JP2005271973A - ボトル缶およびキャップ付ボトル缶 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 缶軸方向上端部にキャップ20が螺着される口金部11を備えるとともに、大径の胴部12と、胴部12の缶軸方向上端部に連設され缶軸方向上方向かうに従い径方向内方に向かって延びる肩部13とを備えるボトル缶10であって、口金部11と肩部13との間に、缶軸方向に15mm以上50mm以下の長さで延在する首部14を備え、首部14の外径は、肩部13の缶軸方向上端部における外径以下とされている。
【選択図】 図1
Description
このように構成されたキャップ付ボトル缶を開栓するに際しては、製品の購入者は、キャップおよびボトル缶胴部を左右の手それぞれで把持して、これらを缶軸回りに互いが逆向きに移動するように回動させるが、ボトル缶胴部の把持は、この胴部の中でも肉厚が最も薄くなる缶軸方向上部を親指と人差し指とで狭持するのが一般的である。
請求項1に係る発明は、缶軸方向上端部にキャップが螺着される口金部を備えるとともに、大径の胴部と、該胴部の缶軸方向上端部に連設され缶軸方向上方へ向かうに従い径方向内方に向かって延びる肩部とを備えるボトル缶であって、前記口金部と前記肩部との間に、缶軸方向に15mm以上50mm以下の長さで延在する首部を備え、該首部の外径は、前記肩部の缶軸方向上端部における外径以下とされていることを特徴とする。
なお、このボトル缶は、金属板にDI加工を施して形成した有底筒状体を用いて形成されると好ましい。
ここで、このボトル缶を前記有底筒状体に基づいて形成すると、前記DI加工時の金属材料の流れに起因して、この有底筒状体の缶軸方向両端部は、缶軸方向中央部と比べて厚肉になる。従って、前記首部および肩部の肉厚は、胴部の缶軸方向上部の肉厚より大きくなる。つまり、キャップ付ボトル缶を開栓するに際して、把持するボトル缶の部分を比較的厚肉とされた部分に限定することが可能になる。従って、キャップ付ボトル缶がいわゆる陽圧缶の場合には、開栓時にキャップを緩めるのと同時に液体窒素が外部に流出し、この缶内圧が瞬時に大気圧と略同等になったとしても、前記把持している部分としての首部と肩部とが径方向内側に凹むことを抑制することが可能になり、開栓当初の強い把持力を維持した状態で引続き開栓することができる。
さらに、中指と薬指とで、首部の外径以上の外径とされた肩部を把持し、肩部外表面を径方向内側に向けて押圧することにより、これらの指と肩部外表面との間に大きな摩擦力を発生させることが可能になり、キャップを缶軸回りに回動させたときの大きな回転トルクに対抗することが可能になる。
この発明によれば、首部の外径が前記範囲に設定されているので、親指と人差し指とで首部の全周を把持することが可能になるとともに、これらの指同士が重なり合う部分を最小限に抑制することが可能になり、この首部をさらに強く把持することができる。
この発明によれば、前記溝部により、開栓時における前記摩擦力の更なる向上を図ることが可能になる。
この発明によれば、首部の外径が膨出部の外径以下とされているので、首部を把持したときに、首部が滑ってボトル缶が落下することを抑制することが可能になり、開栓時にボトル缶を安定して把持することができ、良好な開栓性を確実に実現することができる。
この発明によれば、ボトル缶に缶軸方向下方に向かう軸力が作用し、首部の缶軸方向下端と肩部の缶軸方向上端部との間に応力集中が作用しても、この応力集中が前記凸曲面部により緩和されることになる。したがって、ボトル缶が前記首部を備えた構成においても、首部が缶胴の内側へめり込み始める前記軸力、すなわち座屈強度の低下を最小限に抑制することができる。
請求項7に係る発明は、請求項6記載のキャップ付ボトル缶において、前記首部の外径は前記キャップの外径より小さくされていることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項6記載のキャップ付ボトル缶において、前記ボトル缶には、少なくとも前記首部に至らせて内容物が充填されていることを特徴とする。
これらの図に示すボトル缶10は、缶軸方向上端部にキャップ20が螺着される口金部11を備えるとともに、大径の胴部12と、該胴部12の缶軸方向上端部に連設され缶軸方向上方に向かうに従い径方向内方に向かって延びる肩部13とを備え、口金部11と肩部13との間に、缶軸方向に15mm以上50mm以下の長さで延在する首部14が形成され、首部14の外径は肩部13の缶軸方向上端部における外径以下とされている。
肩部13の缶軸方向上端部は径方向外方へ凸とされた凸曲面部13aとされ、この凸曲面部13aの缶軸方向上端に首部14が連設された構成となっている。
これらのボトル缶は、アルミニウム合金からなる板厚が約0.40mmの金属板に絞り加工、およびしごき加工を施し、胴部12を有する有底筒状体を形成した後に、この有底筒状体の開口部にネックイン加工を始めとする各種加工を施すことにより形成した。そして、ボトル缶10(以下、単に「実施例」という)、および前記従来のボトル缶(以下、単に「比較例」という)の缶軸方向における大きさ、すなわち全長はともに約160mmとされたものを採用し、肩部の前記角度はともに約35°とされたものを採用した。
この図から、胴部12の肉厚は0.134mm以上0.260mm以下、肩部13の肉厚は0.204mm以上0.270mm以下、凸曲面部13aの肉厚は約0.270mm、首部14の肉厚は0.270mm以上0.310mm以下とされている。すなわち、首部14および肩部13の肉厚は胴部12の肉厚より厚いことが確認できる。
さらに、中指と薬指とで、首部14の外径以上の外径とされた肩部13を把持し、肩部13外表面を径方向内側に向けて押圧することにより、これらの指と肩部13外表面との間に大きな摩擦力を発生させることが可能になり、キャップ20を缶軸回りに回動させたときの大きな回転トルクに対抗することが可能になる。
また、首部14の外径が膨出部11bの外径以下とされるとともに、首部14の外径がキャップ20の外径より小さくされているので、首部14を把持したときに、首部14が滑ってボトル缶10が落下しようとした場合においても、キャップ20や膨出部11bが手に引っ掛かり、この落下発生を抑制することが可能になり、開栓時にボトル缶10を安定して把持することができ、良好な開栓性を確実に実現することができる。
さらに、肩部13と首部14との間に凸曲面部13aが形成されているので、ボトル缶10に缶軸方向下方に向かう軸力が作用し、首部14の缶軸方向下端と肩部13の缶軸方向上端部との間に応力集中が作用しても、この応力集中が凸曲面部13aにより緩和されることになる。したがって、ボトル缶10が首部14を備えた構成においても、首部14が缶胴の内側へめり込み始める前記軸力、すなわち座屈強度の低下を最小限に抑制することができる。
例えば、図3に示すように、肩部13に周方向に間隔を置いて複数配置された溝部21を形成してもよい。例えば、この溝部21を肩部13に周方向に所定の間隔を置いて8個以上20個以下形成し、これらの溝部21を側壁部21aと底部21bとからなる断面V字状として、肩部13の傾斜方向に沿ってこの方向の全域に亙って形成し、肩部13の缶軸方向上端から下端に向かうに従い漸次幅広になるように形成してもよい。また、溝部21の底部21bを径方向内方に凸となるように曲面状とし、複数の溝部21同士を径方向外方に凸となるように曲面状に形成された頂部21cを介して連結するようにしてもよい。この場合、溝部21により、開栓時における手とボトル缶10との間の摩擦力の更なる向上を図ることが可能になり、さらに良好な開栓性を具備させることができる。なお、溝部21は図3に示す構成に限らず、例えば缶軸方向に断続的に設けた構成であってもよく、また肩部13の傾斜方向全域に亙って同等の幅で形成してもよい。
さらに、いわゆる陽圧缶に限らず負圧缶にも適用可能であり、ボトル缶10の材質もアルミニウム合金に限定されるものではなく、例えばスチール製であってもよい。
11 口金部
11a 雄ねじ部
11b 膨出部
12 胴部
13 肩部
13a 凸曲面部
14 首部
20 キャップ
20a 雌ねじ部
Claims (8)
- 缶軸方向上端部にキャップが螺着される口金部を備えるとともに、大径の胴部と、該胴部の缶軸方向上端部に連設され缶軸方向上方へ向かうに従い径方向内方に向かって延びる肩部とを備えるボトル缶であって、
前記口金部と前記肩部との間に、缶軸方向に15mm以上50mm以下の長さで延在する首部を備え、該首部の外径は、前記肩部の缶軸方向上端部における外径以下とされていることを特徴とするボトル缶。 - 請求項1記載のボトル缶において、
前記首部の外径は33mm以上43mm以下とされていることを特徴とするボトル缶。 - 請求項1または2に記載のボトル缶において、
前記肩部に溝部が形成され、該溝部は周方向に間隔を置いて複数形成されていることを特徴とするボトル缶。 - 請求項1から3のいずれかに記載のボトル缶において、
前記口金部は、前記キャップに形成された雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を備えるとともに、該雄ねじ部の缶軸方向下端部に連設され径方向外方へ膨出した膨出部を備え、
前記首部の外径は前記膨出部の外径以下とされていることを特徴とするボトル缶。 - 請求項1から4のいずれかに記載のボトル缶において、
前記肩部の缶軸方向上端部は径方向外方へ凸とされた凸曲面部とされ、前記首部は前記凸曲面部の缶軸方向上端に連設されていることを特徴するボトル缶。 - 請求項1から5のいずれかに記載のボトル缶の口金部にキャップが螺着されてなることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
- 請求項6記載のキャップ付ボトル缶において、
前記首部の外径は前記キャップの外径より小さくされていることを特徴とするキャップ付ボトル缶。 - 請求項6記載のキャップ付ボトル缶において、
前記ボトル缶には、少なくとも前記首部に至らせて内容物が充填されていることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
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