JP2005271177A - 工作機械用主軸装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流通管に供給される流体が主軸の外側に漏れにくく、前記流体が主軸の外側に配設された主軸装置構成部材に対して悪影響を与えることを極力防止することができる工作機械用主軸装置を提供する。
【解決手段】 主軸3の基端側で、且つ供給パイプ15(流通管)の外周部近傍に、回転側シール部25と、非回転側シール部26とから構成されるシール手段24を設ける。このシール手段24により、供給パイプ15の外周面とドローバー14の内周面との間に形成された隙間16に流出したオイルミストが当該隙間16から極力漏れ出さないようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主軸を高速回転させることに基づいて、その先端部に装着された工具によりワークを加工する工作機械用主軸装置に係り、特に前記工具へ流体を供給することにより当該工具と前記ワークとの間の潤滑や冷却を図った構成の工作機械用主軸装置に関する。
従来より、上記のような工作機械用主軸装置においては、例えば図12に示すような構成のものがある。この工作機械用主軸装置100は、円筒状のハウジング101内に、主軸102とこの主軸102を回転駆動させる駆動モータ103とを夫々内蔵するビルトインタイプとして構成されている。主軸102の先端部及び中間部は玉軸受104によって前記ハウジング101に回転自在に支承されている。この主軸102の玉軸受104によって支承されている部分の略中間に位置する部位には、ロータ103aが配設され、ハウジング101の内周部には、前記ロータ103aと所定の距離を持って対向するステータ103bが配設され、これらロータ103aとステータ103bにより前記駆動モータ103は構成されている。
前記主軸102の内部には、その先端側に位置させてテーパー孔105が形成されると共に、このテーパー孔105に連通し、前記先端部から基端部(図12中、上端部)へ延びる挿通孔106が形成されている。テーパー孔105には、基端部にプルスタッド107が嵌合された工具ホルダ108が装着されており、この工具ホルダ108の先端部には工具109が装着されている。
挿通孔106には、周知の筒状のドローバー110が挿通されている。このドローバー110は、主軸102と一体に回転されると共に、その主軸102に対して軸心に沿って往復移動可能に構成されている。そして、このドローバー110の引き込みにより、周知の構成のクランプ手段にて前記プルスタッド107が脱落不能に保持され、以って前記工具ホルダ108は主軸102に固定される。
前記ドローバー110内には、非回転の供給パイプ(流通管)111が当該ドローバー110の軸心に沿って基端側から先端側に延びるように設けられている。この供給パイプ111の一端部、つまり基端部(図12中、上端部)は、上記ハウジング101の上部に設けられた支持部材(エンドフィッティング)112に、当該支持部材112に設けられたミスト供給孔112aと連通するように固定されている。供給パイプ111の他端部、つまり先端部(図12中、下端部)においては、この部分周辺を拡大して示す図13のように、当該先端部の外周面と前記ドローバー110の内周面との間に玉軸受113が配設されていて、ドローバー110は、供給パイプ111に対して回転可能となっている。供給パイプ111の外周面とドローバー110の内周面との間には、隙間Sが形成されている。なお、前記ミスト供給孔112aには、図示しないミスト供給装置からオイルミスト(流体)が供給される。
一方、供給パイプ111の先端部と、前記プルスタッド107の上端部との間には、図12に示すように、接続パイプ114が配設されている。この接続パイプ114には、前記供給パイプ111の先端部外周面に対向するようにラビリンス型のシール部(シール手段)114aが設けられている。このシール部114aは、前記供給パイプ111と接続パイプ114との接続部分115(図13にのみ図示)から流出するオイルミストをシールするものである。このように、前記接続部分115に対するシールは、ドローバー110内にてなされるものである。
ミスト供給孔112aから供給されたオイルミストは、前記供給パイプ111、接続パイプ114及びプルスタッド107内に夫々形成された各流通路111a、114b、107aを通って工具109内の通路109aに至り、最終的に当該工具109の先端部の吐出口(図示せず)から噴出されるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−150295号公報
ところで、前記オイルミストは、高圧空気に微少量の切削油を混入して霧状にしたものである。従って、この高圧状態のオイルミストは、前述のように前記供給パイプ111と接続パイプ114との接続部分115において、どうしても前記ラビリンス型のシール部114aから流出してしまうのが現実である。これに対応するためには前記接続部分115のシール性を向上させる必要がある訳だが、前記接続部分115に対するシールはドローバー110内の狭い部分にてなされるものである。このため、シール部114aの大きさには必然的に制限が生じ、これに伴いシール部114aの構造やシール面の形成状態等を変更して、そのシール性を向上させることは困難であった。
そして、このようにシール部114aから流出したオイルミストは、前記供給パイプ111の外周面とドローバー110の内周面との間の隙間Sから上方へ流れて、最終的に主軸102の外側に流出してしまい、これにより前記オイルミストが前記主軸102の外側に配設された主軸装置構成部材、例えば前記駆動モータ103のエンコーダや玉軸受104に付着して、時にこれらの部材の各動作に悪影響を与えてしまう恐れがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、流通管に供給される流体が主軸の外側に漏れにくく、前記流体が主軸の外側に配設された主軸装置構成部材に対して悪影響を与えることを極力防止することができる工作機械用主軸装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の工作機械用主軸装置は、先端部に工具把持機構により工具が装着されると共に、回転可能に設けられた主軸に、その軸心を貫通して前記工具把持機構にまで連通する挿通孔を形成し、この挿通孔に筒状をなすドローバーを挿通し、当該ドローバーの先端部を前記工具把持機構に臨ませ、非回転の流通管を、前記ドローバーの軸心に沿って当該ドローバーの基端側から先端側にまで延びるように設け、前記主軸の基端部の外側から前記流通管に供給される流体を、この流通管から前記工具把持機構の流通路を介して前記工具まで供給するように構成された工作機械用主軸装置において、前記主軸の基端側で、且つ前記流通管の外周部近傍に、前記流通管の外周面と前記ドローバーの内周面との間の隙間に流入した流体が前記主軸の外側へ流出することを規制するシール手段を設けたことを特徴とする(請求項1の発明)。
この構成によれば、仮に流体が、流通管の外周面とドローバーの内周面との間に流出したとしても、この流体は、主軸の基端側で、且つ流通管の外周部近傍に設けられたシール手段により主軸の外側への流出は規制され、流出しにくくなるので、当該流体が前記主軸の外側に配設された主軸装置構成部材に対して悪影響を与えることを極力防止できる。この場合、シール手段は、主軸の基端側で、且つ流通管の外周部近傍に設けられているため、シール手段をドローバーの内部にのみ設ける場合とは違い、シール構造に制約が少なく、シール性を向上させることができる。
また、本発明の工作機械用主軸装置は、先端部に工具が装着されると共に、回転可能に設けられた主軸に、その軸心を貫通して前記工具にまで連通する挿通孔を形成し、非回転の流通管を、前記挿通孔の軸心に沿って前記主軸の基端側から先端側にまで延びるように設け、前記主軸の基端部の外側から前記流通管に供給される流体を、この流通管から流通路を介して前記工具まで供給するように構成された工作機械用主軸装置において、前記主軸の基端側で、且つ前記流通管の外周部近傍に、前記流通管の外周面と前記主軸における前記挿通孔の内周面との間の隙間に流入した流体が前記主軸の外側へ流出することを規制するシール手段を設けたことを特徴とする(請求項2の発明)。
この構成によれば、ドローバーを有しない構造の工作機械用主軸装置に対しても、上記請求項1と同様の効果を得ることができる。
また、前記シール手段は、前記主軸と共に回転する回転側シール部と、前記流通管を保持する静止部材に設けられた非回転シール側部とからなり、互いのシール部は非接触状態でシール作用を発揮するように構成されるとよい(請求項4の発明)。
この構成の場合、回転側シール部と、非回転シール側部とが互いに磨耗しにくいので、シール手段のシール性を長期に渡り維持することができる。更に、高速回転する主軸にも対応することができる。
以上のように、本発明の工作機械用主軸装置によれば、流通管に供給される流体が主軸の外側に漏れにくく、前記流体が主軸の外側に配設された主軸装置構成部材に対して悪影響を与えることを極力防止できるという優れた効果を得ることができる。
以下、本発明の工作機械用主軸装置における第1の実施例を図1及び図2を参照して説明する。
工作機械用主軸装置1は、円筒状のハウジング2内に、主軸3とこの主軸3を回転駆動させる駆動モータ4とを夫々内蔵するビルトインタイプとして構成されている。主軸3の先端部及び中間部は玉軸受5によって前記ハウジング2に回転自在に支承されている。この主軸3における玉軸受5によって支承されている部分の略中間に位置する部位には、ロータ4aが配設され、ハウジング2の内周部には、前記ロータ4aと所定の距離を持って対向するステータ4bが配設され、これらロータ4aとステータ4bにより前記駆動モータ4は構成されている。
前記主軸3の内部には、その先端部に位置させてテーパー孔6が形成されると共に、このテーパー孔6に連通し、前記主軸3の先端部から基端部(図1中、上端部)へ延びる挿通孔7が形成されている。テーパー孔6には、基端部にプルスタッド8が嵌合された工具ホルダ9が装着されている。工具ホルダ9の先端部には、コレット装着孔9aが形成され、このコレット装着孔9aにコレット10を嵌合することにより当該工具ホルダ9の先端に工具11が装着されている。なお、コレット装着孔9a内において、前記工具11の基端側にはアジャストナット12、そして接続管13が設けられている。
前記主軸3の挿通孔7には、周知の筒状のドローバー14が挿通されている。このドローバー14は、主軸3と一体に回転されるものである。ドローバー14の基端部にはコイルばね14aが装着されており、これにより当該ドローバー14は常時上方(図1中、上方)へ付勢されている。また、ドローバー14は、前記主軸3に対して軸心に沿って往復移動可能となるように構成されている。そして、前記コイルばね14aによるドローバー14の引き込みにより、周知の構成のクランプ手段にて前記プルスタッド8が脱落不能に保持され、以って前記工具ホルダ9(工具11)は主軸3に固定される。なお、これらプルスタッド8、工具ホルダ9、コレット10、ドローバー14、そしてクランプ手段によって工具把持機構は構成されるものである。
前記ドローバー14内には、流通管としての非回転の供給パイプ15が当該ドローバー14の軸心に沿って基端側から先端側(図1中、下端部)に延びるように設けられている。供給パイプ15の外周面とドローバー15の内周面との間には、隙間16が形成されていて、以ってドローバー14はこの供給パイプ15に対して回転可能となるよう構成されている。
供給パイプ15の一端部、つまり基端部(図1中、上端部)は、上記ハウジング2の上部に設けられた静止部材としての支持部材(エンドフィッティング)17に、当該支持部材17に設けられたミスト供給孔18と連通するように固定されている。供給パイプ15の他端部、つまり先端部(図1中、下端部)は、当該供給パイプ15の先端部と対向するように位置した接続パイプ19に臨むよう配設されている。
接続パイプ19は、供給パイプ15の先端部と前記プルスタッド8の上端部との間に位置するもので、この接続パイプ19には、ラビリンス型のシール部19aが一体に設けられている。ラビリンス型のシール部19aは、前記供給パイプ15の先端部外周面に対向するように、換言すれば前記供給パイプ15と接続パイプ19との接続部分20を周回して覆うように位置し、以って前記接続部分20から流出する、流体としてのオイルミスト(図示せず)をシールするものである。
支持部材17とハウジング2との間には蓋部材21が設けられている。ここで、前記支持部材17の内径部は段付き円筒状をなし、大径部17aと、これと連通する小径部17bとを有しており、前記蓋部材21は、この支持部材17の大径部17aと共に空間部22を形成するものである。この空間部22は、主軸3の外側の主軸装置構成部材(前記駆動モータ4等)が位置する空間(換言すれば、単に主軸3の外側)とは前記蓋部材21によって略遮断されているものである。そして、前記支持部材17には、空間部22と機外とを連通するドレイン孔22aが形成されている。また、支持部材17には、前記小径部17bとミスト供給孔18とを接続するバイパス23が形成され、このバイパス23の前記小径部17bに臨む接続孔23aは、下方(図1中、下方)に向いて位置している。
さて、主軸3の基端側で、且つ前記供給パイプ15の外周部近傍には、シール手段24が設けられている。シール手段24は、前記支持部材17の大径部17aと蓋部材21とで形成された空間部22内に位置し、回転側シール部25と、非回転側シール部26とから構成されるものである。回転側シール部25は、円板状をなし、中心部に孔25aを有する、いわゆるドーナツ状の形状をなすものであり、その上面は平面として構成されている。この回転側シール部25は、前記主軸3の基端部に、ボルト27aにて固定された回転側台座27を介して固定されている。これにより、回転側シール部25は、主軸3と共に回転可能となっている。
一方、非回転側シール部26は、図2(a)にも示すように、中心部に孔26aを有し前記回転側シール部25と略同形状をなすものであるが、その下面には、前記孔26aの中心から円周方向へ放射状に延びる溝部26bが複数(本実施例では、8本)形成されている。これら各溝部26bの一端部は、図2(b)に示すように、夫々が前記孔26aと連通するよう構成されている。なお、図2においては、非回転側シール部26を、実際に取り付ける状態での方向で示しており、図2(a)は下面図、図2(b)は前記図2(a)のA−A線に沿う断面図となっている。
非回転側シール部26は、図1に示すように、前記支持部材17の小径部17bに対し、ボルト28aにて固定された非回転側台座28に、吊持コイルばね29及びこの吊持コイルばね29に吊持された吊持部材30を介して固定されている。吊持部材30は略円筒状をなし、その一端部(図1中、上端部)は受圧面30aとして形成され、前記バイパス23の接続孔23aに対向するように位置している。
このような構成により、吊持部材30及び非回転側シール部26は軸方向(図1中、上下方向)へ往復移動可能となると共に、非回転側シール部26は、オイルミストの非供給時において吊持コイルばね29により上方に付勢され、以って回転側シール部25に対して隙間31を存した状態で吊持されるものとなる。
また、前記供給パイプ15、接続パイプ19、プルスタッド8、工具ホルダ9、接続管13、アジャストナット12、そして工具11内には夫々流通路15a、19b、8a、9b、13a、12a、そして11aが形成されており、図示しないミスト供給装置からミスト供給孔18に供給されたオイルミストは、これらの各流通路を順次流れるようになっている。
さて、このように構成された工作機械用主軸装置1において、電源が投入されると駆動モータ4に通電され、以って主軸3が回転駆動を始める。そして、図示しないミスト供給装置から前記ミスト供給孔18へとオイルミストが供給される。このとき、このオイルミストは前記ミスト供給孔18から供給パイプ15へ流れるものと、前記ミスト供給孔18からバイパス23へ流れるものとの二手に分かれる。よって、まずは前記ミスト供給孔18から供給パイプ15に流れるオイルミストについて説明する。
ミスト供給孔18から供給パイプ15へ供給されるオイルミストは、高圧状態で勢いがあり当該供給パイプ15内の流通路15aを流れ、供給パイプ15の先端部、つまりは当該供給パイプ15と前記接続パイプ19との接続部分20に到達する。そして、この接続部分20に到達したオイルミストのうち大半は、接続パイプ19、プルスタッド8、工具ホルダ9、接続管13、アジャストナット12、そして工具11内に夫々形成された流通路19b、8a、9b、13a、12a、そして11aを流れ、最終的に工具10の吐出口(図示せず)から噴出される。これにより、ワーク(図示せず)に対してオイルミストが供給され、以って前記工具11とワークとの間の潤滑や冷却がなされると共に、切屑の除去等がなされる。
ここで、前記供給パイプ15から接続部分20に到達したオイルミストにおいては、前記接続パイプ19の流通路19aへは流れず、前記接続部分20の僅かな隙間から供給パイプ15の外部へ流出してしまうものがあるが、その詳細は後述する。
一方で、ミスト供給孔18から供給パイプ15ではなく、バイパス23へ流れるオイルミストは、支持部材17の小径部17bにおいて前記バイパス23の接続孔23aから吐出されて前記吊持部材30の受圧面30aに当たる。オイルミストは高圧状態で勢いがあるので、この圧力によって前記吊持部材30が前記吊持コイルばね29の付勢力に抗して下方へ押し下げられ、以って非回転側シール部26の溝部26b(図2参照)を有する下面を、主軸3と共に回転中の回転側シール部25の上面に近接させる。
このとき、オイルミストは前記非回転側シール部26の複数の溝部26bにも流入し、これにより前記回転側シール部25と非回転側シール部26とは非接触状態にて、いわゆる静圧スラスト型軸受を構成し、以って前記隙間31をシールする。これにより、前記供給パイプ15の外周面とドローバー14の内周面との間に形成された隙間16と、前記空間部22とは流体の往来がほとんど無いように略遮断される。
ところで、前述のように、供給パイプ15から接続部分20の僅かな隙間を経て前記供給パイプ15の外部へ流出してしまうオイルミストにおいて、その一部のオイルミストは、前記接続部分20を周回し覆うように位置したラビリンス型のシール部19aをも抜けて、供給パイプ15の外周面とドローバー14の内周面との間に形成された前記隙間16に流出し、更には主軸3の基端側へと流れていってしまう。
しかし、上記第1の実施例によれば、主軸3の基端側で、且つ前記供給パイプ15の外周部近傍には、前述のシール手段24が設けられており、このシール手段24は、供給パイプ15の外周面とドローバー14の内周面との間に形成された隙間16と、空間部22との間をシールしている。このため、前記隙間16に流出したオイルミストを当該隙間16の外部へ流出しにくくすることができる。
更に前記シール手段24から、若干のオイルミストが流出したとしても、このシール手段24は、前記支持部材17の大径部17aと蓋部材21とで形成された空間部22内に位置しており、この空間部22は主軸3の外側の主軸装置構成部材(例えば、駆動モータ4等)が位置する空間とは前記蓋部材21によって略遮断されると共に、更に当該空間部22にはドレイン孔22aが形成されている。よって、シール手段24から流出したオイルミストは、空間部22から前記主軸3の外側の主軸装置構成部材が位置する空間へ流出することなく、前記ドレイン孔22aを介して機外へ排出される。このため、主軸3の外側へのオイルミストにおける流出が規制され、流出しにくくなるので、このオイルミストが主軸3の外側に配設された主軸装置構成部材に対して悪影響を与えることを極力防止できる。
更に、シール手段24を、前記主軸3の基端側で、且つ前記供給パイプ15の外周部近傍に設けることにより、当該シール手段24に対し、その大きさやシール構造等に大きな制約が生じることがないので、確実にシール手段24のシール性を向上させることができる。
また、シール手段24を、回転側シール部25と非回転側シール部26とが互いが非接触状態である静圧スラスト型軸受の構造を採用した。このため、互いのシール部25、26が磨耗しにくいので、シール手段24のシール性を長期に渡り維持することができる。
また、シール手段24は主軸3の外側に位置しているので、組立やメンテナンスを容易に行うことができる。
また、供給パイプ15は非回転状態であり、オイルミストが、主軸3の回転による遠心力の影響を受けにくくなるので、前記オイルミストが高圧空気と切削油に分離してしまうことに起因する冷却性能不良、潤滑性能不良を起しにくくすることができる。
なお、シール手段24から空間部22への、オイルミストが流出する量が無視できる無視できるほど少ないときは、前記隙間16にバイパス23からのオイルミストが供給されて、この隙間16と、供給パイプ15内の流通管15aとは同じ気圧となるため、この場合、前記ラビリンス型のシール部は19aは不要とすることができる。
また、主軸3の回転速度が遅い(低い)場合には、シール手段24は、通常の接触式のメカニカルシールとすることができる。このとき、非回転側シール部26は、溝部26bを有しない構成とする。
次に、本発明の第2の実施例について図3を参照して説明する。この第2の実施例は、工具ホルダを介さないで、工具を直接主軸に装着するタイプの例である。なお、上記第1の実施例と同様の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
主軸40の内部には、その先端部に位置させてコレット装着孔41が形成されると共に、このコレット装着孔41と連通する挿通孔42が前記主軸40の基端部(図3中、上端部)へ延びるよう構成されている。前記コレット装着孔41にはコレット10が嵌合され、以って主軸40の先端に工具11が装着されている。また、挿通孔42には供給パイプ43が挿通され、当該供給パイプ43の外周面と、挿通孔42の内周面との間には隙間44が形成されていて、主軸40は供給パイプ43に対して回転可能となるよう構成されている。そして、供給パイプ43の先端部は、挿通孔42の先端部(図3中、下端部)に対し非接触状態で臨むように位置している。
そして、主軸40の基端側で、且つ供給パイプ43の外周部近傍には、上記第1の実施例と同様な構成のシール手段24を設けている。
上記構成において、ミスト供給孔18から供給パイプ43へ供給されたオイルミストの大部分は、流通路43a等を経て工具11側へ供給される。また、供給パイプ43の先端部から、当該供給パイプ43の外周面と、主軸40の内周面との間に形成された隙間44にオイルミストが流出したとしても、上記シール手段24により、そのオイルミストが主軸40の外側へ流出することが規制される。
このような、上記第2の実施例によれば、ドローバーを有さない構成の工作機械用主軸装置1であっても、前記第1の実施例と同様な効果を得ることができる。更に、供給パイプ43の先端部を、工具11の近くまで延ばすことができるので、オイルミストに作用する、主軸40の回転による遠心力を極力小さくでき、前記オイルミストが高圧空気と切削油に分離してしまうことに起因する冷却性能不良、潤滑性能不良を一層起しにくくすることができる。
次に、本発明の第3の実施例を図4及び図5を参照して説明する。この第3の実施例は、いわゆる2面拘束型ツールシャンク部が設けられた工具ホルダを装着できる主軸を有する工作機械用主軸装置についての例である。なお、上記第1の実施例と同様の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、図4はオイルミストの非供給時(若しくは、工具交換時)の状態を示し、図5はオイルミストの供給時の状態を示すものである。
本実施例における工作機械用主軸装置1は、まず図4に示すように、その先端部に、前記2面拘束型ツールシャンク部50を有している。即ち、主軸51の先端部に形成されたテーパー孔52に連通する挿通孔53には、ドローバー54が挿通されており、このドローバー54の先端部は細径部54aとして構成されている。この細径部54aには、工具把持機構たるチャック機構55の円筒状をなすスリーブ56が螺合されている。そして、このスリーブ56の外周面には、一端部(図4中、下端部)に係合部57aを有する略円筒状のチャックコレット57が取り付けられている。なお、前記ドローバー53の内部には供給パイプ58が挿通されているが、その詳細は後述する。
主軸51のテーパー孔52には、工具ホルダ59が取り付けられている。この工具ホルダ59は、その基端部(図4中、上端部)に、前記チャックコレット57の係合部57aと係合する被係合部60aを有する内包穴部60が形成されている。内包穴部60の中心には、図4中、上方部へ延びる円筒状の流路延長部61が形成されている。内包穴部60の外周面は、前記主軸51のテーパー孔52に嵌合される嵌合面62として形成され、この嵌合面62の基端部は、前記テーパー孔52の下端面に当接する当接面63として形成されている。この工具ホルダ59は、前記被係合部60aが前記チャックコレット57の係合部57aと係合し、この状態で前記コイルばね14aによってドローバー54が引き込まれることにより、前記嵌合面62がテーパー孔52に嵌合し、更に当接面63が下端面に当接し、以って主軸3に固定される。このとき、前記流路延長部61は、スリーブ56の内周面に嵌合される。なお、前記チャック機構55は、上記ドローバー54、スリーブ56、チャックコレット57、そして工具ホルダ59にて構成されている。
ハウジング2の先端部(図4中、下端部)には、ボルト64aによって蓋64が取り付けられている。この蓋64の側面(図4中、左側面)には、エア供給孔65が設けられている。このエア供給孔65は、主軸51内に形成されたエア流路66、67に夫々連通するように構成されている。エア流路66は、前記主軸51の下端面(テーパー孔52の下端面)に環状に形成され且つ下方に開口した溝66aを、前記工具ホルダ59の当接面63で閉じることにより形成されている。また、エア流路67は、主軸51のテーパー孔52に連通されている。これにより、前記エア供給孔65へ、図示しない圧縮空気供給部からエア(例えば、空気)が供給されると、このエアはエア流路66、67の夫々へ流れ、テーパー孔52や当接面63等に付着する切粉や塵、切削油等を吹き飛ばすように構成されている。
支持部材17には、段付き円筒状をなすミスト供給孔68が形成されている。ミスト供給孔68からは前述の供給パイプ58が前記ドローバー54へ挿通される。このとき、供給パイプ58の基端部(図4中、上端部)は、前記ミスト供給孔68と嵌合するように段付き円筒状に形成されており、更にミスト供給孔68の大径部68a及び供給パイプ58の小径部58bとの間にはコイルスプリング69が配設されているので、供給パイプ58は、前記ミスト供給孔68に案内されながら軸方向(図4中、上下方向)へ往復移動可能となると共に、オイルミストの非供給時には常に上方(図4中、上方)へ付勢され停止している。
前記供給パイプ58の基端部における大径部58a及び小径部58bの外周には、Oリング70、71が設けられており、これにより当該供給パイプ58の基端部と前記ミスト供給孔68との間、つまり前記コイルスプリング69が配設されている隙間72は、前記ミスト供給孔68における大径部68aの底端(図4中、下方)付近に形成された機外と連通する空気抜き孔73を残して当該機外とは遮蔽される。なお、ミスト供給孔68の小径部68bは前記支持部材17の小径部17bと連通している。また、供給パイプ58の先端部は、前記流路延長部61の流通路61a内へ挿通可能となるよう細径部58cとして形成されており、オイルミストの非供給時には、当該先端部58cは、前記流路延長部61の流通路61aと対向するように位置している。
さて、このように構成された工作機械用主軸装置1において、ミスト供給孔68からオイルミストが供給されると、バイパス23へ流れたオイルミストは前述のように、非回転側シール部26を押し下げ、これにより当該非回転側シール部26と前記回転側シール部25とで静圧スラスト型軸受を構成させ、以って隙間31をシールする。
一方で、ミスト供給孔68から供給パイプ58へ流れるオイルミストは、供給パイプ58を流れると共に、当該供給パイプ58における大径部58aの上端面(図4中、上端面)に当たる。すると、供給パイプ58は、図5に示すように、オイルミストの圧力により前記コイルスプリング69の付勢力に抗して下方へ押し下げられて移動する。このとき、コイルスプリング69が配設された前記隙間72は平時(ミストの非供給時)より小さく(上下方向に小さくなる)なるが、この隙間72に存在していた空気が前記空気抜き孔73から機外へ抜けることにより、前記供給パイプ58は、前記隙間72に存在する空気の抵抗を受けることなくスムーズに下方へ移動する。
そして、下方に移動した供給パイプ58の先端部、つまり前記細径部58cが前記流路延長管61の流通路61a内に挿通するようになる。このとき、細径部58cの外周面と、流路延長管61における流通路61aの内周面とは非接触状態となる。そして、オイルミストは、供給パイプ58の流通路58dから、前記流路延長管61、(工具ホルダ59)、接続管13、アジャストナット12、工具11内に夫々形成された流通路61a、(59a)、13a、12a、11aを流れ、最終的に工具11の吐出口(図示せず)から噴出される。
一方、オイルミストの供給が停止されると、供給パイプ58の大径部58aを押圧するオイルミストの圧力がなくなるので、前記供給パイプ58は前記コイルスプリング69の付勢力によって上方へ移動し、この位置で停止(図4参照)する。
以上のように、上記実施例によれば、いわゆる2面拘束型ツールシャンク部50を有する工作機械用主軸装置1に対しても、上記第1の実施例と略同様の効果を得られる。
また、2面拘束型ツールシャンク部50を有する工作機械用主軸装置1においては、工具11交換時の作業性の向上のため、つまり供給パイプ58が下方に位置していると、その先端部(細径部58c)が工具ホルダ59の嵌合面62と高さ方向にて一致し、これにより接触してしまうため、この時は常に供給パイプ58は上方へ付勢し停止させておく必要があるが、この移動(及び停止)は前記コイルスプリング69の付勢力によって行っている。
更に、ミスト供給時には、オイルミストに対する遠心力の低減及びシール性の向上のため、常に供給パイプ58は下方に付勢され、その先端部(細径部58c)が流路延長管61の流通路61a内に挿通される必要があるが、この移動は前記供給パイプ58を流れるオイルミストの圧力によって行っている。このため、供給パイプ58を軸方向へ移動(上下往復移動)させるために、わざわざ別機構を設けたり或いは複雑な構造を組み込んだりする必要がないので、組立性、コスト性等に優れた工作機械用主軸装置1とすることができる。
また、供給パイプ58が下方へ移動することにより、オイルミストがほとんど遠心力の影響を受けずに工具11へと到達するので、より正確な冷却性能、潤滑性能を得ることができる。
次に、本発明の第4の実施例を図6及び図7を参照して説明する。この第4の実施例は、上記した第3の実施例とは、供給パイプを移動させる手段が異なっている。なお、上記第3の実施例と同様の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
支持部材80の上端部(図6中、上端部)には、段付き円筒状の収容部81が形成されており、この収容部81の大径部81aにはエンド部材82がボルト82aにて固定され、以って前記収容部81の小径部81bを閉じ当該小径部81bをシリンダ部83として構成している。シリンダ部83には、その上下端に、図示しないエア噴出装置と繋がった上部エア噴出孔84、下部エア噴出孔85が夫々形成されている。なお、前記エア噴出装置は、図示しない工具交換機構の動作と連動するものだが、前記エア噴出装置と、前記工具交換機構とは別々の装置、機構であり、その詳細は後述する。
前記エンド部材82には、前記支持部材80に形成されたバイパス23と連通する連通バイパス86が形成されると共に、中央には供給パイプ挿通孔82bを有しており、この供給パイプ挿通孔82bには、基端部(図6中、上端部)にミスト供給孔87a及び連通バイパス孔87bが夫々形成された供給パイプ87が挿通され、以って供給パイプ87の軸方向への移動を案内している。供給パイプ87には、この供給パイプ87の外周から突出すると共に当該外周を周回する円板状のピストン88が形成されており、ピストン88の外周部には、シリンダ部83の内周面と密に当接するOリング88aが設けられている。このような構成により、前記ピストン88は、シリンダ83内を前記上部噴出孔84側の空間84aと、前記下部噴出孔85側の空間85aとの間を、流体の往来が略ないように分断するものである。
さて、このように構成された工作機械用主軸装置1において、ミスト供給孔87aから供給パイプ87の流通路87cへオイルミストが供給されると、これに連動して、前記図示しないエア噴出装置から前記上部噴出孔84を介してシリンダ83内の前記上部噴出孔84側の空間84aへエア(供給パイプへ供給されるオイルミストとは別の流体、例えば空気等)が供給される。これにより、図7に示すように、供給パイプにおけるピストン88の上面(図6、図7中、上方面)に圧力(流体圧)が作用し、以って供給パイプ87が押し下げられる。このとき、供給パイプ87の連通バイパス孔87b、エンド部材82の連通バイパス86、そして支持部材80のバイパス23が全て連通し、それらを通ったオイルミストが非回転側シール部26を押し下げることにより、シール手段24をシール状態とする。
一方、オイルミストの供給が停止されると、これに連動して、前記図示しないエア噴出装置からシリンダ83内の前記上部噴出孔84側の空間84aへのエアの供給が停止されると共に、今度は逆に、前記エア噴出装置からシリンダ83内の前記下部噴出孔85側の空間85aへエアが供給される。これにより、供給パイプ87におけるピストン88の下面(図6、図7中、下方面)に圧力(流体圧)が作用し、以って供給パイプ87が押し上げられる(図6参照)。更に、前記図示しないエア噴出装置は、前記図示しない工具交換機構と連動しており、工具11を交換する際には、前記工具交換機構によって把持されてきた工具ホルダ59の嵌合面62と、前記供給パイプ87の先端部87dとが接触しないように、前記工具交換機構によって把持された工具ホルダ59が前記主軸51の先端側(図6、図7中、下方側)近傍に接近すると、供給パイプ87を押し上げるよう構成されている。
以上のように構成された上記実施例によれば、前記図示しない工具交換機構とは別に、流体圧を用いたシリンダ部83を設け、このシリンダ部83の前記上部噴出孔84側の空間84a及び前記下部噴出孔85側の空間85aに、供給パイプ87へ供給されるオイルミストとは別の流体、つまりエアを夫々供給するより供給パイプ87の軸方向の移動を行った。このため、供給パイプ87の動作、つまり軸方向への移動が正確で且つ迅速なものとなる。
次に、本発明の第5の実施例を図8及び図9を参照して説明する。この第5の実施例は、上記した第4の実施例とは、供給パイプを移動させる手段が異なっている。なお、上記した第4の実施例と同様の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
支持部材17の上端面(図8中、上端部の端面)には、その右方に位置してカム機構90を有する、機械的駆動手段たる駆動手段91が設けられている。この駆動手段91は、工具交換機構(アーム部92のみ、図8の下方に図示)と連動する構成となっている。カム機構90は、前記工具交換機構の動作によって駆動するギア(図示せず)により回転駆動される円筒カム93を有し、この円筒カム93には当該円筒カム93の外周面を周回すると共に、上下方向へ蛇行するカム溝93aが設けられている。
このカム溝93aには、レバー94の一端部が移動可能に係合しており、レバー94の他端部は供給パイプ把持部94aとして構成されている。よって、前記円筒カム93が回転駆動(回転運動)することにより、カム溝93aに係合されたレバー94が軸94bを中心に上下運動するものである。
供給パイプ95の基端部には、前記供給パイプ把持部94aに把持される被把持部95aが形成されており、供給パイプ95は、前記供給パイプ把持部94aが上下運動することに基づいて、これと同期して軸方向へ移動(上下運動)するように構成されている。また、供給パイプ95の流通路95bにおいて、その基端側には、当該流通路95bと前記小径部17bとを連通するバイパス95cが形成されている。これにより、このバイパス95cから小径部17bへ流れたオイルミストが、非回転側シール部26を押し下げ、以ってシール手段24をシール状態とする。
以上のように構成された上記実施例によれば、供給パイプ95の軸方向の移動を、工具交換機構(アーム部92のみ、図8に図示)と機械的に連動する駆動手段91によって行った。このため、供給パイプ95を軸方向への移動させるのに別の駆動源を設ける必要がないと共に、工具交換時における供給パイプ95の動作を正確に且つ迅速なものとすることができる。
なお、上記第1〜第4の実施例において、シール手段24を構成する非回転側シール部26の形状は、前記図2に示すように、その下面に放射状の複数の溝部26bを有する構成のものとしたが、これに限定されるものではなく、変形例として、例えば図10に示すような形状としてもよい。このものは、前記非回転側シール部26の下面に、孔26aと同心円のポケット26cが前記孔26aと連通するように形成されている。この場合、前述の複数の溝26bを形成したものと同様の効果を得ることができる。
また一方で、シール手段24を構成する回転側シール部25の形状を、例えば図11に示すような形状としてもよい。このものは、図11(a)のように、前記回転側シール部25の上面の外周端部に、傾斜状をなす底面を有する動圧発生溝25bが前記外周端部を断続的に周回するように複数(この場合、8箇所)形成されている。よって、動圧発生溝25bは、図11(b)のように、孔25aと連通するのではなく、空間部22(大気圧の空間部)と連通するものである。なお、図11においては、回転側シール部25を、実際に取り付ける状態での方向で示しており、図11(a)は上面図(平面図)、図11(b)は側面図となっている。
この構成によれば、主軸3、40、51の回転速度が高い状態のときには、前記動圧発生溝25bから高い動圧が発生し、これにより、前述の非回転側シール部26に複数26bの溝やポケット26cを形成した場合(図2、図10参照)と同様の効果を得ることができる。逆に、主軸3、40、51の回転速度が低い状態のときには、動圧発生溝25bから発生する動圧も低い状態となるので、これにより回転側シール部25と非回転側シール部26とは略接触状態となり、以ってシール効果を発揮する。
なお、非回転側シール部26に対して溝26b、ポケット26cを形成したが、これらは回転側シール部25に形成するような構成としてもよく、更に静圧スラスト軸受が形成されるならば、回転側シール部25及び被回転側シール部26に形成する溝やポケット等の形状は特に限定せず、また動圧が発生するならば動圧発生溝の形状も特に限定しない。
また、工作機械用主軸装置1として、駆動モータ4がハウジング2の内部に配設される構成のビルトインタイプのものとしたが、これに限定されるものではなく、駆動モータがハウジングの外部に配設されるものにも適用可能である。
また、非回転側シール部25(吊持部材30)の吊持を、吊持コイルばね29によって行ったが、これに限定されるものではなく、例えばベローズばね等を用いてもよい。
本発明の第1の実施例を示すもので、工作機械用主軸装置の縦断面図 シール手段を構成する非回転側シール部を示すもので、(a)は下面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図 本発明の第2の実施例を示す図1相当図 本発明の第3の実施例を示すもので、供給パイプが上方に位置した状態での図1相当図 供給パイプが下方に位置した状態での図1相当図 本発明の第4の実施例を示す図4相当図 図5相当図 本発明の第5の実施例を示す図4相当図 図5相当図 非回転側シール部の変形例を示す図2相当図 回転側シール部の変形例を示すもので、(a)は上面図、(b)は側面図 従来例を示す図1相当図 接続パイプ部分の拡大断面図
符号の説明
図面中、1は工作機械用主軸装置、3は主軸、7は挿通孔、8はプルスタッド(工具把持機構)、9は工具ホルダ(工具把持機構)、9bは流通路、10はコレット(工具把持機構)、11は工具、11aは流通路、12aは流通路、13aは流通路、14はドローバー、15は供給パイプ(流通管)、15aは流通路、16は隙間、17は支持部材(静止部材)、19bは流通路、24はシール手段、25は回転側シール部、26は非回転側シール部、40は主軸、42は挿通孔、43は供給パイプ(流通管)、43aは流通路、44は隙間
51は主軸、53は挿通孔、54はドローバー、55はチャック機構(工具把持機構)、56はスリーブ(工具把持機構)、57はチャックコレット(工具把持機構)、58は供給パイプ(流通管)、58dは流通路、59は工具ホルダ(工具把持機構)、61aは流通路、80は支持部材(静止部材)、87は供給パイプ(流通管)、87cは流通路、90はカム機構、91は駆動手段(機械的駆動手段)、92はアーム部(工具交換機構)、95は供給パイプ(流通管)、95cは流通路である。

Claims (10)

  1. 先端部に工具把持機構により工具が装着されると共に、回転可能に設けられた主軸に、その軸心を貫通して前記工具把持機構にまで連通する挿通孔を形成し、
    この挿通孔に筒状をなすドローバーを挿通し、当該ドローバーの先端部を前記工具把持機構に臨ませ、
    非回転の流通管を、前記ドローバーの軸心に沿って当該ドローバーの基端側から先端側にまで延びるように設け、
    前記主軸の基端部の外側から前記流通管に供給される流体を、この流通管から前記工具把持機構の流通路を介して前記工具まで供給するように構成された工作機械用主軸装置において、
    前記主軸の基端側で、且つ前記流通管の外周部近傍に、前記流通管の外周面と前記ドローバーの内周面との間の隙間に流入した流体が前記主軸の外側へ流出することを規制するシール手段を設けたことを特徴とする工作機械用主軸装置。
  2. 先端部に工具が装着されると共に、回転可能に設けられた主軸に、その軸心を貫通して前記工具にまで連通する挿通孔を形成し、
    非回転の流通管を、前記挿通孔の軸心に沿って前記主軸の基端側から先端側にまで延びるように設け、
    前記主軸の基端部の外側から前記流通管に供給される流体を、この流通管から流通路を介して前記工具まで供給するように構成された工作機械用主軸装置において、
    前記主軸の基端側で、且つ前記流通管の外周部近傍に、前記流通管の外周面と前記主軸における前記挿通孔の内周面との間の隙間に流入した流体が前記主軸の外側へ流出することを規制するシール手段を設けたことを特徴とする工作機械用主軸装置。
  3. 流体はオイルミストであることを特徴とする請求項1または2記載の工作機械用主軸装置。
  4. 前記シール手段は、
    前記主軸と共に回転する回転側シール部と、静止部材に設けられた非回転側シール部とからなり、互いのシール部は非接触状態でシール作用を発揮するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の工作機械用主軸装置。
  5. 前記シール手段において、前記非回転側シール部は、前記流体の圧力によって前記回転側シール部方向へ移動するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の工作機械用主軸装置。
  6. 前記流通管は、軸方向へ移動可能であることを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載の工作機械用主軸装置。
  7. 前記流通管は、当該流通管に供給される前記流体の圧力によって移動されることを特徴とする請求項6記載の工作機械用主軸装置。
  8. 前記流通管は、当該流通管に供給される前記流体とは別の流体の圧力によって移動されることを特徴とする請求項6記載の工作機械用主軸装置。
  9. 前記流通管は、機械的駆動手段によって移動されることを特徴とする請求項6記載の工作機械用主軸装置。
  10. 前記流通管は、軸方向へ移動可能であると共に、前記主軸に対して工具の交換を行う工具交換機構の動作に連動して移動されることを特徴とする請求項1記載の工作機械用主軸装置。
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