JP2005272745A - 光輝性塗料組成物、光輝性塗膜形成方法および光輝性塗装物 - Google Patents
光輝性塗料組成物、光輝性塗膜形成方法および光輝性塗装物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】試験板をほぼ真正面(ハイライト部)から見た場合と斜めに(シェード部)見た場合とで色が異なって見える二色性があり、強い光輝感のある光輝性塗膜を形成することができる光輝性塗料、光輝性塗膜形成方法および光輝性塗装物を提供すること。
【解決手段】ビヒクル、着色アルミニウムフレーク(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)を含有する塗料組成物であって、前記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、マンセル色相環100に対し前記着色アルミニウムフレーク顔料(B)の色相Hbを0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、+30〜+50または−30〜−50の色相範囲にある光輝性塗料組成物、この塗料を用いて形成する光輝性塗膜形成方法、および光輝性塗装物。
【選択図】なし
【解決手段】ビヒクル、着色アルミニウムフレーク(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)を含有する塗料組成物であって、前記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、マンセル色相環100に対し前記着色アルミニウムフレーク顔料(B)の色相Hbを0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、+30〜+50または−30〜−50の色相範囲にある光輝性塗料組成物、この塗料を用いて形成する光輝性塗膜形成方法、および光輝性塗装物。
【選択図】なし
Description
本発明は、光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および該方法により塗装された光輝性塗装物に関する。
自動車車体、アルミニウムホイール等の自動車部品には高い意匠性が必要とされ、光輝性材料を含有する光輝性塗料組成物を用いた塗膜が必要とされており、このような光輝性材料の1つとして、着色アルミニウムフレーク顔料が知られている。この着色アルミニウムフレーク顔料は、アルミニウムフレーク顔料に着色顔料を被覆したものであるが、塗料中にアルミニウムフレーク顔料と着色顔料を別々に併用する場合に比べて、強い光輝感と着色感のある光輝性塗膜を得ることができる。
特許文献1には、ビヒクル、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および、着色アルミニウムフレーク顔料を含有する塗料組成物であって、上記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料のマンセル表示系における色相Hが、マンセル色相環100に対し上記着色アルミニウムフレーク顔料の色相を0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に+30〜+50、または−30〜−50の色相範囲にある、「多方面反射によるキラキラした光輝感」に加えて、「立体感」を発現する複合塗膜が得られる光輝性塗料組成物が記載されている。
また、特許文献2には、りん片状アルミニウム、りん片状着色アルミニウムおよび非光輝性着色顔料を含み、かつ該りん片状着色アルミニウムと該非光輝性着色顔料とは非同系色である、「多色性でかつ光輝性」の塗膜を形成するメタリック塗料が記載されている。
また、特許文献2には、りん片状アルミニウム、りん片状着色アルミニウムおよび非光輝性着色顔料を含み、かつ該りん片状着色アルミニウムと該非光輝性着色顔料とは非同系色である、「多色性でかつ光輝性」の塗膜を形成するメタリック塗料が記載されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2における塗膜は、多方面反射による光輝感を呈するが、二色性についての記載はない。
また特許文献2のメタリック塗料では、りん片状着色アルミニウムと非光輝性着色顔料とが非同系色であり、りん片状着色アルミニウムの有する輝度感が、併用する非光輝性着色顔料により低下させられ、光輝感は十分ではない。
また特許文献2のメタリック塗料では、りん片状着色アルミニウムと非光輝性着色顔料とが非同系色であり、りん片状着色アルミニウムの有する輝度感が、併用する非光輝性着色顔料により低下させられ、光輝感は十分ではない。
本発明の目的は、試験板をほぼ真正面(ハイライト部)から見た場合と斜め(シェード部)から見た場合とで色が異なって見える二色性があり、かつ、強い光輝感のある光輝性塗膜を形成することができる光輝性塗料、光輝性塗膜形成方法および光輝性塗装物を提供することにある。
本発明者は、マンセル表示系における色相Ha、Hbが特定の関係にある、2種類の異色の着色アルミニウムフレーク顔料を使用することにより、上記課題が達成されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ビヒクル、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)を含有する塗料組成物であって、上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、マンセル色相環100に対し上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)の色相Hbを0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、+30〜+50または−30〜−50の色相範囲にある光輝性塗料組成物を提供するものである。
上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、+35〜+50、または−35〜+50の色相範囲にあることが好ましく、上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)と上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)との混合質量比は90/10〜10/90であることが好ましい。
また、本発明は、基材に、上記の光輝性塗料組成物を用いて光輝性ベース塗膜を形成した後、クリヤー塗料を用いてクリヤートップ塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法を提供し、該塗膜形成方法により塗装された光輝性塗装物を提供する。
上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、+35〜+50、または−35〜+50の色相範囲にあることが好ましく、上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)と上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)との混合質量比は90/10〜10/90であることが好ましい。
また、本発明は、基材に、上記の光輝性塗料組成物を用いて光輝性ベース塗膜を形成した後、クリヤー塗料を用いてクリヤートップ塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法を提供し、該塗膜形成方法により塗装された光輝性塗装物を提供する。
本発明により、特定の色相差を有する着色アルミニウムフレーク顔料(A)と着色アルミニウムフレーク顔料(B)とを含有させた塗料組成物とすることによって、塗膜を見る角度によって色相の異なる二色性を発現させる(顔料(A)に基づく色、および顔料(B)に基づく色が見える)ことが可能となり、かつ、アルミニウムフレーク顔料同士の組み合わせなので光輝感が強く、極めて高級感のある光輝感が得られる塗膜を形成することができるようになった。
以下、本発明について詳述する。
[光輝性塗料組成物]
本発明の光輝性塗料組成物は、ビヒクル、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)を含有する塗料組成物であって、上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、マンセル色相環100に対し上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)の色相Hbを0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、+30〜+50または−30〜−50の色相範囲にあるものである。
なお、もとより、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、着色アルミニウムフレーク顔料(B)とは、それぞれ決まった色相のものではなく、マンセル表示系における色相Ha、Hbが特定の関係にある、任意の2種類の異なる色相をとり得る。
[光輝性塗料組成物]
本発明の光輝性塗料組成物は、ビヒクル、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)を含有する塗料組成物であって、上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、マンセル色相環100に対し上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)の色相Hbを0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、+30〜+50または−30〜−50の色相範囲にあるものである。
なお、もとより、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、着色アルミニウムフレーク顔料(B)とは、それぞれ決まった色相のものではなく、マンセル表示系における色相Ha、Hbが特定の関係にある、任意の2種類の異なる色相をとり得る。
本発明の光輝性塗料組成物に含まれるビヒクルは、後述する着色アルミニウムフレーク顔料を分散させるものであって、塗膜形成用樹脂と必要に応じて架橋剤とから構成される。
上記ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。これらは、2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。これらは、2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプとがあるが、通常、耐久性が良好なために硬化性を有するタイプのものが好ましく使用される。硬化性を有するタイプの場合には、(メラミン樹脂などの)アミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して使用に供され、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないタイプの塗膜形成用樹脂を、硬化性を有するタイプと併用することも可能である。
上記(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、などがある。これらと共重合可能な他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニルなどがある。
上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸等が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコール等が挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
上記(c)アルキド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて変性させて得られたアルキド樹脂を用いることができる。
上記(d)フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなる単量体を共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
上記(e)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、F等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも、シェルケミカル社製)等が挙げられ、またこれらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
上記(f)ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とによって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(4,4'−MDI)、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネート(2,4'−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
上記(g)ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテルもしくはビスフェノールAあるいはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂を、または上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げることができる。
上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸等が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコール等が挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
上記(c)アルキド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて変性させて得られたアルキド樹脂を用いることができる。
上記(d)フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなる単量体を共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
上記(e)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、F等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも、シェルケミカル社製)等が挙げられ、またこれらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
上記(f)ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とによって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(4,4'−MDI)、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネート(2,4'−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
上記(g)ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテルもしくはビスフェノールAあるいはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂を、または上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げることができる。
上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤の割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
本発明の光輝性塗料組成物に含まれる着色アルミニウムフレーク顔料(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)は、上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、マンセル色相環100に対し上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)の色相Hbを0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、+30〜+50または−30〜−50の色相範囲にある2種類の異色の着色アルミニウムフレーク顔料である。好ましくは+35〜+50、または−35〜+50の色相範囲に設定することにより、二色性が一段と強い光輝感を発現することが可能となる。
上記着色アルミニウムフレーク顔料は、基体のアルミニウムフレークに、有機着色顔料または無機着色顔料を薄片状にコーティングしたアルミニウムフレーク顔料である。例えばその粒径範囲が1〜100μm、好ましくは1〜70μmであり、平均粒径5〜30μm、厚み0.1〜1.5μmの範囲にあるフレーク状のものを用いることができる。上記着色アルミニウムフレーク顔料は、コーティングする着色顔料の種類・量(被覆厚)を変化させることで、所望の色相を任意に得ることができる。
基体のアルミニウムフレークをコーティングする有機顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、ベリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、例えば、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)の光輝性塗料組成物における総含有量(塗料固形分100質量部に対する顔料の固形分質量部割合:PWC)は、1〜20%が好ましく、2〜15%がより好ましく、3%〜10%がさらに好ましい。20%を超えると塗膜外観が低下し、1%を下回ると二色性の光輝感が低下する。
本発明の光輝性塗料組成物における上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)/上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)との混合質量比は、90/10〜10/90が好ましく、より好ましくは70/30〜10/90の範囲である。上記比率がこの範囲を外れると二色性の光輝感が低下する恐れがある。
本発明の光輝性塗料組成物における上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)/上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)との混合質量比は、90/10〜10/90が好ましく、より好ましくは70/30〜10/90の範囲である。上記比率がこの範囲を外れると二色性の光輝感が低下する恐れがある。
本発明の光輝性塗料組成物は、上記着色アルミニウムフレーク顔料以外のその他の光輝性顔料として、従来から塗料用として常用されているものを含有することができる。このようなものとして、例えば、アルミニウムフレーク顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、金属チタンフレーク、グラファイト、ステンレスフレーク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレーク、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、ホログラム顔料、コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、または金属めっきガラスフレーク等を挙げることができる。
上記その他の光輝性顔料は、着色アルミニウムフレーク顔料の二色性の効果を妨げない範囲の任意の添加量で、含有することができる。
さらに、マンセル表示系における色相Haが特定の関係にある上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)、(B)以外の任意の他の色相の着色アルミニウムフレーク顔料の1種以上を、顔料(A)、(B)による二色性の効果を妨げない範囲の任意の添加量で含有することも可能である。
また、各種体質顔料等も顔料(A)、(B)による二色性の効果を妨げない範囲であれば少量を併用することができる。
上記その他の光輝性顔料は、着色アルミニウムフレーク顔料の二色性の効果を妨げない範囲の任意の添加量で、含有することができる。
さらに、マンセル表示系における色相Haが特定の関係にある上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)、(B)以外の任意の他の色相の着色アルミニウムフレーク顔料の1種以上を、顔料(A)、(B)による二色性の効果を妨げない範囲の任意の添加量で含有することも可能である。
また、各種体質顔料等も顔料(A)、(B)による二色性の効果を妨げない範囲であれば少量を併用することができる。
本発明の光輝性塗料組成物は、着色顔料を含有することができる。このようなものとして、アルミニウムフレークをコーティングするための顔料として上述した有機顔料や無機顔料を挙げることができる。着色顔料の添加量は、着色アルミニウムフレーク顔料の二色性の効果を妨げない限り、色相に合わせて任意に設定できる。また各種体質顔料等を併用することができる。なお、上記その他の光輝性顔料、着色顔料および他の色相の着色アルミニウムフレーク顔料等を用いる場合、これら顔料と上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)、(B)とを含めた顔料全体としての総含有量(PWC)は、50%未満が好ましく、30%未満がより好ましい。50%を超えると塗膜外観が低下する。
本発明の光輝性塗料組成物は、上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックス等の沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加することができる。これらの添加剤は、通常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して15質量部以下の割合で配合することにより、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
本発明の光輝性塗料組成物は、上記構成成分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供される。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するものであればよく、有機溶剤および/または水を使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられるものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエテルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
[光輝性塗膜形成方法]
本発明の光輝性塗膜形成方法は、上記光輝性塗料組成物を基材上に塗布して、光輝性ベース塗膜を形成した後、このようにして得られた光輝性塗膜上にクリヤートップ塗膜として少なくとも一層のクリヤー塗料を塗布して、クリヤートップ塗膜を形成するものである。
本発明の光輝性塗膜形成方法は、上記光輝性塗料組成物を基材上に塗布して、光輝性ベース塗膜を形成した後、このようにして得られた光輝性塗膜上にクリヤートップ塗膜として少なくとも一層のクリヤー塗料を塗布して、クリヤートップ塗膜を形成するものである。
上記基材としては、限定されるものでなく、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等が挙げられる。
本発明の塗膜形成方法においては、上記基材に直接または下地塗膜を介して本発明の光輝性塗料組成物を塗装するが、本発明の塗膜形成方法により塗装された塗装物が自動車車体および部品の場合は、予め化成処理、電着塗装等による下塗り塗装、中塗り塗装等を施しておくのが好ましい。
上記中塗り塗装は、下地の隠蔽、耐チッピング性の付与および上塗りとの密着性確保の他、必要に応じて、上塗りとの複合色を発現し、意匠性を高めるために行われるもので、グレー色系の中塗り塗料またはカラー中塗り塗料等を用いて、塗膜を形成するものである。
本発明の塗膜形成方法においては、上記基材に直接または下地塗膜を介して本発明の光輝性塗料組成物を塗装するが、本発明の塗膜形成方法により塗装された塗装物が自動車車体および部品の場合は、予め化成処理、電着塗装等による下塗り塗装、中塗り塗装等を施しておくのが好ましい。
上記中塗り塗装は、下地の隠蔽、耐チッピング性の付与および上塗りとの密着性確保の他、必要に応じて、上塗りとの複合色を発現し、意匠性を高めるために行われるもので、グレー色系の中塗り塗料またはカラー中塗り塗料等を用いて、塗膜を形成するものである。
本発明の塗膜形成方法においては、まず上記基材に上記光輝性塗料組成物を光輝性ベース塗膜として塗装する。上記基材が下塗り、中塗り塗料等により下地塗装をした物である場合には、下地塗膜の上にウェットオンウェット(W/W)法、またはウェットオンドライ(W/D)法により上記光輝性塗料組成物を塗装することができる。W/W法とは下地塗装をした後、風乾等により乾燥し、未硬化状態または半硬化状態の下地塗膜に塗装する方法であり、これに対して、W/D法とは下地塗膜を焼き付けて硬化させた下地塗膜に塗装する方法である。ここで、上記光輝性ベース塗膜の乾燥膜厚は、10〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。(以下、塗膜の膜厚は、自動車車体または自動車部品等の場合について例示する。)
光輝性塗料組成物を基材上に塗装する方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が好ましく、また、複数回塗装することも可能である。
光輝性塗料組成物を基材上に塗装する方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が好ましく、また、複数回塗装することも可能である。
このようにして形成された光輝性ベース塗膜上にクリヤートップ塗膜として、クリヤー塗膜を少なくとも1層形成する。上記光輝性ベース塗膜中に光輝性顔料が多い場合に、クリヤー塗料を2層以上塗装すると、表面の光輝感を向上させることができる。
本発明の光輝性塗膜形成方法で用いられるクリヤートップ塗料としては、上塗り用として一般に使用されているものを用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの変性樹脂等から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と前述の架橋剤とを混合したものを用いることができるが、特公平8−19315号公報に記載されたカルボシキル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料が、耐酸性雨対策という観点から好ましく用いられる。また、これらのクリヤー塗料は、必要に応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、体質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能である。
本発明の塗膜上へのクリヤー塗料の塗装は、上記光輝性ベース塗膜、および必要に応じて中塗り塗料から形成された層を同時に硬化させてから行うことができるが、未硬化状態または半硬化状態の上記光輝性ベース塗膜に対してはW/W法を用いることが好ましい。また、クリヤー塗料を複数回塗装する場合には、最終のクリヤー塗料を塗装した後で同時に焼き付ければよく、初期にクリヤー塗料を塗装した段階では完全に硬化させなくてもよい。このようにW/W法により形成するクリヤートップ塗膜は、光輝性ベース塗膜、および必要に応じて下地塗膜とともに、120〜160℃で所定時間焼き付けることで、塗膜を得ることができる。
なお、クリヤートップ塗膜の乾燥膜厚は1コートにつき10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
なお、クリヤートップ塗膜の乾燥膜厚は1コートにつき10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
[光輝性塗装物]
本発明の光輝性塗装物は、上述した光輝性塗膜形成方法によって得られる。この光輝性塗装物では基材に、ビヒクル、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)を含有する塗料組成物であって、上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、マンセル色相環100に対し上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)の色相Hbを0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、+30〜+50または−30〜−50の色相範囲にある光輝性塗料組により光輝性ベース塗膜、さらにその上に上記トップクリヤー塗膜が形成されている。
上記光輝性ベース塗膜の乾燥膜厚は、10〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。上記クリヤートップ塗膜の乾燥膜厚は1コートにつき10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
本発明の光輝性塗装物は、上述した光輝性塗膜形成方法によって得られる。この光輝性塗装物では基材に、ビヒクル、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)を含有する塗料組成物であって、上記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、マンセル色相環100に対し上記着色アルミニウムフレーク顔料(B)の色相Hbを0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、+30〜+50または−30〜−50の色相範囲にある光輝性塗料組により光輝性ベース塗膜、さらにその上に上記トップクリヤー塗膜が形成されている。
上記光輝性ベース塗膜の乾燥膜厚は、10〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。上記クリヤートップ塗膜の乾燥膜厚は1コートにつき10〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
次に、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのないかぎり質量部を表す。
実施例1〜9、比較例1〜3
[基材の調製]
ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付けた後、中塗り塗料(「オルガS−90シーラーグレー(N−6)」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けて中塗り塗膜を形成し、基材とした。
[基材の調製]
ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付けた後、中塗り塗料(「オルガS−90シーラーグレー(N−6)」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けて中塗り塗膜を形成し、基材とした。
[光輝性塗料組成物の調製]
アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、水酸基価45、酸価15、固形分50質量%)と、メラミン樹脂(商品名,「ユーバン20SE」、三井化学社製、固形分60質量%)とを80:20の固形分質量比で配合して得たビヒクルに対し、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、着色アルミニウムフレーク顔料(B)、および必要により着色顔料を、表1に示す種類、配合量で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの質量比=70/15/10/5)を加えて、攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し、光輝性塗料組成物を調製した。
アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、水酸基価45、酸価15、固形分50質量%)と、メラミン樹脂(商品名,「ユーバン20SE」、三井化学社製、固形分60質量%)とを80:20の固形分質量比で配合して得たビヒクルに対し、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、着色アルミニウムフレーク顔料(B)、および必要により着色顔料を、表1に示す種類、配合量で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの質量比=70/15/10/5)を加えて、攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し、光輝性塗料組成物を調製した。
[光輝性塗膜の形成]
基材の被塗面に、先に得た光輝性塗料組成物を乾燥膜厚が15μmになるように塗装した。塗装は静電塗装機(「Auto REA」、ABBインダストリー社製)を用い、霧化圧2.8kg/cm2で行った。塗装中のブースの雰囲気は温度25℃、湿度75%に保持した。塗装後3分間セッティングし、クリヤー塗料を乾燥膜厚が35μmになるように塗装し、室温で10分間セッティングし、140℃の温度で30分間焼き付けた。得られた塗膜の二色性および意匠性を下記評価方法で評価した。使用したクリヤー塗料は、アクリル/メラミン樹脂系クリヤー塗料1(商品名:「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント社製)または、カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料2(「マックフローO−520クリヤー」、日本ペイント社製)の2種類である。
評価結果を表1に示す。
基材の被塗面に、先に得た光輝性塗料組成物を乾燥膜厚が15μmになるように塗装した。塗装は静電塗装機(「Auto REA」、ABBインダストリー社製)を用い、霧化圧2.8kg/cm2で行った。塗装中のブースの雰囲気は温度25℃、湿度75%に保持した。塗装後3分間セッティングし、クリヤー塗料を乾燥膜厚が35μmになるように塗装し、室温で10分間セッティングし、140℃の温度で30分間焼き付けた。得られた塗膜の二色性および意匠性を下記評価方法で評価した。使用したクリヤー塗料は、アクリル/メラミン樹脂系クリヤー塗料1(商品名:「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント社製)または、カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料2(「マックフローO−520クリヤー」、日本ペイント社製)の2種類である。
評価結果を表1に示す。
[評価方法]
二色性:試験板をほぼ真正面(ハイライト部)から見た場合と斜め(シェード部)に見た場合とで色が異なって見えるか否かを目視で評価した。
3…顕著に異なって見える
2…異なって見える
1…殆ど異なって見えない
意匠性:光輝感を目視で評価した。
3…光輝感が顕著にある
2…光輝感がある
1…光輝感が少ない
二色性:試験板をほぼ真正面(ハイライト部)から見た場合と斜め(シェード部)に見た場合とで色が異なって見えるか否かを目視で評価した。
3…顕著に異なって見える
2…異なって見える
1…殆ど異なって見えない
意匠性:光輝感を目視で評価した。
3…光輝感が顕著にある
2…光輝感がある
1…光輝感が少ない
表1の結果から明らかなように、本実施例1〜9は、本発明の光輝性ベース塗料を用いた塗膜形成方法により塗膜を形成したもので、二色性および強い光輝感を呈する光輝性塗膜を得ることができた。一方、比較例1〜3は、目的の意匠を発現しない結果となった。
本発明により得られる光輝性塗膜は上記の優れた意匠感を呈するため、自動車、二輪車等の乗物外板、各種部品、容器外面、コイルコーティング、および家電等の光輝性が要求される分野において好ましく使用される。
Claims (5)
- ビヒクル、着色アルミニウムフレーク顔料(A)、および着色アルミニウムフレーク顔料(B)を含有する塗料組成物であって、前記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、マンセル色相環100に対し前記着色アルミニウムフレーク顔料(B)の色相Hbを0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、+30〜+50または−30〜−50の色相範囲にあることを特徴とする光輝性塗料組成物。
- 前記着色アルミニウムフレーク顔料(A)のマンセル表示系における色相Haが、+35〜+50、または−35〜+50の色相範囲にあることを特徴とする請求項1記載の光輝性塗料組成物。
- 前記着色アルミニウムフレーク顔料(A)と前記着色アルミニウムフレーク顔料(B)との混合質量比が90/10〜10/90であることを特徴とする請求項1または2記載の光輝性塗料組成物。
- 基材に、請求項1から3いずれか1項記載の光輝性塗料組成物を用いて光輝性ベース塗膜を形成した後、クリヤー塗料を用いてクリヤートップ塗膜を形成することを特徴とする光輝性塗膜形成方法。
- 請求項4記載の光輝性塗膜形成方法により塗装されたことを特徴とする光輝性塗装物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010209167A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Basf Coatings Japan Ltd | 塗料組成物、それを用いた塗膜形成方法及び塗膜 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0570719A (ja) * | 1991-09-17 | 1993-03-23 | Kansai Paint Co Ltd | メタリツク塗料とその塗装法 |
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-
2004
- 2004-03-26 JP JP2004091031A patent/JP2005272745A/ja active Pending
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