JP2005271835A - 運搬車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 押し引き操作用の把手を把持する運搬作業者の立ち位置の影響により誤った走行補助動作がなされる虞れを軽減し、使い勝手の良好なパワーアシスト付きの運搬車を提供する。
【解決手段】 車体1を支える左右の後輪3,3の夫々に回転駆動力を加えるモータ30,30を備え、また押し引き操作用の把手4を備える運搬車において、把手4に加えられる操作力の方向及び大きさを、把手4に設けた前後力センサ6,6及び左右力センサ7により検出すると共に、把手4が設けられた車体の前面領域での作業者の存否を作業者センサ8により検出して、これらのセンサの検出結果が与えられる駆動制御部5において、前後力センサ6,6及び作業者センサ8からの入力により把手4を把持する作業者の立ち位置を検出し、この検出結果に基づいて操作力の方向を補正する。
【選択図】 図2
【解決手段】 車体1を支える左右の後輪3,3の夫々に回転駆動力を加えるモータ30,30を備え、また押し引き操作用の把手4を備える運搬車において、把手4に加えられる操作力の方向及び大きさを、把手4に設けた前後力センサ6,6及び左右力センサ7により検出すると共に、把手4が設けられた車体の前面領域での作業者の存否を作業者センサ8により検出して、これらのセンサの検出結果が与えられる駆動制御部5において、前後力センサ6,6及び作業者センサ8からの入力により把手4を把持する作業者の立ち位置を検出し、この検出結果に基づいて操作力の方向を補正する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、作業者の押し引きにより移動操作されて搭載物品を運搬すべく用いられる運搬車に関し、更に詳しくは、車体を支持する左右の車輪にモータ等の駆動手段を付設し、この駆動手段を移動操作に応じて駆動することにより運搬作業者の労力負担を軽減すべく構成されたパワーアシスト付きの運搬車に関する。
車輪により支えられた車体に押し引き操作用の把手を備え、該把手に操作力を加えることにより前記車体上に搭載された物品を運搬するように構成された手押し式の運搬車は、運搬対象となる物品の種別、量に応じて種々の形態にて商品化されている。
この種の運搬車は、例えば、病院内において病室への配膳にための配膳車としても使用されているが、この配膳車は、大量の食事を搭載可能な大サイズな車体を備える上、病院内部の狭い廊下での前後移動及び左右旋回、エレベータ内での左右回転等、多彩な取り回しが要求される特殊な運搬車であり、押し引き操作用の把手に操作力を加える運搬作業者に多大の労力負担を強いるという問題がある。
この問題は、前述した配膳車と同様、限定された経路上にて大量の搭載物品を運搬すべく用いられる運搬車の全般において発生する問題であり、このような問題を解消すべく、従来から、車体の左右を支える車輪の夫々にモータ等の駆動手段を付設し、該駆動手段の回転駆動力を車輪に加えて、前後移動、左右旋回及び左右回転を補助することにより、運搬作業者の労力負担を軽減すべく構成されたパワーアシスト付きの運搬車が実用化されている(例えば、特許文献1、2参照)。
前記駆動手段による補助動作は、押し引き操作用の把手に運搬作業者により加えられる操作力の方向及び大きさを検出し、この検出結果に基づいて車輪に付設された駆動手段を駆動制御することにより行われており、例えば、把手に加えられる操作力の大きさを、前記駆動手段に発生させる回転力の大きさを定めるべく用い、また、把手に加えられる操作力の方向を、左右の駆動手段に発生させる回転力の差を定めるべく用い、この回転力の差により車体を直進、回転又は旋回させることにより、把手を把持する運搬作業者の意思に応じた走行補助が行えるようにしている。
特開平8−282498号公報
特開平11−171038号公報
さて、以上の如き運搬車における押し引き操作用の把手の操作は、一般的には、該把手が設けられた車体の正面に立った運搬作業者によって行われ、この場合、前述した駆動制御により適正な走行補助が行われる。
しかしながら前述した配膳車においては、例えば、大サイズの車体を見越して前方又は後方の走行路の状況を確認するために、又は自身の足への車体の干渉を防止するために、運搬作業者が車体の正面から左右に外れた位置に立ち、該位置にて把手を把持して押し引き操作を行う場合がある。
この場合、把手に加えられる操作力に、立ち位置の側又は逆側に向かう左右方向の分力が発生し、この分力が操作力の方向の検出結果に影響を与える結果、この検出結果に基づく前述した走行モードの切換えにより、例えば、運搬作業者が直進走行させようとしているにも拘らず旋回モードでの走行補助が行われて、運搬車が思わぬ方向に走行する虞れがあった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、運搬作業者の立ち位置の影響により誤った走行補助動作がなされる虞れを軽減し、種々の立ち位置での把手の操作により運搬作業者の意思に沿った適正な走行補助がなされ、使い勝手の良好なパワーアシスト付きの運搬車を提供することを目的とする。
本発明の第1発明に係る運搬車は、車体を支える左右の車輪の夫々に回転駆動力を加える駆動手段と、車体の前後移動、左右旋回及び左右回転のために押し引き操作される把手と、該把手に作業者により加えられる操作力の方向及び大きさを検出する操作力検出手段と、該操作力検出手段による検出結果に基づいて前記車体の前後移動、左右旋回及び左右回転を補助すべく前記駆動手段を制御する制御手段とを備える運搬車において、前記車体の左右方向における前記作業者の立ち位置を検出する立ち位置検出手段と、該立ち位置検出手段の検出結果に基づいて前記操作力検出手段により検出される操作力の方向を補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、車体の左右方向における作業者の立ち位置を検出し、立ち位置が把手の左右に外れた位置にある場合、この検出結果に基づいて操作力の方向を補正して、補正後の方向を車輪の駆動手段の駆動制御に用い、立ち位置の影響により誤った走行補助動作がなされる虞れを軽減する。
また本発明の第2発明に係る運搬車は、前記立ち位置検出手段が、前記把手の正面領域内での作業者の存否を検出する作業者検出手段と、前記把手の左右方向の把持位置を検出する把持位置検出手段とを備えることを特徴とする。
この発明においては、作業者検出手段により把手の正面領域内に作業者が存在しないことが検出し、把持位置検出手段により把手の把持位置を検出して、これらの検出結果に基づいて作業者の立ち位置を正確に検出する。
更に本発明の第3発明に係る運搬車は、前記操作力検出手段により前記把持位置検出手段を兼用させてあることを特徴とする。
この発明においては、把手に加わる操作力検出手段の検出結果を用いて把手の把持位置を求め、把持位置検出のための専用のセンサを不要として制御系の構成を簡素化する。
第1発明に係る運搬車においては、把手を把持する作業者の立ち位置を検出し、この検出結果を用いて把手に加えられる操作力の方向を補正するから、立ち位置の影響により操作力に発生する左右方向の分力を排除することができ、補正後の操作力を用いた制御手段の制御動作により、種々の立ち位置での把手の操作により運搬作業者の意思に沿った適正な走行補助が行われるようになり、使い勝手の向上を図ることができる。
また第2発明に係る運搬車においては、作業者検出手段及び把持位置検出手段の検出結果に基づいて立ち位置を検出するから、確実な立ち位置の検出が可能となる。
更に第3発明に係る運搬車においては、操作力検出手段による検出結果に基づいて把持位置の検出がなされるから、把持位置検出のための専用の手段が不要となり、制御系の構成を簡素化することができる。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る運搬車の外観斜視図、図2は、本発明に係る運搬車の制御系の構成を示す平面図である。
図1に示す運搬車は、病院内にて各病室への食事を運搬すべく使用される配膳車を示しており、矩形箱形をなす車体1の下部を、左右各一対の前輪2,2及び後輪3,3により支え、また車体1の前部に左右方向に横架された押し引き操作用の把手4を備えてなり、該把手4を把持して前方(図1,図2中に白抜矢符にて示す方向)に引き操作力を加えるか、逆に後方に押し操作力を加えることにより、前輪2,2及び後輪3,3の回転を伴って床面上を走行可能に構成されている。
車体1の内部は空洞であり、上下に複数段の棚板10,10…を架設し、車体1の底板11上と共に配膳物品の搭載部が設けてあり、この搭載部に搭載された物品は、車体1の側面に取り付けた開閉扉12,12の開放により取り出し可能としてある。なお図1には、前側の開閉扉11が開放された状態が示されている。また車体1の天板13の周囲は、適宜の高さの鍔縁14により縁取られており、該鍔縁14の内側の天板13の上面も配膳物品の搭載に利用し得るようにしてある。
車体1の前側下部を支持する前輪2,2は、上下方向の軸回りに回動可能な各別のキャスタブラケット20,20により支持され、車体1の側から加えられる外力に追随して方向転換が可能なキャスタ輪としてある。
一方、車体1の後側下部を支持する後輪3,3の夫々には、走行補助用の駆動手段としてのモータ30,30が付設されており、これらのモータ30,30には、図2に示す如く、車体1の一部に搭載された駆動制御部5の出力が、各別の駆動回路(図示せず)を介して与えられている。駆動制御部5は、車体1の前後移動、左右旋回及び左右回転を補助すべく後述の如く制御指令を発し、前記モータ30,30を駆動せしめる制御手段であり、左右の後輪3,3は、各別のモータ30,30の回転力により補助されて床面上にて回転し、車体1を移動させるように構成されている。
押し引き操作用の把手4は、車体1の左右に離隔して前方にに突設された一対の支持腕40,40と、これらの支持腕40,40の間に略水平に横架され、運搬作業者9(図3参照)により把持される把持棒41とを備えている。支持腕40,40の夫々には、把持棒41を介して車体1の前方に向けて加えられる引き力、又は後方に向けて加えられる押し力を検出する前後力センサ6,6が設けられ、また把持棒41には、該把持棒41の軸長方向、即ち、車体の左右方向に加えられる外力を検出する左右力センサ7が設けられている。これらの前後力センサ6,6及び左右力センサ7は、ロードセル等の荷重検出器を用いて構成することができ、また、支持腕40,40及び把持棒41の表面又は内部に被着された歪ゲージにより簡素に構成することもできる。
前後力センサ6,6及び左右力センサ7の検出値は、駆動制御部5に与えられており、駆動制御部5においては、これらの検出値を、車体1を移動させるべく把手4に加えられる操作力の大きさ及び方向の検出に用い、更に前後力センサ6,6の検出値を、把手4の左右方向の把持位置の検出に用いている。
図3は、把手4に加えられる操作力と前後力センサ6,6及び左右力センサ7の検出値との関係を示す説明図であり、図3(a)は、運搬作業者9が把手4が設けられた車体1の正面に立ち、把持棒41の略中央を把持して引き力Fを加えている状態を示し、また図3(b)は、運搬作業者9が車体1の正面から右側に外れた位置に立ち、把持棒41の右側端部近傍を把持して引き力Fを加えている状態を示している。
前記引き力Fは、把持棒41を把持すべく運搬作業者9が後方に向けて伸ばした腕90の方向に加えられており、把持棒41と直交する前後方向の分力F1 と、把持棒41の軸長方向に沿う左右方向の分力F2 とが発生し、前後方向の分力F1 は、左右の支持腕40,40に設けられた前後力センサ6,6により、また左右方向の分力F2 は、把持棒41に設けられた左右力センサ7により夫々検出される。
ここで左右方向の分力F2 は、単一の左右力センサ7のみに加わり、該左右力センサ7の検出力は、前記分力F2 に直接的に対応する。また前後方向の分力F1 は、左右の前後力センサ6,6に分散して加わり、これらの前後力センサ6,6の検出力F3 ,F4 の合力として検出される(F1 =F3 +F4 )。従って、これらの分力F1 及びF2 を用いて引き力Fの大きさ及び方向θを求めることができる。
また左右の前後力センサ6,6夫々の検出力F3 ,F4 の大きさは、把持棒41の軸長方向における引き力Fの作用位置に応じて変化し、把持棒41の略中央に引き力Fが作用する図3(a)の状態においては、F3 ≒F4 となるが、把持棒41の右端近傍の引き力Fが作用する図3(b)の状態においては、同側の前後力センサ6の検出力F4 が逆側の前後力センサ6の検出力F3 よりも大きく(F4 >F3 )なり、このとき両検出力F3 ,F4 間には、下式の関係が成立する。
F3 ×L1 =F4 ×L2 …(1)
式中のL1 ,L2 は、図3(b)中に示す如く、F3 ,F4 の検出位置である左右の支持腕40,40の中心から前記引き力Fの作用位置までの長さであり、支持腕40,40の中心間距離をL(=L1 +L2 )とした場合、前記(1)式からL2 を消去して下式が導出される。
L1 =L×F4 /(F3 +F4 ) …(2)
この(2)式は、左右の前後力センサ6,6による検出力F3 ,F4 と、既知の値である支持腕40,40の中心間距離Lとを用い、引き力Fの作用位置、即ち、運搬作業者9による把手4の左右方向の把持位置を検出し得ることを示している。
なお把手4の把持位置は、例えば、タッチセンサ等の把持の検出が可能な検出器を把持棒41の全長に亘って取り付け、該検出器により直接的に検出する構成としても良いが、実施の形態に示す如く、前後方向の作用力を検出するための前後力センサ6,6と兼用することにより、必要なセンサ数を削減することができる。
また車体1の前面には、把手4よりも下の左右方向の中央部に、該把手4の正面領域内での運搬作業者9の存否を検出する作業者センサ8が設けられており、該作業者センサ8の検出結果もまた、駆動制御部5に与えられている。作業者センサ8は、例えば、人体から発せられる赤外線を検出する焦電センサを用いることができる。
図4は、作業者センサ8の検出領域を示す説明図である。本図中にハッチングを施して示す如く、把手4の左右方向幅の範囲内において、該把手4の先端から前方に所定距離Xだけ離れた位置までを検出領域として設けてある。前記距離Xは、把手4を把持する運搬作業者9の腕90(図3参照)の長さに相当する距離に設定されている。
このような検出領域の設定により作業者センサ8は、運搬作業者9による把手4の操作が、該把手4の正面において行われているとき所定レベルの出力を発することとなり、駆動制御部5は、作業者センサ8からの入力を基づいて運搬作業者9が把手4の正面領域内に存在するか否かの判定に用いている。
図5は、駆動制御部5の構成を示すブロック図である。図示の如く駆動制御部5は、前後力センサ6,6及び左右力センサ7から与えられる夫々の検出値を用いて、押し引き操作用の把手4に加えられる前後方向及び左右方向の操作力を夫々演算する前後力演算部50及び左右力演算部51を備え、同じく、把手4の把持位置を演算する把持位置演算部52を備えている。これらの演算部50,51,52による演算は、図3に基づいて説明した前述の手順にて行われ、この演算結果は、補助駆動力演算部53に与えられている。
補助駆動力演算部53は、左右の後輪3,3に付設されたモータ30,30に発生させるべき補助駆動力を夫々演算する演算処理部であり、この演算は、前後力演算部50、左右力演算部51、及び把持位置演算部52の演算結果と共に、作業者センサ8から与えられる運搬作業者9の存否とに基づいて以下の如くに行われ、この演算結果は、左右のモータ30,30に夫々制御指令を発する左モータ制御部54及び右モータ制御部55に与えられている。
図6は、補助駆動力演算部53の動作内容を示すフローチャートである。補助駆動力演算部53は、電源スイッチのオン操作に応じて動作を開始し、まず、前後力演算部50、左右力演算部51、及び把持位置演算部52の演算結果を取込み、これらを用いて把手4に加えられる操作力Fを算出する(ステップ1)。この操作力Fと予め定めた下限値Fmin とを比較し(ステップ2)、操作力Fが下限値Fmin 以下である場合、動作モードを直進モードに設定し、また速度を0に設定して(ステップ3)、ステップ15に進む。
一方操作力Fが下限値Fmin を超えている場合、次に、この操作力Fの方向θを算出する(ステップ4)。この操作方向θの算出は、前後力演算部50から与えられる前後方向の分力F1 と、左右力演算部51から与えられる左右方向の分力F2 とを用いてなされる。
次いで、作業者センサ8の検出結果を取込み、把手4の前方領域における運搬作業者9の存否を判定する(ステップ5)。この判定の結果、作業者が存在しないと判定された場合、次に、把持位置演算部52から与えられる把手4の左右方向の把持位置を調べ(ステップ6)、把持位置が右であった場合、運搬作業者9の立ち位置が把手4の正面から右側に外れた位置にあると判定し、同方向である右方向に加えられる操作力Fを補正し(ステップ7)、把持位置が左であった場合、運搬作業者9の立ち位置が把手4の正面から左側に外れた位置にあると判定し、同方向である左方向に加えられる操作力Fを補正する(ステップ8)。
図7は、ステップ7において行われる操作力の補正方法の説明図である。運搬作業者9が、把手4の右側に立って操作力(引き力)Fを加えている場合、該操作力Fの左右方向分力F2 は、前記立ち位置の影響により、運搬作業者9の意思よりも立ち位置の側に向けて増す傾向にある。ステップ7での補正は、左右方向分力F2 に含まれる立ち位置による増大分ΔF2 を除去し、運搬作業者9の意思に近い方向に戻すべく行われるものであり、例えば、操作力Fの方向を所定角度Δθだけ直進側に戻し、図中に破線により示す操作力F0 への補正がなされる。ステップ8における操作力の補正は、図7とは逆に、左方向の操作力を直進側に戻すべく行われ、このような補正を終えた後にステップ9に進む。
またステップ5において作業者が存在すると判定された場合、把手4の操作が、該把手の正面に立ち位置を定めた運搬作業者9により行われていると判定し、操作力Fに対して何らの補正も行うことなくステップ9に進む。
ステップ9においては、動作モードの選択処理が行われる。図8は、動作モード選択処理の説明図である。図示の如く、左右方向分力を横軸とし、前後方向分力を縦軸とするモード選択平面内において、縦軸近傍の所定の角度範囲内に直進領域を設定し、横軸近傍の所定の角度範囲内に回転領域を設定し、これらの間に旋回領域を設定してあり、動作モードの選択は、図8に示すモード選択平面内に前述の如く求められた操作力F(又は補正操作力F0 )を配し、直進領域、旋回領域及び回転領域のいずれに位置するかによってなされる。
直進領域内にあるとき選択される直進モードは、左右のモータ30,30を等速度にて同向きに回転駆動する動作モードであり、このとき車体1は、左右の後輪3,3の同向きの回転により直進走行せしめられる。また回転領域内にあるとき選択される回転モードは、左右のモータ30,30を等速度にて逆向きに回転駆動する動作モードであり、このとき車体1は、左右の後輪3,3の逆向きの回転により、小さい曲率半径にてその場回転せしめられる。更に旋回領域内にあるとき選択される旋回モードは、左右のモータ30,30を回転差を有して回転駆動する動作モードであり、このとき車体1は、左右の後輪3,3の回転差に応じた曲率半径にて旋回走行せしめられる。
本発明に係る運搬車においては、このような動作モードの選択に際し、運搬作業者9の立ち位置の検出がなされ、把手4の操作が、該把手4の正面から外れた位置にて行われていると判定された場合、検出された立ち位置に応じて前述の如く方向を補正された操作力F0 が用いられる。従って、例えば、運搬作業者9が車両1を直進走行させようとしているとき、立ち位置の側に発生する左右方向分力F2 の増加分の影響により、旋回モードが誤って選択される虞れを未然に防止することができ、モータ30,30の回転による走行補助により車体1が立ち位置の側に旋回走行することがなく、種々の立ち位置での把手1の操作により運搬作業者9の意思に沿った適正な走行補助が行われることとなる。
以上の如く動作モードの選択を終えた後、補助駆動力演算部53は、選択された動作モードが直進モードであるか、回転モードであるかを判定し(ステップ10,11)、直進モードである場合、前記操作力Fの大きさに応じて直進速度を算出し(ステップ12)、また回転モードである場合、操作力Fの大きさに応じて回転速度を算出し(ステップ13)、更に、直進モードでも回転モードでもない場合、旋回モードであると判定して、操作力Fの大きさ及び方向に応じて旋回角速度及び周速度を算出する(ステップ14)。次いで、算出された速度を実現すべく左モータ制御部54及び右モータ制御部55に制御指令を与えて(ステップ15)一連の動作を終え、ステップ1に戻って同様の動作を繰り返す。
なお以上の動作説明においては、左右のモータ30,30の速度を制御対象とする速度制御を実施しているが、左右のモータ30,30の回転トルクを制御対象とするトルク制御を同様に実施することも可能であり、この場合、ステップ3、12、13、14の夫々において、直進トルク、回転トルク又は旋回トルクの算出を行わせればよい。
また以上の動作説明は、把手4が引き操作されることを前提としているが、把手4を押し操作して車体1を移動させる場合には.ステップ7,8を逆とし、把持位置が右である場合に左方向の操作力を補正対象とし、把持位置が左である場合に右方向の操作力を補正対象とすればよい。更に、引き操作及び押し操作の両方が行われる場合には、前後力演算部50から与えられる前後方向分力F1 により、押し引きいずれの操作であるかを判定し、この判定結果に基づいて補正対象を変更すればよい。
また以上の実施の形態においては、配膳車への適用例について述べたが、本発明は、他の物品を運搬対象とする運搬車においても適用可能であることは言うまでもない。
1 車体
2 前輪
3 後輪
4 把手
5 駆動制御部
6 前後力センサ
7 左右力センサ
8 作業者センサ
9 運搬作業者
30 モータ
2 前輪
3 後輪
4 把手
5 駆動制御部
6 前後力センサ
7 左右力センサ
8 作業者センサ
9 運搬作業者
30 モータ
Claims (3)
- 車体を支える左右の車輪の夫々に回転駆動力を加える駆動手段と、車体の前後移動、左右旋回及び左右回転のために押し引き操作される把手と、該把手に作業者により加えられる操作力の方向及び大きさを検出する操作力検出手段と、該操作力検出手段による検出結果に基づいて前記車体の前後移動、左右旋回及び左右回転を補助すべく前記駆動手段を制御する制御手段とを備える運搬車において、
前記車体の左右方向における前記作業者の立ち位置を検出する立ち位置検出手段と、
該立ち位置検出手段の検出結果に基づいて前記操作力検出手段により検出される操作力の方向を補正する補正手段と
を備えることを特徴とする運搬車。 - 前記立ち位置検出手段が、前記把手の正面領域内での作業者の存否を検出する作業者検出手段と、前記把手の左右方向の把持位置を検出する把持位置検出手段とを備える請求項1記載の運搬車。
- 前記操作力検出手段により前記把持位置検出手段を兼用させてある請求項2記載の運搬車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004091090A JP2005271835A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | 運搬車 |
Applications Claiming Priority (1)
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