JP2005274023A - 水管ボイラ - Google Patents

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Yuji Yoshinari
佑治 吉成
Takashi Morimatsu
隆史 森松
Takashi Shindo
貴志 新藤
Osamu Tanaka
収 田中
Soji Sumi
宗司 角
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【課題】 水管ボイラの缶体において、高いボイラ効率を実現しつつ圧力損失を低く抑えるとともに、水管の熱負荷の均一化を図る。
【解決手段】 複数の第一水管3,3,…により構成され、隣接する前記各第一水管3間に所定範囲にわたって隙間5が形成された環状の第一水管列4と、この第一水管列4の内側に形成された燃焼室9と、前記第一水管列4の外側に設けられた壁部材11と、前記第一水管列4と前記壁部材11とにより形成されたガス流路13とを備え、前記各隙間5を前記第一水管列4の半径方向へ延長するように形成する
【選択図】 図2

Description

この発明は、貫流ボイラ,自然循環式水管ボイラ,強制循環式水管ボイラなどの水管ボイラの缶体構造に関するものである。
水管ボイラの缶体構造には、複数本の水管を環状に配置して内側水管列を形成し、この内側水管列の内側に燃焼室を形成し、前記内側水管列の外側にさらに複数本の水管を環状に配置して外側水管列を形成し、両水管列によりガス流路を形成したものがある。前記燃焼室内では、主に輻射伝熱が行われ、前記ガス流路では、主に対流伝熱が行われる。
前記水管ボイラでは、ボイラ効率の向上を図るために、前記各水管に伝熱フィンを設けて伝熱面積を増加させる対策が実施されている。具体的には、前記両水管列における前記ガス流路側の伝熱面に横ヒレ形状の伝熱フィンを多段に設けて、ボイラ効率の向上を図っている(たとえば、特公平6−13921号公報(米国特許第4825813号公報)参照)。
この構造の長所としては、前記伝熱フィンにより伝熱面積が増加してボイラ効率が向上するとともに、製造上の誤差によりボイラ効率が低くなることが少ないという長所がある。しかし、その反面、圧力損失が大きいという課題があり、大型の送風機を使用する必要があった。また、前記燃焼室から前記ガス流路へのガスの流入は、前記内側水管列に設けられた開口部を介して行われるが、この開口部が1箇所しかない場合、この開口部周辺の前記各水管の熱負荷が高くなるという課題があった。
特公平6−13921号公報(米国特許第4825813号公報)
この発明が解決しようとする課題は、水管ボイラの缶体において、高いボイラ効率を実現しつつ圧力損失を低く抑えるとともに、水管の熱負荷の均一化を図ることである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、複数の第一水管により構成され、隣接する前記各第一水管間に所定範囲にわたって隙間が形成された環状の第一水管列と、この第一水管列の内側に形成された燃焼室と、前記第一水管列の外側に設けられた壁部材と、前記第一水管列と前記壁部材とにより形成されたガス流路とを備え、前記各隙間を前記第一水管列の半径方向へ延長するように形成したことを特徴としている。
さらに、請求項2に記載の発明は、前記壁部材が、複数の第二水管により構成された環状の第二水管列であることを特徴としている。
この発明によれば、第一水管間の隙間を第一水管列の半径方向へ延長するように形成した構成により、各隙間における伝熱量が増加し、充分な伝熱量を得ることができるとともに、前記隙間が複数箇所形成されているので、圧力損失があまり大きくならず、高いボイラ効率と低い圧力損失とを両立することができる。すなわち、高いボイラ効率を実現しつつ圧力損失を低く抑えることができる。また、ガスが複数の前記各隙間からガス流路へ流入するため、伝熱量が前記各第一水管へ分散されて、前記各第一水管の熱負荷を均一化することができる。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、多管式の水管ボイラとして実施され、蒸気ボイラや温水ボイラのほか、熱媒を加熱する熱媒ボイラなどに適用される。
まず、第一の実施の形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。この第一の実施の形態は、この発明を多管式の貫流ボイラに適用した例である。
ボイラの缶体は、所定の距離を離して配置された上部管寄せ1および下部管寄せ2を備えている。これらの上部管寄せ1と下部管寄せ2との間には、複数の第一水管3,3,…が環状に配置されている。これらの各第一水管3は、環状の第一水管列4を形成し、前記各第一水管3の上下端部は、前記上部管寄せ1および前記下部管寄せ2にそれぞれ接続されている。前記第一水管列4は、隣接する前記各第一水管3間に隙間5,5,…がそれぞれ形成された隙間保有部6と、前記各第一水管3を第一連結ヒレ7,7,…で連結して構成した水管壁部8とにより構成されている。この第一実施例においては、前記隙間保有部6および前記水管壁部8は、それぞれ約1/2ずつに設定されている。
前記第一水管列4の内側には、燃焼室9が形成されている。この燃焼室9の上方には、バーナ10が取り付けられている。このバーナ10は、前記上部管寄せ1の内方中央部から前記燃焼室9へ向けて挿入されている。また、前記バーナ10には、燃焼用空気を供給するための送風機(図示省略)が接続されている。
前記第一水管列4の外側には、円筒状の壁部材11が設けられている。この壁部材11の上下端部は、前記上部管寄せ1および前記下部管寄せ2にそれぞれ接続されている。前記壁部材11は、その一部に開口部12を備えている。この開口部12は、前記隙間保有部6と約180度反対側の位置,すなわち前記水管壁部8と向かい合う位置に設けられている。
前記第一水管列4と前記壁部材11とにより、前記各隙間5から前記開口部12へ至るガス流路13,13が形成されている。この両ガス流路13は、前記各隙間5を介して前記燃焼室9と連通し、前記開口部12を介して煙道14と連通している。したがって、前記各隙間5からのガスは、前記両ガス流路13をそれぞれ流れ、前記開口部12にて合流し、前記煙道14から外部へ排出される。
前記壁部材11の外側には、断熱材15が設けられ、さらにその外側には、缶体カバー16が設けられている。
さて、前記各隙間5および前記両ガス流路13の構成について、さらに具体的に説明する。以下の説明においては、前記両ガス流路13は、前記各隙間5から前記開口部12へ至る流路としてほぼ対称となっているので、一方の前記ガス流路13について説明する。
まず、前記各隙間5について具体的に説明する。前記各第一水管3のうち、前記隙間保有部6を構成する第一水管3において、その横断面は、非円形状に形成されており、一対の向かい合う直線部(符号省略)と一対の向かい合う円弧部(符号省略)とからなり、前記各第一水管3は、前記各直線部が対面するように配置されている。すなわち、前記各隙間5は、前記第一水管列4の半径方向へ延長するように形成されており、前記各直線部により前記各隙間5におけるガスの流れ方向へ所定距離にわたってそれぞれ形成されている。この延長された前記各隙間5は、ガス流速を増加させる働きをなし、ガス流速が速く伝熱量の多い区間が、長くなるように構成されている。この第一の実施の形態においては、前記各第一水管3の横断面が、とうもろこしの実に類似した形状をしており、前記各隙間5は、前記第一水管列4の半径方向へ直線状に形成されている。
また、前記各隙間5においては、その幅を前記ガス流路13におけるガスの流れ方向の下流側のものほど小さく設定している。これは、下流側の前記隙間5ほど前記開口部12に近いため、ガスが流れやすく、ガス流量が大きくなる傾向があり、前記各隙間5におけるガス流量の偏りを抑制するためである。この構成により、前記各隙間5のガス流量をほぼ均等とすることができ、前記隙間保有部6における前記各第一水管3の熱負荷をほぼ均一とすることができる。この第一実施例においては、最も上流側の前記隙間5の幅を6mmとし、下流側へ向かって順に4mm,4mm,4mm,3mm,3mm,3mm,2mm,2mm,2mmとしている。
つぎに、前記ガス流路13について具体的に説明する。前記ガス流路13のうち前記所定範囲(すなわち、前記ガス流路13のうち前記隙間保有部6と前記壁部材11とにより形成された部分)の流路断面積をガスの流れ方向の下流側へ向かって次第に増加させた構成としている。すなわち、前記各第一水管3の外周面と前記壁部材11の内周面との距離A(図3参照)が、ガスの流れ方向の下流側へ向かって次第に増加している。
前記ガス流路13においては、前記各隙間5からのガスの合流により、前記ガス流路13を流れるガスの流量が増加する。また、伝熱によりガスの温度が低下し、それに伴うガスの体積減少によりガス流量が減少するが、合流によるガス流量の増加量の方が大きいため、全体としては、ガス流量は増加する。そこで、前記流路断面積を次第に増加させた構成とすることにより、前記ガス流路13のうち前記所定範囲を流れるガスの流速をほぼ一定とすることができ、充分な伝熱量が得られるとともに、圧力損失があまり大きくならない適切なガス流速を維持することができる。
ここにおいて、前記流路断面積を次第に増加させた構成は、たとえば前記第一水管列4と前記壁部材11とを互いに偏心させて配置することにより実現する。すなわち、前記第一水管列4を前記壁部材11に対して前記開口部12とは反対側へ偏心させるか,あるいは前記壁部材11を前記第一水管列4に対して前記開口部12側へ偏心させる。この第一実施例においては、後者の偏心構造としている。
さらに、前記第一水管列4における前記ガス流路13側の伝熱面構造について、具体的に説明する。前記第一水管列4においては、前記隙間保有部6における前記各第一水管3に横ヒレ形状の第一伝熱フィン18,18,…が多段に設けられており、前記水管壁部8における前記各第一水管3に横ヒレ形状の第二伝熱フィン19,19,…が多段に設けられている。これらの各伝熱フィン18,19は、前記各第一水管3の周面から前記ガス流路13へ向けて突出しており、ほぼ水平に設けられているので、伝熱量を増加させつつ、ガスの流通抵抗の増大を抑えることができる。そして、接触するガスの温度に応じて、前記各第一伝熱フィン18の突出高さより前記各第二伝熱フィン19の突出高さを高くしている。このように、前記第一水管列4は、2段階の伝熱面構造となっている。
ところで、この第一の実施の形態において、前記隙間保有部6における前記各第一水管3は、その横断面がとうもろこしの実に類似した形状となっており、前記水管壁部8における前記各第一水管3は、その横断面が円形状となっているが、実施に応じて、前記全第一水管3の横断面をとうもろこしの実に類似した形状とすることもできる。また、前記水管壁部8は、前記各第一連結ヒレ7を設けないで、前記各第一水管3を密接して構成することもできる。
また、前記隙間保有部6は、所定範囲に設けられるが、前記第一水管列4の中心角において、140度〜320度の範囲にわたって設けられ、好ましくは約180度の範囲にわたって設けられる。そして、前記各隙間の幅は、燃料がガス燃料の場合は、0.5〜3mmの範囲に設定され、燃料が油燃料の場合は、煤詰まりの防止を考慮して、1.5〜8mmの範囲に設定される。そして、実施に応じては、前記各隙間5の幅は、均等に設定することもできる。
以上の構成のボイラにおいて、その作用を説明する。前記バーナ10を作動させると、前記燃焼室9内で燃焼反応が行われ、燃焼反応により発生したガス(燃焼反応中のガスおよび燃焼反応が完了したガスを含む。)は、前記各隙間5から前記ガス流路13へ流入する。前記ガス流路13で合流したガスは、前記ガス流路13を流れ、前記開口部12から前記煙道14を通って排ガスとして外部へ排出される。この流れの過程で、ガスから前記各第一水管3内の被加熱流体への伝熱が行われ、前記燃焼室9内では、主に輻射伝熱が行われ、前記各隙間5および前記ガス流路13では、主に対流伝熱が行われる。そして、前記各第一水管3内の被加熱流体は、加熱されながら上昇し、前記上部管寄せ1から蒸気として取り出される。
前記各隙間5においては、前記各隙間5の働きにより、ガス流速が増加し、しかも流速
が増加した状態で流れる区間が長いため、前記各隙間5における伝熱量が格段に増加する。そして、前記隙間5が複数箇所形成されているので、圧力損失があまり大きくならない。また、前記各隙間5においては、前記各隙間5の幅が下流側のものほど小さく設定されているので、上流側の前記隙間5からも所定量のガスが流出し、前記各隙間5においてほぼ均等なガス流量となる。したがって、前記隙間保有部6における前記各第一水管3の熱負荷を均一化することができる。熱負荷に偏りがあると、熱負荷の高い前記第一水管3ほどその内面に伝熱阻害物質であるスケールが付着し、過熱されやすくなるが、熱負荷を均一化することにより、この問題を解消することができる。さらに、ガスが前記各隙間5を通過する際、燃焼反応中のガスが前記各第一水管3に接触して冷却され、燃焼温度が低下するため、サーマルNOxの発生が抑制され、NOxの排出量が低減される。
また、前記ガス流路13のうち前記所定範囲の流路断面積を次第に増加させた構成により、前記各隙間5からのガスの合流によるガス流量の増加に対応して、ガス流速がほぼ一定となる。したがって、前記ガス流路13のうち前記所定範囲において、充分な伝熱量が得られるとともに、圧力損失があまり大きくならない適切なガス流速を維持することができる。
以上のように、前記構成によれば、高いボイラ効率(熱回収率)と低い圧力損失とを両立することができる。高いボイラ効率を実現することができるので、燃料消費量を低減して、省エネルギーを実現することができる。また、圧力損失を低減することができるので、前記送風機として小型のものを用いることができ、電力消費量を大幅に低減することができる。
つぎに、前記各第一水管3の変形例について、図4および図5を参照しながら説明する。図4に示した第一変形例においては、前記各隙間5が形成された前記各第一水管3の横断面が略流線型形状となっており、そのガス流れ方向の下流端が隣接する前記第一水管3の周面に沿って曲がった形状となっている。すなわち、前記各隙間5は、円弧状に形成されている。この構成によれば、前記各隙間5の流路長さを非常に長く設定することができる。また、前記各隙間5は、前記ガス流路13におけるガスの流れ方向下流側を向くように、前記第一水管列4の半径方向に対して傾斜して形成されているので、ガスが前記各隙間5から前記ガス流路13へ流入する際の圧力損失を低く抑えることができる。そして、ガスは、前記各隙間5から前記ガス流路13へ流入後、下流側の前記各第一水管3の周面全体に沿うように流れ、伝熱量が増加する。
また、図5に示した第二変形例においては、前記各隙間5が形成された前記各第一水管3の横断面が楕円形状となっており、その長軸が前記第一水管列4の半径方向へ向くように配置されている。すなわち、前記各隙間5は、ディフューザ状に形成されている。この構成によれば、前記各隙間5の下流側で静圧を回復させることができ、圧力損失低減の効果がある。
つぎに、第二の実施の形態について、図6〜図8を参照しながら説明する。この第二の実施の形態も前記第一の実施の形態と同様、この発明を多管式の貫流ボイラに適用した例である。ここにおいて、前記第一の実施の形態と同様の構成部材については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
さて、この第二の実施の形態は、前記壁部材11として、環状の第二水管列20を配置している。すなわち、前記第一水管列4の外側に前記第二水管列20を配置し、二重水管列構造としている。前記第一水管列4は、前記第一の実施の形態と同様の構成をしており、前記隙間保有部6および前記水管壁部8が、それぞれ約1/2ずつに設定されている。
前記第二水管列20は、複数の第二水管21を環状に配置して形成されている。この各第二水管21は、横断面が円形状をしており、第二連結ヒレ22,22,…でそれぞれ連結されている。前記各第二水管21の上下端部は、前記上部管寄せ1および前記下部管寄せ2にそれぞれ接続されている。また、前記第二水管列20は、その一部に前記開口部12を備えている。前記開口部12は、前記隙間保有部6と約180度反対側の位置,すなわち前記水管壁部8と向かい合う位置に設けられている。また、前記各第一水管3と前記各第二水管21とは、周方向へ半ピッチずつずらした状態で配置されている。
前記第一水管列4と前記第二水管列20とにより、前記各隙間5から前記開口部12へ至る前記ガス流路13,13が形成されている。前記両ガス流路13は、前記各隙間5を介して前記燃焼室9と連通し、前記開口部12を介して前記煙道14と連通している。したがって、前記各隙間5からのガスは、前記両ガス流路13をそれぞれ流れ、前記開口部12にて合流し、前記煙道14から外部へ排出される。
前記第二水管列20の外側には、前記断熱材15が設けられ、さらにその外側には、前記缶体カバー16が設けられている。
また、前記各隙間5および前記両ガス流路13の具体的構成は、前記第一の実施の形態と同様であり、以下のようになっている。以下の説明においては、前記両ガス流路13は、前記各隙間5から前記開口部12へ至る流路としてほぼ対称となっているので、一方の前記ガス流路13について説明する。
まず、前記各隙間5について具体的に説明する。前記第一の実施の形態と同様、前記各隙間5が形成された前記各第一水管3の横断面が、とうもろこしの実に類似した形状をしており、前記各隙間5は、前記第一水管列4の半径方向へ直線状に形成されている。ここにおいて、前記各第一水管3は、図4または図5に示した変形例の形状とすることもできる。
また、前記各隙間5においては、その幅を前記ガス流路13におけるガスの流れ方向の下流側のものほど小さく設定している。これは、下流側の前記隙間5ほど前記開口部12に近いため、ガスが流れやすく、ガス流量が大きくなる傾向があり、前記各隙間5におけるガス流量の偏りを抑制するためである。この構成により、前記各隙間5のガス流量をほぼ均等とすることができ、前記隙間保有部6における前記各第一水管3の熱負荷をほぼ均一とすることができる。この第二実施例においても、最も上流側の前記隙間5の幅を6mmとし、下流側へ向かって順に4mm,4mm,4mm,3mm,3mm,3mm,2mm,2mm,2mmとしている。
つぎに、前記ガス流路13について具体的に説明する。前記ガス流路13のうち前記所定範囲の流路断面積をガスの流れ方向の下流側へ向かって次第に増加させた構成としている。すなわち、前記各第一水管3の外周面と前記第二水管列20の内側(前記各第二水管21の外周面に接する弧線X(二点鎖線で表示))との距離B(図8参照)が、ガスの流れ方向の下流側へ向かって次第に増加している。
前記ガス流路13においては、前記各隙間5からのガスの合流により、前記ガス流路13を流れるガスの流量が増加する。また、伝熱によりガスの温度が低下し、それに伴うガスの体積減少によりガス流量が減少するが、合流によるガス流量の増加量の方が大きいため、全体としては、ガス流量は増加する。そこで、前記流路断面積を次第に増加させた構成とすることにより、前記ガス流路13のうち前記所定範囲を流れるガスの流速をほぼ一定とすることができ、充分な伝熱量が得られるとともに、圧力損失があまり大きくならない適切なガス流速を維持することができる。
ここにおいて、前記流路断面積を次第に増加させた構成は、たとえば前記両水管列4,20を互いに偏心させて配置することにより実現する。すなわち、前記第一水管列4を前記第二水管列20に対して前記開口部12とは反対側へ偏心させるか,あるいは前記第二水管列20を前記第一水管列4に対して前記開口部12側へ偏心させる。この第二の実施の形態においては、後者の偏心構造としている。
さらに、前記両水管列4,20における前記ガス流路13側の伝熱面構造について、具体的に説明する。前記第一水管列4においては、前記第一の実施の形態と同様、前記隙間保有部6における前記各第一水管3に横ヒレ形状の前記各第一伝熱フィン18が多段に設けられており、前記水管壁部8における前記各第一水管3に横ヒレ形状の前記各第二伝熱フィン19が多段に設けられている。前記各伝熱フィン18,19は、前記各第一水管3の周面から前記ガス流路13へ向けて突出しており、ほぼ水平に設けられているので、伝熱量を増加させつつ、ガスの流通抵抗の増大を抑えることができる。そして、接触するガスの温度に応じて、前記各第一伝熱フィン18の突出高さより前記各第二伝熱フィン19の突出高さを高くしている。このように、前記第一水管列4は、2段階の伝熱面構造となっている。
また、前記第二水管列20においては、上流側から順に、伝熱フィンを備えていない前記第二水管21からなる伝熱面,横ヒレ形状の第三伝熱フィン23,23,…が多段に設けられた前記第二水管21からなる伝熱面,横ヒレ形状の第四伝熱フィン24,24,…が多段に設けられた前記第二水管21からなる伝熱面が設けられており、3段階の伝熱面構造となっている。これらの各伝熱フィン23,24は、前記各第二水管21の周面から前記ガス流路13へ向けて突出しており、ほぼ水平に設けられているので、伝熱量を増加させつつ、ガスの流通抵抗の増大を抑えることができる。そして、接触するガスの温度に応じて、前記各第三伝熱フィン23の突出高さより前記各第四伝熱フィン24の突出高さを高くしている。
以上の構成のボイラにおいて、その作用を説明する。前記バーナ10を作動させると、前記燃焼室9内で燃焼反応が行われ、燃焼反応により発生したガス(燃焼反応中のガスおよび燃焼反応が完了したガスを含む。)は、前記各隙間5から前記ガス流路13へ流入する。前記ガス流路13で合流したガスは、前記ガス流路13を流れ、前記開口部12から前記煙道14を通って排ガスとして外部へ排出される。この流れの過程で、ガスから前記各水管3,21内の被加熱流体への伝熱が行われ、前記燃焼室9内では、主に輻射伝熱が行われ、前記各隙間5および前記ガス流路13では、主に対流伝熱が行われる。そして、前記各水管3,21内の被加熱流体は、加熱されながら上昇し、前記上部管寄せ1から蒸気として取り出される。
前記各隙間5においてはガス流速が増加し、しかも流速が増加した状態で流れる区間が長いため、前記各隙間5における伝熱量が格段に増加する。そして、前記隙間5が複数箇所形成されているので、圧力損失があまり大きくならない。また、前記各隙間5においては、前記各隙間5の幅が下流側のものほど小さく設定されているので、上流側の前記隙間5からも所定量のガスが流出し、前記各隙間5においてほぼ均等なガス流量となる。したがって、前記隙間保有部6における前記各第一水管3の熱負荷を均一化することができる。熱負荷に偏りがあると、熱負荷の高い前記第一水管3ほどその内面に伝熱阻害物質であるスケールが付着し、過熱されやすくなるが、熱負荷を均一化することにより、この問題を解消することができる。また、ガスが前記各隙間5を通過する際、燃焼反応中のガスが前記各第一水管3に接触して冷却され、燃焼温度が低下するため、サーマルNOxの発生が抑制され、NOxの排出量が低減される。
また、前記ガス流路13のうち前記所定範囲の流路断面積を次第に増加させた構成により、前記各隙間5からのガスの合流によるガス流量の増加に対応して、ガス流速がほぼ一定となる。したがって、前記ガス流路13のうち前記所定範囲において、充分な伝熱量が得られるとともに、圧力損失があまり大きくならない適切なガス流速を維持することができる。この第二の実施の形態では、前記ガス流路13におけるガス流速は約20m/sであり、缶体全体の圧力損失は約300mmAqであり、ボイラ効率は約90%である。
以上のように、前記構成によれば、高いボイラ効率と低い圧力損失とを両立することができる。高いボイラ効率を実現することができるので、燃料消費量を低減して、省エネルギーを実現することができる。また、前記圧力損失は、従来のものと比較して約40%低減されており、前記送風機として小型のものを用いることができるため、電力消費量を大幅に低減することができる。
以上の各実施の形態は、前記各隙間5からのガスが前記両ガス流路13をそれぞれ流れる缶体について説明したが、この発明は、たとえば米国特許第4257358号公報の図1および図2に記載されているように、ガスが一方向へ前記ガス流路13をほぼ一周するように流れる缶体にも適用することができる。
この発明における第一の実施の形態の縦断面説明図である。 図1のII−II線に沿う横断面説明図である。 図2の要部を拡大して示す横断面説明図である。 第一水管の第一変形例を示す横断面説明図である。 第一水管の第二変形例を示す横断面説明図である。 この発明における第二の実施の形態の縦断面説明図である。 図6のVII−VII線に沿う横断面説明図である。 図7の要部を拡大して示す横断面説明図である。
符号の説明
3 第一水管
4 第一水管列
5 隙間
9 燃焼室
11 壁部材
13 ガス流路
20 第二水管列
21 第二水管

Claims (2)

  1. 複数の第一水管3,3,…により構成され、隣接する前記各第一水管3間に所定範囲にわたって隙間5が形成された環状の第一水管列4と、この第一水管列4の内側に形成された燃焼室9と、前記第一水管列4の外側に設けられた壁部材11と、前記第一水管列4と前記壁部材11とにより形成されたガス流路13とを備え、前記各隙間5にガス流速を増加させる狭隘部17,17,…を前記各隙間5におけるガスの流れ方向へ所定距離にわたって形成したことを特徴とする水管ボイラ。
  2. 前記壁部材11が、複数の第二水管21,21,…により構成された環状の第二水管列20であることを特徴とする請求項1に記載の水管ボイラ。

JP2004088159A 2004-03-25 2004-03-25 水管ボイラ Pending JP2005274023A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157497A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Miura Co Ltd バーナおよびボイラ
EP3159520A4 (en) * 2014-06-20 2017-07-26 Yanmar Co., Ltd. Radiant heat recovery heater, and stirling engine and combustion furnace using radiant heat recovery heater
WO2022208969A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 三浦工業株式会社 ガスバーナ及びボイラ

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