防として、日常の食生活を改善し、様々な食材をバランスよく摂取することが重要である。
しかし、現代の日本の食生活は欧米化が進み、雑穀や野菜、魚中心の食生活から、肉食へと変化したことにより生活週間病もまた欧米化している。そこで、これらの生活週間病の改善機能がある食品の開発が求められている。また、女性の美容と健康、男性の滋養強壮としての健康食品の需要がますます増加している。
乳酸菌による発酵食品は古くから食されている身近な食品であるが、消化器官にあって整腸作用を有する以外、コレステロール値や血圧を低下させる等の生体調節機能のみならず、最近は抗癌作用があることが認められて消費量が伸びている。
一方、桑の実はポリフェノールの一種であるアントシアニンを豊富に含み、他にもカリウム、ナトリウム、鉄、カルシウムなど、ミネラルを豊富に含んでいる。アントシアニンには抗酸化能や抗変異原性など様々な生体調節機能性が報告されており、桑の実を食品に応用した際に、生体調節機能性が期待され、健康補助食品、ダイエット食品としての応用が期待される。
以上のことから、桑の実を乳酸菌により発酵させた食品は両者の長所を具備した、高機能性を有する健康食品としてのポテンシャルがあると考えられる。しかし、果物を、乳酸菌の発酵用原料として用いたものはほとんど存在しない。その理由は、果汁に含まれているポリフェノールが乳酸菌の増殖、発酵を押え、長時間経過すると乳酸菌が死滅してしまうこともある。また、例え生育できてもポリフェノールを分解しその含有量を低減させる乳酸菌も存在する。
このような果汁を原料とした発酵飲料を得るために、特許文献1では、従来、乳酸菌の抗菌成分である果汁中のポリフェノールを除去した後、別途増殖させた乳酸菌を果汁に添加し、発酵を行っている。このような方法ではポリフェノールを含有する食品は得られない。
特許文献2には、新規乳酸菌を用いてリンゴ、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ブドウなどの果汁の乳酸発酵飲料が得られることが記載されている。この文献では、実施例で用いている果汁はリンゴ果汁のみであり、ポリフェノールを多量に含んでいる果汁に対しての技術ではない。
特公昭60−21号公報 特開平5−84066号公報
本発明は、ポリフェノールを多量に含んでおり、高い抗酸化活性、脂質抗酸化性がある乳酸発酵果汁飲料を提供することを目的としている。
すなわち本発明は、桑の実の果汁をラクトバシルス(Lactobachirus)属の乳酸菌で発酵させてなる桑果汁を含むアントシアニン含有乳酸発酵食品である。
ラクトバシルス属の乳酸菌は、ラクトバシルス・ヘルベチカス(Lactobachirus helveticus)B−1、ラクトバシルス・アシドフィルス(Lactobachirus acidphilus)L−54、ラクトバシルス・デルブルーチキー・ブルガリカスB−5b(Lactobachirus delblueckii bulgaricus)からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明は、他の面から見ると、桑の実の果汁と動物乳とをそれぞれ殺菌処理した後、混合し、ラクトバシルス属の乳酸菌を接種して醗酵させることを特徴とする桑果汁を含むアントシアニン含有乳酸発酵食品の製造方法である。
桑の実の果汁の発酵原料に占める割合は、発酵原料100重量%に対して20〜40重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の乳酸菌発酵食品は、ポリフェノール、特にアントシアニンを高濃度に含有し、高い抗酸化活性、脂質抗酸化性がある。また、乳酸菌発酵飲料本来の特性である整腸作用、抗癌効果もあると考えられる。従って、美容、健康増進、健康維持、老化防止、生活習慣病の予防、治療に役立つと考えられる。
本発明について詳しく説明する。本発明の発酵食品において新しい発酵原料として用いられる桑の実について説明する。桑の実は、濃紫色の実で、独特の風味とほのかな甘味と酸味を兼ね備えた果実である。また、多量のアントシアニンを含んでいる。
本発明では、桑の実の果汁を用いる。果物から果汁を得る方法は、一般にも広く知られており、例えば桑の実をジューサー等で処理することにより果汁を得ることができる。果汁は繊維質、種等を例えば濾別したものを用いることが食感の点から好ましい。果汁は濃縮して用いることが出来る。
本発明の乳酸発酵食品においては、原料は桑の実の果汁のみであってもよいが、
コスト、見た目、及び嗜好性の点から、動物乳を原料の一部として用いることが好ましい。このような動物乳としては、牛乳、水牛乳、ヤギ乳、ヤク乳、馬乳等を用いることができる。これらの動物乳は生乳としてのみならず、脱脂粉乳として供給することが出来る。
桑の実の果汁の全乳酸菌発酵食品の原料に占める割合は、見た目、及び嗜好性の点から、原料100重量%に対して一般に5から100重量%、好ましくは20〜50重量%、なかでも25〜35%付近が最もバランスが優れているため好ましい。
本発明の乳酸菌食品は桑の実と、必要に応じて動物乳とを主成分とするが、更に必要に応じて、他の成分、例えば、りんご、ぶどう、いちご、ブルーベリー等の他の果汁、例えば、トマト、ニンジン、セロリ、キュウリ等の野菜汁、マンノース、果糖、葡萄糖、糖蜜、砂糖、乳糖、ぶどう糖、麦芽糖、デキストリン等の糖類、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸鉄等の無機金属塩を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。
本発明の発酵食品の製造では、乳酸菌乳酸菌として、ラクトバシルス属の乳酸菌を用いることを特徴とする。ラクトバシルス属の乳酸菌としては、ラクトバシルス・ヘルベチカス(Lactobachirus helveticus)B−1、ラクトバシルス・アシドフィルス(Lactobachirus acidphilus)L−54、ラクトバシルス・デルブルーチキー・ブルガリカスB−5b(Lactobachirus delblueckii bulgaricus)、ラクトバシラスブルガリカス(Lactobacillus bulgaraicus )、ラクトバシラスアシドピルス(Lactobacillus acidophilus )、ラクトバチルス・ブクネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei )、ラクトバシルス・ケフィラノファシエンス、ラクトバシルス・グルチネオフォルマタス、ラクトバシルス・プランタラム、ラクトバシルス・ブレビス、ラクトバシルス・サンフランシスコ等の乳酸菌を挙げることができる。これらの中ではラクトバシルス・ヘルベチカスB−1、ラクトバシルス・アシドフィルスL−54、ラクトバシルス・デルブルーチキー・ブルガリカスB−5bが好ましく、これらの菌はアントシアニンを含む果汁中でも良く生育し、発酵速度が速く、かつアントシアニンを変質させず、桑の実果汁の赤い色とアントシアニンに基づく生体機能調整作用が保持される。特にラクトバシルス・ヘルベチカスB−1は発酵速度が速く、かつ発酵品は桑の実の色調を保持しているため最も好ましい。
乳酸発酵に供される桑の実果汁はまず果汁に付着している雑菌を除くために殺菌処理をする。殺菌条件は、微生物が完全に死滅し、熱に不安定なアントシアニンが変質しない条件が好ましい。熱処理は70〜110℃、好ましくは85〜95℃の温度で行うことが望ましい。特に、90℃−10分以上の温度、時間とすることが好ましい。殺菌処理温度が70℃未満である場合は、菌の死滅が充分でなく、殺菌処理温度を110℃以上にした場合、アミノ酸、ペプチドと糖とが反応して褐変し、かつアントシアニンが加熱により分解して褪色する可能性が大きいため、避けるべきである。
なお、動物乳と桑の実とを予め混合した物を殺菌処理すると、動物乳中のカゼインタンパクとの結合が原因と見られる沈殿が発生し、乳酸菌飲料の品質に悪影響を与える。従って、果汁に他の成分、例えば乳酸菌飲料の代表的な原料である脱脂粉乳溶液と桑の実とは別々に殺菌処理することが好ましい。
乳酸発酵は嫌気性条件下で行う。乳酸菌発酵するには、桑の実果汁混合物に乳酸菌を接種し、通常1時間〜数日間、好ましくは3時間〜24時間、特に好ましくは7時間〜15時間、温度を通常20〜50℃、好ましくは30℃〜45℃、特に好ましくは35〜40℃の範囲で調整し、嫌気性となる条件下で放置することにより、圧搾液を乳酸菌発酵液とすることが好ましい。
雰囲気を嫌気的条件とするには、例えば、上部のみ開放されている容器の場合、上部に蓋をするとか、フレキシルバッグに詰めるか、密封容器に入れて静置状態で保存する等の方法で行なうことができる。
本発明の方法で製造された乳酸菌食品は、以下の実施例で示すように高い抗酸化活性を示し、市販の果汁入り乳酸食品に比べて最高で7倍のポリフェノールを含有し、約5倍程度のラジカル消去能、1.4倍程度の脂質抗酸化性が得られる。
次に実施例を挙げて本発明の方法につき更に詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例になんら制約されるものではない。なお、本発明の実施例では、乳酸菌飲料成分、及び性能の評価は、次の方法で行った。
(果汁飲料の色調)
マクルベイン緩衝液を用いてサンプルを10倍に希釈したものを、バイオスペック1600((株)島津製作所製)を用いて、400nmから700nmまでの波長で吸収スペクトルを測定した。
(還元糖量)
ソモギ・ネルソン法を用いて測定した。試験管にサンプル0.5mlとソモギ銅試薬(シグマ アルドリッチ ジャパン(株))1mlを入れて撹拌混合し、ビー玉で栓をした後、沸騰浴中にて10分間湯煎した。湯煎後、5分間流水にて冷却し、ネルソン呈色試薬(シグマ アルドリッチ ジャパン(株))1mlを加え撹拌混合し、室温で30分間静置した。静置後、脱イオン水5mlを加え、分光光度計にて520nmにおける吸収値を測定した。なお、標準物質としてはグルコースを用いた。
(pH)
pHメーターで、測定した。
(酸度)
発酵食品を遠心分離(3500rpm、10分間)し、上清を10ml採取し、0.1N NaOH溶液を用いて滴定することにより求めた。
(ポリフェノール量)
フォーリン・チオカルト法に従い測定した。すなわち、試料にフェノール溶液を添加し、次いで炭酸ナトリウム溶液を加えて遠心分離して上清を分光光度計で750nmにおける吸収値を測定した。総ポリフェノール量は標準曲線から算出した。
(ラジカル消去活性)
ラジカル消去能はDPPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)のラジカルに対する消去能を測定することで評価することができる。 DPPHは安定なラジカルであるが、ラジカル消去物質によって、非ラジカル体に変化する。そこで、DPPHが溶液で存在するときの波長520nmでの吸収の減少度を分光光度計で測定することにより、ラジカル消去活性を評価した。
(生体機能化調節能)
リノール酸の自動酸化に対する抗酸化能(以下「脂質抗酸化能」という。)を、β−カロテン褪色法で行った。すなわち、リン酸水素カリウムにカセイソーダ水を配合した液を調製した。また、クロロホルムにリノール酸を溶解した。一方、β−カロテンをクロロホルムに溶解したものを溶解し、その溶液を調製し、リノール酸溶液と、β―カロテン溶液と、別に調製した界面活性剤(Tween)溶液と混合してエマルジョンを作成した。このエマルジョンと試料液とを混合し、470nmの吸光度を測定した。
(生菌数)
乳酸菌カウント用培地(日本製薬(株)製)を用い、37℃、48時間混釈培養し、コロニー数をカウントすることにより測定した。
実施例で用いた原料の入手先は次ぎのとおり。
桑果汁は「JAうき」から恵与された桑の実を熊本果実連に委託し、果汁にしたも。これを、3倍に濃縮加工し、缶詰し、使用まで−30℃で凍結保存した。使用する際は、脱イオン水を加えてもとの濃度に戻して使用した。
上白糖(大日本明治製糖製)
脱脂粉乳(雪印乳業(株)製)
乳酸菌:乳酸菌日本乳業技術協会から入手した。
(実施例1)
(スターターの調製)
3倍濃縮果汁を、脱イオン水を用いて希釈した物を桑果汁とし、乳酸菌飲料作成に用いた。乳酸菌凍結粉末をミクロスパーテルにて2杯、121℃−10分で滅菌した100mlの10%脱脂粉乳培値に加えた。その後、37℃、24時間培養した。培養後、1mlづつエッペンドルフチューブに分注し、保存菌として−40℃で保存した。保存菌株を10%脱脂粉乳培地で2回継代培養したものをスターターとした。
(乳酸菌のスクリーニング)
乳酸菌としてラクトバシルス・ヘルベチカスB−1を用いて上記スーターを調製した。このスターター20重量部、10%脱脂粉乳溶液40重量部、上白糖10重量部、90℃−30分間殺菌処理した桑の実果汁30重量部(計100重量部)を混合し、1L容のポリエチレン製容器に入れ、37℃、24時間インキュベータ中に放置することにより発酵させた。
得られた発酵品の色調を図1に、吸収スペクトルの測定結果を図2に、培養前後の成分中の糖分濃度の変化を表1に、pHの変化を表2に、酸度の変化を表3に示す。
(実施例2)
実施例1において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ラクトバシルス・アシドフィラスL−54を用いる以外は実施例1と同様に行った。
得られた発酵品の色調を図1に、吸収スペクトルの測定結果を図2に、培養前後の成分中の糖分濃度の変化を表1に、pHの変化を表2に、酸度の変化を表3に示す。
(実施例3)
実施例1において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ラクトバシルス・デルブルーキイ・ブルガリカスB−5bを用いる以外は実施例1と同様に行った。
得られた発酵品の色調を図1に、吸収スペクトルの測定結果を図2に、培養前後の成分中の糖分濃度の変化を表1に、pHの変化を表2に、酸度の変化を表3に示す。
Figure 2005278517
Figure 2005278517
Figure 2005278517
(比較例1)
実施例1において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ストレプトコッカス・サリバリウス・サーモフィラス510を用いる以外は実施例1と同様に行った。
得られた発酵品の色調を図1に、吸収スペクトルの測定結果を図2に、培養前後の成分中の糖分濃度の変化を表1に、pHの変化を表2に、酸度の変化を表3に示す。
(比較例2)
実施例1において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ストレプトコッカス・ラクティス・ラクティス527を用いる以外は実施例1と同様に行った。
得られた発酵品の色調を図1に、吸収スペクトルの測定結果を図2に、培養前後の成分中の糖分濃度の変化を表1に、pHの変化を表2に、酸度の変化を表3に示す。
(比較例3)
実施例1において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ストレプトコッカス・ラクティス・ジアセチルラクティスN−7を用いる以外は実施例1と同様に行った。
得られた発酵品の色調を図1に、吸収スペクトルの測定結果を図2に、培養前後の成分中の糖分濃度の変化を表1に、pHの変化を表2に、酸度の変化を表3に示す。
(比較例4)
実施例1において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ストレプトコッカス・ラクティス・クレモリスH−61を用いる以外は実施例1と同様に行った。
得られた発酵品の色調を図1に、吸収スペクトルの測定結果を図2に、培養前後の成分中の糖分濃度の変化を表1に、pHの変化を表2に、酸度の変化を表3に示す。
(比較例5)
実施例1において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ストレプトコッカス・ラクティス・ラクテリスL−14を用いる以外は実施例1と同様に行った。
得られた発酵品の色調を図1に、吸収スペクトルの測定結果を図2に、培養前後の、成分中の糖分濃度の変化を表1に、pHの変化を表2に、酸度の変化を表3に示す。
(菌生育速度)
生育速度は、いずれの菌も順調に発酵した。なかでも、B−1、L−54、B−5bは発酵速度が速かった。pHの低下の大きかったのはB−1とL−54であった。
(色調)
8菌株のうちB−1、L−54、B−5b、510のみ桑果汁の色調を保持していた。糖度減少率は、B−1とL−54の糖度減少率が最も大きく、次に大きいのがH−61であった。 酸度の増加率が最も高かったのがL−54で、次いでB−1であった。
(実施例4)
実施例1で得た乳酸菌発酵物の生体調節機能性を評価した。乳酸菌発酵物中のポリフェノール濃度の測定結果を表4に、ラジカル消去活性の評価結果を図3に、脂質抗酸化能の評価結果を図4に示す。
Figure 2005278517
(実施例5)
実施例4において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ラクトバシルス・アシドフィラスL−54を用いる以外は実施例4と同様に行った。
乳酸菌発酵物中のポリフェノール濃度の測定結果を表4に、ラジカル消去活性の評価結果を図3に、脂質抗酸化能の評価結果を図4に示す。
(実施例6)
実施例4において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ラクトバシルス・デルブルーキイ・ブルガリカスB−5bを用いる以外は実施例4と同様に行った。
乳酸菌発酵物中のポリフェノール濃度の測定結果を表4に、ラジカル消去活性の評価結果を図3に、脂質抗酸化能の評価結果を図4に示す。
(比較例6)
実施例4において用いた乳酸菌ラクトバシルス・ヘルベチカスB−1の代わりに、ストレプトコッカス・サリバリウス・サーモフィラス510を用いる以外は実施例4と同様に行った。
乳酸菌発酵物中のポリフェノール濃度の測定結果を表4に、ラジカル消去活性の評価結果を図3に、脂質抗酸化能の評価結果を図4に示す。
ポリフェノール量は、B−1が最も多くなっており、次いでL−54であった。DPPHラジカル消去活性は、B−1が最も消去能が高く、次いでL−54,B−5b,510の順であった。リノール酸自動酸化に対する抗酸化能で最も高い抗酸化能を示したのは、B−5bであった。
(実施例7)
実施例1において、原料組成を、スターター20重量部、上白糖10重量部、脱脂粉乳10重量部、桑の実果汁20重量部、脱イオン水40重量部(合計100重量部)に変更する以外は実施例1と同様に行った。培養前後のpHの変化を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2005278517
(実施例8)
実施例1において、原料組成を、スターター20重量部、上白糖10重量部、脱脂粉乳10重量部、桑の実果汁40重量部、脱イオン水20重量部(合計100重量部)に変更する以外は実施例1と同様に行った。培養前後のpHの変化を測定した。結果を表5に示す。
(実施例9)
実施例1において、原料組成を、スターター20重量部、上白糖10重量部、脱脂粉乳10重量部、桑の実果汁50重量部、脱イオン水10重量部(合計100重量部)に変更する以外は実施例1と同様に行った。培養前後のpHの変化を測定した。結果を表5に示す。
(実施例10)
実施例1の原料を用いて実施例1と同様の条件で乳酸菌を培養し、培養時間と生育菌数との関係を調べた。結果を図5に示す。12時間培養の方が24時間培養より生菌数が多くなっていた。
(実施例11)
実施例1の方法で12時間培養して得た桑の実果汁配合乳酸菌飲料について、乳酸菌発酵物中のポリフェノール濃度、ラジカル消去活性、及び脂質抗酸化能を調べた。ポリフェノール濃度の測定結果を図6に、ラジカル消去活性の評価結果を図7に、脂質抗酸化能の評価結果を図8に示す。
(比較例7)
桑の実果汁の代わりに、市販のいちご配合乳酸菌飲料(いちごがおいしいヨーグルト(オハヨー乳業)について、乳酸菌発酵物中のポリフェノール濃度、ラジカル消去活性、及び脂質抗酸化能を調べた。ポリフェノール濃度の測定結果を図6に、ラジカル消去活性の評価結果を図7に、脂質抗酸化能の評価結果を図8に示す。
(比較例8)
桑の実果汁の代わりに、市販の人参汁配合乳酸菌飲料(ブルガリア飲むヨーグルトプレーン(明治))について、乳酸菌発酵物中のポリフェノール濃度、ラジカル消去活性、及び脂質抗酸化能を調べた。ポリフェノール濃度の測定結果を図6に、ラジカル消去活性の評価結果を図7に、脂質抗酸化能の評価結果を図8に示す。
(比較例9)
桑の実果汁の代わりに、市販のブルーベリー配合乳酸菌飲料(ジョアブルーベリー(ヤクルト)について、乳酸菌発酵物中のポリフェノール濃度、ラジカル消去活性、及び脂質抗酸化能を調べた。ポリフェノール濃度の測定結果を図6に、ラジカル消去活性の評価結果を図7に、脂質抗酸化能の評価結果を図8に示す。
(比較例10)
実施例6において、果汁を配合しない乳酸菌飲料(ミルミル(ヤクルト))について、乳酸菌発酵物中のポリフェノール濃度、ラジカル消去活性、及び脂質抗酸化能を調べた。ポリフェノール濃度の測定結果を図6に、ラジカル消去活性の評価結果を図7に、脂質抗酸化能の評価結果を図8に示す。
図6〜図8から明らかなように、B−1は市販品の24倍の脂質抗酸化能があった。また、B−1は市販品の1.5倍の脂質抗酸化能があった。
本発明の乳酸菌発酵食品は上記の効果があるため、健康補助食品として優れている。
図1は、実施例におけ発酵品の色調を示す写真である。 図2は、実施例における吸収スペクトルの測定結果を示すグラフである。 図3は、実施例におけるラジカル消去活性の評価結果を示すグラフである。 図4は、実施例における脂質抗酸化能の評価結果を示すグラフである。 図5は、実施例における乳酸菌培養の際の、培養時間と生育菌数との関係を示すグラフである。 図6は、実施例におけるポリフェノール濃度の測定結果を示すグラフである。 図7は、実施例におけるラジカル消去活性の評価結果を示すグラフである。 図8は、実施例における脂質抗酸化能の評価結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 桑の実の果汁を、ラクトバシルス(Lactobachirus)属の乳酸菌で発酵させてなる桑果汁を含むアントシアニン含有乳酸発酵食品。
  2. ラクトバシルス属の乳酸菌が、ラクトバシルス・ヘルベチカス(Lactobachirus helveticus)B−1、ラクトバシルス・アシドフィルス(Lactobachirus acidphilus)L−54、ラクトバシルス・デルブルーチキー・ブルガリカスB−5b(Lactobachirus delblueckii bulgaricus)からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の桑果汁を含むアントシアニン含有乳酸発酵食品。
  3. 桑の実の果汁と動物乳とをそれぞれ殺菌処理した後、混合し、ラクトバシルス属の乳酸菌を接種して醗酵させることを特徴とする桑果汁を含むアントシアニン含有乳酸発酵食品の製造方法。
  4. 桑の実の果汁の発酵原料に占める割合が、発酵原料100重量%に対して20〜40重量%の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の桑果汁を含むアントシアニン含有乳酸発酵食品の製造方法。
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