JP2005278158A - 低音強調回路および低音強調処理プログラム - Google Patents

低音強調回路および低音強調処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 この発明は、協和性のある自然な高調波が得られ、自然な再生音が得られるようになる低音強調回路を提供することを目的とする。
【解決手段】 複数チャンネルの入力音声信号を合成する第1加算器、上記第1の加算器によって合成された音声信号のうち、所定周波数帯域の信号のみを通過させる第1のバンドパスフィルタ、上記第1のバンドパスフィルタを通過した音声信号の偶数次数の高調波信号を生成する全波整流回路を備えており、上記第1のバンドパスフィルタの下限周波数が、上記全波整流回路によって生成される偶数次数の高調波信号のうち、隣合う次数の高調波信号の周波数間隔が、使用するスピーカの再生下限周波数から低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数までの周波数帯域の信号に対する臨界帯域幅以上となるような値に設定されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、低音再生能力の低い小型スピーカ、ヘッドホンを使用する場合に低音感を高めることができる低音強調回路および低音強調処理プログラムに関する。
基準周波数fの信号の高調波である2f,3f,4f,…の信号からなる音を聴いた場合、基準周波数fの信号が含まれていなくても、その周波数fの音が再生されているように感じるという聴覚心理現象が知られている。
また、高調波の生成方法としては、各種の方法があるが、最も簡単な方法として、基準周波数の信号を全波整流することにより、偶数次数の高調波を生成する方法が知られている。
ところで、低音再生能力は、主にスピーカの容積によって制約を受ける。そのため、テレビなどで使用されている小型スピーカでは、十分な低音再生能力が得られない。この問題を解決するための方法として、高調波信号による聴覚心理現象により、スピーカが再生できない基準周波数信号を人間に感知させる方法がある。特開平08−237800号公報には、入力音声信号のうちスピーカ再生限界以下の低音域成分のみを全波整流することにより、上記低音域成分の偶数次数の高調波を生成して、生成された高調波のうち二次の高調波を増幅して入力音声信号に加算することにより、低音感を高める技術が開示されている。
しかしながら、この従来技術では、次のような問題があるため、低音が認識できたとしても、自然な音が得られない。
(1)通常の大型TVに使用されているスピーカでも、再生下限周波数は150〜180Hz程度である。このため、楽器音の高調波に対する高調波も生成されるが、楽器音の高調波が再生されると、不自然な音となる。また、低い周波数の高調波が生成された場合、高調波どうしが不協和音となる。広い帯域の基準音に対する高調波が生成された場合、様々な高調波成分が混在し、低音部分の認識ができなくなる場合がある。
(2)音楽などで高調波のみを増幅して入力音声信号に加算した場合、不自然な音となる。また、全波整流により生成された高調波のエンベロープ特性は固定であり、自然な音が得られない。
特開平08−237800号公報
この発明は、協和性のある自然な高調波が得られ、自然な再生音が得られるようになる低音強調回路および低音強調処理プログラムを提供することを目的とする。
また、この発明は、楽器音の基準波とその高調波の両方に対して2次高調波が生成されてしまうのを防止でき、自然な再生音が得られるようになる低音強調回路および低音強調処理プログラムを提供することを目的とする。
さらに、この発明は、高調波による違和感が抑えられる低音強調回路および低音強調処理プログラムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数チャンネルの入力音声信号を合成する第1加算器、上記第1の加算器によって合成された音声信号のうち、所定周波数帯域の信号のみを通過させる第1のバンドパスフィルタ、上記第1のバンドパスフィルタを通過した音声信号の偶数次数の高調波信号を生成する全波整流回路、ならびに上記全波整流回路によって生成された高調波信号と上記各チャンネルの入力音声信号とに基づいて、各チャンネル毎に低音部が強調された出力信号を生成する出力信号生成回路を備えており、上記第1のバンドパスフィルタの下限周波数が、上記全波整流回路によって生成される偶数次数の高調波信号のうち、隣合う次数の高調波信号の周波数間隔が、使用するスピーカの再生下限周波数から低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数までの周波数帯域の信号に対する臨界帯域幅以上となるような値に設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の低音強調回路において、上記第1のバンドパスフィルタの上限周波数が、上記第1のバンドパスフィルタの下限周波数の2倍以下の値に設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1乃至2に記載の低音強調回路において、上記出力信号生成回路は、上記全波整流回路によって生成された高調波信号のうち、低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数を越える高周波数帯域の信号をカットするためのローパスフィルタ、各チャンネル毎に設けられ、かつ上記ローパスフィルタを通過した高調波信号を、上記各チャンネルの入力音声信号にそれぞれ加算する複数の第2の加算器、各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記第2の加算器の出力信号から使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする複数のハイパスフィルタ、各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記ハイパスフィルタを通過した信号のうち低周波数帯域の信号を増幅する複数の増幅器、ならびに各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記ハイパスフィルタを通過した信号に、そのチャンネルに対応する上記増幅器の出力信号を合成する複数の第3加算器を備えていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至2に記載の低音強調回路において、上記出力信号生成回路は、上記全波整流回路によって生成された高調波信号のうち、低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数を越える高周波数帯域の信号をカットするとともに、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする第2のバンドパスフィルタ、各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する入力音声信号のうち、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットするハイパスフィルタ、各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記ハイパスフィルタを通過した音声信号に、上記第2のバンドパスフィルタを通過した高調波信号を加算する複数の第2の加算器、各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記第2の加算器の出力信号のうち低周波数帯域の信号を増幅する複数の増幅器、ならびに各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記第2の加算器の出力信号に、そのチャンネルに対応する上記増幅器の出力信号を合成する複数の第3の加算器を備えていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、複数チャンネルの入力音声信号を合成する第1ステップ、第1のバンドパスフィルタを用いて、上記第1ステップによって合成された音声信号のうち、所定周波数帯域の信号のみを抽出する第2ステップ、上記第1のバンドパスフィルタを通過した音声信号の偶数次数の高調波信号を生成する第3ステップ、ならびに上記第3ステップによって生成された高調波信号と上記各チャンネルの入力音声信号とに基づいて、各チャンネル毎に低音部が強調された出力信号を生成する第4ステップをコンピュータに実行させるための低音強調処理プログラムであって、上記第1のバンドパスフィルタの下限周波数が、上記第3ステップによって生成される偶数次数の高調波信号のうち、隣合う次数の高調波信号の周波数間隔が、使用するスピーカの再生下限周波数から低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数までの周波数帯域の信号に対する臨界帯域幅以上となるような値に設定されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の低音強調処理プログラムにおいて、上記第1のバンドパスフィルタの上限周波数が、上記第1のバンドパスフィルタの下限周波数の2倍以下の値に設定されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5乃至6に記載の低音強調処理プログラムにおいて、上記第4ステップは、ローパスフィルタを用いて、上記第3ステップによって生成された高調波信号のうち、低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数を越える高周波数帯域の信号をカットする第5ステップ、上記ローパスフィルタを通過した高調波信号を、上記各チャンネルの入力音声信号にそれぞれ加算する第6ステップ、各チャンネル毎に、ハイパスフィルタを用いて、上記第6ステップによって得られた信号から、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする第7ステップ、各チャンネル毎に、上記ハイパスフィルタを通過した信号のうち低周波数帯域の信号を増幅する第8ステップ、ならびに各チャンネル毎に、上記ハイパスフィルタを通過した信号に上記第8ステップによって得られた信号を合成するの第9ステップを備えていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至6に記載の低音強調処理プログラムにおいて、上記第4ステップは、第2のバンドパスフィルタを用いて、上記第3ステップによって生成された高調波信号のうち、低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数を越える高周波数帯域の信号をカットするとともに、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする第10ステップ、各チャンネル毎に、ハイパスフィルタを用いて、そのチャンネルに対応する入力音声信号のうち、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする第11ステップ、各チャンネル毎に、上記ハイパスフィルタを通過した音声信号に、上記第2のバンドパスフィルタを通過した高調波信号を加算する第12ステップ、各チャンネル毎に、上記第12ステップによって得られた信号のうち低周波数帯域の信号を増幅する第13ステップ、ならびに各チャンネル毎に、上記第12ステップによって得られた信号に、上記第13ステップによって得られた信号を合成する第14ステップを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、協和性のある自然な高調波が得られ、自然な再生音が得られるようになる。
また、この発明によれば、楽器音の基準波とその高調波の両方に対して2次高調波が生成されてしまうのを防止でき、自然な再生音が得られるようになる。
さらに、この発明によれば、高調波による違和感が抑えられるようになる。
以下、図面を参照して、この発明の実施例について説明する。
〔1〕低音疑似再生装置の構成について説明
図1は、第1実施例である低音強調回路の構成を示している。
低音強調回路には、Lチャンネル信号(Lch in)とRチャンネル信号(Rch in)とからなる音声信号が入力される。Lチャンネル信号は、遅延回路1Lおよび増幅器2Lを介して加算器3Lに送られる。また、Lチャンネル信号は、加算器11にも送られる。Rチャンネル信号は、遅延回路1Rおよび増幅器2Rを介して加算器3Rに送られる。また、Rチャンネル信号は、加算器11にも送られる。
加算器11では、Lチャンネル信号とRチャンネル信号とが加算される。加算器11の出力は、所定周波数帯域の信号のみを通過させるバンドパスフィルタ(BPF1)12を介して全波整流回路13に送られる。バンドパスフィルタ(BPF1)12の特性および機能については、後述する。全波整流回路13は、バンドパスフィルタ(BPF1)12を通過した信号の偶数次数の高調波信号を生成する。全波整流回路13によって生成された高調波信号は、周波数の高い成分をカットするためのローパスフィルタ(LPF1)14に送られる。
なお、任意の信号(sin θ) に対して全波整流を行えば、次式(1) で示すように、偶数次数の高調波が生成される。
abs[sinθ] =2/π+4/ π×{(1/3) ×sin2θ−(1/15)×sin4θ+(1/35) ×sin6θ…}
…(1)
上記式(1) において、abs[A]は、A の絶対値を取ることを意味している。
ローパスフィルタ(LPF1)14から出力される信号は、増幅器15Lを介して加算器3Lに送られる。また、ローパスフィルタ(LPF1)14から出力される信号は、増幅器15Rを介して加算器3Rに送られる。
加算器3Lでは、増幅器2Lの出力信号(原音の信号)と増幅器15Lの出力信号(高調波の信号)とが加算される。加算器3Lの出力信号は、周波数の低い成分をカットするためのハイパスフィルタ(HPF)4Lに送られる。ハイパスフィルタ(HPF)4Lの特性および機能については、後述する。ハイパスフィルタ(HPF)4Lを通過した信号は、遅延回路5Lを介して加算器8Lに送られる。また、ハイパスフィルタ(HPF)4Lを通過した信号は、周波数の高い成分をカットするためのローパスフィルタ(LPF2)6Lおよび増幅器7Lを介して加算器8Lに送られる。ローパスフィルタ(LPF2)6Lの特性および機能については、後述する。加算器8Lでは、遅延回路5Lの出力信号と増幅器7Lの出力信号とが加算され、Lチャンネルの出力信号(Lch out)として図示しないLチャンネル用スピーカに出力される。
同様に、加算器3Rでは、増幅器2Rの出力信号(原音の信号)と増幅器15Rの出力信号(高調波の信号)とが加算される。加算器3Rの出力信号は、周波数の低い成分をカットするためのハイパスフィルタ(HPF)4Rに送られる。ハイパスフィルタ(HPF)4Rを通過した信号は、遅延回路5Rを介して加算器8Rに送られる。また、ハイパスフィルタ(HPF)4Rを通過した信号は、周波数の高い成分をカットするためのローパスフィルタ(LPF2)6Rおよび増幅器7Rを介して加算器8Rに送られる。加算器8Rでは、遅延回路5Rの出力信号と増幅器7Rの出力信号とが加算され、Rチャンネルの出力信号(Rch out)として図示しないRチャンネル用スピーカに出力される。
なお、上記各部は、ハードウエアで実現してもよいし、ソフトウエアで実現してもよい。
〔2〕各フィルタについての説明
〔2−1〕バンドパスフィルタ(BPF1)12についての説明
バンドパスフィルタ(BPF1)12は、Lチャンネル信号とRチャンネル信号との合成信号から、所定周波数帯域の信号のみを通過させるフィルタである。
ところで、スピーカの再生下限周波数は100Hz〜200Hzであるものが多い。また、全波整流回路13によって生成される高調波信号のうち、低音強調のために利用する高調波の上限周波数は500Hz〜600Hz程度である。スピーカの再生下限周波数(100Hz〜200Hz)から、低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数(500Hz〜600Hz)までの周波数帯域の信号の臨界帯域幅は、約80〜100Hzである。臨界帯域幅以下の周波数差を有する2つの音を聴いたとき、不協和音が生じることが知られている。また、その周波数差が小さいほど、その不協和性が強くなり、耳障りな音に聴こえる。
そこで、この実施例では、バンドパスフィルタ(BPF1)12の下限周波数を、スピーカの再生下限周波数から低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数までの周波数帯域の信号の臨界帯域幅の約1/2にあたる45Hzに設定している。このようにバンドパスフィルタ(BPF1)12の下限周波数を設定することにより、全波整流回路13で生成される偶数次数の高調波信号のうち、隣合う次数の高調波信号の周波数間隔が上記臨界帯域幅に相当する90Hz以上となり、不協和音が発生しなくなる。
また、一般的に楽器音には、高調波が元々含まれているため、バンドパスフィルタ(BPF1)12の上限周波数を高く設定すると、全波整流回路13によって、楽器音の基準波とその高調波の両方に対して2次高調波が生成されてしまい、不自然な音が再生されてしまう。そこで、この実施例では、バンドパスフィルタ(BPF1)12の上限周波数として、バンドパスフィルタ(BPF1)12の下限周波数の2倍以下の値を設定している。具体的には、バンドパスフィルタ(BPF1)12の上限周波数を、バンドパスフィルタ(BPF1)12の下限周波数45Hzの2倍に相当する90Hzに設定している。
〔2−2〕ローパスフィルタ(LPF1)14についての説明(その1)
ローパスフィルタ(LPF1)14は、全波整流回路13によって生成された高調波信号のうち、周波数の高い成分をカットするために設けられている。ローパスフィルタ(LPF)14のカットオフ周波数は、ローパスフィルタ(LPF2)6L、6Rのカットオフ周波数以上に設定されている。
〔2−3〕ハイパスフィルタ(HPF)4L、4Rについての説明
ハイパスフィルタ(HPF)4L,4Rは、原音の信号に低音強調用の高調波信号が加算された信号のうち、使用するスピーカで再生できない帯域の低音信号をカットするために設けられている。なお、ハイパスフィルタ(HPF)4L、4Rは、増幅器7L,7Rの増幅による信号の飽和を抑える働きもある。
〔2−4〕ローパスフィルタ(LPF2)6L、6Rについての説明
ローパスフィルタ(LPF2)6L、6Rのカットオフ周波数は、ローパスフィルタ(LPF1)14のカットオフ周波数より小さな値に設定されている。
ローパスフィルタ(LPF2)6L,6Rは、ハイパスフィルタ(HPF)4L,4Rを通過した信号のうち、周波数の高い成分をカットする。ローパスフィルタ(LPF2)6L,6Rを通過した信号は増幅器7L,7Rで増幅された後、ハイパスフィルタ(HPF)4L,4Rを通過した信号と合成される。
つまり、原音の信号と低音強調用の高調波信号との合成信号のうち、ローパスフィルタ(LPF2)6L、6Rで決定される周波数帯域の信号が増幅され、増幅された信号(強調信号)が原音の信号に合成されている。このように、低音強調用の高調波信号だけ増幅するのではなく、原音の信号と低音強調用の高調波信号との合成信号のうちの所定帯域成分が増幅されているので、低音強調用の高調波信号だけ増幅する場合に比べて、高調波による違和感が抑えられ、波及効果として迫力のある重低音感を高めることができる。
〔2−5〕ローパスフィルタ(LPF1)14についての説明(その2)
ところで、必要以上に高次の高調波までを強調すると、耳障りな音になるため、バンドパスフィルタ(BPF1)12の上限周波数である90Hzの基準周波数に対して、n次、(n+2)次の2本の高調波が通過できるように、ローパスフィルタ(LPF1)14のカットオフ周波数を設定している。nは、90Hzの基準周波数に対する偶数次数の高調波のうち、スピーカの再生下限周波数以上の帯域で最も周波数が低い高調波に対応する次数とする。45Hzの信号に対しては、最大4本の高調波がローパスフィルタ(LPF1)14を通過する。
例えば、200Hz以下の信号が再生できないスピーカを使用する場合、バンドパスフィルタ(BPF1)12を通過する上限周波数90Hzの信号に対する高調波は、180Hz,360Hz,540Hz,…であり、スピーカで再生可能な4次と6次の高調波があれば90Hzの基準音を認識できるため、ローパスフィルタ(LPF1)14のカットオフ周波数を540Hzとする。
この場合、バンドパスフィルタ(BPF1)12の下限周波数45Hzの信号に対する高調波は、90Hz,180Hz,270Hz,360Hz,450Hz,540Hz,…であり、スピーカで再生可能な6次、8次、10次、12の高調波がローパスフィルタ(LPF1)14を通過することになる。
なお、表1に、使用するスピーカのタイプ(再生下限周波数)に対する上記各種フィルタの特性を示す。表1において、BPF1はバンドパスフィルタ12の下限周波数および上限周波数を、LPF1はローパスフィルタ13のカットオフ周波数を、HPFはハイパスフィルタ4L、4Rのカットオフ周波数を、LPF2はローパスフィルタ6L、6Rのカットオフ周波数を、それぞれ示している。
Figure 2005278158
上記実施例によれば、バンドパスフィルタ(BPF1)12によって、高調波が生成される基準信号の周波数帯域を上述したような特定帯域に設定したため、協和性のある自然な高調波が得られ、自然な再生音が得られるようになる。また、楽器音の基準波とその高調波の両方に対して2次高調波が生成されてしまうのを防止でき、自然な再生音が得られるようになる。
また、原音の信号と低音強調用の高調波信号とを合成した後に、ローパスフィルタ(LPF2)6L、6Rで決定される周波数帯域の信号を増幅し、増幅した信号(強調信号)を原音の信号に合成しているので、つまり、高調波を原音と一緒に強調しているので、高調波による違和感が抑えられる。この結果、基準音(低音)の認識を強めることができる。
図2は、第2実施例である強調回路の構成を示している。
第2実施例では、次の点が第1実施例と異なっている。
(1)ハイパスフィルタ(HPF)4L、4Rを、加算器3L、3Rの後段ではなく、加算器3L、3Rの前段に配置したこと。それに伴って、全波整流回路13の後段に設けられていたローパスフィルタ(LPF)14の代わりに、ローパスフィルタ(LPF1)14とハイパスフィルタ(HPF)4L、4Rの両方の機能を備えたバンドパスフィルタ(BPF2)16を用いたこと。
(2)原音の特定の帯域のみが強調されることによる違和感を更に緩和するために、ローパスフィルタ(LPF2)6L(6R)と増幅器7L(7R)との直列回路に並列に、ローパスフィルタ(LPF3)9L(9R)と増幅器10L(10R)との直列回路が設けられていること。この場合のローパスフィルタ(LPF2)6L(6R)とローパスフィルタ(LPF3)9L(9R)の特性は、例えば、表2のように設定される。また、ローパスフィルタ(LPF2)6L(6R)を通過した信号を増幅する増幅器7L(7R)のゲインをG1、ローパスフィルタ(LPF3)9L(9R)を通過した信号を増幅する増幅器10L(10R)のゲインをG2とすると、G1>G2に設定される。
Figure 2005278158
第1実施例である低音強調回路の構成を示すブロック図である。 第2実施例である低音強調回路の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1L,1R 遅延回路
2L,2R 増幅器
3L,3R 加算器
15L,15R 増幅器
4L,4R ハイパスフィルタ(HPF)
5L,5R 遅延回路
6L,6R ローパスフィルタ(LPF2)
7L,7R 増幅器
8L,8R 加算器
9L,9R ローパスフィルタ(LPF3)
10L,10R 増幅器
11 加算器
12 バンドパスフィルタ(BPF1)
13 全波整流回路
14 ローパスフィルタ(LPF1)
15L,15R 増幅器
16 バンドパスフィルタ(BPF2)

Claims (8)

  1. 複数チャンネルの入力音声信号を合成する第1加算器、
    上記第1の加算器によって合成された音声信号のうち、所定周波数帯域の信号のみを通過させる第1のバンドパスフィルタ、
    上記第1のバンドパスフィルタを通過した音声信号の偶数次数の高調波信号を生成する全波整流回路、ならびに
    上記全波整流回路によって生成された高調波信号と上記各チャンネルの入力音声信号とに基づいて、各チャンネル毎に低音部が強調された出力信号を生成する出力信号生成回路を備えており、
    上記第1のバンドパスフィルタの下限周波数が、上記全波整流回路によって生成される偶数次数の高調波信号のうち、隣合う次数の高調波信号の周波数間隔が、使用するスピーカの再生下限周波数から低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数までの周波数帯域の信号に対する臨界帯域幅以上となるような値に設定されていることを特徴とする低音強調回路。
  2. 上記第1のバンドパスフィルタの上限周波数が、上記第1のバンドパスフィルタの下限周波数の2倍以下の値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の低音強調回路。
  3. 上記出力信号生成回路は、
    上記全波整流回路によって生成された高調波信号のうち、低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数を越える高周波数帯域の信号をカットするためのローパスフィルタ、
    各チャンネル毎に設けられ、かつ上記ローパスフィルタを通過した高調波信号を、上記各チャンネルの入力音声信号にそれぞれ加算する複数の第2の加算器、
    各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記第2の加算器の出力信号から使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする複数のハイパスフィルタ、
    各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記ハイパスフィルタを通過した信号のうち低周波数帯域の信号を増幅する複数の増幅器、ならびに
    各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記ハイパスフィルタを通過した信号に、そのチャンネルに対応する上記増幅器の出力信号を合成する複数の第3加算器、
    を備えていることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の低音強調回路。
  4. 上記出力信号生成回路は、
    上記全波整流回路によって生成された高調波信号のうち、低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数を越える高周波数帯域の信号をカットするとともに、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする第2のバンドパスフィルタ、
    各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する入力音声信号のうち、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットするハイパスフィルタ、
    各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記ハイパスフィルタを通過した音声信号に、上記第2のバンドパスフィルタを通過した高調波信号を加算する複数の第2の加算器、
    各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記第2の加算器の出力信号のうち低周波数帯域の信号を増幅する複数の増幅器、ならびに
    各チャンネル毎に設けられ、かつそのチャンネルに対応する上記第2の加算器の出力信号に、そのチャンネルに対応する上記増幅器の出力信号を合成する複数の第3の加算器、 を備えていることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の低音強調回路。
  5. 複数チャンネルの入力音声信号を合成する第1ステップ、
    第1のバンドパスフィルタを用いて、上記第1ステップによって合成された音声信号のうち、所定周波数帯域の信号のみを抽出する第2ステップ、
    上記第1のバンドパスフィルタを通過した音声信号の偶数次数の高調波信号を生成する第3ステップ、ならびに
    上記第3ステップによって生成された高調波信号と上記各チャンネルの入力音声信号とに基づいて、各チャンネル毎に低音部が強調された出力信号を生成する第4ステップ、
    をコンピュータに実行させるための低音強調処理プログラムであって、
    上記第1のバンドパスフィルタの下限周波数が、上記第3ステップによって生成される偶数次数の高調波信号のうち、隣合う次数の高調波信号の周波数間隔が、使用するスピーカの再生下限周波数から低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数までの周波数帯域の信号に対する臨界帯域幅以上となるような値に設定されていることを特徴とする低音強調処理プログラム。
  6. 上記第1のバンドパスフィルタの上限周波数が、上記第1のバンドパスフィルタの下限周波数の2倍以下の値に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の低音強調処理プログラム。
  7. 上記第4ステップは、
    ローパスフィルタを用いて、上記第3ステップによって生成された高調波信号のうち、低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数を越える高周波数帯域の信号をカットする第5ステップ、
    上記ローパスフィルタを通過した高調波信号を、上記各チャンネルの入力音声信号にそれぞれ加算する第6ステップ、
    各チャンネル毎に、ハイパスフィルタを用いて、上記第6ステップによって得られた信号から、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする第7ステップ、
    各チャンネル毎に、上記ハイパスフィルタを通過した信号のうち低周波数帯域の信号を増幅する第8ステップ、ならびに
    各チャンネル毎に、上記ハイパスフィルタを通過した信号に上記第8ステップによって得られた信号を合成するの第9ステップ、
    を備えていることを特徴とする請求項5および6のいずれかに記載の低音強調処理プログラム。
  8. 上記第4ステップは、
    第2のバンドパスフィルタを用いて、上記第3ステップによって生成された高調波信号のうち、低音強調のために利用しようとする高調波の上限周波数を越える高周波数帯域の信号をカットするとともに、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする第10ステップ、
    各チャンネル毎に、ハイパスフィルタを用いて、そのチャンネルに対応する入力音声信号のうち、使用するスピーカで再生できない低周波数帯域の信号をカットする第11ステップ、
    各チャンネル毎に、上記ハイパスフィルタを通過した音声信号に、上記第2のバンドパスフィルタを通過した高調波信号を加算する第12ステップ、
    各チャンネル毎に、上記第12ステップによって得られた信号のうち低周波数帯域の信号を増幅する第13ステップ、ならびに
    各チャンネル毎に、上記第12ステップによって得られた信号に、上記第13ステップによって得られた信号を合成する第14ステップ、
    を備えていることを特徴とする請求項5および6のいずれかに記載の低音強調処理プログラム。
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