JP2005274909A - 位相差板の製造方法およびそれにより製造される位相差板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明基材と光学異方性層との密着性に優れる位相差板を低コストで効率良く製造することができる位相差板の製造方法およびそれにより得られた位相差板を提供する。
【解決手段】 まず、透明基材上に表面改質剤を含む層を形成し、表面改質層とする。次に、前記表面改質層の上に液晶化合物含有層を形成し、さらに、前記液晶化合物含有層に含まれる液晶化合物を規則的に配向させ、そして、前記液晶化合物の配向状態を固定化して光学異方性層を形成する。本発明では、前記表面改質剤として使用する化合物の一端に透明基材と反応しやすいイソシアナト基、アルコキシシリル基等の官能基が含まれ、かつ、他端に液晶化合物と反応して結合を形成しやすいビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の官能基が含まれることにより、透明基材と光学異方性層との密着性が高い位相差板が得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】 まず、透明基材上に表面改質剤を含む層を形成し、表面改質層とする。次に、前記表面改質層の上に液晶化合物含有層を形成し、さらに、前記液晶化合物含有層に含まれる液晶化合物を規則的に配向させ、そして、前記液晶化合物の配向状態を固定化して光学異方性層を形成する。本発明では、前記表面改質剤として使用する化合物の一端に透明基材と反応しやすいイソシアナト基、アルコキシシリル基等の官能基が含まれ、かつ、他端に液晶化合物と反応して結合を形成しやすいビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の官能基が含まれることにより、透明基材と光学異方性層との密着性が高い位相差板が得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、位相差板の製造方法、およびその製造方法により製造される位相差板に関する。さらに、本発明は、前記位相差板を用いた光学素子、および液晶表示装置等の画像表示装置にも関する。
液晶表示装置(液晶ディスプレイまたはLCDなどとも言う)は、表示性能の向上とともに電卓、時計等の小型モノクロ表示からノートパソコン、テレビ、モニター等の大型カラー表示へと応用商品領域を拡大してきた。最近では一部の特性、例えば精細度ではCRTを超えるものも現れており、画像表示技術分野における液晶表示装置の重要性はますます高まっている。
しかしながら、液晶表示装置は、何ら広視野角化を行なわない場合にはCRTに比べて視野角が狭いという問題点がある。そこで、液晶表示装置におけるこの問題点を補うための広視野角化技術としてこれまでにいくつかの方式が提案されている。前記広視野角化技術としては、例えば、配向分割法、ハーフトーン方式等により画素を液晶分子の配向方向が異なる複数の領域に分けて平均化する方法、IPS、MVA、OCBといった液晶動作モードを改良する方法、集光レンズや拡散レンズを用いる方法、および位相差板(視野角補償フィルム、光学補償フィルム、光学補償板、または単に補償板などとも言う)を用いる方法が知られている。これらの方法のうち、液晶動作モードを改良する方法と位相差板を用いる方法が実用化されている。特に、位相差板を用いる方法は、液晶パネル自体を変更せず、例えば偏光板と位相差板の積層体を貼付するのみで済むので、液晶動作モードを改良する方法に比べて簡易であり、液晶表示装置の製造ラインを変更せずに低コストで前記広視野角化を実現できる。
位相差板としては、例えば、高分子フィルムを延伸して光学異方性を付与したもの(延伸フィルム補償板などと言う)、およびガラスや高分子フィルム等の透明基材上に液晶化合物を含む光学異方性層を塗工したもの(コーティング補償板などと言う)等がある。特に後者は前者と比較して生産効率が高いだけでなく薄型化が可能であるため、最近の液晶表示装置の薄型化等に伴い注目されている。
位相差板(コーティング補償板)の製造において、液晶化合物を含む光学異方性層を形成するためには、前記液晶化合物の分子全体または液晶性を示すメソゲン部の配向方向を、一定の方向かまたは連続的に変化するよう規則的に配向させる必要がある。そのための具体的な方法としては、第一に、一軸延伸高分子フィルム等の配向基板上に液晶化合物の溶液または溶融液を塗工して液晶化合物含有層を形成し、さらに前記液晶化合物を配向させ、前記光学異方性層とする方法がある(例えば特許文献1参照)。第二に、前記透明基材表面を処理して液晶配向規制力を付与し、その上に液晶化合物の溶液または溶融液を塗工して液晶化合物含有層を形成し、さらに前記液晶化合物を配向させ、光学異方性層とする方法もある(例えば特許文献2参照)。
前記第一の方法においては、一般に、透明基材として、光学的に等方な高分子フィルムや、前記光学異方性層の液晶化合物配向方向とは異なる光軸を有する光学異方性フィルムを別途準備し、その上に前記光学異方性層を転写する工程が必要である。これは、前記配向基板をそのまま前記透明基材として用いることは光学異方性や透明性等の観点から難しいためであるが、転写工程が必要なことにより、コストや製造効率の観点から難点がある。
前記第二の方法は、前記転写の工程が必要ないため前記第一の方法に対しコストや製造効率に優れる等の利点があり、よく用いられている。この方法において、前記液晶配向規制力付与のための方法としては、例えば、前記透明基材表面を直接ラビング処理する方法や、前記透明基材表面に膜を形成し、その膜にラビング処理や偏光紫外線照射処理等を施して配向膜とする方法がある。特に、ラビング処理は、簡便に液晶配向規制力を付与できるためよく用いられている方法である。
このようにして製造した位相差板は多層構造を有するため、各層間、例えば前記透明基材と前記光学異方性層との間の密着性が重要である。例えば、前記位相差板は、偏光板等に接着して光学素子を作製し、さらにその光学素子を液晶セルのガラス面に接着して用いることが多い。このような光学素子を前記ガラス面に接着する工程等において、前記光学素子のリワーク性が要求されることがある。しかし、前記光学素子は多層構造を有するため、いずれかの層界面、例えば前記透明基材と前記光学異方性層との界面において密着性が低いと、リワーク時にその界面から剥がれが起こるおそれがある。
前記位相差板における各層間の密着性を高めるために密着改良層を設ける方法が知られている。例えば、特許文献3では、トリアセチルセルロース、ポリノルボルネンまたはその誘導体等の高分子フィルムからなる透明基材上に密着改良層を形成し、その上に、例えばポリビニルアルコール膜をラビングした配向膜を形成し、さらにその上に円盤状化合物を塗布して光学異方性層を形成し、位相差板を製造している。しかし、この方法は、透明基材上に、少なくとも密着改良層、配向膜、光学異方性層の3層を形成する必要がある等の理由により、コストや製造効率の点で問題があり、厚みムラによる位相差バラツキおよび異物噛み込み増加に由来する品質低下のおそれもある。
したがって、本発明は、透明基材と光学異方性層との密着性に優れる位相差板を低コストで効率良く製造することができる位相差板の製造方法およびそれにより得られた位相差板を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の位相差板の製造方法は、透明基材と光学異方性層とを含む位相差板の製造方法であって、下記(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする。
(1) 透明基材上に下記化学式(I)で表される表面改質剤を含む層を形成し、表面改質層とする工程。
(2) 前記表面改質層の上に液晶化合物含有層を形成する工程。
(3) 前記液晶化合物含有層に含まれる液晶化合物を規則的に配向させる工程。
(4) 前記液晶化合物の配向状態を固定化して光学異方性層を形成する工程。
(1) 透明基材上に下記化学式(I)で表される表面改質剤を含む層を形成し、表面改質層とする工程。
(2) 前記表面改質層の上に液晶化合物含有層を形成する工程。
(3) 前記液晶化合物含有層に含まれる液晶化合物を規則的に配向させる工程。
(4) 前記液晶化合物の配向状態を固定化して光学異方性層を形成する工程。
化学式(I)中、
R1は、水素原子であるか、またはR3と結合して環を形成し、
R2は、水素原子であるか、またはLと結合して環を形成し、
R3は、水素原子、メチル基、もしくはエチル基であるか、またはR1と結合して環を形成し、
Xは単結合または酸素原子であり、
Yは、共有結合、カルボニル基、またはメチレン基であり、
Zは、共有結合またはオキシ基(酸素原子)であり、
Lは、共有結合または任意の原子団であり、R2と結合して環を形成しても良く、
R4は、イソシアナト基(下記化学式(II)で表される原子団)または下記化学式(III)で表される原子団であり、
R1は、水素原子であるか、またはR3と結合して環を形成し、
R2は、水素原子であるか、またはLと結合して環を形成し、
R3は、水素原子、メチル基、もしくはエチル基であるか、またはR1と結合して環を形成し、
Xは単結合または酸素原子であり、
Yは、共有結合、カルボニル基、またはメチレン基であり、
Zは、共有結合またはオキシ基(酸素原子)であり、
Lは、共有結合または任意の原子団であり、R2と結合して環を形成しても良く、
R4は、イソシアナト基(下記化学式(II)で表される原子団)または下記化学式(III)で表される原子団であり、
化学式(III)中、R41、R42およびR43は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、またはアルコキシアルコキシ基であり、R41、R42およびR43のうち少なくとも一つは、ハロゲン、アルコキシ基、またはアルコキシアルコキシ基である。
本発明者らは、前記化学式(I)で表される化合物を表面改質剤として用いることにより、透明基材と液晶化合物を含む光学異方性層との密着性を高めることができることを見出した。この化合物を用いた前記本発明の製造方法によれば、低コストかつ高い製造効率で、透明基材と光学異方性層との密着性に優れた位相差板を製造することができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(表面改質剤)
まず、前記化学式(I)で表される表面改質剤(以下、本発明では、単に「表面改質剤」と呼ぶことがある)について説明する。これら表面改質剤の構造は、同化学式についての前記説明の通りであり、これらが透明基材と液晶化合物を含む光学異方性層との密着性を高める目的に適していることは、本発明者らが鋭意検討の結果見出した。この理由の全ては必ずしも明らかではないが、考えられる一因として、前記化学式(I)の一端に含まれるイソシアナト基、アルコキシシリル基等の官能基が透明基材と反応して結合を形成しやすく、かつ、他端に含まれるビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の官能基が液晶化合物と反応して結合を形成しやすいためと思われる。
まず、前記化学式(I)で表される表面改質剤(以下、本発明では、単に「表面改質剤」と呼ぶことがある)について説明する。これら表面改質剤の構造は、同化学式についての前記説明の通りであり、これらが透明基材と液晶化合物を含む光学異方性層との密着性を高める目的に適していることは、本発明者らが鋭意検討の結果見出した。この理由の全ては必ずしも明らかではないが、考えられる一因として、前記化学式(I)の一端に含まれるイソシアナト基、アルコキシシリル基等の官能基が透明基材と反応して結合を形成しやすく、かつ、他端に含まれるビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の官能基が液晶化合物と反応して結合を形成しやすいためと思われる。
前記化学式(I)で表される表面改質剤は、例えば、
Lが、共有結合または炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキレン基であり、前記アルキレン基中の炭素原子のうち少なくとも一つがR2と結合して環を形成しても良く、
前記化学式(III)中、R41、R42およびR43は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキル基、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基であり、R41、R42およびR43のうち少なくとも一つは、ハロゲン、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基であることが好ましい。
Lが、共有結合または炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキレン基であり、前記アルキレン基中の炭素原子のうち少なくとも一つがR2と結合して環を形成しても良く、
前記化学式(III)中、R41、R42およびR43は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキル基、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基であり、R41、R42およびR43のうち少なくとも一つは、ハロゲン、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基であることが好ましい。
前記化学式(I)の表面改質剤は、透明基材と光学異方性層との密着性が特に高くなるという観点から、R4がイソシアナト基であることが特に好ましい。同様の観点からイソシアナト基以外で特に好ましいR4の構造としては、前記化学式(III)で表される原子団であり、R41、R42およびR43は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキル基、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基であり、R41、R42およびR43のうち少なくとも一つは、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基である構造が挙げられる。さらに、同様の観点から、R4の他端は、例えばアクリロイル基またはメタクリロイル基が特に好ましい。すなわち、前記化学式(I)において、R1およびR2が水素原子であり、R3が水素原子またはメチル基であり、Xが単結合であり、かつ、Yがカルボニル基であることが特に好ましい。
本発明の表面改質剤の具体例としては、例えば、信越化学株式会社製KBM-503、KBM-5103(いずれも商品名)およびその他種々のシランカップリング剤、ならびに昭和電工株式会社製カレンズMOI(商品名)等が挙げられる。前記KBM-503は下記式(VI)で、KBM-5103は下記式(VII)で、カレンズMOIは下記式(VIII)でそれぞれ表される化合物である。
(透明基材)
次に、前記透明基材について説明する。前記透明基材の厚みは特に限定されないが、位相差板の薄型化のために、なるべく薄いことが好ましく、例えば10〜150μm、好ましくは20〜100μm、より好ましくは40〜80μmである。
次に、前記透明基材について説明する。前記透明基材の厚みは特に限定されないが、位相差板の薄型化のために、なるべく薄いことが好ましく、例えば10〜150μm、好ましくは20〜100μm、より好ましくは40〜80μmである。
前記透明基材において「透明」とは、位相差板に適用できる程度の光透過率を有していることを意味する。前記光透過率は、実用に適した範囲であれば特に限定されないが、高い程位相差板の機能の観点から有利であり、理想的には100%である。
また、前記透明基材は光学的に等方であっても良いが、位相差板が搭載される液晶表示装置に要求される機能等によっては、前記透明基材が光学異方性を有することが好ましい。この場合の光学異方性としては、特に限定されないが、例えば、いわゆる正または負のA−Plate位相差特性を示す光学異方性、正または負のC−Plate位相差特性を示す光学異方性、正または負のO−Plate位相差特性を示す光学異方性、異なる方向に屈折率異方性を有する(すなわち、光軸を二本有する)二軸性の光学異方性等が可能である。なお、A−plate、C−plateおよびO−plateとは、いずれも、いわゆる一軸性の光学異方性を有する層をいう。前記A−plateは、光軸がその面内方向に存在し、その光学特性条件が下記式(IX)を満たす場合はPositive(正の)A−plate、下記式(X)を満たす場合はNegative(負の)A−plateと呼ばれる。
nx>ny≒nz (IX)
ny<nx≒nz (X)
ny<nx≒nz (X)
また、前記C−plateは、光軸がZ軸方向、すなわち厚み方向に存在し、その光学特性条件が下記式(XI)を満たす場合はPositive(正の)C−plate、下記式(XII)を満たす場合はNegative(負の)C−plateと呼ばれる。
nx≒ny<nz (XI)
nx≒ny>nz (XII)
nx≒ny>nz (XII)
なお、本発明では、nx、nyおよびnzは、光学異方性を有する層におけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示す。ただし、前記X軸方向とは、前記光学異方性層の面内で屈折率が最大となる方向(面内遅相軸方向)であり、前記Y軸方向とは、前記光学異方性層の面内で前記X軸方向に垂直な方向(面内進相軸方向)であり、前記Z軸方向とは、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な前記光学異方性層の厚み方向である。
そして、前記O−plateでは、光軸方向は面内方向およびZ軸方向(面内方向に垂直な厚み方向)から見て傾いている。光学異方性を付与する手段も特に限定されず、公知の方法を適宜適用すれば良いが、例えば、光学的に等方な透明フィルムを延伸処理等して光学異方性を付与し、前記透明基材とすることができる。
前記透明基材の材質は、特に限定されず、例えばガラスや高分子フィルム等が使用できるが、位相差板の製造上および使用上の扱いやすさ等の観点から高分子フィルムが好ましい。前記高分子フィルムに用いることのできるポリマーは特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ビスフェノールA・炭酸共重合体等のポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等の直鎖または分枝状ポリオレフィン、ポリノルボルネン等のシクロ構造を含むポリオレフィン、塩化ビニル系ポリマー、ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、およびエポキシ系ポリマーが好ましく、これらは単独で使用しても二種類以上併用しても良い。前記ポリマーの中で、より好ましいのは、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ビスフェノールA・炭酸共重合体等のポリカーボネート系ポリマー、ポリノルボルネン等のシクロ構造を含むポリオレフィン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、およびイミド系ポリマーであり、特に好ましいのはセルロース系ポリマー(セルロース誘導体)である。
また、前記透明基材の材質としては、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも挙げられる。このポリマー材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基およびシアノ基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。なお、前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であってもよい。
前記透明基材は、例えば、少なくとも片面が液晶配向規制力を有することが好ましい。この液晶配向規制力を付与する方法は特に限定されず、公知の方法を適宜用いることができる。例えば、前記透明基材は、高分子フィルム表面を直接ラビング処理して液晶配向規制力を付与したものでも良いし、ガラスや高分子フィルムの表面に配向膜を設け、さらにラビング処理や偏光紫外線照射等により液晶配向規制力を付与したものでも良い。前記配向膜の材質や製造方法等は特に限定されず、公知の材質や製造方法を適宜用いることができる。また、延伸等により光学異方性を付与した高分子フィルムは、表面処理をしなくても液晶配向規制力を有する透明基材として使用できる場合がある。これら透明基材の中で、高分子フィルム表面を直接ラビング処理して液晶配向規制力を付与したものが、処理が簡単で液晶配向規制力に優れるため好ましい。
また、前記透明基材は、表面に親水基、例えば水酸基等を含むことが、前記表面改質剤との親和性がより高くなるため好ましい。前記透明基材は、例えばケン化処理、コロナ処理、UV照射等により前記表面改質剤との親和性を高めたものでも良い。前記透明基材の材質が、親水基を含まないトリアセチルセルロース等の材質であっても、例えば、表面にケン化処理等をして親水基を発現させ、前記表面改質剤との親和性を高めることができる。
(液晶化合物)
次に、前記液晶化合物について説明する。前記液晶化合物として具体的に使用可能な化合物は特に限定されず、公知の各種液晶化合物を適宜用いることができるが、例えば、棒状液晶化合物、平板状液晶化合物(円盤状液晶化合物またはディスコティック液晶化合物とも言う)およびそれらの重合物等を使用することができ、単独で使用しても二種類以上を併用しても良い。前記液晶化合物は、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等の液晶化合物およびそれらの重合物が挙げられ、この中で、安息香酸エステル類が好ましい。また、前記液晶化合物は、配向性が良いことと、配向欠陥が少ないという理由により、ネマチック液晶化合物を含むことが好ましい。
次に、前記液晶化合物について説明する。前記液晶化合物として具体的に使用可能な化合物は特に限定されず、公知の各種液晶化合物を適宜用いることができるが、例えば、棒状液晶化合物、平板状液晶化合物(円盤状液晶化合物またはディスコティック液晶化合物とも言う)およびそれらの重合物等を使用することができ、単独で使用しても二種類以上を併用しても良い。前記液晶化合物は、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等の液晶化合物およびそれらの重合物が挙げられ、この中で、安息香酸エステル類が好ましい。また、前記液晶化合物は、配向性が良いことと、配向欠陥が少ないという理由により、ネマチック液晶化合物を含むことが好ましい。
前記液晶化合物は、液晶ポリマーであっても良いが、液晶プレポリマーおよび液晶モノマーのうち少なくとも一方を含むことが、配向温度が低く加工が容易である等の観点からより好ましい。前記液晶化合物は、液晶プレポリマーおよび液晶モノマーのうち少なくとも一方と液晶ポリマーとの両方を含んでいても良い。また、液晶プレポリマーおよび液晶モノマーのうち少なくとも一方を含む場合には、それを後に光重合等の方法で重合させて重合物とすることがさらに好ましい。
前記液晶ポリマーとしては、例えば、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種液晶ポリマー等が挙げられる。主鎖型の液晶ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基を結合した構造の、例えばネマチック配向性のポリエステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマーやコレステリックポリマー等が挙げられる。側鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはポリマロネートを主鎖骨格とし、ネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン部を側鎖として含み、これら主鎖骨格と側鎖とが共役性の原子団からなるスペーサ部を介して結合されたポリマー等が挙げられる。
前記液晶モノマーまたは液晶プレポリマーは、例えば、後に光重合させるために光重合性官能基を含むことが好ましく、より耐久性の高い光重合物を得る観点から、光重合性官能基を二つ以上含むことがさらに好ましい。前記光重合性官能基としては、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の不飽和結合を有する官能基、およびエポキシ基等の反応性の高い官能基が挙げられる。そして、前記液晶モノマーまたは液晶プレポリマーは、前記の通り、配向性が良いことと配向欠陥が少ないという理由によりネマチック液晶化合物が好ましい。これらの条件を満たす液晶化合物としては、例えば、下記化学式(XIII)で表される化合物が挙げられる。
化学式(XIII)中、
R5およびR6はそれぞれ水素原子またはメチル基であり、
X1およびX2はそれぞれ単結合または酸素原子であり、
Y1およびY2は、それぞれ共有結合、カルボニル基、またはメチレン基であり、
Z1およびZ2は、それぞれ共有結合またはオキシ基(酸素原子)であり、
L1およびL2は、それぞれ炭素原子数2〜6のポリメチレン基であり、各メチレン炭素はメチル基で置換されていても良く、
Ar1およびAr2は、それぞれ1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基であり、
X3およびX4は、それぞれオキシカルボニル基(−OCO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、またはオキシ基であり、
Ar3は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,4'−ビフェニレン基、または4,4'−ビシクロヘキシレン基である。
R5およびR6はそれぞれ水素原子またはメチル基であり、
X1およびX2はそれぞれ単結合または酸素原子であり、
Y1およびY2は、それぞれ共有結合、カルボニル基、またはメチレン基であり、
Z1およびZ2は、それぞれ共有結合またはオキシ基(酸素原子)であり、
L1およびL2は、それぞれ炭素原子数2〜6のポリメチレン基であり、各メチレン炭素はメチル基で置換されていても良く、
Ar1およびAr2は、それぞれ1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基であり、
X3およびX4は、それぞれオキシカルボニル基(−OCO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、またはオキシ基であり、
Ar3は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,4'−ビフェニレン基、または4,4'−ビシクロヘキシレン基である。
前記化学式(XIII)で表される化合物群のうち、例えば、下記化学式(XIV)で表される化合物が特に好ましい。
化学式(XIV)中、mおよびnはそれぞれ2〜6までの整数であり、R5、R6、Ar1、Ar2、Ar3、X3およびX4は化学式(XIII)と同じである。なお、化学式(XIV)中、両端のアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基のうち少なくとも一方をビニルオキシ基またはエポキシ環で置き換えても良いし、 −(CH2)m− および −(CH2)m− のうち少なくとも一方を3−メチルヘキサメチレン基または4−メチルヘキサメチレン基で置き換えても良い。化学式(XIII)または(XIV)で表される光重合性液晶化合物は、例えば、側鎖型液晶ポリマーと混合して垂直配向または傾斜配向させ、その後前記光重合性液晶化合物を重合(架橋)させることにより、耐久性の高い光学異方性層を得ることができる。
(位相差板の製造方法)
本発明の製造方法は、例えば以下のようにして実施することができる。ただし、これは例示に過ぎず、本発明の製造方法はこの実施形態に限定されない。
本発明の製造方法は、例えば以下のようにして実施することができる。ただし、これは例示に過ぎず、本発明の製造方法はこの実施形態に限定されない。
まず、本発明の製造方法においては、例えば、前記工程(1)に先立ち、前記透明基材の、前記表面改質層を形成する面上に親水基を発現させる工程を含むことが好ましい。この工程により、前記の通り、前記透明基材と前記化学式(I)で表される表面改質剤との親和性をより高めることができる。親水基を発現させる方法としては、例えばケン化処理が好ましいが、コロナ処理、またはUV照射等の方法を用いても良い。
また、本発明の製造方法においては、例えば、前記透明基材の少なくとも片面が液晶配向規制力を有し、前記工程(1)において、前記透明基材の液晶配向規制力を有する面上に前記表面改質層を形成することが好ましい。この場合、前記工程(1)に先立ち、前記透明基材の表面をラビング処理して目的の液晶配向規制力を付与する工程をさらに含むことがより好ましい。本発明では、ラビング処理の方法は特に限定されないが、例えば、レーヨンもしくはコットン等の細かい繊維から形成された布または皮材を巻いたラビングロールによって一方向にラビングする方法を用いることができる。ラビングする方向も特に限定されないが、例えば、前記透明基材の縦方向または横方向から見て0°〜±45°の任意の方向にラビングすることで、種々の光軸を持つ位相差板を製造することができる。
前記透明基材に液晶配向規制力を付与する方法としてラビング処理が好ましい理由は前記の通りである。ただし、これも前記の通り、液晶配向規制力付与の方法はラビング処理のみには限定されず、どのような方法でも良い。また、前記親水基を発現させる工程と液晶配向規制力を付与する工程とはどちらを先に行なっても良いが、なるべく前記工程(1)の直前に液晶配向規制力を付与する工程を行なうことが好ましい。
次に、前記工程(1)により、前記表面改質層を形成する。この形成方法も特に限定されないが、前記化学式(I)で表される表面改質剤を含む溶液に前記透明基材を浸漬するか、または、前記透明基材に前記化学式(I)で表される表面改質剤を含む溶液を塗布し、その後前記溶液を乾燥させる方法であることが好ましい。塗布方法も特に限定されないが、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延製膜法、バーコート法、グラビア印刷法、ダイコート法、キャップコート法等がより好ましい。前記溶液の溶媒も特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、酸性の水やアルコール系溶媒が、前記化学式(I)で表される表面改質剤の溶解度が高い等の理由から特に好ましい。また、前記化学式(I)で表される表面改質剤の溶液を乾燥させた後、さらに加熱することが、前記透明基材と前記表面改質剤との密着性がより高くなるため特に好ましい。加熱温度は特に限定されないが、例えば50〜150℃、好ましくは、60〜140℃、より好ましくは、70〜130℃である。加熱時間も特に限定されないが、例えば、15秒〜15分、好ましくは、30秒〜10分である。なお、前記乾燥と加熱は、別々に実施してもよいし、同時に実施してもよい。
なお、前記表面改質層の厚みは特に限定されないが、位相差板の薄型化の観点からはなるべく厚みが小さいことが好ましく、前記透明基材と前記表面改質層との厚みの合計は、例えば10〜1000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜100μmである。
また、前記工程(1)において、前記表面改質層に前記表面改質剤以外の物質を適宜含ませても良い。すなわち、例えばガラス質高分子形成材料、界面活性剤、シリコーン等に前記表面改質剤を混合し、それを前記透明基材に塗布して表面改質層を形成しても良い。前記ガラス質高分子形成材料としては、例えば金属アルコキシドが挙げられ、金属シリコンアルコキシドゾルが特に好ましい。例えば、金属アルコキシドをアルコール系溶媒に溶かした溶液に本発明の表面改質剤を混合し、透明基材上に塗布した後溶媒を除去し、さらに加熱によりゾルゲル反応を促進させて透明ガラス質高分子膜を形成させることができる。金属シリコンアルコキシドゾルからは金属シリコンアルコキシドゲルが形成される。塗布方法としては、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、バーコート法、ダイコート法、キャップコート法等が挙げられる。そして、溶媒除去およびゾルゲル反応促進の方法としては、例えば、室温での乾燥および乾燥炉での加熱乾燥等を用いることができる。
また、前記界面活性剤としては、両親媒性の各種界面活性剤を適宜用いることが可能であり、例えば、レシチン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等の有機化合物、直鎖アルキル基を有する有機シランカップリング剤、一塩基性カルボン酸クロム錯体の溶液等が挙げられる。
前記透明基材が液晶配向規制力を有しない場合、前記工程(1)の後、前記表面改質層に液晶配向規制力を付与する工程をさらに含むことが好ましい。また、前記透明基材が液晶配向規制力を有する場合でも、同様に前記表面改質層に液晶配向規制力を付与して良い。ここで、前記表面改質層に液晶配向規制力を付与する方法は、前記表面改質層をラビング処理する方法であることがより好ましい。ラビング処理が好ましい理由は、前記透明基材の場合と同様である。また、ラビング処理の方法も特に限定されず、例えば前記の通りである。
例えば、前記表面改質層が垂直配向性の液晶配向規制力を有する場合、それをラビング処理することで傾斜配向性の液晶配向規制力(液晶チルト配向能などとも言う)を付与することもできる。このような方法によれば傾斜配向性の制御が容易で、かつ、傾斜度が大きく安定した位相差板を得ることが可能である。前記表面改質層に垂直配向性を持たせる方法は特に限定されないが、例えば、前記ガラス質高分子形成材料、界面活性剤、シリコーン等を含ませることで垂直配向性を持たせることもできる。
続いて、前記工程(2)により、前記表面改質層上に前記液晶化合物含有層を形成する。この液晶化合物含有層形成方法も特に限定されないが、前記液晶化合物の溶液を前記透明基材に塗布し乾燥させる方法か、または、前記液晶化合物の溶融液を前記透明基材に塗布する方法であることが、製造の簡便さ等の観点から好ましい。なお、本発明で、液晶化合物について「溶融」とは、液晶状態または液化状態であることを言う。
ここで、前記液晶化合物は、液晶ポリマーであっても良いが、液晶プレポリマーおよび液晶モノマーのうち少なくとも一方を含むことが、配向温度が低く加工が容易である等の観点からより好ましい。また、液晶プレポリマーおよび液晶モノマーのうち少なくとも一方を含む場合には、それを後に光重合等の方法で重合させて重合物とすることがさらに好ましい。それ以外には前記液晶化合物の種類等は特に限定されず、前記の通りである。
前記液晶化合物含有層が液晶状態を示す温度(液晶温度)の範囲は、前記液晶化合物の種類等により適宜決定される。前記液晶温度範囲は特に限定されず、位相差板の製造および使用上の便宜等を考慮して適宜設定すれば良いが、製造工程における前記透明基材の熱による変形等を考慮すれば、あまり高すぎないことが好ましい。前記液晶温度範囲は、前記液晶化合物が液晶モノマーまたは液晶プレポリマーである場合は、例えば50〜300℃、好ましくは60〜200℃、特に好ましくは70〜150℃であり、液晶ポリマーである場合は、例えば50〜300℃、好ましくは100〜200℃、特に好ましくは100〜150℃の範囲である。
前記液晶化合物が液晶プレポリマーおよび液晶モノマーの少なくとも一方を含み、これを後で光重合させる場合は、光重合開始剤を加えておくことが特に好ましい。前記光重合開始剤は特に限定されないが、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製Irgacure907、Irgacure651、Irgacure369、Irgacure184(いずれも商品名)、またはこれらの混合物等が好ましい。前記光重合開始剤の添加量も特に限定されないが、前記液晶プレポリマーおよび液晶モノマー100重量部に対し、例えば0.5〜30重量部、好ましくは2〜7重量部、より好ましくは3〜6重量部である。また、この場合、例えば、前記液晶化合物がネマチック液晶化合物を含み、前記液晶化合物含有層がカイラル剤をさらに含むことが特に好ましい。すなわち、例えば、前記液晶化合物の溶液または溶融液にネマチック液晶化合物とカイラル剤とを含ませておけば良い。ネマチック液晶化合物とカイラル剤とを重合させることにより、例えば、いわゆるコレステリック液晶化合物等を得ることができ、位相差板の光学異方性制御等の観点から有利である。
前記液晶化合物の溶液において、溶媒は特に限定されないが、前記液晶化合物を溶解しやすく、前記表面改質層や透明基材を浸食しにくいものが好ましい。前記溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、フェノール(ヒドロキシベンゼン)、パラクロロフェノール等のフェノール誘導体、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素誘導体、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル等のエステル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のエーテル、ピリジン等の複素環式化合物、トリエチルアミン等のアミン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル、二硫化炭素等が挙げられる。前記液晶化合物溶液の濃度は、前記液晶化合物の溶解度や目的とする光学異方性層の膜厚等に応じて適宜決定すれば良いが、例えば3〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%の範囲である。また、前記液晶化合物の溶液または溶融液には、必要に応じ、レベリング剤、粘度調整剤等を適宜添加しても良い。
前記液晶化合物の溶液または溶融液を塗布する方法は特に限定されないが、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延製膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が好ましい。前記液晶化合物溶液を乾燥させる方法も特に限定されず、例えば、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥等を適宜利用することができる。乾燥温度、乾燥時間等の条件も特に限定されないが、溶媒を効率的に除去することが可能で液晶化合物含有層が流動したり流れ落ちたりしないように適宜設定することが好ましい。前記乾燥温度は例えば50〜300℃、好ましくは60〜200℃、より好ましくは70〜150℃であり、前記乾燥時間は例えば30秒〜15分、好ましくは30秒〜10分、より好ましくは1〜8分、特に好ましくは1〜5分である。
次に、前記工程(3)により、前記液晶化合物含有層に含まれる液晶化合物を規則的に配向させる。この方法は特に限定されないが、前記液晶化合物含有層をその液晶温度にまで加熱する方法か、または、いったん液晶温度を超える温度に加熱し、その後液晶温度にまで冷却する方法が好ましい。液晶温度範囲については前記の通りである。加熱方法は特に限定されないが、例えば、前記液晶化合物溶液の乾燥と同様に乾燥炉等を用いても良い。加熱温度は特に限定されず、前記液晶化合物含有層の組成や前記透明基材の材質等に応じて適宜設定すれば良いが、例えば50〜300℃、好ましくは60〜200℃、より好ましくは70〜150℃である。加熱時間も特に限定されないが、前記液晶化合物の配向状態形成を十分に進行させる観点から10秒以上が好ましく、位相差板の製造効率の観点から30分以下が好ましい。前記加熱時間は、さらにその他の条件、例えば前記液晶化合物含有層の組成、前記透明基材の材質、および前記加熱温度等を考慮して適宜設定することが可能であり、より好ましくは30秒〜15分、さらに好ましくは30秒〜10分である。なお、溶融して液晶状態となっている前記液晶化合物を前記表面改質層上に塗布すること等により、前記工程(2)と工程(3)とを同時に行なうこともできる。
そして、前記工程(4)により、前記液晶化合物の配向状態を固定化して光学異方性層を形成して目的の位相差板を得る。前記の通り、前記液晶化合物が、液晶プレポリマーおよび液晶モノマーの少なくとも一方を含み、前記配向状態の固定化が、前記液晶化合物を光重合する方法で実施されることがより好ましい。この場合の照射光は特に限定されないが、例えば、紫外線が好ましく、前記紫外線の波長は、より好ましくは200〜400nmである。前記照射光の光強度、照射時間および積算光量は、前記配向状態の固定化が十分に行われる程度であれば特に限定されない。光源も特に限定されないが、例えば高圧水銀紫外ランプを用いることができ、その照度も特に限定されないが、例えば80〜300mW/cm2である。その他、メタハライドUVランプ、白熱管等を使用することもできる。前記紫外線照射は、例えば、十分に反応を促進するために、不活性気体雰囲気中で行なうことが好ましい。また、紫外線照射時に前記液晶化合物含有層の表面温度を液晶温度範囲内に保つために、光源までの距離や製造ラインにおける搬送速度を適宜調節したり、または、コールドミラーによる冷却、水冷もしくはその他の冷却処理を適宜施したりしても良い。
前記液晶化合物が、液晶ポリマーである場合、前記配向状態の固定化は、前記液晶化合物含有層を、その液晶温度未満に冷却する方法で実施されることが好ましい。液晶温度範囲については前記の通りである。冷却方法は特に限定されず、単に室温条件下で放置しても良いし、適切な冷却器を用いて急冷しても良い。また、前記液晶化合物が、液晶プレポリマーおよび液晶モノマーの少なくとも一方と液晶ポリマーとを含み、前記配向状態の固定化を、前記液晶化合物を光重合する方法およびその後前記液晶化合物含有層をその液晶温度未満に冷却する方法で実施しても良い。
なお、前記光学異方性層の厚みは特に限定されないが、例えば0.5〜10μm、好ましくは0.8〜8μmである。前記厚みを大きくすると位相差値や傾斜度の大きな光学異方性層が得られるが、配向不良個所の増加による透過率の低下等を発生させない観点から、また位相差板の薄型化の観点から、前記厚みはあまり大きすぎないことが好ましい。この厚みを制御する方法は特に限定されないが、例えば、前記工程(2)において液晶化合物溶液または溶融液の塗布量を加減したり、液晶化合物溶液の場合は濃度を加減したりして制御することができる。前記塗布量および濃度等の加減は従来技術を参考にして適宜行なえば良い。
以上のようにして本発明の位相差板の製造方法を実施することができる。本発明の製造方法によれば、液晶化合物を含む光学異方性層と透明基材との密着性が高い位相差板を製造することが可能であり、例えば、前記光学異方性層側からのクロスカット法による付着性試験(JIS K5600−5−6:1999)において、分類3以下である位相差板を得ることもできる。このように密着性が高いことで、例えば、偏光板やLCDセルとの貼合後に剥がれが発生しないという利点がある。また、前記密着改良層を用いる従来技術では、液晶配向規制力を有する面上に直接光学異方性層を積層する必要があるため、透明基材上に密着改良層、配向膜、光学異方性層の順番で層を形成しており、透明基材を除いて少なくとも三つの層が必要であった。しかし、本発明によれば、液晶配向規制力を有する面上に、表面改質層を介して光学異方性層を積層することができる。このため、透明基材表面を直接ラビング処理等して液晶配向規制力を付与し、配向膜を省略することも可能である。また、配向膜を設ける場合も、前記従来技術と異なり透明基材表面に直接設けることができるため製造工程が簡便である。
さらに、本発明の製造方法によれば、液晶化合物を含む光学異方性層の転写工程なしに位相差板を製造することもできる。転写工程がなければ、転写時の異物噛み込みや剥離不良が発生するおそれもなく、位相差板の品質の安定化につながる。また、転写工程の省略によるコストダウン効果から、画像表示装置の低価格かにもつながる。
なお、本発明の製造方法は上記の説明には限定されず、その主旨を逸脱しない限りあらゆる変更が可能である。
(位相差板)
次に、本発明の位相差板は、前記本発明の製造方法により製造される位相差板である。前記本発明の製造方法によれば、低コストかつ高い製造効率で、透明基材と光学異方性層との密着性に優れた位相差板を製造することができるが、本発明の位相差板の製造方法はこれに限定されず、どのような方法で製造しても良い。
次に、本発明の位相差板は、前記本発明の製造方法により製造される位相差板である。前記本発明の製造方法によれば、低コストかつ高い製造効率で、透明基材と光学異方性層との密着性に優れた位相差板を製造することができるが、本発明の位相差板の製造方法はこれに限定されず、どのような方法で製造しても良い。
本発明の位相差板では、前記光学異方性層に含有される液晶化合物は特に限定されないが、例えば前記各種液晶化合物およびそれらの重合物等が挙げられる。前記光学異方性層に含有される液晶化合物は、配向性が良いことと、配向欠陥が少ないという理由により、ネマチック液晶化合物を含むことが好ましく、また、例えば、VA型液晶表示素子などには、ネガティブのC−plateが視野角を補償するため有効であるという理由により、コレステリック液晶化合物を含むことが好ましい。また、前記液晶化合物は、例えば、液晶モノマーまたは液晶プレポリマーの重合物を含むことが、前記光学異方性層の形成の容易さ等の観点から好ましいが、液晶ポリマーを含んでいても良い。さらに、前記光学異方性層は、位相差板の機能を阻害しない範囲内で、液晶化合物以外の物質、例えば光重合開始剤、レベリング剤、粘度調整剤等を適宜含んでいても良い。
前記光学異方性層に含有される液晶化合物がコレステリック液晶化合物を含む場合、前記コレステリック液晶化合物は、例えばネマチック液晶化合物とカイラル剤との重合物であることがより好ましい。この場合、位相差板の製造工程において、前記光学異方性層の厚み、ネマチック液晶化合物とカイラル剤との含有比率等を適宜調節することで前記コレステリック液晶化合物分子の螺旋状態を任意に設計し、前記光学異方性層の光軸、位相差値等を制御することができる。
本発明の位相差板では、前記光学異方性層の光学特性は特に限定されないが、例えば、広視野角化のためにある程度大きな位相差を持たせる観点から、下記式(IV)または(V)の光学特性条件を満たすことが好ましい。
(nx−ny)×d≧5(nm) (IV)
|nx−nz|×d≧5(nm) (V)
|nx−nz|×d≧5(nm) (V)
式(IV)および(V)中、nx、nyおよびnzは、前記位相差板における前記光学異方性層のX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記光学異方性層の面内で屈折率が最大となる方向(面内遅相軸方向)であり、前記Y軸方向とは、前記光学異方性層の面内で前記X軸方向に垂直な方向(面内進相軸方向)であり、前記Z軸方向とは、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な前記光学異方性層の厚み方向であり、dは前記光学異方性層の厚み(nm)であり、|nx−nz|は、(nx−nz)の絶対値である。
なお、{(nx−ny)×d}の値は、より好ましくは10nm以上、特に好ましくは20nm以上であり、その上限値は特に限定されないが、例えば1000nm以下である。また、{|nx−nz|×d}の値は、より好ましくは10nm以上、特に好ましくは20nm以上であり、その上限値は特に限定されないが、例えば2000nm以下である。
本発明の位相差板では、前記透明基材または前記表面改質層が有する液晶配向規制力の性質、および前記光学異方性層に含まれる液晶化合物の種類を適宜組み合わせることで、前記液晶化合物の配向状態を適宜制御することができる。この組み合わせは特に限定されず、従来の位相差板(コーティング補償板)と同様の組み合わせを適宜用いることができる。以下、この様な組み合わせの例を示す。
まず一例として、透明基材を一方向にラビングして水平配向性の液晶配向規制力を付与し、その上に液晶配向規制力を有しない表面改質層を形成し、さらにその上にある種のネマチック液晶化合物を塗布して光学異方性層を形成させると、ラビング方向に沿って配向したホモジニアス配向(ホモジニアス水平配向)等の配向状態が得られる。また、別の一例として、前記ネマチック液晶性化合物に代えてコレステリック液晶化合物を用いることにより、いわゆるねじれ位相差板を得ることもできる。コレステリック液晶化合物は、例えば前記の通りネマチック液晶化合物とカイラル剤とを重合させて得ることが可能であり、ネマチック液晶化合物とカイラル剤の比率等を適宜調整して光学異方性を制御することもできる。また、ネマチック液晶化合物とカイラル剤とに代えて円盤状液晶化合物(ディスコティック液晶化合物)とカイラル剤とを用いてもコレステリック液晶化合物を得ることができる。
さらに別の一例として、傾斜配向性の液晶配向規制力を有する表面改質層上に、ネマチック液晶化合物、ディスコティック液晶化合物等を含む光学異方性層を形成させて、いわゆる傾斜位相差板を得ることもできる。前記表面改質層に傾斜配向性の液晶配向規制力を持たせるには、例えば、前記の通り、ガラス質高分子形成材料、界面活性剤、シリコーン等を用いて垂直配向性の液晶配向規制力を有する表面改質層を形成し、その表面をラビング処理すれば良い。また、前記ネマチック液晶化合物、ディスコティック液晶化合物等に代えてコレステリック液晶化合物を用いることで、いわゆるねじれ傾斜位相差板を得ることもできる。コレステリック液晶化合物は、例えば前記の通りネマチック液晶化合物またはディスコティック液晶化合物とカイラル剤とを重合させて得ることが可能であり、それら液晶化合物とカイラル剤の比率等を適宜調整して光学異方性を制御することもできる。
いわゆる傾斜位相差板は従来から知られていたが、場合により、光軸や位相差値を自在に制御することが困難であったり、転写や貼り合せの工程に由来するコストアップや製造効率低下の問題があったりした。また、傾斜度を大きくするために位相差板の厚みが大きくなり、液晶表示装置等の画像表示装置に適用する際に装置の薄型化の観点から問題がある場合もあった。本発明では、前記の通り、垂直配向性の液晶配向規制力を有する表面改質層をラビング処理することにより、傾斜配向性の制御が容易で、かつ、傾斜度が大きく安定した位相差板を得ることが可能であるという利点がある。ただし、本発明で傾斜位相差板またはねじれ傾斜位相差板を得る方法はこれに限定されず、本発明の範囲を逸脱しない限りどのような方法でも良い。
なお、従来から知られていた傾斜位相差板としては、例えばディスコティック液晶化合物を傾斜させたもの、ネマチック液晶化合物を傾斜させたもの、側鎖型液晶ポリマーを傾斜配向させた位相差板(特開2000−327720号公報等)、ホメオトロピック配向を示す重合性ネマチック液晶化合物に光配向膜を用いて傾斜配向液晶層を形成させた位相差板(特開2002−214610号公報等)等があり、さらに、配向膜としては、光配向膜の他に、レシチンや界面活性剤を含む配向膜、斜方蒸着配向膜等も知られている。その他、O−plateを粘着剤や接着剤で2層貼り合せた位相差板もある。
本発明によれば、傾斜度が大きいことにより斜視方向の光学補償範囲が広い傾斜位相差板またはねじれ傾斜位相差板が得られ、傾斜度の制御が容易で安定していることにより種々の傾斜度を有する傾斜位相差板またはねじれ傾斜位相差板が得られる。したがって、本発明の傾斜位相差板またはねじれ傾斜位相差板によれば、画像表示装置の視野角補償等の用途に柔軟に対応することが可能である。具体的には、例えば、近年用いられているTFT補償だけでなく、現在検討が盛んなOCB−LCDの補償においても設計の自由度を広げることが可能である。
本発明の傾斜位相差板またはねじれ傾斜位相差板において、液晶化合物を含む光学異方性層の傾斜度は特に限定されないが、下記式(XV)の条件を満たすことが好ましい。
30≦G≦1000 (XV)
式(XV)中、Gは前記傾斜度であり、下記式(XVI)で定義されるものとする。
G=(|Δnd(−30)−Δnd(+30)|/Δnd(0))×100
(XVI)
(XVI)
式(XVI)中、Δndは、前記光学異方性層における正面方向の面内位相差であり、前記式(IV)における{(nx−ny)×d}に等しい。Δnd(+30)およびΔnd(−30)は、前記光学異方性層を面内遅相軸方向にそれぞれ+30°および−30°傾けてΔndと同様に測定した位相差値である。Δnd、Δnd(+30)およびΔnd(−30)は、例えば王子計測機器株式会社製KOBRA31PR(商品名)を用いて測定することができる。
前記傾斜度Gは、30以上であれば斜視方向における光学補償可能な範囲が広く得られやすい。また、前記傾斜度Gの上限は特に限定されないが、1000以下であれば均一な品質で製造しやすい。前記傾斜度Gは、より好ましくは30〜500、特に好ましくは150〜300である。
以上、本発明の位相差板における、前記透明基材または前記表面改質層が有する液晶配向規制力の性質と前記光学異方性層に含まれる液晶化合物の種類との組み合わせについて述べてきた。しかし、本発明では上記の組み合わせには限定されず、あらゆる組み合わせが可能である。例えば、液晶化合物はスメクチック液晶化合物等でも良いし、液晶配向規制力は、水平配向性または傾斜配向性に限定されず、例えば垂直配向性でも良い。
また、本発明の位相差板では、液晶表示装置等において均質で安定した光学補償効果を得る観点から、前記光学異方性層の光軸の誤差は、好ましくは±10°以内、より好ましくは、±7°以内、特に好ましくは±5°以内である。そして、大量生産時の品質安定性の観点から、好ましくは位相差板の幅100mm以上、より好ましくは200mm以上、さらに好ましくは300mm以上で光軸の誤差が前記数値範囲内に収まるのが良い。この幅の上限値は特に限定されないが、例えば2000mm以下である。この様な条件を満たすための製造方法は特に限定されないが、例えば、前記ラビング処理により透明基材に液晶配向規制力を付与する方法等であれば上記の条件を満たしやすい。
以上のように、本発明によれば、品質と生産性に優れ、光学補償範囲が広い位相差板を提供することができる。本発明の位相差板は、例えば、液晶表示装置等の各種画像表示装置に直接、または本発明の光学素子の一部として用いることにより、優れた光学補償効果を得ることができる。
(光学素子)
次に、本発明の光学素子について説明する。本発明の光学素子は、前記本発明の位相差板と、偏光子とを含む光学素子であるが、これ以外の任意の構成要素を適宜含んでいても良い。また、本発明の光学素子は、その構成要素を単に重ね置いただけでも良いが、さらに接着層を含み、前記構成要素の全部または一部が前記接着層を介して積層されていることが好ましい。
次に、本発明の光学素子について説明する。本発明の光学素子は、前記本発明の位相差板と、偏光子とを含む光学素子であるが、これ以外の任意の構成要素を適宜含んでいても良い。また、本発明の光学素子は、その構成要素を単に重ね置いただけでも良いが、さらに接着層を含み、前記構成要素の全部または一部が前記接着層を介して積層されていることが好ましい。
前記接着層の形成材料は特に限定されず、各種接着剤や粘着剤を適宜用いることができるが、必要とする光学特性に影響を及ぼさない観点から、光透過性に優れた接着剤および粘着剤が好ましい。なお、本発明では「接着剤」と「粘着剤」とに明確な区別はないが、接着剤の中で被接着物どうしの剥離や再接着が比較的容易であるものを、便宜上「粘着剤」と呼ぶ。前記接着剤または粘着剤としては、例えば、アクリル系重合体、ビニルアルコール系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとする接着剤または粘着剤が挙げられる。また、これら接着剤および粘着剤の形態も特に制限されず、溶剤型、分散型、エマルション型等の各種接着剤または粘着剤を使用できる。これらの中でも、例えばアクリル系溶剤型粘着剤が特に透明性、耐候性等の点で優れており好ましい。
本発明の光学素子の製造方法は特に限定されないが、例えば、ある構成要素の表面上に前記接着層を形成し、その上に別の構成要素を重ねて接着する工程を繰り返して製造することができる。例えば、本発明の位相差板と偏光子とを積層する場合、液晶化合物を含む光学異方性層上に前記接着層を形成し、その上に偏光子を重ねて接着しても良い。前記接着層の形成方法も特に限定されず、公知の方法を適宜適用できるが、例えば以下のような方法がある。すなわち、まず、ベースポリマーまたはそれを含む組成物を溶媒に溶解または分散させて接着剤または粘着剤とする。前記溶媒は特に限定されないが、例えばトルエン、酢酸エチル等を適宜用いることができ、単独でも二種類以上併用しても良い。前記ベースポリマーの濃度も特に限定されないが、例えば10〜40重量%程度である。そして、この接着剤または粘着剤を、本発明の光学素子を構成する一構成要素の表面上に流延方式や塗工方式等の適宜な方法で展開して目的の接着層を形成し、その上に別の構成要素を積層させて接着することができる。また、前記接着層を前記構成要素上に直接形成する代わりに、いったんセパレータ上に接着層を形成してそれを前記構成要素上に移着させても良い。
なお、前記接着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂やガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す接着層であってもよい。
本発明の光学素子を形成する構成要素としては、例えば、偏光板、位相差板、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コレステリック液晶フィルム、離型フィルム等が挙げられる。以下、これらについて具体的に説明する。
本発明の光学素子を構成する偏光子は、透明保護フィルムが積層され、偏光板として用いられることが好ましく、例えば、前記透明保護フィルムを介して本発明の位相差板と前記偏光子とが積層されていることがより好ましい。以下、前記偏光板について説明する。
前記偏光板は特に限定されないが、例えば、偏光子の片面または両面に、接着層を介して透明保護フィルムを接着した偏光板が挙げられる。偏光子は特に限定されず各種のものを使用できるが、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、および、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性物質とから形成された偏光子が好適である。また、前記偏光子は、必要に応じてホウ酸、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良い。前記偏光子の厚みは特に限定されないが、例えば5〜80μm程度である。
前記偏光子と前記透明保護フィルムとの接着処理は特に限定されず、前記各種接着剤や粘着剤等を適宜用いれば良い。例えば、前記透明保護フィルムがポリビニルアルコール系フィルムから形成されている場合は、そのフィルムとの親和性の観点から、ビニルアルコール系ポリマーを含む接着剤または粘着剤が特に好ましい。この場合の接着剤または粘着剤は、例えばビニルアルコール系ポリマーの水溶液として調製し、前記偏光子または前記透明保護フィルム表面に塗布し、乾燥させて接着層としても良い。前記水溶液は、ビニルアルコール系ポリマーに対する水溶性の架橋剤、例えばホウ酸、ホウ砂、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等をさらに含んでいても良いし、必要に応じて、その他の添加剤や酸等の触媒を含んでいても良い。
前記偏光子の製造方法も特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色した後に延伸し、ヨウ素を配向させる方法が挙げられる。また、必要に応じてヨウ化カリウム等の水溶液に浸漬する工程を用いても良い。
前記偏光子の片面または両面に設けられる透明保護フィルムの形成材料は、特に限定されないが、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。前記形成材料としては、例えば、本発明の位相差板を構成する透明基材の材質として列挙した各種ポリマーと同様のポリマーが挙げられ、例えばトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが特に好ましい。その他、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型または紫外線硬化型の樹脂も好ましく使用できる。これら熱硬化型または紫外線硬化型の樹脂から形成された透明保護フィルムは、例えば、前記偏光子表面に前記樹脂を塗布した後に硬化させて形成しても良い。
前記透明保護フィルムの厚みは特に限定されないが、例えば500μm以下であり、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜200μmである。また、偏光特性や耐久性等の観点から、例えば、表面をアルカリ等でケン化処理することが好ましい。
また、前記透明保護フィルムは、例えば、色付きが無いことが好ましい。具体的には、フィルム厚み方向の位相差値(Rth)が、−90nm〜+75nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは−80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70nm〜+45nmの範囲である。前記位相差値が−90nm〜+75nmの範囲であれば、十分に保護フィルムに起因する着色(光学的な着色)を解消できる。ただし、この場合のRthは下記式(XVII)で表されるものとする。なお、下記式において、nx、nyおよびnzの定義は前記式(IV)、(V)および(IX)〜(XII)と同様であり、dは、前記透明保護フィルムの厚みを示す。
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d (XVII)
前記透明保護フィルムを前記偏光子の両面に設ける場合、同じ物を用いても良いが、厚み、材質、光透過率、引張り弾性率等の特性が互いに異なる物を用いても良い。また、前記透明保護フィルムの片方または両方が、各種光学層を適宜積層させた透明保護フィルムであっても良い。前記光学層としては、例えば、視野角補償を目的とした液晶化合物含有層等が挙げられる。
前記偏光板は、実用に際して各種の加工を施した偏光板でも良い。その加工方法は特に限定されないが、例えば、前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面(前記接着層を設けない面)に対して、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止、拡散、アンチグレア等を目的とした表面処理を施す方法が挙げられる。これらの処理は前記透明保護フィルム表面に直接施しても良いし、前記透明保護フィルムとは別の構成要素として反射防止層、スティッキング防止層、拡散層、アンチグレア層等の光学層を準備し、それを前記透明保護フィルム表面に積層させても良い。以下、具体的に説明する。
ハードコート処理は、偏光板等のフィルム表面の傷つき防止等を目的に施される処理であり、具体的には、例えば、硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を前記透明保護フィルムの表面に積層させてハードコート処理とすることができる。前記硬化被膜としては、例えば、アクリル系、シリコーン系等の適宜な紫外線硬化型樹脂から形成された硬化被膜がある。反射防止処理は、偏光板表面での外光の反射防止を目的に施される処理であり、例えば、従来から用いられている反射防止膜等を適宜形成にして達成することができる。スティッキング防止処理は、隣接層との密着防止を目的に施される処理である。また、アンチグレア処理は、偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施される処理である。具体的には、例えば、サンドブラスト方式、エンボス加工方式等による粗面化方式や透明微粒子の配合方式等の適宜な方法で、前記透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を形成してアンチグレア処理とすることができる。前記表面微細凹凸構造形成の際に用いる微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等から形成された無機微粒子、架橋または未架橋のポリマー等から形成された有機微粒子等の透明微粒子が用いられる。前記微粒子の粒径は特に限定されないが、例えば平均粒径0.5〜50μmである。また、前記無機微粒子は、例えば導電性であっても良い。表面微細凹凸構造を形成する場合、前記微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して例えば2〜70重量部程度であり、好ましくは5〜50重量部である。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視野角等を拡大するための拡散層(視野角拡大機能など)を兼ねていても良い。
また、前記偏光板は、前記偏光子および透明保護フィルム以外に、反射板、半透過板、位相差板(例えば1/2波長板、1/4波長板等の波長板(λ板))、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム等、液晶表示装置等の形成に用いられる光学フィルムを1層または2層以上貼りあわせたものでも良い。以下、これらについて具体的に説明する。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置等の製造に用いられ、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすい等の利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を設ける等の適宜な方法で行なうことができる。反射型偏光板の具体例としては、必要に応じ、マット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属から形成された箔や蒸着膜を設けて反射層を形成したもの等が挙げられる。また、前記透明保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するもの等も挙げられる。前記微細凹凸構造を有する反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる等の利点を有する。また微粒子含有の透明保護フィルムは、入射光およびその反射光がそれを透過する際に拡散されて、明暗ムラをより抑制しうる等の利点も有している。透明保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等の適宜な方法で、金属を前記透明保護フィルムの表面に直接積層させて行なうことができる。また、反射層は、前記偏光板の透明保護フィルム上に直接形成しても良いが、別途適切な透明フィルムを準備してその上に反射層を設けた反射シートを作製し、それを前記透明保護フィルム上に積層させても良い。なお、前記反射層は一般に金属から形成されているので、その反射面が前記透明保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続や、保護層の別途付設回避の観点から好ましい。
次に、半透過型偏光板は、光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層を偏光板に設けて得ることができる。このような半透過型偏光板の使用方法としては、例えば、液晶表示装置の製造において液晶セルの裏側に前記半透過型偏光板を設け、さらにその半透過型偏光板のバックサイドにバックライト等の内蔵光源を配置する方法がある。こうして得られた液晶表示装置は、比較的明るい雰囲気で使用する場合には視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては前記内蔵光源を使用して画像を表示することができる。すなわち、半透過型偏光板は、比較的暗い雰囲気下においてもバックライト等の内蔵光源を用いて使用でき、明るい雰囲気下では前記光源使用のエネルギーを節約できるタイプの液晶表示装置等の製造に有用である。
次に、本発明の光学素子は、本発明の位相差板に加え、さらに1層以上の位相差板を含んでいても良く、例えば、偏光板にさらに位相差板が積層された楕円偏光板または円偏光板を含んでいても良い。直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、または直線偏光の偏光方向を変えたりする場合に、位相差板等が用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変えたりする位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板ともいう)が用いられる。1/2波長板(λ/2板ともいう)は、主に直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。楕円偏光板は、スーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青または黄)を補償(防止)し、前記着色のない白黒表示を得る場合等に有効に用いられる。前記楕円偏光板は、さらに三次元の屈折率を制御すると、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合等に有効に用いられ、また、反射防止機能を得るために用いることもできる。
前記楕円偏光板または円偏光板に用いる位相差板は特に限定されないが、例えば、高分子素材を一軸または二軸延伸処理して得られる複屈折性フィルム(延伸フィルム補償板)が挙げられる。前記高分子素材の延伸処理は、例えばロール延伸法、長間隙沿延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等により行なうことができる。延伸倍率は特に限定されないが、一軸延伸の場合には例えば1.1〜3倍程度である。位相差板の厚みも特に限定されないが、例えば10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。前記高分子素材としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物等が挙げられる。これら高分子素材は延伸等により配向物(延伸フィルム)となる。
前記楕円偏光板または円偏光板に用いる位相差板としては、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムで支持したもの(コーティング補償板)等も挙げられる。このような位相差板の厚みは特に限定されないが、例えば10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。前記液晶ポリマーとしては、例えば、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種液晶ポリマー等が挙げられる。主鎖型の液晶ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基を結合した構造の、例えばネマチック配向性のポリエステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマーやコレステリックポリマー等が挙げられる。側鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはポリマロネートを主鎖骨格とし、ネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン部を側鎖として含み、これら主鎖骨格と側鎖とが共役性の原子団からなるスペーサ部を介して結合されたポリマー等が挙げられる。これら液晶ポリマーは、例えば、その溶液を配向処理面上に展開して熱処理することによりその分子を規則的に配向させることができる。前記配向所裏面としては、例えば、ガラス板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコール等の薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化ケイ素を斜方蒸着したもの等が挙げられる。
前記楕円偏光板または円偏光板に用いる位相差板の光学特性は特に限定されず、着色防止や視野角補償等、使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであって良く、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したもの等でも良い。また、前記楕円偏光板または円偏光板は、例えば反射型偏光板を位相差板と適宜組み合わせた反射型楕円偏光板または反射型円偏光板等であっても良い。
次に、視野角補償フィルムについて説明する。視野角補償フィルムとは位相差板の一種であるが、位相差板の中でも視野角を広げる目的で用いられるフィルムを特に視野角補償フィルムと呼ぶことがある。視野角を広げることにより、液晶表示装置等の画面を画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明に見えるようになる。視野角補償フィルムとしては、例えば前記位相差板と同様に、高分子素材を一軸または二軸延伸処理して得られる複屈折性フィルム(延伸フィルム補償板)、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムで支持したもの(コーティング補償板)等が挙げられる。
視野角補償フィルムとして用いられる延伸フィルム補償板は特に限定されず、例えば前記と同様の素材および処理方法を用いれば良いが、その使用目的、例えば液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止、良視認の視野角の拡大、等に応じて光学特性を適切に制御することが好ましい。例えば、前記1/4波長板および1/2波長板の場合は、その面方向に一軸延伸された複屈折ポリマーフィルムを用いることが多いが、視野角補償フィルムの場合は面方向に二軸延伸された複屈折ポリマーフィルムを用いることも多い。また、これに限定されず、例えば、面方向に一軸延伸し厚さ方向にも延伸することにより厚さ方向の屈折率を制御した複屈折ポリマーフィルムや、傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルム等を用いても良いし、傾斜配向フィルム等を用いても良い。前記傾斜配向フィルムは、例えば、ポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着し、加熱によるその収縮力の作用下に、前記ポリマーフィルムに対し延伸処理および収縮処理の少なくとも一方を施すことにより得られる。
視野角補償フィルムとして用いられるコーティング補償板も特に限定されないが、良視認の広い視野角を達成する等の観点から、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学異方性層をトリアセチルセルロースフィルムで支持した位相差板等が好ましい。また、液晶ポリマーを傾斜配向させた傾斜配向フィルム等を用いても良い。
次に、輝度向上フィルムについて説明する。液晶表示装置等において、バックライト等の光源からの光照射や裏側(視認側と反対側)からの反射等により輝度向上フィルムに自然光が入射すると、所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光は前記輝度向上フィルムにより反射され、他の光は透過する。したがって、輝度向上フィルムが積層された偏光板を用いると、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得るとともに、前記所定偏光状態以外の光を透過させずに反射することができる。そして、裏側(視認側と反対側)にさらに反射層等を設けることにより、前記輝度向上フィルム面で反射した光をさらに前記反射層等により反転させて前記輝度向上フィルムに再入射させ、その一部または全部を所定偏光状態の光として透過させることができる。このようにして、輝度向上フィルムを透過する光の増量を図るとともに偏光子に吸収されにくい偏光を供給し、液晶画像表示等に利用しうる光量の増大により輝度を向上させることができる。
輝度向上フィルムを使用せずに、バックライト等で液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射すると、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光はほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこないため、光の利用効率が悪い場合がある。偏光子の特性等によっても異なるが、場合によっては、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。しかし、輝度向上フィルムを用いれば、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムでいったん反射させることができる。さらにその反射光を、後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光のうち、偏光方向が偏光子を通過しうるようになった偏光のみを透過させて偏光子に供給することができる。したがって、バックライト等の光を効率的に液晶表示装置等の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
なお、輝度向上フィルムと前記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射された偏光状態の光は前記反射層等に向かうが、この光は、前記拡散板を通過させることにより、均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態とすることができる。すなわち元の自然光状態に戻すことが可能である。この非偏光状態すなわち自然光状態の光が前記反射層等により反射され、前記拡散板を再び通過して前記輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。これにより、表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのムラを少なくし、均一の明るい画面を提供することができる。すなわち、偏光を元の自然光状態に戻す拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、前記拡散板の拡散機能とあいまって均一の明るい表示画面を提供することができる。
前記輝度向上フィルムは特に限定されないが、例えば、誘電体の多層薄膜、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体等の、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、および、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等の、左回りまたは右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものが挙げられる。前記所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸をそろえて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ、効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層等を用いた円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する観点から、その円偏光を位相差板により直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置するその位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。また、その位相差板は、1層のみの位相差層からなっていても良いが、2層以上の位相差層を含んでいても良い。例えば、波長550nmの単色光に対して1/4波長板として機能する位相差層を、他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層と積層させることにより、可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板を得ることができる。なお、前記コレステリック液晶フィルムについても、反射波長が相違するものを2層または3層以上積層させることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
本発明の光学素子は、例えば上記の偏光分離型偏光板のように、偏光板と2層または3層以上の光学層とを積層したものを含んでいてもよい。したがって、前記反射型偏光板や半透過型偏光板を位相差板と組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板等も用いることができる。
これら偏光板や、それを用いた本発明の光学素子は、その構成要素を液晶表示装置等の製造過程で順次積層させて形成することもできる。しかし、あらかじめ各構成要素を積層させて前記偏光板または本発明の光学素子とした後に液晶表示装置等の画像表示装置の製造に供すると、品質安定性、作業効率、製造効率等に優れ好ましい。
なお、前記偏光板と、位相差板等の他の光学層を組み合わせるに際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性等に応じて適宜な配置角度とすることができる。位相差板を用いる場合、延伸フィルム補償板でも良いが、コーティング補償板が光軸の配置角度を適切に調整しやすく好ましい。延伸フィルム補償板の場合、光軸が延伸軸方向に沿っているため、延伸フィルム補償板と偏光板とをそれぞれ液晶表示装置のパネル設計に合わせた角度で打ち抜いて単板状態とした後、一枚ずつ貼り合せる工程が必要となることがある。本発明の位相差板の場合、例えば前記の通り透明基材の縦方向または横方向から見て0°〜±45°の任意の方向にラビングする等の方法により、液晶表示装置のパネル設計に合わせた種々の光軸を持つ位相差板を製造することができる。このため、本発明の位相差板と偏光板とをいわゆるロールtoロール法により貼り合せた後に打ち抜いて単板とすることにより、前記位相差板および偏光板をそれぞれに打ち抜く工程を省き、打ち抜きを一度で済ませることもできる。
また、本発明の光学素子においては、例えば、本発明の位相差板における透明基材が前記偏光板における透明保護フィルムを兼ねることが、光学素子の薄型化、製造工程の簡便さ等の観点から好ましい。すなわち、透明基材および透明保護フィルムがそれぞれ1層ずつ必要なところを一つにまとめることで、その分貼り合せ工程が少なくて済み、光学素子の薄型化にもつながる。例えば、本発明の位相差板を前記のようにして製造した後、これを偏光子に接着し、本発明の光学素子である偏光板を得ることも可能である。この場合も、前記と同様にロールtoロール法により貼り合せた後に打ち抜いて単板とすることにより、打ち抜きを一度で済ませることもできる。
以上説明した通り、本発明によれば、品質および生産性に優れた位相差板および光学素子を提供することが可能である。本発明の位相差板は、前記透明基材として透明高分子フィルムを用いることで、いわゆる透明高分子フィルム一体型位相差板、透明高分子フィルム一体型ねじれ位相差板、透明高分子フィルム一体型傾斜位相差板、透明高分子フィルム一体型ねじれ傾斜位相差板等の形態が可能であり、これらの形態については、より具体的には前記の通りである。しかし、本発明の位相差板はこれらの形態には限定されず、本発明の範囲を逸脱しない限りあらゆる形態が可能である。また、本発明の光学素子は、例えば、前記本発明の光学素子と偏光板とを積層させた、いわゆる吸収型偏光板一体型位相差板、吸収型偏光板一体型ねじれ位相差板、吸収型偏光板一体型傾斜位相差板、吸収型偏光板一体型ねじれ傾斜位相差板等の形態が可能である。なお、特定方向の偏光のみを透過させその他の光を吸収する偏光板を「吸収型偏光板」と呼ぶことがある。本発明の光学素子の具体的な実施形態は、例えば前記の通りであるが、本発明の光学素子はこれらの形態には限定されず、本発明の範囲を逸脱しない限りあらゆる形態が可能である。
本発明の位相差板および光学素子は、必要に応じ、粘着剤等から形成された層(粘着層)を介して離型フィルムに接着されていても良い。この離型フィルムは、適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。前記フィルムの材質は特に限定されないが、例えば、前記透明保護フィルムと同様のものを使用することができる。前記離型フィルムとしては、その他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シート、金属箔またはそれらのラミネート体等の適宜な薄層体も用いることができる。また、前記離型フィルムの表面には、前記粘着層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の処理が施されていてもよい。本発明の位相差板または光学素子に前記離型フィルムを接着した場合は、実用に供する際、必要に応じて前記離型フィルムを剥離することが好ましい。例えば、前記離型フィルムを剥離して露出した粘着層により液晶セルの裏側等に貼り付けても良い。
(画像表示装置)
次に、本発明の画像表示装置について説明する。
次に、本発明の画像表示装置について説明する。
本発明の位相差板および光学素子の用途は特に限定されないが、例えば、画像表示装置、および画像表示装置等に用いられる照明装置や液晶パネル等に好ましく使用することができる。
本発明の照明装置は、本発明の位相差板、または本発明の光学素子を含む照明装置である。その構成等は特に限定されないが、例えば、前記照明装置において、裏面側に反射層を有する面光源の表面側に本発明の位相差板、または本発明の光学素子を用いることができる。また、前記照明装置は、少なくとも1層のプリズムアレイ層を有することが好ましく、アレイの配列方向が上下の層で交差する状態にある2層以上のプリズムアレイ層を有することがより好ましい。また、本発明の液晶パネルは、本発明の位相差板または本発明の光学素子が液晶セルの片側または両側に配置された液晶パネルである。
本発明の画像表示装置は、本発明の位相差板、本発明の光学素子、または本発明の液晶パネルを含む画像表示装置である。その種類は特に限定されず、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等、どのような画像表示装置であっても良いが、例えば液晶表示装置が好ましい。以下、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置の構成等は、本発明の位相差板、本発明の光学素子、または本発明の液晶パネルを含む以外には特に限定されず、任意であるが、例えば、偏光板を液晶セルの片側または両側に配置した、反射型、半透過型、または透過・反射両用型等の液晶表示装置であっても良い。液晶セル基板は、プラスチック基板、ガラス基板のいずれでも良い。液晶セルも任意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のものなど適宜なタイプの液晶セルで良い。また、液晶セルの両側に傾斜配向フィルムからなる位相差板やその他光学部材を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライト等の適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することができる。
また、本発明の画像表示装置は、前記の通り、液晶表示装置以外の画像表示装置でも良く、例えば有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)等の自発光型の画像表示装置でも良い。以下、本発明の有機EL表示装置について説明するが、この説明は単なる例示であり、本発明の有機EL表示装置はこの説明には限定されない。
一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に陽極(透明電極)と有機発光層と陰極(金属電極)とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。前記有機発光層は種々の有機薄膜またはその積層体から形成されており、例えば、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層に対し、トリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層およびペリレン誘導体等からなる電子注入層のうち一方または両方を積層した積層体が挙げられるが、これ以外にも種々の組み合わせを持った構成が知られている。
前記有機EL表示装置の発光原理は以下の通りである。すなわち、前記陽極と前記陰極とに電圧を印加することによって前記有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物質を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する。途中の正孔と電子との再結合というメカニズムは一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性に伴う強い非線形性を示す。
前記有機EL表示装置においては、前記有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならない。このため、例えば酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電体で形成した透明電極を前記陽極として用いる。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、前記陰極には仕事関数の小さな物質を用いることが重要であるため、例えばMg−Ag、Al−Li等の金属電極を用いる。このような構成の有機EL表示装置において、前記有機発光層は、厚みが例えば10nm程度の極めて薄い膜から形成されている。このため、前記有機発光層も、前記透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に前記透明基板の表面から入射し、前記透明電極と前記有機発光層とを透過して前記金属電極で反射した光が、再び前記透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、前記有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
このような有機EL表示装置においては、例えば、前記透明電極の表面側(視認側すなわち前記透明基板側)に偏光板を設けるとともに、前記透明電極と前記偏光板との間に位相差板を設けることができる。この位相差板として本発明の位相差板を用いても良い。外部から入射して前記金属電極で反射してきた光を、前記位相差板および前記偏光板が偏光する作用を有することにより、その偏光作用によって前記金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果が得られる。特に、前記位相差板を1/4波長板とし、かつ前記偏光板と前記位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、前記金属電極の鏡面を完全に遮蔽することもできる。その原理は例えば以下の通りである。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、前記偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は前記位相差板により楕円偏光となるが、特に位相差フィルムが1/4波長板でしかも偏光板と前記位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、前記透明基板、前記透明電極、および前記有機薄膜(有機発光層)を透過し、前記金属電極で反射し、再び前記有機薄膜、前記透明電極、および前記透明基板を透過し、前記位相差板により再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、前記偏光板の偏光方向と直交しているので、前記偏光板を透過できない。その結果、前記金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
この円偏光は、前記透明基板、前記透明電極、および前記有機薄膜(有機発光層)を透過し、前記金属電極で反射し、再び前記有機薄膜、前記透明電極、および前記透明基板を透過し、前記位相差板により再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、前記偏光板の偏光方向と直交しているので、前記偏光板を透過できない。その結果、前記金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。
次に、本発明の実施例について説明する。
(液晶化合物溶液の調製)
位相差板の製造に先立ち、まず、液晶化合物溶液を調製した。すなわち、まず、ネマチック液晶性を示す重合性液晶化合物(BASF社製Paliocolor LC242(商品名))10gおよび光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、Irgacure907(商品名))3gをトルエン40gに溶解し、液晶化合物溶液Aを得た。一方、前記Paliocolor LC242の使用量を9.99gとし、カイラル剤(BASF社製Paliocolor LC756(商品名))0.01gをさらに加える以外は液晶化合物溶液Aと同様にして液晶化合物溶液Bを得た。これら液晶化合物溶液AおよびBのいずれかを用い、以下に説明する通り実施例1〜6および比較例1〜2の位相差板を製造した。
位相差板の製造に先立ち、まず、液晶化合物溶液を調製した。すなわち、まず、ネマチック液晶性を示す重合性液晶化合物(BASF社製Paliocolor LC242(商品名))10gおよび光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、Irgacure907(商品名))3gをトルエン40gに溶解し、液晶化合物溶液Aを得た。一方、前記Paliocolor LC242の使用量を9.99gとし、カイラル剤(BASF社製Paliocolor LC756(商品名))0.01gをさらに加える以外は液晶化合物溶液Aと同様にして液晶化合物溶液Bを得た。これら液晶化合物溶液AおよびBのいずれかを用い、以下に説明する通り実施例1〜6および比較例1〜2の位相差板を製造した。
以下のようにして位相差板を製造した。すなわち、まず、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士写真フィルム社製、商品名T80UZ、厚み80μm)を準備し、これを、10重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液中、60℃で1分間煮沸して表面をケン化処理し、さらにラビング処理して透明基材とした。一方、表面改質剤原液(信越化学工業株式会社製、商品名KBM-503)を、2重量%酢酸水溶液で希釈して30分間攪拌し、2重量%表面改質剤水溶液を調製した。次に、前記透明基材のラビング処理面上に、前記2重量%表面改質剤水溶液を、第一理化株式会社製バーコーター♯3(商品名)を用いて塗布し、120℃のオーブン中で5分間静置して乾燥および熱処理して表面改質層を形成させた。
さらに、前記表面改質層上に、前記液晶化合物溶液Aを、第一理化株式会社製バーコーター♯6(商品名)を用いて塗布し、これを90℃で3分間加熱して乾燥させて液晶化合物含有層を形成させた。その後、室温環境下で放冷し、前記液晶化合物含有層の温度が約40℃となるまで冷却した。さらに、前記液晶化合物含有層にメタルハライドランプを用いて紫外線を積算光量で1mJ/cm2照射し、前記液晶化合物を重合させて光学異方性層として目的の位相差板を得た。
表面改質剤原液として、前記KBM-503に代えて信越化学工業株式会社製KBM-5103(商品名)を用いる以外は実施例1と同様にして位相差板を製造した。
表面改質剤原液として、前記KBM-503に代えて昭和電工株式会社製カレンズMOI(商品名)を用いる以外は実施例1と同様にして位相差板を製造した。
前記液晶化合物溶液Aに代えて前記液晶化合物溶液Bを用いる以外は実施例1と同様にして位相差板を製造した。
表面改質剤原液として、前記KBM-503に代えて信越化学工業株式会社製KBM-5103(商品名)を用いることと、前記液晶化合物溶液Aに代えて前記液晶化合物溶液Bを用いること以外は実施例1と同様にして位相差板を製造した。
表面改質剤原液として、前記KBM-503に代えて昭和電工株式会社製カレンズMOI(商品名)を用いることと、前記液晶化合物溶液Aに代えて前記液晶化合物溶液Bを用いること以外は実施例1と同様にして位相差板を製造した。
(比較例1)
透明基材上に表面改質層を形成させず直接光学異方性層を形成する以外は実施例1と同様にして位相差板を製造した。すなわち、まず、透明基材を実施例1と同様にして作製し、そのラビング処理面上に前記液晶化合物溶液Aを、第一理化株式会社製バーコーター♯5(商品名)を用いて塗布し、これを90℃で3分間加熱して乾燥させて液晶化合物含有層を形成させた。その後、室温環境下で放冷し、前記液晶化合物含有層の温度が約40℃となるまで冷却した。さらに、前記液晶化合物含有層にメタルハライドランプを用いて紫外線を積算光量で1mJ/cm2照射し、前記液晶化合物を重合させて光学異方性層として目的の位相差板を得た。
透明基材上に表面改質層を形成させず直接光学異方性層を形成する以外は実施例1と同様にして位相差板を製造した。すなわち、まず、透明基材を実施例1と同様にして作製し、そのラビング処理面上に前記液晶化合物溶液Aを、第一理化株式会社製バーコーター♯5(商品名)を用いて塗布し、これを90℃で3分間加熱して乾燥させて液晶化合物含有層を形成させた。その後、室温環境下で放冷し、前記液晶化合物含有層の温度が約40℃となるまで冷却した。さらに、前記液晶化合物含有層にメタルハライドランプを用いて紫外線を積算光量で1mJ/cm2照射し、前記液晶化合物を重合させて光学異方性層として目的の位相差板を得た。
(比較例2)
前記液晶化合物溶液Aに代えて前記液晶化合物溶液Bを用いる以外は比較例1と同様にして位相差板を製造した。
前記液晶化合物溶液Aに代えて前記液晶化合物溶液Bを用いる以外は比較例1と同様にして位相差板を製造した。
(付着性試験等)
前記実施例1〜6および比較例1〜2で製造した位相差板について、単一刃のカッターおよびガイドを用いて1mm間隔の切れ込みを入れてクロスカット法による付着性試験を行なった。試験結果の分類は、JIS K5600−5−6:1999に基づいて行なった。すなわち、分類0〜5までの数字が大きいほど剥がれの程度が高く、分類0は剥がれが生じていない状態、分類5は著しい剥がれが生じた状態を示す。そして、前記各位相差板について、光学異方性層の厚みd(μm)および位相差Δn(nm)も併せて測定した。前記光学異方性層の厚みd(μm)は、大塚電子株式会社製MCPD2000(商品名)を用い、干渉膜厚測定法により測定し、位相差Δn(nm)は、王子計測機器株式会社製KOBRA31PR(商品名)を用いて測定した。表1に、これらの測定結果をまとめて示す。
前記実施例1〜6および比較例1〜2で製造した位相差板について、単一刃のカッターおよびガイドを用いて1mm間隔の切れ込みを入れてクロスカット法による付着性試験を行なった。試験結果の分類は、JIS K5600−5−6:1999に基づいて行なった。すなわち、分類0〜5までの数字が大きいほど剥がれの程度が高く、分類0は剥がれが生じていない状態、分類5は著しい剥がれが生じた状態を示す。そして、前記各位相差板について、光学異方性層の厚みd(μm)および位相差Δn(nm)も併せて測定した。前記光学異方性層の厚みd(μm)は、大塚電子株式会社製MCPD2000(商品名)を用い、干渉膜厚測定法により測定し、位相差Δn(nm)は、王子計測機器株式会社製KOBRA31PR(商品名)を用いて測定した。表1に、これらの測定結果をまとめて示す。
(表1)
厚みd(μm) 位相差Δn(nm) 付着性試験結果の分類
実施例1 0.9 110 2
実施例2 1.1 125 1
実施例3 1.0 117 0
実施例4 0.9 50 1
実施例5 1.1 66 1
実施例6 1.0 58 0
比較例1 1.0 113 5
比較例2 0.9 54 5
厚みd(μm) 位相差Δn(nm) 付着性試験結果の分類
実施例1 0.9 110 2
実施例2 1.1 125 1
実施例3 1.0 117 0
実施例4 0.9 50 1
実施例5 1.1 66 1
実施例6 1.0 58 0
比較例1 1.0 113 5
比較例2 0.9 54 5
以上説明した通り、本発明によれば、透明基材と光学異方性層との密着性に優れる位相差板を低コストで効率良く製造することができる位相差板の製造方法およびそれにより得られた位相差板を提供できる。本発明の位相差板は、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の各種画像表示装置に用いることができるが、特に、液晶表示装置の視野角補償や有機EL表示装置の電極反射防止に有効である。
Claims (34)
- 透明基材と光学異方性層とを含む位相差板の製造方法であって、下記(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする製造方法。
(1) 透明基材上に下記化学式(I)で表される表面改質剤を含む層を形成し、表面改質層とする工程。
(2) 前記表面改質層の上に液晶化合物含有層を形成する工程。
(3) 前記液晶化合物含有層に含まれる液晶化合物を規則的に配向させる工程。
(4) 前記液晶化合物の配向状態を固定化して光学異方性層を形成する工程。
R1は、水素原子であるか、またはR3と結合して環を形成し、
R2は、水素原子であるか、またはLと結合して環を形成し、
R3は、水素原子、メチル基、もしくはエチル基であるか、またはR1と結合して環を形成し、
Xは単結合または酸素原子であり、
Yは、共有結合、カルボニル基、またはメチレン基であり、
Zは、共有結合またはオキシ基(酸素原子)であり、
Lは、共有結合または任意の原子団であり、R2と結合して環を形成しても良く、
R4は、イソシアナト基(下記化学式(II)で表される原子団)または下記化学式(III)で表される原子団であり、
- 前記化学式(I)中、
Lが、共有結合または炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキレン基であり、前記アルキレン基中の炭素原子のうち少なくとも一つがR2と結合して環を形成しても良く、
前記化学式(III)中、R41、R42およびR43は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキル基、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基であり、R41、R42およびR43のうち少なくとも一つは、ハロゲン、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基である、
請求項1に記載の製造方法。 - 前記化学式(I)において、R1およびR2が水素原子であり、R3が水素原子またはメチル基であり、Xが単結合であり、かつ、Yがカルボニル基である請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記化学式(I)において、R4がイソシアナト基である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記化学式(I)において、R4が前記化学式(III)で表される原子団であり、R41、R42およびR43は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキル基、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基であり、R41、R42およびR43のうち少なくとも一つは、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝アルコキシ基、または炭素原子数2〜36の直鎖もしくは分枝アルコキシアルコキシ基である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記透明基材が高分子フィルムから形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記透明基材がセルロース誘導体により形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(1)に先立ち、前記透明基材の、前記表面改質層を形成する面上に親水基を発現させる工程を含む請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(1)において、前記表面改質層を形成する方法が、前記化学式(I)で表される表面改質剤を含む溶液に前記透明基材を浸漬するか、または、前記透明基材に前記化学式(I)で表される表面改質剤を含む溶液を塗布し、その後前記溶液を乾燥させる方法である請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
- 前記溶液を乾燥させた後、さらに加熱する請求項9に記載の製造方法。
- 前記透明基材の少なくとも片面が液晶配向規制力を有し、前記工程(1)において、前記透明基材の液晶配向規制力を有する面上に前記表面改質層を形成する請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(1)に先立ち、前記透明基材の表面をラビング処理して目的の液晶配向規制力を付与する工程をさらに含む請求項11に記載の製造方法。
- 前記工程(1)で形成した表面改質層に液晶配向規制力を付与する工程をさらに含む請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(1)で形成した表面改質層に液晶配向規制力を付与する方法が、前記工程(1)で形成した表面改質層をラビング処理する方法である請求項13に記載の製造方法。
- 前記工程(2)において、前記液晶化合物含有層を形成する方法が、前記液晶化合物の溶液を前記透明基材に塗布し乾燥させる方法か、または、前記液晶化合物の溶融液を前記透明基材に塗布する方法である請求項1〜14のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(3)において、前記液晶化合物含有層に含まれる液晶化合物を規則的に配向させる方法が、前記液晶化合物含有層をその液晶温度にまで加熱する方法か、または、いったん液晶温度を超える温度に加熱し、その後液晶温度にまで冷却する方法である請求項1〜15のいずれかに記載の製造方法。
- 前記液晶化合物が、液晶プレポリマーおよび液晶モノマーの少なくとも一方を含み、前記工程(4)において、前記配向状態の固定化が、前記液晶化合物を光重合する方法で実施される請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法。
- 前記液晶化合物が、液晶ポリマーであり、前記工程(4)において、前記配向状態の固定化が、前記液晶化合物含有層を、その液晶温度未満に冷却する方法で実施される請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法。
- 前記液晶化合物が、液晶プレポリマーおよび液晶モノマーの少なくとも一方と液晶ポリマーとを含み、前記工程(4)において、前記配向状態の固定化が、前記液晶化合物を光重合する方法およびその後前記液晶化合物含有層をその液晶温度未満に冷却する方法で実施される請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法。
- 前記液晶化合物がネマチック液晶化合物を含む請求項1〜19のいずれかに記載の製造方法。
- 前記液晶化合物がネマチック液晶化合物を含み、前記液晶化合物含有層がカイラル剤をさらに含む請求項17または19に記載の製造方法。
- 請求項1〜21のいずれかに記載の製造方法により製造される位相差板。
- 前記光学異方性層に含有される液晶化合物が、液晶モノマーまたは液晶プレポリマーの重合物を含む請求項22に記載の位相差板。
- 前記光学異方性層に含有される液晶化合物が、液晶ポリマーを含む請求項22または23に記載の位相差板。
- 前記光学異方性層に含有される液晶化合物が、ネマチック液晶化合物を含む請求項22〜24のいずれかに記載の位相差板。
- 前記光学異方性層に含有される液晶化合物が、コレステリック液晶化合物を含む請求項22〜25のいずれかに記載の位相差板。
- 前記コレステリック液晶化合物が、ネマチック液晶化合物とカイラル剤との重合物である請求項26に記載の位相差板。
- 前記光学異方性層が、下記式(IV)または(V)の光学特性条件を満たす請求項22〜27のいずれかに記載の位相差板。
(nx−ny)×d≧5(nm) (IV)
|nx−nz|×d≧5(nm) (V)
式(IV)および(V)中、nx、nyおよびnzは、前記位相差板における前記光学異方性層のX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記光学異方性層の面内で屈折率が最大となる方向(面内遅相軸方向)であり、前記Y軸方向とは、前記光学異方性層の面内で前記X軸方向に垂直な方向(面内進相軸方向)であり、前記Z軸方向とは、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な前記光学異方性層の厚み方向であり、dは前記光学異方性層の厚み(nm)であり、|nx−nz|は、(nx−nz)の絶対値である。 - 請求項22〜28のいずれかに記載の位相差板と、偏光子とを含む光学素子。
- 透明保護フィルムをさらに含み、前記透明保護フィルムを介して前記位相差板と前記偏光子とが積層されている請求項29に記載の光学素子。
- 請求項22〜28のいずれかに記載の位相差板に加え、さらに1層以上の位相差板を含む請求項29または30に記載の光学素子。
- さらに接着層を含み、前記光学素子を構成する構成要素の全部または一部が前記接着層を介して積層されている請求項29〜31のいずれかに記載の光学素子。
- 請求項22〜28のいずれかに記載の位相差板または請求項29〜32のいずれかに記載の光学素子が液晶セルの片側または両側に配置された液晶パネル。
- 請求項22〜28のいずれかに記載の位相差板、請求項29〜32のいずれかに記載の光学素子、または請求項33に記載の液晶パネルを含む画像表示装置。
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