JP2005270529A - 人工歯根 - Google Patents

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秀希 青木
Tsuneo Hasegawa
経夫 長谷川
Kazuhide Ozeki
和秀 尾関
Yasuhiro Fukui
康裕 福井
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Abstract

【課題】 本発明は、咬合により生ずる横方向の応力を緩和でき、ぐらつきを防止できる人工歯根を提供することを目的とする。
【解決手段】 上記課題は、義歯が装着された際に義歯を支え、固定する義歯支持部(2)と、骨組織に埋入される埋設部(3)と、前記義歯支持部と前記埋設部との間に設けられ、少なくともその一部が歯肉と接触する歯肉接触部(4)と、を具備する人工歯根であって、前記埋設部の上部には、前記埋設部を取り囲み、下方に進むに従い先細な形状となる帯部(13)が設けられる人工歯根などによって解決される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、人工歯根(インプラント)に関する。さらに詳しくは、咬合による応力を分散でき老人用として特に好適に利用され得る人工歯根などに関する。
永久歯を抜歯した後の処理として、人工歯根を用いたインプラント手術が知られている。人工歯根は、その形状によってブレード型、スクリュー型、シリンダー型、バスケット型などに分類されている。スクリュー型、シリンダー型及びバスケット型の人工歯根には、その外周の一部にらせん状の突起部が設けられ、ネジのように機能するものもある。
図1に、従来の人工歯根の例(特許文献1(特開平2−161939号公報)の図1に記載のもの)を示す。図1に示されるように、従来の人工歯根1は、義歯が装着された際に義歯を支え、固定する義歯支持部(2:同公報では義歯装着部)と、骨組織に埋入される埋設部(3:同公報では歯根部)と、前記義歯支持部と前記埋設部との間に設けられ、歯肉の少なくとも一部と接触する歯肉接触部(4:同公報では凸部)とを具備する。そして、埋設部には、らせん状の突起部5が形成されている。そのらせん状の突起部5には、カット面6が設けられる。なお、この例では、歯肉接触部4が円柱状の凸部として形成されている。さらに、同公報の図2には、埋設部表面にハイドロキシアパタイトからなる薄膜層が形成された人工歯根が開示されている。なお、図中7は、埋設部のボディ部分である。
図2に、従来の人工歯根のうち、図1に示すものとは別の例(特許文献2(特開2001−204743号公報)の図2に記載のもの)を示す。図2に示されるように、この人工歯根1では、義歯支持部2が略円錐台状であり、その側面には、円錐台の軸を中心とした円を描くように形成された凹溝8が設けられる。その人工歯根の埋設部3には、らせん状の突起部5と環状の環状突起9が設けられる。さらに、その環状突起9には、凹部または平坦部10が設けられる。この例の人工歯根でも、歯肉接触部は、円柱状である。
図1及び図2に示されるように、従来の人工歯根では、歯肉接触部4は円柱状のもの(すなわち、歯肉接触部4の全体に渡り直径が変化しないもの)であった。また、埋設部3の上部には、図2に示される環状突起9を有するものはあったが、このものでは咬合による応力を分散できない。
咬合により、人工歯根には横方向の応力が働く。従来の人工歯根では、歯肉接触部4の下端位置に応力が集中するので、埋設部3を長くしなければ、人工歯根がぐらつくという問題がある。
老人用の人工歯根は、通常の人工歯根に比べ埋設部が短い。そこで、従来の老人用人工歯根は、容易にぐらついてしまうという問題がある。
また、従来の人工歯根は、埋設部の下方にあるらせん状の突起部5の直径が一定であり、比較的幅広であったので、人工歯根を埋設する際に抵抗となり、埋設しにくいという問題がある。
従来の人工歯根では、人工歯根を骨組織に埋入する際に、予定以上に人工歯根を深く埋入してしまうという問題がある。すなわち、人工歯根がどこまで埋め込まれたか把握できず、歯肉接触部までも骨組織に埋入してしまうというという問題がある。
また、従来の人工歯根では、義歯を義歯支持部に固定する際に十分な固定強度が得られないという問題がある。
また、義歯を義歯支持部に固定する場合には、歯科用のセメントが用いられる。このセメントが、義歯と義歯支持部との間からはみ出してしまい、審美性に欠ける場合があるという問題がある。
図1に示されるような、ストレートタイプ(すなわち、各部の中心軸がおよそ一直線となるようなタイプ)の人工歯根では、前歯の人工歯根として適さない。すなわち、このような人工歯根を用いると、前歯が出っ歯になってしまうとう問題がある。このような問題を解決するには、義歯支持部と、歯肉接触部及び埋設部とを別々に設けたいわゆる2ピースタイプのものを用いていた。すなわち、歯肉接触部と所定の角度を持って義歯支持部を接続していた。このようにすることで、人工歯根を施術した後の審美性を確保していた。しかしながら、このような2ピースタイプの人工歯根は、ネジにより接続しているため、十分な強度を得ることができず、ネジ部で人工歯根が折れるなどの問題がある。
特開平2−161939号公報 特開2001−204743号公報
本発明は、咬合により生ずる横方向の応力を緩和でき、ぐらつきを防止できる人工歯根を提供することを目的とする。
本発明は、特に老人用の人工歯根を提供することを別の目的とする。
本発明は、人工歯根を骨組織に埋入する際に、人工歯根を深く埋入し過ぎない人工歯根を提供することを別の目的とする。
本発明は、義歯との密着性の強く、義歯の安定性が高い人工歯根を提供することを別の目的とする。
本発明は、容易に義歯を設計、製作できる人工歯根を提供することを別の目的とする。
本発明は、セメントが義歯と義歯支持部との間からはみ出すことを防止し、審美性の高い人工歯根を提供することを別の目的とする。
本発明は、前歯などに用いても、審美性を維持しつつ折れにくい人工歯根を提供することを別の目的とする。
本発明は、埋設しやすい人工歯根を提供することを別の目的とする。
[1] 上記の課題の少なくともひとつ以上を解決するため、本発明の人工歯根は、義歯が装着された際に義歯を支え、固定する義歯支持部と、骨組織に埋入される埋設部と、前記義歯支持部と前記埋設部との間に設けられ、少なくともその一部が歯肉と接触する歯肉接触部と、を具備する人工歯根であって、前記埋設部の上部には、前記埋設部を取り囲み、下方に進むに従い先細な形状となる帯部が設けられる人工歯根である。
咬合により、人工歯根には横方向の応力が働く。この応力は、特に埋設部3と歯肉接触部4との境目など境目に集中する。小さな箇所に応力が集中すると、人工歯根がぐらつくなどの問題がある。従来の人工歯根ではこのような応力を緩和しようという発想すらなかった。この問題を解決するために、本発明の人工歯根は、埋設部の上部に帯部13を設け、更にその帯部が下方に行くにしたがって先細となるような形状とした。このような形状にすることで、横方向の応力を緩和できる。
本発明の人工歯根は、咬合の際に生じる横方向の応力を緩和できるので、本発明の人工歯根はその埋設部の長さを短くできる。この結果、本発明の人工歯根は特に老人用の人工歯根として好適に用いることができる。
[2] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記帯部の平均傾斜が5°〜45°である上記[1]に記載の人工歯根である。
[3] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記帯部の長さが、0.5mm〜4mmである上記[1]に記載の人工歯根である。
[4] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記帯部が、傾斜の異なる2又はそれ以上の傾斜部を含む上記[1]に記載の人工歯根である。このように傾斜が多段階となれば、それだけ人工歯根の製造の手間がかかることとなる。しかしながら、応力計算の結果、帯部を多段階とすることで、咬合の際に生ずる横方向の応力を効果的に緩和できることがわかった。すなわち、本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記帯部が、傾斜の異なる2又はそれ以上の傾斜部を含むことで、適切に応力を緩和できる。
[5] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記帯部が、傾斜の異なる2つの傾斜部を含み、それらを上部傾斜部と下部傾斜部とした場合、上部傾斜部の傾斜が0°〜20°であり、下部傾斜部の傾斜が10°〜60°である上記[1]に記載の人工歯根である。
[6] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記上部傾斜部と、前記下部傾斜部との厚さの比が50:1〜1:20の範囲である上記[5]に記載の人工歯根である。
[7] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記埋設部の長さが4mm〜14mmである上記[1]に記載の人工歯根である。本発明の人工歯根は、咬合の際に生じる横方向の応力を緩和できるので、本発明の人工歯根はその埋設部の長さを短くできる。この結果、本発明の人工歯根は特に老人用の人工歯根として好適に用いることができる。
[8] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記帯部以外の前記埋設部の少なくとも一部には、らせん状の突起部が設けられ、前記らせん状の突起部は、下方に近づくにつれて先細となる先細突起部を含む上記[1]に記載の人工歯根である。このように先細突起部を含むので、本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、容易に埋設できる。
[9] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記先細突起部の傾斜が、1°〜30°である上記[8]に記載の人工歯根である。
[10] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記先細突起部の長さが1mm〜10mmである上記[8]に記載の人工歯根である。
[11] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記埋設部の表面の少なくとも一部には、リン酸カルシウム系物質を1種又は2種以上含む薄膜層が形成される上記[1]に記載の人工歯根である。ハイドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム系物質は、生体親和性が高いので、埋設部の表面には、ハイドロキシアパタイト等を含む薄膜層が形成されていれば、骨組織と早期に高い密着性を得られる。また、早期に人工歯根が安定化することとなる。
[12] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記埋設部の表面の少なくとも一部には、アパタイト焼結体の固体ターゲットを用い、出力200W〜1kW、アルゴン分圧0.01Pa〜10Paのスパッタリング法を含む工程により形成されたハイドロキシアパタイトを含む薄膜層が形成される上記[1]に記載の人工歯根である。スパッタリングコーティングの際に粉末のターゲットを用いると、粉末が飛散するので、出力を高くできない。そこで、ターゲットとして、アパタイト焼結体を用いれば、出力を高くできる。また、スパッタリング法により形成されたハイドロキシアパタイト層は、緻密であり生体親和性が高まる。したがって、本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、骨組織と高い接着性を得られる。
[13] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記薄膜層の膜厚が、0.1μm〜5μmである上記[11]又は上記[12]に記載の人工歯根である。
[14] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記歯肉接触部の外形は、前記義歯支持部に近づくほど膨らむ形状である上記[1]に記載の人工歯根である。
[15] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記歯肉接触部と前記義歯支持部との境目には、義歯の下部が搭載される縁部が設けられる、上記[1]に記載の人工歯根である。
[16] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記縁部は、その幅の平均が0.1mm〜0.7mmである上記[15]に記載の人工歯根である。
[17] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記義歯支持部が先細の円錐台状であり、前記義歯支持部の側面には、円錐台の軸を中心とした円を描くように形成された凹溝が設けられる上記[1]に記載の人工歯根である。
[18] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記義歯支持部の軸と前記歯肉接触部の軸とのなす角が、1度〜25度である上記[1]に記載の人工歯根である。このように、義歯支持部の軸と前記歯肉接触部の軸とが傾斜していれば、例えば前歯用の人工歯根として好適に用いることができる。なお、本明細書において「義歯支持部の軸」とは、義歯支持部の重心をとおる軸であり、義歯支持部が円錐台状の場合は円錐台の軸とほぼ一致するものである。「歯肉接触部の軸」についても、義歯支持部の軸と同様に考えることができる。
[19] 本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記義歯支持部、前記埋設部、及び前記歯肉接触部が一体成形される上記[1]に記載の人工歯根である。一体形成されているので、本発明の人工歯根は、各部位の連結部として十分な強度を有することとなる。これにより、本発明の人工歯根は、咀嚼中に折れるなどの事態が発生することを軽減できる。
本発明の人工歯根は、その態様に応じて、下記の効果のうち少なくともひとつを奏することができる。すなわち、本発明によれば、咬合により生ずる横方向の応力を緩和でき、ぐらつきを防止できる人工歯根などを提供できる。本発明の人工歯根は、特に老人用の人工歯根として有効に活用できる。
本発明によれば、人工歯根を骨組織に埋入する際に、帯部や縁部が目印となるので、人工歯根を深く埋入し過ぎる事態を防止できる。
本発明によれば、縁部を有することなどにより、義歯との密着性の強く、義歯の安定性が高い人工歯根を提供することができる。
本発明によれば、容易に義歯を設計、製作できる人工歯根を提供することができる。
本発明によれば、セメントが義歯と義歯支持部との間からはみ出すことを防止し、審美性の高い人工歯根を提供できる。
本発明によれば、前歯にも好適に用いることのでき、折れにくい人工歯根を提供できる。
本発明によれば、埋設部の突起部が下方に従い先細となる先細突起部を有するので、埋設しやすい人工歯根を提供できる。
本発明は、基本的には埋設部に設けられた帯部13が下方に進むに従い先細な形状であるので、咬合の際の応力が集中する事態を防止でき、それにより人工歯根のぐらつきを防止でき、さらには埋設部を短くできるという知見に基づくものである。以下、図面を参照しつつ、本発明の人工歯根を説明する。図3は、本発明の人工歯根の基本的要素を示す概略構成図である。
図3に示されるように、本発明の人工歯根1は、義歯が装着された際に義歯を支え、固定する義歯支持部2と、骨組織に埋入される埋設部3と、前記義歯支持部と前記埋設部との間に設けられる歯肉接触部4とを具備する人工歯根であって、前記埋設部の上部に帯部13があり、その帯部13は、下方に進むに従い先細な形状である。なお、本明細書において、上方とは埋設部3から見て義歯支持部2の方向を意味する。以下、本発明の人工歯根の各要素などについて説明する。
(1.人工歯根)
人工歯根は、インプラントともよばれ、永久歯を抜歯したのちに永久歯(の歯根)の換わりに植立される人工の歯根である。
(1.1.義歯支持部)
義歯支持部は、義歯が装着された際に義歯を支え、固定する部である。義歯支持部の形状は、公知の形状を採用でき特に限定されないが、例えば円柱状、楕円柱状、円錐台状、楕円錐台状、テーパー状(先細の形状)が挙げられ、義歯の大きさや形状などにあわせて適切なものが選択されればよい。
義歯支持部の材質は、人工歯根に用いられる公知の材質を、顎の状態や、義歯の形状などに応じて適宜選択すればよく、例えば、純チタン、チタン合金、チタン・ニッケル合金、コランダムなどの人工サファイア、酸化アルミニウム、タンタルなどを1種類、又はこれらを組み合わせたものを用いることができる。
(1.1.1.凹部)
図3に示されるように、義歯支持部の上面には、好ましくは凹部12が設けられる。凹部は、義歯支持部の上面に設けられた凹み部分である。凹部の形状としては、角柱状、角錐台状、円柱状、円錐台状、楕円柱状、楕円錐台状などその機能を担保しうる公知の形状を採用でき、好ましくは四角柱状、四角錐状、六角柱状、又は六角錐台状であり、特に好ましくは図3に示されるような六角柱状である。多角錐台状とは、義歯支持部の上面には、多角形の切り欠きがあり、内部に行くほど多角形の切り欠きが大きくなるような形状である。凹部にまでセメント等の接着剤が入り込み、固化する。すると、この固化物が凹部内で、楔(くさび)のような役割をするので、義歯を接着した際の接着強度が強まる。
(1.1.2.凹溝)
図3に示されるように、義歯支持部の側面には、好ましくは凹溝8が設けられる。凹溝は、義歯支持部の側面に円錐台の軸を中心とした円を描くように形成された溝である(特開2001−204743号公報参照。同公報では、人工歯根の軸方向に垂直な方向に延びる凹溝とされている。)。凹溝は、義歯支持部の側面にひとつ又は二つ以上設けられていても良い。凹溝は、義歯支持部の側面を一周しても良いし、途中で途切れていても良い。凹溝の形状は、特に限定されないが、例えば円形の溝や、矩形の溝などが挙げられる。このような凹溝は、義歯が接着された際に、義歯と人工歯根を強固に接着させることとなる。
図4は、本発明の人工歯根に義歯14を搭載した際の概略図である。図4中、15は、セメントなどの接着剤である。図4に示されるように、本発明の人工歯根の義歯支持部2は、義歯を支持し、固定する。義歯14と、義歯支持部2との間には、セメントなどの接着剤15が塗布され、これが固化することにより義歯と義歯支持部とが接着される。
(1.2.埋設部)
埋設部は、人工歯根のうち骨組織に埋入される部分である。人工歯根は、埋設部の形状によって、ブレード型、スクリュー型、シリンダー型、バスケット型などに分類される。本発明の人工歯根として、好ましくはスクリュー型、シリンダー型、及びバスケット型のいずれかであり、特に好ましくはスクリュー型である。スクリュー型は、埋設部がネジのようになっているもの(すなわち、ネジのような突起部が埋設部の周囲に設けられているもの)である。スクリュー型は、ブレード型に比べ人工歯根を埋め込む穴が小さくて済み、さらには咀嚼力を効率よく歯に伝えることができる。シリンダー型は、埋設部がおよそ円筒状になっているものである。バスケット型は、スクリュー型に類似して埋設部の周囲にらせん状の突起部がありネジのように機能するが、埋設部の周囲には空孔が設けられ、しかも埋設部自体が中空のものである。バスケット型は、中が中空なので、人工歯根の周囲や内部にも骨組織によって囲まれる。その結果人工歯根と、骨組織との接触面積が広くなり、咀嚼力を骨に効果的に伝えることができる。
図5は、本発明の人工歯根の例を示す図である。図5に示されるように、本発明の人工歯根は、その埋設部の上部に帯部13を具備する。なお、埋設部は、らせん状の突起部5を有していてもよい。
埋設部の大きさ(長さ)は、人工歯根に用いられる公知の大きさを利用者の年齢、前歯か奥歯かなどの用途に合わせて適宜採用すればよい。埋設部のボディ部7の直径としては、例えば2mm〜6mmが挙げられ、好ましくは3mm〜5mmであり、より具体的には3.3mm、3.7mm、4.0mm、5mmが挙げられる。埋設部の長さとしては、例えば、4mm〜14mmが挙げられ、好ましくは6mm〜10mmであり、7mm〜9mmであってもよい。
埋設部の材質は、先に説明した義歯支持部と同様のものを用いることができる。埋設部のボディ部分7の形状は、円柱状、先細の円錐台状などが挙げられる。本発明の人工歯根は、好ましくは、埋設部の周囲の少なくとも一部には、らせん状の突起部が設けられる。埋設部の先端部分などにらせん状の突起部が設けられるので、らせん状の突起部をネジのように利用して、人工歯根を骨組織に埋入できる。
(1.2.1.帯部)
図3、及び図4に示されるように、帯部13は、埋設部を取り巻く部位であり、埋設部の上方(好ましくは上端部分)に設けられる。帯部の厚さ(長さ)24としては、0.5mm〜4mmが挙げられ、1mm〜3mmでもよく、1.5mm〜2.5mmでもよく、1.9mm〜2.1mmでもよい。なお、帯部13は通常埋設部に含まれるが、帯部が歯肉と接触する場合は、帯部が歯肉接触部に含まれていても良い。
より具体的な帯部の形状としては、図5に示されるような人工歯根の帯部13に1段階または多段階の傾斜部を設けたものがあげられる。咬合により、人工歯根には横方向の応力が働く。この応力は、特に埋設部3と歯肉接触部4との境目など境目に集中する。小さな箇所に応力が集中すると、人工歯根がぐらつくなどの問題がある。この問題を解決するために、本発明の人工歯根は、埋設部の上部に帯部13を設け、更にその帯部が下方に行くにしたがって先細となるような形状とした。このような形状にすることで、横方向の応力を緩和できる。傾斜が多段階となれば、それだけ人工歯根の製造の手間がかかることとなる。しかしながら、応力計算の結果、帯部を多段階とすることで、咬合の際に生ずる横方向の応力を効果的に緩和できることがわかった。すなわち、本発明の好ましい態様にかかる人工歯根は、前記帯部が、傾斜の異なる2又はそれ以上の傾斜部を含むことで、適切に応力を緩和できる。
図6は、埋設部上部の帯部の例を説明するための図である。図6(a)に示されるように、帯部13としては、下部に進むにしたがい先細となる2つの略円錐台形状の傾斜部(25、26)からなるものが挙げられる。そのうち、上部傾斜部(義歯支持部に近い方)25と、下部傾斜部26との厚さの比としては、3:1〜1:30、1:1〜1:10、1:2〜1:4、2:5〜1:4など、応力を計算して適宜調整すればよい。
帯部の平均傾斜としては、5°〜45°があげられ、好ましくは10°〜40°であり、より好ましくは15°〜35°であり、さらに好ましくは20°〜30°である。上部と、下部の傾斜部における傾斜は、上記それぞれの厚さの比に対して以下のものが挙げられる。すなわち、上部傾斜部の傾斜28としては、0度〜1度、または1度〜30度が挙げられ、好ましくは3度〜20度であり、より好ましくは5度〜15度であり、更に好ましくは6度〜10度であり、最も好ましくは7度〜10度である。また、下部傾斜部の傾斜29としては、上部の傾斜より角度が大きいものが好ましく、具体的には10度〜60度が挙げられ、好ましくは15度〜45度であり、より好ましくは20度〜40度であり、更に好ましくは25度〜35度である。具体的には、上部の厚さが1.5mmで傾斜が8度、下部の厚さが0.5mmで傾斜が30度のものが挙げられる。
図6(b)に示されるように、帯部13の別の例としては、下部に進むにしたがい先細となる3つの傾斜部からなるものが挙げられる。それらの傾斜部の厚さ、傾斜は、適宜調整すればよい。
図6(c)に示されるように、帯部13の別の例としては、多段階傾斜のうち、少なくともひとつの傾斜部には傾斜がないものであっても良い。
埋設部は、好ましくは埋設部の周囲の少なくとも一部に、らせん状の突起部が設けられる。らせん状の突起部のピッチ(間隔)としては、0.5mm〜3mmが挙げられ、好ましくは1mm〜2mmである。前記らせん状の突起部の少なくとも一部には、好ましくは凹部、又は平坦部が設けられる。
図5に示されるように、埋設部の少なくとも一部には、らせん状の突起部が設けられ、前記らせん状の突起部は、下方に近づくにつれて先細となる先細突起部を含むものであってもよい。このような埋設部を有することで、人工歯根を容易に埋設できることとなる。先細突起部の傾斜は、1°〜30°があげられ、好ましくは3°〜20°であり、より好ましくは5°〜15°である。また、先細突起部の長さとしては1mm〜10mmがあげられ、好ましくは2mm〜8mmであり、より好ましくは3mm〜6mmである。
(1.2.2.薄膜層)
本発明の人工歯根は、好ましくは、埋設部の表面の少なくとも一部(好ましくは全部)に、リン酸カルシウム系物質を含む薄膜層が形成される。ハイドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム系物質は、生体親和性が高いので、埋設部の表面には、ハイドロキシアパタイト等を含む薄膜層が形成されていれば、骨組織との高い接着性を得られる。また、早期に人工歯根が安定化する。リン酸カルシウム系物質としては、ハイドロキシアパタイトの他、α−TCPや、β―TCPなどが挙げられる。
本発明の人工歯根は、好ましくは、前記埋設部の表面の少なくとも一部に、スパッタリング法を含む工程により形成されたハイドロキシアパタイトを含む0.3μm〜5μmの膜厚を有する薄膜層が形成される。特にスパッタリング法により形成されたハイドロキシアパタイト層は、緻密であり生体親和性が高まるので、このような構成を採用する人工歯根は、骨組織と高い接着性を得られる。薄膜層の膜厚は0.05μm〜10μmが挙げられ、好ましくは0.1μm〜5μmであり、より好ましくは0.5μm〜2μmであり、特に好ましくは0.8μm〜1.5μmである。なお、本明細書において、薄膜層の膜厚とは、薄膜層の平均の膜厚を意味する。
スパッタリング法を含む工程によりハイドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム系物質を含む薄膜層を形成するためには、ターゲットとしてリン酸カルシウム系物質を用い、公知のスパッタリング法を用いて、人工歯根の表面にリン酸カルシウム系物質を蒸着させる工程を含めばよい。すなわち、スパッタリングの種類、スパッタリングの際の真空度、ガスの種類、ガス圧、放電電圧、スパッタリング装置、排気部の構成、排気速度、スパッタリングの時間などは、公知のスパッタリングにおけるものから適宜選択すればよい。また、スパッタリングの前処理として人工歯根の表面をサンドブラスト、ビーズブラスト、研削加工、切削加工などにより粗面処理を施しても良い。スパッタリングのターゲットとして、好ましくはアパタイト焼結体の固体ターゲットである。粉末のものを用いると、粉末が飛散するので、出力を高くできない。そこで、ターゲットとして、アパタイト焼結体を用いれば、出力を高くできる。出力としては、好ましくは200W〜1kWであり、より好ましくは300W〜800Wであり、より好ましくは400W〜600Wであり、さらに好ましくは450W〜550Wであり、最も好ましくは550Wである。アルゴン分圧として好ましくは0.01Pa〜10Paであり、より好ましくは0.05Pa〜1Paであり、さらに好ましくは0.1Pa〜0.4Paであり、最も好ましくは0.2Paである。
ターゲットは、スパッタリングにより蒸発し、被覆体に蒸着する物質である。ターゲットのリン酸カルシウム系物質としては、ハイドロキシアパタイトや、ハイドロキシアパタイトの前駆体が挙げられる。ハイドロキシアパタイトの前駆体としては、α−TCPや、β―TCPなどが挙げられる。
スパッタリングにより蒸着した薄膜層は、好ましくは、スパッタリングを経た人工歯根を、純水もしくは蒸留水、またはカルシウムイオン、及びリン酸イオンのいずれか、または両方を含む溶液に浸漬する。このような溶液として、好ましくは水溶液、またはこれらのイオンを含むゲルが挙げられる。溶液は、リン酸イオン及びカルシウムイオンを含む溶液でもよいし、リン酸イオンを含む水溶液と、カルシウムイオンを含む水溶液とを用意し、これらに人工歯根を交互に浸漬してもよい。スパッタリングによりハイドロキシアパタイトを人工歯根の表面にコーティングした後は、ハイドロキシアパタイトを含む薄膜層に、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、酸化カルシウムなどの副生成物も含まれていることがある。そこで、そのような場合には、人工歯根をリン酸及び/又はカルシウムイオンを含む溶液に浸漬することにより、コーティング層に含まれる副生成物が除去され、またコーティング層表面に新たにハイドロキシアパタイト層が形成されることになる。それゆえ、ハイドロキシアパタイト層の膜厚を維持しつつ、純度が高く、緻密なハイドロキシアパタイト層を得ることができる。
副生成物を除去するためなどの浸漬処理に用いられる装置としては、人工歯根を浸漬できる装置であれば、公知の装置において行うことができ、特に限定されるものではないが、例えば桶形状を有する浸漬槽を用いることができる。
人工歯根を浸漬する溶液が、リン酸イオン及びカルシウムイオンを含む場合、カルシウムとリンとのモル比としては、0.2〜3が挙げられ、好ましくは0.28〜2である。また、人工血清における上記モル比がおよそ1.67であるので、上記モル比として好ましくは1.5〜1.8であり、さらに好ましくは1.65〜1.7であり、特に好ましくは1.67である。なお、人工唾液における上記モル比がおよそ0.28なので、モル比が0.2〜0.8、好ましくは0.25〜0.35としてもよい。このような、モル比の溶液であれば、ハイドロキシアパタイトと近いモル比の溶液であるので、スパッタリングによる副生成物を除去した後に、純度の高いハイドロキシアパタイトが析出することとなる。なお、リン酸イオン及び/又はカルシウムイオンを含む溶液としては、これらのイオンを含むゲルであってもよい。
溶液の温度としては、10℃〜300℃が挙げられ、好ましくは45℃〜200℃であり、より好ましくは60℃〜150℃であり、さらに好ましくは60℃〜90℃である。浸漬時間としては、1時間〜1週間が挙げられ、より好ましくは10時間から3日間が挙げられ、さらに好ましくは15時間〜2日間が挙げられ、特に好ましくは20時間から28時間が挙げられる。
(1.3.歯肉接触部)
歯肉接触部は、義歯支持部と埋設部との間に設けられ、歯肉の少なくとも一部と接触する部である。歯肉接触部の材質は、義歯支持部と同様のものを用いることができる。歯肉接触部の外形は、前記義歯支持部に近づくほど膨らむ形状であり、好ましくは円錐台状である。
(1.3.1.縁部)
歯肉接触部の外形として、好ましくは、図3に示されるように前記義歯支持部に近づくほど膨らむ形状があげられる。また、歯肉接触部と前記義歯支持部との境目には、義歯の下部が搭載される縁部が設けられる。縁部は、歯肉接触部と義歯支持部との境目にあり、義歯の下部が搭載される部分である。図3に示されるように、縁部11としては、歯肉接触部4の上面のうち義歯支持部2のすそ以外の領域であっても良い。縁部の形状は、図3に示されるように輪状のものが挙げられる。縁部の幅としては、義歯の下部を搭載することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、0.1mm〜0.7mmが挙げられ、好ましくは0.2mm〜0.6mmであり、0.3mm〜0.5mmであってもよく、具体的には、0.25mm、0.4mm、0.5mmなどが挙げられる。特に図示しないが、縁部11には、義歯の下部を埋め込むための溝が設けられていても良い。
図6は、歯肉接触部の形状を説明するための図である。図6(a)は、義歯支持部に近づくほど幅が広がる円錐台状の歯肉接触部の側面図である。図6(b)は、義歯支持部に近づくほど幅が広がる曲線状の側面を有する歯肉接触部の側面図である。本発明の人工歯根は、歯肉接触部の外形が義歯支持部に近づくほど膨らむ形状(特に、円錐台状)なので、人工歯根を骨組織に埋入する際に、歯肉接触部が埋入される抵抗となる。さらには、歯肉接触部が、骨組織に埋入されると、埋設部を埋入する場合とは抵抗が異なるので、術者にその抵抗が伝わる。これにより人工歯根を深く埋入し過ぎる事態を防止し得る。
義歯支持部に近づくほど膨らむ形状は、先に説明したとおり、円錐台状などが挙げられる。歯肉接触部と、歯肉接触部の上面(図3において、縁部11を有する面)の面積(義歯支持部の面積を含むもの)は、歯肉接触部の下面(埋設部の面積を含むもの)の1.01倍〜2倍が挙げられ、好ましくは1.05倍〜1.5倍であり、より好ましくは1.1倍〜1.2倍である。適宜、1.1倍〜1.3倍、1.05倍〜1.25倍、1.05倍〜1.4倍などとしてもよい。具体的な上面の直径としては、4.8mmなどが挙げられる。
歯肉接触部の表面の少なくとも一部(または、全面)には、好ましくは鏡面加工が施される。鏡面加工は、公知の表面研削、表面切削により施せばよい。鏡面加工が施された部分の、表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で、0.001μm〜0.1μmが挙げられ、好ましくは0.005μm〜0.05μmであり、より好ましくは0.01μm〜0.03μmである。このように、歯肉接触部の表面の少なくとも一部が、鏡面加工されているので、歯肉に接した際に歯肉が感じる違和感が少ないという利点がある。すなわち、歯肉接触部の表面が粗いとちくちくするなど痛みや異物感を与える場合があるが、鏡面加工により歯肉接触部の表面が滑らかになっているので、人工歯根と歯肉との密着性がよく、さらには外部からの感染を防止できる。
歯肉接触部にも、リン酸カルシウム系物質を含む薄膜層(特にハイドロキシアパタイトを含む薄膜層)が形成されていても良い。鏡面加工後にリン酸カルシウム系物質を含む薄膜層が形成されても良いし、リン酸カルシウム系物質を含む薄膜層を形成した後に鏡面加工を施しても良い。歯肉接触部にリン酸カルシウム系物質を含む薄膜層を形成するためには、上記の埋設部に薄膜層を形成すると同時に行ってもよい。したがって、歯肉接触部のリン酸カルシウム系物質を含む薄膜層は、埋設部のリン酸カルシウム系物質を含む薄膜層と同様のものを採用でき、その形成方法も同様であってもよい。
(1.4.その他)
本発明の人工歯根は、好ましくは、前記義歯支持部、前記埋設部、及び前記歯肉接触部が一体成形されている。一体形成されているので、本発明の人工歯根は、各部位の連結部として十分な強度を有することとなる。これにより、本発明の人工歯根は、咀嚼中に折れるなどの事態が発生することを軽減できる。
(1.5.製造方法)
本発明の人工歯根は、公知の人工歯根の製造方法に従って製造することができ、特に限定されるものではない。
(2.人工歯根の別の態様−1−)
図7に、本発明の人工歯根の別の例を示す。図7に示されるように本発明の人工歯根の別の態様としては、義歯が装着された際に義歯を支え、固定する義歯支持部と、骨組織に埋入される埋設部と、前記義歯支持部と前記埋設部との間に設けられる歯肉接触部とを具備する人工歯根であって、前記歯肉接触部の外形は、前記義歯支持部に近づくほど膨らむ円錐台状であり、前記歯肉接触部と前記義歯支持部との境目には、義歯の下部が埋設される義歯埋設溝が設けられ、前記義歯支持部と前記歯肉接触部とはともに円錐台状であり、前記義歯支持部の軸21と前記歯肉接触部の軸22とのなす角23が、1度〜25度のものが挙げられる。このように、義歯支持部の軸と前記歯肉接触部の軸とが傾斜していれば、例えば前歯用の人工歯根として好適に用いることができる。
この実施態様における義歯支持部の軸と歯肉接触部の軸とのなす角は、1度〜25度が挙げられ、好ましくは5度〜15度である。義歯支持部の軸とは、義歯支持部の重心をとおる軸であり、義歯支持部が円錐台状の場合は円錐台の軸とほぼ一致する。歯肉接触部の軸も、義歯支持部の軸と同様に考えることができる。なお、この態様の人工歯根についても、先に説明した人工歯根についての構成、製造方法などを全て採用することができる。
本発明の人工歯根は、人工歯根として販売され、歯科医による歯科治療に大いに利用され得る。
本発明の人工歯根は、咬合の際に生じる横方向の応力を緩和できるので、本発明の人工歯根はその埋設部の長さを短くできる。この結果、本発明の人工歯根は特に老人用の人工歯根として好適に用いることができる。
図1は、従来の人工歯根の例を示す概略図である(特開平2−161939号公報より引用)。 図2は、従来の人工歯根のうち、図1に示すものとは別の例を示す概略図である(特開2001-204743号公報より引用)。 図3は、本発明の人工歯根の基本的要素を示す概略構成図である。 図4は、本発明の人工歯根に義歯13を搭載した際の概略図である。 図5は、本発明の人工歯根の例を示す図である。 図6は、帯部の形状を説明するための図である。 図7は、本発明の本発明の人工歯根の別の例を示す図である。
符号の説明
1 人工歯根
2 義歯支持部
3 埋設部
4 歯肉接触部
5 突起部
6 カット面
7 埋設部のボディ部分
8 凹溝
9 環状突起
10 凹部または平坦部
11 縁部
12 凹部
13 帯部
14 義歯
15 接着剤
21 義歯支持部の軸
22 歯肉接触部の軸
23 義歯支持部の軸と歯肉接触部の軸とがなす角
24 帯部の厚さ
25 帯部の上部傾斜部
26 帯部の下部傾斜部
27 帯部の平均傾斜
28 上部傾斜部の傾斜
29 下部傾斜部の傾斜

Claims (19)

  1. 義歯が装着された際に義歯を支え、固定する義歯支持部と、
    骨組織に埋入される埋設部と、
    前記義歯支持部と前記埋設部との間に設けられ、少なくともその一部が歯肉と接触する歯肉接触部と、
    を具備する人工歯根であって、
    前記埋設部の上部には、前記埋設部を取り囲み、下方に進むに従い先細な形状となる帯部が設けられる
    人工歯根。
  2. 前記帯部の平均傾斜が、5°〜45°である請求項1に記載の人工歯根。
  3. 前記帯部の長さが、0.5mm〜4mmである請求項1に記載の人工歯根。
  4. 前記帯部が、傾斜の異なる2又はそれ以上の傾斜部を含む請求項1に記載の人工歯根。
  5. 前記帯部が、傾斜の異なる2つの傾斜部を含み、それらを上部傾斜部と下部傾斜部とした場合、
    上部傾斜部の傾斜が0°〜20°であり、
    下部傾斜部の傾斜が10°〜60°である
    請求項1に記載の人工歯根。
  6. 前記上部傾斜部と、前記下部傾斜部との厚さの比が50:1〜1:20の範囲である請求項5に記載の人工歯根。
  7. 前記埋設部の長さが4mm〜14mmである請求項1に記載の人工歯根。
  8. 前記帯部以外の前記埋設部の少なくとも一部には、らせん状の突起部が設けられ、
    前記らせん状の突起部は、下方に近づくにつれて先細となる先細突起部を含む請求項1に記載の人工歯根。
  9. 前記先細突起部の傾斜は、1°〜30°である請求項8に記載の人工歯根。
  10. 前記先細突起部の長さが1mm〜10mmである請求項8に記載の人工歯根。
  11. 前記埋設部の表面の少なくとも一部には、リン酸カルシウム系物質を1種又は2種以上含む薄膜層が形成される請求項1に記載の人工歯根。
  12. 前記埋設部の表面の少なくとも一部には、アパタイト焼結体の固体ターゲットを用い、出力200W〜1kW、アルゴン分圧0.01Pa〜10Paのスパッタリング法を含む工程により形成されたハイドロキシアパタイトを含む薄膜層が形成される請求項1に記載の人工歯根。
  13. 前記薄膜層の膜厚が、0.1μm〜5μmである請求項11又は請求項12に記載の人工歯根。
  14. 前記歯肉接触部の外形は、前記義歯支持部に近づくほど膨らむ形状である請求項1に記載の人工歯根。
  15. 前記歯肉接触部と前記義歯支持部との境目には、義歯の下部が搭載される縁部が設けられる、請求項1に記載の人工歯根。
  16. 前記縁部は、その幅の平均が0.1mm〜0.7mmである請求項15に記載の人工歯根。
  17. 前記義歯支持部が先細の円錐台状であり、
    前記義歯支持部の側面には、円錐台の軸を中心とした円を描くように形成された凹溝が設けられる請求項1に記載の人工歯根。
  18. 前記義歯支持部の軸と前記歯肉接触部の軸とのなす角が、1度〜25度である請求項1に記載の人工歯根。
  19. 前記義歯支持部、前記埋設部、及び前記歯肉接触部が一体成形される請求項1に記載の人工歯根。

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